JP2003049934A - ベルト式無段変速機のプーリ推力制御装置 - Google Patents

ベルト式無段変速機のプーリ推力制御装置

Info

Publication number
JP2003049934A
JP2003049934A JP2001236623A JP2001236623A JP2003049934A JP 2003049934 A JP2003049934 A JP 2003049934A JP 2001236623 A JP2001236623 A JP 2001236623A JP 2001236623 A JP2001236623 A JP 2001236623A JP 2003049934 A JP2003049934 A JP 2003049934A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thrust
belt
pulley
continuously variable
variable transmission
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001236623A
Other languages
English (en)
Inventor
Kunihiro Iwatsuki
邦裕 岩月
Yasunori Nakawaki
康則 中脇
Hiroyuki Nishizawa
博幸 西澤
Hiroyuki Yamaguchi
裕之 山口
Hideyuki Suzuki
秀之 鈴木
Masataka Osawa
正敬 大澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp, Toyota Central R&D Labs Inc filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2001236623A priority Critical patent/JP2003049934A/ja
Publication of JP2003049934A publication Critical patent/JP2003049934A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Transmission Devices (AREA)
  • Control Of Transmission Device (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ベルトを挟み付ける各プーリでの推力の比率
を、ベルトの滑りを生じさせることなく、正確に判定す
る。 【解決手段】 駆動プーリと従動プーリとにベルトを巻
掛けるとともに、駆動プーリがベルトを挟み付ける推力
もしくは従動プーリが前記ベルトを挟み付ける推力を制
御可能なプーリ推力制御装置であって、ベルト式無段変
速機に作用するトルクもしくは変速比が変動しにくい状
況を判定する動作状態判定手段(ステップS7,〜S1
1)と、動作状態判定手段によって、前記トルクもしく
は変速比が変動しにくい状況が判定された場合に、前記
推力を低下させる推力低下手段(ステップS13)と、
前記推力を低下させることにより、前記駆動プーリによ
る推力と前記従動プーリによる推力との比率の値を判定
する推力比判定手段(ステップS14)とを備えてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、駆動プーリおよ
び従動プーリに対するベルトの巻掛け半径を連続的に変
化させることにより、変速比を無段階に変化させるベル
ト式の無段変速機に関し、特にベルトを巻掛けてあるプ
ーリの溝幅を変化させる推力を制御する装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】一般的なベルト式無段変速機では、対向
する面をテーパ面とした固定シーブと可動シーブとによ
って各プーリを構成し、それらのテーパ面で形成される
溝にベルトを巻掛けるとともに、固定シーブと可動シー
ブとの間隔、すなわち溝幅を変化させてベルトを巻掛け
る有効径を変化させることにより、変速比を所定の値に
設定するように構成されている。したがってベルトと各
プーリとは積極的には噛み合っていないので、ベルトに
張力を付与して、トルク容量を確保するように構成され
ている。
【0003】すなわち、各プーリにおける可動シーブを
固定シーブに対して接近させることにより、その溝幅が
狭くなり、かつ有効径が大きくなるので、ベルトの張力
が増大して、無段変速機としてのトルク容量が増大す
る。そこで、従来一般には、可動シーブを固定シーブ側
に押圧してこれらのシーブでベルトを挟み付ける挟圧力
すなわちプーリ推力を適宜に設定して、必要とするトル
ク容量を得るようにしている。
【0004】そのプーリ推力(挟圧力)が大きいほど、
トルク容量が増大するから、ベルトとプーリとの間の滑
りが生じにくくなる。しかしながらプーリ推力を大きく
してベルトの張力を増大させると、ベルトの耐久性が低
下するばかりでなく、動力の伝達効率が低下し、その傾
向は高回転数(すなわち高車速)ほど顕著になる。車両
用の変速機としてベルト式無段変速機を使用する利点
は、燃費が向上する点にあり、そのためプーリ推力は、
ベルトの滑りが生じない範囲が可及的に小さくなるよう
に制御している。
【0005】そのような制御をおこなう装置の一例が、
特開平9−269053号公報に記載されている。この
公報に記載された装置は、ベルトの摩擦によって生じる
音波を検出し、その音波に基づいてベルトの張力に関係
する油圧を制御するように構成されている。そして、そ
の装置によれば、張力を可及的に低くして、作用効率を
向上させることができる、とされている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の公報に記載され
た装置で利用する音波は、ベルトの摩擦によって生じる
ものである。したがって上記の装置は、ベルトがプーリ
に対して滑りを生じることを前提とし、その滑りが発生
したことに基づいて油圧を制御するようになっている。
そのため、防止するべきベルトの滑りを少なくとも1回
は生じさせることになる。また、特性の経時変化などに
よって油圧を再調整する必要がある場合には、その際に
再度、ベルトの滑りを生じさせることになる。このよう
に従来の装置では、無段変速機のトルク容量に関連する
プーリ推力を設定するために、ベルトの滑りを生じさせ
ることになるので、ベルトもしくは無段変速機が損傷を
受けたり、あるいはその耐久性が低下するなどの可能性
があった。
【0007】この発明は、上記の技術的課題に着目して
なされたものであり、無段変速機を損傷したり、その耐
久性を低下させることなく、プーリ推力を適正に設定す
ることのできる装置を提供することを目的とするもので
