JP2003043723A - カラートナーおよび画像形成方法 - Google Patents

カラートナーおよび画像形成方法

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JP2003043723A JP2001264946A JP2001264946A JP2003043723A JP 2003043723 A JP2003043723 A JP 2003043723A JP 2001264946 A JP2001264946 A JP 2001264946A JP 2001264946 A JP2001264946 A JP 2001264946A JP 2003043723 A JP2003043723 A JP 2003043723A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 静電荷像担持体の表面層を高耐久性の硬い材
料とした場合でも、融着や画像抜けの発生しないカラー
トナーを提供することである。 【解決手段】 静電荷像を担持するための静電荷像担持
体を帯電し、帯電された静電荷像担持体に静電荷像を形
成し、現像手段が有するトナーによって静電荷像を現像
してトナー像を形成し、静電荷像担持体上のトナー像を
中間転写体を介して又は介さずに転写材へ転写し、転写
材上のトナー像を定着手段によって定着する画像形成方
法において使用されるトナーであって、該静電荷像担持
体が結着樹脂を有する表面層を有しており、ゲルパーミ
エーションクロマトグラフィ(GPC)で測定される、
該結着樹脂の重量平均分子量MwDと該トナーの重量平
均分子量MwTとが、 0.3<MwT/(MwT+MwD)<0.7 の関係を満たし、かつ、フロー式粒子像測定装置で計測
される該トナーの個数基準の円相当径−円形度スキャッ
タグラムにおいて、円形度0.950未満のトナー粒子
が35個数%以下であることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、像担持体上に形成
された潜像に現像剤を付着させて可視化する電子写真方
式や静電記録方式などの複写機、プリンタ等の画像形成
装置に使用されるトナーおよび画像形成方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真法としては、特公昭42
−23910号公報及び特公昭43−24748号公報
に記載されているごとく多数の方法が知られているが、
一般には静電荷像担持体を光導電性物質により感光体と
し、種々の手段により感光体上に電気的潜像を形成し、
次いで該潜像をトナーで現像を行って可視像とし、必要
に応じて紙などの転写材にトナー像を転写したのち、熱
・圧力等により転写材上にトナー像を定着して複写物を
得るものである。さらに感光体上に転写せずに残ったト
ナーは種々の方法によりクリーニングされ、上述の工程
が繰り返される。
【0003】近年、電子写真法を用いた機器は、単なる
オリジナル原稿を複写するだけでなく、コンピューター
の出力としてのデジタルプリンターが登場してきてい
る。デジタルプリンターの一つとしてレーザービームプ
リンターがある。レーザービームプリンターは一般的に
は常温・常湿のオフィスで使用されるが、東南アジア、
インド等の地域においては高温・多湿の環境で使用され
る場合もある。この様な環境においては、プリント時に
発生する紙粉,オゾン等により形成される低電気抵抗物
質によって感光体表面の潜像が著しく損なわれるという
現象(以下「画像流れ」と称す)が生じ易い。
【0004】画像流れを防止する手段として、特開昭6
0−32060号公報に、2種のBETを有する無機微
粉体を含有するトナーが開示されている。また感光体に
関して、画像流れを防止する手段として特開昭62−1
60458号公報に、2種の異なる分子量を有するポリ
カーボネート樹脂を含有する感光層を有する感光体が開
示されている。しかし、前述したトナーを使用した場
合、確かに画像流れは改善されるが、トナーに起因する
微細粒子が帯電部材等で圧着されて感光体に付着する現
象(以下「ドラム融着」と称す)が顕在化する。また2
種の異なる分子量を有する感光層を有する感光体を使用
した場合も同様の効果と弊害が生じ易くなる。
【0005】一方、画像流れ現象は、転写材として使用
する紙の種類等によっても発生の程度は変化する。特に
填料としてタルクを使用している紙の場合は、上記2種
の無機微粉体を有するトナーを単独使用しても画像流れ
を防止することは困難で、確かに上記感光体と組み合わ
せることで流れは改善されるが、ドラム融着はさらに悪
化し、ドラム表面に筋が形成され画像上に白筋(以下
「白筋」と称す。)となる新たな問題が生ずる。
【0006】以上のような問題点を解決する手段とし
て、特開2000−019753号公報に開示されてい
るように、ドラムに適度かつ均一な磨耗性を持たせるこ
とが挙げられる。これは、交換メンテナンスの容易なプ
ロセスカートリッジにおいては非常に有効な方法である
が、その磨耗性ゆえに数万枚以上のドラム寿命を想定す
る本体には向いていない。
【0007】近年、特にカラーの分野において、レーザ
