JP2003055279A - 高純度四塩化炭素の製造方法 - Google Patents
高純度四塩化炭素の製造方法Info
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Abstract
メタンを含有する粗四塩化炭素中のブロモクロロメタン
類を極めて容易に四塩化炭素に変換することができ、単
に蒸留のみでは現実的に達成できない高純度の四塩化炭
素を得ることができる四塩化炭素を製造高純度四塩化炭
素の製造方法を提供する。 【解決手段】 ブロモクロロメタン類を含有する粗四塩
化炭素から高純度四塩化炭素を製造する方法において、
塩素の存在下、該粗四塩化炭素に200nm〜500n
mの波長の紫外線または可視光線を照射し、必要に応じ
て、高沸物を蒸留により除去して高純度四塩化炭素を得
る。
Description
の製造方法に関する。詳しくは、ブロモクロロメタン類
を含有する粗四塩化炭素から高純度四塩化炭素を製造す
る方法を提供するものである。
化、メタノールと塩化水素との反応により生成する塩化
メチルの液相触媒塩素化などの方法において生成する。
かかる四塩化炭素は、塩素化後これより低次の塩素化物
を蒸留により順次分離した後の残渣として得られる。
の電気分解により製造される塩素が工業的に使用される
が、該塩化ナトリウム中には臭素分が200〜300p
pm含まれているため(例えば、海塩の化学3版、日本
海水学会編、昭和41年6月1日発行、463頁)、塩
素化に使用される塩素中には臭素が含まれる。このた
め、上記残渣として得られる四塩化炭素中には、該臭素
による副生物であるブロモクロロメタン類が不純物とし
て数百ppm〜5%程度含まれる。
造原料や農薬製造原料の他、代替フロンの製造原料とし
ての用途がある。
ブロモクロロメタン類、特にブロモジクロロメタンが含
まれると、目的とする製品を製造する際の精製工程を煩
雑にしたり、最終製品中に不純物として混入したりする
原因となるため、四塩化炭素は高純度で上記用途に供給
することが求められている。
含有する粗四塩化炭素の精製は蒸留により行うのが一般
的である。しかしながら、ブロモクロロメタン類、特に
ブロモジクロロメタンは四塩化炭素の揮発度に非常に接
近した揮発度を有するため、過大な蒸留塔を使用し、し
かも、殆どが四塩化炭素である蒸留塔塔底液を大量に抜
出すような操作法を採用しなければならず、抜出した液
は、燃料を加えて燃焼させて廃棄処分せざるを得ないの
が実情である。また、この方法では、旧来消化剤として
使用されたこともあるほど燃焼し難い四塩化炭素を燃焼
させるために大量の燃料を必要とするため、環境保護や
経済性の面でも満足できる方法ではなかった。
は、ブロモクロロメタン類を含有する粗四塩化炭素から
高純度の四塩化炭素を製造する方法において、過大な蒸
留塔を使用する必要がなく、且つ不純物除去のために廃
棄処分する四塩化炭素の量が少なく、生産性良く高純度
の四塩化炭素を製造する方法を提供することにある。
を達成するために研究を重ねた結果、ブロモクロロメタ
ン類を含有する粗四塩化炭素に塩素の存在下、特定の波
長の紫外線または可視光線を照射することにより、該ブ
ロモクロロメタン類を極めて容易に四塩化炭素に変換す
ることができ、前記蒸留のみでは現実的に達成できない
高純度の四塩化炭素を得ることができること、更には、
ブロモクロロメタン類が残存する場合でも、特に分離の
困難なブロモジクロロメタンを低減することができ、通
常の蒸留により該ブロモクロロメタン類を高度に除去し
て、高純度の四塩化炭素を製造し得ることを見い出し、
本発明を完成するに至った。
含有する粗四塩化炭素から高純度四塩化炭素を製造する
方法において、塩素の存在下、該粗四塩化炭素に200
nm〜500nmの波長の紫外線または可視光線を照射
(以下、光塩素化とも言う)することを特徴とする高純
度四塩化炭素の製造方法を提供するものである。
の製造方法の対象となる原料の粗四塩化炭素は、ブロモ
クロロメタン類、具体的にはブロモクロロメタン、ブロ
モジクロロメタン、ブロモトリクロロメタンを含有する
ものである。特に、少なくともブロモジクロロメタンを
含有する粗四塩化炭素は、ブロモジクロロメタンと四塩
化炭素の揮発度が非常に接近しているため、蒸留のみで
分離することが困難であり、本発明が最も有効である。
モクロロメタン類の含有量は特に制限されないが、0.
