JP2003060229A - 半導体発光素子及びその製造方法 - Google Patents

半導体発光素子及びその製造方法

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康二 大塚
Tetsuji Moku
哲次 杢
Masaki Yanagihara
将貴 柳原
Yoshitaka Tanaka
良孝 田中
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 消費電力及び動作電圧の低い半導体発光素子
の低コスト化が困難であった。 【解決手段】 低抵抗のシリコンから成る基板11の上
にAlxxGa1-x-yNから成る第1の層12aとAla
bGai-a-bNから成る第2の層12bとを交互に複数
積層した複合層構造のバッファ層12を設ける。バッフ
ァ層12の上に窒化ガリウムから成るn形半導体層1
3、窒化ガリウムインジウムからなる活性層14、窒化
ガリウムから成るp形半導体層15を順次に形成する。
p形半導体層15の上にアノード電極17を設け、基板
11にカソード電極18を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は窒化物系化合物半導
体を用いた半導体発光素子及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】GaN(窒化ガリウム)、AlGaN
(窒化ガリウム アルミニウム)、InGaN(窒化ガ
リウム インジウム)、AlInGaN(窒化ガリウム
インジウム アルミニウム)等の窒化ガリウム系化合
物半導体を用いた例えば青色発光ダイオード等の半導体
発光素子は公知である。従来の典型的な発光素子は、サ
ファイアから成る絶縁性基板、この絶縁性基板の一方の
主面(上面)に形成された例えば日本の特開平4‐29
7023号公報に開示されているGaxAl1-xN(但
し、xは0<x≦1の範囲の数値である。)から成るバ
ッファ層、このバッファ層の上にエピタキシャル成長に
よって形成された窒化ガリウム系化合物半導体(例えば
GaN)から成るn形半導体領域、このn形半導体領域
の上にエピタキシャル成長法によって形成された窒化ガ
リウム系化合物半導体(例えばInGaN)から成る活
性層、及びこの活性層の上にエピタキシャル成長法によ
って形成されたp形半導体領域を備えている。カソ−ド
電極はn形半導体領域に接続され、アノ−ド電極はp形
半導体領域に接続されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、発光素子
は、周知のように多数の素子の作り込まれたウエハをダ
イシング、スクライビング、劈開 (cleavage)等によっ
て切り出して製作される。この時、サファイアから成る
絶縁性基板は硬度が高いため、このダイシングを良好に
且つ生産性良く行うことが困難であった。また、サファ
イアは高価であるため、発光素子のコストが高くなっ
た。また、サファイアから成る基板は絶縁体であるた
め、カソ−ド電極を基板に形成することができなかっ
た。このため、n形半導体領域の一部を露出させ、ここ
にカソ−ド電極を接続することが必要になり、半導体基
体の面積即ちチップ面積が比較的大きくなり、その分発
光素子のコストが高くなった。また、サファイア基板を
使用した従来の発光素子では、n形半導体領域の垂直方
向のみならず、水平方向即ちサファイア基板の主面に沿
う方向にも電流が流れる。このn形半導体領域の水平方
向の電流が流れる部分の厚みは4〜5μm程度と極めて
薄いため、n形半導体領域の水平方向の電流通路の抵抗
はかなり大きなものとなり、消費電力及び動作電圧の増
大を招いた。更に、このn形半導体領域のカソ−ド電極
の接続部分を露出させるために活性層及びp形半導体領
域をエッチングによって削り取ることが必要になり、エ
ッチングの精度を考慮してn形半導体領域は予め若干肉
厚に形成しておく必要があった。このためn形半導体領
域のエピタキシャル成長の時間が長くなり、生産性が低
かった。また、サファイア基板の代りにシリコンカーバ
イド(SiC)から成る導電性基板を用いた発光素子が
知られている。この発光素子においては、カソ−ド電極
を導電性基板の下面に形成できる。このため、サファイ
ア基板を使用した発光素子に比べて、SiC基板を使用
した発光素子は、チップ面積の縮小が図られること、劈
開によりウエハの分離が簡単化する等の利点はある。し
かし、SiCはサファイアよりも一段と高価であるため
発光素子の低コスト化が困難である。また、SiC基板
の上にn形半導体領域を低抵抗接触させることが困難で
あり、この発光素子の消費電力及び動作電圧がサファイ
ア基板を使用した発光素子と同様に比較的高くなった。
【0004】そこで、本発明の目的は、生産性及び性能
の向上及びコストの低減を図ることができる半導体発光
素子及びその製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決し、上記
目的を達成するための本発明は、窒化物系化合物半導体
即ち窒化物をベ−スとした化合物半導体を含んでいる半
導体発光素子であって、不純物を含むシリコン又はシリ
コン化合物から成り且つ低い抵抗率を有している基板
と、前記基板の一方の主面上に配置されたバッファ層
と、発光機能を得るために前記バッファ層の上に配置さ
れた複数の窒化物系化合物半導体層を含んでいる半導体
領域と、前記半導体領域の表面上に配置された第1の電
極と、前記基板の他方の主面に配置された第2の電極と
を備えており、前記バッファ層は、AlxyGa1-x-y
N(但し、x、yは、0<x≦1、0≦y<1、x+y
≦1を満足する数値である。)から成る第1の層とAl
abGa1-a-bN(但し、a、bは、0≦a<1、0≦
b<1、a+b≦1を満足する数値である。)から成り
且つ前記第1の層よりも小さいバンドギャップを有して
いる第2の層との複合層から成り、前記第1の層と第2
の層の内の少なくとも一方にB(ボロン)が含まれてい
ることを特徴とする半導体発光素子に係わるものであ
る。