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段およびその作用】この発明
は、上記の目的を達成するために、無段変速機の動作状
態がいわゆる安定的な状態にある場合に、推力比の所定
値(例えば、ピークやピークに基づく値)を判定するた
めの操作を実行するように構成し、また併せて、その操
作の際に過大なトルクが無段変速機に作用しないように
構成したことを特徴とするものである。すなわち、本発
明者等は、べルト式無段変速機での動力の伝達効率やベ
ルトの滑り発生が、駆動プーリと従動プーリとにおける
ベルトを挟み付ける力(プーリ推力)の比率に関係する
こと、およびそのプーリ推力比のピークの近傍で動力の
伝達効率が最大となり、またそのピークを越えて推力を
低下させるとベルトの滑りが生じやすくなることを見出
し、そこで、この発明では、こような知見に基づいてプ
ーリ推力を設定するにあたり、推力比の前記所定値の判
定を、ベルトの滑りを予防しつつ正確におこなうように
構成したのである。
【0009】より具体的には、請求項1の発明は、駆動
プーリと従動プーリとにベルトを巻掛けるとともに、前
記駆動プーリが前記ベルトを挟み付ける推力もしくは前
記従動プーリが前記ベルトを挟み付ける推力を制御可能
なベルト式無段変速機のプーリ推力制御装置において、
前記ベルト式無段変速機に作用するトルクもしくは変速
比が変動しにくい状況を判定する動作状態判定手段と、
動作状態判定手段によって、前記トルクもしくは変速比
が変動しにくい状況が判定された場合に、前記推力を低
下させる推力低下手段と、前記推力を低下させることに
より、前記駆動プーリによる推力と前記従動プーリによ
る推力との比率の値を判定する推力比判定手段とを備え
ていることを特徴とするプーリ推力制御装置である。
【0010】したがって請求項1の発明では、駆動プー
リによる推力と従動プーリによる推力との比率の所定値
を判定するために、ベルトを挟み付ける推力が低下させ
られる。その場合、無段変速機に作用するトルクもしく
は変速比が変動しにくい状況が成立していることが予め
判定される。その結果、各プーリの推力が、トルクもし
くは変速比の変動に伴う変動を含まないので、推力比の
所定値を正確に判定でき、また、推力を低下させること
により無段変速機のトルク容量が低下しても、そのトル
ク容量を大きく上回るトルクが急激に入力したり、それ
に伴ってベルトの滑りが生じたりすることが、未然に回
避される。
【0011】また、請求項2の発明は、請求項1の発明
において、トルクの伝達方向で前記ベルト式無段変速機
と直列に連結された、トルク容量の可変なクラッチ機構
と、前記推力低下手段によって前記推力を低下させた場
合に、前記クラッチ機構のトルク容量を低下させるクラ
ッチ制御手段とを更に備えていることを特徴とするプー
リ推力制御装置である。
【0012】したがって請求項2の発明では、請求項1
の発明による作用と同様の作用が生じ、これに加えて、
推力比の所定値を判定するために推力を低下させた状態
で、無段変速機の入力側もしくは出力側から大きくトル
クが作用した場合、無段変速機と直列に配列しているク
ラッチ機構のトルク容量が低下していることにより、そ
のクラッチ機構で滑りが生じる。そのクラッチ機構に滑
りが生じると、無段変速機に作用するトルクが、滑りの
生じているクラッチ機構でのトルク容量に応じたトルク
に制限されるので、無段変速機のベルトの滑りが回避さ
れる。
【0013】さらに、請求項3の発明は、駆動プーリと
従動プーリとにベルトを巻掛けるとともに、前記駆動プ
ーリが前記ベルトを挟み付ける推力もしくは前記従動プ
ーリが前記ベルトを挟み付ける推力を制御可能なベルト
式無段変速機のプーリ推力制御装置において、前記ベル
ト式無段変速機に作用するトルクの変動が所定値以内で
あることを判定する第1の判定手段と、前記ベルト式無
段変速機の変速比の変動が所定値以内であることを判定
する第2の判定手段と、前記トルクの変動が所定値以内
であることおよび変速比の変動が所定値以内であること
の少なくともいずれか一方が判定された場合に、前記推
力を低下させる推力低下手段と、前記推力を低下させる
ことにより、前記駆動プーリによる推力と前記従動プー
リによる推力との比率のピークもしくはそのピークに基
づく所定値を判定する推力比判定手段とを備えているこ
とを特徴とするプーリ推力制御装置である。
【0014】したがって請求項3の発明では、無段変速
機に作用するトルクもしくは変速比の変動が所定値以内
であることが判定された場合に、駆動プーリによる推力
と従動プーリによる推力との比率のピークもしくはピー
クに基づく所定値を判定するために、ベルトを挟み付け
る推力が低下させられる。その結果、各プーリの推力
が、トルクもしくは変速比の変動に伴う変動の影響を大
きくは受けていないので、推力比のピークもしくは所定
値を正確に判定でき、また、推力を低下させることによ
り無段変速機のトルク容量が低下しても、そのトルク容
量を大きく上回るトルクが急激に入力したり、それに伴
ってベルトの滑りが生じたりすることが、未然に回避さ
れる。
【0015】
【発明の実施の形態】つぎにこの発明を具体例に基づい
て説明する。先ず、この発明で対象とする無段変速機お
よびその制御系統について説明すると、図2は、車両に
搭載されているベルト式無段変速機1を模式的に示して
おり、この無段変速機1は、前後進切換機構2を介して
動力源3に連結されている。
【0016】その動力源3は、内燃機関、あるいは内燃
機関と電動機、もしくは電動機などによって構成され、
要は、走行のための動力を発生する駆動部材である。な
お、以下の説明では、動力源3をエンジン3と記す。ま
た、前後進切換機構2は、エンジン3の回転方向が一方
向に限られていることに伴って採用されている機構であ
って、入力されたトルクをそのまま出力し、また反転し
て出力するように構成されている。
【0017】図2に示す例では、前後進切換機構2とし
てダブルピニオン型の遊星歯車機構が採用されている。
すなわち、サンギヤ4と同心円上にリングギヤ5が配置
され、これらのサンギヤ4とリングギヤ5との間に、サ
ンギヤ4に噛合したピニオンギヤ6とそのピニオンギヤ
6およびリングギヤ5に噛合した他のピニオンギヤ7と
が配置され、これらのピニオンギヤ6,7がキャリヤ8
によって自転かつ公転自在に保持されている。そして、
二つの回転要素(具体的にはサンギヤ4とキャリヤ8
と)を一体的に連結する前進用クラッチ9が設けられ、
またリングギヤ5を選択的に固定することにより、出力
されるトルクの方向を反転する後進用ブレーキ10が設
けられている。
【0018】無段変速機1は、従来知られているベルト
式無段変速機と同じ構成であって、互いに平行に配置さ
れた駆動プーリ11と従動プーリ12とのそれぞれが、
固定シーブと、油圧式のアクチュエータ13,14によ
