JP2001073561A - 既存建造物の耐震補強構造 - Google Patents
既存建造物の耐震補強構造Info
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- JP2001073561A JP2001073561A JP24762999A JP24762999A JP2001073561A JP 2001073561 A JP2001073561 A JP 2001073561A JP 24762999 A JP24762999 A JP 24762999A JP 24762999 A JP24762999 A JP 24762999A JP 2001073561 A JP2001073561 A JP 2001073561A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 構造物全体としての耐震性を向上させること
ができて、建築物の外観を損なうことなく、しかも、圧
縮力と引張力の両方に対して耐震補強効果を発揮できる
耐震補強構造を提供すること。 【解決手段】 柱40と梁42とを備える既存建造物の
外側において、普通鋼材11間に低降伏点鋼材12が配
置されてなる板状の耐震補強部材10を、上下階の柱梁
接合部間に固定した。
ができて、建築物の外観を損なうことなく、しかも、圧
縮力と引張力の両方に対して耐震補強効果を発揮できる
耐震補強構造を提供すること。 【解決手段】 柱40と梁42とを備える既存建造物の
外側において、普通鋼材11間に低降伏点鋼材12が配
置されてなる板状の耐震補強部材10を、上下階の柱梁
接合部間に固定した。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は耐震補強構造に関
し、さらに詳細には、柱梁フレームを備える鉄筋コンク
リート造又は鉄筋鉄骨コンクリート造の既存建造物の耐
震性を向上させるための構造に関する。
し、さらに詳細には、柱梁フレームを備える鉄筋コンク
リート造又は鉄筋鉄骨コンクリート造の既存建造物の耐
震性を向上させるための構造に関する。
【0002】
【従来の技術】既存建造物を耐震補強するため、建造物
の外側の柱、梁又はその交差部にブレース材を取り付け
た耐震補強構造が提案されている。しかしながら、従来
のブレース材は丸鋼であったために座屈耐力が小さく、
圧縮側では構造上の耐力が期待できないという欠点があ
った。
の外側の柱、梁又はその交差部にブレース材を取り付け
た耐震補強構造が提案されている。しかしながら、従来
のブレース材は丸鋼であったために座屈耐力が小さく、
圧縮側では構造上の耐力が期待できないという欠点があ
った。
【0003】一般的に、ブレース材が降伏する層間変形
角は、材料の降伏点と建物寸法によって決まるため任意
に設定することは不可能であるが、一般的な規模の建築
物の場合、ブレース材は層間変形角が1/400程度で
引張降伏し、1/500程度では弾性変形するに過ぎ
ず、したがって、柱梁フレーム内に層間変形角1/50
0程度で破壊する脆弱な柱がある場合には、ブレース材
には充分な耐震効果が期待できなかった。
角は、材料の降伏点と建物寸法によって決まるため任意
に設定することは不可能であるが、一般的な規模の建築
物の場合、ブレース材は層間変形角が1/400程度で
引張降伏し、1/500程度では弾性変形するに過ぎ
ず、したがって、柱梁フレーム内に層間変形角1/50
0程度で破壊する脆弱な柱がある場合には、ブレース材
には充分な耐震効果が期待できなかった。
【0004】また、ベランダのある建造物をブレース材
により補強した場合には、ブレース材によりベランダの
手摺などが塞がれて分割されるので、ベランダの使い勝
手が悪くなるという欠点があり、さらに、ブレース材は
建物の外周に斜めに張り巡らされて、建築物の外観を損
なうという欠点もある。
により補強した場合には、ブレース材によりベランダの
手摺などが塞がれて分割されるので、ベランダの使い勝
手が悪くなるという欠点があり、さらに、ブレース材は
建物の外周に斜めに張り巡らされて、建築物の外観を損
なうという欠点もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は従来技術の欠