【0006】なお、請求項2に示すように、前記バッフ
ァ層は、AlxyGa1-x-yN(但し、x、yは、0<
x≦1、0≦y<1、x+y≦1を満足する数値であ
る。)から成る第1の層と、AlabGa1-a-bN(但
し、a、bは、0≦a<1、0<b<1、a+b≦1、
b>yを満足する数値である。)から成り且つ前記第1
の層よりも小さいバンドギャップを有している第2の層
との複合層から成ることが望ましい。また、請求項3に
示すように、前記バッファ層はAlxyGa1-x-y
(但し、x、yは、0<x≦1、0≦y<1、x+y≦
1を満足する数値である。)から成る複数の第1の層
と、AlabGa1-a-bN(但し、a、bは、0≦a<
1、0≦b<1、a+b≦1を満足する数値である。)
から成る複数の第2の層とを有し、前記第1及び第2の
層の内の少なくとも一方にBが含まれており、前記第1
の層と前記第2の層とが交互に積層されていることが望
ましい。また、請求項4に示すように、前記バッファ層
における前記第1の層の厚みが0.5nm〜10nm及
び前記第2の層の厚みが0.5nm〜300nmである
ことが望ましい。また、請求項5に示すように、前記バ
ッファ層における前記第1の層の厚みが0.5nm〜1
0nm及び前記第2の層の厚みが10nm〜300nm
であることが望ましい。また、請求項6に示すように、
前記第2の層はn形不純物としてシリコンを含むことが
望ましい。また、請求項7に示すように、前記基板の前
記バッファ層が配置されている側の主面は、ミラー指数
で示す結晶の面方位において(111)ジャスト面又は
(111)面から−4度から+4度の範囲で傾いている
面であることが望ましい。また、請求項8に示すよう
に、前記半導体領域の前記複数の窒化物系化合物半導体
層のそれぞれは、GaN(窒化ガリウム)層、AlIn
N(窒化インジウムアルミニウム)層、AlGaN(窒
化ガリウム アルミニウム)層、InGaN(窒化ガリ
ウム インジウム)層、及びAlInGaN(窒化ガリ
ウム インジウム アルミニウム)層から選択されたも
のであることが望ましい。また、請求項9に示すよう
に、前記半導体領域は、前記バッファ層の上に配置され
た窒化物系化合物半導体から成る第1の導電形の第1の
半導体層と、前記第1の半導体層の上に配置された窒化
物系化合物半導体から成る活性層と、前記活性層の上に
配置された窒化物系化合物半導体から成り且つ前記第1
の導電形と反対の導電形を有している第2の半導体層と
を備えていることが望ましい。また、請求項10に示す
ように、不純物を含み且つ低い抵抗率を有しているシリ
コン又はシリコン化合物から成る基板を用意する工程
と、前記基板の上に気相成長法によってAlxyGa
1-x-yN(但し、x、yは、0<x≦1、0≦y<1、
x+y≦1を満足する数値である。)から成る第1の層
と、AlaBbGa1-a -bN(但し、a、bは、0≦a<
1、0≦b<1、a+b≦1、b>yを満足する数値で
ある。)から成り且つ前記第1の層よりも小さいバンド
ギャップを有している第2の層とを順次に形成し、前記
第1の層と前記第2の層との内の少なくとも一方にB
(ボロン)が含まれているバッファ層を得る工程と、前
記バッファ層の上に、発光機能を得るための複数の窒化
物系化合物半導体層から成る半導体領域を気相成長法に
よって形成する工程と、前記半導体領域の表面上に第1
の電極を形成し、前記基板の他方の主面に第2の電極を
形成する工程とによって半導体発光素子を製造すること
が望ましい。
【0007】
【発明の効果】本願請求項1の発明によれば次の効果が
得られる。 基板が比較的安価なシリコン又はシリコン化合物で
あるので、発光素子のコストを低減できる。 AlxyGa1-x-yN(但し、x、yは、0<x≦
1、0≦y<1、x+y≦1を満足する数値である。)
から成る第1の層と、AlabGa1-a-bN(但し、
a、bは、0≦a<1、0≦b<1、a+b≦1を満足
する数値である。)から成る第2の層との複合層から成
るバッファ層は、この上に形成する窒化物系化合物半導
体層の結晶性及び平坦性の改善に寄与する。即ち、Al
xyGa1- x-yN(但し、x、yは、0<x≦1、0≦
y<1、x+y≦1を満足する数値である。)から成る
第1の層と、AlabGa1-a-bN(但し、a、bは、
0≦a<1、0≦b<1、a+b≦1を満足する数値で
ある。)から成る第2の層との複合層から成るバッファ
層は、シリコン又はシリコン化合物から成る基板の結晶
方位を良好に引き継ぐことができ、バッファ層の一方の
主面に発光機能を得るための窒化物系化合物半導体層を
結晶方位を揃えて良好に形成することができる。もし、
シリコン又はシリコン化合物から成る基板の一方の主面
に、GaN半導体層のみから成るバッファ層を形成した
場合、シリコンとGaNとは格子定数の差が大きい為、
このバッファ層の上面に平坦性に優れたGaN系化合物
半導体領域を形成することができない。一方、本発明に
よれば、基板と窒化物系化合物半導体領域との間に、シ
リコン又はシリコン化合物から成る基板との格子定数差
が比較的小さいAlxyGa1-x-yN(但し、x、y
は、0<x≦1、0≦y<1、x+y≦1を満足する数
値である。)から成る第1の層と、AlabGa1-a- b
N(但し、a、bは、0≦a<1、0≦b<1、a+b
≦1を満足する数値である。)から成る第2の層との複
合層から成るバッファ層が介在しているため、窒化物系
化合物半導体領域の平坦性が良くなる。この結果、発光
特性が良好に得られる。 第1の層と第2の層との複合構造のバッファ層の熱
膨張係数は、シリコン又はこの化合物から成る基板の熱
膨張係数と窒化物系化合物から成る半導体領域の熱膨張
係数との中間の値を有する。従って、バッファ層は基板
と半導体領域との熱膨張係数の差に起因する歪の発生を
比較的良好に抑制する。本発明では、更に、バッファ層
を構成する第1の層と第2の層の内の少なくとも一方の
層にB(ボロン)が含まれている。B(ボロン)を含む
バッファ層は、B(ボロン)がまないバッファ層よりも
シリコン又はシリコン化合物から成る基板の熱膨張係数
に近い熱膨張係数を有する。このため、本発明のバッフ
