JP2003045349A - マグネトロン - Google Patents

マグネトロン

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JP2003045349A
JP2003045349A JP2001226326A JP2001226326A JP2003045349A JP 2003045349 A JP2003045349 A JP 2003045349A JP 2001226326 A JP2001226326 A JP 2001226326A JP 2001226326 A JP2001226326 A JP 2001226326A JP 2003045349 A JP2003045349 A JP 2003045349A
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magnetron
core
coil winding
core type
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JP2001226326A
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Noriyuki Murao
則行 村尾
Kazuki Miki
一樹 三木
Setsuo Hasegawa
節雄 長谷川
Noriyuki Okada
則幸 岡田
Satoshi Nakai
聡 中井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanyo Electric Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 マグネトロンの雑音防止用フィルタを構成す
るインダクタにおいて、コイル巻線の絶縁被膜焼損の問
題を容易に解消し得る安価なマグネトロンを提供するこ
と。 【解決手段】 マグネトロン本体の陰極端子に、雑音防
止用フィルタを構成するインダクタが接続されてなるマ
グネトロンであって、前記陰極端子に直接接続されるイ
ンダクタは、絶縁被膜を施さない疎巻コイル巻線を用い
て形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子レンジなどの
マイクロ波加熱機器やレーダなどに用いられるマグネト
ロンに関する。より詳しくは、マグネトロン本体の陰極
端子に、雑音防止用フィルタを構成するインダクタが接
続されてなるマグネトロンに関する。
【0002】
【従来の技術】近年電子レンジが世界的に普及している
が、電子レンジには、高周波(マイクロ波)を発生する
マグネトロンが搭載されている。この高周波が漏洩する
と、ラジオ、テレビ、通信機器などの正常な動作を妨げ
る。このため、電子レンジ等のマイクロ波装置にあって
は、マグネトロンをシールド装置に収納するとともに、
マグネトロンの電源回路にフィルタ回路からなる雑音防
止装置を設けることが必要不可欠とされている。なお、
このマグネトロンが発生する雑音は、数百kHzの低周
波数帯から数十GHzの高周波数帯に至るまでの広帯域
となっている。
【0003】図6〜図8は、このような雑音防止装置を
備えたマグネトロンの従来例を示す。なお、図6は、従
来のマグネトロンのフィルタボックス部を破断した上面
説明図であり、図7は、図6のフィルタボックス部の側
断面説明図であり、図8は、図6及び図7におけるイン
ダクタの説明図である。これら図に示されるように、従
来のマグネトロンにおける雑音防止装置としては、マグ
ネトロン本体1の陰極端子2、3に接続されたコア型イ
ンダクタ4及び貫通型コンデンサ6からなるローパスフ
ィルタが使用されていた。また、この陰極端子2、3、
コア型インダクタ4及び貫通型コンデンサ6は、フィル
タボックス7によりシールドされていた。
【0004】コア型インダクタ4は、図8に示されるよ
うに、電波吸収体であるフェライトからなるコア4b
と、ポリアミドイミドなどの絶縁被膜で被覆された銅線
がコア4bの外周に巻回されているコイル巻線4aとか
ら構成されている。そして、ローパスフィルタを透過す
る雑音の減衰量が200〜300MHzで最大となるよ
うに、コア4bのフェライトとして、透磁率μiが10
0程度で、キュリー温度がポリアミドイミドなどの絶縁
被膜の耐熱温度よりかなり高い250℃以上であるもの
が使用されていた。
【0005】また、このように構成されたローパスフィ
