JP2003045348A - マグネトロン - Google Patents

マグネトロン

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JP2003045348A
JP2003045348A JP2001226324A JP2001226324A JP2003045348A JP 2003045348 A JP2003045348 A JP 2003045348A JP 2001226324 A JP2001226324 A JP 2001226324A JP 2001226324 A JP2001226324 A JP 2001226324A JP 2003045348 A JP2003045348 A JP 2003045348A
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inductor
core type
type inductor
magnetron
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Noriyuki Murao
則行 村尾
Kazuki Miki
一樹 三木
Setsuo Hasegawa
節雄 長谷川
Noriyuki Okada
則幸 岡田
Satoshi Nakai
聡 中井
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Sanyo Electric Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 広帯域において雑音防止を可能とするととも
に、前記インダクタを形成するコイル巻線の絶縁被膜焼
損の問題を解決可能とすること。 【解決手段】 マグネトロン本体の陰極端子に接続され
る雑音防止用フィルタを、複数のコア型インダクタを含
む複数のインダクタにより構成し、この複数のインダク
タのうち、前記陰極端子に直接接続するインダクタをコ
ア型インダクタとし、このコア型インダクタのコアのキ
ュリー温度を他のコア型インダクタのコアのキュリー温
度より低くする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子レンジなどの
マイクロ波加熱機器やレーダなどに用いられるマグネト
ロンに関する。より詳しくは、マグネトロン本体の陰極
端子に、雑音防止用フィルタを構成するインダクタが接
続されてなるマグネトロンに関する。
【0002】
【従来の技術】近年電子レンジが世界的に普及している
が、電子レンジには、高周波を発生するマグネトロンが
搭載されている。この高周波が漏洩すると、ラジオ、テ
レビ、通信機器などの正常な動作を妨げる。このため、
電子レンジ等のマイクロ波装置にあっては、マグネトロ
ンをシールド装置に収納するとともに、マグネトロンの
電源回路にフィルタ回路からなる雑音防止装置を設ける
ことが必要不可欠とされている。なお、このマグネトロ
ンが発生する雑音は、数百kHzの低周波数帯から数十
GHzの高周波数帯域に至るまでの広帯域となってい
る。
【0003】図7〜図9は、このような雑音防止装置を
備えたマグネトロンの従来例を示す。なお、図7は、従
来のマグネトロンのフィルタボックス部を破断した上面
説明図であり、図8は、図7のフィルタボックス部の側
断面説明図であり、図9は、図7及び8におけるインダ
クタの説明図である。これら図に示されるように、従来
のマグネトロンにおける雑音防止装置としては、マグネ
トロン本体1の陰極端子2、3に接続されたコア型イン
ダクタ4及び貫通型コンデンサ6からなるローパスフィ
ルタが使用されていた。また、この陰極端子2、3、コ
ア型インダクタ4及び貫通型コンデンサ6は、フィルタ
ボックス7によりシールドされていた。
【0004】コア型インダクタ4は、図8に示されるよ
うに、電波吸収体であるフェライトからなるコア4b
と、ポリアミドイミドなどの絶縁被膜で被覆された銅線
がコア4bの外周に巻回されているコイル巻線4aとか
ら構成されている。そして、ローパスフィルタを透過す
る雑音の減衰量が200〜300MHzで最大となるよ
うに、コア4bの材料として、透磁率μiが100程度
で、キュリー温度がポリアミドイミドなどの絶縁被膜の
