JP2003055439A - 液状エポキシ樹脂組成物及びこれを用いた半導体装置 - Google Patents

液状エポキシ樹脂組成物及びこれを用いた半導体装置

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JP2003055439A JP2001247318A JP2001247318A JP2003055439A JP 2003055439 A JP2003055439 A JP 2003055439A JP 2001247318 A JP2001247318 A JP 2001247318A JP 2001247318 A JP2001247318 A JP 2001247318A JP 2003055439 A JP2003055439 A JP 2003055439A
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 (A)下記一般式(1) 【化1】 (式中、R1は水素原子又は炭素数1〜20の一価炭化
水素基である。nは1〜4の整数である。)で示される
液状エポキシ樹脂 (B)硬化促進剤 (C)芳香族重合体と下記平均組成式(2) (R2a(R3bSiO(4-a-b)/2 (2) で示される、1分子中のケイ素原子の数が1〜1,00
0でありかつR2の少なくとも1個はケイ素原子に直接
結合しているオルガノポリシロキサンとを反応させて得
られる共重合体 を含有することを特徴する液状エポキシ樹脂組成物。 【効果】 本発明によれば、低粘度であり、かつ低応力
性・高信頼性を兼ね備える液状エポキシ樹脂組成物が得
られ、またこの硬化物は複雑かつ微細なデバイスの表面
を被覆又は封止するのに好適である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低粘度であり、か
つ低応力性・高信頼性を兼ね備える液状エポキシ樹脂組
成物、及びこの組成物の硬化物で半導体素子の表面を被
覆又は封止した半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】エポキ
シ樹脂は接着性、耐熱性、耐湿性に優れており、その応
用分野は接着剤や塗料はもとより、半導体装置の封止材
というハイテク分野にも拡大されている。特に液状エポ
キシ樹脂は微細化、高速化が推し進められる半導体分野
において、複雑、微細な設計のデバイスにも対応でき、
近年その応用分野を著しく拡大している。
【0003】このうちフリップチップのアンダーフィル
のような最先端の分野のおいては、通常の用途よりも低
粘度であり(狭ギャップに侵入させるため)、かつ低応
力性(熱的・機械的特性の異なる材質を接着させるた
め)を兼ね備えることが求められる。
【0004】これまでにも様々な手法でエポキシ樹脂及
びフェノール樹脂の柔軟化が検討されており、例えば予
めシリコーンと反応させた変性樹脂を用いる方法が提案
されている(特公昭61−48544号公報、特公昭6
2−36050号公報、特公昭63−63807号公報
等)。しかし、この変性樹脂は室温においては固体であ
ることが多く、また溶融時においても通常のエポキシ樹
脂よりも粘度が高いため、十分な効果を得ようとすると
樹脂組成物が高粘度になることが避けられない。
【0005】また、樹脂組成物を低粘度にするために
は、グリシジルフェニルエーテルのような反応性希釈剤
を添加する方法がある。しかし、この方法では硬化物の
架橋密度が低下する、希釈剤の一部が未反応の状態で硬
化物中に残存する等の要因により、硬化物の信頼性が低
下してしまう。
【0006】一方、1つのベンゼン環上に2つのグリシ
ジルエーテル基が互いにパラ位に配されたエポキシ樹脂
は、溶解粘度が低く、樹脂組成物の低粘度化に有効であ
ると期待されるが、これは分子間の配向性が強く結晶性
の樹脂になり、特に作業性の観点から液状エポキシ樹脂
組成物に使用する場合は劣るものである。
【0007】本発明は、上記の問題を解決するためにな
されたものであり、低粘度であり、かつ低応力性・高信
頼性を兼ね備える液状エポキシ樹脂組成物、及びこの組
成物の硬化物で半導体素子の表面を被覆又は封止した半
導体装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた
結果、特定構造の液状エポキシ樹脂、硬化促進剤及び芳
香族重合体と特定構造のオルガノポリシロキサンとを反
応させて得られる共重合体を含む液状エポキシ樹脂組成
