JP2003055008A - ポルトランドセメントの製造方法 - Google Patents

ポルトランドセメントの製造方法

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JP2003055008A JP2001250710A JP2001250710A JP2003055008A JP 2003055008 A JP2003055008 A JP 2003055008A JP 2001250710 A JP2001250710 A JP 2001250710A JP 2001250710 A JP2001250710 A JP 2001250710A JP 2003055008 A JP2003055008 A JP 2003055008A
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Hideyuki Sugaya
秀幸 菅谷
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Taiheiyo Cement Corp
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B20/00Use of materials as fillers for mortars, concrete or artificial stone according to more than one of groups C04B14/00 - C04B18/00 and characterised by shape or grain distribution; Treatment of materials according to more than one of the groups C04B14/00 - C04B18/00 specially adapted to enhance their filling properties in mortars, concrete or artificial stone; Expanding or defibrillating materials
    • C04B20/02Treatment
    • C04B20/04Heat treatment

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  • Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のポルトランドセメントと比較して混練
時間を短縮することによって、セメント製品等の生産性
の向上を図ることができ、かつ、分離抵抗性を維持する
と共に、流動性及び粘度を改良し、良好な作業性を具備
するセメントを製造できるセメントの製造方法を提供す
る。 【解決手段】 ポルトランドセメントクリンカーと石膏
を高温の水蒸気ガスの雰囲気下で同時に粉砕するセメン
トの製造方法であって、水蒸気ガス中の水分量が、該ポ
ルトランドセメントクリンカーに対して0.5〜4.0%であ
り、かつ、水蒸気ガスの温度を、粉砕直後のセメントの
温度が120〜135℃になるように調整することを特徴とす
るセメントの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セメントの製造方
法に関し、特に、従来のポルトランドセメントと比較し
て混練時間を短くでき、かつ、作業性も改良することが
できるセメントの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】セメントは、一般的に、ロータリーキル
ンから搬出されるセメントクリンカーに数%の石膏を添
加し仕上げミルで粉砕して製造されている。そして、こ
の際、従来より、仕上げミル内の温度制御を行うため
に、ミル内への送風や散水処理が行われている。
【0003】セメントは、通常、骨材や混練水のほか
に、減水剤、流動化剤等の混和剤を添加・混合して使用
されている。該混和剤は、例えば、施工時の作業性の確
保、施工に伴う材料分離の抑制、硬化体の強度の改良等
を目的として添加されるもので、現在では、セメント製
品を製造する上で不可欠な材料である。
【0004】セメント製造時に添加される上記石膏は、
通常、二水石膏である。その二水石膏は、セメントクリ