点に着目し、これを解決せんとしたものであり、その課
題は、任意に降伏時の層間変形角を設定できるため、脆
弱な柱がある場合にも、構造物全体としての耐震性を向
上させることができる耐震補強構造を提供することにあ
る。
点に着目し、これを解決せんとしたものであり、その課
題は、任意に降伏時の層間変形角を設定できるため、脆
弱な柱がある場合にも、構造物全体としての耐震性を向
上させることができる耐震補強構造を提供することにあ
る。
【0006】また別の課題は、建築物の外観を損なうこ
となく、しかも、圧縮力と引張力の両方に対して耐震補
強効果を発揮できる耐震補強構造を提供することにあ
る。
となく、しかも、圧縮力と引張力の両方に対して耐震補
強効果を発揮できる耐震補強構造を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明では、柱と梁とを
備える既存建造物の外側において、上下階の柱梁接合部
間に板状の耐震補強部材を固定し、該耐震補強部材は普
通鋼材間に低降伏点鋼材が配置されてなることを特徴と
する耐震補強構造を提供する。
備える既存建造物の外側において、上下階の柱梁接合部
間に板状の耐震補強部材を固定し、該耐震補強部材は普
通鋼材間に低降伏点鋼材が配置されてなることを特徴と
する耐震補強構造を提供する。
【0008】この態様によれば、梁やスラブに比べ耐
力の余裕のある柱梁接合部に耐震要素を取り付け、低
降伏点鋼材に変形を集中させることができて、低降伏
点鋼材の高さや横の寸法を任意に設定できるので、梁や
床スラブの耐力に拘わらず、降伏時の層間変形角や耐力
を任意に設定することができる。
力の余裕のある柱梁接合部に耐震要素を取り付け、低
降伏点鋼材に変形を集中させることができて、低降伏
点鋼材の高さや横の寸法を任意に設定できるので、梁や
床スラブの耐力に拘わらず、降伏時の層間変形角や耐力
を任意に設定することができる。
【0009】本発明において、前記耐震補強部材の両端
は、緊張材を介して柱梁接合部に緊締圧着することがで
きる。
は、緊張材を介して柱梁接合部に緊締圧着することがで
きる。
【0010】また本発明における前記耐震補強部材の緊
締圧着構造として、下記のうち何れをも採用可能であ
る。 柱梁接合部に定着部材を設け、定着部材を介して緊張
材により緊締圧着する構造。 柱梁接合部に鉄筋コンクリート造の増設部分を形成
し、この増設部分を介して緊張材により緊締圧着する構
造。 柱梁接合部に鉄筋コンクリート造の増設部分を形成
し、この増設部分に定着部材を設け、この定着部材を介
して緊張材により緊締圧着する構造。
締圧着構造として、下記のうち何れをも採用可能であ
る。 柱梁接合部に定着部材を設け、定着部材を介して緊張
材により緊締圧着する構造。 柱梁接合部に鉄筋コンクリート造の増設部分を形成
し、この増設部分を介して緊張材により緊締圧着する構
造。 柱梁接合部に鉄筋コンクリート造の増設部分を形成
し、この増設部分に定着部材を設け、この定着部材を介
して緊張材により緊締圧着する構造。
【0011】さらに、本発明において、上下階の柱梁接
合部間に固定された板状の耐震補強部材には、モルタル
被覆層、アルミニウム、耐火ボード又は耐候性塗料とい
った表面仕上材を設けることが好ましい。
合部間に固定された板状の耐震補強部材には、モルタル
被覆層、アルミニウム、耐火ボード又は耐候性塗料とい
った表面仕上材を設けることが好ましい。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて
説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0013】図1は本発明の一実施例を示す斜視図であ
り、図2は図1の断面図であり、図3は図2の正面図で
ある。なお、図示の簡略化のために図1においては継手
材13を省略し、図3においてはパネル11,12のリ
ブを省略して示した。
り、図2は図1の断面図であり、図3は図2の正面図で
ある。なお、図示の簡略化のために図1においては継手
材13を省略し、図3においてはパネル11,12のリ
ブを省略して示した。
【0014】図1〜図3に示す耐震補強構造は、梁40