2〜10%を含有した粗四塩化炭素が好適に除去可能で
ある。
が進行可能な別の化合物を含んでいても良く、本発明の
方法を実施することによって、高次の塩素化物に変換さ
れ、高沸点化されることとなり、必要に応じて実施され
る後記の蒸留において容易に分離することができる。
は、メタンの熱塩素化反応物から塩化メチレン、クロロ
ホルムを蒸留分離したあとの蒸留残渣、メタノールと塩
化水素との反応で生成する塩化メチルをラジカル開始
剤、例えば、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ベンゾイ
ルパーオキサイド等の過酸化物、1,1−アゾビス−1
−シクロヘキサンニトリル、アゾビスイソブチロニトリ
ル等のアゾビスニトリル類、の存在下塩素化させて製造
される反応物から塩化メチレン、クロロホルムを蒸留分
離したあとの蒸留残渣を挙げることができる。一般にこ
うした蒸留残渣は、原料塩素中に臭素が含まれるため、
ブロモクロロメタン類を数百ppm〜5%含んでいる。
この他、数百ppm〜数%のクロロホルム、数百ppm
〜数%の高沸成分を含むのが一般的である。
あたり、予め、蒸留により除去することが望ましい。
在下、200〜500nmの波長の紫外線または可視光
線を照射することを最大の特徴とする。塩素が存在しな
かったり、上記特定の波長の光を照射しないと、目的と
する光塩素化が進行しない。
タン類は、例えばブロモクロロメタンは、ブロモジクロ
ロメタン、ブロモトリクロロメタン、四塩化炭素へ、ブ
ロモジクロロメタンは、ブロモトリクロロメタン、四塩
化炭素へ、ブロモトリクロロメタンは四塩化炭素へと、
最終的には四塩化炭素に逐次に塩素化される。
合物の量に対する塩素の量を調節することによって、制
御することができる。この塩素の使用量は特に制限され
るものではないが、ブロモクロロメタン類をほぼ完全に
ブロモトリクロロメタンまたは四塩化炭素に変換するの
に必要なモル量以上を供給することが望ましい。一般に
全ての光塩素化が進行し得る化合物の総モル数の0.8
〜20モル倍、好ましくは0.9〜10モル倍の範囲で
ある。塩素の使用量の好適値は実験的に確認して決定す
ることができる。上記光塩素化により、ブロモジクロロ
メタンを5ppm以下となるまで行うことが、後に蒸留
による精製を行う場合、得られる四塩化炭素の高純度化
が容易となり且つ不純物除去のために廃棄処分する四塩
化炭素の量が少なくなるために好ましい。勿論、光塩素
化により、ブロモクロロメタン類を殆どゼロにすること
もでき、この場合は蒸留による精製は特に必要としな
い。
も使用可能である。
らかじめ粗四塩化炭素に溶解したのちに紫外線または可
視光線を照射する方法、塩素の供給と紫外線または可視
光線の照射を同一の反応器で行う方法、または両方法を
一緒に行う方法を任意に選択することが可能である。
のに必要な光の波長は200〜500nmの波長の紫外
線または可視光線である必要がある。200nm未満ま
たは500nmを超える波長の光を照射しても塩素化反
応は殆ど進行しない。
る光源としては、キセノンランプ、メタルハライドラン
プ、超高圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、低圧水銀ラン
プ、ディープUVランプを挙げることができる。特に高
圧水銀ランプを用いるのが好ましい。
ギーは、あまりに強いとヘキサクロロエタン等の不必要
な化合物に変換される量が増える。一般に、反応物質が
光塩素化反応器に滞在する時間に逆比例し、ブロモクロ
ロメタン類および塩素の濃度、ブロモクロロメタン類以
外に光塩素化が進行可能な化合物が存在する場合は、全
ての塩素化が進行可能な化合物の合計および塩素の濃度
によるが、1〜1000KJ/h/Lの範囲、好ましく
は10〜500KJ/h/Lの範囲である。
されるものではないが、一般に液相の凝固点〜沸点の範
囲で選択可能であるが、10〜50℃の範囲であること
が冷却または加熱のエネルギーを勘案すると経済的であ
り好ましい。
による四塩化炭素の損失を抑えるために、大気圧〜0.