ンカーに添加され粉砕されたさい、該クリンカの保有
熱、粉砕に伴う摩擦熱等の熱やメカノケミカル作用によ
って、結晶水の一部または大部分は脱水し、半水石膏や
無水石膏に変化してセメントに含まれている。
【0005】上記石膏のうち、半水石膏は、混練水と接
したとき急速に反応し始めるため、その多寡がセメント
混練物の性状(凝結、作業性等)に大きく影響すること
が知られている。また、半水石膏には、α型半水石膏と
β型半水石膏が存在し、この両者の比率がセメント混練
物の性状(凝結、作業性等)に大きく影響することも知
られている。
【0006】現在市販されているセメントに含まれてい
る石膏の内訳(比率)は、概ね以下の通りである。 ・(〔二水〕+〔半水〕)/石膏の全SO3;65〜90質量
% ・〔半水〕/(〔二水〕+〔半水〕);30〜100質量% ・〔α型〕/〔半水〕;0〜45質量% なお、この明細書において、〔二水〕は(二水石膏のSO
3)、〔半水〕は(半水石膏のSO3)、〔α型〕は(α型
半水石膏のSO3)、〔β型〕は(β型半水石膏のSO3)を
示す。
【0007】これらから、市販セメントに含まれている
石膏の形態別の割合(SO3換算)は、 ・二水石膏;0〜65質量% ・半水石膏;20〜90質量% ・その他無水石膏等;10〜35質量% である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】セメント製品等の製造
においては、セメント混練物の混練時間を短縮すること
によって、生産性の向上を図ることができる。また、一
般的に、市販セメントを混練水と混練した場合、品種に
よる差異はあるが、作業性と分離抵抗性の両者を満足さ
せるには限度があり、分離抵抗性を比較的良好にしよう
とすると、流動性が低く、しかも高い粘度のセメント混
練物が製造される。つまり、固液分離はしないが、作業
性をやや犠牲にしてセメント混練物を製造していた。前
記生産性の向上、すなわち、混練時間の短縮や作業性を
改良するためには、セメント中の(〔二水〕+〔半
水〕)に占める〔半水〕の割合と、〔半水〕に占める
〔α型〕の割合を高めることが有効である。しかしなが
ら、これらの石膏の量的(比率)関係と仕上げミルで粉
砕する際の雰囲気またはポルトランドセメントクリンカ
ーの温度と水分量との関係については、まだ十分に解明
されるには至っていなかった。その理由は、従来のセメ
ントの分析では、二水石膏及び半水石膏の定量ができる
程度であったため、半水石膏を構成するα型・β型半水
石膏の割合を正確に把握できなかったことによる。
【0009】そのために、従来は、セメント混練物を製
造するにあたって、減水剤、流動化剤等の混和剤を添加
・混練して作業性を改良する方法が取られていた。しか
し、該混和剤は、ナフタレンスルホン酸、ポリカルボン
酸等の有機化合物を主成分としているために、それを用
いたことによってセメント製品の原料費が高価になる、
という問題点を有していた。
【0010】本発明は、上記問題点を考慮してなされた
ものであって、その目的は、混練時間を短縮することに
よって、セメント製品等の生産性の向上を図ることがで
き、かつ、分離抵抗性を維持すると共に、流動性及び粘
度を改良し、良好な作業性を具備するセメントを製造で
きるセメントの製造方法、を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記目的
を達成するために、セメントに含まれる石膏(二水石
膏、α型・β型半水石膏、無水石膏)のうち、特に、二
水石膏及びα型・β型半水石膏に着目し、それらの量的
(比率)関係と仕上げミルで粉砕する際の雰囲気の温度
と水分量との関係について、鋭意研究し本発明を完成さ
せたものである。
【0012】即ち、本発明は、ポルトランドセメントク
リンカーと石膏を高温の水蒸気ガスの雰囲気下で同時に
粉砕するセメントの製造方法であって、水蒸気ガス中の
水分量が、セメントクリンカーの重量に対して0.5〜4.0
%であり、かつ、水蒸気ガスの温度を、粉砕後のセメン
トの温度が120〜135℃になるように調整することを特徴
とするセメントの製造方法である(請求項1)。
【0013】また、本発明は、ポルトランドセメントク
リンカーをあらかじめ加熱した後、石膏を加え、かつ、
該ポルトランドセメントクリンカーの重量に対して0.5
〜4.0%に相当する水を噴霧または注水しつつ該ポルト
