JP4188275B2 - リン酸カルシウム化合物のポリメリックゾル製造方法とその金属移植体 - Google Patents

リン酸カルシウム化合物のポリメリックゾル製造方法とその金属移植体 Download PDF

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Description

本発明は、リン酸カルシウム化合物のポリメリックゾル製造方法とその金属移植体コーティング方法に関するもので、特に、ゾル・ゲル法を利用して生体活性に優れるアパタイト入りリン酸カルシウム化合物のポリメリックゾルを合成して、それを金属移植体にコーティングした後、熱処理することにより基板との付着強度が高くて緻密に焼結されたコーティング層を製造する方法に関する。
より詳しくは、本発明は、カルシウムとリン酸成分が完全に溶けきっていて、透明均一で濡れ性(wettability)に優れるリン酸カルシウム化合物のポリメリックゾル製造方法と、このポリメリックゾルを、歯科、整形外科の領域で、現在使用されている各種の金属移植体の表面にコーティングして熱処理することによる、緻密で付着強度の高い水酸化アパタイト入りリン酸カルシウムセラミックのコーティング方法に関する。
Kitsugi等は、Biomaterials 16, 1101-1107(1995)で、水酸化アパタイト(Hydroxyapatite, HA, Ca10(PO4)6(OH)2)を含む三リン酸カルシウム(Tricalcium phosphate, TCP, Ca3(PO4)2), 四リン酸カルシウム(Tetracalcium phosphate, TTCP, Ca4P2O9), 一リン酸カルシウム(Calcium pyrophosphate, CPP, Ca2P2O7)等のリン酸カルシウムセラミックをうさぎの骨組織に移植して、その界面を透過電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Microscope)で観察した結果、界面において移植体のすべてが骨と直接化学的に結合する事実を報告した。
前記リン酸カルシウムセラミックは、すべて、骨と直接結合する点においては同一であるが、体内への移植のとき、溶解される速度は異なっている。その中で、水酸化アパタイトは体内に移植する場合、いちばん安定で、化学的特性が人間の骨を構成する無機物質と最も類似していることが知られているので、臨床的に水酸化アパタイトセラミックを人工骨の材料として使うために多くの努力がなされてきた。しかしながら、水酸化アパタイトセラミックは、セラミックの一般的な短所である脆性(Brittleness)を乗り越えることができず壊れやすいため、生体親和性が優れるにもかかわらず、繰り返し荷重に耐えなければならない部位には、まだステンレス、コバルト−クロム合金、チタニウム合金などの金属材料からなるインプラント(implant)が主に使われている。
金属の優れた機械的強度と水酸化アパタイトの高い生体親和性とを合わせるために、金属移植体の表面に水酸化アパタイトをコーティングする研究が進められつつある。金属移植体に水酸化アパタイトをコーティングする最も一般的な方法は、プラズマスプレー(Plasma spray)法である。プラズマスプレー法は、水酸化アパタイト粉末を、伝達気体を用いて20,000−30,000℃のプラズマ領域を通過させて瞬間的に溶融した後、ターゲット基板に付着させるコーティング方法である。プラズマスプレー法は、スパッタリング(Sputtering)、化学蒸着法(Chemical Vapor Deposition)など、他のコーティング方法に比べて付着強度が高いという点において有利である。
しかし、水酸化アパタイトの粒子が高温のプラズマ領域を通過するとき、化学的構造が壊れて、三リン酸カルシウム、四リン酸カルシウム、酸化カルシウム、非晶質リン酸カルシウムのような分解産物が多量に発生して、体内へ移植したときにコーティング層が吸収されるため、界面から解離するか、コーティング層の強度が顕著に低下する問題点が発生する(Filiaggiet al. J. Biomed. Mater. Res., 25:1211-1229, 1991 参照)。
このような問題点を解消するためのコーティング方法が研究されたが、根本的に水酸化アパタイトセラミックの焼成(Sintering)可能温度が1100℃以上であることに問題点があった。金属移植体は、主にステンレス316Lとチタニウム合金(Ti-6Al-4V)が使われるが、1100℃以上の温度では機械的強度がかなり減少し、酸化が著しく生じる問題点があるので、水酸化アパタイトコーティング層を少なくとも1000℃以下の温度で緻密に焼成できなければならない。
