JP2003048745A - ガラス溶解塊を高温成形するための装置および方法 - Google Patents
ガラス溶解塊を高温成形するための装置および方法Info
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Abstract
たりしないようにしながら、融解されたガラス溶解塊を
多孔質の鋳型パッド上に蓄え、高温成形を行なうことが
できる方法および装置を提供する。 【解決手段】 本発明は、ガスベッドを介在させて鋳型
パッド上で融解したガラス溶解塊を高温成形する以下の
ような工程を有する方法に関するものである。すなわ
ち、このような方法は、本発明により、開口した多孔質
の鋳型材料からなる鋳型パッドを形成し、前記鋳型パッ
ドの保持面をガラス接触材料によって恒常的にコーティ
ングし、このようなコーティングの材料を選択したり、
ないしはコーティングを形成することで、このコーティ
ング層の塗布後、この層の上側と下側の間でガスが通っ
て互いに行き来できる開口した細孔を有するようにし、
前記層の上側にガスベッドが形成されるように前記鋳型
パッドにガスを付与する工程を有するものである。
Description
溶解塊を蓄えて高温成形を行なうための方法ならびに装
置に関する。
る貯蔵は、導入されて久しい技術である。これは、ガラ
ス溶解塊がガスベッド上に置かれて、これにより、温度
が調整され、かつそれに伴って、こうして製造されたガ
ラス製品の均一性ならびに表面品質に関して技術的なメ
リットがもたらされるというものである。
つの方法が存在している。
加工処理中の温度で蒸発可能な液体、大抵は水、といっ
た液体が充填される。発生するガスのクッションによっ
て、ガラス溶解塊と鋳型との間の直接的な接触が防止さ
れる。この方法における欠点は、蒸発可能な液体が、作
業工程の後、その都度新たに塗布されなければならない
ということであり、これにより、連続的な作業方法が制
限されてしまう。さらに、こういった蒸気のクッション
の形成は、時間に依存しており、その結果、熱収支が不
均一となって、処理の安定性が損なわれる。
続的にガスが貫流し、それに伴い、ガラス表面と鋳型の
材料との間の接触を阻止する時間的に安定なガスベッド
が形成される。問題となるのは、まさにガラス溶解塊が
鋳型に入れられる瞬間だけで、多くは自由落下において
起きるものである。この場合、落下のはずみによって短
時間接触して、それに伴い、時としてガラス溶解塊が鋳
型の材料に付着したり、貼り付いたりすることが起こ
る。迅速に製作する連続的な工程においては、しかし、
こういった時折起こる付着でさえも大きな問題である。
というのも、 a)それによって発生する劣化した表面性状のために歩
留まりが低下するという結果になり、 b)鋳型の損耗が著しくなり、 c)処理が不安定になる ためである。
合には、それによって引き起こされる圧力低下から、比
較的高い供給ガス圧力を用いて作業がなされなけばなら
ず、これが比較的高い運転コストに結びついている。し
かも、鋳型に働く圧力負荷が比較的高くなるために、根
本的に鋳型が破壊される恐れが存在している。その一方
で、できるだけ安定なガスのフィルムを均一に形成する
ためには、或る一定の最低限の差圧が必要条件であるこ
とが知られており、これが最も経済的に達成できるの
は、ガス透過率に関して比較的低い値を有しているが、
その表面にわたってできるだけ均一に細孔が分布してい
るような鋳型パッドを用いる場合なのである。
パッドの保持表面との間の付着を避けるために、すでに
様々な方法がとられてきた。
らなる鋳型は、熱いガラスおよび鋳型の間における直接
的な接触の際に付着したり貼り付いて接着したりする傾
向を持たないが、このような鋳型は非常に高価なため、
大抵の場合、方法全体が非経済なものになってしまう。
金属ないしその合金もすでに用いられたが、これらの材
料は、高温のゆえにガラスの中に入ってしまう恐れのあ
るスケール粒子を形成する傾向がある。しかも、酸化物
の形成により多孔質構造が変化してしまう可能性もあ
