JP2003051674A - 厚膜基板のスルーホール印刷方法 - Google Patents
厚膜基板のスルーホール印刷方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】スルーホール内壁面に導体ペーストを一様な厚
さで塗布し得るスルーホール印刷方法を提供する。 【解決手段】印刷中にはスルーホール28内に厚膜銅ペ
ースト92が殆ど流れ込まない程度の小さい吸引力Va
で吸引する一方、印刷ステージ38とは別に設けられた
吸引ステージ40では、その吸引力Vaよりも十分に大
きい吸引力Vbで吸引することにより、スルーホール2
8内に厚膜銅ペースト92が流れ込み、その内壁面30
に塗布される。そのため、印刷中にはスルーホール28
の開口面積が殆ど変化しないことから、吸引工程98に
おいて吸引すると、基板12内の全てのスルーホール2
8から一様な吸引力で厚膜銅ペースト92が吸引され
る。したがって、スルーホール内壁面30に一様な厚さ
寸法でペースト92を塗布できる。
さで塗布し得るスルーホール印刷方法を提供する。 【解決手段】印刷中にはスルーホール28内に厚膜銅ペ
ースト92が殆ど流れ込まない程度の小さい吸引力Va
で吸引する一方、印刷ステージ38とは別に設けられた
吸引ステージ40では、その吸引力Vaよりも十分に大
きい吸引力Vbで吸引することにより、スルーホール2
8内に厚膜銅ペースト92が流れ込み、その内壁面30
に塗布される。そのため、印刷中にはスルーホール28
の開口面積が殆ど変化しないことから、吸引工程98に
おいて吸引すると、基板12内の全てのスルーホール2
8から一様な吸引力で厚膜銅ペースト92が吸引され
る。したがって、スルーホール内壁面30に一様な厚さ
寸法でペースト92を塗布できる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回路基板のスルー
ホールに厚膜導体ペーストを印刷する技術に関する。
ホールに厚膜導体ペーストを印刷する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、アルミナ(Al2O3)等から成るセ
ラミック基板の一面に、厚膜スクリーン印刷法等の適宜
の方法を用いて導体、抵抗体、絶縁体等の種々の厚膜印
刷ペーストを塗布して焼成することにより厚膜を生成し
た厚膜回路基板が知られている。このような厚膜回路基
板は、実装密度を高めるために一面およびその裏面の両
面に回路パターンが設けられると共に、基板を厚み方向
に貫通して複数箇所に備えられるスルーホール内に設け
られた貫通導体によってそれら両面の回路パターンが接
続される。
ラミック基板の一面に、厚膜スクリーン印刷法等の適宜
の方法を用いて導体、抵抗体、絶縁体等の種々の厚膜印
刷ペーストを塗布して焼成することにより厚膜を生成し
た厚膜回路基板が知られている。このような厚膜回路基
板は、実装密度を高めるために一面およびその裏面の両
面に回路パターンが設けられると共に、基板を厚み方向
に貫通して複数箇所に備えられるスルーホール内に設け
られた貫通導体によってそれら両面の回路パターンが接
続される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記スルー
ホール内に貫通導体を形成するためのその内壁面へのペ
ースト塗布は、例えば、基板の両面のうちの一方に導体
パターンを形成する際に、他方の面からそのスルーホー
ルを通して吸引することによって行われる。このように
することにより、塗布直後の高い流動性を有するペース
トがスルーホール内に向かって流動させられ、一部を残
留させつつその内壁面を流れ落ちるため、基板表面から
その内壁面に連続する導体膜を形成できるのである。
ホール内に貫通導体を形成するためのその内壁面へのペ
ースト塗布は、例えば、基板の両面のうちの一方に導体
パターンを形成する際に、他方の面からそのスルーホー
ルを通して吸引することによって行われる。このように
することにより、塗布直後の高い流動性を有するペース
トがスルーホール内に向かって流動させられ、一部を残
留させつつその内壁面を流れ落ちるため、基板表面から
その内壁面に連続する導体膜を形成できるのである。
【0004】しかしながら、上記のように印刷中にスル
ーホール内壁面にペーストが塗布されると基板全体にお
けるその開口面積の合計値が次第に小さくなるため、そ
の開口面積の変化に伴ってスルーホールからの吸引力が
変化する。特に、印刷の始めの部分と終わりの部分とで
は、吸引力が著しく相違することとなる。そのため、ス
ルーホール内壁面におけるペーストの厚さ寸法は吸引力
および吸引時間に応じた値になることから、吸引力が変
化するとその厚さ寸法や内壁面における厚み分布が異な
るため、所期の導電性や信頼性を確保できなくなる問題
があった。
ーホール内壁面にペーストが塗布されると基板全体にお
けるその開口面積の合計値が次第に小さくなるため、そ
の開口面積の変化に伴ってスルーホールからの吸引力が
変化する。特に、印刷の始めの部分と終わりの部分とで
は、吸引力が著しく相違することとなる。そのため、ス
ルーホール内壁面におけるペーストの厚さ寸法は吸引力
および吸引時間に応じた値になることから、吸引力が変
化するとその厚さ寸法や内壁面における厚み分布が異な
るため、所期の導電性や信頼性を確保できなくなる問題
があった。
【0005】本発明は、以上の事情を背景として為され
たものであって、その目的は、スルーホール内壁面に導
体ペーストを一様な厚さで塗布し得るスルーホール印刷
方法を提供することにある。
たものであって、その目的は、スルーホール内壁面に導
体ペーストを一様な厚さで塗布し得るスルーホール印刷
方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】斯かる目的を達成するた
め、本発明の要旨とするところは、スルーホールを有す
る基板のそのスルーホール内に厚膜導体を印刷するため
のスルーホール印刷方法であって、(a)前記スルーホー
ルを通して前記基板の裏面から所定の第1吸引力で吸引
しつつその表面側から厚膜導体ペーストを塗布する印刷