最近、水酸化アパタイトの粒子をナノ(nano, 1nm=10-9m)の大きさに合成して焼成温度をさらに低くしようとする多くの試みがなされている。ゾル・ゲル合成法(Sol-gel synthesis)は、このような目的に非常に適合する方法である。ゾル・ゲル法とは、金属有機物を加水分解させて3〜4nmの一次粒子を作り、このような一次粒子を重縮合(condensation)反応させてゲル網目を形成させた後、溶媒を除去してゲルを乾燥させ収縮させて、これを熱処理して一般的なセラミックを作る方法である。このようなゾル・ゲル法は、化学的に均一なセラミック粒子の大きさをかなり縮小できるため、反応性の大きい粒子を合成できるという面においては有利であるが、ゾル・ゲル法により得ることができるセラミックの量が少ないため、コーティングのような特殊な目的に使用される。
アパタイトをゾル・ゲル法により合成してコーティングすると、低温でアパタイトが結晶化して焼成温度もかなり低くすることができるため、新たなアパタイトコーティング方法として脚光を浴びている。アパタイトを含むリン酸カルシウムセラミックのゾル・ゲル法においてもっとも重要なことは、適当なカルシウム塩、リン酸塩および溶媒の選択である。さらに、カルシウムとリン酸とを均一に混合して、互いに結合できるようにする熟成条件の確立が重要である。
米国特許公報第5,766,669号は、硝酸カルシウム(Ca(NO3)2)とアンモニウムホスフェート溶液とを混合してアパタイトゾルを製造し、これを金属基板にコーティングした後、950℃から1000℃の間の温度で熱処理するアパタイトコーティング製造方法を提供している。さらに、米国特許公報第6,569,489号は、6.0から7.5の範囲のpHと100℃以下の温度に保持した、カルシウムイオン、リン酸イオン、炭酸イオンを溶解した水溶液に、コーティングしようとする基板を浸し、アパタイトコーティング層を基板と化学的に結合させて、結晶質アパタイトのコーティング層を生成しうる十分な時間にわたって保持する方式のアパタイトコーティング製造方法を提供している。
一方、D. M. Liu等は、Biomaterials 22 1721-1730, (2001)において、硝酸カルシウム(Ca(NO3)2)を無水エタノールに溶かした溶液と、トリエチルホスファイトを無水エタノールに入れて水を添加して加水分解した溶液とを混合してアパタイトゾルを製造し、純チタニウム基板にアパタイトコーティングを試みている。なお、K. A. Gross等は、「J. Mater. Sci.: Mater. in Med. 9 839-843, (1998)」において、カルシウムエトキシドをエタノールとエタンジオール (Ethane diol)との混合溶媒に溶かした溶液と、トリエチルホスファイトをエタノールとエタンジオールとの混合溶媒に溶かした溶液とを互いに混合してアパタイトゾルを製造して、このゾルをチタニウム基板にコーティングした後、800℃で熱処理してアパタイトコーティング層を得る技術を提案している。
しかしながら、アパタイト水溶液でコーティングしたり、カルシウム塩として硝酸カルシウムを選択すると、基板にコーティングするときに濡れ性(wettability)が劣るので、基板全体において均一な厚さのコーティング膜を得ることができない。
さらに、エタノールとエタンジオールの混合溶媒を使用した場合にも、溶媒として水を使用したときと同様に、アパタイトゾル溶液の濡れ性が劣るので、根本的に均一で緻密なコーティング層を得ることができないという致命的な短所がある。濡れ性に優れるゾルは、基板全体に均一に広がるため、均一なコーティング膜を得るのに大変有利である。したがって、ゾル・ゲルコーティングにおいてもっとも重要な特性は、合成したゾルの基板に対する濡れ性である。
現在まで公知の常用されているアパタイトゾルを用いたコーティング方法は、根本的に濡れ性に劣るゾルを使用しているため、コーティング層が緻密ではなく、全体的に均一な厚さを得られない問題点があった。よって、アパタイトゾルを用いたコーティング法は、簡単で、高価なコーティング装備が必要ではないという長所にもかかわらず、広く利用されずにいる。