ービームプリンターによる大量印刷が求められるように
なり、オフィスとは違った形でのプリント形態が出現し
つつある。そのような分野では、メンテナンス性のみな
らず高耐久性をも備える必要がある。したがって、ドラ
ム表面はより硬く強固な材料で設計されなければならな
いが、単純に硬くしただけでは前述のドラム融着が発生
してしまう。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、静電
荷像担持体の表面層を高耐久性の硬い材料とした場合で
も、融着や画像抜けの発生しないカラートナーおよび画
像形成方法を提供することである。
【0009】さらには、種々の帯電形式や転写形式に容
易に対応できる、高い耐久性を持つ画像形成方法を提供
することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的は以下の発明で
解決される。すなわち、静電荷像を担持するための静電
荷像担持体を帯電し、帯電された静電荷像担持体に静電
荷像を形成し、現像手段が有するトナーによって静電荷
像を現像してトナー像を形成し、静電荷像担持体上のト
ナー像を中間転写体を介して又は介さずに転写材へ転写
し、転写材上のトナー像を定着手段によって定着する画
像形成方法において、該静電荷像担持体が結着樹脂を有
する表面層を有しており、ゲルパーミエーションクロマ
トグラフィ(GPC)で測定される、該静電荷像担持体
表面層の結着樹脂の重量平均分子量MwDと該トナーの
重量平均分子量MwTとが、 0.3<MwT/(MwT+MwD)<0.7 の関係を満たし、かつ、フロー式粒子像測定装置で計測
される該トナーの個数基準の円相当径−円形度スキャッ
タグラムにおいて、円形度0.950未満のトナー粒子
が35個数%以下であることを特徴とするカラートナー
および画像形成方法によって達成される。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明は、静電荷像担持体(以下
「ドラム」と称する)が結着樹脂を有する表面層を有し
ており、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GP
C)で測定される、該ドラム表面層の結着樹脂の重量平
均分子量MwDと該トナーの重量平均分子量MwTと
が、 0.3<MwT/(MwT+MwD)<0.7 の関係を満たし、かつ、フロー式粒子像測定装置で計測
される該トナーの個数基準の円相当径−円形度スキャッ
タグラムにおいて、円形度0.950未満のトナー粒子
が35個数%以下であることを特徴とするカラートナー
および画像形成方法であり、これにより、数万枚以上の
通紙後においても、画像流れや致命的なドラム傷が発生
せず、ドラム融着も発生し難く、あるいは軽微なドラム
融着が起こった場合でもそれにより発生する諸問題を効
果的に抑制し、さらには種々の帯電形式や転写形式の設
計自由度を増すことができる。本発明者らが鋭意検討し
た結果、ドラム表面層に使用される結着樹脂の分子量と
トナーの分子量とが特定の関係を満たし、かつ、トナー
の円形度を制御することで、そのような効果が得られる
ことを見出した。
【0012】ドラムを高耐久とするためには、表面層に
機械的強度の高い材料を用いることが必要で、有機素材
でそれを達成するには、基本的に分子量の大きな樹脂を
使用しなければならない。しかしながら、ドラム表面層
の機械的強度が高い場合、クリーニング部材や帯電部材
等でドラム表面が削られ難い分、トナーやトナー由来の
微粉体、あるいは放電生成物などによる融着が発生し易
くなる。ところが、該ドラムの表面層結着樹脂の重量平
均分子量MwDと該トナーの重量平均分子量MwTと
が、 0.3<MwT/(MwT+MwD)<0.7 の関係を満たすことで、融着の発生頻度が下がることが
わかった。これは、ドラム表面層の結着樹脂がいかに機
械的強度に優れていたとしても、摺擦によりごく僅かな
磨耗が生じることと、関係していると思われる。例え
ば、ローラー帯電方式によりドラム表面が帯電され、転
写残トナーがクリーニングブレードで剥ぎ取られるケー
スを考えてみる。ドラム表面は、ローラーおよびクリー
ニングブレードにより摺擦され、極微量の磨耗が起こ
り、当然ながら微量なドラム削り粉が発生する。帯電ロ
ーラー部においても、放電生成物とともに、僅かのドラ
ム磨耗が発生する。それらの微量の微粉体は、ドラムの
回転により現像部分に到達し、現像されたトナーあるい
は僅かに発生するカブリトナーと混合する。それらのト
ナー混合物は、転写領域で転写され、転写残がクリーニ
ング部に到達する。このとき、0.3<MwT/(Mw
T+MwD)<0.7の関係を満たしていると、トナー
の適度な弾性がドラム融着への抵抗力となり、それに加
え、微量の硬いドラム削れ粉が付着物に対して剥離作用
をおよぼし、それらの複合作用によって、ドラム表面で
の融着物の成長が抑制されることがわかった。
【0013】さらにこのとき、円形度0.950未満の
トナー粒子が35個数%以下であると、ドラム融着防止
効果が大幅に向上し、それにより高耐久の画像形成シス
テムを構築できることを発見した。さらに、円形度0.