工程と、(b)前記印刷工程の後に、前記スルーホールを
通して前記基板の裏面から前記第1吸引力よりも大きい
所定の第2吸引力で吸引することにより、その基板上に
塗布された前記厚膜導体ペーストをそのスルーホール内
に導き入れる吸引工程とを、含むことにある。
め、本発明の要旨とするところは、スルーホールを有す
る基板のそのスルーホール内に厚膜導体を印刷するため
のスルーホール印刷方法であって、(a)前記スルーホー
ルを通して前記基板の裏面から所定の第1吸引力で吸引
しつつその表面側から厚膜導体ペーストを塗布する印刷
工程と、(b)前記印刷工程の後に、前記スルーホールを
通して前記基板の裏面から前記第1吸引力よりも大きい
所定の第2吸引力で吸引することにより、その基板上に
塗布された前記厚膜導体ペーストをそのスルーホール内
に導き入れる吸引工程とを、含むことにある。
【0007】
【発明の効果】このようにすれば、印刷中には相対的に
小さい第1吸引力で吸引する一方、吸引工程では、相対
的に大きい第2吸引力で吸引することにより、スルーホ
ール内に厚膜導体ペーストが流れ込み、その内壁面に塗
布される。そのため、小さい第1吸引力で吸引する印刷
中には、スルーホール内に厚膜導体ペーストが殆ど流れ
込まずそのスルーホールの開口面積が殆ど変化しないこ
とから、吸引工程において吸引すると、基板内の全ての
スルーホールから一様な吸引力で厚膜導体ペーストが吸
引される。したがって、スルーホール内壁面に一様な厚
さ寸法でペーストを塗布できる。
小さい第1吸引力で吸引する一方、吸引工程では、相対
的に大きい第2吸引力で吸引することにより、スルーホ
ール内に厚膜導体ペーストが流れ込み、その内壁面に塗
布される。そのため、小さい第1吸引力で吸引する印刷
中には、スルーホール内に厚膜導体ペーストが殆ど流れ
込まずそのスルーホールの開口面積が殆ど変化しないこ
とから、吸引工程において吸引すると、基板内の全ての
スルーホールから一様な吸引力で厚膜導体ペーストが吸
引される。したがって、スルーホール内壁面に一様な厚
さ寸法でペーストを塗布できる。
【0008】
【発明の他の態様】ここで、好適には、前記印刷工程
は、所定の印刷ステージで実施されるものであり、前記
厚膜導体ペーストが塗布された基板を前記印刷ステージ
とは別に設けられた吸引ステージに移動させる移動工程
を含み、前記吸引工程は、前記吸引ステージで実施され
るものである。このようにすれば、吸引工程は印刷ステ
ージとは別に設けられた吸引ステージで実施されるの
で、その吸引に必要な時間に起因して印刷サイクルが長
くなり延いては処理効率が低下する問題が抑制される。
は、所定の印刷ステージで実施されるものであり、前記
厚膜導体ペーストが塗布された基板を前記印刷ステージ
とは別に設けられた吸引ステージに移動させる移動工程
を含み、前記吸引工程は、前記吸引ステージで実施され
るものである。このようにすれば、吸引工程は印刷ステ
ージとは別に設けられた吸引ステージで実施されるの
で、その吸引に必要な時間に起因して印刷サイクルが長
くなり延いては処理効率が低下する問題が抑制される。
【0009】また、好適には、前記印刷工程、移動工
程、および吸引工程は、前記基板の両面に対してそれぞ
れ実施されるものである。このようにすれば、スルーホ
ール内壁面には、基板の両面からそれぞれ流れ込んだ厚
膜導体ペーストが相互に重なって塗布される。そのた
め、吸引力、吸引時間、ペースト粘度等に起因してスル
ーホールの軸心方向におけるペースト厚みが不均一にな
っても、両面から塗布されるペーストが相互に重ねられ
ることでその不均一性が相殺されることから、厚みの一
様性が高められ延いては導電性の一様性が高められる。
一層好適には、基板の両面に対する処理条件は、略同様
である。
程、および吸引工程は、前記基板の両面に対してそれぞ
れ実施されるものである。このようにすれば、スルーホ
ール内壁面には、基板の両面からそれぞれ流れ込んだ厚
膜導体ペーストが相互に重なって塗布される。そのた
め、吸引力、吸引時間、ペースト粘度等に起因してスル
ーホールの軸心方向におけるペースト厚みが不均一にな
っても、両面から塗布されるペーストが相互に重ねられ
ることでその不均一性が相殺されることから、厚みの一
様性が高められ延いては導電性の一様性が高められる。
一層好適には、基板の両面に対する処理条件は、略同様
である。
【0010】また、好適には、前記吸引工程は、前記ス
ルーホールの前記印刷工程における塗布面の裏面側開口
縁上まで前記厚膜導体ペーストを流動させるものであ
る。このようにすれば、スルーホールの開口縁部でも、
厚膜導体ペーストが重ねて塗布されることによってペー
スト厚み延いては導体厚みが厚くされる。そのため、導
体膜厚が薄くなり易いスルーホールの開口縁において十
分な膜厚が確保されるので、その開口縁における断線が
好適に防止される。
ルーホールの前記印刷工程における塗布面の裏面側開口
縁上まで前記厚膜導体ペーストを流動させるものであ
る。このようにすれば、スルーホールの開口縁部でも、
厚膜導体ペーストが重ねて塗布されることによってペー
スト厚み延いては導体厚みが厚くされる。そのため、導
体膜厚が薄くなり易いスルーホールの開口縁において十
分な膜厚が確保されるので、その開口縁における断線が
好適に防止される。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図面を
参照して詳細に説明する。
参照して詳細に説明する。
【0012】図1は、本発明のスルーホール印刷方法が
製造工程に適用された厚膜回路基板10の全体を示す斜
視図である。厚膜回路基板10は、例えば厚さ寸法が0.
3〜1(mm)程度のアルミナ等から成るセラミック基板12
の表面14および裏面16に厚膜導体、厚膜抵抗体、厚
膜絶縁体等によって構成される回路パターン18を設け
たものであって、それら表面14および裏面16に図示
しない半導体、抵抗体、コンデンサやコイル等の電子部
品を実装して用いられる。回路パターン18は、それら
の実装される電子部品を相互に接続して電子回路を構成
するためのものである。
製造工程に適用された厚膜回路基板10の全体を示す斜
視図である。厚膜回路基板10は、例えば厚さ寸法が0.