って軸線方向に前後動させられる可動シーブとによって
構成されている。したがって各プーリ11,12の溝幅
が、可動シーブを軸線方向に移動させることにより変化
し、それに伴って各プーリ11,12に巻掛けたベルト
15の巻掛け半径(プーリ11,12の有効径)が連続
的に変化し、変速比が無段階に変化するようになってい
る。そして、上記の駆動プーリ11が前後進切換機構2
における出力要素であるキャリヤ8に連結されている。
【0019】なお、従動プーリ12における油圧アクチ
ュエータ14には、無段変速機1に入力されるトルクに
応じた油圧(例えば、ライン圧あるいはその補正した油
圧)が、図示しない油圧ポンプおよび油圧制御装置を介
して供給されている。したがって、従動プーリ12にお
ける各シーブがベルト15を挟み付けることにより、ベ
ルト15に張力が付与され、各プーリ11,12とベル
ト15との挟圧力(接触圧力)が確保されるようになっ
ている。言い換えれば、挟圧力に応じたトルク容量が設
定される。これに対して駆動プーリ11における油圧ア
クチュエータ13には、設定するべき変速比に応じた圧
油が供給され、目標とする変速比に応じた溝幅(有効
径)に設定するようになっている。
【0020】より具体的に説明すると、エンジントルク
やエンジン回転数あるいは変速比に基づいて挟圧力が決
定され、その挟圧力を達成するように従動プーリ12側
の推力すなわち可動シーブを軸線方向に押圧する油圧が
設定される。一方、駆動プーリ11側のアクチュエータ
13に供給する圧油は、無段変速機1の入力回転数が目
標回転数となるようにフィードバック制御されている。
したがって従動プーリ12の推力が変更されると、それ
にバランスして入力回転数(すなわち変速比)を維持す
るために、駆動プーリ11の推力が変更される。
【0021】無段変速機1の出力部材である従動プーリ
12に、この発明のクラッチ機構に相当する発進クラッ
チ16が連結され、この発進クラッチ16を介して従動
プーリ12がギヤ対17およびディファレンシャル18
に連結され、さらにそのディファレンシャル18が左右
の駆動輪19に連結されている。この発進クラッチ16
は、無段変速機1と駆動輪19とを選択的に連結および
遮断するためのものであって、一例として油圧によって
トルク容量が連続的に変化させられる摩擦式のクラッチ
が採用されている。
【0022】上記の無段変速機1およびエンジン3を搭
載した車両の動作状態(走行状態)を検出するために各
種のセンサーが設けられている。すなわち、エンジン3
の回転数を検出して信号を出力するエンジン回転数セン
サー20、駆動プーリ11の回転数を検出して信号を出
力する入力回転数センサー21、従動プーリ12の回転
数を検出して信号を出力する出力回転数センサー22、
駆動輪の回転数を検出して信号を出力する車輪回転数セ
ンサー23が設けられている。また、特には図示しない
が、アクセルペダルの踏み込み量を検出して信号を出力
するアクセル開度センサー、スロットルバルブの開度を
検出して信号を出力するスロットル開度センサー、ブレ
ーキペダルが踏み込まれた場合に信号を出力するブレー
キセンサーなどが設けられている。
【0023】上記の前進用クラッチ9および後進用ブレ
ーキ10の係合・解放の制御、および前記ベルト15の
挟圧力の制御、ならびに発進クラッチ16の係合・解放
を含むトルク容量の制御、さらには変速比の制御をおこ
なうために、変速機用電子制御装置(CVT−ECU)
24が設けられている。この電子制御装置24は、一例
としてマイクロコンピュータを主体として構成され、入
力されたデータおよび予め記憶しているデータに基づい
て所定のプログラムに従って演算をおこない、前進や後
進あるいはニュートラルなどの各種の状態、および要求
される挟圧力の設定、ならびに変速比の設定などの制御
を実行するように構成されている。
【0024】ここで、変速機用電子制御装置24に入力
されているデータあるいは信号の例を示すと、無段変速
機1の入力回転数(駆動プーリ11の回転数)Ninの信
号、無段変速機1の出力回転数(従動プーリ12の回転
数)No の信号が入力されている。また、上記の無段変
速機1は、パーキングレンジやリバースレンジ、ニュー
トラルレンジ、ドライブレンジなどの走行ポジションを
シフト装置25によって選択するように構成されてお
り、そのシフト装置25によって選択されたポジション
の信号が、変速機用電子制御装置24に入力されてい
る。
【0025】また、エンジン3を制御するエンジン用電
子制御装置26からは、エンジン回転数Ne の信号、エ
ンジン(E/G)負荷の信号、スロットル開度信号、ア
クセルペダル(図示せず)の踏み込み量であるアクセル
開度信号などが入力されている。さらに、車輪のロック
を回避するアンチロックブレーキシステムのための電子
制御装置(ABS−ECU)27からは、ブレーキ信
号、ABS作動信号、車輪回転速度信号などが入力され
ている。
【0026】上記のベルト式無段変速機1では、走行中
にベルト15の滑りが生じないように、各プーリ11,
12の推力が設定される。具体的には、アクセル開度も
しくはエンジントルクおよびエンジン回転数ならびに変
速比に基づいて従動プーリ12の推力が設定され、その
推力の下で所定の変速比を設定するように駆動プーリ1
1の推力が設定される。このようにして設定されるプー
リ推力は、定常状態および緩やかな加減速が生じる準定
常状態でベルト15の滑りが生じない範囲で可及的に小
さい推力に設定される。
【0027】そのための油圧制御は、予め求めたマップ
に基づいて実行されるが、そのマップは、推力比(=駆
動プーリ11での推力/従動プーリ12での推力)が、
ピークもしくはそのピークに基づいて決められた値など
の所定値となるように設定されている。なお、そのピー
クに基づいて決められた所定値とは、一例として、安全
率でみて推力比ピークから10%程度手前までの値であ
り、また推力比の値度見た場合には推力比ピークより5
%程度まで低い範囲の値である。これは、推力比ピーク
の近傍で、動力の伝達効率が最大になり、また推力比が
ピークより小さくなるようにプーリ推力を低下させる
と、ベルト15の滑りが急激に生じやすくなるからであ
る。この点についての技術的説明は、本出願人による特
願2001−58513号の明細書に詳しく記載されて
いる。
【0028】推力比が前記所定値となる挟圧力すなわち
従動プーリ12側のアクチュエータ14に供給する油圧
は、無段変速機1の個体差や経時変化が原因で一定では
ない。そのために、この発明の制御装置は、無段変速機
1を実際に動作させて推力比の前記所定値を判定し、そ
の判定結果に基づいて、従動プーリ12による挟圧力マ
ップを補正する。そのための制御例を図1に示してあ
る。
【0029】この図1にフローチャートで示すルーチン
は、挟圧力マップを補正する判断が成立した場合、また
