JP6432024B2 - コンニャクおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、嚥下補助食品として適したコンニャク及びその製造方法に関する。
従来一般に知られている食用のコンニャクは、食物繊維が豊富であり、低カロリーで弾力と歯ごたえのある食感を有するため、ダイエット食品や健康食品として広く普及している。
しかしながら、コンニャクは、独特の弾力と歯ごたえを有するため、咀嚼力の弱い高齢者や幼児などは、コンニャクを噛み切れず、食べにくい(飲み込みにくい)ため、敬遠されてしまうことも少なくない。
そこで、通常の工程で製造された基材コンニャクをフードカッターで平均直径が約3mmになるように粉砕し、粉砕した基材コンニャクと、コンニャク粉と水からなる充填コンニャクとを混合し、凝固剤でゲル化させる不均一コンニャクが知られている(特許文献1)。
また、コンニャク粉、加熱凝固性β−1,3−グルカン及び水を混合し、膨潤させた後、アルカリ剤を添加、混練し、成形、加熱凝固させ、ついで酸性水溶液に浸漬して得られるコンニャクゼリーが知られている(特許文献2)。
特開平7−155117号公報 特開平9−75017号公報
しかしながら、特許文献1に記載の不均一コンニャクにおいては、粉砕したコンニャクと充填コンニャクの一体感がないため、外観上好ましくなかったり、料理中に型崩れしたり、食べたときに粉砕コンニャクの粒が残ってしまう問題点があった。
また、特許文献2に記載のコンニャクゼリーにおいては、テクスチャー(舌触り、歯ごたえ、喉越しなど)が均一なため、コンニャク独特の風味・食感が感じられず、消費者の満足感が低いという問題点があった。
本発明は、以上のような技術的背景に鑑みてなされたものであり、見た目が良く、料理中に型崩れせず、コンニャクの風味・食感を残しながら、咀嚼力の弱い高齢者や幼児などでも食べやすいコンニャクおよびその製造方法を提供することを目的とする。
前記した課題を解決するため、本発明のコンニャクは、最大粒径が0.3〜0.9mmの粒状コンニャクと、粒状コンニャクを結合する結合コンニャクとを含んでなり、結合コンニャク中にコンニャク粉と、デンプンとを含み、硬さが15000〜40000N/mであることを特徴とする。
この構成によるコンニャクは、見た目が良く、料理中に型崩れしない。加えて、コンニャクの風味・食感を残しながら、咀嚼力の弱い高齢者や幼児などでも食べやすい。
また、前記したコンニャクは、結合コンニャク中に0.5〜5質量%のコンニャク粉と1〜5質量%のデンプンと1〜2質量%のトレハロースとが含まれていてもよい。
また、コンニャクは、結合コンニャク中に0.5〜5質量%のコンニャク粉と1〜5質量%のデンプンと0.3〜1質量%のセルロースと、1〜2質量%のβ−1,3−グルカンとが含まれていてもよい。
この構成によるコンニャクは、見た目が良く、料理中に型崩れしない。加えて、コンニャクの風味・食感を残しながら、咀嚼力の弱い高齢者や幼児などでも食べやすく、冷凍保存しても風味・食感を失わない。
また、前記したコンニャクは、硬さが19000〜32000N/mであり、粒状コンニャクは、最大粒径が0.3〜0.7mmであってもよい。
また、前記した課題を解決するため、本発明のコンニャクの製造方法は、基本コンニャクを最大粒径が0.3〜0.9mmとなるように粉砕して粒状コンニャクを得る工程と、少なくとも、水と0.5〜5質量%のコンニャク粉と1〜5質量%のデンプンと1〜2質量%のトレハロースとを含むコンニャク糊と前記粒状コンニャクとを混ぜて混合コンニャク糊を得る工程と、混合コンニャク糊を凝固剤により凝固させる工程とを有する。
この構成による製造方法によれば、出来上がったコンニャクの見た目が良く、料理中に型崩れしない。加えて、コンニャクの風味・食感を残しながら、咀嚼力の弱い高齢者や幼児などでも食べやすいコンニャクを製造することができる。
