JPH09167570A - マグネトロン - Google Patents
マグネトロンInfo
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- JPH09167570A JPH09167570A JP33014095A JP33014095A JPH09167570A JP H09167570 A JPH09167570 A JP H09167570A JP 33014095 A JP33014095 A JP 33014095A JP 33014095 A JP33014095 A JP 33014095A JP H09167570 A JPH09167570 A JP H09167570A
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- choke coil
- wound
- magnetron
- coil
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 電子レンジなどを家庭で使用しても、ラジオ
やテレビの放送、通信などに妨害を与えないような低雑
音のマグネトロンを提供する。 【解決手段】 マグネトロン本体の陰極端子２、３にフ
ィルタを構成するチョークコイルが接続されてなるマグ
ネトロンであって、前記陰極端子と接続されるチョーク
コイルが直列接続された低周波数帯対応の密巻き型チョ
ークコイル４と高周波数帯対応の疎巻き型チョークコイ
ル５とからなり、前記密巻き型チョークコイルが前記陰
極端子側に接続されている。
やテレビの放送、通信などに妨害を与えないような低雑
音のマグネトロンを提供する。 【解決手段】 マグネトロン本体の陰極端子２、３にフ
ィルタを構成するチョークコイルが接続されてなるマグ
ネトロンであって、前記陰極端子と接続されるチョーク
コイルが直列接続された低周波数帯対応の密巻き型チョ
ークコイル４と高周波数帯対応の疎巻き型チョークコイ
ル５とからなり、前記密巻き型チョークコイルが前記陰
極端子側に接続されている。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は電子レンジなどのマ
イクロ波加熱機器やレーダなどに用いられるマグネトロ
ンに関する。さらに詳しくは、マグネトロンの動作時に
発生する雑音を抑制し、低雑音化を図るため、陰極端子
側にフィルタが設けられたマグネトロンに関する。
イクロ波加熱機器やレーダなどに用いられるマグネトロ
ンに関する。さらに詳しくは、マグネトロンの動作時に
発生する雑音を抑制し、低雑音化を図るため、陰極端子
側にフィルタが設けられたマグネトロンに関する。
【０００２】
【従来の技術】マイクロ波装置の一つとして電子レンジ
が普及し、世界的に多用されているが、電子レンジから
雑音が発生すると、ラジオ、テレビや通信機器などに雑
音が入り、正常な動作が妨げられれる。そのため、電子
レンジからの雑音を防止する必要があるが、電子レンジ
からの雑音は、主としてマイクロ波発振源として使用さ
れているマグネトロンから発生する。そしてマグネトロ
ンから発生する雑音は、数百ｋＨｚの低周波数帯から数
十ＧＨｚの高周波数帯に至るまでの広帯域となってい
る。
が普及し、世界的に多用されているが、電子レンジから
雑音が発生すると、ラジオ、テレビや通信機器などに雑
音が入り、正常な動作が妨げられれる。そのため、電子
レンジからの雑音を防止する必要があるが、電子レンジ
からの雑音は、主としてマイクロ波発振源として使用さ
れているマグネトロンから発生する。そしてマグネトロ
ンから発生する雑音は、数百ｋＨｚの低周波数帯から数
十ＧＨｚの高周波数帯に至るまでの広帯域となってい
る。
【０００３】そこでマグネトロンにおいては雑音防止対
策の一つとして、図６に示されるように、マグネトロン
本体１の陰極端子２、３に接続される密巻きコイル（間
隔を設けないで密接して巻かれたコイル）４ａとフェラ
イトコア４ｂとで構成されるチョークコイル（以下、密
巻き型チョークコイルという）４および貫通型コンデン
サ６からなるローパスフィルタが使用されている。な
