JP2003056069A - 縦材の接合構造、建物ユニット及びユニット建物 - Google Patents

縦材の接合構造、建物ユニット及びユニット建物

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 建物において、縦材の引抜耐力と押込耐力を
共に確保すること。 【解決手段】 縦枠22Aを土台21Aに接合するに際
し、縦枠22Aの側面にホールダウン金物30の側板3
1を固定し、土台21Aから突出する連結部材40をホ
ールダウン金物30の水平板32に挿通して該水平板3
2に上下両方から緊結するもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建物を構成する縦
材の接合構造、建物ユニット及びユニット建物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】建物において、柱等の縦材を、土台等の
下部構造材に接合するに際し、特開平9-221834号公報に
記載の如く、縦材の側面にホールダウン金物の側板を固
定し、下部構造材から突出する連結部材をホールダウン
金物の水平板に挿通して該水平板に緊結するものがあ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来のホールダウン金
物は、連結部材を水平板に上からだけ緊結するものであ
り、縦材が下部構造材から引き離される力に対抗するも
のである。従来のホールダウン金物では、縦材が圧縮力
を受けたとき、縦材が下部構造材にめり込む現象を防止
できない。
【0004】本発明の課題は、建物において、縦材の引
抜耐力と押込耐力を共に確保することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、縦材
を下部構造材に接合するに際し、縦材の側面にホールダ
ウン金物の側板を固定し、下部構造材から突出する連結
部材をホールダウン金物の水平板に挿通して該水平板に
上下両方から緊結する縦材の接合構造である。
【0006】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て更に、前記連結部材の中間部に該連結部材を軸直角方
向から支える座屈止め部材を設けたものである。
【0007】請求項3の発明は、請求項1又は2に記載
の縦材の接合構造を用いた建物ユニットである。
【0008】請求項4の発明は、請求項3の発明におい
て更に、下部構造材が土台であり、この土台が予め一体
化されてなるものである。
【0009】請求項5の発明は、請求項3又は4に記載
の建物ユニットを用いてなるユニット建物である。
【0010】
【作用】請求項1の発明によれば下記の作用がある。 下部構造材から突出する連結部材をホールダウン金物
の水平板に上下両方から緊結する。従って、縦材が下部
構造材から引き離される力(引抜力)は連結部材の上側
の緊結部から連結部材を介して下部構造材の側に伝える
ことで、縦材の引抜耐力を確保できる。縦材が下部構造
材に押込まれる力(圧縮力)は連結部材の下側の緊結部
から連結部材を介して下部構造材の側に伝えることで、
縦材の下部構造材へのめり込みを防止してその押込耐力
を確保できる。
【0011】請求項2の発明によれば下記の作用があ
る。 連結部材の中間部に座屈止め部材を設けたから、縦材
に作用する圧縮力が連結部材の下側の緊結部から連結部
材に作用するとき、連結部材が細長状をなす場合にも座
屈を回避できる。
【0012】請求項3、5の発明によれば下記の作用
がある。 ユニット建物を構成する建物ユニットで、上述、
により、縦材の引抜耐力と押込耐力をともに確保でき
る。
【0013】請求項4の発明によれば下記の作用があ
る。 下部構造材が土台であり、この土台が予め建物ユニッ
トに一体化されてなるから、ホールダウン金物と連結部
材を建物ユニットの工場生産段階において、建物ユニッ
トの内部で緊結完了できる。これにより、建物ユニット
の工場生産化率を高めることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】図1は第1実施形態の縦材の接合
構造を示し、(A)は正面図、(B)は側面図、図2は
ホールダウン金物を示す斜視図、図3は座屈止め部材を
示す斜視図、図4はユニット建物を示す斜視図、図5は
建物ユニットを示す斜視図、図6は第2実施形態の縦材
の接合構造を示し、(A)は正面図、(B)は側面図で
ある。
【0015】(第1実施形態)(図1〜図5) ユニット建物10は、図4に示す如く、複数の工場生産
された建物ユニット11を建築現場に輸送し、予め建築
現場に設置された基礎12の上で左右上下に接合して構
築される。
【0016】建物ユニット11は、図5に示す如く、床
パネル21と壁パネル22の接合構造体である。床パネ
ル21は、図1に示す如く、土台21A、床根太21
B、床面材21Cの組立構造体である。壁パネル22
は、図1に示す如く、縦枠22A、上枠22B、下枠2
2Cの組立構造体である。
【0017】建物ユニット11は、工場生産段階で、下
部構造材である床パネル21(土台21A)に壁パネル
22(縦枠22A)を接合するに際し、縦枠22Aの側
面にホールダウン金物30の側板31を釘打ち固定す
る。そして、土台21Aから突出し、床面材21C、下
枠22Cを貫通する連結部材40を、ホールダウン金物
30の水平板32に挿通して該水平板32に上下両方か
ら上ナット43、下ナット44で緊結する。
【0018】尚、ホールダウン金物30は、図2に示す
如く、側板31と水平板32をつなぐ補強板33を備え
る。
【0019】また、連結部材40は、土台21Aの下面
に添設される基板41と、基板41から立設されてナッ
ト43、44が螺着されるボルト部42とからなり、土
台21Aからホールダウン金物30の範囲内に設けられ