3〜1(mm)程度のアルミナ等から成るセラミック基板12
の表面14および裏面16に厚膜導体、厚膜抵抗体、厚
膜絶縁体等によって構成される回路パターン18を設け
たものであって、それら表面14および裏面16に図示
しない半導体、抵抗体、コンデンサやコイル等の電子部
品を実装して用いられる。回路パターン18は、それら
の実装される電子部品を相互に接続して電子回路を構成
するためのものである。
【0013】上記の回路パターン18内には、例えば厚
さ寸法が5〜数十(μm)程度、例えば20(μm)程度の厚膜
導体により形成された幅寸法が数十(μm)〜1(mm)程度の
複数本の配線20や、所望の特性値が得られるように適
宜の寸法、例えば数十(μm)程度の厚さ寸法で一辺が1〜
2(mm)程度の大きさに形成された複数個の厚膜抵抗体2
2等が備えられている。配線20は、後述するように厚
膜スクリーン印刷法等を用いて厚膜銅ペーストを塗布し
て焼成することにより生成された銅を導体成分として含
む厚膜導体である。配線20の各々の端部や中間部に
は、電子部品の端子等を固着し、或いは上記の厚膜抵抗
体22を設けるための円形或いは矩形のランド24や、
表面14および裏面16にそれぞれ設けられた配線20
を相互に接続するためのスルーホール・ランド26等が
備えられている。このスルーホール・ランド26は、図
2に拡大して示すように、表面14および裏面16間に
貫通し開口形状が円形のスルーホール28の周囲に円環
状に設けられたものである。なお、スルーホール28の
内径は、例えば0.4(mm)程度である。本実施例において
はスルーホール28が開口に相当する。
さ寸法が5〜数十(μm)程度、例えば20(μm)程度の厚膜
導体により形成された幅寸法が数十(μm)〜1(mm)程度の
複数本の配線20や、所望の特性値が得られるように適
宜の寸法、例えば数十(μm)程度の厚さ寸法で一辺が1〜
2(mm)程度の大きさに形成された複数個の厚膜抵抗体2
2等が備えられている。配線20は、後述するように厚
膜スクリーン印刷法等を用いて厚膜銅ペーストを塗布し
て焼成することにより生成された銅を導体成分として含
む厚膜導体である。配線20の各々の端部や中間部に
は、電子部品の端子等を固着し、或いは上記の厚膜抵抗
体22を設けるための円形或いは矩形のランド24や、
表面14および裏面16にそれぞれ設けられた配線20
を相互に接続するためのスルーホール・ランド26等が
備えられている。このスルーホール・ランド26は、図
2に拡大して示すように、表面14および裏面16間に
貫通し開口形状が円形のスルーホール28の周囲に円環
状に設けられたものである。なお、スルーホール28の
内径は、例えば0.4(mm)程度である。本実施例において
はスルーホール28が開口に相当する。
【0014】図3(a)は、図2におけるIII−III視断面
でスルーホール・ランド26近傍の断面構造を説明する
図である。スルーホール28の内壁面30には、例えば
配線20と同様な厚膜導体から成る貫通導体32が表面
14から裏面16に貫通して設けられている。この貫通
導体32は、後述するように、例えば厚膜スクリーン印
刷法を用いてスルーホール28上に厚膜銅ペーストを塗
布して焼成することによって形成されたものである。貫
通導体32の内壁面30上における厚さ寸法は、例えば
20〜40(μm)程度であり、その軸心方向における両端す
なわち表面14および裏面16の各々においてスルーホ
ール・ランド26に重なる。これにより、基板両面1
4、16にそれぞれ設けられている配線20が貫通導体
32を介して相互に接続されている。
でスルーホール・ランド26近傍の断面構造を説明する
図である。スルーホール28の内壁面30には、例えば
配線20と同様な厚膜導体から成る貫通導体32が表面
14から裏面16に貫通して設けられている。この貫通
導体32は、後述するように、例えば厚膜スクリーン印
刷法を用いてスルーホール28上に厚膜銅ペーストを塗
布して焼成することによって形成されたものである。貫
通導体32の内壁面30上における厚さ寸法は、例えば
20〜40(μm)程度であり、その軸心方向における両端す
なわち表面14および裏面16の各々においてスルーホ
ール・ランド26に重なる。これにより、基板両面1
4、16にそれぞれ設けられている配線20が貫通導体
32を介して相互に接続されている。
【0015】また、貫通導体32は、図3(b)に拡大し
て示すように、表面14の配線20上からスルーホール
28の裏面16側開口縁部までに亘る範囲において内壁
面30に固着された第1層32aと、裏面16の配線2
0上からスルーホール28の表面14側開口縁部までに
亘る範囲においてその第1層32a上に重ねて固着され
た第2層32bとから構成される。これら第1層32a
および第2層32bは、スルーホール28の軸心方向
(図3の上下方向)において、例えば、一方が表面14側
から裏面16側に向かうに従って厚くなり、他方が反対
に薄くなるものであるが、これらが重ねられて成る貫通
導体32は略一様な厚さ寸法を備えている。そのため、
厚さ寸法が僅かにばらついただけで剥離し易い厚膜銅で
構成されているにも拘わらず、その剥離延いては表面1
4および裏面16間の断線が好適に抑制されている。
て示すように、表面14の配線20上からスルーホール
28の裏面16側開口縁部までに亘る範囲において内壁
面30に固着された第1層32aと、裏面16の配線2
0上からスルーホール28の表面14側開口縁部までに
亘る範囲においてその第1層32a上に重ねて固着され
た第2層32bとから構成される。これら第1層32a
および第2層32bは、スルーホール28の軸心方向
(図3の上下方向)において、例えば、一方が表面14側
から裏面16側に向かうに従って厚くなり、他方が反対
に薄くなるものであるが、これらが重ねられて成る貫通
導体32は略一様な厚さ寸法を備えている。そのため、
厚さ寸法が僅かにばらついただけで剥離し易い厚膜銅で
構成されているにも拘わらず、その剥離延いては表面1
4および裏面16間の断線が好適に抑制されている。
【0016】なお、前記の厚膜抵抗体22は、例えば、
RuO2、SnO2、LaB6等を主成分とする厚膜抵抗体ペースト
を、配線20と同様に厚膜スクリーン印刷法等を用いて
その配線20の端部に備えられるランド24上に塗布し
て焼成することにより形成されたものであるが、その詳
細については本実施例の理解に必要ではないので説明を
省略する。
RuO2、SnO2、LaB6等を主成分とする厚膜抵抗体ペースト
を、配線20と同様に厚膜スクリーン印刷法等を用いて
その配線20の端部に備えられるランド24上に塗布し
て焼成することにより形成されたものであるが、その詳
細については本実施例の理解に必要ではないので説明を
省略する。
【0017】ところで、上記のように構成された厚膜回
路基板10は、例えば、図4に示される印刷装置34を
用いてその回路パターン18が形成されたものである。
図4において、印刷装置34は、供給ステージ36,印