また、前記した課題を解決するため、本発明の製造方法は、基本コンニャクを最大粒径が0.3〜0.9mmとなるように粉砕して粒状コンニャクを得る工程と、少なくとも水と0.5〜5質量%のコンニャク粉と1〜5質量%のデンプンと0.3〜1質量%のセルロースと1〜2質量%のβ−1,3−グルカンとを含むコンニャク糊と粒状コンニャクとを混ぜて混合コンニャク糊を得る工程と、混合コンニャク糊を凝固剤により凝固させる工程と、を有する。
この構成による製造方法によれば、出来上がったコンニャクの見た目が良く、料理中に型崩れしない。加えて、コンニャクの風味・食感を残しながら、咀嚼力の弱い高齢者や幼児などでも食べやすく、冷凍保存しても風味・食感を失わないコンニャクを製造することができる。
また、前記した製造方法において、粒状コンニャクを得る工程は、基本コンニャクを最大粒径が0.3〜0.7mmとなるように粉砕してもよい。
本発明によれば、見た目が良く、料理中に型崩れせず、コンニャクの風味・食感を残しながら、咀嚼力の弱い高齢者や幼児などでも食べやすいコンニャクを提供することができる。
本発明に係るコンニャクを製造する工程を示す図である。 嚥下補助食品の対象区分を表した表である。 実施例1〜5および比較例1の粒状コンニャクと結合コンニャクの構成を示す表である。 実施例1〜3および比較例1の物性試験の結果を示す表である。 実施例1〜5および比較例1の外観評価・料理特性・試食評価・冷凍耐性の試験結果を示す表である。
以下、本発明について、図1を参照しながら詳細に説明する。
本発明のコンニャクは、噛んだときに容易に崩れるように工夫された嚥下補助食品に適したコンニャク(以下、「柔らかコンニャク」ともいう。)である。この柔らかコンニャクは、通常のコンニャクを細かくしたものである粒状コンニャクが、結合コンニャクによって結合されたもので、粒状コンニャクは、母材としての結合コンニャク中に分散している。
粒状コンニャクは、後述するように通常のコンニャクである基本コンニャクを粉砕してなるものであり、大きな粒径のものから小さな粒径のものまで幅広い粒度分布を有している。本発明の柔らかコンニャクにおいては、粒状コンニャクは、最大粒径が0.3〜0.9mmであり、望ましくは、最大粒径が0.3〜0.7mmであり、最大粒径が0.38〜0.66mmであるのが最も望ましい。なお、ここでの最大粒径は、実体顕微鏡で観察した120mm×90mmの視野の像の中で、粒径が大きい12個の粒子の長径(最大長さ)の平均値である。
基本コンニャクは、コンニャク粉を水で溶いたコンニャク糊を凝固剤で凝固させたものであれば特に限定されず、他の副原料(ひじきなどの海藻類、その他の食材)、硬さ等を調整するための添加剤、調味料等を適宜含んでいてもよい。
結合コンニャクは、柔らかコンニャクに分散している粒状コンニャクを結合している。結合コンニャクは、水とコンニャク粉とデンプンとを含む。
コンニャク粉は、コンニャク糊(結合コンニャク)中に0.5〜5質量%含まれていることが望ましく、0.8〜2質量%含まれていることがさらに望ましい。コンニャク粉が、0.5質量%以上であると、適度な結合力によってコンニャクを成形することができ、5質量%以下であると、硬くなりすぎず適度な硬さで成形することができる。そして、コンニャク粉が0.8〜2質量%であるとさらに適度な硬さで成形することができる。
デンプンは、コンニャク糊(結合コンニャク)中に1〜5質量%含まれていることが望ましく、1.5〜3.5質量%含まれていることがさらに望ましい。デンプンが、1質量%以上であると、コンニャクの一体感・まとまり感を増すことができ、5質量%以下であると、硬くなりすぎず適度な硬さで成形することができる。そして、デンプンが0.8〜2質量%であるとさらに適度な硬さで一体感・まとまり感を出すことができる。