物が低粘度であり、かつその硬化物が低応力性・高信頼
性を兼ね備え、これを用いた半導体装置に高い信頼性を
与えることを知見し、本発明をなすに至った。
【0009】即ち、本発明は、(A)下記一般式(1)
【化2】 (式中、R1は水素原子又は炭素数1〜20の一価炭化
水素基である。nは1〜4の整数である。)で示される
液状エポキシ樹脂 (B)硬化促進剤 (C)芳香族重合体と下記平均組成式(2) (R2a(R3bSiO(4-a-b)/2 (2) (式中、R2は水素原子、又はアミノ基、エポキシ基、
ヒドロキシ基若しくはカルボキシ基を有する一価の有機
基、又はアルコキシ基、R3は置換又は非置換の一価炭
化水素基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、又はアルケニ
ルオキシ基であり、a及びbは0.001≦a≦1、1
≦b≦3、1≦a+b≦4を満足する正数である。)で
示される、1分子中のケイ素原子の数が1〜1,000
でありかつR2の少なくとも1個はケイ素原子に直接結
合しているオルガノポリシロキサンとを反応させて得ら
れる共重合体 を含有することを特徴する液状エポキシ樹脂組成物、及
びこの硬化物で半導体素子の表面を被覆又は封止した半
導体装置を提供する。
【0010】この液状エポキシ樹脂組成物は、特に複雑
かつ微細なデバイスの表面を被覆又は封止するのに好適
である。
【0011】以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明に用いられる成分(A)の液状エポキシ樹脂は、
下記一般式(1)
【0012】
【化3】 (式中、R1は水素原子又は炭素数1〜20、好ましく
は1〜10、特に好ましくは1〜3の一価炭化水素基で
ある。nは1〜4の整数である。)で示されるものであ
る。
【0013】ここで、R1の一価炭化水素基としては、
メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基、ビニ
ル基、アリル基等のアルケニル基等が挙げられる。ま
た、nは好ましくは1又は2である。
【0014】この液状エポキシ樹脂の分子構造で肝要で
あることは、1つのベンゼン環に2つのグリシジルエー
テル基が結合しており、かつこれらが互いにメタ位に配
されていることである。2つのグリジシルエーテル基が
互いにパラ位に配されたエポキシ樹脂は既に多く知られ
ているが、これらは分子間の配向性が強く結晶性の樹脂
であり、特に作業性の観点から液状エポキシ樹脂組成物
についての成分としては劣るものである。これに対し
て、本発明の液状エポキシ樹脂は、分子間の配向性が弱
いため結晶性とはならず、液状エポキシ樹脂組成物に好
適に用いることができる。
【0015】本発明の液状エポキシ樹脂としては、具体
的には以下のものが挙げられる。
【化4】 また、本発明の液状エポキシ樹脂には、上記一般式
(1)の液状エポキシ樹脂に、更に公知のエポキシ樹脂
を添加して用いることができる。添加するエポキシ樹脂
としては、具体的にはノボラック型、ビスフェノールA
型、ビスフェノールF型等のビスフェノール型等の一般
的なエポキシ樹脂の他、ビフェニル型、フェノールアラ
ルキル型、ジシクロペンタジエン型、ナフタレン基含有
型、アミノ基含有型等の特殊なエポキシ樹脂等も挙げら
れるが、なかでもビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビ
スフェノールF型エポキシ樹脂が好ましい。なお、上記
式(1)のエポキシ樹脂の使用量は、全エポキシ樹脂中
10〜100重量%、特に50〜100重量%とするこ
とが好ましい。
【0016】本発明で用いられる成分(B)の硬化促進
剤は構造、分子量等が特に限定されるものではなく、公
知のものが用いられる。具体的には有機リン化合物、イ
ミダゾール化合物、3級アミン化合物等の塩基性有機化
合物が挙げられる。
【0017】例えば、有機リン化合物としてはトリフェ
ニルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリ(p−ト
ルイル)ホスフィン、トリ(p−メトキシフェニル)ホ
スフィン、トリ(p−エトキシフェニル)ホスフィン、
トリフェニルホスフィン・トリフェニルボレート、テト
ラフェニルホスフィン・テトラフェニルボレート等が挙
げられ、イミダゾール化合物としては、2−メチルイミ
ダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−
メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−
フェニル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4
−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−フ
ェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール等が
挙げられ、3級アミン化合物としては、トリエチルアミ
ン、ベンジルジメチルアミン、α−メチルベンジルジメ
チルアミン、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウ
ンデセン−7等が挙げられる。また、これら硬化促進剤
は、高分子の微粒子(いわゆるマイクロカプセル)中に
封入して用いてもよい。
【0018】なお、硬化促進剤の添加量は、樹脂全体
[即ち、成分(A)の液状エポキシ樹脂、成分(C)の
共重合体、及び後述の任意成分である硬化剤の合計]1
00重量部に対して好ましくは0.1〜10重量部、特
に好ましくは0.5〜5重量部である。硬化促進剤の添
加量が0.1重量部未満では、樹脂組成物の硬化が不十
分になる恐れがあり、また、10重量部より多い場合は
樹脂組成物の保存性に支障をきたす恐れがある。
【0019】次に、本発明で用いられる成分(C)の芳
香族重合体とオルガノポリシロキサンとを反応させて得
られる共重合体について述べる。本発明の液状エポキシ
樹脂には、その硬化物の応力を低下させるために該共重
合体(応力低下剤)を添加する。
【0020】上記芳香族重合体としては下記一般式
(3)又は(4)
【化5】 (式中、R4は水素原子又はメチル基、R5は水素原子又
は下記式(5)で表されるグリシジル基、
【0021】
【化6】 Xは水素原子又は臭素原子であり、mは0以上の整数、
好ましくは0〜50の整数、特に好ましくは1〜20の
整数である。)で示されるフェノール樹脂又はエポキシ
樹脂、又は下記一般式(6)乃至(10)
【0022】
【化7】 (式中、R4、R5は上記と同じであり、Xは水素原子又
は臭素原子であり、pは0以上の整数、好ましくは0〜
50の整数、特に好ましくは1〜20の整数、qは0以
上の整数、好ましくは0〜5の整数、特に好ましくは0
又は1である。但し、pとqは同時に0とはならな
い。)で示されるアルケニル基含有フェノール樹脂又は
エポキシ樹脂が挙げられる。
【0023】一方、オルガノポリシロキサンは下記平均
組成式(2) (R2a(R3bSiO(4-a-b)/2 (2) (式中、R2は水素原子、又はアミノ基、エポキシ基、
ヒドロキシ基若しくはカルボキシ基を有する一価の有機
基、又はアルコキシ基、R3は置換又は非置換の一価炭
化水素基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、又はアルケニ
ルオキシ基であり、a及びbは0.001≦a≦1、1
≦b≦3、1≦a+b≦4、好ましくは0.01≦a≦
0.1、1.8≦b≦2、1.85≦a+b≦2.1を
満足する正数である。)
【0024】なお、このオルガノポシリロキサンは、1
分子中のケイ素原子数が1〜1,000であり、好まし
くは10〜400、特に好ましくは20〜210であ
る。更に、このオルガノポリシロキサンは1分子中、上
記平均組成式(2)中のR2の1個以上、好ましくは2
個以上、特に好ましくは2〜5個がケイ素原子に直接結
合している構造である。
【0025】ここで、R2のアミノ基含有有機基として
は、下記のものが挙げられる。
【化8】 (式中、cは1〜3の整数) エポキシ基含有有機基としては、下記のものが挙げられ
る。
【0026】
【化9】 (式中、dは1〜3の整数) ヒドロキシ基含有有機基としては、下記のものが挙げら
れる。
【0027】
【化10】 (式中、eは0〜3の整数、fは1〜3の整数) カルボキシ基含有有機基としては、下記のものが挙げら
れる。
【0028】
【化11】 (式中、gは0〜10の整数) また、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ
基、n−プロポキシ基等の炭素数1〜4のものが挙げら
れる。
【0029】また、R3の置換又は非置換の一価炭化水
素基としては、炭素数1〜10のものが好ましく、例え
ばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル
基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル
基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロ
ヘキシル基、オクチル基、デシル基等のアルキル基、ビ
ニル基、アリル基、プロペニル基、ブテニル基等のアル
ケニル基、フェニル基トリル基等のアリール基、ベンジ
ル基、フェニルエチル基等のアラルキル基等や、これら
の炭化水素基の水素原子の一部又は全部をハロゲン原子
で置換したハロゲン置換一価炭化水素基を挙げることが
できる。
【0030】このようなオルガノポリシロキサンとして
は、下記一般式(10)又は(11)で示されるものが
挙げられる。
【0031】
【化12】 (式中、R6は上記のアミノ基、エポキシ基、ヒドロキ
シ基又はカルボキシ基を有する一価炭化水素基、R7
同一又は異種の炭素数1〜10のR3と同様の置換又は
非置換の一価炭化水素基、好ましくはメチル基又はフェ
ニル基であり、rは0〜1,000の整数、好ましくは
8〜400の整数であり、sは0〜20の整数、好まし
くは0〜5の整数である。) 更に具体的には下記のオルガノポリシロキサンを挙げる
ことができる。
【0032】
【化13】
【0033】上記平均組成式(2)で示されるオルガノ
ポリシロキサンの分子量は、特に限定されないが、10
0〜70,000が望ましい。オルガノポリシロキサン
の分子量が100〜70,000である場合、得られた
共重合体をエポキシ樹脂組成物に配合すると、マトリク
ス中に共重合体が相溶せず、微細な海島構造を形成す
る。分子量が100未満では、マトリクス中に共重合体
が相溶し、海島構造が形成されず、分子量が70,00
0より大きいと、海島が大きくなってしまい、いずれの
場合も硬化物の低応力性が達成できなくなる恐れがあ
る。
【0034】上記の芳香族重合体とオルガノポリシロキ
サンとを反応させて共重合体を得る方法としては、公知
の方法が採用できる。
【0035】なお、上記成分(C)の共重合体の添加量
は、成分(C)を除く樹脂成分[即ち、成分(A)の液
状エポキシ樹脂、及び後述の任意成分である硬化剤の合
計]100重量部に対して好ましくは5〜80重量部、
特に好ましくは10〜50重量部である。共重合体の添
加量が5重量部未満では、十分な低応力性が得られず、
冷熱サイクル試験、熱衝撃試験等で不良が生じるおそれ
があり、80重量部より多い場合は組成物が高粘度にな
り、作業性に支障をきたすおそれがある。
【0036】本発明の液状エポキシ樹脂組成物には、必
要に応じて硬化剤を添加することができる。この硬化剤
は、構造、分子量等特に限定されるものではなく、公知
のものを用いることができる。具体的にはフェノール樹
脂、酸無水物、芳香族アミン等が挙げられる。
【0037】フェノール樹脂としては、ノボラック型フ
ェノール樹脂、トリスヒドロキシフェニルメタン型フェ
ノール樹脂、ナフタレン型フェノール樹脂、シクロペン
タジエン型フェノール樹脂、フェノールアラルキル樹脂
等が挙げられ、酸無水物としては、ドデセニル無水コハ
ク酸、ポリアジピン酸無水物、ポリアゼライン酸無水
物、ポリセバシン酸無水物等の脂肪族酸無水物、メチル
テトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フ
タル酸、無水メチルハイミック酸、ヘキサヒドロ無水フ
タル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、トリアルキルテト
ラヒドロ無水フタル酸、メチルシクロヘキサンジカルボ
ン酸無水物等の脂環式酸無水物、無水フタル酸、無水ト
リメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテ
トラカルボン酸無水物、エチレングリコールビストリメ
リテート、グリセロールトリストリメリテート等の芳香
族酸無水物等が挙げられる。
【0038】また、アミン類としては、3級アミン化合
物以外のエチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ト
リエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ジ
プロピレンジアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、
ヘキサメチレンジアミン等の脂肪族アミン、メンセンジ