る。その上、酸化防止表面を有する金属からなる鋳型パ
ッドを用いれば、ガラス溶解塊が付着したり貼り付いた
りしやすくなってしまう。こういった理由から、貴金属
でない金属や、あるいはその合金は、多孔質の鋳型材料
には適していない。
ガラス溶解塊の付着や接着の傾向は確かに無い。このた
め、グラファイトもまたよく使用されている。
する高い腐食傾向を有しており、適用できる温度が著し
く制限されている。
たセラミックは、その高い耐熱性能から見て、確かに用
いられてもよいかもしれないが、この場合には、ガラス
溶解塊が比較的低い温度ですでに付着したり接着したり
するようになってしまう。
塊が鋳型パッドの保持面に付着したり接着したりしない
ようにしながら、ガスベッド貯蔵によって、この融解さ
れたガラス溶解塊を多孔質の鋳型パッド上に置き、高温
成形を行なうことができる方法および装置を提供するこ
とを目的とする。こういった方法および装置は、コスト
が抑えられるものでなければならない。特に、鋳型パッ
ドは、容易に、しかも低コストで製造可能とされ、長持
ちして、長期にわたって頻繁に用いられることができる
ものでなければならない。
求項に記載の特徴部分によって解決される。
型パッドを用いる良く知られた高温成形のための方法を
基にしている。このパッドは、ガスが貫流可能とされた
オープンセルである開口した複数の細孔を有し、前記ガ
スが、その側においてこの鋳型パッドの保持面で外に出
て、そこで一種のガスベッドを形成する。本発明によ
り、ガラス溶解塊に臨む前記鋳型パッドの保持面は、或
る材料によってコーティングされ、これにより、特にコ
ーティング材料の熱的および化学的な耐性といった自身
の特性によって、安定した処理工程が保証される。この
コーティング層は、特に、それ自身がガラス溶融塊に付
着したり接着したりしないような付着防止手段に用いら
れる。これにより、鋳型パッドを他のあらゆる材料から
製造することができて、その際、鋳型パッドの材料がひ
っついたり、へばりついたりする傾向を持つかどうかを
気にしなくてよいといった利点が得られる。また、例え
ば貴金属でない金属といった比較的安い材料を用いるこ
とができる。
数の細孔を介して通り抜けるガスが、該層をも介して通
り抜けることができるように形成され、及び/又は、選
択される。これを実現するために、本発明により様々な
方法をとることが可能となる。それによれば、それ自身
或る多孔性を有するような層材料を用いることができ
る。これにより、多孔質の層材料は、それを透過して貫
流する可能性が塗布された状態ですでに確保されている
ために、さらに厚さを厚くして鋳型パッドの保持面上に
塗布できる。このとき、細孔が塗布時においてはじめて
形成されるような材料が重要である。
金属合金からなる層をさらに塗布することもできる。こ
れにより、付着したり、接着したりする問題が無くな
り、鋳型の材料の耐久性が著しく改善される。ここで、
貴金属のコーティングは、適した方法を用いて、鋳型材
料の細孔の構造(多孔率、ならびに細孔の大きさの分
布)が維持されるように薄く塗布される。この鋳型材料
に対して適した細孔構造は、細孔体積が5〜20体積%
で、細孔直径に対するd50値が2〜100μmである。
は、鋳型材料の非対称な細孔構造が形成される。すなわ
ち、鋳型材料のガラス溶解塊に臨む側は、その下層側に
位置して安定性を維持する比較的粗い細孔構造に比べ
て、かなり細かい(例えば、d50値がファクター2程小
さい、つまり半分程度の大きさの)細孔寸法を有してい
る。ガラスが接触する側の細孔の直径は、このとき、使
用条件に応じて、0.5〜50μm(d50値)の範囲に
ある。このような構成により三つの利点が得られる。す
なわち、 1.ガラス溶解塊に臨む側の比較的細かい細孔構造によ
って、時折ガラスが接触したとしても、はるかに、より
小さい機械的な表面の傷しかつかない。 2.細かい多孔質の層は、安定性に対して一切寄与しな
い。この安定性を、細孔の大きさが大きい粗い多孔質の
層が担うのである。細かい多孔質の層の厚さが薄いた