お、この陰極端子２、３、密巻き型チョークコイル４お
よび貫通型コンデンサ６は、シールドケース７によりシ
ールドされている。以上のローパスフィルタを用いる雑
音防止の従来技術は、たとえば特開平７−２４０１５４
号公報などにも開示されており、電子レンジ用マグネト
ロンの雑音防止の主流になっている。なお、図６におい
て（ａ）はシールドケース７を破断した上面説明図、
（ｂ）はシールドケース７部の側断面説明図である。
策の一つとして、図６に示されるように、マグネトロン
本体１の陰極端子２、３に接続される密巻きコイル（間
隔を設けないで密接して巻かれたコイル）４ａとフェラ
イトコア４ｂとで構成されるチョークコイル（以下、密
巻き型チョークコイルという）４および貫通型コンデン
サ６からなるローパスフィルタが使用されている。な
お、この陰極端子２、３、密巻き型チョークコイル４お
よび貫通型コンデンサ６は、シールドケース７によりシ
ールドされている。以上のローパスフィルタを用いる雑
音防止の従来技術は、たとえば特開平７−２４０１５４
号公報などにも開示されており、電子レンジ用マグネト
ロンの雑音防止の主流になっている。なお、図６におい
て（ａ）はシールドケース７を破断した上面説明図、
（ｂ）はシールドケース７部の側断面説明図である。
【０００４】ここで従来のマグネトロンに使用されてい
る密巻き型チョークコイル４および貫通型コンデンサ６
からなるローパスフィルタの特性を図３のＢに示す。図
３のＢから明らかなように、透過する雑音の減衰量は２
００〜３００ＭＨｚを最大として高周波数側で減少する
傾向を示している。これは、周波数が高くなると密巻き
コイル４ａの絶縁被膜を介した巻線間の容量が大きく影
響し、インピーダンスを支配するためと考えられる。す
なわち、チョークコイル４のインピーダンスは、インダ
クタンスＬ成分と巻線間のキャパシタンスＣ成分が並列
接続された構成となり、ＬとＣによる並列自己共振の影
響により、３００ＭＨｚ以上の高周波数側においてはキ
ャパシタンスＣの増大が著しく、インピーダンス１／
（ωＣ）の減少が影響しているためと推定される。
る密巻き型チョークコイル４および貫通型コンデンサ６
からなるローパスフィルタの特性を図３のＢに示す。図
３のＢから明らかなように、透過する雑音の減衰量は２
００〜３００ＭＨｚを最大として高周波数側で減少する
傾向を示している。これは、周波数が高くなると密巻き
コイル４ａの絶縁被膜を介した巻線間の容量が大きく影
響し、インピーダンスを支配するためと考えられる。す
なわち、チョークコイル４のインピーダンスは、インダ
クタンスＬ成分と巻線間のキャパシタンスＣ成分が並列
接続された構成となり、ＬとＣによる並列自己共振の影
響により、３００ＭＨｚ以上の高周波数側においてはキ
ャパシタンスＣの増大が著しく、インピーダンス１／
（ωＣ）の減少が影響しているためと推定される。
【０００５】このような特性のフィルタでは、マグネト
ロン本体１で発生し、陰極端子２、３を伝搬して漏洩し
てくる広帯域な雑音のうち３００ＭＨｚ以上の高周波数
側の抑制が不充分であり、年々使用周波数が高周波数化
されているラジオやテレビの放送、および通信などに妨
害を与えている。
ロン本体１で発生し、陰極端子２、３を伝搬して漏洩し
てくる広帯域な雑音のうち３００ＭＨｚ以上の高周波数
側の抑制が不充分であり、年々使用周波数が高周波数化
されているラジオやテレビの放送、および通信などに妨
害を与えている。
【０００６】ところで、前記密巻き型チョークコイル４
は、たとえば図７に示されるように、電波吸収体で、比
透磁率の高いフェライトコア４ｂと、ポリアミドイミド
などの絶縁被膜が被覆された銅線がフェライトコア４ｂ
の外周に密接して巻回された密巻きコイル４ａとからな
るコア型インダクタであり、直線部４ｃを介して陰極端
子２、３と接続されている。この直線部４ｃの長さは陰
極から見た陰極端子２、３側のインピーダンスが無限大
になるように調整され、陰極に誘起されたマイクロ波の
基本波（発振する周波数、たとえば２４５０ＭＨｚのマ
イクロ波）が陰極端子２、３から漏洩しないようにする
ため、マグネトロンの設計上において重要な要素の一つ
であり、マグネトロン本体１の設計に応じて最適寸法が