アミン、イソフォロンジアミン、ビス(4−アミノ−3
−メチルシクロヘキシル)メタン、ジアミノジシクロヘ
キシルメタン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、
N−アミノエチルピペラジン、3,9−ビス(3−アミ
ノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ
(5,5)ウンデカン等の脂環式アミン、メタフェニレ
ンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフ
ェニルスルフォン、ジアミノジエチルジフェニルメタン
等の芳香族アミン等が挙げられる。
【0039】これら硬化剤の分子量は、液状エポキシ樹
脂組成物の硬化物の性能(接着性、耐熱性、耐湿性等)
を低下させない程度に低分子であることが望ましい。
【0040】本発明の液状エポキシ樹脂組成物におい
て、硬化剤の配合量は適宜選定されるが、成分(A)の
液状エポキシ樹脂との当量比で0.8≦(エポキシ樹
脂)/(硬化剤)≦1.25、特に0.9≦(エポキシ
樹脂)/(硬化剤)≦1.1であることが望ましい。特
に、硬化剤としてフェノール樹脂を用いる場合には、液
状エポキシ樹脂中のエポキシ基とフェノール樹脂中のフ
ェノール性水酸基とのモル比が0.9≦(エポキシ基)
/(フェノール性水酸基)≦1.1、特に0.95≦
(エポキシ基)/(フェノール性水酸基)≦1.05で
あることが望ましい。当量比、又は液状エポキシ樹脂中
のエポキシ基とフェノール樹脂中のフェノール性水酸基
とのモル比がこの範囲にない場合、組成物が一部未反応
となり、硬化物の性能、更にはこれを用いた半導体装置
の性能に支障をきたす恐れがある。
【0041】本発明の液状エポキシ樹脂組成物には、用
途に応じてシリカ、アルミナ、タルク、マイカ、窒化ケ
イ素、窒化ホウ素、銀等の無機充填材、その他に難燃
剤、イオントラップ剤、ワックス、着色剤、接着助剤等
を添加することができる。
【0042】なお、無機充填剤としてシリカを添加した
場合の添加量は、樹脂全体[即ち、成分(A)の液状エ
ポキシ樹脂、成分(C)の共重合体、及び任意成分であ
る硬化剤の合計]100重量部に対して好ましくは50
〜1,000重量部、特に好ましくは100〜700重
量部である。
【0043】本発明の液状エポキシ樹脂組成物の各成分
の混合は、公知の方法が適用可能であり、樹脂組成物が
ペースト状である場合はミキサー等が用いられ、固形で
ある場合はロール、ルーダー等が用いられる。必要に応
じて混合順序、時間、温度、圧力等の条件を適宜選定す
ることができる。
【0044】本発明の樹脂組成物は半導体素子の表面を
被覆又は封止するのに好適に用いられる。半導体装置の
構造は特に限定されるものではないが、大型、狭ギャッ
プのフリップチップのアンダーフィルや3次元積層チッ
プの封止等、通常より封止材が低粘度であることが求め
られる用途において好適に用いられる。
【0045】
【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を具
体的に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるも
のではない。
【0046】[実施例1〜18、比較例1〜6] エポキシ樹脂A[下記式(12) η=0.3Pa・s
/25℃ 当量122] エポキシ樹脂B[下記式(13) η=0.7Pa・s
/25℃ 当量130] エポキシ樹脂C[ビスフェノールA型 η=4.0Pa
・s/25℃ 当量170] エポキシ樹脂D[ビスフェノールF型 η=1.0Pa
・s/25℃ 当量155] 硬化促進剤E[2−フェニル−4−メチル−5−メチロ
ールイミダゾール微粉末] 硬化促進剤F[マイクロカプセル型 2−エチル−4−
メチルイミダゾール/ビスフェノールA型エポキシ樹脂
=60/40(重量比)] 硬化促進剤G[マイクロカプセル型 トリフェニルフォ
スフィン/ポリメタクリル酸メチル=20/80(重量
比)] 共重合体(応力低下剤)H[下記式(14) 白色固体
エポキシ当量291] 共重合体(応力低下剤)I[下記式(15) 白色固体
フェノール当量335] 硬化剤J[下記式(16) 4−メチルテトラヒドロ無
水フタル酸/テトラヒドロ無水メチルフタル酸=7:3
(重量比) 当量172] 硬化剤K[o−ジアリルビスフェノールA 当量15
4] シリカ[球状溶融シリカ 平均粒径2μm 最大粒径1
0μm] カーボンブラック[電化ブラック 電気化学工業製 商
