JP2003061619A - コンニャクマンナン含有食品及びコンニャクマンナン加工物の製造方法 - Google Patents

コンニャクマンナン含有食品及びコンニャクマンナン加工物の製造方法

Info

Publication number
JP2003061619A
JP2003061619A JP2001260544A JP2001260544A JP2003061619A JP 2003061619 A JP2003061619 A JP 2003061619A JP 2001260544 A JP2001260544 A JP 2001260544A JP 2001260544 A JP2001260544 A JP 2001260544A JP 2003061619 A JP2003061619 A JP 2003061619A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mannan
konjak mannan
konjak
semi
devil
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001260544A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3537788B2 (ja
Inventor
Toru Kobayashi
徹 小林
Tsutomu Takiguchi
強 滝口
Isao Yoshino
功 吉野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KOBAYASHI SHINJIRO SHOTEN KK
Gunma Prefecture
Original Assignee
KOBAYASHI SHINJIRO SHOTEN KK
Gunma Prefecture
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by KOBAYASHI SHINJIRO SHOTEN KK, Gunma Prefecture filed Critical KOBAYASHI SHINJIRO SHOTEN KK
Priority to JP2001260544A priority Critical patent/JP3537788B2/ja
Publication of JP2003061619A publication Critical patent/JP2003061619A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3537788B2 publication Critical patent/JP3537788B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Coloring Foods And Improving Nutritive Qualities (AREA)
  • Jellies, Jams, And Syrups (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】水溶性食物繊維リッチのコンニャクマンナン含
有食品及びコンニャクマンナン加工物の製造方法を提供
する。 【構成】 こんにゃく粉1に対し少なくとも調味液(醤
油等)を3〜20の重量比で混合してコンニャクマンナ
ン粒子の外周部に前記調味液が浸透して膨潤しつつ中核
部には浸透せずに未溶解で膨潤していない半膨潤状態の
均質化したコンニャクマンナンを作るステップ(S1)
と、前記半膨潤状態のコンニャクマンナンを挽肉機等の
細断加工装置で顆粒状に挽いて形状加工するステップ
(S2)と、形状加工された前記半膨潤状態のコンニャ
クマンナンを凍結乾燥等の脱水処理するステップ(S
3)と、を行うことによって、コンニャクマンナン粒子
の中核部に未溶解の粒の部分が残り、周辺に調味液で溶
解した部分が乾燥されて残った、全体としてカリカリと
した適度な固さを有する快い食感の味付けされたコンニ
ャクマンナン加工物のフリカケとなる構成。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、栄養学的に優れ、
製造が簡便な新しい食感のコンニャクマンナン加工物を
食材とする食品及びコンニャクマンナン加工物の製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】こんにゃく精粉はその80〜85%がコ
ンニャクマンナン(グルコマンナン)から成る食物繊維
豊かな食品素材であるが、その用途はかなり限られてい