ルタでは、陰極端子2、3にマグネトロン本体1の内部
で発生した基本発振周波数、例えば2450MHzのマ
イクロ波(以下単にマイクロ波というときは、この基本
発振周波数2450MHzの電波をいうものとする)出
力の一部が漏洩してきた場合、そのエネルギをコア4b
で吸収していた。したがって、漏洩マイクロ波エネルギ
が大となるときには、コア4bの発熱によりコイル巻線
4aの絶縁被膜が焼損して、絶縁破壊を起こしたり、直
列に接続されている貫通型コンデンサ6が昇温して絶縁
破壊を起こす場合があった。
【0006】そこで、このような問題に対する解決策と
して、従来一般的には、陰極から見た陰極端子2、3側
のインピーダンスが最大となるように陰極端子2、3か
らコイル巻線4aまでの導線の長さを調整し、漏洩する
マイクロ波エネルギを小さくすることが行われていた。
しかし、このように陰極端子2、3からコイル巻線4a
までの導線の長さを調整することのみでは、漏洩するマ
イクロ波エネルギを十分に小さくすることができなかっ
た。
【0007】また、さらにこの問題を解決する方法とし
て、特公昭57−17344号公報に記載のものが開発
された。この方法は、前記コア型インダクタ4と陰極端
子2、3との間に、絶縁被膜で被覆された銅線を密に巻
回してなる空芯型インダクタ(コアを用いないでコイル
巻線のみで形成したもの)を接続したものである。この
方法における雑音防止用フィルタを構成するインダクタ
を図9に示す。図9において、5がコア型インダクタ4
と陰極端子2、3との間に接続される空芯型インダクタ
である。この空芯型インダクタ5は、漏洩してくるマイ
クロ波エネルギを反射又は減衰し、これによりコア型イ
ンダクタ4に直接伝送されて吸収されるエネルギを抑制
していた。また、この空芯型インダクタは高周波の吸収
性が高いコアを有しないため、それ自体は発熱量が少な
くなり熱蓄積も少なくなるので焼損を起こしにくいとい
うものであった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この方法で
は、電子レンジを無負荷で運転するときのように、異常
使用により漏洩マイクロ波エネルギが多大となる場合に
は、空芯型インダクタ5による反射及び減衰作用によ
り、コア型インダクタ4におけるコイル巻線4aの絶縁
被膜の焼損が防止されるが、空芯型インダクタ5自身で
は、発熱量が大となり、コイル巻線5aの絶縁被膜が焼
損して、発煙や異臭が発生したり、コイル間で絶縁破壊
を起こす恐れがあった。なお、この絶縁被膜の焼損は、
絶縁被膜の耐熱温度を高温とすれば(例えば、コア型イ
ンダクタ4のコア4bのキュリー温度250℃程度とす
れば)回避可能ではあるが、この場合には、材料選定が
困難となりコストアップになるという問題があった。
【0009】本発明は、このような従来技術に存在する
問題点に鑑みされたものである。その目的とするところ
は、マグネトロンの雑音防止用フィルタを構成するイン
ダクタにおいて、コイル巻線の絶縁被膜が焼損するとい
う問題を容易に解消し得る安価なマグネトロンを提供す
ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明によるマグネトロンは、マグネトロン本体の
陰極端子に、雑音防止用フィルタを構成する複数のイン
ダクタが直列に接続されてなるマグネトロンであって、
前記複数のインダクタのうち陰極端子に直接接続される
第1インダクタは、絶縁被膜を施さない疎巻コイル巻線
を用いて形成されているものである。このようにマグネ
トロンを構成することにより、漏洩してくるマイクロ波
エネルギは、第1インダクタにより、反射又は減衰され
る。これにより、第1インダクタの反陰極端子側に接続
される第2インダクタへ伝送されるエネルギが抑制され
る。したがって、第2インダクタにおいては、コイル巻
線の絶縁被膜の耐熱温度を低く設定することができ、絶
縁被膜の焼損を防止することが容易となる。また、第1
インダクタの疎巻コイル巻線自体は絶縁被膜を有しない
ので、絶縁被膜焼損の恐れが全くない。更には、第1イ
ンダクタは、絶縁被膜を施さないため安価なマグネトロ
ンとすることができる。
【0011】また、前記雑音防止用フィルタを構成する
複数のインダクタを、すべて疎巻コイル巻線で形成して
もよい。このように構成した場合、いずれのインダクタ
のコイル巻線にも絶縁被膜が存在しないので、絶縁被膜
焼損の恐れが全くない。また、雑音防止用フィルタを構
成するすべてのインダクタのコイル巻線を、絶縁被膜を