結合コンニャクは、柔らかコンニャクの全体的なまとまり感を出すためにトレハロースを含むことができる。結合コンニャクがトレハロースを含む場合、トレハロースは、コンニャク糊(結合コンニャク)中に、1〜2質量%含まれていることが望ましく、1.2〜1.5質量%含まれていることがさらに望ましい。トレハロースが、1質量%以上であると、コンニャクの一体感・まとまり感を増すことができ、2質量%以下であると、硬くなりすぎず適度な硬さで成形することができる。そして、トレハロースが1.2〜1.5質量%であるとさらに適度な硬さで一体感・まとまり感を出すことができる。
結合コンニャクは、冷凍耐性を高めるために、セルロースおよびβ−1,3−グルカンを含むことができる。
セルロースは、コンニャク糊(結合コンニャク)中に、0.3〜1質量%含まれていることが望ましい。セルロースが、0.3質量%以上であると、コンニャクに冷凍耐性を出すことができ、1質量%以下であると、硬くなりすぎず適度な硬さで成形することができる。
β−1,3−グルカンは、コンニャク糊(結合コンニャク)中に、1〜2質量%含まれていることが望ましい。β−1,3−グルカンが、1質量%以上であると、コンニャクに冷凍耐性を出すことができ、2質量%以下であると、硬くなりすぎず適度な硬さで成形することができる。
柔らかコンニャクは、硬さが、15000〜40000N/mである。望ましくは、柔らかコンニャクの硬さは、19000〜32000N/mである。ここでの硬さは、一定速度で圧縮したときの抵抗(N/m)であり、測定方法の詳細は後述する。
嚥下食の物性についての基準を示した資料としては、県立広島大学教授の栢下淳氏らが、聖隷三方原病院で提供されている食事の物性を、硬さ、凝集性(まとまりやすさ)、付着性(くっつきやすさ)の3つの項目について解析し、まとめたデータが知られており、このデータにおける嚥下補助食品の対象区分を表した表を図2に示す。柔らかコンニャクは、硬さが15000〜40000N/mであるので、図2の区分における移行食(L4)に適合する。
粒状コンニャクと結合コンニャクの割合は、特に限定されない。しかし、粒状コンニャクと結合コンニャクをまとまりよく結合するため、また、柔らかコンニャクを噛んだときに容易に崩れるようにするために、粒状コンニャクと結合コンニャクの質量の割合は1:1に近いのが望ましく、例えば、1:0.8〜1.2とするのが望ましく、1:0.9〜1.1とするのがより望ましい。
次に、柔らかコンニャクの製造方法について説明する。
本発明のコンニャクの製造方法は、図1に示すように、粒状コンニャクを得る工程(S1〜S8)と、混合コンニャク糊を得る工程(S9〜S12)と、混合コンニャク糊を凝固させる工程(S13〜S15)と、を有する。
<粒状コンニャクを得る工程>
粒状コンニャクを得る工程(S1〜S8)は、基本コンニャクを得た後、基本コンニャクを粉砕することにより粒状コンニャクを得る工程である。
基本コンニャクを得るには、まず、コンニャク粉と、副原料としてのひじき粉などの海藻粉を所定量計量し(S1)、これらを所定量の水に混ぜ、粘りがでるまで撹拌する(S2)。その後、90〜120分放置(S3)した後、水酸化カルシウム水溶液などの凝固剤を練り込み(S4)、型(成形枠など)に流し込み(S5)、80〜90℃で90〜120分間加熱する(S6)ことで、基本コンニャクが得られる。なお、基本コンニャクには、ひじき粉以外の副原料や各種添加剤を添加してもよく、副原料や添加剤が添加されていなくてもよい。そして、S1〜S6によって得られた基本コンニャクを70〜90℃で10〜20分間湯煎することにより、アク抜き処理を行う(S7)。