るのが現状である。その中でこんにゃく精粉を原料とす
る主たる食品として「こんにゃく」と「しらたき」があ
る。
【0003】上記「こんにゃく」の一般的製造方法は、
(イ)こんにゃく精粉1に対して35〜40の重量比の
水を加えてよく撹拌し、1〜2時間放置して充分にコン
ニャクマンナン粒子に水を浸透させて完全に膨潤させて
均質な糊状にした後、(ロ)アルカリ(通常は石灰乳)
を加えて素早くよく撹拌して型箱に入れて40〜50分
放置しゲル化させる。(ハ)次に、所定の形に切って板
状等に成形し、(ニ)別に予め沸騰させておいた湯(水
100Lに石灰4gの割に溶かす)の中に入れて加熱凝
固させ、(ホ)最後に、冷水中に漬けて過剰のアルカリ
を溶出させてあく味を除いて「こんにゃく」が出来上が
る。なお、上記(ロ)〜(ニ)の段階において、アルカ
リを混合後、数ミリの細孔の開いた目皿から熱水中に押
し出すと「しらたき」が出来る。
【0004】ところで、上記こんにゃく精粉の主成分で
ある食物繊維のコンニャクマンナンはグルコースとマン
ノース(約5:8の割合)からなる多糖類で、分子量数
十万〜数百万である。そして、コンニャクマンナンを水
に溶いた「糊」(ペースト)の状態をゾルといい、コン
ニャクマンナンは熱に関係なく単に水に溶かした状態で
はゾルの状態であり、これにアルカリ(石灰等)を加え
ると固まる(ゲル化する)。食品としての「こんにゃ
く」のようにアルカリで凝固させた状態をゲルという
が、一旦ゲル化したこんにゃくはその後加熱しようが冷
やそうがゾルには戻らないという特質を備えており、所
謂熱不可逆性ゲルである。これに対し、寒天やカラギー
ナンは低温凝固性を有する増粘多糖類であり、冷えれば
固まっており(ゲル)、熱すると融け(ゾル化)、これ
が冷えるとまた固まる(ゲル化)が、このような特質を
備えるものを熱可逆性ゲルという。
【0005】次に、上記コンニャクマンナンの生理効果
について概説すると、例えば、ゲル化させていない水溶
性のコンニャクマンナンをラットに与え、血中コレステ
ロール、肝臓コレステロールの変化を調べたところ、コ
ンニャクマンナン投与区は非投与区に比べ有意に低下し
たとの報告が為されている(92年農芸化学会)。ま
た、コンニャクマンナンを酵素セルラーゼで分解した低
分子化物にも多少の効果があることが報告されている。
さらに、こんにゃく精粉、換言すれば水溶性食物繊維と
してのコンニャクマンナンに、人体における血中コレス
テロール上昇抑制作用効果があることが報告されてい
る。
【0006】一方、市販の「こんにゃく」のように熱不
可逆的にゲル化させた不溶性のコンニャクマンナンは不
溶性食物繊維であり、栄養学的には上記生理的作用効果
は期待できず、食物繊維として腸内の宿便などを物理的
に押し出す効果(おなかの砂払い)があるくらいであ
る。即ち、コンニャクマンナンにコレステロール低下、
血糖値上昇抑制などの生活習慣病に対する効果があると
されるのは、「ゾル」の状態の場合であり、ゲル化させ
た「こんにゃく」や「しらたき」といった食品には上記
血中コレステロール上昇抑制といった生理作用効果は期
待できないのである。
【0007】なお、コンニャクマンナンを原料とする他
の食品としては、コンニャクマンナンを他の増粘多糖類
とともに約100〜200倍量の水と混合、さらに糖
類、酸味料などを適当に加えて調味・加熱・冷却させた
所謂「こんにゃくゼリー」がある。こんにゃくゼリーは
通常のこんにゃくの製造方法とは異なり、ゲル化させて
おらずコンニャクマンナンは水溶性のままであるが、コ
ンニャクマンナンの使用量は全重量の0.5%以下と極
めて微量でコンニャクマンナン濃度は低く、効率的に摂
取することが困難であり、水溶性食物繊維の摂取という
栄養学的意義は薄いと言わざるを得ない。
【0008】また、ゲル化した「こんにゃく」の二次加
工品として、こんにゃくを形状加工、調味して乾燥し、
フリカケやビーフジャーキー或いはのしいか風の珍味に
したものがあるが、完全に膨潤させたこんにゃくを使用
しているので最終的にコンニャクマンナン濃度が低い加
工品となり、且つ完全に膨潤させてゲル化したこんにゃ
くを乾燥させるのは加工コストが高くなって一般的な商
品とは言い難い。また、乾燥後は硬いフィルム状になる
ので食感が悪く、食用に適しているとは言えない。加え
て、コンニャクマンナンが水溶性食物繊維として本来持
つ生理機能は「こんにゃく」の二次加工品であるため備
えていないのである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】食物繊維は人間の消化
酵素で分解されない高分子物質の総称であり、1日に2
5g程度摂取するのがよいと言われているが、現代の日