施さない銅線等で統一でき、コストダウンを図ることが
できる。
【0012】また、前記第1インダクタの反陰極端子側
に接続される第2インダクタを、コア型インダクタとし
てもよい。このように構成すると、第2インダクタを所
望の雑音フィルタ特性を備えたものとすることが容易と
なる。すなわち、第2インダクタのコア材の透磁率を変
更することにより所望の雑音フィルタ特性を容易に得る
ことが可能となる。なお、コア材を用いたインダクタの
場合、発熱量が増大するが、この第2インダクタの陰極
端子側には、疎巻コイル巻線で形成されている第1イン
ダクタが用いられているので、前述のように第2インダ
クタに伝送される電波が抑制される。したがって、第2
インダクタにおけるコイル巻線の絶縁被膜の耐熱温度を
低く設定することができ、絶縁被膜の焼損を防止するこ
とが容易となる。
【0013】また、本発明のマグネトロンは、雑音防止
用フィルタを構成する1個のインダクタが接続されてな
るマグネトロンとし、このインダクタを、絶縁被膜を施
さない疎巻コイル巻線を用いて形成されてなるコア型イ
ンダクタとしてもよい。このように構成すると、雑音防
止用フィルタを構成するインダクタにおけるコイル巻線
の絶縁被膜焼損の問題を解消することができながら、フ
ィルタを1個のインダクタで構成することができ、安価
なマグネトロンを提供することができる。しかも、イン
ダクタにはコア材を用いているので、所望の雑音フィル
タ特性を得ることも容易である。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した実施の
形態につき、図面を参照しながら説明する。
【0015】実施の形態1.まず、実施の形態1を図1
及び図2に基づき説明する。なお、図1は、本発明の実
施の形態1に係るマグネトロンの入力側フィルタ部分の
説明図であり、従来例として説明した図6に対応するも
のである。また、図2は、この実施の形態1における雑
音防止用フィルタを構成するインダクタの説明図であ
る。なお、これら図面において図6〜図8に示した従来
例と同一の部分には同一の符号を付し、その説明を省略
する。
【0016】実施の形態1に示したマグネトロンは、図
6〜図8に示した従来例と同様に、一般家庭用の電子レ
ンジに使用されている発振周波数が2450MHz帯の
マグネトロンである。そして、11は、絶縁被膜を施さ
ない疎巻コイル巻線11aがコア11bに巻回されたコ
ア型インダクタであり、このコア型インダクタ11(実
施の形態1における第1インダクタ)は、マグネトロン
本体の陰極端子2、3と、従来例と同様のコア型インダ
クタ4(実施の形態1における第2インダクタ)との間
に接続されている。なお、この実施の形態1は、上記の
ように、マグネトロン本体の陰極端子2、3とコア型イ
ンダクタ4との間にコア型インダクタ11を接続する点
を除いては、図6〜図8に示した従来例のものと同様で
ある。
【0017】このコア型インダクタ11は、図2に示さ
れるように、コア11bと、耐熱性絶縁樹脂を被膜しな
い銅線等を約4.5ターン巻回した疎巻コイル巻線11
aとからなるものである。なお、図2においては、耐熱
性絶縁樹脂を被膜しない銅線部分を斜線部で表し、絶縁
被膜を施した部分と区分をして図示している。なお、後
記する各実施の形態に係る図面においても、絶縁被膜を
施さない部分を斜線部として示している。また、コア1
1bは、例えばフェライトからなる、外直径が5mm程
度のものであり、疎巻コイル巻線11aは、直径が1.
4mmφ程度の耐熱性絶縁樹脂を被膜しない銅線であ
る。
【0018】実施の形態1は、以上のように構成されて
いるので、漏洩してくる高周波エネルギは、絶縁被膜を
施さない疎巻コイル巻線11aを備えたコア型インダク
タ11により反射又は減衰され、これにより、このコア
型インダクタ11の後に接続したコア型インダクタ4に
直接伝送されるエネルギを抑制する。したがって、コア
型インダクタ4におけるコイル巻線4aの絶縁被膜の耐
熱温度を低くすることができ、焼損を防止することが容
易となる。また、コア型インダクタ11は、コイル巻線
11aに絶縁被膜が施されていないので、絶縁被膜焼損
の恐れが全く存在しない。
【0019】例えば、電子レンジの通常の運転時、マグ
ネトロン本体から陰極端子2、3にマイクロ波が漏洩す
るが、その出力は微小であり、コア型インダクタ4の温
度は約60℃〜80℃程度にしかならない。従って、コ
イル巻線4aの絶縁被膜の焼損による絶縁破壊等の問題
が生じることは無い。一方、コア型インダクタ11で