950未満のトナー粒子が35個数%以下であると、ド
ラム表面に融着が生じても、それにより発生する転写性
能の低下をも防止する効果があることを見出した。
【0014】すなわち、上記の条件を満たしているトナ
ーを使用することで、従来ドラムと接触してドラム融着
の発生源となると考えられていた部分において、融着と
ドラム削れの両立を図ることができ、しかも、万一融着
が発生した場合でも、その弊害をも防止し、その結果高
耐久な画像形成方法を提供することができるのである。
また、ドラム表面を硬くすることでドラム寿命を向上さ
せる場合、従来は前述した融着等の問題から現像器等の
本体設計に様々な制限を受けていたが、本発明により、
種々の帯電部材、転写部材を用いることが可能となるな
ど、設計面にも優れた効果をもたらす。例えば、ドラム
融着発生防止のため、従来は軟らかい帯電ローラーしか
適応できなかったシステムに、より硬い帯電ローラーを
使用することができるようになり、帯電ローラーの耐久
性をも上げることができる。または、融着が効果的に防
止されることから、中間転写体とドラムとの周速差の限
界領域が広がり、飛び散り等の画像劣化を防ぐことが容
易になる。あるいは、高速で回転するドラムには、融着
が発生することから従来使用できなかった、機械的強度
に優れた硬い中間転写体を、高速のプロセススピードに
適用することができるようになる。
【0015】MwT/(MwT+MwD)が0.3以下
であると、ドラム表面強度とトナーの弾性とのバランス
が崩れ、融着防止が困難となり、高耐久性を達成するこ
とができない。また、MwT/(MwT+MwD)が
0.7以上では、ドラム表面に対し相対的にトナーの機
械的強度が増し、トナー自体の融着は起き難くなるが、
トナー表面に付着している流動化剤等の微粒子がドラム
に移動して融着するという弊害が発生し易くなり、ドラ
ム周りの設計自由度が大幅に制限される。また、0.3
<MwT/(MwT+MwD)<0.7の関係を満たし
ていても、円形度0.950未満のトナー粒子が35個
数%以上であると、トナーとドラムとの摩擦抵抗が大き
くなることで、融着防止効果が薄れ、かつ、融着物上に
現像されたトナーの転写能が著しく低下するので、好ま
しくない。0.35<MwT/(MwT+MwD)<
0.65で、かつ、円形度0.950未満のトナー粒子
が25個数%以下であると、融着防止効果と転写能低下
抑止効果がさらに高まるので、より好ましい。
【0016】ところで、上記の条件はカラートナーおよ
びカラー画像形成方法に適用できるもので、カーボンブ
ラックや磁性材料を用いたブラックトナーには当てはま
らないことが、検討により明らかとなった。これは、カ
ラーの有機顔料や染料の付着性、磨耗性と、カーボンブ
ラックや磁性体のそれとが大きく異なることが原因であ
ると考えられる。
【0017】ドラム表面層に用いられる結着樹脂は、機
械的強度と融着のバランスからMwDが70000乃至
170000であることが好ましい。70000より小
さいと、ドラム表面層の絶対的な強度が低下するので、
本件のごとき高耐久性を維持する設計が難しくなる傾向
がある。
【0018】ドラム表面層に用いられる結着樹脂の主成
分は、ポリアリレートがより好ましい。その理由とし
て、ポリアリレートは構造上、他の電子写真感光体の表
面層に使われる一般的な樹脂と比較して、機械的強度が
高いことが考えられる。加えて、トナーや放電生成物と
の親和性も低く抑えられ、融着防止にも有効である。
【0019】また、トナーの平均円形度が0.960乃
至0.995であり、円形度標準偏差が0.040未満
であることで、トナーの摩擦係数がさらに下がることか
ら、上記の効果はさらに優れたものになる。
【0020】トナーの重量平均分子量MwTは、700
00乃至170000であることが好ましい。ドラム表
面層の樹脂設計の場合と同様、MwTがその範囲を超え
ると設計が難しくなる傾向がある。
【0021】本件のトナーは、低軟化点物質を含有し、
かつ、該低軟化点物質の融点が50℃以上100℃未満
であることで、現像、転写および帯電形式の設計自由度
が増す。従来、ワックスのごとき低軟化点物質をトナー
に内添すると、ドラム融着は悪化すると考えられてきた
が、トナーとドラム表面層の結着樹脂分子量が本発明の
条件を満たし、かつ、円形度0.950未満のトナーの
割合が35%以下であるとき、ドラムと各部材の接触点
において、低軟化点物質を含有するトナーが潤滑剤とし
て機能する新しい効果が生まれる。
【0022】トナーの添化剤としては、少なくともチタ
ニア微粒子を用いることが、ドラム融着防止の観点から
好ましい。また、ドラム融着はトナーの粒子径および比
表面積とも関係するため、トナー粒子径の個数分布から
算出される5.04μm以下の割合が、4%以上である
ことが好ましい。4%未満であると、トナーのバルクと
しての挙動が大きくなり、円形度の効果が薄れる場合が
ある。
【0023】本発明をさらに効果的なものとするために
は、トナーMwTと該トナーの数平均分子量MnTとの
比MwT/MnTが、13.0以下であることがより好
ましい。これは、トナー樹脂の分子構造が均一になるほ
ど、摺擦によるトナーの部分剥離が起き難くなり、結果
としてドラム寿命をさらに向上させることができる。
【0024】本発明における分子量の測定方法について
説明する。
【0025】ドラム表面層の結着樹脂の分子量はGPC
(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)により、用
いる結着樹脂をそのままTHF溶媒に所定量(樹脂1質
量部/テトラヒドロフラン1000質量部)溶解し、サ
ンプル処理フィルター(ポアサイズ0.45〜0.5μ
m、たとえば、マイショリディスクH−25−5 東ソ