次に、基本コンニャクをミキサーなどにより所定時間撹拌して粉砕する(S8)。この際、粉砕後の粉砕コンニャクの最大粒径が0.3〜0.9mmになるように粉砕する。望ましくは、この粉砕時に最大粒径が0.3〜0.7mmになるように粉砕するのがよく、さらには、0.38〜0.66mmになるように粉砕するのが、より望ましい。粉砕コンニャクの最大粒径は、ミキサーに入れる基本コンニャクの量と撹拌時間によって調整することができる。例えば、粉砕コンニャクの最大粒径を小さくするには、ミキサーに入れる基本コンニャクの量を少なくしたり、ミキサーでの撹拌時間を長くすればよい。
<混合コンニャク糊を得る工程>
混合コンニャク糊を得る工程(S9〜S12)は、粒状コンニャクとコンニャク糊を混合し、練り合わせる工程である。コンニャク糊は、コンニャク粉とデンプン等を所定量計量し(S9)、水に混ぜて、撹拌することにより得られる(S10)。コンニャク糊に、ひじき粉など他の副原料やトレハロースなどの各種添加物をさらに添加してもよい。冷凍耐性が高い柔らかコンニャクにしたい場合には、ここで、セルロースを0.3〜1質量%、β−1,3−グルカンを1〜2質量%添加するとよい。コンニャク糊は、後述する混合コンニャク糊を凝固させる工程において凝固させたときには、分散している粒状コンニャクを結合するための結合コンニャクとなる。そして、粒状コンニャクとコンニャク糊を所定の質量比で混合し、練り合わせ(S11)、90〜120分間放置する(S12)ことで混合コンニャク糊を得る。
<混合コンニャク糊を凝固させる工程>
混合コンニャク糊を凝固させる工程(S13〜S15)は、混合コンニャク糊に凝固剤を練り込み、柔らかコンニャクを凝固させる工程である。この工程は、混合コンニャク糊に水酸化カルシウム水溶液などの凝固剤を練り込み(S13)、型(成形枠など)に流し込み(S14)、80〜90℃で90〜120分間加熱する(S15)工程である。混合コンニャク糊が凝固することにより出来上がった柔らかコンニャクは、冷却後、包装袋に入れ加熱殺菌を行う(S16)。
この製造方法により得られる本実施形態の柔らかコンニャクは、粒状コンニャクの最大粒径が0.3〜0.9mmという適度な大きさであることで、全体的にまとまり感があって、通常のコンニャクのような好ましい見た目である。そして、柔らかコンニャクは、粒状コンニャクの最大粒径が0.3〜0.9mmという適度な大きさであることで、硬さや噛んだときの崩れ方が適当であることで、咀嚼力の弱い高齢者や幼児などがでも食べやすい。また、料理中にも型崩れせず、コンニャクの風味・食感があるため、食べたときの満足感が十分に得られる。
また、冷凍耐性を持たせるためにセルロースや、β−1,3−グルカンを添加した場合には、冷凍後、解凍した場合にも、コンニャクらしい風味・食感を損なわない。
以上に本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記した実施形態に限定されることなく、適宜変更して実施することが可能である。
前記実施形態では、凝固剤として、水酸化カルシウム水溶液を使用したが、本発明はこれに限定されず、炭酸カリウム水溶液や炭酸ナトリウム水溶液などであってもよい。
前記実施形態では、凝固させる工程において、混合コンニャク糊を型(成形枠など)に入れて成型したが、本発明はこれに限定されず、成形枠を使用せず、直接包装用の袋に充填した後で、加熱を行ってもよい。
また、前記した実施形態および変形例で説明した各要素を、任意に組み合わせて実施することもできる。
以下、本発明の実施例について説明する。
[評価方法]
各実施例と比較例について、物性試験と、外観評価・料理特性・試食評価・冷凍耐性の試験によって評価を行った。
物性試験は、消費者庁の「えん下困難者用食品の表示許可基準」の試験方法に基づき、硬さ、凝集性、付着性について測定して、柔らかコンニャクが嚥下補助食品の移行食として適しているかどうかを評価した。