耐熱温度よりかなり高い250℃以上であるフェライト
が使用されていた。
【0005】また、このように構成されたローパスフィ
ルタでは、陰極端子2、3にマグネトロン本体1の内部
で発生した基本発振周波数、例えば2450MHzのマ
イクロ波(以下単にマイクロ波というときは、この基本
発振周波数2450MHzの電波をいうものとする)出
力の一部が漏洩してきた場合、そのエネルギをコア4b
で吸収していた。したがって、漏洩マイクロ波エネルギ
が大となるときには、コア4bの発熱によりコイル巻線
4aの絶縁被膜が焼損して、絶縁破壊を起こしたり、直
列に接続されている貫通型コンデンサ6が昇温して絶縁
破壊を起こす場合があった。
【0006】そこで、このような問題に対する解決策と
して、従来一般的には、陰極から見た陰極端子2、3側
のインピーダンスが最大となるように陰極端子2、3か
らコイル巻線4aまでの導線の長さを調整し、漏洩する
マイクロ波エネルギを小さくすることが行われていた。
しかし、このように陰極端子2、3からコイル巻線4a
までの導線の長さを調整することのみでは、漏洩するマ
イクロ波エネルギを十分に小さくすることができなかっ
た。
【0007】また、さらにこの問題を解決する方法とし
て、特公昭57−17344号公報に記載のものが開発
されている。この方法は、前記コア型インダクタ4と陰
極端子2、3との間に、絶縁被膜が施された銅線を密に
巻回してなる空芯型インダクタ(コアを用いないでコイ
ル巻線のみで形成したもの)を接続したものである。こ
の空芯型インダクタは、漏洩してくるマイクロ波エネル
ギを反射又は減衰し、これによりコア型インダクタ4に
直接伝送されて吸収されるエネルギを抑制していた。ま
た、この空芯型インダクタは高周波の吸収性が高いコア
を有しないため、それ自体は発熱量が少なくなり熱蓄積
も少なくなるので焼損を起こしにくいというものであっ
た。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この特公昭5
7−17344号公報に記載の方法では、図7〜図9に
示された従来の雑音防止装置と同様、マグネトロンが発
生する雑音が数百kHzの低周波数帯から数十GHzの
高周波数帯域に至るまでの広帯域に亘っているのに対
し、前述のように、透過する雑音の減衰量が200〜3
00MHzを最大とするように設定されているため、2
00〜300MHz以上の高周波数帯域で雑音減衰量が
少ないという点が問題であった。
【0009】さらに、これを解決する方法としては、特
開平9−16750号公報に記載のように、マグネトロ
ン本体の陰極端子に、低周波対応のコア型インダクタと
高周波対応のコア型インダクタを接続する方法が提案さ
れているが、この方法によるコイル巻線の絶縁被膜の焼
損防止方法は、前述の従来一般の方法であり、改善の余
地が残されていた。
【0010】本発明は、このような従来技術に存在する
問題点に鑑みなされたものであって、広帯域において雑
音防止を可能とするとともに、前記インダクタを形成す
るコイル巻線の絶縁被膜焼損の問題を解決可能とするこ
とを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明によるマグネトロンは、マグネトロン本体の
陰極端子に接続される雑音防止用フィルタを、複数のコ
ア型インダクタを含む複数のインダクタにより構成し、
この複数のインダクタのうち、前記陰極端子に直接接続
するインダクタをコア型インダクタとし、このコア型イ
ンダクタのコアのキュリー温度を他のコア型インダクタ
のコアのキュリー温度より低くしたものである。
【0012】このように構成すると、複数のコア型イン
ダクタを用いているので、複数のコア型インダクタそれ
ぞれの雑音フィルタ特性を異ならせることにより、広帯
域のフィルタ特性を得ることが容易となる。また、マグ
ネトロン本体の陰極端子から漏洩する高周波エネルギ
は、マグネトロン本体の陰極端子に直接接続されたコア
型インダクタにより反射又は減衰され、他のインダクタ
に伝送されるエネルギが抑制される。これにより他のイ
ンダクタのコイル巻線の絶縁被膜の焼損を防止すること
ができる。また、前記マグネトロン本体の陰極端子に直
接接続されたコア型インダクタのコイル巻線は、このコ