ァ層によれば、シリコン又はシリコン化合物から成る基
板と発光機能を有する半導体領域との間の熱膨張係数差
に起因する半導体領域の歪を良好に防止できる。 第1及び第2の層の少なくとも一方にボロンを含め
ると、ボロンを含んだ層がボロンを含まない場合に比べ
て堅牢になり、クラックが発生し難くなる。 バッファ層12が導電性を有するので、第1及び第
2の電極は互いに対向するように配置することができ
る。この結果第1及び第2の電極間の電流通路の抵抗値
を下げて消費電力及び動作電圧を小さくすることができ
る。請求項2の発明によればバッファ層を構成する第2
の層が窒化ボロン系化合物半導体、例えばBN、BGa
N、AlBN、又はAlBGaNから成るので、動作電
圧を良好に低減することができる。即ち、もし、第2の
層を窒化ボロン系化合物半導体ではない窒化物系化合物
半導体、例えばGaN、又はAlGaNとし、第1の層
を窒化アルミニウムボロン系化合物半導体とした場合で
も基板との熱膨張係数差に起因する引っ張り歪の発生を
防止することができる。しかし、第2の層を窒化ボロン
系化合物半導体で構成すれば、基板との熱膨張係数差に
起因する半導体領域の歪の発生を防止することができる
と共に、基板のエネルギバンドと第2の層のエネルギバ
ンドとの間の不連続性を改善することができ、キャリア
がバッファ層を通過し易くなる。この結果、第1及び第
2の電極間の動作抵抗及び動作電圧を低減することが可
能になる。請求項3の発明によれば、シリコンとの格子
定数の差が比較的小さいAlxyGa1-x-yNから成る
第1の層が、基板上に配置され、且つ第1の層がAla
bGa1-a-bNから成る第2の層の相互間にも配置され
るので、バッファ層の平坦性が良くなり、このバッファ
層の上に形成される半導体領域の結晶性も良くなる。請
求項4の発明によれば、バッファ層の第1の層が量子力
学的なトンネル効果を生じる厚みに設定されているの
で、バッファ層の抵抗値の増大を抑えて発光素子の消費
電力及び動作電圧を低くすることができる。請求項5の
発明においては、第2の層の厚みが10nm〜300n
mの範囲に制限されている。第2の層の厚みが10nm以
上であれば、発光素子の動作時における第1及び第2の
電極間の抵抗及び電圧が比較的小さくなる。即ち、も
し、第2の層の厚みが10nmよりも薄い時には、第2の
層の価電子帯と伝導帯とに離散的なエネルギー準位が発
生し、第2の層においてキャリアの伝導に関与するエネ
ルギー準位が見かけ上増大する。この結果、基板と第2
の層との間のエネルギバンドの不連続性が比較的大きく
なり、発光素子の動作時の第1及び第2の電極間の抵抗
及び電圧が比較的大きくなる。これに対し、第2の層の
厚みが10nm以上になると、第2の層の価電子帯と伝導
帯とにおける離散的なエネルギー準位の発生が抑制さ
れ、第2の層におけるキャリアの伝導に関与するエネル
ギー準位の増大が抑制される。この結果、基板と第2の
層との間のエネルギバンドの不連続性の悪化が抑制さ
れ、発光素子の動作時の第1及び第2の電極間の抵抗及
び電圧が小さくなる。請求項6の発明によれば、第2の
層をn形半導体領域にすることができるのみでなく、第
2の層が不純物を含むために抵抗が小さくなり、第1及
び第2の電極間の抵抗及び電圧を小さくすることがで
き、電力損失の少ない発光素子を提供することができ
る。請求項7の発明によれば、基板の上にバッファ層及
び発光機能を有する半導体領域を良好に形成することが
でき、発光効率を高めることができる。即ち、基板の主
面の面方位を(111)ジャスト面又は(111)ジャ
スト面からのオフ角度が小さい面とすることによって、
バッファ層及び発光機能を有する半導体領域の結晶表面
の原子ステップ即ち原子レベルでのステップを無くすこ
と又は少なくすることができる。もし、(111)ジャ
スト面からのオフ角度の大きい主面上にバッファ層及び
発光機能を有する半導体領域を形成すると、これ等に原
子レベルで見て比較的大きいステップが生じる。エピタ
キシャル成長層が比較的厚い場合には多少のステップは
さほど問題にならないが、活性層のような数nmオ−ダ
の厚みの薄い層を有する発光素子の場合には、発光素子
を通電状態とした時にステップの近傍に発光に寄与しな
い電流即ち無効電流が流れ、発光効率が低下する。これ
に対して、基板の主面を(111)ジャスト面又はオフ
角度の小さい面とすれば、ステップが小さくなり、無効
電流も少なくなり、発光効率が大きくなる。請求項8の
発明によれば、バッファ層上に発光機能を有する半導体
領域を良好に形成することができる。請求項9の発明に
よれば、活性層が反対導電形の2つの半導体層で挟まれ
た構造を有するため、発光特性の良好な半導体発光素子
を提供できる。請求項10の発明によれば、特性の良い
半導体発光素子を安価且つ容易に形成することができ
る。
【0008】
【第1の実施形態】次に、図1及び図2を参照して本発
明の第1の実施形態に係わる半導体発光素子としての窒
化ガリウム系化合物青色発光ダイオードを説明する。
【0009】図1及び図2に示す本発明の実施形態に従
う青色発光ダイオードは、発光機能を得るための複数の
窒化ガリウム系化合物半導体層から成る半導体領域10
と、シリコン半導体から成るサブストレ−ト即ち基板1
1と、バッファ層12とを有している。発光機能を有す
る半導体領域10は、GaN(窒化ガリウム)から成る
第1の半導体層としてのn形半導体層13、p形のIn
GaN(窒化ガリウムインジウム)から成る発光層即ち
活性層14、及び第2の半導体層としてのGaN(窒化
ガリウム)から成るp形半導体層15とから成る。基板
11とバッファ層12と発光機能を有する半導体領域1
0との積層体から成る基体16の一方の主面(上面)即
ちp形半導体層15の表面上に第1の電極としてのアノ
ード電極17が配置され、この基体16の他方の主面
(下面)即ち基板11の他方の主面に第2の電極として
のカソード電極18が配置されている。バッファ層1
2、n形半導体層13、活性層14、及びp形半導体層
15は、基板11の上に順次にそれぞれの結晶方位を揃
えてエピタキシャル成長させたものである。