ー社製、エキクロディスク25CR ゲルマン サイエ
ンス ジャパン社製などが利用できる)を通過させて不
純物等の固形分を取り除いたものを試料として測定する
か、ドラム最表面から10μm以下の領域の樹脂を削り
取り、それをTHFに溶解させ、同様に固形分を取り除
いた後、測定する。1種類の結着樹脂を用いるのであれ
ば、それをそのままTHFに溶解して測定し、その結果
導かれる重量平均分子量をMwDと見なして何ら問題な
い。複数の結着樹脂を用いるのであれば、実際の混合比
でTHFに溶かして測定し、算出された重量平均分子量
をMwDとする。結着樹脂のみの入手が困難である場合
や、設計の精度をより高めたい場合は、製造されたドラ
ムの最表面から10μm以下の領域を削り出し、THF
に溶解させて測定し、MwDを算出する。
【0026】トナー分子量の測定方法について説明す
る。トナーをテトラヒドロフラン(THF)中に入れ、
数時間放置した後、十分振とうしTHFと良く混ぜ、更
に12時間以上静置する。このときTHF中への放置時
間が24時間以上となるようにする。その後、サンプル
処理フィルター0.5を通過させたものを、GPCの試
料とする。トナー濃度は、樹脂成分が0.5〜5mg/
mlとなるように調整する。測定されたトナーの分子量
分布から、MwTおよびMnTを求める。
【0027】GPCにおいては、40℃のヒートチャン
バ中でカラムを安定化させ、この温度におけるカラム
に、溶媒としてTHFを毎分1mlの流速で流し、TH
F試料溶液を約100μl注入して測定される。試料の
分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布を、
数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検
量線の対数値とカウント数との関係から算出する。検量
線作成用の標準ポリスチレン試料としては、たとえば、
東ソー社製あるいは、昭和電工社製の分子量が10
10程度のものを用い、少なくとも10点程度の標準
ポリスチレン試料を用いるのが適当である。検出器には
RI(屈折率)検出器を用いる。カラムとしては、市販
のポリスチレンジェルカラムを複数本組み合わせるのが
良く、たとえば昭和電工社製のshodex GPC
KF−801,802,803,804,805,80
6,807,800Pの組み合わせや、東ソー社製のT
SKgel G1000H(HXL),G2000H
(HXL),G3000H(HXL),G4000H
(HXL),G5000H(HXL),G6000H
(HXL),G7000H(HXL) TSKguar
dcolumnの組み合わせが挙げられる。特に、カラ
ム構成は、昭和電工社製A−801、802、803、
804、805、806及び807を連結したものが好
ましい。
【0028】本発明におけるトナーの円相当径、円形
度、及びそれらの頻度分布とは、トナー粒子の形状を定
量的に表現する簡便な方法として用いたものであり、本
発明ではフロー式粒子像測定装置FPIA−1000型
(東亜医用電子社製)を用いて測定を行い、下式を用い
て算出した。
【0029】
【数1】
【0030】ここで、「粒子投影面積」とは二値化され
たトナー粒子像の面積であり、「粒子投影像の周囲長」
とは該トナー粒子像のエッジ点を結んで得られる輪郭線
の長さと定義する。
【0031】本発明における円形度はトナー粒子の凹凸
の度合いを示す指標であり、トナー粒子が完全な球形の
場合には1.000を示し、表面形状が複雑になる程、
円形度は小さな値となる。
【0032】本発明において、トナーの個数基準の粒径
頻度分布の平均値を意味する円相当個数平均径D1(μ
m)と粒径標準偏差SDdは、粒度分布の分割点iでの
粒径(中心値)をdi、頻度をfiとすると次式から算
出される。
【0033】
【数2】
【0034】また、円形度頻度分布の平均値を意味する
平均円形度Cと円形度標準偏差SDcは、粒度分布の分
割点iでの円形度(中心値)をci、頻度をfciとす
ると、次式から算出される。
【0035】
【数3】
【0036】具体的な測定方法としては、容器中に予め
不純固形物などを除去したイオン交換水10mlを用意
し、その中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアル
キルベンゼンスルホン酸塩を加えた後、更に測定試料を
0.02gを加え、均一に分散させる。分散手段として
は、超音波分散機UH−50型(エスエムテー社製)に
振動子として5φのチタン合金チップを装着したものを
用い、5分間分散処理を行い、測定用の分散液とする。
その際、該分散液の温度が40℃以上にならないように
適宜冷却する。
【0037】トナー粒子の形状測定には、前記フロー式
粒子像測定装置を用い、測定時のトナー粒子濃度が30
00〜1万個/μlとなるように該分散液濃度を再調整
し、トナー粒子を1000個以上計測する。計測後、こ
のデータを用いてトナー粒子の円相当径や円形度頻度分
布等を求める。
【0038】本発明において、トナーの粒度分布は、コ
ールターカウンタを用いて測定を実施した。即ち測定装
置としては、コールターカウンタTA−II型あるいは
コールターマルチサイザー(コールター社製)を用い
る。電解液は、1級塩化ナトリウムを用いて、約1%N
aCl水溶液を調製する。例えばISOTON−II
(コールター社製)が使用できる。測定方法としては、
前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界
面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を
0.1〜5ml加え、更に測定試料を2〜20mg加え