め、通り抜ける流れに対する鋳型の抵抗は、しかし、一
貫して細かい多孔質材料から成る鋳型に比べるとかなり
低められ、これにより、目に見えて、浮上ガスの圧力損
失が低下し、したがって処理に対する支障(例えば鋳型
の破壊等)の来たし易さが小さくなり、しかも、ランニ
ングコストが減少する。 3.細かい多孔質の層を介したガスの分布は、比較でき
る多孔率で、より粗い細孔構造の場合に比べると、より
均一である。このことは、この方法で製造されるガラス
製品の表面性状の改善に寄与する。
料は、粗い構造および細かい構造が同じ化学的組成(セ
ラミック−セラミック、又は、貴金属−貴金属)を有す
るか、あるいは異なる化学的組成(好ましくは、粗い多
孔質のセラミック上、ないし、粗い多孔質の貴金属でな
い合金鋼等の金属上における細かい多孔質の貴金属層)
を有するかによって互いに区別することができる。
的によく使用される方法、つまり、スパッタリング、吹
き付け(スプレー)、浸漬(ディップコーティング)、
あるいは溶液ないしサスペンションからの析出といった
方法を用いて、粗い多孔質の基層の上に形成される。
れる方法(例えば、スプレー法を用いたり、あるいは、
ぴったり合う形状を有した異なる多孔率の予め用意され
た二つの鋳型体を一体焼結する方法を用いる)によって
作製することができる。ただ、細かい多孔質層の厚さ
が、非対称構造の全体の厚さの20%を超えないことが
肝心である。このような細かい多孔質の層の上に、−こ
の層がセラミックないしは貴金属でない金属から成るの
であれば−、さらに、多孔性を有する貴金属からなるコ
ーティング層が、付着性を低下させるために塗布され
る。
も、層の細孔は、例えば、設備の運転開始前、つまり、
ガラス溶解塊が入れられる前のガス出し等によって、層
が鋳型パッドの保持面上に塗布されてから初めて形成さ
れてもよい。この場合、ガスは、鋳型パッドの細孔から
噴出し、この細いガスジェット流のエネルギーによっ
て、層が硬化する間持続的に、それに見合った細い穴が
層内に形成され、これにより、層の表面とガラス溶解塊
との間にガスベッドが形成されることができるようにな
る。
く層の材料もまた、処理工程に対するその他のあらゆる
条件を満たさなければならない。とりわけ、これらの材
料には、耐熱性がなければならない。
に本発明による装置を用いて、溶融状態にあるガラス溶
解塊に、接触させないようにして高温成形を施すことが
できる。これにより、連続的、かつ安価に、炎によって
磨かれた表面を持つガラス半製品を製造することが可能
となる。このとき、ガラス半製品の形は、最終的な形に
近いものとなる。上記の方法および装置は、特に光学レ
ンズに適しているのはもちろんだが、平らな本体を有す
るものにも適している。鋳型パッドとガラス溶解塊との
間が直に接触する事態が確実に回避されるため、ガラス
表面は全く無傷である。溶融したガラスを鋳型パッドに
満たすとき等に、時折、鋳型とガラス溶解塊との間が接
触することがあるとしても、このときに製品の品質や鋳
型パッドの寿命に何ら深刻な影響は生じない。
(独:Mikroporositaet, 英:microporosity )を有す
るように装置を構成することが好ましい。
〜20体積%、特に4〜15体積%の値を有しているこ
とである。
材料が耐熱材料とされていることである。
がNiCrAl ないし FeCrAl の合金のグループから生成さ
れていることである。
に対する十分な耐久性を有している限り、基本的に全て
のセラミックおよび耐熱性金属が適している。鋳型材料
は、そのコーティングの前に、よく用いられている方法
(然るべき粉末の圧縮ならびに成形の後に焼結を行い、
必要とあらば後処理を施す)によって、多孔質の鋳型に
作られる。
にコージエライトおよび炭化ケイ素が適している。耐熱
性金属のグループの中では、温度に対するその高い安定
性から、特にNiCrAl 合金、ないし FeCrAl の合金をと
りわけ好適に使用することができる。
Claims (15)
- 【請求項1】 ガスベッドを介在させて鋳型パッド上で