【0010】基板11は、N形の導電形決定不純物とし
てAs(砒素)を含むN+形シリコン単結晶から成る。こ
の基板11のバッファ層12が配置されている側の主面
11aは、ミラー指数で示す結晶の面方位において(1
11)ジャスト面である。この基板11の不純物濃度
は、5×1018cm-3〜5×1019cm-3程度であり、
この基板11の抵抗率は0.0001Ω・cm〜0.0
1Ω・cm程度である。比較的低い抵抗率を有する基板
11はアノ−ド電極17とカソード電極18との間の電
流通路として機能する。また、基板11は、比較的厚い
約350μmの厚みを有し、p形半導体層15、活性層
14及びn形半導体層13から成る発光機能を有する半
導体領域10及びバッファ層12の支持体として機能す
る。
【0011】基板11の 一方の主面全体を被覆するよ
うに配置されたバッファ層12は、複数の第1の層12
aと複数の第2の層12bとが交互に積層された複合層
から成る。図1及び図2では、図示の都合上、バッファ
層12が2つの第1の層12aと2つの第2の層12b
とで示されているが実際には図3(B)の示すようにバ
ッファ層12は10個の第1の層12aと10個の第2
の層12bとを有する。
【0012】第1の層12aは、 化学式 AlxyGa1-x-yN ここで、x、yは、0<x≦1、0≦y<1、x+y≦
1を満足する任意の数値、 で示すことができる材料で形成される。即ち、第1の層
12aは、AlN(窒化アルミニウム)、AlGaN
(窒化ガリウム アルミニウム)、AlBN(窒化ボロ
ン アルミニウム)、及びAlBGaN(窒化ガリウム
ボロン アルミニウム)から選択されたもので形成さ
れる。図1及び図2の実施形態では、前記式のxが0.
5、yが0とされた材料に相当するAl0.5Ga0.5Nが
第1の層12aに使用されている。第1の層12aは、
絶縁性を有する極薄い膜である。第1の層12aの格子
定数及び熱膨張係数は第2の層12bよりもシリコン基
板11に近い。
【0013】第2の層12bは、 化学式 AlabGa1-a-bN ここで、a、bは、0≦a<1、0≦b<1、a+b≦
1を満足する任意の数値、 で示すことができる材料から成るn形半導体の薄い膜で
ある。即ち、第2の層12bはAl、B及びGaから選
択された少なくとも1つの元素とNとを含む層であり、
例えばGaN、BN、AlN、BGaN、AlGaN、
AlBN及びAlBGaNから選択されたもので形成さ
れる。図1及び図2の実施形態では、前記式のaが0、
bが0.3とされた材料に相当するB0.3Ga0.7Nが第
2の層12bに使用されている。第2の層12bの価電
子帯と伝導帯との間のギャップ即ちバンドギャップが第
1の層12aのバンドギャップよりも大きい。第2の層
12bの抵抗を小さくするために、Alの割合aを第1
の層12aのAlの割合xよりも小さい例えば0.8以
下、より好ましくは0.1以下に設定することが望まし
い。第2の層12bは抵抗値の比較的小さい半導体とし
て機能し、第1の層12aの相互間の電気的接続機能を
有する。
【0014】バッファ層12の第1の層12aの厚みT1
は、好ましくは0.5nm〜10nm即ち5〜100オ
ングストローム、より好ましくは1nm〜8nmであ
る。第1の層12aの厚みが0.5nm未満の場合には
バッファ層12の上面に形成されるn形半導体領域13
の平坦性が良好に保てなくなる。第1の層12aの厚み
が10nmを超えると、量子力学的トンネル効果を良好
に得ることができなくなり、バッファ層12の電気的抵
抗が増大する。
【0015】第2の層12bの厚みT2は、好ましくは
0.5nm〜300nm即ち5〜3000オングストロ
ームであり、より好ましくは10nm〜300nmであ
る。第2の層12bの厚みが0.5nm即ち5オングス
トローム未満の場合には、第2の層12bの上に形成さ
れる一方の第1の層11aと第2の層12bの下に形成
される他方の第1の層11aとの間の電気的接続が良好
に達成されず、バッファ層12の電気的抵抗が増大す
る。第2の層12bの厚みが300nm即ち3000オ
ングストロームを超えた場合には、格子定数及び熱膨張
係数が第2の層12bよりもシリコン基板11に近い第
1の層11aによるバッファ作用が相対的に小さくな
り、n形半導体領域13の平坦性が良好に保てなくな
る。
【0016】図4は第2の層12bの厚みT2と発光素
子の発光動作時におけるアノード電極17とカソード電
極18との間の電圧Vfとの関係を示す。この図5から
明らかなように、上記厚みT2が10nmよりも小さい
時には電圧Vfが約4Vよりも高くなる。これに対し
て、厚みT2が10nm又はこれよりも大きい時には、
電圧Vfが4Vよりも小さくなる。第2の層12bの厚
みT2が10nm未満の時には、第2の層12bにる第
1の層12aの相互間の電気的接続機能が低下すると共
に、シリコン基板11と第2の層12bとのエネルギバ
ンドの不連続性が大きくなる。即ち、第2の層12bの
厚みが10nmよりも薄い時には、第2の層12bの価
電子帯と伝導帯とに離散的なエネルギー準位が発生し、
第2の層12bにおいてキャリアの伝導に関与するエネ
ルギー準位が見かけ上増大する。即ち、第1の層12a
と第2の層12bが超格子の状態になる。この結果、基
板11と第2の層12bとの間のエネルギバンドの不連
続性が比較的大きくなり、発光素子の動作時のアノード
電極17とカソード電極18との間の抵抗及び電圧Vf
が比較的大きくなる。これに対し、第2の層12bの厚
みが10nm以上になると、第2の層12bの価電子帯
と伝導帯とにおける離散的なエネルギー準位の発生が抑
制され、第2の層12bにおけるキャリアの伝導に関与
するエネルギー準位の増大が抑制される。即ち、第1の
層12aと第2の層12bとが超格子の状態になること
が阻止される。この結果、基板11と第2の層12bと
の間のエネルギバンドの不連続性の悪化が抑制され、ア
ノード電極17とカソード電極18との間の抵抗及び電
圧Vfが低くなる。従って、この実施例の第1の層12
aの厚みT1が0.5nm、第2の層12bの厚みT2が
30nmである。なお、この実施例では、第2の層12