設定されている。
は、たとえば図７に示されるように、電波吸収体で、比
透磁率の高いフェライトコア４ｂと、ポリアミドイミド
などの絶縁被膜が被覆された銅線がフェライトコア４ｂ
の外周に密接して巻回された密巻きコイル４ａとからな
るコア型インダクタであり、直線部４ｃを介して陰極端
子２、３と接続されている。この直線部４ｃの長さは陰
極から見た陰極端子２、３側のインピーダンスが無限大
になるように調整され、陰極に誘起されたマイクロ波の
基本波（発振する周波数、たとえば２４５０ＭＨｚのマ
イクロ波）が陰極端子２、３から漏洩しないようにする
ため、マグネトロンの設計上において重要な要素の一つ
であり、マグネトロン本体１の設計に応じて最適寸法が
設定されている。
【０００７】すなわち、陰極端子２、３にマグネトロン
本体１の内部で発生した基本発振周波数、たとえば２４
５０ＭＨｚのマイクロ波出力の一部が雑音と共に漏洩し
てくると、発振したマイクロ波が無駄になると共に、フ
ェライトコア４ｂがそのエネルギーを吸収する。その結
果、発振効率が低下すると共に、漏洩マイクロ波エネル
ギーが大なるときにはフェライトコア４ｂが発熱し、密
巻きコイル４ａの絶縁被膜が焼損して絶縁破壊を起した
り、直列に接続されている貫通型コンデンサ６の昇温に
よる絶縁破壊を起す。そのため、インピーダンスを確定
しやすい密巻き型チョークコイル４を陰極端子２、３側
に接続すると共に、直線部４ｃの長さを陰極から見た陰
極端子２、３側のインピーダンスが最大になるように調
整し、漏洩するマイクロ波エネルギーを小さくしてお
り、低周波数のフィルタ特性のみによりチョークコイル
を変更することができない。
本体１の内部で発生した基本発振周波数、たとえば２４
５０ＭＨｚのマイクロ波出力の一部が雑音と共に漏洩し
てくると、発振したマイクロ波が無駄になると共に、フ
ェライトコア４ｂがそのエネルギーを吸収する。その結
果、発振効率が低下すると共に、漏洩マイクロ波エネル
ギーが大なるときにはフェライトコア４ｂが発熱し、密
巻きコイル４ａの絶縁被膜が焼損して絶縁破壊を起した
り、直列に接続されている貫通型コンデンサ６の昇温に
よる絶縁破壊を起す。そのため、インピーダンスを確定
しやすい密巻き型チョークコイル４を陰極端子２、３側
に接続すると共に、直線部４ｃの長さを陰極から見た陰
極端子２、３側のインピーダンスが最大になるように調
整し、漏洩するマイクロ波エネルギーを小さくしてお
り、低周波数のフィルタ特性のみによりチョークコイル
を変更することができない。
【０００８】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、従来の
マグネトロンの陰極端子に接続されるチョークコイル
は、通常のローパスフィルタの機能を果たすと共に、マ
グネトロン本体で発生する２４５０ＭＨｚのマイクロ波
がマグネトロン本体から漏洩するのを防止する必要もあ
る。そのため、マイクロ波より低い周波数の雑音抑制の
みを目的としてチョークコイルを調整することができ
ず、漏洩マイクロ波エネルギーに影響を与えることがな
く、かつ、広帯域なフィルタ特性による低雑音化が課題
となっている。
マグネトロンの陰極端子に接続されるチョークコイル
は、通常のローパスフィルタの機能を果たすと共に、マ
グネトロン本体で発生する２４５０ＭＨｚのマイクロ波
がマグネトロン本体から漏洩するのを防止する必要もあ
る。そのため、マイクロ波より低い周波数の雑音抑制の
みを目的としてチョークコイルを調整することができ
ず、漏洩マイクロ波エネルギーに影響を与えることがな
く、かつ、広帯域なフィルタ特性による低雑音化が課題
となっている。
【０００９】本発明はこのような状況に鑑み、電子レン
ジなどを家庭で使用しても、ラジオやテレビの放送、通
信などに妨害を与えないような低雑音のマグネトロンを
提供することを目的とする。
ジなどを家庭で使用しても、ラジオやテレビの放送、通
信などに妨害を与えないような低雑音のマグネトロンを
提供することを目的とする。
【００１０】
【課題を解決するための手段】本発明によるマグネトロ
ンは、マグネトロン本体の陰極端子にフィルタを構成す