はその補正の指示がおこなわれた場合に、所定の短時間
毎に繰り返し実行される。また、各種のセンサーやアク
チュエータなどの制御ための機器にフェールが生じてい
ないことが確認されている場合に実行される。
【0030】先ず、ベルト15に滑りが生じているか否
かが判断される(ステップS1)。この「滑り」とは、
いわゆるマクロスリップであって、プーリ11,12に
巻き掛かっている箇所でのベルト15の延びやベルト1
5を構成している多数の金属片であるブロック同士の間
隔の詰まりなどによる不可避的な微少な滑り(いわゆる
ミクロスリップ)を超えた滑りである。このステップS
1で肯定的に判断された場合には、既に異常な状態が生
じているので、その状態で推力比の判定をおこなうこと
ができないので、その滑りに対応した制御が実行され
(ステップS2)、また挟圧力マップが補正される(ス
テップS3)。その後、リターンする。
【0031】その滑り対応制御とは、例えば従動プーリ
12側のアクチュエータ14に供給する油圧を高くする
いわゆる挟圧力アップの制御や、無段変速機1に入力さ
れるエンジントルクを低下させるトルク制御である。ま
た、ステップS1で判断されたベルト15の滑りが、定
常状態もしくは準定常状態で生じているのであれば、挟
圧力が基本的に低いことになるので、挟圧力を設定する
ために使用しているマップの値を全体的に高圧側に補正
する。これがステップS3での補正の内容の一例であ
る。なお、この場合、ベルト15の状態の検知中であれ
ば、正常な検知をおこなえないので、これを中止する。
【0032】一方、ステップS1で否定的に判断された
場合には、外乱が生じているか否かが判断される(ステ
ップS4)。前述したように、挟圧力あるいはプーリ推
力は、エンジントルクやエンジン回転数さらには変速比
などの車両の状態に基づいて設定され、その車両状態の
変化に対して不可避的な遅れをもって変化させられる。
言い換えれば、車両状態の変化の程度や速度が許容され
る範囲であれば、いわゆる準定常状態であってその変化
に追従して挟圧力が変化させられるが、許容範囲を超え
る変化が生じると、挟圧力が相対的に不足してベルト1
5の滑りが生じる可能性が高くなる。このような許容範
囲を超えた変化が生じる事態が外乱であり、例えば駆動
輪19がスリップもしくは空転した直後にグリップ力を
回復して無段変速機1の出力側から大きいトルクが入力
される状態や、ABSが作用して駆動輪19の制動と駆
動とが繰り返し生じる状態もしくは急制動される状態な
どである。
【0033】このような外乱の可能性があり、あるいは
実際に外乱が生じることによりステップS4で肯定的に
判断された場合には、外乱対応制御が実行される(ステ
ップS5)。これは、ベルト15の滑りを回避するため
の制御であり、具体的には挟圧力を高くし、これに替え
て、もしくはこれと併せてエンジントルクを低下させる
制御である。この場合、挟圧力が想定されていない事情
で変化させられるので、推力比のピークもしくはピーク
に基づいて定めた値などの所定値を判定するための挟圧
力の制御を実行できず、したがってステップS5の後、
リターンする。
【0034】これに対して外乱要因がないことによりス
テップS4で否定的に判断された場合には、挟圧力の検
知領域か否かが判断される(ステップS6)。各プーリ
11,12でベルト15を挟み付ける挟圧力は、基本的
には、エンジントルクやエンジン回転数さらには変速比
などの車両の状態に基づいて設定されるが、データの信
頼性の高い領域と低い領域とがあり、この発明の制御装
置では、そのデータの信頼性の高い領域を挟圧力検知領
域として設定してあり、ステップS6では車両の状態が
その領域に入っているか否かが判断される。なお、その
領域は、例えば車速もしくはエンジン回転数と、スロッ
トル開度もしくはエンジントルクとをパラメータとして
設定されている。
【0035】車両の走行状態が挟圧力検知領域にあって
挟圧力が車両の走行状態をより良く表している場合、す
なわちステップS6で肯定的に判断された場合には、エ
ンジン水温(E/G水温)および/または変速機油温
(CVT油温)が所定値以上でかつ安定しているか否か
が判断される(ステップS7)。エンジントルクが安定
していない暖気中での推力比についての判定(すなわち
状態検知)を避けるためである。また、暖気促進のため
に変速比を最小値以上の変速比に規制している場合に、
温度が上昇してその変速比の規制が解除されて変速が生
じ、これが状態検知の精度低下の要因になることを回避
するためである。
【0036】なお、温度の判断として異常高温を判断す
ることを追加してもよい。温度がある程度以上に高い状
態は何らかの異常が生じていると考えられるからであ
る。また、温度の安定状態は、前回の検出温度と今回の
検出温度の偏差が所定値以下であることをもって判断し
てもよく、あるいはその温度偏差が所定値を超える連続
回数が予め決めた回数を超えた場合に、温度が安定して
いないと判断してもよい。
【0037】温度に異常がないことによりステップS7
で肯定的に判断された場合には、定常走行状態か否かが
判断される(ステップS8)。定常走行状態とは、車速
およびスロットル開度(アクセル開度)が安定している
走行状態であり、したがって車速およびスロットル開度
(アクセル開度)の変化幅が、所定値未満であるか否か
によって判断することができる。このステップS8の判
断をおこなうのは、エンジントルクや回転数が安定して
いない状態では推力比のピークなどの所定値を正確に判
定することができないからである。
【0038】定常走行状態であることによりステップS
8で肯定的に判断された場合には変速中か否かが判断さ
れる(ステップS9)。変速中とは、変速の判断が成立
してからその変速が終了するまでの間、もしくは変速比
が目標値に達するまでの間である。変速中であれば、各
プーリ11,12の溝幅が変化していて、当然、それぞ
れの推力が安定していないから、このステップS9の判
断が実行される。なお、定常走行状態であるにもかかわ
らず変速が生じる走行状態としては、例えばシフトレン
ジがエンジンブレーキレンジにマニュアルシフトされた
場合を挙げることができる。
【0039】変速中ではないことによりステップS9で
否定的に判断された場合には、自車両の先方にコーナー
や悪路があるか否かが判断される(ステップS10)。
これは、自車両の位置を検出する機能と、地図情報と合
わせて道路情報を記憶している機能とを備えたナビゲー
ション装置(図示せず)を利用しておこなうことができ
る。この判断は、コーナーや悪路ではアクセルペダルを
戻すことによるトルクの減少やタイヤスリップなどで無
段変速機1に一時的に大きいトルクが作用することが考
えられるからである。
【0040】なお、コーナーなどの先方の道路情報は、
ナビゲーション装置が備えているDVDなどのROMの
情報以外に、データ通信によって外部から得た情報であ