と柱42とを備える鉄筋コンクリート造の既存建造物の
外側において、上下階の柱梁接合部間、すなわち、柱を
中心とした対向位置に定着部材15やPC鋼棒16を介
して耐震補強部材10が固定されてなり、この耐震補強
部材10は、低降伏点鋼材からなるパネル12と、この
低降伏点鋼パネル12の上下に連設された普通鋼材から
なるパネル11とが、板状に一体に連結されている。
と柱42とを備える鉄筋コンクリート造の既存建造物の
外側において、上下階の柱梁接合部間、すなわち、柱を
中心とした対向位置に定着部材15やPC鋼棒16を介
して耐震補強部材10が固定されてなり、この耐震補強
部材10は、低降伏点鋼材からなるパネル12と、この
低降伏点鋼パネル12の上下に連設された普通鋼材から
なるパネル11とが、板状に一体に連結されている。
【0015】この低降伏点鋼パネル12の横幅は普通鋼
材パネル11よりも狭く形成されており、これによっ
て、低降伏点鋼に変形を集中させ易くなるという効果が
得られる。また、これらのパネル11,12には、図1
に示されたような縦横のリブが設けられており、これに
よって、曲げ変形に対する耐力が高められると共に、パ
ネル11,12の軽量化が図られる。なお、普通鋼材パ
ネル11は、図2及び図3に示すように、継手材13に
より鋼材が接続されて適宜階高に応じた長さに形成され
る。
材パネル11よりも狭く形成されており、これによっ
て、低降伏点鋼に変形を集中させ易くなるという効果が
得られる。また、これらのパネル11,12には、図1
に示されたような縦横のリブが設けられており、これに
よって、曲げ変形に対する耐力が高められると共に、パ
ネル11,12の軽量化が図られる。なお、普通鋼材パ
ネル11は、図2及び図3に示すように、継手材13に
より鋼材が接続されて適宜階高に応じた長さに形成され
る。
【0016】また前記定着部材15は鉄骨から形成さ
れ、その上下に普通鋼材パネル11が溶接等により一体
に接続されるものであり、PC鋼棒16を貫装するため
の貫通孔が設けられている。
れ、その上下に普通鋼材パネル11が溶接等により一体
に接続されるものであり、PC鋼棒16を貫装するため
の貫通孔が設けられている。
【0017】次に、耐震補強部材10の固定部分につい
て説明する。耐震補強部材10の固定部分には、あらか
じめ鉄筋コンクリート造の躯体増設部45が、上下階の
梁40と柱42との接合部分からそれぞれベランダ41
の下側に沿って先端まで延設される。この躯体増設部4
5には主筋やあばら筋などの補強筋やシース管が埋設さ
れ、また、柱42を挟んだ両側の梁40には、シース管
に連通する貫通孔が穿設されている。そして、定着部材
15が、躯体増設部45とベランダ41との先端におけ
る、柱42の対向位置にモルタル26を介して配置され
て、この定着部材15とシース管と貫通孔とにPC鋼棒
16が挿通され、PC鋼棒16に緊張力を導入して、そ
の両端が支圧板17や定着金具16aにより固定され
る。
て説明する。耐震補強部材10の固定部分には、あらか
じめ鉄筋コンクリート造の躯体増設部45が、上下階の
梁40と柱42との接合部分からそれぞれベランダ41
の下側に沿って先端まで延設される。この躯体増設部4
5には主筋やあばら筋などの補強筋やシース管が埋設さ
れ、また、柱42を挟んだ両側の梁40には、シース管
に連通する貫通孔が穿設されている。そして、定着部材
15が、躯体増設部45とベランダ41との先端におけ
る、柱42の対向位置にモルタル26を介して配置され
て、この定着部材15とシース管と貫通孔とにPC鋼棒
16が挿通され、PC鋼棒16に緊張力を導入して、そ
の両端が支圧板17や定着金具16aにより固定され
る。
【0018】以上のように、PC鋼棒16は柱42の両
側の梁40に貫装されるが、躯体増設部45が上下階の
梁40と柱42との接合部分から延設され、さらに、耐
震補強部材10が柱42の対向位置に設けられるので、
耐震補強部材10には柱42と同じ層間変形が作用し、
これにより、たとえ、部分的に柱が脆弱であったとして
も、構造物全体としての耐震性は充分に確保される。
側の梁40に貫装されるが、躯体増設部45が上下階の
梁40と柱42との接合部分から延設され、さらに、耐
震補強部材10が柱42の対向位置に設けられるので、