るチョークコイルが接続されてなるマグネトロンであっ
て、前記陰極端子と接続されるチョークコイルが直列接
続された低周波数帯対応の密巻き型チョークコイルと高
周波数帯対応の疎巻き型チョークコイルとからなり、前
記密巻き型チョークコイルが前記陰極端子側に接続され
ている。
ンは、マグネトロン本体の陰極端子にフィルタを構成す
るチョークコイルが接続されてなるマグネトロンであっ
て、前記陰極端子と接続されるチョークコイルが直列接
続された低周波数帯対応の密巻き型チョークコイルと高
周波数帯対応の疎巻き型チョークコイルとからなり、前
記密巻き型チョークコイルが前記陰極端子側に接続され
ている。
【００１１】前記密巻き型チョークコイルおよび疎巻き
型チョークコイルがそれぞれコア型インダクタであれ
ば、インピーダンスを調整し易いため好ましい。
型チョークコイルがそれぞれコア型インダクタであれ
ば、インピーダンスを調整し易いため好ましい。
【００１２】前記密巻き型チョークコイルと疎巻き型チ
ョークコイルのそれぞれに使用されるコアの周波数特性
が異なるものを用いることにより、高周波数帯対応と低
周波数帯対応との周波数特性を設定し易いため好まし
い。
ョークコイルのそれぞれに使用されるコアの周波数特性
が異なるものを用いることにより、高周波数帯対応と低
周波数帯対応との周波数特性を設定し易いため好まし
い。
【００１３】前記密巻き型チョークコイルがコア型イン
ダクタからなり、前記疎巻き型チョークコイルが空芯型
インダクタからなることが、高周波数帯対応のチョーク
コイルにおける巻線間容量の影響を小さくすることがで
きると共に安価になるため好ましい。
ダクタからなり、前記疎巻き型チョークコイルが空芯型
インダクタからなることが、高周波数帯対応のチョーク
コイルにおける巻線間容量の影響を小さくすることがで
きると共に安価になるため好ましい。
【００１４】
【発明の実施の形態】つぎに、図面を参照しながら本発
明のマグネトロンについて詳細に説明をする。
明のマグネトロンについて詳細に説明をする。
【００１５】図１は本発明のマグネトロンの一実施形態
を説明するための図で、一般家庭用の電子レンジに使用
されている発振周波数が２４５０ＭＨｚ帯、マイクロ波
出力が８００Ｗのマグネトロンの陰極端子側のチョーク
コイル部を示す図である。図１において、１〜４および
６、７は図５と同じ部分を示し、５は疎巻きコイル５ａ
がフェライトコア５ｂに巻回された疎巻き型チョークコ
イルである。
を説明するための図で、一般家庭用の電子レンジに使用
されている発振周波数が２４５０ＭＨｚ帯、マイクロ波
出力が８００Ｗのマグネトロンの陰極端子側のチョーク
コイル部を示す図である。図１において、１〜４および
６、７は図５と同じ部分を示し、５は疎巻きコイル５ａ
がフェライトコア５ｂに巻回された疎巻き型チョークコ
イルである。
【００１６】疎巻き型チョークコイル５は、図２（ａ）
に示されるように、たとえば比透磁率が１００程度、比
誘電率が２０程度のフェライトからなり、直径が５ｍｍ
程度のコア５ｂと、その周囲に直径が１.４ｍｍφのポ
リアミドイミドなどの耐熱性絶縁樹脂が被膜された銅線
が約１ｍｍの間隔で５ターン巻回された疎巻きコイル５
ａとからなるもので、コイルの間隔がなく密接して巻回
された密巻き型チョークコイル４と同様に作製される。
コア５ｂはフェライトに限定されることなく、所望の周
波数に対して必要なインピーダンスになるように、透磁
率および誘電率の周波数特性に応じて選定され、高周波
数帯対応としては、図２（ｂ）に示されるような空芯型
のインダクタでもよい。なお、低周波数帯対応の密巻き
型チョークコイル４との周波数帯対応を一層明確に分離
するために、両者のコアの材料で周波数特性を異ならせ
ることができる。また、コイルだけで周波数帯を対応さ
せることができれば、コアは同じものを共用することも
できる。
に示されるように、たとえば比透磁率が１００程度、比
誘電率が２０程度のフェライトからなり、直径が５ｍｍ
程度のコア５ｂと、その周囲に直径が１.４ｍｍφのポ
リアミドイミドなどの耐熱性絶縁樹脂が被膜された銅線
が約１ｍｍの間隔で５ターン巻回された疎巻きコイル５
ａとからなるもので、コイルの間隔がなく密接して巻回