刷ステージ38,および吸引ステージ40の3つのステ
ージで構成されている。上記の印刷ステージ38は、基
板12に厚膜導体ペーストや厚膜絶縁体ペースト等を塗
布するためのものである。また、上記の供給ステージ3
6は、印刷ステージ38の所定の印刷位置に配置する基
板12が順次に供給されるものである。また、吸引ステ
ージ40は、厚膜導体ペーストが塗布された基板12の
スルーホール28内にその導体ペーストを塗布するため
のものである。基板12は、コンベア等の搬送装置41
によってこれら3つのステージ36,38,40間を移
動させられる。
路基板10は、例えば、図4に示される印刷装置34を
用いてその回路パターン18が形成されたものである。
図4において、印刷装置34は、供給ステージ36,印
刷ステージ38,および吸引ステージ40の3つのステ
ージで構成されている。上記の印刷ステージ38は、基
板12に厚膜導体ペーストや厚膜絶縁体ペースト等を塗
布するためのものである。また、上記の供給ステージ3
6は、印刷ステージ38の所定の印刷位置に配置する基
板12が順次に供給されるものである。また、吸引ステ
ージ40は、厚膜導体ペーストが塗布された基板12の
スルーホール28内にその導体ペーストを塗布するため
のものである。基板12は、コンベア等の搬送装置41
によってこれら3つのステージ36,38,40間を移
動させられる。
【0018】上記の印刷ステージ38には、スキージ4
2およびスコップ44が昇降可能に支持された印刷機構
部46と、その印刷機構部46を図における左右方向に
移動させるためのねじ軸48やモータ50等から成る移
動装置52と、スクリーン製版54等とが備えられてい
る。印刷装置34には、図における左右方向に移動可能
に構成され且つ上面に吸着冶具58(後述する図5参照)
をそれぞれ備えた例えば2つの載置台56,57が備え
られており、基板12は、前記の搬送装置41により印
刷ステージ38に送られると、その載置台56に載せら
れ且つ所定位置に位置決めされてその吸着冶具58の吸
着面60に吸着される。また、その印刷ステージ38か
ら吸引ステージ40に送られると、載置台57に備えら
れた吸着冶具58に吸着される。
2およびスコップ44が昇降可能に支持された印刷機構
部46と、その印刷機構部46を図における左右方向に
移動させるためのねじ軸48やモータ50等から成る移
動装置52と、スクリーン製版54等とが備えられてい
る。印刷装置34には、図における左右方向に移動可能
に構成され且つ上面に吸着冶具58(後述する図5参照)
をそれぞれ備えた例えば2つの載置台56,57が備え
られており、基板12は、前記の搬送装置41により印
刷ステージ38に送られると、その載置台56に載せら
れ且つ所定位置に位置決めされてその吸着冶具58の吸
着面60に吸着される。また、その印刷ステージ38か
ら吸引ステージ40に送られると、載置台57に備えら
れた吸着冶具58に吸着される。
【0019】上記の載置台56,57にそれぞれ備えら
れている吸着治具58は、例えば互いに同様に構成され
たものであり、図5に、その全体を表した斜視図を示
す。吸着治具58は、上記の吸着面60を有する上側の
吸着板62と、印刷機の載置台56上に固定される下側
の支持板64とが重ね合わされて構成される。吸着板6
2は、例えば一辺が数十(mm)〜百数十(mm)、例えば160
(mm)程度で厚さが数(mm)〜数十(mm)程度、例えば10(mm)
程度の大きさの矩形板状を成すものであり、外周縁から
十数(mm)程度の外周側部分を除く内周側部分は、その外
周部に比較して0.9(mm)程度だけ凹んでいる。前記の吸
着面60はこの内周側部分に設けられており、基板12
はその凹んだ部分に載せられる。
れている吸着治具58は、例えば互いに同様に構成され
たものであり、図5に、その全体を表した斜視図を示
す。吸着治具58は、上記の吸着面60を有する上側の
吸着板62と、印刷機の載置台56上に固定される下側
の支持板64とが重ね合わされて構成される。吸着板6
2は、例えば一辺が数十(mm)〜百数十(mm)、例えば160
(mm)程度で厚さが数(mm)〜数十(mm)程度、例えば10(mm)
程度の大きさの矩形板状を成すものであり、外周縁から
十数(mm)程度の外周側部分を除く内周側部分は、その外
周部に比較して0.9(mm)程度だけ凹んでいる。前記の吸
着面60はこの内周側部分に設けられており、基板12
はその凹んだ部分に載せられる。
【0020】また、その内周側部分のうち外周側部分の
内周縁66よりも更に10(mm)程度内周側の範囲は、吸着
板62を厚み方向に貫通する一辺数十(mm)程度の矩形の
6つの開口68が枡目状に備えられている。支持板64
にはその端面に開口する共通の排気通路70が設けられ
ており、上記6つの開口68はその排気通路70に連通
する。なお、開口68と外周側部分の内周縁66との間
において吸着面60に開口する穴72は、スルーホール
28が設けられている範囲よりも外周側において基板1
2を吸着するための吸着穴であり、例えば直径5(mm)程
度の大きさに形成されている。
内周縁66よりも更に10(mm)程度内周側の範囲は、吸着
板62を厚み方向に貫通する一辺数十(mm)程度の矩形の
6つの開口68が枡目状に備えられている。支持板64
にはその端面に開口する共通の排気通路70が設けられ
ており、上記6つの開口68はその排気通路70に連通
する。なお、開口68と外周側部分の内周縁66との間
において吸着面60に開口する穴72は、スルーホール
28が設けられている範囲よりも外周側において基板1
2を吸着するための吸着穴であり、例えば直径5(mm)程
度の大きさに形成されている。
【0021】また、上記の開口68は、前記の排気通路
70および切換弁74を介して排気ポンプ76に接続さ
れており、吸着穴72は、別の排気ポンプ78に接続さ
れている。切換弁74は、排気通路70を排気ポンプ7
6に接続して開口68から吸引するための図に示される
吸引位置と、それらの接続を断って開口68を大気圧に
解放するための解放位置の2位置間で、例えば制御装置
80からの指令に従って電気的に切り換えられるもので
ある。また、この制御装置80は、載置台56,57に
それぞれ設けられた吸着冶具58に対して共通に設けら
れ或いは各々に対して設けられたものであり、入出力回
路や中央演算装置(CPU)、記憶装置(RAM,ROM)
等から構成されるものであって、予めROMに記憶され
たプログラムに従って、RAMの一時記憶機能を利用し
つつ排気ポンプ76、78の作動制御も行うものであ
る。排気ポンプ76が作動させられ且つ切換弁74が吸
引位置に位置させられると、制御装置80により制御さ
れた吸引力で開口68から吸引され、排気ポンプ78が
作動させられると吸着穴72から吸引されるようになっ
ている。
70および切換弁74を介して排気ポンプ76に接続さ
れており、吸着穴72は、別の排気ポンプ78に接続さ
れている。切換弁74は、排気通路70を排気ポンプ7
6に接続して開口68から吸引するための図に示される