したがって、本発明は、かかる従来技術の問題点を乗り越えるために案出されたものであり、その目的は、リン酸成分が完全に溶けきっていて透明均一で、濡れ性(wettability)と生体活性に優れるリン酸カルシウム化合物のポリメリックゾル製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、前記ポリメリックゾルを歯科、整形外科の領域で、現在使用されている各種の金属移植体の表面にコーティングして熱処理することにより、緻密で、付着強度が高くて均一な微細構造のコーティング層を形成する水酸化アパタイト入りリン酸カルシウムセラミックのコーティング方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、カルシウムエトキシド(calcium ethoxide, Ca(OC2H5)2)をプロピオン酸(propionic acid, CH3CH2COOH)、酢酸(acetic acid, CH3COOH)、ギ酸(formic acid, HCOOH)のうちいずれか一つの有機酸に完全に溶かしたカルシウム塩溶液と、トリエチルホスファイト(triethyl phosphite, P(OC2H5)3)あるいはトリエチルホスフェート(triethyl phosphate, PO(OC2H5)3)を前記有機酸に溶かしたリン酸塩溶液とを混合した後、熟成させることを特徴とするアパタイト(apatite)入りリン酸カルシウム化合物のポリメリックゾル(polymeric sol)製造方法を提供する。
さらに、本発明は、このようなポリメリックゾルに金属移植体を含浸(dipping)、高速回転(spinning)、スプレー(spray)などの方法でコーティングする段階と;前記ポリメリックゾルがコーティングされた金属移植体を60〜100℃の温度で加水分解する段階と;前記コーティング膜を300〜500℃の温度で予備熱処理して、コーティング膜に残っている有機物を焼失させる段階と;前記コーティング膜を所望の厚さに増加させるために前記過程を繰り返す段階と;前記金属移植体を窒素雰囲気下において500℃〜800℃の温度で焼結する段階とを含むことを特徴とするリン酸カルシウムセラミックのコーティング方法を提供する。
前記アパタイトのポリメリックゾルを製造するためには、特定のカルシウム塩溶液とリン酸塩溶液を用意して、これらを混合した後、熟成しなければならない。本発明では、まず、カルシウム塩溶液(溶液A)でカルシウムエトキシド粉末をプロピオン酸、酢酸、ギ酸などの有機酸に、0.005から1.0の範囲のモル濃度になるように入れて完全に溶けきるまで十分にかき回す。
この場合、有機酸に添加されるカルシウムエトキシド粉末を0.005モル濃度未満に添加すると、濃度が低くすぎて、得られるアパタイト粉末の量が少なく、カルシウムエトキシド粉末を1.0モル濃度を超過して添加すると、カルシウムエトキシドを有機酸溶媒に溶解しきれない問題がある。カルシウムエトキシドは潮解性を有するため、カルシウムエトキシド自体や溶液を扱うときには、十分に乾燥したアルゴンあるいは窒素雰囲気で行わなければならない。
一方、リン酸塩溶液(溶液B)は、カルシウムとリンのモル比(Ca/P)が1〜2の範囲になるように定量した後、トリエチルホスファイトやトリエチルホスフェートをプロピオン酸、酢酸、ギ酸などの有機酸に入れて十分に攪拌する。固相のカルシウムエトキシドとは異なり、トリエチルホスファイトやトリエチルホスフェートは液相であるため、別の溶解工程を経る必要はない。この場合、トリエチルホスフェートは、加水分解(hydrolysis)が遅くてカルシウム塩との反応が遅くなり、アパタイト合成において多くの時間がかかるため、リン酸塩としてはトリエチルホスファイトがさらに望ましい。
前記リン酸塩溶液(溶液B)を、カルシウムとリンのモル比(Ca/P)が1〜2の範囲になるように定量する理由は、下記のように、カルシウム塩溶液(溶液A)とリン酸塩溶液(溶液B)とを混合して合成されるリン酸カルシウム化合物が前記モル比(Ca/P)をはずれた場合には、生体活性に優れる化合物が得られないためである。
つまり、前記カルシウムエトキシドが完全に溶けきったカルシウム塩溶液(溶液A)と、トリエチルホスファイトあるいはトリエチルホスフェートが完全に溶けきったリン酸塩溶液(溶液B)とを混合すると、カルシウムとリンのモル比(Ca/P)により次のようなリン酸カルシウム化合物が合成される。
