JP2003059748A - 電子部品用金属膜転写フィルム - Google Patents
電子部品用金属膜転写フィルムInfo
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Abstract
する金属膜を成膜したプラスチックフィルムを提供する
ことであり、特に転写後の導電性に勝れた金属膜を有す
る電子部品用金属膜転写フィルムを提供すること。 【解決手段】プラスチックフィルム上に、離型層および
金属膜がこの順に成膜された構造を有しており、金属膜
の膜厚と表面抵抗率とが下記式(1)の関係を満足する
電子部品用金属膜転写フィルム。 Y ≦ 20000/X + 10 (1) (ただし、X:金属膜の膜厚(オングストローム)、
Y:表面抵抗率(Ω/□))
Description
関し、より詳細には電子部品に電導性金属膜を形成する
際、金属膜を成膜したプラスチックフィルムから転写し
て使用する金属膜転写フィルムに関するものである。
しては、例えば、半導体回路等の製造においては、基板
上に直接メッキや蒸着によって金属膜を形成した後に、
フォトリソグラフィー等によってパターンニングを行な
う方法が知られている。また、積層セラミックコンデン
サでは、まず、チタン酸バリウム等の誘電体粉末、有機
バインダー、可塑剤および有機溶剤とからなるスラリー
を用いて、ドクターブレード法等によりグリーンシート
を作製し、次に、このグリーンシートの上に、パラジウ
ム、ニッケルあるいは白金等の貴金属を主成分とした電
極ペーストを用いて、スクリーン印刷法等により内部電
極を形成する。次に、内部電極を形成したグリーンシー
トを内部電極層がセラミック誘電体層を挟んで交互に対
向するように配置して順次積層し、所望の積層数まで積
層を繰り返し、セラミック積層体を形成する。次に、セ
ラミック積層体を接着フィルムを備えた金属板上に接着
し、これをセラミック積層体の層間の密着性を向上させ
るために圧縮成形を行なう。さらに、このようにして成
形されたセラミック積層体を、所望の大きさのチップ状
に切断し、1200〜1400℃の温度で焼成する。こ
のようにして得られた焼結体の両端部に現れる内部電極
に、これらの内部電極が電気的に接続されるように銀や
銀−パラジウム等を塗布し、焼付けることによって外部
電極を形成し、積層セラミックコンデンサを製造してい
る。
は、携帯電話や携帯情報端末等に代表される携帯性の高
いモバイル機器の軽薄短小化の要望に伴い、ますますそ
の需要が高まる一方で、更なる小型化・大容量化が課題
となってきている。従来、積層セラミックコンデンサの
製造工程においては、小型・大容量化を実現する手段と
して、各々の積層するセラミック誘電体シートを薄肉化
し、積層数を増加させる方法が知られている。
ック誘電体シートを薄肉化した場合、グリーンシートが
薄いために、シート上に存在する微細な空孔に内部電極
ペーストが侵入、貫通し、絶縁不良が発生する等の問題
が起こる場合がある。
ンデンサにおいて、内部電極を従来のペーストを用いた
印刷法に代えて、金属膜を成膜したプラスチックフィル
ムを用意し、この金属膜を誘電体シート上に転写する手
法によって内部電極を形成する手法が上記課題を解決で
きることを見出したが(特願2001−63634
号)、転写後の金属膜の導電性が必ずしも十分とは言え
なかった。
意検討した結果、離型層上に成膜した金属膜について膜
厚と導電性が特定条件を満足すれば、転写後の導電性が
良好となることを見出し、本発明を完成するに至った。
を、転写によって形成する金属膜を成膜したプラスチッ
クフィルムを提供することであり、特に転写後の導電性
に優れた金属膜を有する電子部品用金属膜転写フィルム
を提供することにある。
膜転写フィルムは、プラスチックフィルム上に離型層お
よび金属膜がこの順に成膜された構造を有しており、金
属膜の膜厚をX(オングストローム)、表面抵抗率をY
(Ω/□)としたとき、下記(1)式を満足する電子部
品用金属膜転写フィルムである。
金属膜の膜厚と導電性が特定条件を満足するものであっ
て、転写後の金属膜の導電性に優れた電子部品用金属膜
転写フィルムである。
転写フィルムについて具体的に説明する。
は、プラスチックフィルム上に離型層を形成したのち、