物性試験は、山電製クリープメーターRE−233005Cを用いて行なった。試験条件は、冶具No.56(φ20mm円板)、測定速度:1mm/sec、圧縮歪率:66.6%、測定温度:室温(20℃)および45℃で行った。コンニャクは、シャーレ(φ40mm)に入るように切り出し、厚さ15mmに調整した。測定は3回行いその平均値をとった。
外観評価は、目視による見た目を評価した。料理特性は、柔らかコンニャクを所定の大きさ(短辺が40mmの直角二等辺三角形で、15mmの厚み)に切り、ニンジン、ゴボウ、シイタケなどと一緒にヘラで混ぜながら炒めたあと、60分間煮込み、柔らかコンニャクが料理中に煮崩れたり、割れたりすることがないかを評価した。試食評価は、噛んだときにコンニャクが容易に崩れるかどうかの崩れ感と、コンニャクを食べたと思える満足感(味・風味・食感)を評価した。
コンニャクの冷凍耐性は、コンニャクを−20℃で48時間冷凍し、室温で解凍したあと試食し、冷凍前と解凍後のコンニャクの食感を比較することにより評価した。
図3は、各実施例および比較例の構成を示す表である。実施例1から実施例3および比較例1は、粒状コンニャクの大きさを変えたものである。実施例4および実施例5は、冷凍耐性を向上させた柔らかコンニャクの実施例である。
[実施例1]
<粒状コンニャクの作成>
20〜30℃の水10kgに、コンニャク粉256gと、ひじき粉26gを混ぜて、粘りがでるまで撹拌した。これを、約90分間放置した。そして、凝固剤として水酸化カルシウム水溶液(石灰22〜23gに水50ミリリットルを加えた溶液)を全体の
10質量%練り込み、型に流し込み、80〜90℃で約50分間加熱した。これにより、基本コンニャクを得た。そして、出来上がった基本コンニャクを70〜90℃のお湯に約20分湯煎することにより、アク抜き処理を行った。
次に、基本コンニャク4000gをミキサー(Vitamix社製、品番:バイタプレップXL10272)により、
2分30秒間撹拌して粉砕した。粒状コンニャクの最大粒径を測定したところ、0.38mmであった。
<結合コンニャクで粒状コンニャクを結合>
次に、コンニャク粉18gとひじき粉1gとデンプン22gとトレハロース15gを計量し、40〜50℃の水1100gに混ぜ、良く撹拌してコンニャク糊を得た。そして、粒状コンニャクとコンニャク糊を質量比約1:1で混合し、よく撹拌することにより混合コンニャク糊を得た。この後、得られた混合コンニャク糊を約120分放置した。
次に、凝固剤として、水酸化カルシウム水溶液を全体の0.13質量%計量し、混合コンニャク糊に添加し、よく撹拌した。この後、成形枠に入れ、80〜90℃で50分間加熱した。これにより、混合コンニャク糊を凝固させて、実施例1の柔らかコンニャクを得た。得られた柔らかコンニャクは、冷却後、包装袋に入れ、加熱殺菌を行った。
[実施例2]
実施例1に対し、基本コンニャクを粉砕する際のミキサーでの撹拌時間を短くして、
1分50秒間撹拌することにより、最大粒径0.66mmの粒状コンニャクを得た。この粒状コンニャクを使用し、実施例1と同様の方法にて実施例2の柔らかコンニャクを得た。
[実施例3]
実施例1に対し、基本コンニャクを粉砕する際のミキサーでの撹拌時間をさらに短くして、1分間撹拌することにより、最大粒径0.83mmの粒状コンニャクを得た。この粒状コンニャクを使用し、実施例1と同様の方法にて実施例3の柔らかコンニャクを得た。
[比較例1]
実施例1に対し、基本コンニャクを粉砕する際のミキサーでの撹拌時間をさらに短くして、40秒間撹拌することにより、最大粒径5.3mmの粒状コンニャクを得た。この粒状コンニャクを使用し、実施例1と同様の方法にて比較例1の柔らかコンニャクを得た。
[実施例1〜3、比較例1の評価]