すなわち、カルシウムとリンのモル比(Ca/P)が1.0の場合一リン酸カルシウム(Ca2P2O7)、Ca/P=1.5の場合三リン酸カルシウム(Ca3(PO4)2)、Ca/P=1.67の場合水酸化アパタイト(Ca10(PO4)6(OH)2)、Ca/P=2.0の場合四リン酸カルシウム(Ca4P2O9)が合成され、前記一リン酸カルシウム(CPP;Ca2P2O7)、三リン酸カルシウム(TCP;Ca3(PO4)2)、水酸化アパタイト(HA;Ca10(PO4)6(OH)2)、及び四リン酸カルシウム(TTCP;Ca4P2O9)は全て生体活性に優れるものとして知られている。
前記カルシウム塩溶液とリン酸溶液とを混合して得られるリン酸カルシウム化合物の混合溶液を、常温から最高80℃の温度で所定時間熟成させると、リン酸カルシウム化合物のポリメリックゾル(polymeric sol)が得られる。熟成時間は常温の場合、最大一週間であり、80℃では最大10時間である。それ以上熟成させると、部分的に沈殿が生じて全体的に均一なゾルを得られない。
前記熟成過程を経たゾルは、薄いかば色で、透明で、濡れ性(wettability)に優れる。
前記のように生体活性に優れるリン酸カルシウム化合物のポリメリックゾルを得た後、このゾルを金属移植体に含浸(dipping)、高速回転(spinning)、スプレー(spray)などの方法でコーティングし、前記ポリメリックゾルがコーティングされた金属移植体を60℃〜100℃の温度で加水分解し、前記コーティング膜を300℃〜500℃の温度で予備熱処理してコーティング膜に残っている有機物を焼失させる工程を繰り返して前記コーティング膜を所望の厚さに増加させる。その後、所望の厚さのコーティング膜がコーティングされれば、前記金属移植体を窒素雰囲気下において500℃〜1000℃の温度で焼結させる。
このとき、焼結温度が500℃未満である場合は有機物を完全に焼失させることができず、1000℃を超過する場合は移植体の機械的強度がかなり減少し酸化が著しく生じる問題点がある。
上記のように得られたリン酸カルシウム化合物のポリメリックゾルを使って各種の金属移植体の表面にコーティングして熱処理すると、付着強度が高くて均一な微細構造のコーティングが得られる。
以下、本発明を好ましい実施例の示された添付図面を参照してより詳しく説明する。
添付の図1は、本発明により製造されたアパタイトゾルを示す写真である。示されたアパタイトゾルは、本発明にしたがってリン酸カルシウム化合物の混合溶液を60℃で6時間熟成させたもので、薄いかば色で、透明で、安定した状態にある。このようにゾルの状態が透明ということは、沈殿物がなく均一であることを意味し、これはコーティング液として使用したとき、均一なコーティング膜を形成できることを意味する。
図2は、ゾルの接触角を測定するための実験であって、非晶質シリカ基板にアパタイトゾル一滴を落とした後の状態を示す写真である。実験に使用したアパタイトゾルは60℃で6時間熟成させたもので、一般的に接触角が大きいほど濡れ性が劣る。図2のように、本発明のアパタイトゾルは、接触角を測定できないほど基板上に広がっていて、濡れ性に非常に優れることが分かる。さらに、ゾルの濡れ性が優れていると、基板などの被コーティング体に均一にコーティングするのに有利であるためコーティング用として適したゾルとなる。
ゾルのコーティング方法について説明すると、ステンレス・スチールやチタニウム合金などの金属基板、具体的には歯科、整形外科の領域で主に使用される各種の金属移植体、つまり緻密骨用スクリューのような金属インプラントの表面をコーティングするためには、熟成の終わったゾルに予め洗浄した金属インプラントをそのまま含浸するか、含浸後、高速回転させるか、スプレーなどの方法を用いる(図8参照)。
コーティングの終わったインプラントを、60℃〜100℃の乾燥機に入れて10〜15分間保持してさらに加水分解させた後、300℃〜500℃の電気炉に直ちに入れて熱処理することによりコーティング層に残っている有機物を焼失させてアパタイトへと結晶化させる。コーティング層の厚さを増加させるためには、この工程を、所望の厚さが出るまで繰り返す。アパタイトの結晶化も、コーティング層の粒子の大きさを増加させるためには、熱処理温度を増加させるのがよい。ただし、500℃以上の温度では、金属基板の酸化のおそれがあるため、窒素、アルゴンのような不活性気体の雰囲気で熱処理する。
さらに、コーティングせずに粉末を得ようとする場合には、ゾルに湯煎法で熱を加えて100℃に保持して溶媒を完全に揮発させて得た粉末を、再び酸化雰囲気で700℃から1000℃までの温度で2時間熱処理する。