本人の食生活は大きく変化しており、食物繊維の摂取不
足は以前から指摘されていて一向に改善されていない。
尤も、サプリメントとしての食物繊維食品が多数販売さ
れており、その意義は大きいが、日常の食生活の中で無
理なく自然に食物繊維不足を解消できるのが望ましい姿
であることは言うまでもない。米、麦等も精製度合いが
高まっており、たとえ以前と同じ米・麦の量を摂取した
としても食物繊維の量は同じに摂取できない。この点、
こんにゃく精粉(コンニャクマンナン)には多量の食物
繊維が含まれていること上述のとおりであり、水溶性食
物繊維のコンニャクマンナンを効率的に摂取できる食品
が栄養学的にも望まれるところであるが、現在のところ
そのような食品は見当たらない。
【0010】本発明は、食物繊維が豊富で食材原料とし
て有用なものの、限られた用途しかなく消費が伸び悩ん
でいるこんにゃく精粉を、ゲル化せずに調味、加工する
ことによってコンニャクマンナン濃度が高く、そのまま
摂取することも可能な食感のよいコンニャクマンナンそ
のものを食品化したコンニャクマンナン加工物を作る簡
便な製造方法を提供し、併せて該コンニャクマンナン加
工物を主食材とするコンニャクマンナン含有食品を提供
するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、 (1)少なくともコンニャクマンナンと調味液が混合さ
れるとともにコンニャクマンナン粒子の外周部に前記調
味液が浸透して中核部は浸透していない半膨潤状態で形
状加工及び脱水処理がなされたコンニャクマンナン加工
物を含有することを特徴とするコンニャクマンナン含有
食品を提供する。 (2)また、少なくともコンニャクマンナンと調味液と
低温凝固性を有する増粘多糖類が混合されるとともにコ
ンニャクマンナン粒子の外周部に前記調味液が浸透して
中核部は浸透していない半膨潤状態で固められて形状加
工及び脱水処理がなされたコンニャクマンナン加工物を
含有することを特徴とするコンニャクマンナン含有食品
を提供する。 (3)また、少なくとも予め加熱乾燥してコンニャクマ
ンナン粒子中の結合水を除去してなる乾燥コンニャクマ
ンナンと調味液が混合されるとともにコンニャクマンナ
ン粒子の外周部に前記調味液が浸透して中核部は浸透し
ていない半膨潤状態で形状加工及び脱水処理がなされた
コンニャクマンナン加工物を含有することを特徴とする
コンニャクマンナン含有食品を提供する。 (4)さらに、上記コンニャクマンナン加工物の製造方
法として、乾燥コンニャクマンナンまたはコンニャクマ
ンナン1に対し少なくとも調味液を3〜20の重量比で
混合してコンニャクマンナン粒子の外周部に前記調味液
が浸透して膨潤しつつ中核部は浸透せずに膨潤していな
い半膨潤状態のコンニャクマンナンを作るステップと、
前記半膨潤状態のコンニャクマンナンを形状加工するス
テップと、形状加工された前記半膨潤状態のコンニャク
マンナンを脱水処理するステップと、を行うことを特徴
とするコンニャクマンナン加工物の製造方法を提供す
る。 (5)また、コンニャクマンナン1に対し少なくとも3
〜20の重量比の加熱した調味液と低温凝固性を有する
加熱溶解した増粘多糖類を混合してコンニャクマンナン
粒子の外周部に前記調味液が浸透して膨潤しつつ中核部
は浸透せずに膨潤していない半膨潤状態のコンニャクマ
ンナンを生成するステップと、前記半膨潤状態のコンニ
ャクマンナンを冷却して前記増粘多糖類の凝固にて半膨
潤状態のコンニャクマンナンを固めるステップと、前記
半膨潤状態のコンニャクマンナンを形状加工するステッ
プと、形状加工された前記半膨潤状態のコンニャクマン
ナンを脱水処理するステップと、を行うことを特徴とす
るコンニャクマンナン加工物の製造方法を提供する。
【0012】なお、上記「半膨潤状態」のコンニャクマ
ンナンを、図3の(a)、(b)、(c)に示される模
式図を基に説明すると、分子量数十万〜数百万の高分子
多糖類である元のコンニャクマンナン粒子は、例えて言
えば(a)のような堅く結んだ毛糸玉1のようなもので
あり、水に入れると(b)のように徐々に外周2から毛
糸がほどけて(水に溶解して)、最終的には(c)のよ
うに毛糸玉の中核部3までほどけて(水に溶解して)均
質で粘度の高い糊状のゾルになる。(c)の状態を「膨
潤状態」といい、「半膨潤状態」は途中のふやけ始めて
きた(b)の状態を指す。このように「半膨潤状態」と
は個々のコンニャクマンナン粒子は水が浸透してきて外
側から溶け出しているが(全く溶け出さなければ調味液
が浸透せず味も付かないことになる。)、中核部3まで
は浸透しておらず毛糸(粒)がほどけずに残っている状