アのキュリー温度以上に上昇することがないので、キュ
リー温度を低くした分、コイル巻線の絶縁被膜の耐熱温
度を低くすることができ、絶縁被膜の焼損防止を容易に
行うことができる。また、電子レンジを無負荷で運転す
るような異常運転時においては、漏洩するマイクロ波エ
ネルギが増大するが、陰極端子に直接接続されたコア型
インダクタのコアが温度上昇してキュリー温度に達する
と、空芯型と同様の漏洩マイクロ波抑制効果を持つよう
になる。このため、陰極端子に直接接続されるコア型イ
ンダクタは、このような異常運転時におけるコイル巻線
の絶縁被膜の焼損を防止できる。
【0013】また、前記陰極端子に直接接続されるコア
型インダクタのコアのキュリー温度を、このコア型イン
ダクタのコイル巻線の絶縁被膜の耐熱温度よりも低くし
たもよい。このように構成すると、コア温度が異常上昇
を起こし易い条件下(例えば、電子レンジを無負荷で運
転するような異常運転の場合)であっても、陰極端子に
直接接続されるコア型インダクタのコイル巻線は、それ
自身の絶縁被膜焼損を起こすような温度まで到達するこ
とがなく、絶縁被膜の焼損が確実に防止される。
【0014】また、前記陰極端子に直接接続されるコア
型インダクタのコイル巻線を疎巻としてもよい。このよ
うに構成すると、このコア型インダクタのコイル巻線間
の容量が小さくなる。従って、従来雑音フィルタ特性が
十分でなかった領域、つまり、300MHz帯より高周
波数帯域において、インピーダンスが大きくなり高周波
数帯域対応のフィルタ特性を発揮することができる。
【0015】また、前記陰極端子に直接接続されるコア
型インダクタのコアの透磁率を、他のコア型インダクタ
のコアの透磁率と異ならしめるようにしてもよい。この
ように構成すると、この陰極端子に直接接続されるコア
型インダクタ雑音フィルタ特性と他のコア型インダクタ
の雑音フィルタ特性と容易に異ならせることができる。
従って、このように構成したマグネトロンにおいては、
雑音フィルタ特性の広帯域化を容易に行うことができ
る。
【0016】また、前記複数のインダクタは、前記陰極
端子に直接接続される第1コア型インダクタと、この第
1コア型インダクタの反陰極端子側に接続された第2コ
ア型インダクタの2個とし、前記第2コア型インダクタ
は、200〜300MHzをピークとした雑音フィルタ
特性を有するものとしてもよい。このように構成する
と、従来のものでは十分な雑音フィルタ特性が得られな
かった300MHz以上の高周波数帯域でも、透過する
雑音の減衰量の大きい雑音フィルタ特性が得られ、広帯
域用フィルタを得ることができる。
【0017】また、前記第1コア型インダクタの透磁率
を、前記第2コア型インダクタのコアの透磁率より小と
してもよい。このように構成すると、簡単な構成であり
ながら、300MHz以上の高周波数帯域において、透
過する雑音の減衰量の大きい雑音フィルタ特性が得ら
れ、広帯域用フィルタを得ることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、この発明を具体化した実施
の形態について説明をする。まず、図1及び図2を参照
しながら、実施の形態に係るマグネトロンの構造につい
て説明する。なお、図1は、本発明の実施の形態に係る
マグネトロンの入力側フィルタ部分の説明図であり、図
2は、この入力側フィルタに使用するインダクタの例を
示す図である。なお、これら図面において、図7〜図9
に示した従来例と同一の部分には同一の符号を付し、そ
の説明を省略する。
【0019】この実施の形態に示したマグネトロンは、
図7〜図9に示した従来例と同様に、一般家庭用の電子
レンジに使用されている発振周波数が2450MHz帯
のマグネトロンである。そして、5は、陰極端子2、3
と、従来例に使用されているコア型インダクタ4との間
に接続されたコア型インダクタ、つまり、陰極端子2、
3に直接接続されるコア型インダクタである。なお、こ
の実施の形態は、マグネトロンの雑音防止用フィルタ回
路にコア型インダクタ5を追加的に接続したこと以外
は、図7〜図9に示した従来例と同様である。
【0020】以上のように、2個のコア型インダクタ
4、5を用いたのは、2個のコア型インダクタ4、5そ
れぞれの雑音フィルタ特性を異ならせることにより、広