吸引位置と、それらの接続を断って開口68を大気圧に
解放するための解放位置の2位置間で、例えば制御装置
80からの指令に従って電気的に切り換えられるもので
ある。また、この制御装置80は、載置台56,57に
それぞれ設けられた吸着冶具58に対して共通に設けら
れ或いは各々に対して設けられたものであり、入出力回
路や中央演算装置(CPU)、記憶装置(RAM,ROM)
等から構成されるものであって、予めROMに記憶され
たプログラムに従って、RAMの一時記憶機能を利用し
つつ排気ポンプ76、78の作動制御も行うものであ
る。排気ポンプ76が作動させられ且つ切換弁74が吸
引位置に位置させられると、制御装置80により制御さ
れた吸引力で開口68から吸引され、排気ポンプ78が
作動させられると吸着穴72から吸引されるようになっ
ている。
【0022】なお、図5において、82は、基板12を
所定の位置に位置決めするための固定或いは可動の位置
決めピンであり、84は、厚膜印刷ペーストが塗布され
た基板12を他の基板に取り替えるに際してその印刷済
の基板12を吸着面60から押し上げるための押上げピ
ンである。また、図5においては支持板64が吸着板6
2と同様な大きさに描かれているが、支持板64の大き
さは基板面積よりも十分に大きい範囲で任意であり、例
えば前記の載置台56等によって支持板が兼ねられてい
てもよい。
所定の位置に位置決めするための固定或いは可動の位置
決めピンであり、84は、厚膜印刷ペーストが塗布され
た基板12を他の基板に取り替えるに際してその印刷済
の基板12を吸着面60から押し上げるための押上げピ
ンである。また、図5においては支持板64が吸着板6
2と同様な大きさに描かれているが、支持板64の大き
さは基板面積よりも十分に大きい範囲で任意であり、例
えば前記の載置台56等によって支持板が兼ねられてい
てもよい。
【0023】以下、上記の印刷装置34を用いた前記の
厚膜回路基板10へのパターン形成方法を、図6に示す
工程図に従って、工程の要部段階における実施状態を表
した図7(a)〜(c)を参照して説明する。スルーホール2
8を設けた基板12を作製した後に実施される導体形成
工程では、先ず、載置工程86において、前記の供給ス
テージ36の搬送装置41にその基板12が例えば表面
14が上側に位置する向きで載せられる。次いで、印刷
工程88において、基板12が印刷ステージ38に送ら
れて載置台56上で位置決めされ且つその吸着冶具58
に吸着された後、その表面14に厚膜スクリーン印刷法
で厚膜導体ペースト(例えば厚膜銅ペースト)が印刷され
る。
厚膜回路基板10へのパターン形成方法を、図6に示す
工程図に従って、工程の要部段階における実施状態を表
した図7(a)〜(c)を参照して説明する。スルーホール2
8を設けた基板12を作製した後に実施される導体形成
工程では、先ず、載置工程86において、前記の供給ス
テージ36の搬送装置41にその基板12が例えば表面
14が上側に位置する向きで載せられる。次いで、印刷
工程88において、基板12が印刷ステージ38に送ら
れて載置台56上で位置決めされ且つその吸着冶具58
に吸着された後、その表面14に厚膜スクリーン印刷法
で厚膜導体ペースト(例えば厚膜銅ペースト)が印刷され
る。
【0024】図7(a)は、上記の印刷工程88の実施状
態を説明する図である。基板12は、吸着治具58の吸
着面(上面)60に載せられており、排気ポンプ78が作
動させられることによりその吸着面60に吸着固定され
ると共に、切換弁74が図5に示す位置に位置させられ
且つ排気ポンプ76が作動させられることにより、排気
通路70から排気されている。この状態で、スクリーン
製版54のスクリーン90上に厚膜銅ペースト92を供
給し、スキージ42でそのスクリーン90を押し下げつ
つそのスキージ42を一方向例えば図の矢印S方向に摺
動させると、その厚膜銅ペースト92がスクリーン90
の開口部94から押し出されて基板表面14に塗布され
る。塗布位置は、図に示されるように、配線20の形成
位置およびスルーホール28上である。この印刷中にお
いては、スルーホール28上に塗布された厚膜銅ペース
ト92は、その表面張力によってそのスルーホール28
を塞いで表面14上に留まっている。吸着穴72からの
吸引力Vcは基板12の固定に十分且つ基板12と吸着
面60との隙間を通る空気の流通が殆ど無い程度に比較
的大きな値に設定されるが、排気通路70を経由した開
口68からの吸引力Vaは、例えば、上記の表面張力に
打ち勝って厚膜銅ペースト92がスルーホール28内に
流れ込むことのない程度の比較的小さな値、例えばイン
バータ付ブロアで吸引する場合に35(Hz)程度の値に設定
されている。なお、図7は、吸着治具58の断面構造を
模式的に示しており、図5とは厳密には一致していな
い。本実施例では、上記の吸引力Vaが第1吸引力に相
当し、第1吸引力は開口内に厚膜導体ペーストが入り込
まない程度の強さである。また、印刷工程88における
吸引は、例えばスキージ42の摺動中だけ実施される。
態を説明する図である。基板12は、吸着治具58の吸
着面(上面)60に載せられており、排気ポンプ78が作
動させられることによりその吸着面60に吸着固定され
ると共に、切換弁74が図5に示す位置に位置させられ
且つ排気ポンプ76が作動させられることにより、排気
通路70から排気されている。この状態で、スクリーン
製版54のスクリーン90上に厚膜銅ペースト92を供
給し、スキージ42でそのスクリーン90を押し下げつ
つそのスキージ42を一方向例えば図の矢印S方向に摺
動させると、その厚膜銅ペースト92がスクリーン90
の開口部94から押し出されて基板表面14に塗布され
る。塗布位置は、図に示されるように、配線20の形成
位置およびスルーホール28上である。この印刷中にお
いては、スルーホール28上に塗布された厚膜銅ペース
ト92は、その表面張力によってそのスルーホール28
を塞いで表面14上に留まっている。吸着穴72からの
吸引力Vcは基板12の固定に十分且つ基板12と吸着
面60との隙間を通る空気の流通が殆ど無い程度に比較
的大きな値に設定されるが、排気通路70を経由した開
口68からの吸引力Vaは、例えば、上記の表面張力に
打ち勝って厚膜銅ペースト92がスルーホール28内に
流れ込むことのない程度の比較的小さな値、例えばイン
バータ付ブロアで吸引する場合に35(Hz)程度の値に設定
されている。なお、図7は、吸着治具58の断面構造を
模式的に示しており、図5とは厳密には一致していな
い。本実施例では、上記の吸引力Vaが第1吸引力に相
当し、第1吸引力は開口内に厚膜導体ペーストが入り込
まない程度の強さである。また、印刷工程88における
吸引は、例えばスキージ42の摺動中だけ実施される。
【0025】上記のようにしてペースト92を表面14
に塗布した後、移動工程96においては、印刷ステージ
38における吸着状態が解除され、搬送装置41によっ
て基板12が吸引ステージ40に送られる。
