JP2003045092A - 貼り合わせディスクの製造方法およりディスク貼り合わせ装置 - Google Patents

貼り合わせディスクの製造方法およりディスク貼り合わせ装置

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JP2003045092A
JP2003045092A JP2001235187A JP2001235187A JP2003045092A JP 2003045092 A JP2003045092 A JP 2003045092A JP 2001235187 A JP2001235187 A JP 2001235187A JP 2001235187 A JP2001235187 A JP 2001235187A JP 2003045092 A JP2003045092 A JP 2003045092A
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disk substrate
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adhesive
bonding
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Akira Murota
公 室田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ディスク基板の貼り合わせ面と接着剤とが接
触する面積を徐々に増加させることで、互いに貼り合わ
されるディスク基板の間に介在する接着剤の中に気泡が
発生することを大幅に低減できるディスク貼り合わせ方
法とディスク貼り合わせ装置を提供すること。 【解決手段】 第1のディスク基板11の貼り合わせ面
11aに接着剤15を適用し、前記第2のディスク基板
12を前記第1のディスク基板に対して、傾斜した状態
で対向させる。そして、前記第2のディスク基板12に
対して部分的に押圧力61を加えて、第2のディスク基
板の貼り合わせ面12aが接着剤15に対して一箇所で
接触するようにし、次いで、押圧箇所を前記第2のディ
スク基板の周方向に移動させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複数のディスク基板を
貼り合わせて形成するディスク状の情報記録媒体の製造
方法に係り、特に、ディスク貼り合わせ方法とディスク
貼り合わせ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、高密度情報記録用のディスク状の
記録媒体(以下、「光ディスク」という)は、多量の情
報を記録するために、信号記録層を備えた複数のディス
ク基板を貼り合わせて構成したものが用いられている。
このような光ディスクには、その情報記録の方式によ
り、両面記録,片面記録そして記録層の数により単層ま
たは二層の種類に分かれており、例えば片面単層,片面
二層,両面単層及び両面二層等の型式がある。そして、
このような片面二層または両面二層の光ディスクとし
て、例えばDVD(デジタルバーサタイルディスク)が
実用化されている。
【0003】このような光ディスクの製造工程におい
て、ディスク基板の貼り合わせは、例えば、図9に示す
ように行われている。図9(a)において、ディスク基
板1の上には、UV硬化型の接着剤インク3がリング状
に塗布されている。このディスク基板1を水平の保持し
た状態で、ディスク基板1と貼り合わせられるディスク
基板2をディスク基板1の上に水平に配置する。次に、
図9(b)に示すように、水平状態を維持してディスク
基板2を矢印方向に下降させてディスク基板2と重ね
る。次いで、スピンコータで接着剤インク3をディスク
基板1とディスク2の貼り合わせ面にそって均一にコー
トさせ、紫外線を照射することで硬化させることによ
り、ディスク基板1とディスク2の貼り合わせを行って
いた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図9の
ような手法によりディスク基板1とディスク2を貼り合
わせる際には、ディスク1の貼り合わせ時の平面図であ
る図10に示すように、気泡(ボイド)4が接着剤3の
中に混入し、この気泡4が基板間に残ってしまうという
問題がある。この気泡4が基板間に残ると、基板表面の
膜に気泡4の空気が接触して、劣化させ、光ディスクの
記録状態が悪化したりして、光ディスクの経年変化を早
めるといった弊害がある。
【0005】そこで、ディスク基板1とディスク基板2
