JP3187725B2 - 記憶ディスクの回転保持台 - Google Patents

記憶ディスクの回転保持台

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JP3187725B2
JP3187725B2 JP28921596A JP28921596A JP3187725B2 JP 3187725 B2 JP3187725 B2 JP 3187725B2 JP 28921596 A JP28921596 A JP 28921596A JP 28921596 A JP28921596 A JP 28921596A JP 3187725 B2 JP3187725 B2 JP 3187725B2
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三邦 天羽
正美 井内
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日本政策投資銀行
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、記憶ディスクを
載せる回転保持台に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピュータ、取り分けパソコン
等の普及は目ざましく、それに使用する記憶媒体、特
に、記憶ディスクの容量は益々高密度化しており、その
種類も多くなってきている。記憶ディスクとしては、例
えば、磁気ディスク、光ディスク(例えば、CD−RO
M)、光磁気ディスク(例えば、MO)等があるが、そ
の中でも、最近、光ディスクの需要が増大している。
【0003】DVDと呼ばれる光ディスクを例にとって
いうと、それを構成する単板である円形樹脂基板は、そ
の厚みが0.6mm、外径が120mm、その中心穴の
内径が15mm、と規格されている。このような薄い円
形樹脂基板一枚では機械的強度が低くまた変形もし易い
ため、同じ厚み(0.6mm)の円形樹脂基板を合体し
貼り合わせて使用している。例えば、図6は、2枚の円
形樹脂基板(第1円形樹脂基板D1と第2円形樹脂基板
D2)を貼り合わせた状態の光ディスクであるDVDを
概略的に示す。
【0004】第1円形樹脂基板D1は、例えば射出成形
機により透明なポリカーポネート樹脂を用いて成形され
る。第1円形樹脂基板D1の片面には、音声等の情報信
号である凹凸の信号ピット(信号穴)が転写される。そ
して、その信号面上には、反射膜D11(例えばアルミ
膜等)が形成され、その上に樹脂の保護膜D12が設け
られて信号面の損傷が防止されている。
【0005】 そして、その信号の印加された第1円形
樹脂基板D1に、接着剤Rを介して、同じく透明なポリ
カーポネート樹脂等で成形された第2円形樹脂基板D2
が貼り合わされる。
【0006】尚、第1円形樹脂基板D1には保護膜D1
2を設けずに、直接、接着剤Rを介して第2円形樹脂基
板D2に接着することも行なわれる。このようにして2
枚の円形樹脂基板D1,D2が貼り合わされた光ディス
クDは、レーザビームを使って反射膜D11から反射さ
れる光を図示しない光検出器等で受光して信号を再生す
るものである。
【0007】もっとも、第2円形樹脂基板D2に信号を
印加したものを採用することもDVDと呼ばれる光ディ
スクでは当然行なわれる。このように、DVDも含めて
高密度の記憶ディスクは、単板ではなく上記のような合
板構造として使用されることが多いので、第1円形樹脂
基板D1と第2円形樹脂基板D2の貼り合わせが必要と
なる。単板を貼り合わせて一体の記憶ディスク(即ち、
ここでは光ディスク)にするために、次の一連の工程
(step)が行なわれる(図7参照)。
【0008】(1)載置台Cに第1円形樹脂基板D1を
載置する工程 (2)第1円形樹脂基板D1に接着剤Rを塗布する工程 (3)第1円形樹脂基板D1に第2円形樹脂基板D2を