ってもよい。また、無段変速機1に掛かるトルクが一時
的に増大する道路の状態は、コーナーや悪路に限られな
いのであって、窪みや段差、低μ路、落下物、障害物な
どによっても、無段変速機1に掛かるトルクが一時的に
増大してベルト15が滑ることがあるから、これらの道
路情報をも含めてステップS10で判断することとして
もよい。
【0041】ベルト15の滑りの原因となる道路情報が
ないことによりステップS10で否定的に判断された場
合には、追従走行中か否かが判断される(ステップS1
1)。追従走行とは、車両に搭載しているレーダなどの
車間距離センサによって前方車両との車間距離を検出
し、設定した車間距離を維持するように車速を制御する
走行モードである。このような走行モードでは、前方車
両の挙動によって急制動が生じることがあり、その場合
には、急激な制動力が外乱となって推力比についての判
定を正確におこなうことができなくなるので、このステ
ップS11の判断をおこなうこととしたのである。な
お、自車両の前方の状況の判断という意味では、上記の
ステップS10と同趣旨の判断である。
【0042】上述したステップS6ないしステップS1
1において、無段変速機1に作用するトルクが大きくは
変動しない状況であること、および/または変速比が大
きくは変動しない状況であることが判断され、ステップ
S11で肯定的な判断が成立すると、クラッチ油圧の低
下指令(ダウン指令)が出力される(ステップS1
2)。これは、無段変速機1における挟圧力を低下させ
るための予備的な制御であって、無段変速機1に対して
直列に配列されている発進クラッチ16のトルク容量を
低下させるための制御である。具体的には、発進クラッ
チ16に滑りが生じる直前の程度まで発進クラッチ16
の油圧を低下させる。
【0043】ついで、無段変速機1における挟圧力(従
動プーリ12の推力)を徐々に低下させる(ステップS
13)。従動プーリ12の推力を徐々に低下させると、
駆動プーリ11においては、変速比を維持するために、
その推力が徐々に低下する。なおここで、各プーリ1
1,12の推力とは、それぞれのアクチュエータ13,
14で発生する押圧力に基づいてベルト15を挟み付け
る力であり、より正確には、遠心力などの影響を考慮し
た力である。
【0044】ステップS13の制御は、推力比がピーク
を外れるように従動プーリ12の推力を大きくした状態
からその推力を低下させることにより実行される。した
がって当初は推力比が所定値の判定が成立しないので、
ステップS14で否定的に判断され、その結果、リター
ンする。推力を徐々に低下させると、いずれはステップ
S14で肯定的に判断される。ここで、所定値とは、前
述したように、推力比のピークもしくはそのピークに基
づいて定まる値である。その推力比が所定値になったこ
との判定および推力比が所定値になったことに基づく推
力制御値の決定は、各種の手法でおこなうことができ、
具体的には、前掲の特願2000−58513号の明細
書に記載されている手法を採用することができる。
【0045】なお、挟圧力は予め定めた下限値を超えて
低下させることができないので、挟圧力を下限値まで低
下させても推力比の所定値が判定されない場合には、そ
の下限値に到ったことをもってステップS14で肯定的
な判断が成立することとしてもよい。
【0046】ステップS14で肯定的に判断されると、
その時点の従動プーリ12の推力をもって、挟圧力マッ
プが補正される(ステップS15)。その補正に用いる
挟圧力値は、推力比の所定値に対応する挟圧力であって
もよいが、その挟圧力に外乱に対応するマージンを加え
た値であることが好ましく、その値がマップ値より小さ
ければ、マップを低圧側に補正し、また反対に前記の値
がマップ値より大きければ、マップを高圧側に補正す
る。
【0047】その後、挟圧力の復帰制御が実行される
(ステップS16)。この制御は、上述した推力比の所
定値を判定するために徐々に低下させた挟圧力を、その
時点のエンジントルクあるいはアクセル開度、および車
速や出力軸回転数もしくは車輪速となどの車両の走行状
態に応じた上記の補正された挟圧力に設定する制御であ
る。
【0048】また、これと併せて、クラッチ油圧の復帰
制御が実行される(ステップS17)。このクラッチ油
圧は、無段変速機1に対してトルクの伝達方向で直列に
配列されている発進クラッチ16の係合油圧であり、前
述したステップS12で低下させられた油圧を、その時
点の車両の走行状態に基づいて定まる油圧(具体的には
ライン圧もしくはその補正した油圧)に設定する制御で
ある。
【0049】したがって、推力比の所定値を判定するた
めに挟圧力を低下させている間は、無段変速機1に対し
て直列に配列されている発進クラッチ16のトルク容量
が低下させられる。そのため、挟圧力を低下させている
際に、何らかの異常で、無段変速機1に大きいトルクが
作用する事態が生じても、無段変速機1に先行して発進
クラッチ16に滑りが生じ、挟圧力を低下させている無
段変速機1にその挟圧力に基づくトルク容量を超える大
きいトルクが作用することが回避され、無段変速機1に
おける過剰な滑りやそれに起因する摩耗などの損傷ある
いは耐久性の低下が防止される。
【0050】他方、車両の動作状態が挟圧力の検知領域
にないことによりステップS6で否定的に判断された場
合には、挟圧力を復帰させる制御が実行され(ステップ
S18)、かつクラッチ油圧の復帰制御が実行される
(ステップS19)。すなわち、ステップS6で否定的
に判断された場合には、車両の走行状態(もしくは動作
状態)と、これに基づいて制御されるべき挟圧力との相
関関係が必ずしも密ではなくなり、車両の走行状態もし
くは動作状態に反映している挟圧力あるいは推力を得ら
れない可能性が高い。そのため、このような場合は、推
力比の所定値の判定のための制御を中止し、もしくは実
行しないようにしたのである。具体的には、推力比の所
定値を判定するための挟圧力の低減制御が実行されず、
あるいはその低減制御が中止され、これと併せて発進ク
ラッチ16の係合油圧を低下させる制御が実行されず、
あるいはその低下制御が中止される。
【0051】また、エンジン水温あるいは無段変速機1
の油温が所定値以下であったり、あるいは不安定であっ
たりしてステップS7で否定的に判断された場合には、
エンジン3や無段変速機1の動作が安定しておらず、ま
た温度の上昇によって変速が生じやすい状況にあるの
で、上記のステップS6で否定的に判断された場合と同
様に、ステップS18およびステップS19に進む。
【0052】さらに、定常走行状態でないことによりス
テップS8で否定的に判断された場合には、車速やアク
セル開度の変化などによって変速が生じやすい状況にあ
るから、推力比の所定値の判定の制御を禁止すべくステ
ップS18およびステップS19に進む。
【0053】ステップS9で肯定的に判断された場合に