帯域のフィルタ特性を得られるようにしたものである。
また、インダクタをコア型としたのは無芯型に比し所望
のフィルタ特性を得ることが容易となるからである。
【0021】そして、上記コア型インダクタ5は、コア
5bと、このコア5bの回りに巻回されたコイル巻線5
aとから形成されている。コア5bは、直径5mmの円
柱棒状のフェライトからなるもので、その透磁率μiを
50程度、キュリー温度を約150℃としている。ま
た、コイル巻線5aは、直径が1.4mmφのポリアミ
ドイミドなどの例えば耐熱温度が約220℃の耐熱性絶
縁樹脂が被膜された銅線からなり、この銅線がコア5b
の外周に、約0.1〜3mmの間隔で疎巻され、約4タ
ーン巻回されている。
【0022】なお、従来から存在するコア型インダクタ
4のコア4bは、直径5mmの円柱棒状のフェライトか
らなるもので、その透磁率μiを約100、キュリー温
度を約250℃としたものである。また、コイル巻線5
aは、直径が1.4mmφのポリアミドイミドなどの例
えば耐熱温度が約220℃の耐熱性絶縁樹脂が被膜され
た銅線からなり、この銅線がコア5bの外周に、密接し
て約10ターン巻回されている。
【0023】コア型インダクタ4、5は、以上のように
構成されているが、これは次のような考えに基づくもの
であり、上記具体的数値はその一例を示すものである。
本実施の形態では、コア型インダクタ5により、従来か
ら存在するコア型インダクタ4のコイル巻線4aの焼損
を防止することを目的とするとともに、コア型インダク
タ5自身のコイル巻線5aの絶縁被膜の耐熱温度を低く
設定できることをも目的としている。そのために、本実
施の形態においては、コア型インダクタ5のコア5bの
キュリー温度を従来のコア型インダクタ4のコア4bの
キュリー温度(250℃)より低く設定している。
【0024】また、本実施の形態においては、コイル巻
線5aの絶縁被膜の焼損を確実に防止するために、前記
コア型インダクタ5のコア5bのキュリー温度を、コイ
ル巻線5aの絶縁被膜の耐熱温度(220℃)よりも低
くしている。
【0025】また、本実施の形態においては、前記コア
型インダクタ5のコイル巻線5aを疎巻としている。即
ち、コイル巻線5aは、コア5bに対し銅線の巻線間隔
を大きくし、具体的には約0.1〜3mmとして約4タ
ーン巻回している。このようにコイル5bを疎巻とする
ことにより、コア型インダクタ5は、高周波数帯域での
インピーダンスが大きくなり、高周波数帯域対応のフィ
ルタ作用を発揮するのに適した構成となっている。
【0026】さらに、この実施の形態においては、コア
型インダクタ5のコア5bの透磁率を、コア型インダク
タ4のコア4bの透磁率(100)より小さくすること
により、コア型インダクタ5のインダクタンスL成分を
小さくし、共振周波数1/(2π√LC)を大きくして
いる。すなわち、コア型インダクタ4の雑音フィルタ特
性で不十分とされている高周波数帯域に対応できるフィ
ルタ特性を、このコア型インダクタ5に持たせるように
している。
【0027】また、コイル巻線5aの銅線に被覆する絶
縁被膜の材料であるポリアミドイミドは、高周波数帯域
での雑音フィルタ特性をより改善するために、誘電率が
小さいものとして選ばれたものである。
【0028】次に、上記構成のローパスフィルタの等価
回路図を図3に基づいて説明する。コア型インダクタ4
は、インダクタンスL1 と巻線間のキャパシタンスC1
とが並列接続されたものであり、コア型インダクタ5
は、インダクタンスL2と巻線間のキャパシタンスC2
とが並列接続されたもので、この合成インピーダンス
は、これらがさらに直列接続されたものと考えられる。
そのため、合成インピーダンスのLは大きくなり、Cは
小さくなる。
【0029】次に、この合成インピーダンスを備えたロ
ーパスフィルタの、周波数に対する雑音減衰量で表した
雑音フィルタ特性を図4に基づき説明する。図4におい
て、コア型インダクタ4による雑音フィルタ特性(つま
り、従来の雑音フィルタ特性に相当するもの)はBで示
され、コア型インダクタ5による雑音フィルタ特性はA
で示され、これらコア型インダクタ4、5による総合雑
音フィルタ特性はTで示される。そして、この図4に示
されるように、コア型インダクタ4による雑音フィルタ
特性Bは、300MHzで雑音減衰量がピークとなり、