の貼り合わせ時に接着剤3の中に抱き込んでしまう気泡
4の発生を抑制するためには、図11に示すような方法
も検討されている。図11では、ディスク基板5上の周
辺近くに、接着剤7を塗布している。ディスク基板5と
貼り合わされるディスク基板6の下面である貼り合わせ
面を、ディスク基板5の貼り合わせ面である上面と対向
させて配置させる。
【0006】そして、ディスク基板6の接着剤7と近接
しない側が開くようにして、所定角度傾斜させてディス
ク基板6の貼り合わせ面を接着剤7と接触させる。次い
で、ディスク基板6を矢印方向に徐々に倒して水平にす
ることにより、できるだけ接着剤7中に気泡が発生しな
いようにしようとするものである。
【0007】このような手法によると、たしかに図9の
方法よりも発生する気泡はすくなくなるが、未だ気泡の
発生を十分に低減することができず、基板6,6間には
なお多くの気泡が残ってしまう。これは、上述の方法で
は、貼り合わせ時のディスク5の平面図である図12に
示すように、接着剤7とディスク5の貼り合わせ面及び
ディスク6の貼り合わせ面とが接触する面積が、急激に
増加するためと考えられる。
【0008】本発明は、以上の点に鑑み、ディスク基板
の貼り合わせ面と接着剤とが接触する面積を徐々に増加
させることで、互いに貼り合わされるディスク基板の間
に介在する接着剤の中に気泡が発生することを大幅に低
減できるディスク貼り合わせ方法とディスク貼り合わせ
装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、第1
のディスク基板の貼り合わせ面に接着剤を適用し、前記
第2のディスク基板を前記第1のディスク基板に対し
て、傾斜した状態で対向させるようにするものである。
そして、前記第2のディスク基板に対して部分的に押圧
力を加えて、前記第2のディスク基板の貼り合わせ面が
前記接着剤に対して一箇所で接触するようにし、次い
で、前記押圧箇所を前記第2のディスク基板の周方向に
移動させる。これによって、第2のディスクの貼り合わ
せ面と前記接着剤とが接触する箇所が前記周方向に拡が
るようにして、上記目的を達成するものである。請求項
1の構成によれば、第2のディスク基板の貼り合わせ面
と接着剤とが接触する箇所は、前記押圧箇所の周方向へ
の移動にともなって増加する。このため、ディスク基板
の貼り合わせ面と接着剤との接触面積が従来のように急
激に増加することがなく、気泡の発生を抑制することが
できる。
【0010】請求項2の発明は、請求項1の構成におい
て、前記接着剤が、前記第1のディスク基板の貼り合わ
せ面において、周方向にほぼ一周分塗布されることを特
徴とする。請求項2の構成によれば、前記押圧箇所の周
方向への移動とほぼ一致する領域に接着剤が適用される
ことになる。
【0011】請求項3の発明は、請求項1または2のい
ずれかの構成において、前記押圧箇所の前記移動速度が
毎秒100mm乃至毎秒150mmとされることを特徴
とする。請求項3の構成によれば、前記押圧箇所の前記
移動速度が毎秒100mmよりも遅いと、最初にディス
クと接着剤が接した箇所で接着剤が拡がりすぎてしまう
という弊害がある。前記押圧箇所の前記移動速度が毎秒
150mmよりも早いと、接着剤の表面の変形が追いつ
かず空気を巻き込んでしまうという弊害がある。
【0012】請求項4の発明は、請求項1ないし3のい
ずれかの構成において、前記接着剤が、固形成分を含ま
ず、かつ粘度が600cpないし1000cpであるこ
とを特徴とする。請求項4の構成によれば、前記接着剤
が、固形成分を含んでいると、接着剤とディスク貼り合
わせ面との間で糸引きが弱く、接触が不十分となる。ま
た、前記接着剤の粘度が600cp未満であると、接着
剤の糸引きが弱くなるという弊害がある。前記接着剤の
粘度が1000cpを超えると、空気を巻き込みやす
く、貼り合わせ速度を遅くしなければならないという弊
害がある。
【0013】請求項5の発明は、請求項1ないし4のい
ずれかの構成において、前記傾斜角度が0.5度ないし
2度であることを特徴とする。請求項5の構成によれ
ば、第2のディスク基板の第1のディスク基板に対する
傾斜角度が、0.5度よりも小さいと、接触部分を特定
できなくなるという弊害がある。また、第2のディスク
基板の第1のディスク基板に対する傾斜角度が、2度よ
りも大きいと、接着剤の糸引きが切れるという弊害があ
る。
【0014】また、上記目的は、請求項6の発明によれ
ば、第1のディスク基板と第2のディスク基板を貼り合
わせるディスク貼り合わせ装置であって、前記第1のデ
ィスク基板をほぼ水平に保持する水平保持手段と、この