る。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3
分間分散処理を行い、前記測定装置により、アパーチャ
ーとして100μmアパーチャーを用いて、トナーの体
積、個数を測定して体積分布と個数分布を算出した。そ
れから本発明に関わる、個数分布から求めた5.04μ
m未満の割合を求めた。
【0039】チャンネルとしては、2.00〜2.52
μm未満;2.52〜3.17μm未満;3.17〜
4.00μm未満;4.00〜5.04μm未満;5.
04〜6.35μm未満;6.35〜8.00μm未
満;8.00〜10.08μm未満;10.08〜1
2.70μm未満;12.70〜16.00μm未満;
16.00〜20.20μm未満;20.20〜25.
40μm未満;25.40〜32.00μm未満;3
2.00〜40.30μm未満の13チャンネルを用い
る。
【0040】本発明のトナーを製造する方法は、特公昭
36−10231号公報、特開昭59−53856号公
報、特開昭59−61842号公報に述べられている懸
濁重合法を用いて直接トナーを生成する方法;単量体に
は可溶で水溶性重合開始剤の存在下で直接重合させてト
ナー粒子を生成するソープフリー重合法に代表される乳
化重合法によるトナー粒子の製造などが挙げられる。ま
た、マイクロカプセル製法のような界面重合法、in
site重合法、コアセルベーション法などの製造も挙
げられる。さらに、特開昭62−106473号公報や
特開昭63−186253号公報に開示されている様
な、少なくとも1種以上の微粒子を凝集させ所望のトナ
ーを得る界面会合法なども挙げられる。あるいは、粉砕
法によって得られたトナーを、機械的衝撃力で球形化す
る方法などが挙げられる。
【0041】中でも、小粒径のトナー粒子が容易に得ら
れる懸濁重合方法が特に好ましく、製造条件の工夫によ
り本発明の効果をより高める高性能なトナーとすること
ができる。トナー粒子の製造方法として懸濁重合を利用
する場合には、以下の如き製造方法によって直接的にト
ナー粒子を製造することが可能である。
【0042】単量体中に着色剤,重合開始剤,架橋剤,
その他の添加剤を加え、ホモジナイザー,超音波分散機
等によって均一に溶解又は分散せしめた単量体組成物
を、分散安定剤を含有する水系媒体中に通常の撹拌機ま
たはホモミキサー,ホモジナイザー等により分散せしめ
る。好ましくは単量体組成物の液滴が所望のトナー粒子
のサイズを有するように撹拌速度・時間を調整し、造粒
する。その後は、分散安定剤の作用により、粒子状態が
維持され、且つ粒子の沈降が防止される程度の撹拌を行
えば良い。重合温度は40℃以上、通常50〜90℃
(好ましくは55〜85℃)の温度に設定して重合を行
う。重合反応後半に昇温しても良く、必要に応じpH変
更しても良い。本発明では、更に、トナーの定着時の臭
いの原因となる未反応の重合性単量体、副生成物等を除
去するために反応後半、又は、反応終了後に一部水系媒
体を留去しても良い。反応終了後、生成したトナー粒子
を洗浄・ろ過により収集し、乾燥する。理由は現在のと
ころ明らかになっていないが、特に本発明においては、
顔料分散が終了した単量体組成物にポリエステルのごと
き極性樹脂を添加することが、融着防止効果がより高ま
る方法である。また、ワックスのごとき低軟化点物質
も、顔料分散が済んでいる単量体組成物に後から添加し
て溶解させることが、融着に対して好ましい結果をもた
らす。
【0043】以下に重合法トナーの材料に関して記載す
る。
【0044】本発明のトナーを重合方法で製造する際に
用いられる重合性単量体としては、ラジカル重合が可能
なビニル系重合性単量体が用いられる。該ビニル系重合
性単量体としては、主に単官能性重合性単量体を使用す
る。単官能性重合性単量体としては、スチレン;α−メ
チルスチレン、β−メチルスチレン、o−メチルスチレ
ン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4
−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−t
ert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、
p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、
p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、
p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレンの如きス
チレン誘導体;メチルアクリレート、エチルアクリレー
ト、n−プロピルアクリレート、iso−プロピルアク
リレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルア
クリレート、tert−ブチルアクリレート、n−アミ
ルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチ
ルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、
n−ノニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレー
ト、ベンジルアクリレート、ジメチルフォスフェートエ
チルアクリレート、ジエチルフォスフェートエチルアク
リレート、ジブチルフォスフェートエチルアクリレー
ト、2−ベンゾイルオキシエチルアクリレートの如きア
クリル系重合性単量体;メチルメタクリレート、エチル
メタクリレート、n−プロピルメタクリレート、iso
−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレー
ト、iso−ブチルメタクリレート、tert−ブチル
メタクリレート、n−アミルメタクリレート、n−ヘキ
シルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレー
ト、n−オクチルメタクリレート、n−ノニルメタクリ
レート、ジエチルフォスフェートエチルメタクリレー
ト、ジブチルフォスフェートエチルメタクリレートの如
きメタクリル系重合性単量体;メチレン脂肪族モノカル
ボン酸エステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪
酸ビニル、安息香酸ビニル、ギ酸ビニルの如きビニルエ
ステル;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテ
ル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル;
ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイ
ソプロピルケトンの如きビニルケトンが挙げられる。本
発明においては、上記した単官能性重合性単量体を単独
或いは、2種以上組み合わせて使用する。
【0045】上記した重合性単量体の重合の際に用いら
れる重合開始剤としては、油溶性開始剤及び/又は水溶
性開始剤が用いられる。例えば、油溶性開始剤として
は、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′
−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、1,
1′−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリ
ル)、2,2′−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジ
メチルバレロニトリルの如きアゾ化合物;アセチルシク
ロヘキシルスルホニルパーオキサイド、ジイソプロピル
パーオキシカーボネート、デカノニルパーオキサイド、
ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイ
ド、プロピオニルパーオキサイド、アセチルパーオキサ
イド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエー
ト、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ
イソブチレート、シクロヘキサノンパーオキサイド、メ
チルエチルケトンパーオキサイド、ジクミルパーオキサ
イド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、ジ−t−ブチ
ルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイドの如き
パーオキサイド系開始剤が挙げられる。
【0046】水溶性開始剤としては、過硫酸アンモニウ
ム、過硫酸カリウム、2,2’−アゾビス(N,N’−
ジメチレンイソブチロアミジン)塩酸塩、2,2’−ア
ゾビス(2−アミノジノプロパン)塩酸塩、アゾビス
(イソブチルアミジン)塩酸塩、2,2’−アゾビスイ
ソブチロニトリルスルホン酸ナトリウム、硫酸第一鉄又
は過酸化水素が挙げられる。
【0047】重合性単量体の重合度を制御する為に、連
鎖移動剤,重合禁止剤等を更に添加し用いることも可能
である。
【0048】分散安定剤としては、リン酸三カルシウ
ム,リン酸マグネシウム,リン酸アルミニウム,リン酸
亜鉛,炭酸カルシウム,炭酸マグネシウム,水酸化カル
シウム,水酸化マグネシウム,水酸化アルミニウム,メ
タケイ酸カルシウム,硫酸カルシウム,硫酸バリウム,
ベントナイト,シリカ,アルミナ,ヒドロキシアパタイ
ト等が挙げられる。通常単量体組成物100質量部に対
して水300〜3000質量部を分散媒体として使用す
るのが好ましい。
【0049】有機系化合物としては例えばポリビニルア
ルコール,ゼラチン,メチセルロース,メチルヒドロキ
シプロピルセルロース,エチルセルロース,カルボキシ
メチルセルロースのナトリウム塩,デンプン等が使用さ
れる。これら分散剤は、重合性単量体100質量部に対
して0.2〜2.0質量部を使用することが好ましい。
【0050】その他好ましく用いられる分散安定剤とし
ては、硫酸,炭酸,燐酸,ピロ燐酸,ポリ燐酸の難水溶
性金属塩があり、これらは分散媒中で高速撹拌下におい
て酸アルカリ金属塩とハロゲン化金属塩との反応によっ
て調製されることが好ましい。
【0051】これら分散剤の微細化のため0.001〜
0.1質量%の界面活性剤を併用しても良い。具体的に
は市販のノニオン,アニオン,カチオン型の界面活性剤
が利用できる。例えばドデシル硫酸ナトリウム,テトラ
デシル硫酸ナトリウム,ペンタデシル硫酸ナトリウム,
オクチル硫酸ナトリウム,オレイン酸ナトリウム,ラウ
リル酸ナトリウム,ステアリン酸カリウム,オレイン酸
カルシウム等が好ましく用いられる。
【0052】本発明において極性樹脂を用いる場合、例
えば、ポリエステル、ポリカーボネート、フェノール樹
脂、エポキシ樹脂、ポリアミド、セルロースなどが挙げ
られる。より好ましくは材料の多様性からポリエステル
が望まれる。
【0053】該縮合系化合物の製造方法としては、例え
ば、酸化反応による合成法、カルボン酸及びその誘導体
からの合成、マイケル付加反応に代表されるエステル基
導入反応、カルボン酸化合物とアルコール化合物からの
脱水縮合反応を利用する方法、酸ハロゲン化物とアルコ
ール化合物からの反応、エステル交換反応で製造され
る。触媒としては、エステル化反応に使う一般の酸性、