に塗布した後、移動工程96においては、印刷ステージ
38における吸着状態が解除され、搬送装置41によっ
て基板12が吸引ステージ40に送られる。
【0026】吸引工程98においては、吸着穴72から
吸引力Vcで吸引することにより載置台57の吸着冶具
58に基板12が吸着された後、排気ポンプ76を作動
させることにより、排気通路70から吸引力Vbで、所
定時間例えば3〜7秒程度例えば5秒だけ吸引する。こ
の吸引力Vbは、前記の吸引力Vaよりも十分に大きい
値であって、例えばインバータ付ブロアで吸引する場合
に50(Hz)程度(すなわち、1.4倍程度)の値に設定され
る。また、上記所定時間は、基板12の大きさやスルー
ホール28の数、ペースト粘度等に応じてペースト92
が十分に広がるように定められる。そのため、スルーホ
ール28を表面張力の作用で塞いでいたペースト92
は、そのスルーホール28内に引き込まれてその内壁面
30全体に広がることとなる。図7(b)はこの段階を示
している。このとき、吸引力Vbおよび吸引時間等は、
内壁面30におけるペースト厚みが略一様であり、且つ
前記の図3(b)に示される貫通導体32の第1層32a
の如くスルーホール28の裏面16側の開口縁に広がる
までペースト92が流動するように設定される。この結
果、全てのスルーホール28から同様な吸引条件で吸引
されることになるため、ペースト92の印刷の始端側
(図7における左端)においても、終端側においても、略
同様な厚さ寸法で上記第1層32aが形成される。本実
施例においては、上記の吸引力Vbが第2吸引力に相当
する。すなわち、第2吸引力は開口内に厚膜導体ペース
トが流れ込む程度の強さに設定される。なお、上記吸引
力Va、Vbは、ペースト粘度、室温、排気通路70等
における圧力損失等に応じて適宜定められるものであ
る。
吸引力Vcで吸引することにより載置台57の吸着冶具
58に基板12が吸着された後、排気ポンプ76を作動
させることにより、排気通路70から吸引力Vbで、所
定時間例えば3〜7秒程度例えば5秒だけ吸引する。こ
の吸引力Vbは、前記の吸引力Vaよりも十分に大きい
値であって、例えばインバータ付ブロアで吸引する場合
に50(Hz)程度(すなわち、1.4倍程度)の値に設定され
る。また、上記所定時間は、基板12の大きさやスルー
ホール28の数、ペースト粘度等に応じてペースト92
が十分に広がるように定められる。そのため、スルーホ
ール28を表面張力の作用で塞いでいたペースト92
は、そのスルーホール28内に引き込まれてその内壁面
30全体に広がることとなる。図7(b)はこの段階を示
している。このとき、吸引力Vbおよび吸引時間等は、
内壁面30におけるペースト厚みが略一様であり、且つ
前記の図3(b)に示される貫通導体32の第1層32a
の如くスルーホール28の裏面16側の開口縁に広がる
までペースト92が流動するように設定される。この結
果、全てのスルーホール28から同様な吸引条件で吸引
されることになるため、ペースト92の印刷の始端側
(図7における左端)においても、終端側においても、略
同様な厚さ寸法で上記第1層32aが形成される。本実
施例においては、上記の吸引力Vbが第2吸引力に相当
する。すなわち、第2吸引力は開口内に厚膜導体ペース
トが流れ込む程度の強さに設定される。なお、上記吸引
力Va、Vbは、ペースト粘度、室温、排気通路70等
における圧力損失等に応じて適宜定められるものであ
る。
【0027】そして、乾燥工程100および焼成工程1
02においては、上記のようにして厚膜銅ペースト92
が塗布された基板12に、そのペースト92の種類に応
じた所定の温度で乾燥および焼成処理を順次施す。これ
により、基板表面14に塗着されたペースト92から厚
膜配線20が生成されると同時に、スルーホール28内
に塗着されたペースト92から貫通導体32の第1層3
2aが生成される。
02においては、上記のようにして厚膜銅ペースト92
が塗布された基板12に、そのペースト92の種類に応
じた所定の温度で乾燥および焼成処理を順次施す。これ
により、基板表面14に塗着されたペースト92から厚
膜配線20が生成されると同時に、スルーホール28内
に塗着されたペースト92から貫通導体32の第1層3
2aが生成される。
【0028】以上の載置工程86乃至焼成工程102
は、基板裏面16側についても表面14側と略同様な条
件で実施される。すなわち、裏面16側においても、印
刷工程88では弱い吸引力Vaで吸引しつつペースト9
2を塗布し、印刷ステージ38とは別に設けられた吸引
ステージ40に移動させられた後の吸引工程98におい
て強い吸引力Vbで所定時間吸引し、更に乾燥および焼
成処理を施すことにより、裏面16に配線20等の導体
膜が形成されると共に、スルーホール28内に貫通導体
32の第2層32bが第1層32aに重ねて形成され
る。上記の吸引力Va、Vbは、何れも表面側の印刷時
よりも僅かに小さい値であり、それぞれインバータ付ブ
ロアで吸引する場合に30(Hz)、45(Hz)程度の値である。
すなわち、例えば吸引工程98における吸引力は印刷工
程88におけるそれの1.5倍程度に設定される。また、
吸引工程における吸引時間は、例えば、表面側における
それと同程度の時間に設定される。図7(c)はこの吸引
処理後の状態を示している。この際も、上記の吸引力V
bおよび吸引時間等は、スルーホール28の表面14側
開口縁に広がるまでペースト92が流動するように設定
されるため、前記の図3(b)に示されるように貫通導体
32の第2層32bが基板12の両面間に亘る範囲に形
成される。また、全てのスルーホール28から同様な条
件で吸引されることになるため、基板12上のどの位置
においても同様な膜厚で第2層32bが形成される。こ
れにより、基板12の両面に配線20等の導体パターン
が形成され且つスルーホール28内に貫通導体32が十
分な厚さ寸法で形成され、この後、導体、抵抗体や絶縁
体等を積層形成することにより、前記の厚膜回路基板1
0が得られる。
は、基板裏面16側についても表面14側と略同様な条
件で実施される。すなわち、裏面16側においても、印
刷工程88では弱い吸引力Vaで吸引しつつペースト9
2を塗布し、印刷ステージ38とは別に設けられた吸引
ステージ40に移動させられた後の吸引工程98におい
て強い吸引力Vbで所定時間吸引し、更に乾燥および焼
成処理を施すことにより、裏面16に配線20等の導体
膜が形成されると共に、スルーホール28内に貫通導体
32の第2層32bが第1層32aに重ねて形成され
る。上記の吸引力Va、Vbは、何れも表面側の印刷時
よりも僅かに小さい値であり、それぞれインバータ付ブ
ロアで吸引する場合に30(Hz)、45(Hz)程度の値である。
すなわち、例えば吸引工程98における吸引力は印刷工
程88におけるそれの1.5倍程度に設定される。また、
吸引工程における吸引時間は、例えば、表面側における
それと同程度の時間に設定される。図7(c)はこの吸引
処理後の状態を示している。この際も、上記の吸引力V