は、コア11bにより漏洩マイクロ波のエネルギが吸収
されて発熱し、コイル巻線11aが高温となるが、この
コイル巻線11aは、絶縁被膜が施されていないので、
絶縁被膜の焼損を起こすことが全くない。
【0020】また、電子レンジを無負荷運転のような異
常条件で運転し、マイクロ波出力の漏洩量が多大になっ
たような場合においては、マグネトロン本体の陰極端子
2、3から漏洩するマイクロ波が多大となり、この多大
な漏洩マイクロ波がコア11bで吸収される。このと
き、コア11bは高温となるが、コイル巻線11aは絶
縁被膜を施したものでないため、疎巻コイル巻線11a
において絶縁被膜が焼損するような恐れがない。
【0021】また、本実施の形態1においては、このよ
うに、マグネトロン本体の陰極端子2、3を通して漏洩
したマイクロ波のエネルギをコア型インダクタ11で吸
収するため、コア型インダクタ4のコイル巻線4aの絶
縁被膜の耐熱温度を低く設定することができ、コストダ
ウンを図ることができる。
【0022】実施の形態2.次に、本発明の実施の形態
2について、図3に基づき説明する。なお、図3は実施
の形態2に係るマグネトロンの雑音防止用フィルタを構
成するインダクタの説明図である。
【0023】この実施の形態2は、実施の形態1におけ
るコア型インダクタ4を、図3に示すようにコア型イン
ダクタ12に変更したものである。すなわち、図1、2
におけるコア型インダクタ4は、コア4bと、絶縁被膜
を施した銅線をコア4bの外周に密巻にしたコイル巻線
4a(銅線を、間隔をあけないで密接して巻いたコイル
巻線)とから形成されているのに対し、この実施の形態
2のコア型インダクタ12(実施の形態2における第2
インダクタ)は、コア12bと、絶縁被膜を施さない銅
線をコア12bの外周に疎巻にしたコイル巻線12a
(銅線を、間隔をあけないで密接して巻いたコイル巻
線)とから形成されている点で、実施の形態1と異な
る。
【0024】なお、コア型インダクタ12において、コ
ア12bは、例えばフェライトからなり、外直径が5m
m程度とされている。また、疎巻コイル巻線12aを形
成する銅線は、例えば直径が約1.4mmφ程度で、耐
熱性絶縁樹脂を被膜しないものである。また、疎巻コイ
ル巻線12aは、上記コア12bの周囲に、上記銅線が
約6.5ターン巻回されたものである。
【0025】実施の形態2は、以上のように構成されて
いるので、漏洩してくるマイクロ波エネルギは、絶縁被
膜を施さない疎巻コイル巻線11aを備えたコア型イン
ダクタ11(実施の形態2における第1インダクタ)に
より反射又は減衰され、これによりこのコア型インダク
タ11の後に接続したコア型インダクタ12(実施の形
態2における第2インダクタ)に伝送されるエネルギを
抑制する。なお、コア型インダクタ12は、コイル巻線
12aに絶縁被膜が施されていないので、このように伝
送されるエネルギが減少することとは関係なく、コイル
巻線12aにおける絶縁被膜焼損の問題が全く生じない
ものである。
【0026】また、本実施の形態2のコア型インダクタ
12のように、コイル巻線12aを疎巻にした場合は、
約400MHz以上の周波数に対して雑音フィルタ特性
を良好化することができる。また、この実施の形態2で
は、すべてのコア型インダクタ11、12のコイル巻線
11a、12aを、絶縁被膜を施さない疎巻コイル巻線
としているので、銅線等は絶縁被膜を施さない部分と絶
縁被膜を施す部分とに区分する必要がなくなる。したが
って、すべてのインダクタのコイル巻線を、絶縁被膜を
施さない銅線等に統一でき、コストダウンを図ることが
できる。
【0027】実施の形態3.次に、本発明の実施の形態
3について、図4に基づき説明する。なお、図4は実施
の形態3に係るマグネトロンの雑音防止用フィルタを構
成するインダクタの説明図である。
【0028】この実施の形態3は、実施の形態2におけ
るコア型インダクタ11を、図3に示すような空芯型イ
ンダクタ13に変更したものである。すなわち、マグネ
トロン本体の陰極端子2、3とコア型インダクタ12
(実施の形態3における第2インダクタ)との間に空芯
型インダクタ13(実施の形態3における第1インダク
タ)を配設している。
【0029】空芯型インダクタ13は、絶縁被膜を施さ
ない疎巻コイル巻線13aで形成されており、コアを有
しないインダクタとして構成されている。より具体的に
は、この空芯型インダクタ13は、直径が約1.4mm
φ程度の、耐熱性絶縁樹脂を被膜しない銅線を、約4.