金属膜を成膜することによって得られる。
しては、有機高分子材料からなるフィルムであり、具体
的には、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエ
チレンナフタレート、非晶ポリオレフィン、ポリアリレ
ート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポ
リイミド、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリ
スチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネー
ト、ポリエーテルエーテルケトン、ポリサルホン、ポリ
エーテルサルホン、フッ素樹脂、ポリエーテルイミド、
ポリフェニレンサルファイド、ポリウレタンおよび環状
オレフィン系樹脂等を挙げることができるが、ポリエチ
レンテレフタレートが、経済性と強度等の点で好適に用
いられる。
は、枚葉あるいはロール状のいずれでも用いることがで
きるが、ロール状のフィルムであれば、連続して蒸着を
行なうことができ、好適である。
は、好ましくは8〜250μmの範囲で使用できるが、
より好ましくは12〜188μmである。厚さが8μm
未満では、金属蒸着時に蒸発源から発生する輻射熱によ
ってフィルムが変形するので好ましくなく、一方、厚さ
が250μmを超えるとフィルムに柔軟性がなく、転写
が難しく好ましくない。プラスチックフィルムの厚さを
測定する方法としては、マイクロメータ等の測定装置に
よる方法、採取したフィルムサンプルの質量からその比
重を用いて算出する方法等を用いることができる。
おける離型層の主たる構成成分としては、シリコーン樹
脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂またはフッ素樹脂の少
なくとも1種以上である。
成分を含む塗液をプラスチックフィルムに塗布し、加熱
して乾燥させ、場合によっては紫外線照射等で硬化させ
ることによって形成することができる。塗液の塗布方法
としては、公知の塗布方法が適用でき、例えば、ロール
コーター法等を挙げることができる。また、塗液は有機
溶剤あるいは水性塗液を使用できるが、有機化合物の溶
解であるため、有機溶剤が好適に使用される。離型層の
厚さは、塗布抜けがないことが必須であるが、通常0.
01μm〜5μmが好ましく、より好ましくは0.05
〜3μmである。離型層の厚さが0.01μm未満で
は、塗布抜け等が起こり、十分な効果が得られず、また
厚さが5μmを超える場合は十分な離型効果の向上が期
待できず、また経済的にも不利になるため好ましくな
い。離型層の厚さは、透過電子顕微鏡、走査電子顕微
鏡、マイクロメータ等を用いることによって測定可能で
ある。
の指標として、金属膜側に粘着テープを貼り、粘着テー
プとプラスチックフィルムを10mmの一定幅にスリッ
トした後、引張試験機を用い、1000mm/分の速度
で両者をT字に引き剥がすときの剥離強度を用いること
ができる。本発明において、離型層を介在した場合のプ
ラスチックフィルムと金属膜との間の剥離力は、好まし
くは0.1〜20g/10mm幅(幅10mm当たりの
剥離強度)であり、より好ましくは、0.5〜10g/
10mm幅である。剥離力が0.1g/10mm幅未満
では、蒸着金属膜が外部からの力や摩擦等によって容易
に剥がれやすくなるため実用上好ましくなく、一方、剥
離力が15g/10mm幅を超えると転写した際に、転
写されないか、金属膜にクラックが入るため好ましくな
い。なお、積層セラミクコンデンサについては、セラミ
ック誘電体シートに金属膜が転写された後の離型層はフ
ィルム側に残っても良いし、あるいは金属膜側に残って
もかまわない。
ルムの金属膜を構成する金属種は、使用される電子部品
によって異なるが、積層セラミックコンデンサの内部電
極として使用される場合には、ニッケル単体が好ましい
が、ニッケルによって得られる膜特性を改良する目的
で、他の金属をニッケルの電気特性、耐腐食性等の性質
を著しく損なわない範囲で添加してもよい。他の金属と
しては、例えば、クロム、銅、錫、アルミニウムおよび
パラジウム等が挙げられる。これら他の金属の配合割合