bにボロンが含まれているので、第2の層12bが堅牢
になる。この結果、クラックの発生を防いで第2の層1
2bを厚く形成することができる。
【0017】次に、第1の層12aがAl0.5Ga
0.5N、第2の層12bがB0.3Ga0.7Nとされたバッ
ファ層12を備えた発光素子の製造方法を説明する。
【0018】まず、図3の(A)に示すn形不純物が導
入されたn+形シリコン半導体から成る基板11を用意
する。バッファ層12を形成するためのシリコン基板1
1の一方の主面11aは、ミラー指数で示す結晶の面方
位において(111)ジャスト面、即ち正確な(11
1)面である。しかし、図3において0で示す(11
1)ジャスト面に対して−θ〜+θで示す範囲で基板1
1の主面11aを傾斜させることができる。−θ〜+θ
の範囲は−4°〜+4°であり、好ましくは−3°〜+3
°であり、より好ましくは−2°〜+2°である。
【0019】図5は基板11の主面11aの(111)
ジャスト面に対するオフ角度θと発光強度比との関係を
示す。ここでの発光強度比は、基板11の主面11aが
(111)ジャスト面された発光素子を所定電流で駆動
した時の発光強度即ち発生光量Q1と基板11の主面1
1aが(111)面を基準にして(112)面方向に角
度θだけ傾いた面にされた発光素子を所定電流で駆動し
た時の発光強度即ち発生光量Q2との比Q2/Q1を示
す。この図5から明らかなように(111)面からのオ
フ角度θが−4°〜+4°の範囲で発光強度比Q2/Q1
が約0.05以上となり、−3°〜+3°の範囲で発光
強度比Q2/Q1が約0.5以上となり、−2°〜+2°
の範囲で発光強度比Q2/Q1が0.8以上になる。ここ
で、発光強度比が大きいことは、発光素子の発光効率が
大きいことを意味する。シリコン基板11の主面11a
の結晶方位を、(111)ジャスト面又は(111)ジ
ャスト面からのオフ角度が小さい面とすることによっ
て、バッファ層12及び発光機能を有する半導体領域1
0をエピタキシャル成長させる際の原子レベルでのステ
ップを無くすこと又は小さくすることができる。もし、
主面11aの結晶方位が(111)ジャスト面からのオ
フ角度が大きくなるように設定されている場合には、シ
リコン基板11の主面11a上にバッファ層12及び発
光機能を有する半導体領域10をエピタキシャル成長で
形成する時に、原子レベルで見て比較的大きいステップ
が生じる。エピタキシャル成長層が比較的厚い場合には
多少のステップはさほど問題にならないが、活性層14
のように例えば2nmのように薄い場合には、発光素子
を通電状態とした時にステップの近傍に発光に寄与しな
い電流即ち無効電流が流れ、発光効率が低下する。これ
に対して、シリコン基板11の主面11aを(111)
ジャスト面又はオフ角度の小さい面とすれば、ステップ
が無くなるか又は小さくなり、無効電流も少なくなり、
発光効率が大きくなる。
【0020】次に、図3(B)に示すように基板11の
主面11a上にバッファ層12を形成する。このバッフ
ァ層12は、周知のMOCVD(Metal Organic Chem
icalVapor Deposition)即ち有機金属化学気相成長法
によってAl0.5Ga0.5Nから成る第1の層12aとB
0.3Ga0.7Nから成る第2の層12bとを繰返して積層
することによって形成する。即ち、シリコン単結晶の基
板11をMOCVD装置の反応室内に配置し、まず、サ
ーマルアニーリングを施して表面の酸化膜を除去する。
次に、反応室内にTMA(トリメチルアルミニウム)ガ
ス、TMG(トリメチルガリウム)ガス、NH3(アン
モニア)ガスを約27秒間供給して、基板11の一方の
主面に厚さT1が約5nm即ち約50オングストローム
のAl0.5Ga0.5Nから成る第1の層12aを形成す
る。本実施例では基板11の加熱温度を1080℃とし
た後に、TMAガスの流量即ちAlの供給量を約31μ
mol/min、TMGガスの流量を31μmol/m
in、NH3ガスの流量即ちNH3の供給量を約0.14
mol/minとした。続いて、TMAガスの供給を止
め、基板11の加熱温度を1120℃まで下げ、しかる
後、TEB(トリエチルボロン)ガス、TMGガス、NH
3(アンモニア)ガス及びSiH4(シラン)ガスを約8
5秒間供給して、第1の層12aの上面に、厚さT2が
30nm即ち300オングストロームのn形のB0.3
0.7Nから成る第2の層12bを形成する。ここで、
SiH4ガスは形成膜中にn形不純物としてのSiを導
入するためのものである。本実施例では、TEBガスの
流量即ちボロンの供給量を75μmol/min、TM
Gガスの流量即ちガリウムの供給量を63μmol/m
in、NH3ガスの流量即ちNH3の供給量を約0.14
mol/min、SiH4ガスの流量即ちSiの供給量
を約21nmol/minとした。本実施例では、上述
のAl0.5Ga0.5Nから成る第1の層12aとB0.3
0.7Nから成る第2の層12bの形成を50回繰り返
してAl0.5Ga0.5Nから成る第1の層12aとB0.3
Ga0.7Nから成る第2の層12bとが交互に100層
積層されたバッファ層12を形成する。勿論Al0.5
0.5Nから成る第1の層12aと、B0.3Ga0.7Nか
ら成る第2の層12bをそれぞれ25層等の任意の数に
変えることもできる。
【0021】次に、バッファ層12の上面に周知のMO
CVD法によってn形半導体層13、活性層14及びp
形半導体層15を順次連続して形成する。即ち、上面に
バッファ層12が形成された基板11をMOCVD装置
の反応室内に配置して、反応室内にまずトリメチルガリ
ウムガス即ちTMGガス、NH3(アンモニア)ガス、
SiH4 (シラン)ガスを供給してバッファ層12の上
面にn形半導体層13を形成する。ここで、シランガス
はn形半導体層13中にn形不純物としてのSiを導入
するためのものである。本実施例ではバッファ層12が
形成された基板11の加熱温度を1040℃とした後、
TMGガスの流量即ちGaの供給量を約4.3μmol /
min、NH3 ガスの流量即ちNH3 の供給量を約53.