耐震補強部材10には柱42と同じ層間変形が作用し、
これにより、たとえ、部分的に柱が脆弱であったとして
も、構造物全体としての耐震性は充分に確保される。
【0019】次に、図4及び図5を参照して、図1〜図
3とは異なる実施例について説明する。図4及び図5に
おいて、耐震補強構造は定着部材15が設けられていな
い点で図1〜図3と異なり、それゆえに、躯体増設部4
5はベランダ41のパラペット41’よりも突出して形
成され、この突出部分に、上下階の耐震補強部材10を
連結する接合板14が埋設される。そして、接合板14
の上下端は躯体増設部45の上下に突出し、この突出部
分が、プレートやボルトなどの継手材18により普通鋼
材パネル11に接続される。また、PC鋼棒16は梁4
0から躯体増設部45の全長にわたって貫装され、緊張
力が導入されると、躯体増設部45の鉄筋コンクリート
から接合板14を介して、耐震補強部材10は柱梁接合
部に緊締圧着される。なお、図1〜図3の耐震補強構造
と同じ構成については説明を省略する。
3とは異なる実施例について説明する。図4及び図5に
おいて、耐震補強構造は定着部材15が設けられていな
い点で図1〜図3と異なり、それゆえに、躯体増設部4
5はベランダ41のパラペット41’よりも突出して形
成され、この突出部分に、上下階の耐震補強部材10を
連結する接合板14が埋設される。そして、接合板14
の上下端は躯体増設部45の上下に突出し、この突出部
分が、プレートやボルトなどの継手材18により普通鋼
材パネル11に接続される。また、PC鋼棒16は梁4
0から躯体増設部45の全長にわたって貫装され、緊張
力が導入されると、躯体増設部45の鉄筋コンクリート
から接合板14を介して、耐震補強部材10は柱梁接合
部に緊締圧着される。なお、図1〜図3の耐震補強構造
と同じ構成については説明を省略する。
【0020】図6は図1〜図5とは異なる実施例の断面
図であり、図中、既存建造物の梁40と柱42の外表面
は段差無く形成され、ベランダ41を備えた既存建造物
の外側において、耐震補強部材10が、柱42と対向配
置で、且つ柱42の表面との間に数十ミリのクリアラン
スで設置されている。この耐震補強部材10の上下端に
はベースプレート21が一体に固定されており、ベース
プレート21からはスタッド22が突設され、上端のベ
ースプレート21は躯体増設部47の下面に当接・設置
され、下端のベースプレート21はベランダ41の上面
に当接・設置され、スタッド22は躯体増設部47内に
埋設される。
図であり、図中、既存建造物の梁40と柱42の外表面
は段差無く形成され、ベランダ41を備えた既存建造物
の外側において、耐震補強部材10が、柱42と対向配
置で、且つ柱42の表面との間に数十ミリのクリアラン
スで設置されている。この耐震補強部材10の上下端に
はベースプレート21が一体に固定されており、ベース
プレート21からはスタッド22が突設され、上端のベ
ースプレート21は躯体増設部47の下面に当接・設置
され、下端のベースプレート21はベランダ41の上面
に当接・設置され、スタッド22は躯体増設部47内に
埋設される。
【0021】また躯体増設部47は、ベランダ41の下
面から梁40の下面までとほぼ同じ高さで形成され、か
つ、耐震補強部材10の上端を固定できる程度に、耐震
補強部材10の厚さよりも若干厚く形成され、梁40に
打ち込んだケミカルアンカー24により梁40との定着
が確かなものとされ、割裂防止のためにスパイラル筋2
3が埋設されている。なお、ケミカルアンカー24やス
パイラル筋23により、梁40と躯体増設部47との付
着力は充分に確保されるが、下方の梁40において図示
したように、PC鋼棒16を設けて更に両者の一体性を
高めることもできる。なお、図6の実施例において、図
1〜図5の耐震補強構造と同じ構成については説明を省
略する。
面から梁40の下面までとほぼ同じ高さで形成され、か
つ、耐震補強部材10の上端を固定できる程度に、耐震
補強部材10の厚さよりも若干厚く形成され、梁40に
打ち込んだケミカルアンカー24により梁40との定着
が確かなものとされ、割裂防止のためにスパイラル筋2
3が埋設されている。なお、ケミカルアンカー24やス
パイラル筋23により、梁40と躯体増設部47との付