ランドセメントクリンカーと石膏を同時に粉砕するセメ
ントの製造方法であって、該ポルトランドセメントクリ
ンカーの温度を、粉砕後のセメントの温度が120〜135℃
になるように調整することを特徴とするセメントの製造
方法である(請求項2)。
【0014】また、本発明は、石膏をあらかじめ温度12
0℃以上、湿度100%で蒸気加熱し、該石膏をポルトラン
ドセメントクリンカーとともに粉砕することを特徴とす
るセメントの製造方法である(請求項3)。
【0015】また、本発明は、石膏をあらかじめ温度12
0℃以上、湿度100%で蒸気加熱し、かつ、ブレーン比表
面積4000cm2/g以上に粉砕したのち、ブレーン比表面積
2500cm2/g以上に粉砕されたポルトランドセメントクリ
ンカーと混合することを特徴とするセメントの製造方法
である(請求項4)。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明についてさらに詳し
く説明する。本発明のセメントの製造方法は、ロータリ
ーキルンから搬出されるポルトランドセメントクリンカ
ーに所定量の二水石膏を添加し仕上げミルで粉砕するセ
メントの製造方法において、仕上げミル中に高温の水蒸
気ガスを導入することを特徴とする。ここで、水蒸気ガ
スとは、水蒸気を含む気体一般を意味する。通常は高温
の水蒸気を含む空気を用いて差し支えない。水蒸気ガス
の導入箇所は、ミル1室、ミル2室のいずれでもよく、
その両方でもよい。水蒸気ガス中の水分量は、ポルトラ
ンドセメントクリンカーの重量に対して0.5〜4.0%であ
る。水分量がこの範囲より小さいと、セメントに偽凝結
が生じやすくなり、流動性や作業性が低下するので好ま
しくない。これは、(〔二水〕+〔半水〕)に占める
〔半水〕の割合は高いが、〔半水〕に占める〔α型〕の
割合が低くなるためである。また、水分量がこの範囲よ
り大きい場合は、セメントが新鮮なうちは大きな問題は
ないが、流通過程で風化が生じる可能性があり、長期的
にはこわばりが発生しやすくなるのでやはり好ましくな
い。より好ましい水分量の範囲は1.0〜2.5%である。な
お、本発明において粉砕助剤を併用することは差し支え
ない。
【0017】一方、本発明において水蒸気ガスの温度
は、仕上げミル出口におけるセメントの温度が120〜135
℃になるように調節することを要する。温度が120℃よ
り低いと、セメントが新鮮なうちは何ら問題ないが、長
期の流通過程を経たり、高温にさらされたりするとセメ
ントが風化し、こわばりが生じやすくなるので好ましく
ない。これは、(〔二水〕+〔半水〕)に占める〔半
水〕の割合や、〔半水〕に占める〔α型〕の割合が低く
なるためである。また、仕上げミル出口におけるセメン
トの温度が高いと、時間当たりのセメントクリンカーの
粉砕量が低下し、セメントの生産性が低下するので、仕
上げミル出口におけるセメントの温度は135℃以下が好
ましい。
【0018】また、本発明においては、仕上げミルに高
温の水蒸気ガスを導入する代わりに、ポルトランドセメ
ントクリンカーを予め加熱した後、石膏を加え、かつ、
該ポルトランドセメントクリンカーの重量に対して0.5
〜4.0%に相当する水を噴霧または注水しつつ該ポルト
ランドセメントクリンカーと石膏を同時に粉砕してもよ
い。ポルトランドセメントクリンカーを加熱してから水
を噴霧または注水しつつ粉砕することにより、仕上げミ
ル内に高温の水蒸気ガスが導入された場合と同様の効果
を得ることができる。この場合においても、前述と同様
に、水分量は1.0〜2.5%とするのがより好ましく、また
ポルトランドセメントクリンカーの加熱の程度は、仕上
げミル出口におけるセメントの温度が120〜135℃になる
ように調整することを要する。
【0019】本発明において、注水を行う場合、その方
法は特に限定されず、例えば、仕上げミル内でセメント
クリンカーの粉砕の際に散水してもよいし、セメントク
リンカーに予め水をかけてから仕上げミルに入れ粉砕し
てもよい。
【0020】また、本発明においては、石膏をあらかじ
め温度120℃以上、湿度100%で蒸気加熱し、該石膏をポ
ルトランドセメントクリンカーとともに粉砕してもよ
い。ここで、温度120℃以上、湿度100%で蒸気加熱する
とは、水蒸気との接触により、120℃以上に加熱するこ
とであり、例えばオートクレーブの使用によって行うこ
とができる。石膏を温度120℃以上、湿度100%で蒸気加
