JPS6114627B2

JPS6114627B2 -

Info

Publication number: JPS6114627B2
Application number: JP51109976A
Authority: JP
Inventors: Akiichi Harada
Original assignee: Hitachi Ltd
Current assignee: Hitachi Ltd
Priority date: 1976-09-16
Filing date: 1976-09-16
Publication date: 1986-04-19
Also published as: JPS5336156A; US4156829A

Description

【発明の詳細な説明】本発明はマグネトロン装置、特に入力部から漏
洩する高周波妨害電波を阻止する防止構造に関す
るものである。

一般にマグネトロンを用いた電子レンジなどに
おいては、高周波エネルギーを利用することから
テレビやラジオに悪影響を与える漏洩電波の防止
対策が必至の問題となつている。

第１図は従来のマグネトロンの一例を示す簡略
構成図であり、同図において、１は筒状陽極であ
り、この陽極１は中心軸上に図示しない陰極およ
びこの陰極方向に側壁から延在するペインを有し
ている。また、この陽極１からは突体２が突出し
ており、その突体２の上にはステム３が配置さ
れ、このステム３には上記陰極に接続された陰極
端子４ａ，４ｂが固定されている。また、陽極１
から突出する突体５には絶縁円筒６が固定され、
この絶縁円筒６は電磁波を放射する出力端子７を
支持している。そして、上記陽極１の両側にはリ
ング状の永久磁石８が配置され、これらの永久磁
石８は陽極１とともにヨーク９，１０に狭持され
て一体的に固定されている。また、上記ヨーク
９，１０は永久磁石８により生ずる磁束を陽極１
の作用空間に導くことによつて電子軌道の制御を
行なつている。そして、この作用空間を運転する
電子の作用により得られる電磁波は出力端子７を
介して例えば電子レンジのオーブン内に放射され
る。また、上記陰極端子４ａにはフエライト１１
に一本の導線を巻きつけることにより構成された
チヨークコイル１２が接続されている。このチヨ
ークコイル１２は貫通コンデンサ１３と直列に接
続されて高周波漏洩防止フイルタ１４を構成して
いる。また、上記フイルタ１４の他端側は入力端
子となる引出しリード線１５に接続され、かつ全
体が金属製のシールドケース１６で包囲されてい
る。なお、上記陰極端子は２本配置されている
が、他の陰極端子４ｂも図示しないが前述と同一
構成されている。

このように構成されたマグネトロン装置におい
て、入力端子１５より電源を供給して駆動させる
と、出力端子７より電磁波が放射され、例えば電
子レンジのオーブン内に照射され食品などを加熱
することができる。

しかしながら、上記構成によるマグネトロン装
置において、マグネトロン装置が作動中における
陰極は極めて強い高周波雰囲気中に置かれている
ために、発生した高周波エネルギーの一部は陰極
端子４ａ、フイルタ１４を経て入力端子１５より
管外に漏洩されることになる。このために、上記
フイルタ１４はこの管外に放出される漏洩電波を
阻止し、この漏洩電波が各種通信機器に悪影響を
及ぼすのを抑制する働きを行なつている。ところ
が、漏洩電波防止用フイルタ１４を構成する貫通
コンデンサ１３は動作電圧が約4KVで使用される
ために、高信頼性が要求されるとともに、極めて
高価なものであつた。また、コイル１２およびコ
ンデンサ１３から構成されるフイルタ１４はコン
パクト性と耐圧性とが要求されるため通常、貫通
コンデンサ１３の容量Ｃ＝500〜1000pFで、チヨ
ークコイル１２のインダクタンスＬ＝数μＨ程度
ものが用いられていた。したがつて、このフイル
タ１４によるカツトオフ周波数は、数ＭHz程度と
なり、このカツトオフ周波数以下の低い周波数の
漏洩電波に対して何ら阻止効果を奏することがで
きない欠点を有している。