以下に、実施例を通じて本発明をさらに詳しく説明することにする。ただし、本発明の範囲は下の実施例に限られるものではない。
(実施例1、比較例1−3)
まず、乾燥したアルゴン気体で充填させたグローブボックス(glove box)内で、カルシウムエトキシドを5ccのプロピオン酸(実施例1)、エタノール(ethanol、比較例1)、2−メトキシエタノール(2-methoxyethanol、比較例2)、エチレングリコール(ethylene glycol、比較例3)にそれぞれ0.25M濃度で溶解させたカルシウム塩溶液Aを用意する。リン酸塩溶液Bはカルシウムとリンのモル比が1.67になるように定量したトリエチルホスファイト(triethyl phosphite)を5ccのプロピオン酸(実施例1)、エタノール(比較例1)、2−メトキシエタノール(比較例2)、エチレングリコール(比較例3)に注いで用意する。溶液Bを溶液Aに徐々に注いで、これらの二つの溶液を混合した後、10分間十分に攪拌する。攪拌した後、溶液中の沈殿生成の有無、溶液の濡れ性を観察した。これを下記の表1に示す。
上記の表1に示すように、カルシウムエトキシドを溶解するためにプロピオン酸(実施例1)以外に、エタノール(比較例1)、2-メトキシエタノール(比較例2)、エチレングリコール(比較例3)を溶媒として使用したが、エタノール(比較例1)を使った場合はカルシウムエトキシドが溶解せず、2-メトキシエタノール(比較例2)の場合は沈殿物が発生し、プロピオン酸(実施例1)とエチレングリコール(比較例3)の場合は沈殿がなく透明な溶液が得られた。
非晶質シリカ基板を使用した濡れ性の実験で、プロピオン酸(実施例1)、エタノール(比較例1)及び2-メトキシエタノール(比較例2)の場合は濡れ性に優れていたが、エチレングリコール(比較例3)の場合は、濡れ性が悪く、凝集する現象が生じた。
したがって、沈殿生成の有無および濡れ性などを総合して考慮すると、コーティングに適するものはプロピオン酸(実施例1)を用いたものであることが分かる。
(実施例2,3)
乾燥したアルゴン気体で充填させたグローブボックス(glove box)内で、カルシウムエトキシドを5ccの酢酸(実施例2)、ギ酸(実施例3)に0.25M濃度で溶解させた溶液Aを用意する。溶液Bは、カルシウムとリンのモル比が1.67になるように定量したトリエチルホスファイト(triethyl phosphite)を5ccの酢酸(実施例2)、ギ酸(実施例3)に注いで用意する。溶液Bを溶液Aに徐々に注いで、これらの二つの溶液を混合した後、10分間十分に攪拌する。攪拌した後、溶液中の沈殿生成の有無、溶液の濡れ性を観察した。これを下記の表2に示す。
酢酸(実施例2)、ギ酸(実施例3)を用いた場合について、上記実施例1と同様の方式で実験した結果、沈殿が生成せず、濡れ性に優れており、実施例1と同様にコーティングに適することが分かる。
(実施例4−7)
乾燥したアルゴン気体で充填させたグローブボックス(glove box)内で、カルシウムエトキシドを5ccのプロピオン酸に0.3M、0.5M、1.0M、1.2Mの濃度(実施例4-7)でそれぞれ溶解させた溶液Aを用意する。溶液Bは、カルシウムとリンのモル比が1.67になるように定量したトリエチルホスファイト(triethyl phosphite)を5ccのプロピオン酸に注いで用意する。溶液Bを溶液Aに徐々に注いで、これらの二つの溶液を混合した後、10分間十分に攪拌する。攪拌した後、溶液中の沈殿生成の有無、溶液の濡れ性を観察した。これを下記の表3に示す。
上記実施例4-7のように、溶媒に溶解するカルシウムエトキシドの濃度を0.3M〜1.2Mに変化させた結果、0.3M、0.5M、1.0Mの濃度(実施例4-6)の場合には、ほとんど完全に溶解したが、1.2M濃度の場合は溶解しなかったカルシウムエトキシドが明らかに観察できた。
(実施例8−12)
乾燥したアルゴン気体で充填させたグローブボックス(glove box)内で、カルシウムエトキシドを5ccのプロピオン酸に0.25M濃度で溶解させた溶液Aを用意する。溶液Bは、カルシウムとリンのモル比が1.67になるように定量したトリエチルホスファイト(triethyl phosphite)を5ccのプロピオン酸に注いで用意する。溶液Bを溶液Aに徐々に注いで、常温でこれらの二つの溶液を混合した後、10分間十分に攪拌する。