周波数が高くなるのにつれて雑音減衰量が低下するのに
対し、コア型インダクタ5による雑音フィルタ特性A
は、前述のコイル巻線の巻き方で、700MHzに雑音
減衰量のピークが存在する。従って、これらを総合した
総合雑音フィルタ特性Tは、広帯域で雑音減衰量が大き
くなる。
【0030】次に、本実施の形態に係るローパスフィル
タの、周波数に対する雑音通過量の関係で表した雑音フ
ィルタ特性と、図7〜図9に示した従来例に係るローパ
スフィルタの、同様の雑音フィルタ特性とを、両者を比
較して図5に示す。なお、本実施の形態に係るローパス
フィルタとは、コア型インダクタ4とコア型インダクタ
5とを複合したインダクタと、貫通型コンデンサ6とを
組合せたものである。図5において、Aは本実施の形態
に係るローパスフィルタの特性線であり、Bは従来例に
係るローパスフィルタの雑音フィルタ特性線である。こ
の図5に示すように、従来例に係るローパスフィルタの
雑音フィルタ特性Bは、200〜300MHzで雑音通
過量が最も少なくなっており、高周波数帯域に向かって
徐々にフィルタ機能が低下していくのに対して、本実施
の形態に係るローパスフィルタの雑音フィルタ特性A
は、300MHz以上の帯域においても雑音通過量が少
なく、ほぼフラットな特性を維持しており、10〜30
dBの特性改善が確認される。
【0031】次に、マグネトロン本体、貫通型コンデン
サ6およびフィルタボックス7を、図7〜図9に示した
従来例と同じものとして、本実施の形態に係るマグネト
ロンおよび図7〜図9に示した従来例に係るマグネトロ
ンの、周波数に対する雑音レベルの関係で表した雑音フ
ィルタ特性を、図6に示す。図6において、Aは本実施
の形態に係るマグネトロンについて測定した雑音フィル
タ特性線であり、Bは従来例に係るマグネトロンについ
て測定した雑音フィルタ特性線である。図6から明らか
なように、前述の図5に示した雑音フィルタ特性と同様
に、従来例に係るマグネトロンの雑音フィルタ特性線B
は、200〜300MHzで雑音レベルが最も低くなっ
ており、高周波数帯域に向かうにしたがいって徐々に上
昇していくのに対して、本実施の形態に係るマグネトロ
ンの雑音フィルタ特性線Aは、300MHz以上の帯域
においても、雑音レベルが低く、ほぼフラットな特性を
維持しており、10〜30dBの特性改善が確認され
る。
【0032】次に、コア型インダクタ4、5のマグネト
ロン運転時の温度について説明する。電子レンジの通常
の運転時には、マグネトロン本体1から陰極端子2、3
に漏洩するマイクロ波(基本発振周波数)は、例えば2
450MHzであり、このマイクロ波出力の一部は微小
であり、コア型インダクタ5のコア5bの温度は約60
℃〜80℃程度であり、コイル巻線4a、5aの絶縁被
膜の焼損や貫通型コンデンサ6の昇温による絶縁破壊等
の問題は生じることは無い。
【0033】また、電子レンジが無負荷で運転されると
きのような異常条件において、マグネトロン本体1から
陰極端子2、3に漏洩するマイクロ波の出力が増大し、
コア型インダクタ5のコア5bの温度上昇が大となった
場合であって、コア5bがキュリー温度に達した場合に
は、コア5bでのエネルギの吸収が無くなるため、コイ
ル巻線5aの温度が絶縁被膜の耐熱温度を越えるような
状態にはならない。また、コア型インダクタ5と直列に
接続されているコア型インダクタ4や貫通型コンデンサ
6は、コア型インダクタ5の反射又は減衰作用により、
伝送される高周波エネルギが抑制されるので、昇温して
絶縁破壊を引き起すようなことも無い。
【0034】また、コア5bが温度上昇してキュリー温
度に達した場合、このコア型インダクタ5は、空芯型と
同様の雑音フィルタ特性を持つようになる。このため、
このような異常運転時における雑音フィルタ特性が向上
し、マイクロ波の漏洩を効率よく防止することができ
る。
【0035】上記実施の形態において次のように変形す
ることができる。 (1)コア型インダクタ5の反陰極端子側に接続される
インダクタは、この実施の形態においてはコア型インダ
クタ1個としているが、特に1個としたものに限定され
るものではない。所定のフィルタ特性を得るために複数
としてもよく、その場合はコア型インダクタ4以外のも
のを空芯型としてもよい。