アルカリ性触媒、例えば酢酸亜鉛、チタン化合物などで
よい。その後、再結晶法、蒸留法などにより高純度化さ
せてもよい。
【0054】該縮合系化合物の特に好ましい製造方法
は、原料の多用性、反応のしやすさからカルボン酸化合
物とアルコール化合物からの脱水縮合反応である。この
場合、全成分中45〜55mol%がアルコール成分で
あり、55〜45mol%が酸成分であることが好まし
い。アルコール成分としては、エチレングリコール、プ
ロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4
−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレ
ングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペン
タンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチ
ルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオー
ル、水素化ビスフェノールA、下記式(I)
【0055】
【化1】 (式中、Rはエチレン又はプロピレン基を示し、x,y
はそれぞれ1以上の整数を示し、かつx+yの平均値は
2〜10を示す。)で示されるビスフェノール誘導体、
又は下記式(II)
【0056】
【化2】 で示されるジオールの如きジオール類が挙げられる。
【0057】2価のカルボン酸としてはフタル酸、テレ
フタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、ジフェニル−
P・P’−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカル
ボン酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸,ジフェニ
ルメタン−P・P’−ジカルボン酸、ベンゾフェノン−
4,4’−ジカルボン酸,1,2−ジフェノキシエタン
−P・P’−ジカルボン酸の如きベンゼンジカルボン酸
類又はその無水物;こはく酸、アジピン酸、セバシン
酸、アゼライン酸、グリタル酸、シクロヘキサンジカル
ボン酸、トリエチレンジカルボン酸、マロン酸の如きア
ルキルジカルボン酸類又はその無水物、またさらに炭素
数6〜18のアルキル基又はアルケニル基で置換された
こはく酸もしくはその無水物;フマル酸、マレイン酸、
シトラコン酸、イタコン酸の如き不飽和ジカルボン酸又
はその無水物等が挙げられる。
【0058】特に好ましい該縮合系化合物のアルコール
成分としては前記(I)式で示されるビスフェノール誘
導体であり、酸成分としては、フタル酸、テレフタル
酸、イソフタル酸又はその無水物、こはく酸、n−ドデ
セニルコハク酸、又はその無水物、フマル酸、マレイン
酸、無水マレイン酸の如きジカルボン酸が挙げられる。
【0059】該縮合系化合物は、2価のジカルボン酸及
び2価のジオールから合成することにより得ることが可
能である。場合により、3価以上のポリカルボン酸又は
ポリオールを本発明に悪影響を与えない範囲で少量使用
しても良い。
【0060】3価以上のポリカルボン酸としては、トリ
メリット酸、ピロメリット酸、シクロヘキサントリカル
ボン酸類、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、
1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−
ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカル
ボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチレンカルボ
キシルプロパン、1,3−ジカルボキシル−2−メチル
−メチレンカルボキシルプロパン、テトラ(メチレンカ
ルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラ
カルボン酸及びそれらの無水物が挙げられる。
【0061】3価以上のトリオールとしては、スルビト
ール、1,2,3,6−ヘキサンテトール、1,4−ソ
ルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリト
ール、トリペンタエリスリトール、ショ糖、1,2,4
−メタントリオール、グリセリン、2−メチルプロパン
トリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオー
ル、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、
1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼンが挙げられ
る。
【0062】本発明において用いられる低軟化点物質と
しては、パラフィンワックス、ポリオレフィンワック
ス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロ
ピッシュワックスの如きポリメチレンワックス、アミド
ワックス、ケトンワックス、高級脂肪酸、長鎖アルコー
ル、エステルワックス及びこれらのグラフト化合物、ブ
ロック化合物の如き誘導体が挙げられ、これらは低分子
量成分が除去されたDSC吸熱曲線の最大吸熱ピークが
シャープなものが好ましい。また、これら2種類以上の
ブレンドでも構わない。
【0063】好ましく用いられるワックスとしては、炭
素数15乃至100個の直鎖状のアルキルアルコール、
直鎖状脂肪酸、直鎖状酸アミド、直鎖状エステルあるい
は、モンタン系誘導体が挙げられる。これらワックスか