は、同様の理由でステップS18およびステップS19
に進む。
【0054】これに対してステップS10あるいはステ
ップS11で肯定的に判断された場合には、道路の状態
もしくは車両の運行状態に起因して駆動輪19側から入
力されるトルクが急減に変化する可能性が高く、無段変
速機1に作用するトルクが変化しやすい状況にあるの
で、結局は、推力比の所定値の判定に適さない状況であ
ることによりステップS18およびステップS19に進
んで、推力比の所定値の判定のための制御が禁止もしく
は中止される。
【0055】上記の図1に示す制御を実行するこの発明
の制御装置によれば、変速比が変動しやすい状況および
トルクが変動しやすい状況ではないことが判断された場
合に限って、ベルト15の挟圧力を低下させることによ
る推力比の所定値を判定する制御を実行するので、正確
に推力比の所定値を判定することができるとともに、挟
圧力の低下によってベルト15が滑るなどの事態を未然
に回避することができる。また、上述したように、推力
比の所定値の判定をおこなう場合には、無段変速機1に
対して直列に配列されている発進クラッチ16の油圧を
低下させて、無段変速機1に先行して発進クラッチ16
に滑りが生じる状態を設定するので、何らかの原因で入
力側のトルクもしくは出力側のトルクが増大した場合で
あっても、無段変速機1におけるベルト15の滑りを回
避して、無段変速機1の損傷や耐久性の低下が防止され
る。
【0056】なおここで、上記の具体例とこの発明との
関係を説明すると、図1に示すステップS7ないしステ
ップS11の機能的手段が、請求項1の発明の動作状態
判定手段に相当し、ステップS13の機能的手段が、こ
の発明の推力低下手段に相当し、ステップS14の機能
的手段が、この発明の推力比判定手段に相当する。これ
に対して図1に示すステップS7ないしステップS9の
機能的手段が、請求項3の発明の第2の判定手段に相当
し、またステップS10およびステップS11の機能的
手段が、請求項3の発明の第1の判定手段に相当する。
そして、前述した発進クラッチ16がこの発明のクラッ
チ機構に相当し、そのトルク容量の制御を実行するため
のステップS12の機能的手段が、この発明のクラッチ
制御手段に相当する。
【0057】なお、この発明は上記の具体例に限定され
ない。したがってこの発明のクラッチ機構は、上述した
発進クラッチ以外に、動力源と無段変速機1との間に配
置可能な流体継手に内蔵された直結クラッチ(ロックア
ップクラッチ)であってもよい。また、第1の判定手段
は、要は、トルク変動が生じやすい状況を判定できれば
よいのであり、また第2の判定手段は、要は、変速比が
変動しやすい状況を判定できればよいのであり、したが
ってこれらの判定手段で判断される具体的なパラメータ
(物理量)は、上記の具体例で示したパラメータ以外の
ものであってもよい。また、この発明の動作状態判定手
段あるいは第1もしくは第2の判定手段は、トルクや変
速比の変動幅が予め定めた所定の値の範囲内であること
を判定する手段であってもよい。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、駆動プーリによる推力と従動プーリによる推力
との比率が、ピークもしくはピークに基づく値などの所
定値であることを判定するために、ベルトを挟み付ける
推力を低下させる場合、無段変速機に作用するトルクが
変動しにくい状況および変速比が変動しにくい状況が成
立していることを予め判定するので、各プーリの推力
が、トルクの変動や変速の影響を受けないことにより、
推力比の前記所定値を正確に判定でき、また、推力を低
下させることにより無段変速機のトルク容量が低下して
も、そのトルク容量を大きく上回るトルクが急激に入力
したり、それに伴ってベルトの滑りが生じたりすること
を未然に回避して無段変速機の損傷や耐久性の低下を防
止することができる。
【0059】また、請求項2の発明によれば、請求項1
の発明によると同等の効果に加えて、推力比の前記所定
値を判定するために推力を低下させた状態で、無段変速
機の入力側もしくは出力側から大きくトルクが作用した
場合、無段変速機と直列に配列しているクラッチ機構の
トルク容量が低下していることにより、そのクラッチ機
構で滑りが生じ、その結果、そのクラッチ機構に滑りが
生じると、無段変速機に作用するトルクが、滑りの生じ
ているクラッチ機構でのトルク容量に応じたトルクに制
限されるので、無段変速機のベルトの滑りやそれに伴う
無段変速機の損傷や耐久性の低下を回避することができ
る。
【0060】さらに、請求項3の発明によれば、各プー
リの推力が、トルクもしくは変速比の変動に伴う変動の
影響を大きくは受けていないので、推力比のピークもし
くは所定値を正確に判定でき、また、推力を低下させる
ことにより無段変速機のトルク容量が低下しても、その
トルク容量を大きく上回るトルクが急激に入力したり、
それに伴ってベルトの滑りが生じたりすることを、未然
に回避して無段変速機の損傷や耐久性の低下を防止する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の制御装置による制御の一例を説明
するためのフローチャートの一部を示す図である。
【図2】 この発明に係る無段変速機を搭載した車両の
駆動系統および制御系統を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1…無段変速機、 3…エンジン(動力源)、 11…
駆動プーリ、 12…従動プーリ、 13,14…アク
チュエータ、 15…ベルト、 16…発進クラッチ、
19…駆動輪、 24…変速機用電子制御装置(CV
T−ECU)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16H 63:06 F16H 63:06 (72)発明者 中脇 康則 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 西澤 博幸 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 山口 裕之 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 鈴木 秀之 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 大澤 正敬 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 Fターム(参考) 3J062 AA01 AB06 AB12 AB34 AC03 AC04 BA16 CG06 CG13 CG32 CG37 CG82 3J552 MA07 MA13 MA15 MA26 NA01 NB01 PA12 PA59 SA36 TB07 UA03 VA14Z VA34W VA39W VA74W