態を意味する。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明に係るコンニャクマンナン
食品とその製造方法の実施の形態について図面を用いて
詳述する。
【0014】図1は本発明の第1のコンニャクマンナン
加工物の製造方法を説明する図であり、図2は本発明の
第2のコンニャクマンナン加工物の製造方法を説明する
図である。
【0015】先ず、本発明の要諦は、コンニャクマンナ
ンをゲル化させずに、「水溶性食物繊維そのままの状
態」で加工し、云わば水溶性コンニャクマンナンそのも
のを食品化するという点にあり、水溶性食物繊維リッチ
な食品として効率的に摂取でき、胃腸に入ってから水溶
性コンニャクマンナンとしての生理作用効果を発揮する
点が特長である。
【0016】発明者の試験によれば、コンニャクマンナ
ン(こんにゃく精粉)を水以外の液体、例えば豆乳、牛
乳、砂糖液、塩水、アルコール液などに溶解させようと
してもなかなか膨潤せず、均質化するのに時間を要する
ことから、液体に含まれる物質の濃度が高いほどコンニ
ャクマンナンの膨潤が抑えられる、つまり半膨潤状態が
作りやすいことが判明した。そこで本発明に係るコンニ
ャクマンナン加工物では、コンニャクマンナン粒子の膨
潤を抑えるため、膨潤を阻害するような物質、たとえば
糖、塩等を高濃度で含む調味液(醤油等)をコンニャク
マンナンと重量比で1:3〜20の割合で混合してコン
ニャクマンナン粒子の調味と半膨潤を同時に行う。
【0017】また、コンニャクマンナンを水と混ぜると
すぐに膨潤して粘性がでるが、膨潤を中途で止めるた
め、調味液中に寒天のような低温凝固性を有する増粘多
糖類を加熱して溶かしておき、寒天が調味液中に溶けた
加熱状態の時にコンニャクマンナンを加えて撹拌し、コ
ンニャクマンナン粒子の外周が適度に調味液で膨潤した
程度の半膨潤状態の段階で冷却して寒天を凝固させれば
膨潤がそれ以上進行せず、コンニャクマンナンの半膨潤
状態が調節できる。即ち、上記製造方法によれば、調味
液の濃度は前述の調味液を混ぜただけの形態ほど高い必
要はなく(希釈した薄い醤油等が適用可能)、低濃度で
はコンニャクマンナンの膨潤は進みやすいものの一緒に
存在する寒天が固まろうとするので、コンニャクマンナ
ンはそれ以上膨潤したくても出来ないことになり半膨潤
状態が容易に実現できることとなる。
【0018】さらに、半膨潤状態でのコンニャクマンナ
ンの加工を実現する他の製造方法として、通常のコンニ
ャクマンナンを予め水に膨潤しにくい性質に変えておく
手法が創案される。即ち、一般の市販されているコンニ
ャクマンナン(こんにゃく精粉)は通常6〜10%の水
分を含むが、100〜180℃で1時間程度加熱乾燥す
ると、自由水は勿論、分子の鎖と鎖の間にあった結合水
(構造水)までも除去され、鎖同士が結合して水の溶解
度が著しく低下した膨潤度の低い性質の乾燥コンニャク
マンナンに変わる。この乾燥コンニャクマンナンを利用
すれば低濃度の調味液中でもコンニャクマンナン粒子の
半膨潤状態での加工が容易に実現できるのである。
【0019】本発明の食品としての実施の形態の1例と
しては、「フリカケ」という食品形態が考えられる。
「フリカケ」は子供達にとってなじみの深い食品であ
り、学校給食のご飯には多くフリカケが付いてくる。フ
リカケ1袋は約2.5gであるが、これが水溶性食物繊
維である本発明に係るコンニャクマンナン加工物を主と
するフリカケになれば、一度に2g以上の食物繊維が摂
れることになる。また、老入施設ではパン食よりもご飯
の要望が多いが、ご飯を食べるときの補助食品としてフ
リカケがあれば食生活の質的向上にもなる。
【0020】上記コンニャクマンナン含有食品としての
フリカケの製造方法は、例えば、図1の工程フロー図に
示されるように、コンニャクマンナン1に対し少なくと
も調味液(砂糖、醤油、味醂、食塩、アルコール等の希
釈液またはそれらの混合液等)を3〜20、好ましくは
約5の重量比で混合(撹拌)してコンニャクマンナン粒
子の外周部に前記調味液が浸透して膨潤しつつ中核部に
は浸透せずに未溶解で膨潤していない半膨潤状態の均質
化したコンニャクマンナンを作るステップ(S1)と、
前記半膨潤状態のコンニャクマンナンを挽肉機(チョッ
パー)等の細断加工装置で顆粒状に挽いて形状加工する
ステップ(S2)と、形状加工された前記半膨潤状態の
コンニャクマンナンを凍結乾燥等の脱水処理するステッ
プ(S3)と、を行うとコンニャクマンナン粒子の中核
部に未溶解の粒の部分が残り、周辺に調味液で溶解した
部分が乾燥されて残って、全体としてカリカリとした適
度な固さを有する快い食感の味付けされたコンニャクマ
ンナンのフリカケが出来上がる。なお、上記重量比の範