図4に示すように、実施例1の柔らかコンニャクについて物性試験を行った結果、硬さは、20℃(室温)のとき1.91×10(N/m)であり、45℃のとき2.45×10(N/m)であった。凝集性は、20℃(室温)のとき0.4であり、45℃のとき0.3であった。付着性は、20℃(室温)のとき98.6(J/m)であり、45℃のとき119.1(J/m)であった。
実施例2の柔らかコンニャクについて物性試験を行った結果、硬さは、20℃(室温)のとき2.86×10(N/m)であり、45℃のとき3.18×10(N/m)であった。凝集性は、20℃(室温)のとき0.3であり、45℃のとき0.3であった。付着性は、20℃(室温)のとき47.7(J/m)であり、45℃のとき113.2(J/m)であった。
実施例3の柔らかコンニャクについて物性試験を行った結果、硬さは、20℃(室温)のとき3.42×10(N/m)であり、45℃のとき3.95×10(N/m)であった。凝集性は、20℃(室温)のとき0.4であり、45℃のとき0.3であった。付着性は、20℃(室温)のとき89.0(J/m)であり、45℃のとき79.0(J/m)であった。
比較例1について物性試験を行った結果、硬さは、20℃(室温)のとき4.02×10(N/m)であり、45℃のとき4.14×10(N/m)であった。凝集性は、20℃(室温)のとき0.3であり、45℃のとき0.3であった。付着性は、20℃(室温)のとき45.6(J/m)であり、45℃のとき37.3(J/m)であった。
物性試験の結果から、実施例1〜3の柔らかコンニャクは、図2に示した嚥下食の対象区分のL4(移行食)に適合していた。従って、実施例1〜3柔らかコンニャクは、咀嚼力の弱い高齢者や幼児などでも食べやすい。
一方、比較例1は、嚥下食の対象区分のL4(移行食)に適合していなかった。
図5に示すように、実施例1〜3の柔らかコンニャクについて、外観評価・料理特性・試食評価・冷凍耐性の試験を行った結果、実施例1〜3は、外観評価・料理特性・試食評価が良好であり、冷凍耐性が悪いという結果であった。
外観評価では、一般的に市販されているコンニャクと区別がつかなかった。柔らかコンニャク全体として一体感があり、外観上では粒状コンニャクと結合コンニャクから出来ていることはわからなかった。料理特性は、料理中に煮崩れしたり、割れたりせず、一般的なコンニャクと同様に料理ができるものであった。試食評価は、噛んだときに容易に崩れる崩れ感があり、コンニャクの味・風味・食感が十分にあり、コンニャクを食べている満足感を得られた。食べたときに、粒状コンニャクの粒が残ってしまうようなこともなく、一体感・まとまり感があった。なお、硬さが15000N/m未満であると、料理中に煮崩れてしまうことに加えて、コンニャク食品としては柔らかすぎて食べごたえがなく、コンニャクを食べているという満足感が得られない。冷凍耐性の評価は、解凍後の柔らかコンニャクを試食したところ、食感が硬くなっており、弾力が感じられず、コンニャクを食べている満足感が得られなかった。
比較例1について、外観評価・料理特性・試食評価・冷凍耐性の試験を行った結果、比較例1の柔らかコンニャクは、外観評価がやや悪く、料理特性が良好であり、試食評価がやや悪く、冷凍耐性が悪いという結果であった。
外観評価では、実施例1〜3の柔らかコンニャクに比べてやや一体感に欠けていた。料理特性は良好であった。試食評価は、実施例1〜3の柔らかコンニャクに比べてやや硬く感じられ、崩れ感と満足感がやや悪いという結果であった。冷凍耐性の評価は、解凍後の柔らかコンニャクを試食したところ、食感が硬くなっており、弾力が感じられず、コンニャクを食べている満足感が得られなかった。
[実施例4]