bおよび吸引時間等は、スルーホール28の表面14側
開口縁に広がるまでペースト92が流動するように設定
されるため、前記の図3(b)に示されるように貫通導体
32の第2層32bが基板12の両面間に亘る範囲に形
成される。また、全てのスルーホール28から同様な条
件で吸引されることになるため、基板12上のどの位置
においても同様な膜厚で第2層32bが形成される。こ
れにより、基板12の両面に配線20等の導体パターン
が形成され且つスルーホール28内に貫通導体32が十
分な厚さ寸法で形成され、この後、導体、抵抗体や絶縁
体等を積層形成することにより、前記の厚膜回路基板1
0が得られる。
【0029】以上説明したように、本実施例において
は、印刷中にはスルーホール28内に厚膜銅ペースト9
2が殆ど流れ込まない程度の小さい吸引力Vaで吸引す
る一方、吸引工程98では、その吸引力Vaよりも十分
に大きい吸引力Vbで吸引することにより、スルーホー
ル28内に厚膜銅ペースト92が流れ込み、その内壁面
30に塗布される。そのため、印刷中にはスルーホール
28の開口面積が殆ど変化しないことから、吸引工程9
8において吸引すると、基板12内の全てのスルーホー
ル28から一様な吸引力で厚膜銅ペースト92が吸引さ
れる。したがって、スルーホール内壁面30に一様な厚
さ寸法でペースト92を塗布できる。
は、印刷中にはスルーホール28内に厚膜銅ペースト9
2が殆ど流れ込まない程度の小さい吸引力Vaで吸引す
る一方、吸引工程98では、その吸引力Vaよりも十分
に大きい吸引力Vbで吸引することにより、スルーホー
ル28内に厚膜銅ペースト92が流れ込み、その内壁面
30に塗布される。そのため、印刷中にはスルーホール
28の開口面積が殆ど変化しないことから、吸引工程9
8において吸引すると、基板12内の全てのスルーホー
ル28から一様な吸引力で厚膜銅ペースト92が吸引さ
れる。したがって、スルーホール内壁面30に一様な厚
さ寸法でペースト92を塗布できる。
【0030】しかも、本実施例においては、導体印刷お
よび吸引等が表面14側と裏面16側に対して同様な条
件で実施されるため、スルーホール内壁面30には、基
板12の両面からそれぞれ流れ込んだ厚膜銅ペースト9
2が相互に重なって塗布される。そのため、吸引力、吸
引時間、ペースト粘度等に起因してスルーホール28の
軸心方向におけるペースト厚みが不均一になっても、両
面から塗布されるペースト92が相互に重ねられること
でその不均一性が相殺されることから、厚みの一様性が
高められ延いては導電性の一様性が高められる。
よび吸引等が表面14側と裏面16側に対して同様な条
件で実施されるため、スルーホール内壁面30には、基
板12の両面からそれぞれ流れ込んだ厚膜銅ペースト9
2が相互に重なって塗布される。そのため、吸引力、吸
引時間、ペースト粘度等に起因してスルーホール28の
軸心方向におけるペースト厚みが不均一になっても、両
面から塗布されるペースト92が相互に重ねられること
でその不均一性が相殺されることから、厚みの一様性が
高められ延いては導電性の一様性が高められる。
【0031】また、本実施例においては、前記吸引工程
98は、前記スルーホール28の前記印刷工程88にお
ける塗布面の裏面側開口縁上まで前記厚膜銅ペースト9
2を流動させるものである。このようにすれば、スルー
ホール28の開口縁部でも、厚膜銅ペースト92が重ね
て塗布されることによってペースト厚み延いては貫通導
体32が厚くされる。そのため、導体膜厚が薄くなり易
いスルーホール28の開口縁において十分な膜厚が確保
されるので、その開口縁における断線が好適に防止され
る。
98は、前記スルーホール28の前記印刷工程88にお
ける塗布面の裏面側開口縁上まで前記厚膜銅ペースト9
2を流動させるものである。このようにすれば、スルー
ホール28の開口縁部でも、厚膜銅ペースト92が重ね
て塗布されることによってペースト厚み延いては貫通導
体32が厚くされる。そのため、導体膜厚が薄くなり易
いスルーホール28の開口縁において十分な膜厚が確保
されるので、その開口縁における断線が好適に防止され
る。
【0032】また、本実施例においては、吸引工程98
が印刷工程88の実施される印刷ステージ38とは別に
用意された吸引ステージ40で実施されるため、印刷後
の吸引を印刷ステージ38で実施する場合に比較して、
処理効率が高められる利点がある。すなわち、基板12
の一枚毎に、吸引工程98に必要な7秒程度の時間だけ
次の印刷を早く開始できるので、例えばマシン・サイク
ル延いては処理能力が1.4倍程度に向上する。
が印刷工程88の実施される印刷ステージ38とは別に
用意された吸引ステージ40で実施されるため、印刷後
の吸引を印刷ステージ38で実施する場合に比較して、
処理効率が高められる利点がある。すなわち、基板12
の一枚毎に、吸引工程98に必要な7秒程度の時間だけ
次の印刷を早く開始できるので、例えばマシン・サイク
ル延いては処理能力が1.4倍程度に向上する。
【0033】以上、本発明の一実施例を詳細に説明した
が、本発明は、更に別の態様でも実施できる。
が、本発明は、更に別の態様でも実施できる。
【0034】例えば、実施例においては、両面12、1
4に回路パターン18を備えた厚膜回路基板10を製造
するための厚膜印刷方法に本発明が適用された場合につ
いて説明したが、本発明は、表面14だけに回路パター
ン18が設けられる基板であっても、その回路パターン
18から裏面16側に端子を引き出して設ける等の目的
で複数個のスルーホール28および貫通導体32が備え
られるものであれば、同様に適用することができる。
4に回路パターン18を備えた厚膜回路基板10を製造
するための厚膜印刷方法に本発明が適用された場合につ
いて説明したが、本発明は、表面14だけに回路パター
ン18が設けられる基板であっても、その回路パターン
18から裏面16側に端子を引き出して設ける等の目的
で複数個のスルーホール28および貫通導体32が備え
られるものであれば、同様に適用することができる。
【0035】また、実施例においては、厚膜導体ペース
トが銅ペースト92である場合について説明したが、回
路基板10の用途に応じて選択される種々の導体ペース
トが用いられる場合にも本発明は適用される。
トが銅ペースト92である場合について説明したが、回
路基板10の用途に応じて選択される種々の導体ペース
トが用いられる場合にも本発明は適用される。
【0036】また、実施例においては、印刷工程88に
おける吸引力Vaをペースト92がスルーホール28内
に流れ込まない程度の大きさに設定していたが、僅かに
流れ込む程度の値(すなわち、実施例におけるVaとV
bの中間の値)に吸引力Vaを設定しても良い。また、
印刷中の吸引を実施しなくともスルーホール28の周囲
に適度に厚膜導体ペーストを塗布できる等の場合には、
排気通路70からの吸引を吸引工程98だけで実施して
も良い。
おける吸引力Vaをペースト92がスルーホール28内
に流れ込まない程度の大きさに設定していたが、僅かに