6mmol /min、シランガスの流量即ちSiの供給量を
約1.5nmol/minとした。また、本実施例では、n形
半導体層13の厚みを約0.2μmとした。従来の一般
的発光ダイオードの場合には、n形半導体層の厚みが約
4.0〜5.0μmであるから、これに比べて図1の本
実施例のn形半導体層13はかなり肉薄に形成されてい
る。また、n形半導体層13の不純物濃度は約3×10
18cm-3であり、基板11の不純物濃度よりは十分に低
い。尚、本実施例によればバッファ層12が介在してい
るので、1040℃のような比較的高い温度でn形半導
体層13を形成することが可能になる。
【0022】続いて、基板11の加熱温度を800℃と
し、反応室内にTMGガス、アンモニアガスに加えてト
リメチルインジウムガス(以下、TMIガスという)と
ビスシクロペンタジェニルマグネシウムガス(以下、C
2 Mgガスという。)を供給してn形半導体層13の
上面にp形InGaN(窒化インジウム ガリウム)か
ら成る活性層14を形成する。ここで、Cp2 Mgガス
は活性層14中にp形導電形の不純物としてのMg(マ
グネシウム)を導入するためのものである。本実施例で
は、TMGガスの流量を約1.1μmol /min、NH3
スの流量を約67mmol /min、TMIガスの流量即ち
Inの供給量を約4.5μmol /min、Gp2 Mgガス
の流量即ちMgの供給量を約12nmol /minとした。
また、活性層14の厚みは約20×10-4μm即ち20
オングストロ−ムとした。なお、活性層14の不純物濃
度は約3×1017cm-3である。
【0023】続いて、基板11の加熱温度を1040℃
とし、反応室内にTMGガス、アンモニアガス及びCp
2 Mgガスを供給して活性層14の上面にp形GaN
(窒化ガリウム)から成るp形半導体層15を形成す
る。本実施例では、この時のTMGガスの流量を約4.
3μmol /min、アンモニアガスの流量を約53.6μm
ol/min、Cp2 Mgガスの流量を約0.12μmol /m
inとした。また、p形半導体層15の厚みは約0.2μ
mとした。なお、p形半導体層15の不純物濃度は約3
×1018cm-3である。
【0024】上記のMOCVD成長方法によれば、シリ
コン単結晶から成る基板11の結晶方位を良好に引き継
いでいるバッファ層12を形成することができる。ま
た、バッファ層12の結晶方位に対してn形半導体層1
3、活性層14及びp形半導体層15の結晶方位を揃え
ることができる。
【0025】第1の電極としてのアノード電極17は、
例えばニッケルと金を周知の真空蒸着法等によって半導
体基体16の上面即ちp形半導体層15の上面に付着さ
せることによって形成し、p形半導体層15の表面に低
抵抗接触させる。このアノード電極17は図2に示すよ
うに円形の平面形状を有しており、半導体基体16の上
面のほぼ中央に配置されている。半導体基体16の上面
のうち、アノード電極17の形成されていない領域19
は、光取り出し領域として機能する。
【0026】第2の電極としてのカソード電極18は、
n形半導体層13に形成せずに、例えばチタンとアルミ
ニウムを周知の真空蒸着法等によって基板11の下面全
体に形成する。
【0027】図1の青色発光ダイオードを外部装置に取
付ける時には、例えばカソード電極18を回路基板等の
外部電極に対して半田又は導電性接着剤で固着し、アノ
ード電極17を周知のワイヤボンディング方法によって
外部電極に対してワイヤで電気的に接続する。
【0028】本実施形態の青色発光ダイオードによれ
ば、次の効果が得られる。 (1) サファイアに比べて著しく低コストであり且つ
加工性も良いシリコンから成る基板11を使用すること
ができるので、材料コスト及び生産コストの削減が可能
である。このため、GaN系発光ダイオードのコスト低
減が可能である。 (2) 基板11の一方の主面に形成されたAl0.5
0.5Nから成る第1の層12aの格子定数はシリコン
の格子定数とGaNの格子定数との間を有する。従っ
て、第1の層12aは、シリコンから成る基板11の結
晶方位を良好に引き継ぐことができる。この結果、バッ
ファ層12の一方の主面に、n形半導体層13、活性層
14及びp形半導体層15からなるGaN系半導体領域
10を結晶方位を揃えて良好に形成することができる。
このため、GaN系半導体領域10の特性が良くなり、
発光特性も良くなる。 (3) 第1の層12aと第2の層12bが複数積層さ
れて成るバッファ層12を介して半導体領域10を形成
すると、半導体領域10の平坦性が良くなる。即ち、も
し、シリコンから成る基板11の一方の主面に、GaN
半導体層のみによって構成されたバッファ層を形成した
場合、シリコンとGaNとは格子定数の差が大きいた
め、このバッファ層の上面に平坦性に優れたGaN系半
導体領域を形成することはできない。これに対し、本実
施例では、基板11とGaN系半導体領域10との間に
シリコンとの格子定数差が比較的小さいAl0.5Ga0.5
Nから成る第1の層12aが介在し、且つ第1の層12
aの相互間にB0.3Ga0.7Nから成る第2の層12bを
配置した複合構造のバッファ層12が設けられている。
このため、バッファ層12の上に平坦性及び結晶性の良
いGaN系半導体領域10を形成することができる。こ
の結果、GaN系半導体領域10の発光特性が良くな
る。 (4) アノード電極17とカソード電極18とが対向
配置されているので、これ等の間に、順方向電圧を印加
すると、半導体基体16の厚み方向(縦方向)に順方向
電流が流れる。このため、アノード電極17とカソ−ド
電極18と間の抵抗値及び電圧を下げることができ、発
光ダイオ−ドの消費電力を小さくすることが可能にな
る。 (5) バッファ層12に含まれている複数の第1の層
12aのそれぞれが量子力学的なトンネル効果の生じる
厚さに設定されているので、バッファ層12の抵抗の増