5ターン巻回したコイル巻線13aのみから形成されて
いる。
【0030】実施の形態3は、以上のように構成されて
いるので、漏洩してくるマイクロ波エネルギは、絶縁被
膜を施さない疎巻コイル巻線13aを備えた空芯型イン
ダクタ13(実施の形態3における第1インダクタ)に
より反射又は減衰され、これにより、このコア型インダ
クタ13の後に接続したコア型インダクタ12(実施の
形態3における第2インダクタ)に伝送されるエネルギ
を抑制する。なお、コア型インダクタ12は、コイル巻
線12aに絶縁被膜が施されていないので、このように
伝送されるエネルギが減少することとは関係なく、コイ
ル巻線12aにおける絶縁被膜焼損の問題が生じない。
なお、このコア型インダクタ12に代えて、前記実施の
形態1における密巻コア型インダクタ4を使用した場合
には、この空芯型インダクタ13による伝播エネルギの
抑制効果により、コイル巻線4aにおける絶縁被膜の耐
熱温度を低くすることができる。また、絶縁被膜が焼損
して電子レンジ周辺に異臭が発生することを防止するこ
とができる。
【0031】また、本実施の形態3のような空芯型イン
ダクタ13を用いると、約650MHz以上の周波数に
対しての雑音フィルタ特性を良好にすることができる。
また、この場合も、実施の形態2と同様、すべてのイン
ダクタ12、13のコイル巻線12a、13aを、絶縁
被膜を施さない疎巻コイル巻線としているので、インダ
クタのすべてのコイル巻線を、絶縁被膜を施さない銅線
等に統一でき、コストダウンを図ることができる。
【0032】実施の形態4.次に、本発明の実施の形態
4について、図5に基づき説明する。なお、図5は実施
の形態4に係るマグネトロンの雑音防止用フィルタを構
成するインダクタの説明図である。
【0033】この実施の形態4は、実施の形態3におけ
る空芯型インダクタ13を取り外し、雑音防止用フィル
タを構成するインダクタを、図3及び図4に示すコア型
インダクタ12を1個使用するのみとしたものである。
【0034】上記構成の実施の形態4によれば、雑音防
止用フィルタを構成するコア型インダクタ12は、コイ
ル巻線12aが絶縁被膜を施さない銅線で形成されてい
るので、絶縁被膜が焼損するという問題が全くない。ま
た、インダクタは1個であるが、コア材12aが用いら
れているので、所望の雑音フィルタ特性を得ることも容
易である。また、インダクタを1個で済ませていること
から、安価なマグネトロンを提供することができる。
【0035】なお、本発明は、次のように変更して具体
化することもできる。 (1) 各実施の形態において、各インダクタは、雑音
フィルタ特性やインバータ電源駆動時の適正フィラメン
ト電流値調整などの目的に応じて、コイル巻線の線径、
巻数および巻ピッチ、並びにコアの外径および長さなど
を選択してもよい。 (2) 各実施の形態において、コア型インダクタは、
円柱棒状のコアの外周にコイル巻線を巻回したものとし
ているが、このようなものには限らない。例えば、コア
を、その断面形状が4角などの多角形である柱状として
もよい。また、コイル巻線を、コアの外径に対しわずか
に大きい程度の内径に形成しても良い。また、コア材
を、フェライト材料でなく、鉄又はセラミックスなどの
磁性体で形成してもよい。
【0036】(3) また、本発明は、第1インダクタ
を、絶縁被膜を施さない疎巻コイル巻線により形成され
たものとする限り、第2インダクタは、コア型インダク
タ、空芯型インダクタのいずれにも適宜変更することが
できる。また、第2インダクタの個数は、所望の雑音フ
ィルタ特性等との関係で、2個以上の複数としてもよ
い。また、この第2インダクタのコイル巻線は、疎巻、
密巻いずれにも適宜変更することができる。また、上記
第1インダクタは、所望の雑音フィルタ特性等との関係
により、実施の形態1及び2のようなコア型インダク
タ、または、実施の形態3のように空芯型インダクタと
することができる。
【0037】
【発明の効果】この発明は、以上のように構成されてい
るため、次のような効果を奏することができる。本発明
によれば、マグネトロン本体の陰極端子に、雑音防止用
フィルタを構成する複数のインダクタが直列に接続され
てなるマグネトロンであって、前記複数のインダクタの
うち陰極端子に直接接続される第1インダクタは、絶縁
被膜を施さない疎巻コイル巻線を用いて形成されている
ため、第1インダクタの反陰極端子側に接続される第2
インダクタにおけるコイル巻線の絶縁被膜の耐熱温度を
低くでき、絶縁被膜焼損による発煙や異臭の発生を防止
することができる。また、第1インダクタは、絶縁被膜