囲はコンニャクマンナンの半膨潤状態での加工を行える
実用上の限界を示す。
【0021】また、上記コンニャクマンナンのフリカケ
の他の製造方法として、図2の工程フロー図に示される
ように、コンニャクマンナン1に対して少なくとも3〜
20、好ましくは約10の重量比の加熱した調味液と低
温凝固性を有する加熱溶解した増粘多糖類を混合して
(市販の調味液を2倍に希釈したものに予め液量の0.
2〜2.0%になるよう寒天等の増粘多糖類を加え、加
熱・溶解させておく。)コンニャクマンナン粒子の外周
部に前記調味液が浸透して溶解して膨潤しつつ中核部は
浸透せずに膨潤していない半膨潤状態で均質化したコン
ニャクマンナンを生成するステップ(S1)と、前記半
膨潤状態のコンニャクマンナンを容器ごと冷水中で急冷
して前記増粘多糖類の凝固にて半膨潤状態のコンニャク
マンナンを固めるステップ(S2)と、前記固めた半膨
潤状態のコンニャクマンナンを挽肉機等の裁断加工装置
で顆粒状に形状加工するステップ(S3)と、形状加工
された前記半膨潤状態の顆粒状コンニャクマンナンを凍
結乾燥等による脱水処理をするステップ(S4)と、を
行うと前記製造方法と同様のコンニャクマンナンのフリ
カケが出来上がる。
【0022】また、図1の工程フロー図における使用す
るコンニャクマンナンに結合水を除去してなる乾燥コン
ニャクマンナンを適用すると、殆ど水に近い薄味調味液
でも半膨潤状態が安定に実現でき、その後の形状加工及
び脱水処理を容易に行うことができることは勿論であ
る。
【0023】以上説明した3つのコンニャクマンナン加
工物の製造方法では、コンニャクマンナンそのものの加
工食品であるフリカケが簡便に製造され、食物繊維の含
量=コンニャクマンナン含量で、水溶性食物繊維リッチ
な食品である。通常のフリカケ製品は食物繊維1〜2%
であるが、この製造方法によるコンニャクマンナンのフ
リカケであれば85%程度含むことになる。
【0024】本発明のコンニャクマンナン含有食品の第
2の実施形態例としてはシリアル食品がある。前述のフ
リカケの製造方法で、調味液にチリソース、ケチャッ
プ、マヨネーズ等の洋風の味付けのものを適用し、スラ
イサーでスライス状に形状加工し、仕上がりの食感を考
慮しつつ凍結乾燥または熱風乾燥または油で揚げるとい
った脱水処理を行うことで、コーンフレイクのような形
状と軽いパリパリとした食感のコンニャクマンナン加工
物(シリアル素材)が出来上がり、このコンニャクマン
ナン加工物そのものをシリアル食品としてもよいし、他
の乾燥食材や砂糖、塩等と混ぜることで食物繊維リッチ
な各種のシリアル食品に仕上げられる。
【0025】なお、本発明のコンニャクマンナン加工物
の形状は上述の顆粒状、フレーク状に限定されず、そぼ
ろ状、柳状、タブレット状等でもよい。また、本発明の
コンニャクマンナン含有食品の対象は上記フリカケやシ
リアル食品に限らず、種々の食品が射程内に含まれる。
さらに、形状加工の加工装置はチョッパー、スライサー
以外の種々のものが適用でき、脱水処理の手段について
も上述の例以外の手段でもよいことは勿論である。
【0026】
【発明の効果】本発明に係るコンニャクマンナン含有食
品及びコンニャクマンナン加工物の製造方法は上記のよ
うに構成されているため、以下に記載するような効果を
有する。 (1)コンニャクマンナンがゲル化せずに加工されてい
るため、水溶性食物繊維として血中コレステロール上昇
抑制といった生理作用効果が得られる。 (2)半膨潤状態のコンニャクマンナンそのものが食品
化されているので、コンニャクマンナン濃度が高く、食
物繊維の効率的な摂取が可能である。 (3)半膨潤状態で形状加工、脱水処理が為されている
ので、食感のよい加工食品となる。 (4)半膨潤状態が容易に実現でき、調味の調整が簡便
に行える。 (5)加工が簡便でありコストが低減できる。 (6)コンニャクマンナンを主とする多様な食品が実現
し、こんにゃく精粉の需要が増大する。
【0027】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1のコンニャクマンナン加工物の製
造方法を説明する図である。
【図2】本発明の第2のコンニャクマンナン加工物の製
造方法を説明する図である。
【図3】「半膨潤状態」のコンニャクマンナンを説明す
るための膨潤経過を表す模式図である。
【符号の説明】
1 毛糸玉(コンニャクマンナン粒子) 2 毛糸玉の外周 3 毛糸玉の中核部
フロントページの続き (72)発明者 滝口 強 群馬県前橋市鳥羽町190番地 群馬県工業 試験場内 (72)発明者 吉野 功 群馬県前橋市鳥羽町190番地 群馬県工業 試験場内 Fターム(参考) 4B018 MD40 MD47 MF08