融解したガラス溶解塊を高温成形する方法において、 開口した多孔質の鋳型材料からなる鋳型パッドを形成
し、 前記鋳型パッドの保持面をガラス接触材料によって恒常
的にコーティングし、 このようなコーティングの材料を選択したり、ないしは
コーティングを形成することで、このコーティング層の
塗布後、この層の上側と下側の間でガスが通って互いに
行き来できる開口した細孔を有するようにし、 前記層の上側にガスベッドが形成されるように前記鋳型
パッドにガスを付与する、 工程を有していることを特徴とする方法。 - 【請求項2】 請求項1に記載の方法において、 前記鋳型パッドの細孔の構造が維持されるように、前記
層を薄い厚さで塗布することを特徴とする方法。 - 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の方法に
おいて、 前記層を、スパッタリング、スプレー、ディップコーテ
ィング、または溶液ないしサスペンションからの析出に
よって前記鋳型パッド上に形成することを特徴とする方
法。 - 【請求項4】 ガスベッド上で融解したガラス溶解塊を
高温成形するための装置において、 開口した多孔質の鋳型材料からなるパッドを有し、 前記鋳型パッドの保持面は、前記ガラス溶解塊に対する
付着ないし接着を防止するガラス接触材料によってコー
ティングされ、 前記コーティングの層は、同様に開口した多孔質のもの
とされ、 前記鋳型パッドの前記ガラス溶解塊に臨む側には、前記
鋳型パッドの細孔ならびに前記層の細孔を通り抜けるガ
スをもたらすためのガス接続部が設けられていることを
特徴とする装置。 - 【請求項5】 請求項4に記載の装置において、 前記層は、0.5〜50μmの範囲の厚さを有している
ことを特徴とする装置。 - 【請求項6】 請求項4または請求項5に記載の装置に
おいて、 前記鋳型パッド及び/又は層の前記細孔は、2〜100
μmの細孔直径を有していることを特徴とする装置。 - 【請求項7】 請求項4から請求項6のいずれか1項に
記載の装置において、 前記鋳型パッド及び/又は層の前記細孔は、5〜40体
積%の細孔体積を有していることを特徴とする装置。 - 【請求項8】 請求項4から請求項7のいずれか1項に
記載の装置において、 前記鋳型パッドの前記細孔は、前記ガラス溶解塊に背い
た側の部分におけるよりも、前記ガラス溶解塊に臨む側
の部分において、より小形とされていることを特徴とす
る装置。 - 【請求項9】 請求項4から請求項8のいずれか1項に
記載の装置において、 前記鋳型パッドは、異なる細孔の大きさの複数の層から
構成されていることを特徴とする装置。 - 【請求項10】 請求項4から請求項9のいずれか1項
に記載の装置において、 前記鋳型パッドは、金属、貴金属、これらの金属からな
る合金、またはセラミックから成るか、あるいは、これ
らの材料による層から成ることを特徴とする装置。 - 【請求項11】 請求項4から請求項10のいずれか1
項に記載の装置において、 前記層は、元素の周期表の1族あるいは8族の貴金属か
ら成るか、あるいは、これらの元素が任意に混ざり合っ
た合金から成ることを特徴とする装置。 - 【請求項12】 請求項4から請求項10のいずれか1
項に記載の装置において、 前記層は、前記鋳型パッドよりもより細かい多孔性を有
していることを特徴とする装置。 - 【請求項13】 請求項4から請求項12のいずれか1
項に記載の装置において、 前記層は、0.1〜20体積%、好ましくは4〜15体
積%のミクロ多孔率を有していることを特徴とする装
置。 - 【請求項14】 請求項4から請求項13のいずれか1
項に記載の装置において、 前記開口した多孔質の鋳型材料は、耐熱性材料とされて
いることを特徴とする装置。 - 【請求項15】 請求項14に記載の装置において、 前記多孔質の耐熱性材料は、NiCrAl ないし FeCrAl の
合金のグループから生成されていることを特徴とする装
置。
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