載置して重ね合わせる (4)両円形樹脂基板D1,D2の間に介在する接着剤
Rを延展する工程 (5)延展された接着剤Rを硬化する工程
【0009】上記の工程を簡単に説明すると、まず、工
程(1)では、信号面に反射膜ならびに保護膜をコーテ
ィングした第1円形樹脂基板D1が載置台C上に均等に
吸着保持される。
【0010】工程(2)では、接着剤Rを塗布する工程
で、第1円形樹脂基板D1を載置した載置台Cを低速回
転させながら、吐出ノズルNより接着剤R、例えば紫外
線硬化樹脂を吐出させる。尚、吐出する接着剤Rは、吐
出ノズルNの移動の仕方により第1円形樹脂基板D1の
上に吐出される軌跡は異なるが、例えば、図のようにド
ーナツ状軌跡として形成することが好ましい。
【0011】工程(3)では、接着剤Rが塗布された第
1円形樹脂基板D1の上に透明な第2円形樹脂基板D2
が載置される。次に工程(4)では、両円形樹脂基板D
1,D2間に介在する接着剤Rが満遍なく均等に行き渡
るように延展が行なわれる。この延展は、2枚の円形樹
脂基板D1,D2が合体した合体円形樹脂基板、即ち光
ディスクDが載置された状態において、載置台Cを高速
回転(通常、回転数は数千rpm以上、回転時間は数秒
程度)させることで行なう。この回転により、貼り合わ
せた両円形樹脂基板D1,D2間に存在する余分な接着
剤Rは延展と共に外に飛散され、同時に両円形樹脂基板
D1,D2間に閉じ込まれた空気(空気の泡等)は外に
放出される。
【0012】工程(5)では、貼り合わされ一体となっ
た第1円形樹脂基板D1と第2円形樹脂基板D2を回転
(例えば、数十rpm程度)させた状態、または回転さ
せない状態で、紫外線を照射させ接着剤、例えば、紫外
線硬化樹脂層を硬化させる。具体的には、背面に反射鏡
L1を有する紫外線光源体Lを照射させて、効率よく硬
化がなされる。
【0013】尚、硬化工程は、使用する接着剤Rの種類
により異なるもので、使用する接着剤Rの特性に合致し
た硬化方法が採用される。以上のようにして合体貼り合
わせ工程が終了する。ところで、上記工程のうち延展工
程は、接着剤Rを満遍なく均一に行き渡らせるところで
あり、極めて重要な工程である。
【0014】しかし、従来のような載置台Cによる延展
では、必ずしも接着剤Rの均一の延展効果は期待できな
い。何故ならば、接着剤Rは、前述したようにドーナツ
状に吐出することが行なわれており、また、接着剤Rを
極力効率良く使用する意味で、光ディスクの中心穴の位
置まで十分な量を吐出させることは、通常、行なわれな
い。そのため、この延展工程において、接着剤Rが遠心
力等により外方向に延展される際、中心穴付近の領域に
おいては、接着剤Rが十分行き渡らなく、その内方への
延展が不足となりそこに空気が残留する結果となる。
【0015】もっとも、本発明者らは、中心穴付近ま
で、接着剤Rを吐出しておく場合、接着剤Rが中心穴か
ら内側に不均一に飛び出し、光ディスクの中心穴付近の
表面を汚すことになることを実験的に確かめている。光
ディスクの性能を考える場合に、中心穴部の領域につい
ても、満遍なく接着剤が行き渡らないと、後で接着剤を
硬化させた場合、その部分の強度が極端に低下する。ま
た、光ディスク全体として強度ムラが生じる。加うる
に、中心部は、通常、反射膜が存在しないので、その部
分に斑模様が形成されて美観上好ましくない。
【0016】最近では、前述したように記憶ディスクも
多様化しており、その大きさ(寸法等)も諸種の規格が
あり、現在の光ディスクの中心穴の内径15mmとは異
なった寸法の例えば4mmの内径をもつある種の記憶デ
ィスクも出現している。しかし、円形の樹脂基板を合体
させて貼り合わせてなる合体円形樹脂基板、即ち、記憶
ディスクは、合板である限り、いずれも、接着剤を使っ
て貼り合わせる必要があるため、回転による延展工程を
必ず経なければならない。
【0017】ところが、そのような回転による延展工程
を採用するものにおいては、上記のような中心穴付近の