された密巻き型チョークコイル４と同様に作製される。
コア５ｂはフェライトに限定されることなく、所望の周
波数に対して必要なインピーダンスになるように、透磁
率および誘電率の周波数特性に応じて選定され、高周波
数帯対応としては、図２（ｂ）に示されるような空芯型
のインダクタでもよい。なお、低周波数帯対応の密巻き
型チョークコイル４との周波数帯対応を一層明確に分離
するために、両者のコアの材料で周波数特性を異ならせ
ることができる。また、コイルだけで周波数帯を対応さ
せることができれば、コアは同じものを共用することも
できる。
【００１７】この疎巻き型チョークコイル５は、３００
ＭＨｚより高い１０００ＭＨｚ以上の高い周波数まで充
分に遮断するために設けられたもので、巻線間のキャパ
シタンスＣが小さくされており、インダクタンスＬおよ
びキャパシタンスＣはそれぞれ０.８〜１.２μＨ、２〜
３ｐＦ程度になるようにコイルが巻かれている。そのた
め、疎巻き型チョークコイル５は、コア５ｂの材料を透
磁率が大きくて誘電率が小さい純鉄などの材料または空
芯にしたり、疎巻きコイル５ａのコイル間隔を大きくし
たり、銅線に被覆する絶縁被膜に誘電率が小さい材料を
用いるなど、高周波数帯でインピーダンスが大きくなる
ようにコイルが巻回されたものである。
ＭＨｚより高い１０００ＭＨｚ以上の高い周波数まで充
分に遮断するために設けられたもので、巻線間のキャパ
シタンスＣが小さくされており、インダクタンスＬおよ
びキャパシタンスＣはそれぞれ０.８〜１.２μＨ、２〜
３ｐＦ程度になるようにコイルが巻かれている。そのた
め、疎巻き型チョークコイル５は、コア５ｂの材料を透
磁率が大きくて誘電率が小さい純鉄などの材料または空
芯にしたり、疎巻きコイル５ａのコイル間隔を大きくし
たり、銅線に被覆する絶縁被膜に誘電率が小さい材料を
用いるなど、高周波数帯でインピーダンスが大きくなる
ようにコイルが巻回されたものである。
【００１８】本明細書において、疎巻き型チョークコイ
ルとは、コイルを粗く巻いたり、透磁率が大きく誘電率
が小さいコアを用いたり、巻線間の容量を小さくするこ
とにより、３００ＭＨｚ帯より高周波数帯においてイン
ピーダンスが大きくなるようにした高周波数帯対応のも
のを意味する。
ルとは、コイルを粗く巻いたり、透磁率が大きく誘電率
が小さいコアを用いたり、巻線間の容量を小さくするこ
とにより、３００ＭＨｚ帯より高周波数帯においてイン
ピーダンスが大きくなるようにした高周波数帯対応のも
のを意味する。
【００１９】本発明は、従来のマグネトロン本体の陰極
端子２、３に接続された密巻き型チョークコイル４と貫
通型コンデンサ６との間に疎巻き型チョークコイル５が
直列に接続され、かつ、陰極端子２、３側には密巻き型
チョークコイル４が接続されていることに特徴がある。
この疎巻き型チョークコイル５は、インダクタンスＬお
よび巻線間のキャパシタンスＣの各成分ともに小さな値
となるため、高周波数帯対応のフィルタとして作用し、
密巻き型チョークコイル４と疎巻き型チョークコイル５
との合成インピーダンスにより、３００ＭＨｚ以上の高
周波数帯でも充分減衰し、広帯域型のローパスフィルタ
を構成する。
端子２、３に接続された密巻き型チョークコイル４と貫
通型コンデンサ６との間に疎巻き型チョークコイル５が
直列に接続され、かつ、陰極端子２、３側には密巻き型
チョークコイル４が接続されていることに特徴がある。
この疎巻き型チョークコイル５は、インダクタンスＬお
よび巻線間のキャパシタンスＣの各成分ともに小さな値
となるため、高周波数帯対応のフィルタとして作用し、
密巻き型チョークコイル４と疎巻き型チョークコイル５
との合成インピーダンスにより、３００ＭＨｚ以上の高
周波数帯でも充分減衰し、広帯域型のローパスフィルタ
を構成する。
【００２０】すなわち、図５（ａ）に示されるように、
密巻き型チョークコイル４はインダクタンスＬ1 と巻線
間のキャパシタンスＣ1 とが並列接続されたもので、疎
巻き型チョークコイル５はインダクタンスＬ2 と巻線間
のキャパシタンスＣ2 とが並列接続されたもので、この
合成インピーダンスは、これらがさらに直列接続された