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動プーリと従動プーリとにベルトを巻
    掛けるとともに、前記駆動プーリが前記ベルトを挟み付
    ける推力もしくは前記従動プーリが前記ベルトを挟み付
    ける推力を制御可能なベルト式無段変速機のプーリ推力
    制御装置において、 前記ベルト式無段変速機に作用するトルクもしくは変速
    比が変動しにくい状況を判定する動作状態判定手段と、 動作状態判定手段によって、前記トルクもしくは変速比
    が変動しにくい状況が判定された場合に、前記推力を低
    下させる推力低下手段と、 前記推力を低下させることにより、前記駆動プーリによ
    る推力と前記従動プーリによる推力との比率の値を判定
    する推力比判定手段とを備えていることを特徴とするベ
    ルト式無段変速機のプーリ推力制御装置。
  2. 【請求項2】 トルクの伝達方向で前記ベルト式無段変
    速機と直列に連結されたトルク容量の可変なクラッチ機
    構と、 前記推力低下手段によって前記推力を低下させた場合
    に、前記クラッチ機構のトルク容量を低下させるクラッ
    チ制御手段とを更に備えていることを特徴とする請求項
    1に記載のベルト式無段変速機のプーリ推力制御装置。
  3. 【請求項3】 駆動プーリと従動プーリとにベルトを巻
    掛けるとともに、前記駆動プーリが前記ベルトを挟み付
    ける推力もしくは前記従動プーリが前記ベルトを挟み付
    ける推力を制御可能なベルト式無段変速機のプーリ推力
    制御装置において、 前記ベルト式無段変速機に作用するトルクの変動が所定
    値以内であることを判定する第1の判定手段と、 前記ベルト式無段変速機の変速比の変動が所定値以内で
    あることを判定する第2の判定手段と、 前記トルクの変動が所定値以内であることおよび変速比
    の変動が所定値以内であることの少なくともいずれか一
    方が判定された場合に、前記推力を低下させる推力低下
    手段と、 前記推力を低下させることにより、前記駆動プーリによ
    る推力と前記従動プーリによる推力との比率のピークも
    しくはそのピークに基づく所定値を判定する推力比判定
    手段とを備えていることを特徴とするベルト式無段変速
    機のプーリ推力制御装置。
JP2001236623A 2001-08-03 2001-08-03 ベルト式無段変速機のプーリ推力制御装置 Pending JP2003049934A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001236623A JP2003049934A (ja) 2001-08-03 2001-08-03 ベルト式無段変速機のプーリ推力制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001236623A JP2003049934A (ja) 2001-08-03 2001-08-03 ベルト式無段変速機のプーリ推力制御装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003049934A true JP2003049934A (ja) 2003-02-21