大を抑えることができる。 (6) 基板11とGaN系半導体領域10との熱膨張
係数差に起因する歪みの発生を抑制できる。即ち、シリ
コンの熱膨張係数とGaNの熱膨張係数とは大きく相違
するため、両者を直接に積層すると熱膨張係数差に起因
する歪みが発生し易い。しかし、本実施例の第1の層1
2aと第2の層12bとの複合層から成るバッファ層1
2の熱膨張係数は基板11の熱膨張係数とGaN系半導
体領域10の熱膨張係数との中間値を有する。このた
め、このバッファ層12によって基板11とGaN半導
体領域10との熱膨張係数の差に起因する歪みの発生を
抑制することができる。なお、バッファ層12の第2の
層12bにボロンが含まれているので、バッファ層12
にボロンを含めない場合よりもバッファ層12の熱膨張
係数をシリコン基板11に近似させることができる。 (7)第2の層12bにボロンが含まれており、且つ第
2の層12bの厚みが比較的厚い30nmであるので、
基板11のエネルギ−バンドと第2の層12bのエネル
ギ−バンドとの不連続性が改善され、動作時におけるア
ノ−ド電極19とカソ−ド電極18との間の抵抗値及び
電圧が低くなる。 (8)第2の層12bにボロンが含まれているので、第
2の層12bがボロンを含まない場合に比べて堅牢にな
り、クラックの発生を防いで第2の層12bを比較的厚
く形成することができる。 (9)従来のサファイア基板を使用した発光素子に比べ
てカソ−ド電極18の形成が容易になる。即ち、従来の
サファイア基板を使用した発光素子の場合は、図1及び
図2のp形半導体領域15及び活性層14に相当するも
のの一部を除去してn形半導体領域13の一部を露出さ
せ、この露出したn形半導体領域13にカソ−ド電極を
接続することが必要になった。このため、従来の発光素
子は、カソ−ド電極が形成しにくいという欠点、及びカ
ソ−ド電極を形成するためにn形半導体領域の面積が大
きくなるという欠点があった。図1及び図2の発光素子
は上記欠点を有さない。 (10)シリコン基板11の主面11aの結晶方位を
(111)ジャスト面としたので、半導体領域10にお
けるステップが少なくなり、無効電流が小さくなり、発
光効率が向上する。
【0029】
【第2の実施形態】次に、図6を参照して第2の実施形
態の半導体装置を説明する。但し、図6において図1と
実質的に同一の部分には同一の符号を付してその説明を
省略する。
【0030】図6の半導体装置は、図1に示した発光ダ
イオ−ドのシリコン基板11に別の半導体素子としての
トランジスタ20を設けたものである。トランジスタ2
0は素子分離用のP形半導体領域21の中に形成された
コレクタ領域Cとベ−ス領域Bとエミッタ領域Eとから
成る。このように、発光ダイオ−ドとトランジスタとを
複合化すると、これ等を含む回路装置の小型化及び低コ
スト化を図ることができる。
【0031】
【変形例】本発明は上述の実施形態に限定されるもので
なく、例えば次の変形が可能なものである。 (1) 基板11を単結晶シリコン以外の多結晶シリコ
ン又はSiC等のシリコン化合物とすることができる。 (2) 半導体基体16の各層の導電形を実施例と逆に
することができる。 (3) n形半導体層13、活性層14及びp形半導層
15のそれぞれを、複数の半導体層の組み合せで構成す
ることができる。 (4)n形半導体層13、活性層14及びp形半導体層
15のそれぞれの材料を、GaN(窒化ガリウム)、A
lInN(窒化インジウム アルミニウム)、AlGa
N(窒化ガリウム アルミニウム)、InGaN(窒化
ガリウム インジウム)、及びAlInGaN(窒化ガ
リウム インジウム アルミニウム)から選択された窒
化ガリウム系化合物半導体又は窒化インジウム系化合物
半導体とすることができる。 (5)n形半導体層13を省いてバッファ層12の上に
GaInNから成る活性層14を直接に接触させること
ができる。これにより、肉厚のAlGaNクラッド層を
介在させて活性層14を形成する場合に比較して活性層
14に加わる引っ張り応力が緩和される。このため、活
性層14の結晶性が良好となり、発光素子の発光特性が
更に良好に得られる。 (6) アノ−ド電極17の下にオ−ミックコンタクト
のためのP+形半導体層を設けることができる。 (7) アノ−ド電極17を透明電極とすることができ
る。 (8) バッファ層12の第1の層12aの数を第2の
層12bよりも1層多くしてバッファ層12の最上層を
第1の層12aとすることができる。また、逆に第2の
層12bの数を第1の層12aの数より1層多くするこ
とができる。 (9) 第1の層12a及び第2の層12bは、これ等
の機能を阻害しない範囲で不純物を含むものであっても
よい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に従うの発光ダイオー
ドを示す中央縦断面図である。
【図2】図1の発光ダイオードの斜視図である。
【図3】図1の発光ダイオ−ドの構造を製造工程順に拡
大して示す断面図である。
【図4】第2の層の厚みと順方向電圧との関係を示す図
である。
【図5】シリコン基板の主面の(111)ジャスト面に
対するオフ角度と発光強度比との関係を示す図である。
【図6】第2の実施形態の半導体装置を示す断面図であ
る。
【符号の説明】 10 GaN系半導体領域 11 シリコン単結晶から成る基板 12 バッファ層 12a AlxyGa1-x-yNから成る第1の層 12b AlabGa1-aーbNから成る第2の層 13 n形半導体層 14 活性層 15 p形半導体層 16 基体 18 アノード電極 19 カソード電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柳原 将貴 埼玉県新座市北野三丁目6番3号 サンケ ン電気株式会社内 (72)発明者 田中 良孝 埼玉県新座市北野三丁目6番3号 サンケ ン電気株式会社内 Fターム(参考) 5F041 AA24 AA31 AA40 CA05 CA23 CA33 CA34 CA40 CA49 CA57 CA65 CB33