ものと考えられる。そのため、合成インピーダンスのＬ
は大きくなり、Ｃは小さくなる。たとえば従来の密巻き
型チョークコイル４だけの場合は１０ｐＦで１.６μＨ
であったものが、前述の仕様の疎巻き型チョークコイル
５をさらに直列に接続したときは１３ｐＦで２.６μＨ
となった。この合成インピーダンスは、図５（ｂ）に密
巻き型チョークコイル４と疎巻き型チョークコイル５と
の合成インピーダンスの説明図が示されるように、密巻
き型チョークコイル４のインピーダンスは図５（ｂ）の
Ｍで示されるように、３００ＭＨｚがピークで周波数が
高くなるのにつれて低下するのに対し、疎巻き型チョー
クコイル５は前述のコイルの巻き方で、図５（ｂ）のＳ
で示されるように、７００ＭＨｚにインピーダンスのピ
ークが存在する。したがって、合成のインピーダンスは
図５（ｂ）のＴで示されるようになり、広帯域でインピ
ーダンスが大きくなる。
密巻き型チョークコイル４はインダクタンスＬ1 と巻線
間のキャパシタンスＣ1 とが並列接続されたもので、疎
巻き型チョークコイル５はインダクタンスＬ2 と巻線間
のキャパシタンスＣ2 とが並列接続されたもので、この
合成インピーダンスは、これらがさらに直列接続された
ものと考えられる。そのため、合成インピーダンスのＬ
は大きくなり、Ｃは小さくなる。たとえば従来の密巻き
型チョークコイル４だけの場合は１０ｐＦで１.６μＨ
であったものが、前述の仕様の疎巻き型チョークコイル
５をさらに直列に接続したときは１３ｐＦで２.６μＨ
となった。この合成インピーダンスは、図５（ｂ）に密
巻き型チョークコイル４と疎巻き型チョークコイル５と
の合成インピーダンスの説明図が示されるように、密巻
き型チョークコイル４のインピーダンスは図５（ｂ）の
Ｍで示されるように、３００ＭＨｚがピークで周波数が
高くなるのにつれて低下するのに対し、疎巻き型チョー
クコイル５は前述のコイルの巻き方で、図５（ｂ）のＳ
で示されるように、７００ＭＨｚにインピーダンスのピ
ークが存在する。したがって、合成のインピーダンスは
図５（ｂ）のＴで示されるようになり、広帯域でインピ
ーダンスが大きくなる。
【００２１】一方、陰極端子２、３には密巻き型チョー
クコイル４が、その直線部４ｃを介して従来と同様に接
続されているため、マイクロ波に対する陰極端子２、３
側のインピーダンスに大きな変化はなく、マグネトロン
本体で発振するマイクロ波が陰極端子２、３側に漏洩す
るのを充分に阻止することができる。
クコイル４が、その直線部４ｃを介して従来と同様に接
続されているため、マイクロ波に対する陰極端子２、３
側のインピーダンスに大きな変化はなく、マグネトロン
本体で発振するマイクロ波が陰極端子２、３側に漏洩す
るのを充分に阻止することができる。
【００２２】本発明による密巻き型チョークコイル４と
疎巻き型チョークコイル５との複合されたチョークコイ
ルと貫通型コンデンサ６との組合せによるローパスフィ
ルタの特性を従来のフィルタ特性と比較して図３に示
す。図３から明らかなように、従来品Ｂのフィルタ特性
が２００〜３００ＭＨｚをピークとして高周波数帯に向
かって徐々に低下していくのに対して、Ａで示される本
発明によるマグネトロンのフィルタ特性は３００ＭＨｚ
以上の帯域においてもほぼフラットな特性を維持してお
り、１０〜３０ｄＢの特性改善が確認される。
疎巻き型チョークコイル５との複合されたチョークコイ
ルと貫通型コンデンサ６との組合せによるローパスフィ
ルタの特性を従来のフィルタ特性と比較して図３に示
す。図３から明らかなように、従来品Ｂのフィルタ特性
が２００〜３００ＭＨｚをピークとして高周波数帯に向
かって徐々に低下していくのに対して、Ａで示される本
発明によるマグネトロンのフィルタ特性は３００ＭＨｚ
以上の帯域においてもほぼフラットな特性を維持してお
り、１０〜３０ｄＢの特性改善が確認される。
【００２３】図４にマグネトロン本体、貫通型コンデン
サ６およびシールドケース７に同じものを使用して、チ
ョークコイルのみをそれぞ従来品Ｂと本発明品Ａにした
ときのマグネトロンの雑音の測定結果を図４に示す。図
４から明らかなように、フィルタ特性と同様に、３００
ＭＨｚ以上の帯域において、疎巻き型チョークコイルを