るものとなる。
【0020】また、建物ユニット11は、工場生産段階
で、連結部材40の中間部に座屈止め部材50を設け
る。座屈止め部材50は、図3に示す如く、床根太21
Bの側面に釘打ち固定される側板51と、側板51の上
下端部に接合された上板52、下板53とからなるコの
字状をなし、連結部材40を上板52、下板53の挿通
孔に通すことにて該連結部材40を軸直角方向から支え
て座屈防止する。
【0021】工場生産された建物ユニット11は、基礎
12の上に据付けられ、基礎12に植設されているアン
カーボルト13を土台21Aに貫通してナット14で締
結する。このとき、建物ユニット11に工場生産段階で
組込み済の連結部材40の基板41が、土台21Aとと
もに基礎12の上面に載置されるものとなる。
【0022】本実施形態によれば以下の作用がある。 土台21Aから突出する連結部材40をホールダウン
金物30の水平板32に上下両方から緊結する。従っ
て、縦枠22Aが土台21Aから引き離される力(引抜
力)は連結部材40の上ナット43から連結部材40を
介して基礎12の側に伝えることで、縦枠22Aの引抜
耐力を確保できる。縦枠22Aが土台21Aに押込まれ
る力(圧縮力)は連結部材40の下ナット44から連結
部材40を介して基礎12の側に伝えることで、縦枠2
2Aの土台21Aへのめり込みを防止してその押込耐力
を確保できる。
【0023】連結部材40の中間部に座屈止め部材5
0を設けたから、縦枠22Aに作用する圧縮力が連結部
材40の下ナット44から連結部材40に作用すると
き、連結部材40が細長状をなす場合にも座屈を回避で
きる。
【0024】ユニット建物10を構成する建物ユニッ
ト11で、上述、により、縦枠22Aの引抜耐力と
押込耐力をともに確保できる。
【0025】下部構造材が土台21Aであり、この土
台21Aが予め建物ユニット11に一体化されてなるか
ら、ホールダウン金物30と連結部材40を建物ユニッ
ト11の工場生産段階において、建物ユニット11の内
部で緊結完了できる。これにより、建物ユニット11の
工場生産化率を高めることができる。
【0026】(第2実施形態)(図6) 図6の第2実施形態は、本発明の縦材の接合構造を建物
ユニット11に代わる一般建物60に適用したものであ
り、連結部材40として下部構造材である基礎12から
突出する長尺化したアンカーボルト13を用いたもので
ある。第2実施形態において、第1実施形態におけると
実質的に同一部分は同一の符号を付して説明を省略す
る。第2実施形態においても、第1実施形態において前
述した、と同様の作用を奏する。
【0027】以上、本発明の実施の形態を図面により詳
述したが、本発明の具体的な構成はこの実施の形態に限
られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の
設計の変更等があっても本発明に含まれる。例えば、本
発明において、縦材は縦枠の他、柱等でも良いし、下部
構造材は土台の他、梁等でも良い。
【0028】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、建物にお
いて、縦材の引抜耐力と押込耐力を共に確保することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は第1実施形態の縦材の接合構造を示し、
(A)は正面図、(B)は側面図である。
【図2】図2はホールダウン金物を示す斜視図である。
【図3】図3は座屈止め部材を示す斜視図である。
【図4】図4はユニット建物を示す斜視図である。
【図5】図5は建物ユニットを示す斜視図である。
【図6】図6は第2実施形態の縦材の接合構造を示し、
(A)は正面図、(B)は側面図である。
【符号の説明】
10 ユニット建物 11 建物ユニット 21A 土台(下部構造材) 22A 縦枠(縦材) 30 ホールダウン金物 31 側板 32 水平板 40 連結部材 43 上ナット 44 下ナット 50 座屈止め部材 60 建物

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 縦材を下部構造材に接合するに際し、縦
    材の側面にホールダウン金物の側板を固定し、下部構造
    材から突出する連結部材をホールダウン金物の水平板に
    挿通して該水平板に上下両方から緊結する縦材の接合構
    造。
  2. 【請求項2】 前記連結部材の中間部に該連結部材を軸
    直角方向から支える座屈止め部材を設けた請求項1に記
    載の縦材の接合構造。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の縦材の接合構造
    を用いた建物ユニット。
  4. 【請求項4】 下部構造材が土台であり、この土台が予
    め一体化されてなる請求項3に記載の建物ユニット。
  5. 【請求項5】 請求項3又は4に記載の建物ユニットを
    用いてなるユニット建物。
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Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH0332191A (ja) * 1989-06-28 1991-02-12 Sharp Corp 記録再生装置
JPH10219847A (ja) * 1997-02-03 1998-08-18 Grand Data Kk ボルト状固定具の補強構造及びこれを用いた建築、構造物の補強構造
JPH10280553A (ja) * 1997-04-09 1998-10-20 Sekisui Chem Co Ltd 建物の接合構造、建物ユニット及びユニット建物

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