を施さないため安価な低雑音のマグネトロンを得ること
ができる。
【0038】また、本発明では、雑音防止用フィルタを
構成する複数のインダクタを、すべて疎巻コイル巻線で
形成してもよく、その場合には、絶縁被膜焼損の恐れが
全くなくなるので、絶縁被膜焼損による発煙や異臭の発
生を防止できるとともに、より安価なマグネトロンを得
ることができる。
【0039】また、前記第1インダクタの後に接続され
る第2インダクタを、コア型インダクタとすると、所望
の雑音フィルタ特性を得ることが容易となる。
【0040】また、雑音防止用フィルタを構成するイン
ダクタを、1個の絶縁被膜を施さない疎巻コイル巻線を
用いて形成されてなるコア型インダクタとしてもよくこ
の場合は、絶縁被膜焼損の恐れがないので、絶縁被膜焼
損による発煙や異臭の発生を防止できるとともに、低コ
ストの、所望の雑音フィルタ特性をもったマグネトロン
を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係るマグネトロンの雑
音防止用フィルタ部分の説明図である。
【図2】図1における雑音防止用フィルタを構成するイ
ンダクタの説明図である。
【図3】実施の形態2に係るマグネトロンの雑音防止用
フィルタを構成するインダクタの説明図である。
【図4】実施の形態3に係るマグネトロンの雑音防止用
フィルタを構成するインダクタの説明図である。
【図5】実施の形態4に係るマグネトロンの雑音防止用
フィルタを構成するインダクタの説明図である。
【図6】従来例に係るマグネトロンのフィルタボックス
部を破断した上面説明図である。
【図7】図6のフィルタボックス部の側断面説明図であ
る。
【図8】図7におけるインダクタの説明図である。
【図9】他の従来例に係るマグネトロンの雑音防止用フ
ィルタを構成するインダクタの説明図である。
【符号の説明】
1 マグネトロン本体 2、3 陰極端子 4 コア型インダクタ(第2インダクタ) 4a コイル巻線 4b コア 11 コア型インダクタ(第1インダクタ) 11a 絶縁被膜を施さない疎巻コイル巻線 11b コア 12 コア型インダクタ(第2インダクタ) 12a 絶縁被膜を施さない疎巻コイル巻線 12b コア 13 空芯型インダクタ(第1インダクタ) 13a 絶縁被膜を施さない疎巻コイル巻線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長谷川 節雄 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 岡田 則幸 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 中井 聡 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 Fターム(参考) 5C029 JJ04

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マグネトロン本体の陰極端子に、雑音防
    止用フィルタを構成する複数のインダクタが直列に接続
    されてなるマグネトロンであって、前記複数のインダク
    タのうち陰極端子に直接接続される第1インダクタは、
    絶縁被膜を施さない疎巻コイル巻線を用いて形成されて
    いることを特徴とするマグネトロン。
  2. 【請求項2】 前記雑音防止用フィルタを構成する複数
    のインダクタは、すべて疎巻コイル巻線を用いて形成さ
    れていることを特徴とする請求項1記載のマグネトロ
    ン。
  3. 【請求項3】 前記第1インダクタの反陰極端子側に接
    続される第2インダクタは、コア型インダクタであるこ
    とを特徴とする請求項1又は2記載のマグネトロン。
  4. 【請求項4】 マグネトロン本体の陰極端子に、雑音防
    止用フィルタを構成する1個のインダクタが接続されて
    なるマグネトロンであって、前記インダクタは、絶縁被
    膜を施さない疎巻コイル巻線を用いて形成されてなるコ
    ア型インダクタであることを特徴とするマグネトロン。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013077516A (ja) * 2011-09-30 2013-04-25 Toshiba Hokuto Electronics Corp マグネトロン

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