挿入した本発明のマグネトロンによるものは１０〜３０
ｄＢの効果を確認できる。
サ６およびシールドケース７に同じものを使用して、チ
ョークコイルのみをそれぞ従来品Ｂと本発明品Ａにした
ときのマグネトロンの雑音の測定結果を図４に示す。図
４から明らかなように、フィルタ特性と同様に、３００
ＭＨｚ以上の帯域において、疎巻き型チョークコイルを
挿入した本発明のマグネトロンによるものは１０〜３０
ｄＢの効果を確認できる。
【００２４】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、マ
グネトロンの陰極端子に接続されるフィルタのチョーク
コイルを、直列接続された密巻き型チョークコイルと疎
巻き型チョークコイルとにより構成しているため、従来
問題となっていた３００ＭＨｚ以上の雑音が抑制される
と共に、陰極端子側には従来通りの密巻き型チョークコ
イルが接続されているため、陰極端子からの漏洩マイク
ロ波の増大が生じることもない。そのため、漏洩マイク
ロ波の増大によるチョークコイルの焼損を招くこともな
く、高品質で、低雑音のマグネトロンを得ることができ
る。
グネトロンの陰極端子に接続されるフィルタのチョーク
コイルを、直列接続された密巻き型チョークコイルと疎
巻き型チョークコイルとにより構成しているため、従来
問題となっていた３００ＭＨｚ以上の雑音が抑制される
と共に、陰極端子側には従来通りの密巻き型チョークコ
イルが接続されているため、陰極端子からの漏洩マイク
ロ波の増大が生じることもない。そのため、漏洩マイク
ロ波の増大によるチョークコイルの焼損を招くこともな
く、高品質で、低雑音のマグネトロンを得ることができ
る。
【００２５】その結果、電子レンジなどを家庭で使用し
ても、ラジオやテレビ、通信機器などに雑音が入ること
がなく、快適な生活、社会環境を構築することができ
る。
ても、ラジオやテレビ、通信機器などに雑音が入ること
がなく、快適な生活、社会環境を構築することができ
る。
【図１】本発明のマグネトロンの入力側フィルタ部分の
説明図である。
説明図である。
【図２】本発明のマグネトロンの入力側フィルタに使用
するチョークコイルの例を示す図である。
するチョークコイルの例を示す図である。
【図３】本発明によるマグネトロンのフィルタを透過す
る雑音の透過量の周波数に対する関係を従来例と比較し
て示す図である。
る雑音の透過量の周波数に対する関係を従来例と比較し
て示す図である。
【図４】本発明によるマグネトロンの周波数に対する雑
音レベルを従来例と比較して示す図である。
音レベルを従来例と比較して示す図である。
【図５】直列接続された密巻き型チョークコイルと疎巻
き型チョークコイルの等価回路図およびその周波数に対
するインピーダンスの説明図である。
き型チョークコイルの等価回路図およびその周波数に対
するインピーダンスの説明図である。
【図６】従来のマグネトロンの入力側フィルタ部分の説
明図である。
明図である。
【図７】従来のマグネトロンのチョークコイルを示す図
である。
である。
２、３ 陰極端子 ４ 密巻き型チョークコイル ４ａ 密巻きコイル ４ｂ フェライトコア ５ 疎巻き型チョークコイル ５ａ 疎巻きコイル ５ｂ フェライトコア
Claims (4)
- 【請求項１】 マグネトロン本体の陰極端子にフィルタ
を構成するチョークコイルが接続されてなるマグネトロ
ンであって、前記陰極端子と接続されるチョークコイル
が直列接続された低周波数帯対応の密巻き型チョークコ
イルと高周波数帯対応の疎巻き型チョークコイルとから
なり、前記密巻き型チョークコイルが前記陰極端子側に
接続されてなるマグネトロン。 - 【請求項２】 前記密巻き型チョークコイルおよび疎巻
き型チョークコイルがそれぞれコア型インダクタである
請求項１記載のマグネトロン。 - 【請求項３】 前記密巻き型チョークコイルと疎巻き型
チョークコイルのそれぞれに使用されるコアの周波数特
性が異なる請求項２記載のマグネトロン。 - 【請求項４】 前記密巻き型チョークコイルがコア型イ
ンダクタからなり、前記疎巻き型チョークコイルが空芯