熱して半水石膏化することにより、二水石膏、半水石
膏、α型半水石膏の割合が後述するような範囲になり、
前述のような仕上げミルによる粉砕と同様の効果を得る
ことができる。石膏を蒸気加熱する温度が120℃より低
いと、長期の流通過程を経たり、高温にさらされたりす
るとセメントが風化し、こわばりが生じやすくなるので
好ましくない。なお石膏を蒸気加熱する温度は、無水石
膏が生じない範囲であれば上限はないが、経済的な面か
ら150℃以下が適当である。
【0021】また、石膏をあらかじめ温度120℃以上、
湿度100%で蒸気加熱し、かつ、ブレーン比表面積4000c
m2/g以上に粉砕したのち、ブレーン比表面積2500cm2
g以上に粉砕されたポルトランドセメントクリンカーと
混合してもよい。なお、石膏の粉砕は、蒸気加熱と同時
に行ってもよく、蒸気加熱後に行ってもよい。石膏のブ
レーン比表面積が4000cm2/gより低いと、クリンカー構
成鉱物の初期水和の抑制が不十分となりこわばりが生じ
やすい、という点で好ましくない。また、ポルトランド
セメントクリンカーのブレーン比表面積が2500cm2/gよ
り低いと、セメント水和反応が抑制気味になり強度発現
性が低下する、という点で好ましくない。石膏、ポルト
ランドセメントクリンカーともにブレーン比表面積に特
に上限はないが、ブレーン比表面積をむやみに大きくす
ることは粉砕に余分なエネルギーを使うことになり、不
経済である。経済的な観点からは石膏、ポルトランドセ
メントクリンカーともにおおむね5500cm2/gが上限であ
る。
【0022】本発明で製造されるセメントは、慣用のポ
ルトランドセメントであり、セメントクリンカーに添加
する石膏量は、製造するポルトランドセメントの種類に
より、適宜決めればよい。すなわち、セメント中の全SO
3量が2.0%以上、好ましくは2.5%以上となるような量
の石膏を使用すればよい。なお、本発明で製造されたセ
メント(ポルトランドセメント)に、高炉スラグ、フラ
イアッシュ、シリカフューム、珪石粉末、石灰石粉末等
の混和材を1種または2種以上混合して用いることは差
し支えない。
【0023】本発明の製造方法によって製造されたセメ
ントでは、 ・〔半水〕/(〔二水〕+〔半水〕)が70質量%以上、
かつ、 ・〔α型〕/〔半水〕が50質量%以上、 であり、混練時間を短縮できることによって、セメント
製品等の生産性の向上を図ることができ、かつ、分離抵
抗性を維持すると共に、流動性及び粘度を改良し、良好
な作業性を具備するセメントが得られる。なお、セメン
トに含まれる二水・半水石膏の分別定量は、特開平6-24
2035号公報に開示された方法により行うことができる。
また、セメントに含まれるα型・β型半水石膏の分別定
量は、特開平11-183466号公報に開示された方法により
行うことができる。
【0024】
【実施例】以下、実際に試験を行った例により本発明を
説明する。粉砕能力85ton/hrの仕上げミルを用いて、
表1に示す条件(水分量(粉砕助剤を含む)及び仕上げ
ミル出口におけるセメントの温度)で、普通ポルトラン
ドセメントクリンカー(太平洋セメント(株)製)と排
脱二水石膏(東北電力(株)産)を同時粉砕し、ブレー
ン比表面積3300cm2/gの普通ポルトランドセメントを製
造した。粉砕の方法は次の4通りとした。 高温水蒸気ガスの雰囲気下でポルトランドセメントク
リンカーと排脱二水石膏を同時粉砕。 ポルトランドセメントクリンカーを加熱した後、ミル
内に水を噴霧しつつ、ポルトランドセメントクリンカー
と排脱二水石膏を同時粉砕。 排脱二水石膏を温度150℃、湿度100%で30分蒸気加熱
した後、ポルトランドセメントクリンカーと同時粉砕。 排脱二水石膏を温度150℃、湿度100%で30分蒸気加熱
し、ブレーン比表面積5500cm2/gに粉砕し、ブレーン比
表面積3000cm2/gのポルトランドセメントクリンカーと
混合。 なお、及びにおいては、水分量及びミル出口におけ
るセメント温度を表1にあるようないくつかの条件に調
節した。及びにおいては排脱二水石膏を温度150
℃、湿度100%で蒸気加熱した場合と、その処理を行わ
ず他は前述のとおりにした場合とを比較した。
【0025】得られたセメントに対してこわばり試験を
行った。試験条件は次のとおりとした。セメントペース
ト作製用の混練水量はJIS R 5201 「凝結試験」の標準