【0036】(2)また、コア型インダクタ4は、上記
では従来と同様の雑音フィルタ特性を持ったものとして
いる。しかし、これに限定されるものではない。 (3)また、コア型インダクタ4、5は、雑音フィルタ
特性やインバータ電源駆動時の適正フィラメント電流値
調整などの目的に応じて、コイル巻線の線径、巻数、巻
ピッチなどを適宜選択してもよい。 (4) また、本実施の形態では、コア型インダクタ
4、5は、コア4b、5bの円柱棒状外周にコイル巻線
4a、5aを巻回したものとしているが、これに限ら
ず、コア4b、5bの形状を、断面形状が4角などの多
角形にした柱棒状のものとしてもよい。
【0037】(5)また、上述のように、コア型インダ
クタ5のコア5bの透磁率を小さくすれば、高周波数帯
域での雑音フィルタ特性を向上させることができるが、
この実施の形態とは異なり、逆にコア5bの透磁率を、
コア型インダクタ4のコア4bの透磁率より大きい値、
例えば、約500とすれば、約20MHz〜200MH
z帯の雑音フィルタ特性をも向上させることもできる。
このように、コア5bの透磁率をコア4bの透磁率と異
ならせることにより、広帯域に亘って、良好な雑音フィ
ルタ特性を得ることができる。 (6)なお、コア5bの透磁率をコア4bの透磁率と同
じ透磁率のものとしても良く、この場合にも、前述のよ
うに、コア型インダクタ5のコア5bのキュリー温度を
コア型インダクタ4のコア4bのキュリー温度より低く
設定することにより、最も温度の上がり易いコア5bの
コイル巻線5aの絶縁被膜の耐熱温度を低く設定するこ
とができる。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、複
数のコア型インダクタを含むので、この雑音フィルタ特
性を異ならせることにより、広帯域のフィルタ特性を得
ることができる。また、陰極端子に直接接続されるコア
型インダクタにより、他のコア型インダクタのコイル巻
線の絶縁被膜の焼損を防止することができる。また、マ
グネトロン本体の陰極端子に直接接続されるコア型イン
ダクタのコアのキュリー温度を、他のコア型インダクタ
のキュリー温度より低くしているので、マグネトロン本
体の陰極端子に直接接続されるコア型インダクタのコイ
ル巻線の絶縁被膜の耐熱温度を低くすることができる。
また、電子レンジを無負荷で運転するような異常運転時
においては、漏洩するマイクロ波エネルギの増大によ
り、マグネトロン本体の陰極端子に直接接続されるコア
型インダクタのコアがキュリー温度に到達し、空芯と同
様のフィルタ特性となりマイクロ波の漏洩を効率よく防
止することができる
【0039】また、マグネトロン本体の陰極端子に直接
接続されるコア型インダクタは、コアのキュリー温度を
コイル巻線の絶縁被膜の耐熱温度よりも低くしているの
で、コイル巻線が耐熱温度に上昇する前に、コアがキュ
リー温度に到達するため、コイル巻線の絶縁被膜の焼損
は確実に防止される。
【0040】また、マグネトロン本体の陰極端子に直接
接続されるコア型インダクタのコイル巻線を疎巻とする
と、このコア型インダクタのコイル巻線間の容量が小さ
くなることにより、高周波数帯域対応のフィルタ特性を
発揮することができる。
【0041】また、マグネトロン本体の陰極端子に直接
接続されるコア型インダクタのコアの透磁率を、他のコ
ア型インダクタのコアの透磁率と異ならせることによ
り、これらコア型インダクタの雑音フィルタ特性を相互
に容易に異ならせることができ、雑音フィルタ特性の広
帯域化を容易に行うことができる。
【0042】また、雑音防止用フィルタを構成する複数
のインダクタを、陰極端子に直接接続される第1コア型
インダクタと、この第1コア型インダクタの反陰極端子
側に接続された第2コア型インダクタの2個とし、さら
に、第2コア型インダクタは、200〜300MHzを
ピークとした雑音フィルタ特性を有するものとすると、
従来、十分な雑音フィルタ特性が得られなかった300
MHz以上の高周波数帯域で良好な雑音フィルタ特性が
得られ、広帯域用フィルタを得ることができる。
【0043】また、第1コア型インダクタの透磁率を、
第2コア型インダクタのコアの透磁率より小とすると、
簡単な構成でありながら、300MHz以上の高周波数
帯域において、透過する雑音の減衰量の大きい雑音フィ