Family

ID=19067850

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001236623A Pending JP2003049934A (ja) 2001-08-03 2001-08-03 ベルト式無段変速機のプーリ推力制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003049934A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7666110B2 (en) 2003-03-26 2010-02-23 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Control system for power transmission mechanism
WO2016013237A1 (ja) * 2014-07-25 2016-01-28 ジヤトコ株式会社 無段変速機およびその制御方法

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62173340A (ja) * 1986-01-23 1987-07-30 Toyota Central Res & Dev Lab Inc 無段変速機のライン圧制御装置
JPH0238724A (ja) * 1988-07-29 1990-02-08 Mitsubishi Motors Corp 自動車用無段変速機の動力伝達装置
JPH04228966A (ja) * 1990-04-12 1992-08-18 Van Doornes Transmissie Bv 電子制御式連続可変トランスミッション
JPH0550615B2 (ja) * 1985-11-22 1993-07-29 Fuji Heavy Ind Ltd
JPH102390A (ja) * 1996-06-18 1998-01-06 Toyota Motor Corp ベルト式無段変速機付車両の制御装置
JP2000193081A (ja) * 1998-12-28 2000-07-14 Toyota Motor Corp 無段変速装置
WO2000076799A1 (de) * 1999-06-12 2000-12-21 Robert Bosch Gmbh System zur einstellung der spannung des umschlingungsteils eines umschlingungsgetriebes

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0550615B2 (ja) * 1985-11-22 1993-07-29 Fuji Heavy Ind Ltd
JPS62173340A (ja) * 1986-01-23 1987-07-30 Toyota Central Res & Dev Lab Inc 無段変速機のライン圧制御装置
JPH0238724A (ja) * 1988-07-29 1990-02-08 Mitsubishi Motors Corp 自動車用無段変速機の動力伝達装置
JPH04228966A (ja) * 1990-04-12 1992-08-18 Van Doornes Transmissie Bv 電子制御式連続可変トランスミッション
JPH102390A (ja) * 1996-06-18 1998-01-06 Toyota Motor Corp ベルト式無段変速機付車両の制御装置
JP2000193081A (ja) * 1998-12-28 2000-07-14 Toyota Motor Corp 無段変速装置
WO2000076799A1 (de) * 1999-06-12 2000-12-21 Robert Bosch Gmbh System zur einstellung der spannung des umschlingungsteils eines umschlingungsgetriebes
JP2003502586A (ja) * 1999-06-12 2003-01-21 ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング ベルト式トランスミッションのベルト部の張力を調整するシステム

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7666110B2 (en) 2003-03-26 2010-02-23 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Control system for power transmission mechanism
WO2016013237A1 (ja) * 2014-07-25 2016-01-28 ジヤトコ株式会社 無段変速機およびその制御方法
JPWO2016013237A1 (ja) * 2014-07-25 2017-04-27 ジヤトコ株式会社 無段変速機およびその制御方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3910122B2 (ja) 車両用変速システムのエンジン出力トルク制御装置
JP3788192B2 (ja) 無段変速機の変速制御装置
JP4395137B2 (ja) 車両のトルク制御装置
JP3730204B2 (ja) ベルト式無段変速機のベルト滑り防止システム
JP2003120804A (ja) 無段変速機を含む駆動機構の制御装置
JP3856309B2 (ja) 車両用変速システムのエンジン出力制御装置
JP2005030511A (ja) 無段変速機を備えた車両の制御装置
JP4576821B2 (ja) 車両用ロックアップクラッチの制御装置
JP2003049934A (ja) ベルト式無段変速機のプーリ推力制御装置
JP6327369B2 (ja) 自動変速機の制御装置
JP4418436B2 (ja) 車両用ベルト式無段変速システムの油圧制御装置
JP3821764B2 (ja) ベルト式無段変速機のベルト滑り防止システム
JP2003042276A (ja) 無段変速機を備えた車両の制御装置
JP4779414B2 (ja) 発進摩擦要素の締結力制御装置
JP2009257364A (ja) 車両の制御装置および制御方法
JP4645119B2 (ja) 無段変速機の制御装置
JP2003042275A (ja) 無段変速機の制御装置
JP2005083435A (ja) 車両用路面状態判定装置
JP2003262267A (ja) 無段変速機構の挟圧力制御装置
JP4586506B2 (ja) 無段変速機の制御装置
JP4284978B2 (ja) 無段変速機の制御装置
JP4085641B2 (ja) 無段変速機を含む駆動機構の制御装置
JP4339565B2 (ja) 無段変速機の変速制御装置
JP2004138199A (ja) 無段変速機の制御装置
JP4474832B2 (ja) 無段変速機の制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080421

A977 Report on retrieval

Effective date: 20100603

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100608

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100729

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110201

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20111004