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともコンニャクマンナンと調味液
    が混合されるとともにコンニャクマンナン粒子の外周部
    に前記調味液が浸透して中核部は浸透していない半膨潤
    状態で形状加工及び脱水処理がなされたコンニャクマン
    ナン加工物を含有することを特徴とするコンニャクマン
    ナン含有食品。
  2. 【請求項2】 少なくともコンニャクマンナンと調味液
    と低温凝固性を有する増粘多糖類が混合されるとともに
    コンニャクマンナン粒子の外周部に前記調味液が浸透し
    て中核部は浸透していない半膨潤状態で固められて形状
    加工及び脱水処理がなされたコンニャクマンナン加工物
    を含有することを特徴とするコンニャクマンナン含有食
    品。
  3. 【請求項3】 少なくとも予め加熱乾燥してコンニャク
    マンナン粒子中の結合水を除去してなる乾燥コンニャク
    マンナンと調味液が混合されるとともにコンニャクマン
    ナン粒子の外周部に前記調味液が浸透して中核部は浸透
    していない半膨潤状態で形状加工及び脱水処理がなされ
    たコンニャクマンナン加工物を含有することを特徴とす
    るコンニャクマンナン含有食品。
  4. 【請求項4】 乾燥コンニャクマンナンまたはコンニャ
    クマンナン1に対し少なくとも調味液を3〜20の重量
    比で混合してコンニャクマンナン粒子の外周部に前記調
    味液が浸透して膨潤しつつ中核部は浸透せずに膨潤して
    いない半膨潤状態のコンニャクマンナンを作るステップ
    と、前記半膨潤状態のコンニャクマンナンを形状加工す
    るステップと、形状加工された前記半膨潤状態のコンニ
    ャクマンナンを脱水処理するステップと、を行うことを
    特徴とするコンニャクマンナン加工物の製造方法。
  5. 【請求項5】 コンニャクマンナン1に対し少なくとも
    3〜20の重量比の加熱した調味液と低温凝固性を有す
    る加熱溶解した増粘多糖類を混合してコンニャクマンナ
    ン粒子の外周部に前記調味液が浸透して膨潤しつつ中核
    部は浸透せずに膨潤していない半膨潤状態のコンニャク
    マンナンを生成するステップと、前記半膨潤状態のコン
    ニャクマンナンを冷却して前記増粘多糖類の凝固にて半
    膨潤状態のコンニャクマンナンを固めるステップと、前
    記半膨潤状態のコンニャクマンナンを形状加工するステ
    ップと、形状加工された前記半膨潤状態のコンニャクマ
    ンナンを脱水処理するステップと、を行うことを特徴と
    するコンニャクマンナン加工物の製造方法。
JP2001260544A 2001-08-30 2001-08-30 コンニャクマンナン含有食品及びコンニャクマンナン加工物の製造方法 Expired - Lifetime JP3537788B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001260544A JP3537788B2 (ja) 2001-08-30 2001-08-30 コンニャクマンナン含有食品及びコンニャクマンナン加工物の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001260544A JP3537788B2 (ja) 2001-08-30 2001-08-30 コンニャクマンナン含有食品及びコンニャクマンナン加工物の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003061619A true JP2003061619A (ja) 2003-03-04
JP3537788B2 JP3537788B2 (ja) 2004-06-14