流れ込む程度の値(すなわち、実施例におけるVaとV
bの中間の値)に吸引力Vaを設定しても良い。また、
印刷中の吸引を実施しなくともスルーホール28の周囲
に適度に厚膜導体ペーストを塗布できる等の場合には、
排気通路70からの吸引を吸引工程98だけで実施して
も良い。
【0037】また、実施例においては、吸引工程98が
印刷ステージ38とは別に設けられた吸引ステージ40
で実施されていたが、処理効率の点で特に問題とならな
い場合には、吸引ステージ40を設けず、印刷工程88
の後、そのまま印刷ステージ38で吸引工程98を実施
してもよい。
印刷ステージ38とは別に設けられた吸引ステージ40
で実施されていたが、処理効率の点で特に問題とならな
い場合には、吸引ステージ40を設けず、印刷工程88
の後、そのまま印刷ステージ38で吸引工程98を実施
してもよい。
【0038】その他、一々例示はしないが、本発明は、
その主旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得るもので
ある。
その主旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得るもので
ある。
【図1】本発明のスルーホール印刷方法が適用されて製
造された回路基板を示す斜視図である。
造された回路基板を示す斜視図である。
【図2】図1の回路基板に備えられるスルーホールを拡
大して示す平面図である。
大して示す平面図である。
【図3】(a)は、図2におけるIII−III視断面を示す図
であり、(b)は、その右半分を拡大して詳細に示す図で
ある。
であり、(b)は、その右半分を拡大して詳細に示す図で
ある。
【図4】図1の回路基板を製造するための印刷装置の構
成を説明する図である。
成を説明する図である。
【図5】図4の印刷装置に備えられた吸着冶具の構成を
説明する斜視図である。
説明する斜視図である。
【図6】図4の印刷装置を用いて回路基板に導体印刷を
施す工程を説明する工程図である。
施す工程を説明する工程図である。
【図7】(a)〜(c)は、図6の工程の要部段階における実
施状態を説明する図である。
施状態を説明する図である。
28:スルーホール
30:内壁面
38:印刷ステージ
40:吸引ステージ
92:厚膜銅ペースト
98:吸引工程
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
B41M 1/12 B41M 1/12
H05K 1/11 H05K 1/11 H
Fターム(参考) 2C035 AA06 FA27 FA30 FD00 FD01
FD31 FD42
2H113 AA01 BA10 BB07 BB09 BB22
BC12 CA17 EA04 FA28
5E317 AA24 BB01 BB11 CC22 GG01
GG17
Claims (4)
- 【請求項1】 スルーホールを有する基板のそのスルー
ホール内に厚膜導体を印刷するためのスルーホール印刷
方法であって、 前記スルーホールを通して前記基板の裏面から所定の第
1吸引力で吸引しつつその表面側から厚膜導体ペースト
を塗布する印刷工程と、 前記印刷工程の後に、前記スルーホールを通して前記基
板の裏面から前記第1吸引力よりも大きい所定の第2吸
引力で吸引することにより、その基板上に塗布された前
記厚膜導体ペーストをそのスルーホール内に導き入れる
吸引工程とを、含むことを特徴とする厚膜基板のスルー
ホール印刷方法。 - 【請求項2】 前記印刷工程は、所定の印刷ステージで
実施されるものであり、 前記厚膜導体ペーストが塗布された基板を前記印刷ステ
ージとは別に設けられた吸引ステージに移動させる移動
工程を含み、 前記吸引工程は、前記吸引ステージで実施されるもので
ある請求項1の厚膜基板のスルーホール印刷方法。 - 【請求項3】 前記印刷工程、移動工程、および吸引工
程は、前記基板の両面に対してそれぞれ実施されるもの
である請求項1または請求項2の厚膜基板のスルーホー
ル印刷方法。 - 【請求項4】 前記吸引工程は、前記スルーホールの前
記印刷工程における塗布面の裏面側開口縁上まで前記厚
膜導体ペーストを流動させるものである請求項1乃至請
求項3の何れかの厚膜基板のスルーホール印刷方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001237365A JP2003051674A (ja) | 2001-08-06 | 2001-08-06 | 厚膜基板のスルーホール印刷方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001237365A JP2003051674A (ja) | 2001-08-06 | 2001-08-06 | 厚膜基板のスルーホール印刷方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003051674A true JP2003051674A (ja) | 2003-02-21 |
Family
ID=19068459
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001237365A Pending JP2003051674A (ja) | 2001-08-06 | 2001-08-06 | 厚膜基板のスルーホール印刷方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003051674A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015214088A (ja) * | 2014-05-12 | 2015-12-03 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | スクリーン印刷装置 |
JP2015214089A (ja) * | 2014-05-12 | 2015-12-03 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | スクリーン印刷装置 |
-
2001
- 2001-08-06 JP JP2001237365A patent/JP2003051674A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2015214088A (ja) * | 2014-05-12 | 2015-12-03 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | スクリーン印刷装置 |
JP2015214089A (ja) * | 2014-05-12 | 2015-12-03 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | スクリーン印刷装置 |
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