領域の均質な延展が難しく品質が低下することになる。
従って、このような中心穴付近の貼り合わせ領域につい
て、接着剤を如何にして満遍なくしかも均一に行き渡ら
せるかが記憶ディスクの品質を向上させる上での極めて
重要なキーポイントであった。しかしながら、未だそれ
に対する決定的な解決案は提案されていない。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な背景のもとで問題点の解決を図ったものである。即
ち、本発明の目的は、記憶ディスクにおける中心穴付近
の貼り合わせ領域に接着剤を均一に延展させることので
きる装置、即ち、記憶ディスクを保持回転する回転保持
台を提供することを目的とするものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】しかして、本発明者等は
このような課題に対して、鋭意研究を重ねた結果、延展
時において中心部に負圧を作用させると中心付近の領域
において接着剤の延展が効率良く促進される点を見出し
た。
【0020】本発明者らは、この知見に基づいて本発明
を完成させたものである。即ち請求項1に記載の発明
は、中心穴を有する2枚の円形樹脂基板の間に接着剤を
介在させてなる記憶ディスクを載置し前記接着剤を延展
するための記憶ディスクの回転保持台であって、前記回
転保持台は回転する基台とその基台に取り付けられるボ
ス体とを備え、前記基台は前記記憶ディスクを吸着固定
するためのテーブルと該テーブルを支持するための支持
部とを有し、前記ボス体は前記基台に対し取り外し自在
な胴部と該胴部より突設され前記記憶ディスクの中心穴
が装着される吸引円筒部とを有し、前記吸引円筒部はそ
の周囲に複数の吸引口を有し、前記吸引口は外部に向か
って拡大する内径を有し、前記記憶ディスクを載置した
状態で前記記憶ディスクと前記ボス体と前記基台との間
で区画され外部に開放される空間を有することを特徴と
する記憶ディスクの回転保持台である。
【0021】また、請求項2に記載の発明は、前記吸引
口が前記吸引円筒部の周囲に設けたリング溝の底部に備
わっていることを特徴とする請求項1記載の記憶ディス
クの回転保持台である。
【0022】
【作用】上記のような記憶ディスクを保持回転する基台
及びそのボス体を採用することにより、両円形樹脂基板
の中心穴付近の接着剤の延展が効率よく促進される。
【0023】
【発明の実施の形態】図1は、接着剤Rを介して合体し
貼り合わされた両円形樹脂基板D1,D2を回転保持台
Aに載置した状態を示す断面図である。尚、この回転保
持台Aの周りには、延展を行なうに際し接着剤Rの飛散
を防止するための上下移動自在な受けドームBが配置さ
れるが、該ドームは本発明を説明する上では関係の無い
ことなので、その説明は省略する。
【0024】さて図1に示すように、回転保持台Aは、
回転する基台1とこの基台1の上に嵌合されるボス体2
とよりなる。基台1は、後述するテーブル11とその支
持部12とよりなり、該支持部12は、テーブル11を
受け止める大径部121、テーブルの中央穴11Aに装
着される小径部122、及び後述する支持スリーブ3に
挿入されて回転軸の機能を有する細径部123とよりな
る。
【0025】このように基台1においては、支持部12
にテーブル11が上から載せられて取り付けられる。ま
た基台1は、その支持部12が軸受け31を備えた支持
スリーブ3により支持され、図示しない駆動源により積
極的に回転が可能になっている。支持部12の中央には
挿通穴12Aが形成されて図示しない吸引源(負圧源)
に連結されている(負圧源としては、例えば真空吸引装
置が採用される)。支持部12の小径部122の頭部に
は凹部12Cが設けられ、この凹部12Cに、次に述べ
るボス体2がはめ込まれて取り付けられる。
【0026】図2は、図1におけるボス体2を示した斜
視図である。また、図3(A)はボス体2の断面図であ