水平保持手段により保持された前記第1のディスク基板
の貼り合わせ面に対して、前記第2のディスク基板の貼
り合わせ面を対向させて保持するとともに、前記水平方
向に対して、所定の角度で揺動するようにされた揺動保
持手段と、この揺動保持手段を介して、前記第2のディ
スク基板の周縁部に対して、部分的に押圧力を付与する
押圧手段と、この押圧手段による押圧箇所を前記第2の
ディスク基板の周方向に沿って移動させる移動手段とを
含んでいる、ディスク貼り合わせ装置により、達成され
る。
【0015】請求項6の構成によれば、前記水平保持手
段が第1のディスク基板の貼り合わせ面を上にした状態
で水平に保持する。前記揺動保持手段は、第2のディス
ク基板を保持するものであって、第2のディスク基板
は、貼り合わせ面を下にして第1のディスク基板と対向
される。そして、前記揺動保持手段は、第2のディスク
基板が第1のディスク基板に対して傾斜されるように揺
動可能に保持している。この状態で、前記押圧手段が、
第2のディスク基板の周縁部に対して、部分的に押圧力
を付与し、この押圧箇所を記第2のディスク基板の周方
向に沿って移動させる。これにより、第2のディスク基
板の貼り合わせ面と接着剤とが接触する箇所は、前記押
圧箇所の周方向への移動にともなって増加する。このた
め、ディスク基板の貼り合わせ面と接着剤との接触面積
が従来のように急激に増加することがなく、気泡の発生
を抑制することができる。
【0016】請求項7の発明は、請求項6の構成におい
て、前記揺動保持手段が、前記水平方向に対して、ほぼ
0.5度ないし2度の傾斜角度で揺動される構成とした
ことを特徴とする。
【0017】請求項8の発明は、請求項6または7のい
ずれかの構成において、前記水平保持手段が水平テーブ
ルであって、前記揺動保持手段が、この水平テーブルに
対して、平行に位置決めされた平行支持体と、この平行
支持体から、弾性手段を介して懸下されており、下端に
前記第2のディスク基板を吸着する吸着手段とを備える
ことを特徴とする。
【0018】請求項9の発明は、請求項8の構成におい
て、前記吸着手段が、円盤状のフランジ部を備えてお
り、前記押圧手段が、前記フランジ部に当接して、周方
向に移動される押動アームを有していることを特徴とす
る。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、この発明の好適な実施形態
を添付図面を参照しながら、詳細に説明する。尚、以下
に述べる実施形態は、本発明の好適な具体例であるか
ら、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本
発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定す
る旨の記載がない限り、これらの態様に限られるもので
はない。
【0020】図1は、本実施形態による貼り合わせディ
スクの製造方法により製造される光ディスクの第1の構
成例を示している。図1において、光ディスク10は、
例えばポリカーボネイト,アクリル,ポリオレフィン等
の透明合成樹脂から成る円板状の第1のディスク基板1
1と、第2のディスク基板12を備える貼り合わせディ
スクである。上記第1のディスク基板11は、例えば射
出成形機を使用して、金型により成形され、その際、デ
ィスク基板11の図において下面には、スタンパにより
ピットまたはグルーブ等の信号に対応する形状を備えて
おり、例えば厚さ0.6mmに選定されている。
【0021】第1のディスク基板11の一面(下面)
は、情報を表わす形状に形成されていおり、このディス
ク基板11の下面に対して金や金合金もしくは銀や銀合
金等による反射膜13が形成され、さらにこの反射膜1
3に対して、第1のディスク基板11と同じ構成の第2
のディスク基板12が、接着剤15を介して当接され、
この接着剤15を硬化させることにより、ディスク基板
11,12が貼り合わされる。
【0022】ここで、例えば、第1のディスク基板11
の上面には、例えば記録内容を視覚的に示すための不定
形の印刷パターン16が形成されている。また、第2の
ディスク基板12の上面は、情報を表わす形状に形成さ
れた後、反射膜13の代わりに、膜厚を薄くするなどし
て形成した半透過反射膜14が設けられている。このよ
うな構成の片面二層の光ディスク10によれば、下方か
ら光ビームを反射膜13または半透過反射膜14に照射
して、その反射光ビームを検出することにより、信号読
取を行なうようになっている。
【0023】図2は、ディスクの貼り合わせ装置の概略
構成図である。図において、ディスクの貼り合わせ装置