の上限としては、20重量%が好ましい。
は、スパッタ、蒸着等を用いることができるが、なかで
も蒸着によって得られる金属膜が好ましい。また、蒸着
方法としては、例えば、誘導加熱、抵抗加熱、スパッタ
リング、電子ビーム(EB)、イオンプレーティング等
を挙げることができるが、特に電子ビーム蒸着が、生産
性と蒸着膜質の点で好適である。
は500〜20000オングストロームの範囲であり、
より好ましくは500〜10000オングストロームで
あり、さらに好ましくは500〜5000オングストロ
ームの範囲である。厚さが500オングストローム未満
では転写工程で破れやすくなったり、十分な電気特性が
得られないので好ましくなく、一方、厚さが20000
オングストロームを超えると膜厚が厚くなり、薄膜化と
いう優位性が得られないばかりか、金属膜にクラックが
発生しやすくなるので好ましくない。
トローム)と表面抵抗率Y(Ω/□)との間に下記式
(1)の関係を有することが必要であり、より好ましく
は、下記式(2)の関係を有する。ここで、金属膜の膜
厚Xの測定方法としては、透過電子顕微鏡、走査電子顕
微鏡等を用いて測定することができる。また、表面抵抗
率Yは、JISK7194における4探針法によって測
定することができる。
(1)を満足しない場合、すなわち、転写前の金属膜に
欠陥や微小クラックが存在し、膜が厚いにもかかわら
ず、表面抵抗率が特定の値よりも大きくなるような場合
は、転写した際にクラック等の欠陥が生じやすくなるた
め、好ましくない。
は、上述のようにして離型層を形成したプラスチックフ
ィルム上に成膜した金属膜を、さらに電子部品上に転写
することによって利用される。
体シート上への該金属膜の転写方法としては、金属膜転
写フィルムとセラミックグリーンシートとを重ね合わせ
た後、圧着ローラーやプレス機等を用いて圧着した後、
プラスチックフィルムを剥離する方法を挙げることがで
きる。この場合、プラスチックフィルムのガラス転移温
度あるいは融点以下の温度で加熱することもできる。さ
らに、金属膜内部電極をパターニングされた誘電体シー
トは、従来の工程によって積層セラミックコンデンサま
で加工することができる。
を主成分とする誘電体粉末、有機バインダー、可塑剤お
よび有機溶剤とからなるスラリーをドクターブレード法
等により膜化し、引き続き乾燥して得られるグリーンシ
ートを所定のサイズに裁断後、焼成することによって得
られる。該誘電体シート1枚当たりの厚さは0.5〜3
0μmであり、好ましくは0.5〜15μmである。
0.5μm未満では誘電体シートに発生するピンホール
等の欠陥が次第に多くなり、一方、30μmを超えると
本発明による誘電体シートを積層化した積層セラミック
コンデンサの小型大容量化を満足するものは得られな
い。
極パターンを形成する方法としては、所定の形状、大き
さの電極パターンにレジストを用いたリソグラフィー法
を組み合わせることによって実施することができる。
は、電子部品の薄膜状の電極を転写によって形成する方
法として好適であり、例えば、半導体回路や積層セラミ
ックコンデンサの内部電極を挙げることができるが、特
に積層セラミックコンデンサの内部電極の形成方法とし
て好適である。
いて実施例を挙げて詳細に説明する。
テレフタレートフィルムの上に、メラミン樹脂系離型剤
を塗布し厚さ0.2μmの剥離層を形成したのち、さら
にその上に電子ビーム蒸着によって膜厚3000オング
ストロームの金属ニッケルを成膜した金属膜転写フィル
ムを作成した。この金属ニッケル膜の表面抵抗率は2Ω
/□であり、本発明の式(1)を満足するものであっ
た。この金属膜面に、粘着テープ(ポリエチレンテレフ
タレートフィルム製)をゴムローラーで荷重をかけて貼
り合わせ、室温にて24時間エージング後、粘着テープ
上に金属膜を転写した。この金属膜の表面抵抗率を測定
した結果、2Ω/□であり、転写によって大きな変化は
示さなかった。
テレフタレートフィルムの上に、メラミン樹脂系離型剤
を塗布し厚さ0.1μmの剥離層を形成したのち、さら
にその上に電子ビーム蒸着によって膜厚400オングス
トロームの金属ニッケルを成膜した金属膜転写フィルム
を作成した。この金属ニッケル膜の表面抵抗率は、25
Ω/□であり、本発明の式(1)を満足するものであっ