混合溶液の温度を常温から所定の温度(常温、40、60、80及び90℃;実施例8-12)に10分以内に上昇させて、当該温度で熟成させながら沈殿が生じるまでの時間を観察した。その結果を下記の表4に示す。
上記のように、混合溶液の温度を常温、40,60,80及び90℃(実施例8-12)にそれぞれ熟成温度を異ならせて実施した結果、熟成温度が高いほど沈殿の生成が早くなることが分かる。さらに、90℃で熟成させた場合には、3時間以降に沈殿が発生しはじめるため、コーティング処理において適切な時間を確保しにくいことが分かる。
(実施例13−16)
乾燥したアルゴン気体で充填させたグローブボックス(glove box)内で、カルシウムエトキシドを5ccのプロピオン酸に0.25M濃度で溶解させた溶液Aを用意する。溶液Bは、カルシウムとリンのモル比(Ca/P)がそれぞれ1.0、1.5、1.67、2.0(実施例13−16)になるように定量したトリエチルホスファイト(triethyl phosphite)を5ccのプロピオン酸に注いで用意する。溶液Bを溶液Aに徐々に注いで、これらの二つの溶液を混合した後、10分間十分に攪拌する。
混合溶液の温度を常温から120℃に10分以内に上昇させ当該温度で溶媒を完全に蒸発させた後、発生する粉末を1000℃で4時間熱処理する。熱処理した粉末をX線回折法により分析して結晶を確認した。その結果を表5に示す。
上記のように、カルシウムとリンのモル比がそれぞれ1.0、1.5、1.67、2.0(実施例13−16)の混合溶液を製造した後、溶媒を除去して得られる粉末を熱処理した結果、カルシウムとリンのモル比(Ca/P)が1.0(実施例13)の場合はベータ型一リン酸カルシウム(β-Ca2P2O7)、モル比(Ca/P)が1.5(実施例14)の場合はベータ型三リン酸カルシウム(β-Ca3(PO4)2)、モル比(Ca/P)が1.67(実施例15)の場合は水酸化アパタイト(Ca10(PO4)6(OH)2)、モル比(Ca/P)が2.0(実施例16)の場合は四リン酸カルシウム(Ca4P2O9)の結晶が得られることを確認できた。
(実施例17)
乾燥したアルゴン気体で充填させたグローブボックス(glove box)内で、カルシウムエトキシドを5ccのプロピオン酸に0.25M濃度で溶解させた溶液Aを用意する。溶液Bは、カルシウムとリンのモル比が1.67になるように定量したトリエチルホスファイト(triethyl phosphite)を5ccのプロピオン酸に注いで用意する。溶液Bを溶液Aに徐々に注いで、これらの二つの溶液を混合した後、10分間十分に攪拌する。溶液の温度を60℃に上昇させた後、6時間60℃に保持してゾル溶液を熟成させる。6時間後に熟成溶液を常温で冷やすことにより、アパタイトコーティング用ゾルを製造した。
アセトン溶液で洗った非晶質シリカ基板を用意し、これをアパタイトコーティングゾルに浸してから徐々に取り出す方法によりコーティングした後、100℃に保持した乾燥機に10分間入れてさらに加水分解させる。10分後これを500℃に保持した電気炉に移して500℃で15分間保持し、コーティング層に残っている有機物を焼失させアパタイトへと結晶化する。この過程を5回繰り返す。5回繰り返した後、コーティング層の状態を調べた。これを下記の表6に示す。
(比較例4)
比較例4では、前記実施例17と同一な方式によりアパタイトコーティング用ゾルを製造した後、アセトン溶液で洗った非晶質シリカ基板を用意して、これをアパタイトコーティングゾルに浸してから徐々に取り出す方法によりコーティングした後、100℃に保持した乾燥機に10分間入れて、さらに加水分解する。10分後にコーティング工程を5回繰り返す。最終的に、コーティング体を500℃に保持した電気炉に移して500℃で15分間保持させる。15分経過した後、コーティング体を取り出してコーティングの状態を目視で観察した。その状態を下記の表6に示す。
上記実施例17のように、アパタイトコーティング用ゾルをコーティング→加水分解→500℃で15分間保持という過程を5回繰り返した場合には、透明で均一なコーティング層が得られたが、比較例4のように、コーティング→加水分解の過程を5回繰り返してコーティングした後に最終的に500℃で15分間保持した場合には、コーティング層の一部が剥がれて不均一であった。
その後、アパタイトの結晶化度及びコーティング層の粒子の大きさを増加させるため、コーティングされた基板を600℃から800℃まで分当たり5℃の速度で昇温した後、1時間保持する方法で熱処理する。熱処理後に、再び分当たり5℃の速度で冷却する。図3に、このような方法により製造されたアパタイトコーティング層の厚さを調べるために撮影した、コーティング断面の走査電子顕微鏡(Scanning Electron Microscopy;SEM)の写真を示す。コーティング層の厚さが約5マイクロメーター(μm)に達することが確認できた。