(以下、「貼り合わせ装置」という)20は、第1のデ
ィスク基板11を保持するための水平保持手段としての
水平テーブル21と、第2のディスク基板12を保持す
るための揺動保持手段22と、この揺動保持手段22を
介して、第2のディスク基板12の周縁部に対して、部
分的に押圧力を付与する押圧手段24と、この押圧手段
24による押圧箇所を第2のディスク基板12の周方向
に沿って移動させる移動手段23とを備えている。
【0024】水平テーブル21は、図示されているよう
に第1のディスク基板11を、図において水平に保持す
るもので、この水平テーブル21に対して平行に、所定
距離だけ上方に離れて平行支持体25が配置されてい
る。この平行支持体25には、ホルダー26が固定され
ている。ホルダー26はその上端付近が平行支持体25
に固定されており、内部に空間Sを有している。この空
間S内には、揺動保持手段40の上部が収容されてお
り、ホルダー26は揺動保持手段40の組付け体となっ
ている。すなわち、ホルダー26の内部空間Sは、底部
27を備えると共に、底部27付近の外側には、外方に
張り出す上フランジ22と下フランジ33を有してい
る。
【0025】前記揺動保持手段40は、図2において、
内部に空気の通る孔(図示せず)を備え長く延びる筒状
の上部41と、上部41の下端に設けられた円盤状の吸
着部42を備えている。この円盤状の吸着部である吸着
ヘッド42は、周方向に拡がるフランジ部43を備えて
おり、その下端に第2のディスク基板12を吸着保持す
ることができるようになっている。すなわち、上部41
に設けられた空気孔は、この吸着ヘッド42まで連通し
ており、上部41が図示しない真空ポンプ等と接続され
ることによって、矢印A方向に吸気を吸引することで、
吸着ヘッド42の下端に第2のディスク基板12を真空
吸着するようになっている。
【0026】また、揺動保持手段40の上部41の上端
付近には、外径方向に張り出した受け部42が形成され
ており、他方、ホルダー26の底部27の中心付近に
は、上部41が貫通する貫通孔の周囲に凹状の収容部2
7aが形成されている。そして、上記受け部42と収容
部27aとの間には、伸張方向に付勢力を発揮する弾性
手段としての、例えばコイルスプリング43が配設され
ている。これにより、揺動保持手段40は、この平行支
持体25から、ホルダー26及び弾性手段であるコイル
スプリング43を介して懸下されている。これにより、
揺動保持手段40は、上部41の仮想の中心軸Cの中点
を中心として、中心軸Cが倒れる方向である矢印B方向
に揺動可能に吊られている。そして、揺動保持手段40
は、揺動可能に吊られた状態で、第2のディスク基板1
2を吸着保持できるようになっている。また、平行支持
体25及び揺動保持手段40の全体は、図示しない駆動
手段により図において上下の方向に昇降されるようにな
っている。
【0027】さらに、ホルダー26の上フランジ22と
下フランジ33の間には、大径のホイール状のギヤ32
が、装着されている。このギヤ32は、移動手段30の
一部であって、上フランジ22に対しては、軸受部材と
してのボールベアリング35により、下フランジ23に
対しては、軸受け部材としてのボールベアリング36に
より、回転可能に支持されている。さらに、貼り合わせ
装置20の移動手段30は、平行支持体25に固定され
た駆動手段としてのステッピングモータ34と、ステッ
ピングモータ34の回転軸37に固定された駆動ギヤ3
5とを備えており、この駆動ギヤ35の歯車部36は、
上述した大径のホイール状のギヤ32の歯車部33と歯
合している。
【0028】また、ホイール状のギヤ32には、押圧手
段50が設けられている。つまり、押圧手段50は、ホ
イール状のギヤ32の外径の一箇所に固定され、垂直に
下方に延びる54のアーム54の下端に取り付けられ
て、褶動面を揺動保持手段40の吸着ヘッド42の下端
のフランジ部43の周縁付近に当接されたローラ55を
有している。このローラ55の褶動面がフランジ部43
の周縁付近に当接された当接箇所がアーム54による押
圧箇所とされている。
【0029】本実施形態の貼り合わせ装置20は、以上
のように構成されており、図3の製造工程におけるディ
スクの貼り合わせ工程を実行するようになっている。次
に、図3を参照して光ディスクの製造工程を説明しつ
つ、本実施形態のディスクの貼り合わせ方法を貼り合わ
せ装置20の動作とともに説明する。
【0030】図3に示すように、第1のディスク基板1
1と第2のディスク基板12は、それぞれ、成形機(図
示せず)の各キャビティ内でそれぞれ成形される(ST