た。この金属膜面に粘着テープ(ポリエチレンテレフタ
レートフィルム製)をゴムローラーで荷重をかけて貼り
合わせ、室温にて24時間エージング後、粘着テープ上
に金属膜を転写した。この金属膜の表面抵抗率を測定し
た結果、40Ω/□であった。
により膜厚約3000オングストロームの金属ニッケル
膜を成膜したこと以外は、同様にして金属膜転写フィル
ムを作成した。このときの金属ニッケル膜の表面抵抗率
は30Ω/□であり、本発明の式(1)からは外れる結
果であった。この金属膜を上記実施例と同様にして粘着
テープ上に転写した後、表面抵抗率を測定した結果、3
00Ω/□であり、転写により、著しく悪化した。
ンテレフタレートフィルムに、直接電子ビーム蒸着によ
って膜厚3000オングストロームの金属ニッケルを成
膜した金属膜転写フィルムを作成した。この金属ニッケ
ル膜の表面抵抗率は、3Ω/□であり、本発明の式
(1)を満足するものであった。しかしながら、この金
属膜面に粘着テープ(ポリエチレンテレフタレートフィ
ルム製)をゴムローラーで荷重をかけて貼り合わせ、室
温にて24時間エージング後、粘着テープ上に金属膜を
転写したが、剥離が重く、転写できなかった。
よれば、転写後も、導電性の優れる金属膜を有する電子
部品用金属膜転写フィルムが得られる。
Claims (5)
- 【請求項1】 プラスチックフィルム上に離型層および
金属膜がこの順に成膜された構造を有しており、金属膜
の膜厚をX(オングストローム)、表面抵抗率をY(Ω
/□)としたとき、下記(1)式を満足する電子部品用
金属膜転写フィルム。 Y ≦ 20000/X + 10 (1) - 【請求項2】 離型層が、シリコーン樹脂、メラミン樹
脂、エポキシ樹脂またはフッ素樹脂の少なくとも1種以
上からなる請求項1記載の電子部品用金属膜転写フィル
ム。 - 【請求項3】 金属膜が蒸着によって成膜されたもので
ある請求項1または2記載の電子部品用金属膜転写フィ
ルム。 - 【請求項4】 電子部品が積層セラミックコンデンサー
である請求項1〜3のいずれかに記載の電子部品用金属
膜転写フィルム。 - 【請求項5】 金属膜がニッケルを主成分とする金属か
らなる請求項4に記載の電子部品用金属膜転写フィル
ム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001244174A JP2003059748A (ja) | 2001-08-10 | 2001-08-10 | 電子部品用金属膜転写フィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001244174A JP2003059748A (ja) | 2001-08-10 | 2001-08-10 | 電子部品用金属膜転写フィルム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003059748A true JP2003059748A (ja) | 2003-02-28 |
Family
ID=19074151
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001244174A Pending JP2003059748A (ja) | 2001-08-10 | 2001-08-10 | 電子部品用金属膜転写フィルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003059748A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013185163A (ja) * | 2012-03-06 | 2013-09-19 | Toray Kp Films Inc | 金属化フィルムおよび金属箔 |
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2001
- 2001-08-10 JP JP2001244174A patent/JP2003059748A/ja active Pending
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