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 窒化物系化合物半導体を含んでいる半導
    体発光素子であって、 不純物を含むシリコン又はシリコン化合物から成り且つ
    低い抵抗率を有している基板と、 前記基板の一方の主面上に配置されたバッファ層と、 発光機能を得るために前記バッファ層の上に配置された
    複数の窒化物系化合物半導体層を含んでいる半導体領域
    と、 前記半導体領域の表面上に配置された第1の電極と、 前記基板の他方の主面に配置された第2の電極とを備え
    ており、 前記バッファ層は、AlxyGa1-x-yN(但し、x、y
    は、0<x≦1、0≦y<1、x+y≦1を満足する数
    値である。)から成る第1の層とAlabGa 1-a-b
    (但し、a、bは、0≦a<1、0≦b<1、a+b≦
    1を満足する数値である。)から成り且つ前記第1の層
    よりも小さいバンドギャップを有している第2の層との
    複合層から成り、前記第1の層と第2の層の内の少なく
    とも一方にB(ボロン)が含まれていることを特徴とす
    る半導体発光素子。
  2. 【請求項2】 前記バッファ層は、AlxyGa1-x-y
    (但し、x、yは、0<x≦1、0≦y<1、x+y≦
    1を満足する数値である。)から成る第1の層と、Ala
    bGa1-a-bN(但し、a、bは、0≦a<1、0<b
    <1、a+b≦1、b>yを満足する数値である。)か
    ら成り且つ前記第1の層よりも小さいバンドギャップを
    有している第2の層との複合層から成っている請求項1
    記載の半導体発光素子。
  3. 【請求項3】 前記バッファ層はAlxyGa1-x-y
    (但し、x、yは、0<x≦1、0≦y<1、x+y≦
    1を満足する数値である。)から成る複数の第1の層
    と、AlabGa1-a-bN(但し、a、bは、0≦a<
    1、0≦b<1、a+b≦1を満足する数値である。)
    から成る複数の第2の層とを有し、前記第1及び第2の
    層の内の少なくとも一方にBが含まれており、前記第1
    の層と前記第2の層とが交互に積層されていることを特
    徴とする請求項1記載の半導体発光素子。
  4. 【請求項4】 前記バッファ層における前記第1の層の
    厚みが0.5nm〜10nm及び前記第2の層の厚みが
    0.5nm〜300nmであることを特徴とする請求項
    1又は2又は3記載の半導体発光素子。
  5. 【請求項5】 前記バッファ層における前記第1の層の
    厚みが0.5nm〜10nm及び前記第2の層の厚みが
    10nm〜300nmであることを特徴とする請求項1
    又は2又は3記載の半導体発光素子。
  6. 【請求項6】 前記第2の層はn形不純物としてシリコ
    ンを含むことを特徴とする請求項1又は2又は3記載の
    半導体発光素子。
  7. 【請求項7】 前記基板の前記バッファ層が配置されて
    いる側の主面は、ミラー指数で示す結晶の面方位におい
    て(111)ジャスト面又は(111)面から−4度か
    ら+4度の範囲で傾いている面であることを特徴とする
    請求項1又は2又は3記載の半導体発光素子。
  8. 【請求項8】 前記半導体領域の前記複数の窒化物系化
    合物半導体層のそれぞれは、GaN(窒化ガリウム)
    層、AlInN(窒化インジウム アルミニウム)層、
    AlGaN(窒化ガリウム アルミニウム)層、InG
    aN(窒化ガリウム インジウム)層、及びAlInG
    aN(窒化ガリウム インジウム アルミニウム)層か
    ら選択されたものであることを特徴とする請求項1又は
    2又は3記載の半導体発光素子。
  9. 【請求項9】 前記半導体領域は、 前記バッファ層の上に配置された窒化物系化合物半導体
    から成る第1の導電形の第1の半導体層と、 前記第1の半導体層の上に配置された窒化物系化合物半
    導体から成る活性層と、 前記活性層の上に配置された窒化物系化合物半導体から
    成り且つ前記第1の導電形と反対の導電形を有している
    第2の半導体層とを備えていることを特徴とする請求項
    1又は2又は3記載の半導体発光素子。
  10. 【請求項10】 窒化物系化合物半導体を有する半導体
    発光素子の製造方法であって、 不純物を含み且つ低い抵抗率を有しているシリコン又は
    シリコン化合物から成る基板を用意する工程と、 前記基板の上に気相成長法によってAlxyGa1-x-y
    N(但し、x、yは、0<x≦1、0≦y<1、x+y
    ≦1を満足する数値である。)から成る第1の層と、A
    abGa1-a-bN(但し、a、bは、0≦a<1、0
    ≦b<1、a+b≦1、b>yを満足する数値であ
    る。)から成り且つ前記第1の層よりも小さいバンドギ
    ャップを有している第2の層とを順次に形成し、前記第
    1の層と前記第2の層との内の少なくとも一方にB(ボ
    ロン)が含まれているバッファ層を得る工程と、 前記バッファ層の上に、発光機能を得るための複数の窒
    化物系化合物半導体層から成る半導体領域を気相成長法
    によって形成する工程と、 前記半導体領域の表面上に第1の電極を形成し、前記基
    板の他方の主面に第2の電極を形成する工程とを有する
    ことを特徴とする半導体発光素子の製造方法。
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