り、図3(B)は、その吸引円筒部21のb−b断面図
である。図に示すように、ボス体2は、大径部221と
小径部222よりなる胴部22と、それより突設する吸
引機能を有する吸引円筒部21とよりなる。ボス体2に
は中心部に吸引通路2Aが設けられている。ボス体2の
吸引円筒部21の外周には、複数個の吸引口21Hが穿
孔されており、この吸引口21Hが吸引通路2Aに開放
されている。
【0027】この吸引口21Hは、複数個(図では3
個)設けられているが、その最大部の口径は、例えば
1.5mm程度が採用され、その形状も外方向に拡大す
るような形が好ましい。ボス体2の吸引円筒部21は、
記憶ディスクの中心穴に正確に装着される部分である。
【0028】基台1にボス体2が嵌め込まれるが、基台
1の小径部の凹部12Cとボス体2の大径部221及び
基台1の挿通穴12Cとボス体2の小径部222とは、
正確に当接するように設計されており、そのため相互の
接触面においては、接着剤を吸引する際、空気の洩れが
生ずることはない。
【0029】基台1に嵌め込まれたボス体2は、基台1
と一体となって回転することができる。尚、基台1をよ
り強く固定するためには、ボス体2と基台1との間で図
示しないボルト止め等が採用される。記憶ディスクDが
載置された状態では、ボス体2と基台1と記憶ディスク
Dの下面とで構成される空間Sが回転保持台Aに区画形
成される。この空間Sは、後程説明するように、吸引に
際し、外気を導入するための部分となる。
【0030】尚、この空間Sは支持部12に設けられた
通路12Bにより外部に開放されている。基台1の支持
部12にボス体2を嵌め込むことで、吸引口21H、吸
引通路2A、及び挿通穴12Aが連通する。一方、テー
ブル11は、直接記憶ディスクDを載置する部分で、表
面が平坦な着座面として形成されている。
【0031】テーブル11の真ん中には中央穴11Aが
形成されており、この中央穴11Aを支持部12に嵌め
込み、図示しないボルト等で固定することによって、テ
ーブル11は支持部12に取り付けられる。またテーブ
ル11の上面には、吸着穴11Bが多数設けられ、この
上に載置される記憶ディスクDを均一に吸着固定するこ
とができる。
【0032】吸着穴11Bは、テーブル11内の空所1
1Cを通じて、支持部12に設けられた挿通穴12Aに
開放されている。挿通穴12Aに通ずる図示しない吸引
源を作動することで、吸着穴11Bが負圧となって吸着
作用が働く。この時、同じ挿通穴12Aに開放されてい
る吸引口21Hが、負圧となって吸引力も働く。通常、
テーブル11の着座面に記憶ディスクDを吸着固定する
力より、吸引口21Hから、接着剤Rを吸引する力の方
が最低必要負圧力が高い。
【0033】従って、接着剤Rを吸引する力に記憶ディ
スクDの表面を吸着する力を合わせておけば、記憶ディ
スクDはテーブル11上に確実に固定される。もっと
も、吸引口21Hの吸引時と、吸着穴11Bの吸着時と
のタイミングに差を設けるようにすることも可能であ
る。
【0034】この場合は、例えば、空気の流れる経路を
電磁弁等で開閉自在にしたり、更には、吸引口21Hに
係る経路と吸着穴11Bに係る経路とを独立した別経路
として吸引源(負圧源)に接続すればよい。ところで、
回転保持台Aを組み立てるには、先ず最初に、基台1の
支持部12にテーブル11を嵌め込むことで、組み立て
は簡単に行われる。ここで支持部12がテーブル11の
中央に顔を出すので、その支持部12の凹部12Cにボ
ス体2の胴部22を嵌め込むことで、組み立ては簡単に
行われる。そして、記憶ディスクDを載置し、回転保持
台Aを回転させて所定の延展工程を行なうことになる。
【0035】記憶ディスクDの中心穴の寸法が異なり、
ボス体2を交換しなければならない場合は、記憶ディス
クDが載置されていない状態で、ボス体2を支持部12
から抜き取り、代わりに別の異なったボス体2を支持部
12に嵌め込めばよい。もっとも、記憶ディスクDの種