したがつて、本発明の目的は上記の点に着目し
てなされたものであり、低コストで広帯域電波帯
にわたつて漏洩電波を有効に阻止することができ
るようにしたマグネトロン装置を提供することに
ある。このような目的を達成するために、本発明
によるマグネトロン装置は、少なくともトランス
の２次側巻線と整流ダイオードあるいは２次側巻
線と倍電圧用のコンデンサとをマグネトロン装置
のシールドケース内に収納したものである。な
お、シールドケースは磁界結合で高周波エネルギ
ーを伝達する構成になつているので、電波漏洩防
止のため従来例のように高信頼性を有する高価な
貫通コンデンサを用いる必要はなく本発明では一
般用のコンデンサを用いてもよいものである。以
下、図面を用いて本発明によるマグネトロン装置
について詳細に説明する。

第２図ａ，ｂは本発明によるマグネトロン装置
の一実施例を示す簡略構成図、その回路図であ
り、第１図と同記号は同一要素となるのでその説
明は省略する。同図において、マグネトロン１の
突体２、ステム３側の面にはこの入力部を包囲す
るように比較的大きな金属製のシールドケース１
７が固着配置されている。そして、このシールド
ケース１７の内部にはトランス１８の２次側の部
分のみが収納され、その２次側の低圧巻線１８ａ
はその両端をマグネトロン１の陰極端子４ａ，４
ｂにそれぞれ接続されている。一方、高圧巻線１
８ｂの一端は接地され、他端側はコンデンサ１９
を介して上記陰極端子４ｂに接続されるととも
に、整流器２０の一端に接続され、この整流器２
０の他端側は上記マグネトロン１の陽極に接続さ
れるとともにシールドケース１７に接地されてい
る。そして、これらの電気部品、つまりコンデン
サ１９、整流器２０はシールドケース１７の内面
に固定配置されるとともに、トランス１８の２次
側低圧巻線１８ａ、２次側高圧巻線１８ｂ側もシ
ールドケース１７内に収納されている。この場
合、トランス１８の１次側巻線１８ｃはシールド
ケース１７の外部側に配設され、トランス１８の
ヨークの部分がシールドケース１７の側面にネジ
２１ａ，２１ｂによつて固定配置されてマグネト
ロン装置が構成されている。この場合、１次側と
２次側とは電気的に独立しかつ絶縁されている。
そして、このシールドケース１７はトランス１８
の２次側の線路、つまり２次側低圧巻線１８ａお
よび２次側高圧巻線１８ｂに重畳される高周波エ
ネルギーが外部および１次側巻線１８ｃに漏洩す
るのを阻止するものである。

このように構成されたマグネトロン装置におい
て、マグネトロン１の入力部側の面に突体２およ
びステム３を包囲して高周波漏洩を遮蔽するシー
ルドケース１７を設けるとともに、このシールド
ケースの内部にコンデンサ１９、整流器２０、ト
ランス１８の２次側低圧巻線１８ａおよび２次側
高圧巻線１８ｂを収納させて密閉し、２次側回路
を完全にシールドしたことによつて、２次側回路
上の高周波エネルギーは外部方向に放射されて妨
害電波となる漏洩波を確実に遮蔽し、トランス１
８のヨークの中を通る磁力線を介して１次側巻線
１８ｃと結合する電波のみとなる。ここで、トラ
ンス１８のヨークはその材質の周波数レスポンス
が通常数10KHz以下であるためにそれ以上の周波
数帯に対しては透磁率μが大幅に小さくなるとと
もに、ロス材としても作用するため数10KHz以上
の周波数帯、例えばテレビ、ラジオ波帯も含めた
周波数帯の妨害電波に対してその減衰量が大きく
なり、極めて大きな遮蔽効果が得られる。さら
に、トランス１８の１次側と２次側間のヨークに
シールドケース１７を挿入したことによつて、２
次側回路上のマイクロ波のような波長の極めて短
かい電波に対しても１次側回路に漏れて妨害電波
となる漏洩波を確実に遮蔽することができる。つ
まり、マイクロ波の基本周波数に対してその前後
に極めて広い範囲にわたつて発生する妨害電波に
対して低域側では数10KHzから高域側ではｎ次高
調波に至るまでの種々の妨害電波を確実に遮蔽す
ることができる。