軟度水量の決定方法に準じた。JIS R 5201 「機械練り
用練混ぜ機」に規定する練混ぜ機を用い、セメント500
±1gに標準軟度水量の水を加えた後、低速で20秒間、掻
き落し10秒間、高速60秒間の混練を行い、その後30秒以
内で任意の容器に入れて、上面を平滑にした。混練終了
から30秒後、5分後、10分後にオイルダンパ式ビカー針
装置を用い、標準棒の降下量(mm)を読取った。この1分3
0秒間の短い混練時間においてこわばりが生じないこと
は、混練時間が短く、流動性や粘性すなわち作業性が良
好なことを示している。こわばり試験の良否判定基準は
5分値25mm以上でかつ10分値20mm以上の場合を優良、5分
値15mm以上の場合を良、それ以外を不可とした。表1
に、セメント製造の条件とともにこわばり試験の結果を
示す。
【0026】
【表1】
【0027】こわばり試験の良好なセメント(表1にお
いて優良または良と判断されたもの)に対して、分離抵
抗性の評価としてペーストフロー試験を行い、目視によ
る固液分離の程度を調べた。試験条件は次の通りとし
た。 ・ セメント;800g ・ 高性能減水剤(花王(株)製「マイティ150」);9.6
g、及び、 ・ 水;256g をJIS R 5201 に規定されている練混ぜ機に一括投入
し、低速で20秒間、掻き落し10秒間、高速60秒間の混練
を行った。混練終了直後の各混練物のフロー値を以下の
手順で測定した。 フロー値の測定手順;ペーストをフローテーブル(ASTM
C-124に規定されているもの)の中央に載置したフロー
コーン(JIS R 5201に規定されたもの)に流し込み表面
を均した。その後、フローコーンを持ち上げ、ペースト
を自由流動させた。ペーストの静止を確認後、該テーブ
ルを1回/秒の速度で15回落下させ、さらに自由流動さ
せた。ペーストの静止を確認した後、広がったペースト
の固液の分離状態を目視で評価した。その結果、フロー
試験を行った全てのセメントで固液分離していないこと
を確認した。
【0028】
【発明の効果】以上詳記したように、本発明は、セメン
ト中の(〔二水〕+〔半水〕)に占める〔半水〕の割合
と、〔半水〕に占める〔α型〕の割合を高めることがで
きるセメントの製造方法であり、これによって、従来の
ポルトランドセメントと比較して混練時間を短縮するこ
とによって、セメント製品等の生産性の向上を図ること
ができ、かつ、分離抵抗性を維持すると共に、流動性及
び粘度が改良され、良好な作業性を発揮するセメントが
製造できる、という優れた効果を奏する。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポルトランドセメントクリンカーと石膏
    を高温の水蒸気ガスの雰囲気下で同時に粉砕するセメン
    トの製造方法であって、水蒸気ガス中の水分量が、該ポ
    ルトランドセメントクリンカーの重量に対して0.5〜4.0
    %であり、かつ、水蒸気ガスの温度を、粉砕直後のセメ
    ントの温度が120〜135℃になるように調整することを特
    徴とするセメントの製造方法。
  2. 【請求項2】 ポルトランドセメントクリンカーをあら
    かじめ加熱した後、石膏を加え、かつ、該ポルトランド
    セメントクリンカーの重量に対して0.5〜4.0%に相当す
    る水を噴霧または注水しつつ該ポルトランドセメントク
    リンカーと石膏を同時に粉砕するセメントの製造方法で
    あって、該ポルトランドセメントクリンカーの温度を、
    粉砕直後のセメントの温度が120〜135℃になるように調
    整することを特徴とするセメントの製造方法。
  3. 【請求項3】 石膏をあらかじめ温度120〜150℃、湿度
    100%で蒸気加熱し、該石膏をポルトランドセメントク
    リンカーとともに粉砕することを特徴とするセメントの
    製造方法。
  4. 【請求項4】 石膏をあらかじめ温度120〜150℃、湿度
    100%で蒸気加熱し、かつ、ブレーン比表面積4000cm2
    g以上に粉砕したのち、ブレーン比表面積2500cm 2/g以
    上に粉砕されたポルトランドセメントクリンカーと混合
    することを特徴とするセメントの製造方法。
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