類によっては、寸法の異なったテーブルに交換する必要
があり、このような場合は、記憶ディスクDに合ったテ
ーブルを取り付けることになる。
【0036】図4は、図2に示すボス体2より大径の吸
引円筒部21を有するボス体の斜視図である。図2の場
合と異なるのは、ボス体2の吸引円筒部21の周囲に
は、リング溝21Aが設けられており、このリング溝2
1Aの底に吸引口21Hが穿孔されていることである。
このリング溝21Aを設けたのは、吸引力が吸引円筒部
21の周囲全体に均一に作用するように機能するからで
ある。このリング溝21Aの幅は、通常、記憶ディスク
Dの厚みよりもやや小さい程度の大きさが採用される。
【0037】何故なら、記憶ディスクDの回転保持台A
に載せられて回転されると、振動等により該リング溝2
1Aに入り込む危険があるからである。このボス体2の
胴部22は、先述した図2に示す小径のボス体と同じ寸
法とされているので、基台1の支持部12の凹部12C
に対し確実に嵌め込むことができる。このように、ボス
体2において、胴部22を標準化しておくことにより、
支持部12の凹部12Cに如何なる径の吸引円筒部21
を持つボス体2をもセットすることができ極めて便利で
ある。
【0038】次に、この回転保持台Aを使って接着剤R
が延展される態様を述べる。今、図1に示すように、回
転保持台Aには、この回転保持台Aの第1円形樹脂基板
D1上に、接着剤R、例えば、紫外線硬化樹脂を介して
第2円形樹脂基板D2が載置されている。ここで吸引源
を作動させると共に回転保持台Aを高速回転させると、
遠心力等により両円形樹脂基板D1,D2間に介在して
いる接着剤は延展され、余分な接着剤は外部に飛散され
る。
【0039】一方、両円形樹脂基板D1,D2間に介在
する、空気も余分な接着剤とともに遠心力により外部に
排出される。吸引源が作動されていることから、同時
に、ボス体外周の複数の吸引口21H及びこの周辺の外
気は、順次、吸引口21Hは、吸引通路2A、挿通穴1
2Aを介して吸引される。
【0040】尚、吸引の際、上面から導入された外気
は、記憶ディスクDの上側の第2円形樹脂基板D2とボ
ス体2との間隔を通って吸引口21Hから吸引され、ま
た記憶ディスクDの下面から導入された外気(この外気
は通路12Bを介して空間Sから導入される)は、記憶
ディスクDの下側の第1円形樹脂基板D1とボス体2と
の間隔を通って吸引口21Hから吸引される。
【0041】この吸引作用により、両円形樹脂基板D
1,D2の間に介在する接着剤Rは、複数の吸引口21
H、吸引通路2A、挿通穴12Aを介して引き込まれ
る。延展工程において吸引の仕方の難しいところは、吸
引作用により接着剤Rが、記憶ディスクDの中心穴から
外に洩れ出さないように、中心穴の端部寸前のところで
止まった状態で延展されることである。洩れ出すと記憶
ディスクDの中心穴付近の表面を汚すことになり、品質
が極端に悪くなる。
【0042】吸引の度合いは、接着剤Rの粘度、回転保
持台の回転数等を考慮して慎重に決定されるもので、延
展工程の要諦となる部分である。図5は、この吸引を開
始した際、空気がボス体の吸引口から吸引されるのにと
もない、接着剤Rが両円形樹脂基板D1,D2の中心穴
付近に均一に延展される状態を、ボス体2と記憶ディス
クの一部を使って概略的に示したものである。一定の時
間吸引を行なうことにより、両円形樹脂基板D1,D2
間の中心穴付近に存在する接着剤は、均一に満遍なく行
き渡った状態となる。
【0043】以上、本発明を述べてきたが、本発明は実
施の形態にのみ限定されるものではなく、その本質から
逸脱しない範囲で、他の色々な変形例が可能であること
はいうまでもない。
【0044】例えば、本発明で使用される接着剤は、実
施の形態では、特に紫外線硬化樹脂で説明したが、第1
円形樹脂基板と第2円形樹脂基板とを貼り合わせるため
のものであればその種類は問わない。また、ボス体の胴
部22の小径部222は、挿通穴に装着される部分であ