11,13)。この時、信号記録層に対応して、所定の
記録ピット等に適合した凹凸面がそれぞれ形成される。
次に、各ディスク基板11,12について、金や金合金
もしくは銀や銀合金等による金属膜が形成される(ST
12,14)。各金属膜は、第1のディスク基板11の
反射膜13と、第2のディスク基板12の半透過反射膜
14に対応している。尚、この時、必ずしも両方のディ
スク基板11,12に金属膜を形成して、両方に信号記
録層を作らなくてもよい。つまり、必要とされる情報記
録量が少なく、かつ高密度情報記録用の光ディスクと互
換される光ディスクの場合には、一方のディスク基板、
例えば、第1のディスク基板11にだけ反射膜13を成
膜するようにしてもよい。
【0031】次に、第1のディスク基板11を、図2の
貼り合わせ装置20の水平テーブル12上に固定する
(ST15)。さらに、この第1のディスク基板11の
上に、接着剤15を塗布する(ST16)。ここで、接
着剤15は、例えば、図示しないシリンジ等を用いて塗
布される。接着剤としては、例えば、紫外線硬化樹脂等
でなるインク状のものが用いられ、好ましくは、固形成
分を極力低減し、もしくは含まないものとし、粘度が6
00cpないし1000cpに調整されている。
【0032】ここで、接着剤15が、固形成分を含んで
いると、接着剤15と後述する工程において、ディスク
基板の貼り合わせ面との間で糸引きが弱く、接触が不十
分となる。また、接着剤15の粘度が600cp未満で
あっても、糸引きが弱くなるという弊害がある。接着剤
15の粘度が1000cpを超えると、空気を巻き込み
やすく、貼り合わせ速度を遅くしなければならないとい
う弊害がある。また、接着剤15の塗布は、例えば、図
4に示されているように、第1のディスク基板11の貼
り合わせ面において、内周よりの周方向にほぼ一周分塗
布される。
【0033】一方、成膜がおわった第2のディスク基板
12は、図2の貼り合わせ装置20の吸着ヘッド42に
吸着保持される(ST17)。この時、第2のディスク
基板12の貼り合わせ面12aは、第1のディスク基板
11の貼り合わせ面11aと対向されるように保持され
る。次いで、吸着ヘッド42が、図示しない駆動手段に
より、平行支持体25及び揺動保持手段40全体ととも
に下降されて、第2のディスク基板12の貼り合わせ面
12aが、第1のディスク基板11の貼り合わせ面11
aと、所定の間隔をもって対向される(ST18)。こ
の所定の間隔は、好ましくは、0.2mmないし3mm
で、1mmとすると特に適切である。この間隔が0.2
mmよりも小さいと、静電気力により、接着剤が適切な
所定の位置から接触しないという弊害がある。この間隔
が3mmよりも大きいと、糸引きが切れてしまうという
弊害がある。
【0034】ここで、第2のディスク基板12の貼り合
わせ面12aと、第1のディスク基板11の貼り合わせ
面11aとは、図4に示すように、所定角度θだけ傾斜
させて対向されるようになっており、上記所定間隔は、
第2のディスク基板12の貼り合わせ面12aと、第1
のディスク基板11の貼り合わせ面11aとが最も離れ
ている箇所の間隔である。そして、図4の傾斜角度θ
は、好ましくは、0.5度ないし2度に設定される。こ
の傾斜角度θが、0.5度よりも小さいと、接触部分を
特定できないという弊害がある。また、傾斜角度θが、
2度よりも大きいと、接着剤の糸引きが切れるという弊
害がある。
【0035】次に、本実施形態において、最も特徴的な
貼り合わせ動作が行われる。先ず、貼り合わせ開始の状
態では、図5(a)の概略断面図に示されているよう
に、第1のディスク基板11に対して傾斜された第2の
ディスク基板12の貼り合わせ面12aは、接着剤15
に対して接触部63で接している。この状態は平面的に
見ると、図5(b)の状態であり、接触部63は、1か
所のみで、点状の接触点となっている。これは、図5
(a)に示すように、第2のディスク基板12の周縁部
に上方から部分的に押圧力62が作用しているからであ
る。この押圧力62は、図2の貼り合わせ装置20にお
いて、押圧手段50のアーム54の下端に設けられたロ
ーラ55が、吸着ヘッド42のフランジ部26の周縁部
に当接することにより行われる。
【0036】この状態から、ステッピングモータ34が
駆動される(ST21)。これにより、ステッピングモ
ータ34の回転軸37が回転されて、駆動ギヤ35が回
転し、この回転は駆動ギヤ35と歯合する大径のホイー
ル状のギヤ32に伝達される。これにより、ギヤ32
は、ホルダー26の周囲で回転し、このホルダー26の
外縁部に固定されたアーム54が回転移動する(ST2
