JP2003048591A - 自動二輪車の排気装置 - Google Patents

自動二輪車の排気装置

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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 前方に前シリンダ24を配置し後方に後
シリンダを配置した状態で車体11略中央に搭載したV
型のエンジン17と、このエンジン17下部を覆うロア
ーカウル33と、車体11下部後方を覆うリヤカウル3
4とを有するとともに、ロアーカウル34内に第1の消
音器63を配置し、リヤカウル34内に第2の消音器7
3を配置した自動二輪車10であって、エンジン17の
前シリンダ24に連結する前排気管62をロアーカウル
62内で円弧状に巻いた後に第1の消音器63に連結
し、エンジン17の後シリンダ25に連結する後排気管
72をリヤカウル34内で円弧状に巻いた後に第2の消
音器73に連結した。 【効果】 最適な排気管の長さを確保することができ
る。この結果、排気ガスの圧力干渉を防ぐとともに、排
気効率の向上を図ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、車体略中央にV型
エンジン搭載し、このエンジン下部をロアーカウルで覆
い、車体下部後方をリヤカウルで覆った自動二輪車の排
気装置に関する。 【0002】 【従来の技術】自動二輪車の排気装置として、例えば
実用新案登録第2513425号公報「自動二輪車にお
ける排気系の冷却装置」や実公昭63−6417号公
報「エンジンの排気装置」が知られている。上記は、
同公報の第2図及び第3図によれば、リヤカウルCrの
左右に膨出部3,3を形成し、これらの膨出部3,3の
前方にそれぞれエア流入口5,5を形成し、膨出部3,
3の後方にそれぞれエア排出口6,6を形成し、膨出部
3,3にそれぞれ排気系Exのマフラ1,1を収納し、
エア排出口6,6から排気系Exのテールパイプ2,2
を臨ませたものである。 【0003】上記は、同公報の第1図及び第2図によ
れば、シリンダー8にエキゾーストパイプ14の一端を
接続し、このエキゾーストパイプ14の他端にエキゾー
ストチャンバー15及びサイレンサ16をこの順で接続
した排気装置13であって、これらのエキゾーストパイ
プ14、キゾーストチャンバー15及びサイレンサ16
をエンジン6のクランクケースの下面に沿わすように、
且つ円弧状に一巻きさせたものである。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかし、上記自動二
輪車における排気系の冷却装置では、リヤカウルCrの
左右に膨出部3,3を形成し、これらの膨出部3,3に
それぞれ排気系Exのマフラ1,1を収納することで、
自動二輪車のデザインの向上を図ることはできるもの
の、排気系Exの長さ(例えば、エキゾーストパイプの
長さ)をもっと長くしたい場合がある。また、上記の
エンジンの排気装置では、エキゾーストパイプ14、エ
キスパンションチャンバー15及びサイレンサー16を
円弧状に一巻きさせたので、排気系の長さは十分に長く
できるものの、エゾーストパイプ14、エキスパンショ
ンチャンバー15及びサイレンサー16が露出している
ので、デザイン的に好ましくない場合がある。また、自
動二輪車の空気抵抗が増大することもある。 【0005】そこで、本発明の目的は、最適な排気装置
の長さを得ることができるとともに、良好な整流効果を
得ることのできる自動二輪車の排気装置を提供すること
にある。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1の自動二輪車の排気装置は、前方に前シリン
ダを配置し後方に後シリンダを配置した状態で車体略中
央に搭載したV型エンジンと、このエンジン下部を覆う
ロアーカウルと、車体下部後方を覆うリヤカウルとを有
するとともに、ロアーカウル内に第1の消音器を配置
し、リヤカウル内に第2の消音器を配置した自動二輪車
であって、エンジンの前シリンダに連結する排気管をロ
アーカウル内で円弧状に巻いた後に第1の消音器に連結
し、エンジンの後シリンダに連結する排気管をリヤカウ
ル内で円弧状に巻いた後に第2の消音器に連結したこと
を特徴とする。 【0007】エンジンの前シリンダに連結する排気管を
ロアーカウルで円弧状に巻いた後に第1の消音器に連結
し、エンジンの後シリンダに連結する排気管をリヤカウ
ル内で円弧状に巻いた後に第2の消音器に連結すること
で、最適な排気管の長さを確保する。 【0008】ロアーカウル内に第1の消音器を配置する
ことで、第1の消音器をロアーカウルで覆うことがで
き、リヤカウル内に第2の消音器を配置することで、第
2の消音器をリヤカウルで覆うことができるので、精悍
な自動二輪車のデザインの実現を図ることができる。ロ
アーカウル内に第1の消音器を配置し、リヤカウル内に
第2の消音器を配置することで、自動二輪車の空気抵抗
を低減させる。 【0009】 【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を添付図に基
づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見る
ものとする。図1は本発明に係る排気装置を搭載した自
動二輪車の側面図であり、自動二輪車10は、車体フレ
ーム12の前部にフロントフォーク13を介して取付け
た前輪14と、車体フレーム12の後部にスイングアー
ム16を介して取付けた後輪15と、車体フレーム12
の長手中央下部に取付けたエンジン17と、車体フレー
ム12の長手中央上部に取付けたエアクリーナ19、燃
料タンク21並びにシート22とを備え、車体11をカ
ウリング30で覆ったフルカウル式の自動二輪車であ
る。 【0010】エンジン17は、前方に前シリンダ24を
位置させ、後方に後シリンダ25を位置させた状態で車
体11の略中央に搭載したものであり、前シリンダ24
は3気筒を有し、後シリンダ25は2気筒を有するV型
エンジンである。26はエンジン17のクランク軸であ
り、エンジン17は車体フレーム12に横置きに搭載し
たことを示す。また、本発明に係る自動二輪車の排気装
置60(以下、「排気装置60」と略記する)は、側面
視で前方に前3気筒及び後方に後2気筒が位置するよう
にV型5気筒エンジンの排気装置である。 【0011】カウリング30は、車体11の前部上部を
覆うフロントカウル31と、車体11前部中部を覆う左
右のミドルカウル32,32(奥側の32は不図示)
と、車体下部並びに排気装置60を覆う左右のロアーカ
ウル33,33(奥側の33は不図示)と、車体11後
部並びに排気装置60のを覆うを囲うリヤカウル34と
からなる。 【0012】フロントカウル31、左右のミドルカウル
32,32及び左右のロアーカウル33,33は、ビス
止めによって分割可能に結合したものであって、すなわ
ち、カウリング30は、フロントカウル31の下部に対
し左右のミドルカウル32,32の上部前部を分割可能
に取付け、ミドルカウル32,32の下部後端部に対し
ロアーカウル33,33の前端部を分割可能に取付けた
ものである。 【0013】フロントカウル31は、上部にウインドス
クリーン35を備えるとともに、前部に左右一対のエア
吸入口36,36(奥側の36は不図示)を備える。ミ
ドルカウル32は、下部後端に車体中心に向って窪み3
7を形成したものであり、ロアカウルは、前端に前面開
口部38を形成し、この前面開口部38と窪み37とを
合せることで、排気装置60を冷却するための導風口3
9を形成したものである。 【0014】図中、44はヘッドパイプ、45は車体フ
レーム12のメインパイプ、46はフロントフェンダ、
47はリヤフェンダ、48はハンドル、49はミラー、
51はヘッドランプ、52はウインカである。 【0015】図2は本発明に係る排気装置を搭載した自
動二輪車の要部斜視図であり、排気装置60は、エンジ
ン17の前シリンダ24(図1参照)の排ガスを排出す
る第1排気系ユニット61と、エンジン17の後シリン
ダ25(図1参照)の排ガスを排出する第2排気系ユニ
ット71とからなる。 【0016】第1排気系ユニット61は、前シリンダ2
4(図1参照)に接続する排気管としての前排気管62
と、この前排気管62に接続した第1の消音器63と、
この第1の消音器63に接続した第1テールパイプ64
とからなる。前排気管62は、前シリンダ24に接続す
る前左パイプ65、前中央パイプ66及び前右パイプ6
7と、これらのパイプ65,66,67を集合させる前
集合管68とからなり、この前集合管68をロアーカウ
ル33内で円弧状に巻いた後に第1の消音器63に連結
するようにしたものである。 【0017】第2排気系ユニット71は、後シリンダ2
5(図1参照)に接続する排気管としての後排気管72
と、この後排気管72に接続した第2の消音器73と、
この第2の消音器73に接続した第2テールパイプ74
とからなる。後排気管72は、後シリンダ25に接続す
る後左パイプ75及び後右パイプ76と、これらのパイ
プ75,76を集合させる後集合管78とからなり、こ
の後集合管78をリヤカウル34内で円弧状に巻いた後
に第2の消音器73に連結するようにしたものである。 【0018】図3は本発明に係る自動二輪車の排気装置
の斜視図であり、排気装置60は、前方に前シリンダ2
4(図1参照)を配置し後方に後シリンダを配置した状
態で車体11略中央に搭載したV型のエンジン17(図
1参照)と、このエンジン17下部を覆うロアーカウル
33と、車体11下部後方を覆うリヤカウル34とを有
するとともに、ロアーカウル34内に第1の消音器63
を配置し、リヤカウル34内に第2の消音器73を配置
した自動二輪車10(図1参照)であって、エンジン1
7の前シリンダ24に連結する前排気管62をロアーカ
ウル33内で円弧状に巻いた後に第1の消音器63に連
結し、エンジン17の後シリンダ25(図1参照)に連
結する後排気管72をリヤカウル34内で円弧状に巻い
た後に第2の消音器73に連結したものであると言え
る。 【0019】エンジン17の前シリンダ24(図1参
照)に連結する前排気管62をロアーカウル33で円弧
状に巻いた後に第1の消音器63に連結し、エンジン1
7の後シリンダ25に連結する後排気管72をリヤカウ