図4は、アパタイトコーティング基板を600℃から800℃の温度範囲で1時間熱処理した後、コーティング層の構成成分を確認するためにコーティング層を薄膜X線回折分析法で観察したX線回折グラフであり、2θが20°〜40°の範囲を分当たり5°の速度でスキャンした。図4から分かるように、予め600℃で熱処理した基板において水酸化アパタイトの回折線が見られ、700℃、800℃と熱処理温度が上昇するほど回折線が分離し、結晶化度も増加することを示している。
図5は、コーティング層の成分元素を確認するために走査電子顕微鏡(SEM)に装着されているエネルギー分散X線分光器(Energy Dispersive X-ray Spectroscopy, EDS)でコーティング層を分析したスペクトルである。カルシウムとリンが多量に検出され、基板の構成成分であるSiも微量に検出された。したがって、コーティング層はカルシウムとリンとを含む水酸化アパタイトにより構成されていることが分かる。
図6及び図7は、それぞれ、700℃、1時間熱処理したアパタイトコーティング層を原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscopy;AFM)で観察した結果を示すアパタイトコーティング層の微細構造と表面粗度を示す写真である。図6の場合、50〜100nmのアパタイト粒子が緻密に焼結されていることが分かる。さらに、図7を参照すると、コーティング層の凹凸が少なく均一であることが分かる。
一方、コーティング層の付着強度を調べるためにスクラッチ試験機(Scratch tester)を使用した。探針のかくパワーが25Nに達したときにはじめてコーティング層が剥がれた。一般的に、切削工具鋼にコーティングされたセラミックコーティングが30N程度の付着強度を有することを考慮すると、本発明によって製造されたコーティング層は医療用に使用するのに無理のない付着強度を表している。
図8は、実際臨床において使用されているチタニウム合金(Ti−6Al−4V)とステンレス・スチール(SUS316L)とから製造された常用緻密骨用スクリュー(Ti、SUS)と、これを本発明の水酸化アパタイト(HA)ゾルでコーティングして、700℃、1時間熱処理したコーティング体(Ti−HA、SUS−HA)とを示す写真である。コーティング体は、コーティング層が透明で、緻密にコーティングされていることが分かる。したがって、実際臨床で使用されている金属インプラントも本発明の実施例におけるゾルで容易にコーティングできることを確認できた。
上記のように、本発明においては、カルシウムとリン酸成分が完全に溶解し、透明で均一で、濡れ性(wettability)に優れたリン酸カルシウム化合物のポリメリックゾルを用いて、歯科、整形外科の領域で、現在使用されている各種の金属移植体の表面にコーティングして熱処理することにより、緻密で、付着強度が高く均一な微細構造を持つリン酸カルシウムセラミックのコーティング層を形成することができる。
したがって、本発明は、金属インプラント表面に生体活性を与えられるアパタイトを含むリン酸カルシウムセラミックを所望の厚さに緻密にコーティングするのに非常に有利な効果を奏する。
以上では、本発明を特定の好ましい実施例を示して説明したが、本発明は上記の実施例に限らず、本発明の主旨を外れない範囲で、当該発明の属する技術分野において通常の知識を有する者により多様な変更と修正が可能であろう。
本発明によって製造された透明で安定したアパタイトゾルを示す写真である。 ゾルの接触角を測定するための実験として、非晶質シリカ基板にアパタイトゾルの液滴を落とした後の状態を示す写真である。 非晶質シリカ基板上に形成されたアパタイトコーティング層の断面を示す走査電子顕微鏡(SEM)の写真である。 アパタイトコーティング基板を600℃〜800℃の温度範囲で1時間熱処理した後、X線回折法で測定した場合のX線回折グラフである。 コーティング層の構成元素を調べるためのコーティング層のエネルギー分散X線分光器(EDS)のスペクトルである。 700℃、1時間熱処理したアパタイトコーティング層を原子間力顕微鏡で観察した結果を示す微細構造の写真である。 700℃、1時間熱処理したアパタイトコーティング層を原子間力顕微鏡で観察した表面粗度をイメージ化した図である。 チタニウム合金またはステンレス・スチールからなる常用緻密骨スクリューに本発明のアパタイトゾルをコーティングして700℃、1時間熱処理した後のコーティング体を示す写真である。