実施例4の柔らかコンニャクは、結合コンニャクのコンニャク糊に添加した添加物が実施例1と異なる。実施例4のコンニャク糊は、コンニャク粉18gとひじき粉2gとデンプン36gとセルロース4.4gとβ−1,3−グルカン18gを計量し、40〜50℃の水1050gに混ぜることで得た。このコンニャク糊を結合コンニャクとして使用し、実施例1と同様の方法にて実施例4の柔らかコンニャクを得た。
[実施例5]
実施例5の柔らかコンニャクは、結合コンニャクのコンニャク糊に添加した添加物が実施例1と異なる。実施例5のコンニャク糊は、コンニャク粉9gとひじき粉1gとデンプン18gとトレハロース16gとセルロース4gとβ−1,3−グルカン18gを計量し、40〜50℃の水1009gに混ぜることで得た。このコンニャク糊を結合コンニャクとして使用し、実施例1と同様の方法にて実施例5の柔らかコンニャクを得た。
実施例4および5の柔らかコンニャクについて、外観評価・料理特性・試食評価・冷凍耐性の試験を行った結果を図5に示す。実施例4および5の柔らかコンニャクは、外観評価・料理特性・試食評価・冷凍耐性が良好という結果であった。外観評価・料理特性・試食評価は、実施例1〜3の柔らかコンニャクと同様に良好であった。また、実施例4および5の柔らかコンニャクは、解凍後も外観や食感の変化がほとんどなく、コンニャク食品として満足感が得られるものであった。
S1〜S8 粒状コンニャクを得る工程
S9〜S12 混合コンニャク糊を得る工程
S13〜S15 混合コンニャク糊を凝固させる工程

Claims (7)

  1. 最大粒径が0.3〜0.9mmの粒状コンニャクと、
    前記粒状コンニャクを結合する結合コンニャクと、を含んでなり、
    前記結合コンニャク中に、コンニャク粉と、デンプンと、を含み、
    硬さが15000〜40000N/mであることを特徴とするコンニャク。
  2. 前記結合コンニャク中に、0.5〜5質量%のコンニャク粉と、1〜5質量%のデンプンと、1〜2質量%のトレハロースと、が含まれていることを特徴とする請求項1に記載のコンニャク。
  3. 前記結合コンニャク中に、0.5〜5質量%のコンニャク粉と、1〜5質量%のデンプンと、0.3〜1質量%のセルロースと、1〜2質量%のβ−1,3−グルカンと、が含まれていることを特徴とする請求項1に記載のコンニャク。
  4. 前記コンニャクは、硬さが19000〜32000N/mであり、
    前記粒状コンニャクは、最大粒径が0.3〜0.7mmであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1に記載のコンニャク。
  5. 基本コンニャクを最大粒径が0.3〜0.9mmとなるように粉砕して粒状コンニャクを得る工程と、
    少なくとも、水と、0.5〜5質量%のコンニャク粉と、1〜5質量%のデンプンと、1〜2質量%のトレハロースと、を含むコンニャク糊と、前記粒状コンニャクとを混ぜて混合コンニャク糊を得る工程と、
    前記混合コンニャク糊を凝固剤により凝固させる工程と、を有することを特徴とするコンニャクの製造方法。
  6. 基本コンニャクを最大粒径が0.3〜0.9mmとなるように粉砕して粒状コンニャクを得る工程と、
    少なくとも、水と、0.5〜5質量%のコンニャク粉と、1〜5質量%のデンプンと、0.3〜1質量%のセルロースと、1〜2質量%のβ−1,3−グルカンと、を含むコンニャク糊と、前記粒状コンニャクとを混ぜて混合コンニャク糊を得る工程と、
    前記混合コンニャク糊を凝固剤により凝固させる工程と、を有することを特徴とするコンニャクの製造方法。
  7. 前記粒状コンニャクを得る工程は、基本コンニャクを最大粒径が0.3〜0.7mmとなるように粉砕することを特徴とする請求項5または請求項6に記載のコンニャクの製造方法。
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