第３図は本発明によるマグネトロン装置の他の
実施例を示す回路図であり、第１図、第２図ａ，
ｂと同記号は同一要素となるのでその説明は省略
する。同図において、上述した実施例と異なる点
は倍電圧用のコンデンサ１９を不用とした電源回
路においてトランス１８の２次側巻線である２次
側低圧巻線１８ａ，２次側高圧巻線１８ｂおよび
この２次側高圧巻線１８ｂに直列接続された整流
器２０のみをシールドケース１７の内部に収納し
て２次側回路上の高周波エネルギーの漏洩を遮蔽
した場合においても前述と同様の効果が得られ
る。

第４図は本発明によるマグネトロン装置の他の
実施例を示す回路図であり、同図において、上述
の実施例と異なる点は、マグネトロン管球自体を
整流器としての作用を兼ねさせ、２次側高圧巻線
１８ｂにコンデンサのみを直列接続してシールド
ケース１７の内部に収納するもので、前述と同様
の効果が得られるものである。

以上説明したように本発明によるマグネトロン
装置は、１次側巻線、２次側低圧巻線および２次
側高圧巻線を有するトランスと、上記トランスの
２次側高圧巻線に直列接続されたコンデンサおよ
び整流器あるいは２次側高圧巻線に直列接続され
た整流器とを少なくとも有するマグネトロン装置
において、上記トランスの２次側巻線、上記コン
デンサおよび整流器あるいは上記２次側巻線およ
び整流器又はコンデンサの何れかをマグネトロン
のフイルタケース内に収納したことによつて、入
力部の電波漏洩を数10KHzより広帯域にわたつて
確実に阻止することができ、電波の漏洩が各種通
信機器に与える悪影響を防止することができ、こ
れに伴なつてマグネトロン装置の品質を大幅に向
上させることができる。また、従来の高価な貫通
コンデンサおよびチヨークコイルから形成された
高周波漏洩防止フイルタが不用となつて製品コス
トを大幅に低減させることができるなど種々の優
れた効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のマグネトロン装置の一例を示す
簡略構成図、第２図ａ，ｂは本発明によるマグネ
トロン装置の一実施例を示す簡略構成図、その回
路図、第３、第４図は本発明によるマグネトロ装
置の他の実施例を示す回路図である。１…陽極、２…突体、３…ステム、４ａ，４ｂ
…陰極端子、５…突体、６…絶縁円筒、７…出力
端子、８…永久磁石、９，１０…ヨーク、１１…
フエライト、１２…チヨークコイル、１３…貫通
コンデンサ、１４…高周波漏洩防止フイルタ、１
５…入力端子、１６…シールドケース、１７…シ
ールケース、１８…トランス、１８ａ…２次側低
圧巻線、１８ｂ…２次側高圧巻線、１８ｃ…１次
側巻線、１９…コデンサ、２０…整流器、２１
ａ，２１ｂ…ネジ。

Claims

【特許請求の範囲】１１次側巻線と２次側低圧巻線および２次側高
圧巻線を有するトランスと、前記トランスの２次
側高圧巻線に接続されたコンデンサおよび整流器
とを少なくとも有するマグネトロン装置におい
て、前記トランスの２次側巻線と前記コンデンサ
および前記整流器とをマグネトロンのシールドケ
ース内に収納したことを特徴とするマグネトロン
装置。２１次側巻線と２次側低圧巻線および２次側高
圧巻線を有するトランスと、前記トランスの２次
側高圧巻線に直列接続された整流器とを少なくと
も有するマグネトロン装置において、前記トラン
スの２次側巻線と前記整流器とをマグネトロンの
シールドケース内に収納したことを特徴とするマ
グネトロン装置。３１次側巻線、２次側低圧巻線および２次側高
圧巻線を有するトランスと、前記トランスの２次
側高圧巻線に直列接続されたコンデンサとを少な
くとも有するマグネトロン装置において、前記ト
ランスの２次側巻線と前記ンデンサとをマグネト
ロンのシールドケース内に収納したことを特徴と
するマグネトロン装置。