2)。これにより、ローラ55の作用による上記押圧力
62に基づく押圧箇所は、第2のディスク基板12の周
方向に移動する。ここで、押圧箇所の移動スピード,す
なわち、ギヤ32の回転スピードは、好ましくは、毎秒
100mm乃至毎秒150mmとされている。この移動
速度が毎秒100mmよりも遅いと、最初にディスクと
接着剤が接触した箇所で接着剤が拡がりすぎるという弊
害がある。前記押圧箇所の前記移動速度が毎秒150m
mよりも早いと、接着剤表面の変形が追いつかず、空気
を巻き込むおそれがあるという弊害がある。
【0037】この工程の様子を具体的に説明すると、図
6に示すように、第2のディスク基板12の貼り合わせ
面12aの接着剤15に対する接触部63は、次第に周
方向に移動する。接触部63の周方向への移動に伴い、
接着剤15は、その粘性に基づいて、接触領域を増加さ
せることになるが、この場合、図12で説明したような
手法と比べて、その接触面積の増加スピードははるかに
低い。
【0038】すなわち、図7において、接触部63の周
方向への移動が半周分行われ、図8に示すように、接触
部63の周方向への移動が3/4周分行われる過程で、
第2のディスク基板12の貼り合わせ面12aの接着剤
15に対する接触面積がゆっくりと増加されている。こ
のため、従来の比べて、接着剤15の中に気泡を生じる
ことがきわめて効果的に抑制される。
【0039】ギヤ32の回転が1回転分終了したら、ア
ーム54の移動も停止される(ST23)から、吸着ヘ
ッド42による真空吸着を終了する(ST24)。吸着
ヘッド42を上昇させると(ST25)、第1のディス
ク基板11と第2のディスク基板12とは、接着剤15
を介して仮に固定されており、必要により、ここでスピ
ンコータにかける。
【0040】次いで、紫外線を照射して、接着剤15を
硬化させる(ST25)。その後、送風等により、貼り
合わせディスク10の熱を冷まし(ST26)、光ディ
スク10として、検査工程に送られて(ST27)、製
造工程を終了する。
【0041】このように、本実施形態によれば、第1の
ディスク基板11と貼り合わせられる第2のディスク基
板12では、その貼り合わせ面12aと接着剤15とが
接触する箇所63が、押圧箇所の周方向への移動にとも
なって増加する。このため、ディスク基板12の貼り合
わせ面12aと接着剤15との接触面積が従来のように
急激に増加することがなく、気泡の発生を効果的に抑制
することができる。このため、気泡がディスク基板11
とディスク基板12の間に残ることがないので、基板表
面の膜に気泡の空気が接触して、劣化させたり、光ディ
スク10の記録状態が悪化したりすることがない。
【0042】上述した実施形態においては、光ディスク
10は、ディスク基板11とディスク基板12との2枚
のディスク基板を備えているが、これに限らず、三枚以
上のディスク基板を貼り合わせて構成してもよい。ま
た、ディスク基板10は反射膜13と半透過反射膜14
とを備えて、片側読み出し式となっているが、両方のデ
ィスク基板11,12に反射膜を形成して、両側読み出
し式としてもよい。また、上述の各実施形態の個別の構
成はその一部を省略したり、他の構成と任意に組み合わ
せたりすることができる。
【0043】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、デ
ィスク基板の貼り合わせ面と接着剤とが接触する面積を
徐々に増加させることで、互いに貼り合わされるディス
ク基板の間に介在する接着剤の中に気泡が発生すること
を大幅に低減できるディスク貼り合わせ方法とディスク
貼り合わせ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態による貼り合わせディスクの
構成例を示す概略断面図。
【図2】図1の貼り合わせディスクの製造工程で使用す
る貼り合わせ装置の構成を示す概略断面図。
【図3】図1の貼り合わせディスクの製造工程を示すフ
ローチャート。
【図4】図2の貼り合わせ装置による貼り合わせ工程に
おける第1のディスク基板と第2のディスク基板を示す
概略斜視図。
【図5】図2の貼り合わせ装置による貼り合わせ工程の
図であり、(a)は概略断面図、(b)は概略平面図。
【図6】図2の貼り合わせ装置による貼り合わせ工程の
図であり、(a)は概略断面図、(b)は概略平面図。
【図7】図2の貼り合わせ装置による貼り合わせ工程の
図であり、(a)は概略断面図、(b)は概略平面図。
【図8】図2の貼り合わせ装置による貼り合わせ工程の
図であり、(a)は概略断面図、(b)は概略平面図。
【図9】従来の貼り合わせディスクの貼り合わせ工程を