るが、大径部221があれば、必ずしも必要ではない。
また胴部22は円筒形であるが、支持部12の凹部12
に合致するように嵌め込むことができるものであれば、
その形状は問わない。
【0045】更にまた、実施の形態では、記憶ディスク
に、いわゆる液止め溝(接着剤の延展の内周ラインを明
確にするためのリング状の溝)が設けられている場合と
そうでない場合とに区別して説明をしていない。しか
し、液止め溝が備わった規格の記憶ディスクであれば、
ボス体による吸引は、その液止め溝の位置にて接着剤の
延展が止まるように行われるのが普通である。もっと
も、液止め溝を乗り越えて記憶ディスクの中心穴端部寸
前のところまで吸引しようとすれば、吸引の強さ等を変
えて対応すればよい。
【0046】
【発明の効果】記憶ディスクにおける貼り合わせ部全面
に接着剤を満遍なく均一に行き渡らせることができる。
従って、製造される記憶ディスクに十分な強度を与える
ことができ、且つ美観的に向上する。また、記憶ディス
クの全体、特にその中心部にも空気が内在しない均一な
接着剤の延展が行なわれ、高品質の記憶ディスクを製造
することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、記憶ディスクを回転保持台に載置した
状態を示す断面図である。
【図2】図2は、ボス体を示す斜視図である。
【図3】図3は、(A)は、ボス体の断面図であり、
(B)は、その吸引円筒部の断面図である。
【図4】図4は、別のボス体の斜視図である。
【図5】図5は、吸引状態を示す概略図である。
【図6】図6は、光ディスクの断面概略図である。
【図7】図7は、第1円形樹脂基板に接着剤を介して第
2円形樹脂基板を貼り合わせ記憶ディスクを製造する一
般的工程を示す概略図である。
【符号の説明】
1…基台 11…テーブル 11A…中央穴 11B…吸着穴 11C…空所 12…支持部 121…大径部 122…小径部 123…細径部 12A…挿通穴 12B…通路 12C…凹部 2…ボス体 21…吸引円筒部 21A…リング溝 21H…吸引口 22…胴部 221…大径部 222…小径部 3…支持スリーブ 31…軸受け A…回転保持台 B…受けドーム C…載置台 D…記憶ディスク(光ディスク) D1…第1円形樹脂基板 D11…反射膜 D12…保護膜 D2…第2円形樹脂基板 L…紫外線光源体 L1…反射鏡 N…ノズル R…接着剤 S…空間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 7/26 B05C 11/08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中心穴を有する2枚の円形樹脂基板の間
    に接着剤を介在させてなる記憶ディスクを載置し前記接
    着剤を延展するための記憶ディスクの回転保持台であっ
    て、前記回転保持台は回転する基台とその基台に取り付
    けられるボス体とを備え、前記基台は前記記憶ディスク
    を吸着固定するためのテーブルと該テーブルを支持する
    ための支持部とを有し、前記ボス体は前記基台に対し取
    り外し自在な胴部と該胴部より突設され前記記憶ディス
    クの中心穴が装着される吸引円筒部とを有し、前記吸引
    円筒部はその周囲に複数の吸引口を有し、前記吸引口は
    外部に向かって拡大する内径を有し、前記記憶ディスク
    を載置した状態で前記記憶ディスクと前記ボス体と前記
    基台との間で区画され外部に開放される空間を有するこ
    とを特徴とする記憶ディスクの回転保持台。
  2. 【請求項2】 前記吸引口が前記吸引円筒部の周囲に設
    けたリング溝の底部に備わっていることを特徴とする請
    求項1記載の記憶ディスクの回転保持台。
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