着力は充分に確保されるが、下方の梁40において図示
したように、PC鋼棒16を設けて更に両者の一体性を
高めることもできる。なお、図6の実施例において、図
1〜図5の耐震補強構造と同じ構成については説明を省
略する。
【0022】次に、図7及び図8を参照して図1〜図6
とは異なる実施例、すなわち、ベランダを備えず、梁4
0と柱42の外表面が段差無く形成された既存建造物に
本発明を適用する実施例について説明する。以下、図1
〜図6の耐震補強構造と同じ構成については説明を省略
する。
とは異なる実施例、すなわち、ベランダを備えず、梁4
0と柱42の外表面が段差無く形成された既存建造物に
本発明を適用する実施例について説明する。以下、図1
〜図6の耐震補強構造と同じ構成については説明を省略
する。
【0023】図7の耐震補強構造において、耐震補強部
材10は躯体増設部49を介して柱梁接合部に設置さ
れ、躯体増設部49は梁40とほぼ同じ高さで、柱42
と梁40の接合部に形成され、耐震補強部材10は柱4
2と対向位置、かつ柱42の表面との間に数十ミリのク
リアランスで設置される。なお、躯体増設部49には、
上記と同様にケミカルアンカー24やスパイラル筋23
が埋設され、耐震補強部材10にはベースプレート21
やスタッド22が設けられる。
材10は躯体増設部49を介して柱梁接合部に設置さ
れ、躯体増設部49は梁40とほぼ同じ高さで、柱42
と梁40の接合部に形成され、耐震補強部材10は柱4
2と対向位置、かつ柱42の表面との間に数十ミリのク
リアランスで設置される。なお、躯体増設部49には、
上記と同様にケミカルアンカー24やスパイラル筋23
が埋設され、耐震補強部材10にはベースプレート21
やスタッド22が設けられる。
【0024】また図8の耐震補強構造では、建造物外周
に躯体増設部49を設けること無く、柱42と梁40の
接合部にモルタル26を介して当接させた定着部材15
と、柱梁接合部とにPC鋼棒16を挿通し、PC鋼棒1
6に緊張力を導入することにより、定着部材15は梁接
合部に緊締圧着される。そして、耐震補強部材10は上
下階の定着部材15に接合される。
に躯体増設部49を設けること無く、柱42と梁40の
接合部にモルタル26を介して当接させた定着部材15
と、柱梁接合部とにPC鋼棒16を挿通し、PC鋼棒1
6に緊張力を導入することにより、定着部材15は梁接
合部に緊締圧着される。そして、耐震補強部材10は上
下階の定着部材15に接合される。
【0025】上述した本発明の耐震補強構造において、
耐震補強部材10には表面仕上材として耐火ボードを設
けることが好ましい。例えば、図10は本発明の耐震補
強構造を適用した建築物の正面図であって、建築物の右
半分に位置する耐震補強部材には表面仕上材を設け、左
半分に位置する耐震補強部材には表面仕上材を設けない
状態を示しているが、この図10からは、表面仕上材を
設けることにより建築物の外観が良好なものになること
が判る。なお、図9は従来のブレース材により耐震補強
された建築物の正面図であるが、この図9からは、ブレ
ース材が建物の外周に斜めに張り巡らされて、建築物の
外観を損なうことが判り、図10と比較することによ
り、本願発明の外観的な優位性が理解できる。
耐震補強部材10には表面仕上材として耐火ボードを設
けることが好ましい。例えば、図10は本発明の耐震補
強構造を適用した建築物の正面図であって、建築物の右
半分に位置する耐震補強部材には表面仕上材を設け、左
半分に位置する耐震補強部材には表面仕上材を設けない
状態を示しているが、この図10からは、表面仕上材を
設けることにより建築物の外観が良好なものになること
が判る。なお、図9は従来のブレース材により耐震補強
された建築物の正面図であるが、この図9からは、ブレ
ース材が建物の外周に斜めに張り巡らされて、建築物の
外観を損なうことが判り、図10と比較することによ
り、本願発明の外観的な優位性が理解できる。
【0026】
【発明の効果】本発明では、耐震補強部材を柱梁接合部
に取りつけるので、梁や床スラブの耐力に拘わらず、降
伏時の層間変形角や耐力を任意に設定することができ
る。
に取りつけるので、梁や床スラブの耐力に拘わらず、降
伏時の層間変形角や耐力を任意に設定することができ