Claims (13)

  1. 有機酸にカルシウムエトキシドを溶かしたカルシウム塩溶液と、有機酸にトリエチルホスファイトあるいはトリエチルホスフェートを溶かしたリン酸塩溶液をそれぞれ用意する段階と;
    前記カルシウム塩溶液とリン酸溶液とを混合した後、混合溶液を熟成させてリン酸カルシウム化合物のポリメリックゾルを得る段階と
    を含むことを特徴とするリン酸カルシウム化合物のポリメリックゾルの製造方法。
  2. 前記有機酸は、プロピオン酸、酢酸、ギ酸からなる群から選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1に記載のリン酸カルシウム化合物のポリメリックゾルの製造方法。
  3. 前記カルシウムエトキシドを、有機酸溶液に対して0.005から1.0モル濃度になるように配合することを特徴とする請求項1に記載のリン酸カルシウム化合物のポリメリックゾルの製造方法。
  4. 前記トリエチルホスファイトあるいはトリエチルホスフェートを有機酸に対して混合する際に、合成しようとするリン酸カルシウム化合物におけるカルシウムとリンのモル比が1.0から2.0の範囲になるように配合することを特徴とする請求項1に記載のリン酸カルシウム化合物のポリメリックゾルの製造方法。
  5. 前記合成されたリン酸カルシウム化合物は、水酸化アパタイト、三リン酸カルシウム、四リン酸カルシウム及び一リン酸カルシウムのうちいずれか一つであることを特徴とする請求項4に記載のリン酸カルシウム化合物のポリメリックゾルの製造方法。
  6. 前記混合溶液の熟成を、常温で最大1週間ないし80℃で最大10時間行うことを特徴とする請求項1に記載のリン酸カルシウム化合物のポリメリックゾルの製造方法。
  7. 有機酸にカルシウムエトキシドを溶かしたカルシウム塩溶液と、有機酸にトリエチルホスファイトあるいはトリエチルホスフェートを溶かしたリン酸塩溶液をそれぞれ用意する段階と;
    前記カルシウム塩溶液とリン酸塩溶液とを混合して、常温で最大1週間ないし80℃で最大10時間熟成させリン酸カルシウム化合物のポリメリックゾルを得る段階と;
    前記ポリメリックゾルを金属移植体の表面にコーティングする段階と;
    前記ポリメリックゾルがコーティングされた金属移植体のコーティング膜を加水分解する段階と;
    前記コーティング膜を予備熱処理してコーティング膜に残っている有機物を焼失させる段階と;
    前記コーティング膜を所望の厚さに増加させるために前記過程を繰り返す段階と;
    前記金属移植体を窒素雰囲気下において500℃〜800℃の温度で焼結する段階と
    を含むことを特徴とするリン酸カルシウムセラミックのコーティング方法。
  8. 前記有機酸は、プロピオン酸、酢酸、ギ酸からなる群から選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項7に記載のリン酸カルシウムセラミックのコーティング方法。
  9. 前記カルシウムエトキシドを、有機酸溶液に対して0.005から1.0モル濃度になるように配合することを特徴とする請求項7に記載のリン酸カルシウムセラミックのコーティング方法。
  10. 前記トリエチルホスファイトあるいはトリエチルホスフェートを有機酸に対して混合する際に、合成しようとするリン酸カルシウム化合物におけるカルシウムとリンのモル比が1.0から2.0の範囲になるように配合することを特徴とする請求項7に記載のリン酸カルシウムセラミックのコーティング方法。
  11. 前記コーティングを、含浸、高速回転、スプレーのうちから選ばれるいずれか一つの方法で行うことを特徴とする請求項7に記載のリン酸カルシウムセラミックのコーティング方法。
  12. 前記加水分解を60〜100℃の範囲の温度で行うことを特徴とする請求項7に記載のリン酸カルシウムセラミックのコーティング方法。
  13. 前記コーティング膜の予備熱処理を300〜500℃の範囲の温度で行うことを特徴とする請求項7に記載のリン酸カルシウムセラミックのコーティング方法。
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