ルタ特性が得られ、広帯域用フィルタを得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係るマグネトロンの入
力側フィルタ部分の説明図である。
【図2】 本発明の実施の形態に係るマグネトロンの入
力側フィルタに使用するインダクタの例を示す図であ
る。
【図3】 本発明の実施の形態に係るマグネトロンのロ
ーパスフィルタの等価回路図である。
【図4】 本発明の実施の形態に係るマグネトロンのロ
ーパスフィルタの、周波数に対する雑音減衰量で表した
雑音フィルタ特性図である。
【図5】 本発明の実施の形態に係るマグネトロンのロ
ーパスフィルタの、周波数に対する雑音通過量で表した
雑音フィルタ特性図である。
【図6】 本発明の実施の形態に係るマグネトロンの、
周波数に対する雑音レベルで表した雑音フィルタ特性図
である。
【図7】 従来例に係るマグネトロンのフィルタボック
ス部を破断した上面説明図である。
【図8】 図7のフィルタボックス部の側断面説明図で
ある。
【図9】 従来例に係るマグネトロンのインダクタを示
す図である。
【符号の説明】
1 マグネトロン本体 2、3 陰極端子 4 (他の)コア型インダクタ 4a コイル巻線 4b コア 5 (マグネトロン本体の陰極端子に直接接続され
た)コア型インダクタ 5a コイル巻線 5b コア 6 貫通型コンデンサ 7 フィルタボックス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長谷川 節雄 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 岡田 則幸 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 中井 聡 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 Fターム(参考) 5C029 JJ04

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マグネトロン本体の陰極端子に接続され
    る雑音防止用フィルタを、複数のコア型インダクタを含
    む複数のインダクタにより構成し、この複数のインダク
    タのうち、前記陰極端子に直接接続するインダクタをコ
    ア型インダクタとし、このコア型インダクタのコアのキ
    ュリー温度を他のコア型インダクタのコアのキュリー温
    度より低くしたことを特徴とするマグネトロン。
  2. 【請求項2】 前記陰極端子に直接接続されるコア型イ
    ンダクタのコアのキュリー温度を、このコア型インダク
    タのコイル巻線の絶縁被膜の耐熱温度よりも低くしたこ
    とを特徴とする請求項1記載のマグネトロン。
  3. 【請求項3】 前記陰極端子に直接接続されるコア型イ
    ンダクタのコイル巻線を疎巻としたことを特徴とする請
    求項1又は請求項2記載のマグネトロン。
  4. 【請求項4】 前記陰極端子に直接接続されるコア型イ
    ンダクタのコアの透磁率を、他のコア型インダクタのコ
    アの透磁率と異ならしめたことを特徴とする請求項1〜
    3の何れか1項に記載のマグネトロン。
  5. 【請求項5】 前記複数のインダクタは、前記陰極端子
    に直接接続される第1コア型インダクタと、この第1コ
    ア型インダクタの反陰極端子側に接続された第2コア型
    インダクタ2個とし、前記第2コア型インダクタは、2
    00〜300MHzをピークとした雑音フィルタ特性を
    有するものとし、前記第1コア型インダクタは、300
    MHz以上の帯域にピークのあるフィルタ特性を有する
    ものとしたことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項
    に記載のマグネトロン。
  6. 【請求項6】 前記第1コア型インダクタは、コアの透
    磁率を前記第2コア型インダクタのコアの透磁率より小
    としたことを特徴とする請求項4又は5記載のマグネト
    ロン。
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