Family

ID=19087726

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001260544A Expired - Lifetime JP3537788B2 (ja) 2001-08-30 2001-08-30 コンニャクマンナン含有食品及びコンニャクマンナン加工物の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3537788B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007185113A (ja) * 2006-01-11 2007-07-26 Seiya Sakurai コンニャク流動材料およびその製造方法と用途
JP2012070760A (ja) * 2012-01-16 2012-04-12 Konnyakuya Honpo Kk コンニャク流動材料、それを用いた飲料および食品
JP2015188449A (ja) * 2014-03-27 2015-11-02 宜蘭食品工業股▲フン▼有限公司 ゲル球及びその製造方法
CN112753980A (zh) * 2020-12-26 2021-05-07 湖北一致魔芋生物科技股份有限公司 一种魔芋冻干颗粒即食果汁酱的制备方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007185113A (ja) * 2006-01-11 2007-07-26 Seiya Sakurai コンニャク流動材料およびその製造方法と用途
JP2012070760A (ja) * 2012-01-16 2012-04-12 Konnyakuya Honpo Kk コンニャク流動材料、それを用いた飲料および食品
JP2015188449A (ja) * 2014-03-27 2015-11-02 宜蘭食品工業股▲フン▼有限公司 ゲル球及びその製造方法
CN112753980A (zh) * 2020-12-26 2021-05-07 湖北一致魔芋生物科技股份有限公司 一种魔芋冻干颗粒即食果汁酱的制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3537788B2 (ja) 2004-06-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2689670B1 (en) Method for producing a meat-like foodstuff
JP2010200627A (ja) 擬似肉食品およびその製造方法
JP2011072304A (ja) 改質こんにゃく粉、それを用いたゲル化物及び食品
JPH11187827A (ja) 咀嚼・嚥下困難者用の摂食補助用糊料
CN103598606B (zh) 一种速溶鹿胶黄芪粉及其制备方法
KR0185532B1 (ko) 해조류의 알긴산을 이용한 젤리형 가공식품의 제조방법
JP2008301775A (ja) 咀嚼・嚥下補助剤
JP6432024B2 (ja) コンニャクおよびその製造方法
KR100786235B1 (ko) 대두젤리의 제조방법
JP3537788B2 (ja) コンニャクマンナン含有食品及びコンニャクマンナン加工物の製造方法
JP4958957B2 (ja) 擬似肉食品およびその製造方法
JPS619258A (ja) フイルム様食品の製造法
JPS6342659A (ja) 含油ゼリ−食品
JP2011087487A (ja) コンニャク加工食品およびその製造方法
JPH01256366A (ja) 新規食品素材の製造法
JP2001218570A (ja) 人工タラコ及びそれを用いたタラコ加工食品、並びに人工タラコの製造方法
US20030138545A1 (en) Glucomannan high fiber beverage
CN111787813A (zh) 魔芋粉末及其制造方法
KR19990084204A (ko) 코코넛의 과육과 같은 식미와 식감을 갖는 음료용 소재 및이의 제조방법.
JPH01291765A (ja) コンニャクゼリー麺
WO2000072702A1 (fr) Compositions pour matieres granulaires artificielles, procede de production de matieres granulaires artificielles a partir desdites compositions et matieres granulaires artificielles ainsi obtenues
JPH02308776A (ja) 魚介肉様魚肉練製品
JPS6296061A (ja) 粉末食品素材の製造法
JPS5820172A (ja) 顆粒状卵の製造方法
JPS6047666A (ja) 布海苔健康食品およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040126

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040309

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040317

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3537788

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090326

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090326

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100326

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110326

Year of fee payment: 7

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110326

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120326

Year of fee payment: 8

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130326

Year of fee payment: 9

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140326

Year of fee payment: 10

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250