型インダクタからなる請求項１記載のマグネトロン。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP33014095A JPH09167570A (ja) | 1995-12-19 | 1995-12-19 | マグネトロン |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP33014095A JPH09167570A (ja) | 1995-12-19 | 1995-12-19 | マグネトロン |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09167570A true JPH09167570A (ja) | 1997-06-24 |
Family
ID=18229267
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP33014095A Pending JPH09167570A (ja) | 1995-12-19 | 1995-12-19 | マグネトロン |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH09167570A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP1261015A2 (en) * | 2001-05-22 | 2002-11-27 | Sanyo Electric Co., Ltd. | Magnetron and microwave oven |
| EP1408608A2 (en) * | 2002-10-12 | 2004-04-14 | Samsung Electronics Co., Ltd. | Noise filter for high frequency generator |
| KR20040065756A (ko) * | 2003-01-16 | 2004-07-23 | 삼성전자주식회사 | 고주파 발생기의 노이즈 필터 |
| US7067782B2 (en) | 2003-06-30 | 2006-06-27 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Magnetron |
-
1995
- 1995-12-19 JP JP33014095A patent/JPH09167570A/ja active Pending
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP1261015A2 (en) * | 2001-05-22 | 2002-11-27 | Sanyo Electric Co., Ltd. | Magnetron and microwave oven |
| US6650057B2 (en) | 2001-05-22 | 2003-11-18 | Sanyo Electric Co., Ltd. | Magnetron and microwave heating device |
| EP1261015A3 (en) * | 2001-05-22 | 2005-11-30 | Sanyo Electric Co., Ltd. | Magnetron and microwave oven |
| EP1408608A2 (en) * | 2002-10-12 | 2004-04-14 | Samsung Electronics Co., Ltd. | Noise filter for high frequency generator |
| KR20040065756A (ko) * | 2003-01-16 | 2004-07-23 | 삼성전자주식회사 | 고주파 발생기의 노이즈 필터 |
| US7067782B2 (en) | 2003-06-30 | 2006-06-27 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Magnetron |
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