5MPaの範囲であることが好ましい。
連続式のいずれも実施可能である。こうして、粗四塩化
炭素中のブロモクロロメタン類、即ち、ブロモクロロメ
タン(沸点68℃)、ブロモジクロロメタン(沸点87
℃)、ブロモトリクロロメタン(沸点105℃)を、ブ
ロモトリクロロメタン(沸点105℃)または目的物と
同じ四塩化炭素に変換することができる。
は、上記生成物の沸点に対し、四塩化炭素の沸点が7
6.7℃であるため、蒸留等の公知の方法での分離が容
易となる。即ち、過大な蒸留塔を使用する必要がなく、
且つ不純物除去のために廃棄処分しなければならない四
塩化炭素の量を極めて少なくして、ブロモジクロロメタ
ンの濃度が極めて少ない高純度の四塩化炭素を得ること
が可能となる。
ジクロロメタンの濃度を5ppm以下とした反応液を蒸
留する方法を例示する。
であるが、一般に塩素化反応で生成した塩化水素及び反
応に用いた過剰塩素が溶解しているため、まず、これら
低沸物を取り除くことが好ましい。
ス例えば窒素、ヘリウム等によるエアレーション、フラ
ッシュ蒸留、棚段塔、充填塔による蒸留が挙げられる。
留塔に供給して精製する。蒸留設備及び蒸留条件はフィ
ード液の組成にもよるが、四塩化炭素−ブロモジクロロ
メタン、四塩化炭素−ブロモトリクロロメタンの気液平
衡データを採取することにより、蒸留塔の設計をするこ
とも可能であるが、一般に本発明で推奨する光塩素化後
のブロモジクロロメタン濃度が5ppm以下であれば、
蒸留理論段は20段もあれば十分である。
大な蒸留塔を使用する必要がなく、且つ不純物除去のた
めに廃棄処分する四塩化炭素の量を少なくして、高純度
四塩化炭素を得ることが可能である。
ものである。
施例を示すが、本発明は下記の実施例に限定されるもの
ではない。
口を供え容器中央口に、内径38mm、全長200mm
の光源冷却管を取付け、その中に光源として200nm
〜500nmの帯域の放射電力が15W、発光アーク長
さが40mmの高圧水銀ランプ(ウシオ電機(株)UM
102型)を入れた内容積950mLの耐熱ガラスの製
円筒フラスコを用い、表1の組成の粗四塩化炭素を50
0mL加え、円筒フラスコ全体を遮光した。
光照射が安定になった後、塩素を18Nml/分で供給
し、常温下でブロモクロロメタン類を塩素化させた。表
1の塩素量を供給後、光照射を停止した。その後、窒素
によるエアレーションにて光塩素化処理液中の溶存塩素
及び塩化水素を除去した。その液組成は表2の通りであ
る。
理論段数既知の不規則充填物蒸留塔(充填物 ヘリパッ
クNo.2(材質SUS316 東京特殊金網(株)製)
にて連続蒸留精製を実施して、高純度四塩化炭素を得
た。蒸留条件(理論段数、還流比、塔底抜出し量/供給
量)および精製結果は表3の通りである。
光塩素化処理、エアレーションを実施して高純度四塩化
炭素を得た。その結果は表2の通りである。
実施例1と同様に光塩素化処理、エアレーション及び蒸
留を実施して、高純度四塩化炭素を得た。その条件及び
結果は表2,3の通りである。
留のみを実施して、四塩化炭素を得た。その結果は表3
の通りである。
Claims (2)
- 【請求項1】 ブロモクロロメタン類を含有する粗四塩
化炭素から高純度四塩化炭素を製造する方法において、
塩素の存在下、該粗四塩化炭素に200nm〜500n
mの波長の紫外線または可視光線を照射することを特徴
とする高純度四塩化炭素の製造方法。 - 【請求項2】 請求項1の光照射後の反応液を蒸留によ
り精製することを特徴とする請求項1記載の高純度四塩
化炭素の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001244222A JP2003055279A (ja) | 2001-08-10 | 2001-08-10 | 高純度四塩化炭素の製造方法 |
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JP2001244222A JP2003055279A (ja) | 2001-08-10 | 2001-08-10 | 高純度四塩化炭素の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
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ID=19074192
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---|---|---|---|
JP2001244222A Pending JP2003055279A (ja) | 2001-08-10 | 2001-08-10 | 高純度四塩化炭素の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003055279A (ja) |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
2001
- 2001-08-10 JP JP2001244222A patent/JP2003055279A/ja active Pending
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