ル34内で円弧状に巻いた後に第2の消音器73に連結
することで、最適な前後排気管62,72の長さを確保
する。この結果、排気ガスの圧力干渉を防ぐとともに、
排気効率の向上を図ることができる。これをもってエン
ジン17の出力の向上を図ることができる。 【0020】図4は本発明に係る排気装置を搭載した自
動二輪車の斜視図であり、排気装置60は、ロアーカウ
ル33内に第1の消音器63を配置することで、第1の
消音器63をロアーカウル33で覆うことができるとと
もに、リヤカウル34内に第2の消音器73を配置する
ことで、第2の消音器73をリヤカウル34で覆うこと
ができるので、精悍な自動二輪車10のデザインの実現
を図ることができる。また、ロアーカウル33内に第1
の消音器63を配置し、リヤカウル34内に第2の消音
器73を配置することで、自動二輪車10の空気抵抗を
低減させることができる。この結果、整流効果を良好な
ものとすることのできる。 【0021】以上に述べた排気装置60の作用を次に説
明する。図5は本発明に係る自動二輪車の排気装置の作
用説明図であり、排気装置60のエンジン13(図1参
照)への接続状態を示す。ここで、〜はエンジン1
3の気筒の番号を表し、は1番気筒、は5番気筒で
ある。すなわち、前左パイプ65は1番気筒に接続し、
前中央パイプ66は3番気筒に接続し、前右パイプ67
は5番気筒に接続し、後左パイプ75は2番気筒に接続
し、後右パイプ76は4番気筒に接続したことを示す。 【0022】また、エンジン17の前シリンダ24(図
1参照)に連結する排気管をロアーカウル33で円弧状
に巻いた後に第1の消音器63に連結し、エンジン17
の後シリンダ25(図1参照)に連結する排気管をリヤ
カウル34内で円弧状に巻いた後に第2の消音器73に
連結することで、最適な前後排気管62,72の長さを
確保する。この結果、パイプ65〜67及びパイプ7
5,76同士の排気ガスによる圧力干渉を防ぎ、排気効
率の向上を図ることができる。これをもってエンジン1
7の出力の向上を図ることができる。 【0023】尚、実施例では図1に示すように、V型5
気筒エンジンの排気装置について説明したが、エンジン
は5気筒エンジンに限るものではなく、気筒の数は任意
であり、例えば、気筒の数は2、3、4、6又は8であ
ってもよい。実施例では図3に示すように、前排気管6
2及び後排気管72を円弧状に巻いたが、これに限るも
のではなく、螺旋状、U字状、ヘアーピン状をも含む。
すなわち、ロアーカウル又はリヤカウル内で排気管をル
ープ状にしたものであればよい。 【0024】 【発明の効果】本発明は上記構成により次の効果を発揮
する。請求項1では、エンジンの前シリンダに連結する
排気管をロアーカウル内で円弧状に巻いた後に第1の消
音器に連結し、エンジンの後シリンダに連結する排気管
をリヤカウル内で円弧状に巻いた後に第2の消音器に連
結したので、最適な排気管の長さを確保することができ
る。この結果、排気ガスの圧力干渉を防ぐとともに、排
気効率の向上を図ることができる。これをもってエンジ
ンの出力の向上を図ることができる。また、ロアーカウ
ル内に第1の消音器を配置したので、第1の消音器をロ
アーカウルで覆うことができるとともに、リヤカウル内
に第2の消音器を配置することで、第2の消音器をリヤ
カウルで覆うことができるので、精悍な自動二輪車のデ
ザインの実現を図ることができる。さらに、ロアーカウ
ル内に第1の消音器を配置し、リヤカウル内に第2の消
音器を配置したので、自動二輪車の空気抵抗を低減させ
ることができる。この結果、良好な整流効果を得ること
ができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明に係る排気装置を搭載した自動二輪車の
側面図 【図2】本発明に係る排気装置を搭載した自動二輪車の
要部斜視図 【図3】本発明に係る自動二輪車の排気装置の斜視図 【図4】本発明に係る排気装置を搭載した自動二輪車の
斜視図 【図5】本発明に係る自動二輪車の排気装置の作用説明
図 【符号の説明】 10…自動二輪車、11…車体、17…エンジン、24
…前シリンダ、25…後シリンダ、33…ロアーカウ
ル、34…リヤカウル、62,72…排気管(前・後排
気管)、63,64…第1・第2の消音器。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 前方に前シリンダを配置し後方に後シリ
    ンダを配置した状態で車体略中央に搭載したV型エンジ
    ンと、このエンジン下部を覆うロアーカウルと、車体下
    部後方を覆うリヤカウルとを有するとともに、前記ロア
    ーカウル内に第1の消音器を配置し、前記リヤカウル内
    に第2の消音器を配置した自動二輪車であって、 前記エンジンの前シリンダに連結する排気管を前記ロア
    ーカウル内で円弧状に巻いた後に前記第1の消音器に連
    結し、前記エンジンの後シリンダに連結する排気管を前
    記リヤカウル内で円弧状に巻いた後に前記第2の消音器
    に連結したことを特徴とする自動二輪車の排気装置。
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