品名] KBM−403[信越化学工業製シランカップリング
剤] を表1〜4に示す通りに配合し、ミキサーを用いて混合
して、樹脂組成物を得た。これらの樹脂組成物を用い
て、下記(a)〜(e)の諸試験を行い、各表に示す結
果を得た。なお、硬化条件はいずれも100℃/1時間
+150℃/4時間である。
【0047】
【化14】
【0048】(a)組成物の粘度 JIS K 7117に従い25℃の粘度を測定した。
【0049】(b)硬化物の曲げ弾性率 JIS K 7203に従い25℃での曲げ弾性率を測
定した。
【0050】(c)フリップチップでの狭ギャップ侵入
性 図1に示すフリップチップ(チップサイズ:10mm×
10mm×0.3mm、バンプ径:120μm、バンプ
高さ:100μm、バンプピッチ:200μm、バンプ
数:1936)を100℃の熱板上に放置し、チップの
1辺に樹脂組成物を塗布する。これを5分間放置し、未
充填発生チップ数/総チップ数を測定する。
【0051】(d)耐冷熱サイクル性 試験(c)において樹脂組成物の充填が完了したチップ
について、前述の条件で樹脂組成物を硬化させる。これ
を−60℃/10分と150℃/10分を500回、
1,000回、2,000回往復させ、クラック又は剥
離発生チップ数/総チップ数を測定する。
【0052】(e)耐熱衝撃性 試験(c)において樹脂組成物の充填が完了したチップ
について、前述の条件で樹脂組成物を硬化させる。これ
を270℃の半田浴に浸漬し、クラック発生チップ数/
総チップ数を測定する。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
【0055】
【表3】
【0056】
【表4】
【0057】
【発明の効果】本発明によれば、低粘度であり、かつ低
応力性・高信頼性を兼ね備える液状エポキシ樹脂組成物
が得られ、またこの硬化物は複雑かつ微細なデバイスの
表面を被覆又は封止するのに好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液状エポキシ樹脂組成物を用いたフリ
ップチップでの狭ギャップ侵入性試験サンプルの断面図
である。
【図2】本発明の液状エポキシ樹脂組成物を用いたフリ
ップチップでの狭ギャップ侵入性試験サンプルの平面図
である。
【符号の説明】
1 BT基板 2 半田バンプ 3 チップ 4 樹脂組成物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 塩原 利夫 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社シリコーン電子材料 技術研究所内 Fターム(参考) 4J002 CD04W CP17X FD146 FD156 GQ05 4J036 AC01 AC05 DA02 FB16 JA07 4M109 AA01 BA03 CA05 EA03 EB04 EB18 EC04 EC20

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)下記一般式(1) 【化1】 (式中、R1は水素原子又は炭素数1〜20の一価炭化
    水素基である。nは1〜4の整数である。)で示される
    液状エポキシ樹脂 (B)硬化促進剤 (C)芳香族重合体と下記平均組成式(2) (R2a(R3bSiO(4-a-b)/2 (2) (式中、R2は水素原子、又はアミノ基、エポキシ基、
    ヒドロキシ基若しくはカルボキシ基を有する一価の有機
    基、又はアルコキシ基、R3は置換又は非置換の一価炭
    化水素基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、又はアルケニ
    ルオキシ基であり、a及びbは0.001≦a≦1、1
    ≦b≦3、1≦a+b≦4を満足する正数である。)で
    示される、1分子中のケイ素原子の数が1〜1,000
    でありかつR2の少なくとも1個はケイ素原子に直接結
    合しているオルガノポリシロキサンとを反応させて得ら
    れる共重合体 を含有することを特徴する液状エポキシ樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の組成物の硬化物で半導体
    素子の表面を被覆又は封止した半導体装置。
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