示す図あり、(a)は貼り合わせ前の概略断面図、
(b)は貼り合わせ後の概略断面図。
【図10】図9の貼り合わせ方法による気泡発生の様子
を示す説明図。
【図11】別のディスク貼り合わせ工程を示す概略断面
図。
【図12】図10の貼り合わせ方法によるディスク基板
と接着剤の接触面積の急激な増加の様子を示す説明図。
【符号の説明】
10・・・光ディスク(貼り合わせディスク)、11・
・・第1のディスク基板、12・・・第2のディスク基
板、13・・・反射膜、14・・・半透過反射膜、15
・・・接着剤、20・・・貼り合わせ装置、30・・・
移動手段、40・・・揺動保持手段、50・・・押圧手
段。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1のディスク基板と第2のディスク基
    板を貼り合わせて、貼り合わせディスクを製造する方法
    であって、 第1のディスク基板の貼り合わせ面に接着剤を適用し、 前記第2のディスク基板を前記第1のディスク基板に対
    して、傾斜した状態で対向させ、 次に、前記第2のディスク基板に対して部分的に押圧力
    を加えて、前記第2のディスク基板の貼り合わせ面が前
    記接着剤に対して一箇所で接触するようにし、 次いで、前記押圧箇所を前記第2のディスク基板の周方
    向に移動させることにより、第2のディスクの貼り合わ
    せ面と前記接着剤とが接触する箇所が前記周方向に拡が
    るようにしたことを特徴とする、貼り合わせディスクの
    製造方法。
  2. 【請求項2】 前記接着剤が、前記第1のディスク基板
    の貼り合わせ面において、周方向にほぼ一周分塗布され
    ることを特徴とする、請求項1に記載の貼り合わせディ
    スクの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記押圧箇所の前記移動速度が毎秒10
    0mm乃至毎秒150mmとされることを特徴とする、
    請求項1または2に記載の貼り合わせディスクの製造方
    法。
  4. 【請求項4】 前記接着剤が、固形成分を含まず、かつ
    粘度が600cpないし1000cpであることを特徴
    とする、請求項1ないし3のいずれかに記載の貼り合わ
    せディスクの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記傾斜角度が0.5度ないし2度であ
    ることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記
    載の貼り合わせディスクの製造方法。
  6. 【請求項6】 第1のディスク基板と第2のディスク基
    板を貼り合わせるディスク貼り合わせ装置であって、 前記第1のディスク基板をほぼ水平に保持する水平保持
    手段と、 この水平保持手段により保持された前記第1のディスク
    基板の貼り合わせ面に対して、前記第2のディスク基板
    の貼り合わせ面を対向させて保持するとともに、前記水
    平方向に対して、所定の角度で揺動するようにされた揺
    動保持手段と、 この揺動保持手段を介して、前記第2のディスク基板の
    周縁部に対して、部分的に押圧力を付与する押圧手段
    と、 この押圧手段による押圧箇所を前記第2のディスク基板
    の周方向に沿って移動させる移動手段とを含んでいるこ
    とを特徴とする、ディスク貼り合わせ装置。
  7. 【請求項7】 前記揺動保持手段が、前記水平方向に対
    して、ほぼ0.5度ないし2度の傾斜角度で揺動される
    構成としたことを特徴とする、請求項6に記載のディス
    ク貼り合わせ装置。
  8. 【請求項8】 前記水平保持手段が水平テーブルであっ
    て、前記揺動保持手段が、この水平テーブルに対して、
    平行に位置決めされた平行支持体と、この平行支持体か
    ら、弾性手段を介して懸下されており、下端に前記第2
    のディスク基板を吸着する吸着手段とを備えることを特
    徴とする請求項6または7のいずれかに記載のディスク
    貼り合わせ装置。
  9. 【請求項9】 前記吸着手段が、円盤状のフランジ部を
    備えており、前記押圧手段が、前記フランジ部に当接し
    て、周方向に移動される押動アームを有していることを
    特徴とする、請求項8に記載のディスク貼り合わせ装
    置。
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