る。
【0027】また本発明の耐震補強構造では、柱梁接合
部間、すなわち、窓などの開口部が存在せず、柱を中心
とした対向位置で垂直方向に延在する箇所に耐震補強部
材が設けられるので、従来のブレース材のように開口部
を斜めに遮る部材が存在せず、したがって、従来のブレ
ース材よりも使い勝手が優れ、外観的にも良好なものと
なった。
部間、すなわち、窓などの開口部が存在せず、柱を中心
とした対向位置で垂直方向に延在する箇所に耐震補強部
材が設けられるので、従来のブレース材のように開口部
を斜めに遮る部材が存在せず、したがって、従来のブレ
ース材よりも使い勝手が優れ、外観的にも良好なものと
なった。
【図1】本発明の一実施例を示す斜視図である。
【図2】図1の実施例の断面図である。
【図3】図2の実施例の正面図である。
【図4】本発明の他の実施例を示す断面図である。
【図5】図4の実施例の正面図である。
【図6】本発明の更に他の実施例を示す断面図である。
【図7】本発明の更に他の実施例を示す断面図である。
【図8】本発明の更に他の実施例を示す断面図である。
【図9】従来のブレース材により耐震補強された建物の
正面図である。
正面図である。
【図10】本発明により耐震補強された建物の正面図で
ある。
ある。
10 耐震補強構造 11 普通鋼パネル 12 低降伏点パネル 16 PC鋼棒(緊張材) 40 梁 42 柱
Claims (2)
- 【請求項1】 柱と梁とを備える既存建造物の外側にお
いて、上下階の柱梁接合部間に板状の耐震補強部材を固
定し、該耐震補強部材は普通鋼材間に低降伏点鋼材が配
置されてなることを特徴とする耐震補強構造。 - 【請求項2】 前記耐震補強部材の両端が、緊張材を介
して柱梁接合部に緊締圧着されたことを特徴とする請求
項1記載の耐震補強構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24762999A JP2001073561A (ja) | 1999-09-01 | 1999-09-01 | 既存建造物の耐震補強構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24762999A JP2001073561A (ja) | 1999-09-01 | 1999-09-01 | 既存建造物の耐震補強構造 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001073561A true JP2001073561A (ja) | 2001-03-21 |
Family
ID=17166360
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24762999A Pending JP2001073561A (ja) | 1999-09-01 | 1999-09-01 | 既存建造物の耐震補強構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001073561A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008248592A (ja) * | 2007-03-30 | 2008-10-16 | Fujita Corp | 既存建物の耐震補強構造 |
JP2009091844A (ja) * | 2007-10-10 | 2009-04-30 | Takenaka Komuten Co Ltd | 柱梁接合工法及び柱梁接合構造 |
JP2015052200A (ja) * | 2013-09-05 | 2015-03-19 | 株式会社安藤・間 | 耐震補強構造体 |
JP2015124484A (ja) * | 2013-12-25 | 2015-07-06 | 株式会社竹中工務店 | 耐震補強方法 |
-
1999
- 1999-09-01 JP JP24762999A patent/JP2001073561A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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