ら液状脂肪酸の如き不純物を予め除去してあるものも好
ましい。
【0064】さらに、好ましく用いられるワックスは、
アルキレンを高圧下でラジカル重合あるいは低圧下でチ
ーグラー触媒又は、その他の触媒を用いて重合した低分
子量のアルキレンポリマー;高分子量のアルキレンポリ
マーを熱分解して得られるアルキレンポリマー;アルキ
レンを重合する際に副生する低分子量アルキレンポリマ
ーを分離精製したもの、;一酸化炭素及び水素からなる
合成ガスからアーゲ法により得られる炭化水素ポリマー
の蒸留残分から、あるいは、蒸留残分を水素添加して得
られる合成炭化水素から、特定の成分を抽出分別したポ
リメチレンワックスが挙げられる。これらワックスには
酸化防止剤が添加されていてもよい。定着画像の透光性
を向上させるためには、固体エステルワックスが好まし
い。水系媒体中で直接的にトナー粒子を生成する場合に
は、重合性単量体100質量部に対して1乃至40質量
部(より好ましくは、3〜30質量部)配合し、トナー
粒子に含有されるのが良い。
【0065】本発明に用いられる着色剤は、以下に示し
たような公知のイエロー/マゼンタ/シアン着色剤が利
用される。
【0066】イエロー着色剤としては、縮合アゾ化合
物,イソインドリノン化合物,アンスラキノン化合物,
アゾ金属錯体,メチン化合物,アリルアミド化合物に代
表される化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピ
グメントイエロー12、13、14、15、17、6
2、74、83、93、94、95、109、110、
111、128、129、147、168、180等が
好適に用いられる。
【0067】マゼンタ着色剤としては、縮合アゾ化合
物,ジケトピロロピロール化合物,アントラキノン,キ
ナクリドン化合物,塩基染料レーキ化合物,ナフトール
化合物,ベンズイミダゾロン化合物,チオインジゴ化合
物,ペリレン化合物が用いられる。具体的には、C.
I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、4
8;2、48;3、48;4、57;1、81;1、1
22、146、166、169、177、184、18
5、202、206、220、221、254が特に好
ましい。
【0068】本発明に用いられるシアン着色剤として
は、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体,アントラ
キノン化合物,塩基染料レーキ化合物等が利用できる。
具体的には、C.I.ピグメントブルー1、7、15、
15:1、15:2、15:3、15:4、60、6
2、66等が特に好適に利用される。これらの着色剤
は、単独又は混合し更には固溶体の状態で用いることが
できる。本発明の着色剤は、色相角,彩度,明度,耐侯
性,OHP透明性,トナー中への分散性の点から選択さ
れる。該着色剤の添加量は、樹脂100質量部に対し1
〜20質量部添加して用いられる。
【0069】本発明のトナーは、荷電制御剤を含有して
も良い。例えば、有機金属化合物、キレート化合物が有
効であり、モノアゾ金属化合物、アセチルアセトン金属
化合物、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族ダイカ
ルボン酸系の金属化合物がある。他には、芳香族ハイド
ロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及び
その金属塩、無水物、エステル類、ビスフェノール等の
フェノール誘導体類などがある。さらに、尿素誘導体、
含金属サリチル酸系化合物、含金属ナフトエ酸系化合
物、ホウ素化合物、4級アンモニウム塩、カリックスア
レーン等が挙げられる。
【0070】あるいは、ニグロシン及び脂肪酸金属塩等
によるニグロシン変性物、グアニジン化合物、イミダゾ
ール化合物、トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒ
ドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルア
ンモニウムテトラフルオロボレートの如き4級アンモニ
ウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩の如
きオニウム塩及びこれらのレーキ顔料、トリフェニルメ
タン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤として
は、りんタングステン酸、りんモリブデン酸、りんタン
グステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食
子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物など)、高
級脂肪酸の金属塩;ジブチルスズオキサイド、ジオクチ
ルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイドの
如きジオルガノスズオキサイド;ジブチルスズボレー
ト、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボ
レートの如きジオルガノスズボレート類が挙げられる。
これらを単独で或いは2種類以上組合せて用いることが
できる。
【0071】本発明に使用できるトナーの添加剤として
は、シリカ,チタニアが好適に用いられる。その他、酸
化ジルコニウム,酸化マグネシウムの如き酸化物の他
に、炭化ケイ素,チッ化ケイ素,チッ化ホウ素,チッ化
アルミニウム,炭酸マグネシウム,有機ケイ素化合物な
ども併用することが可能である。
【0072】シリカは、出発材料あるいは温度等の酸化
の条件により、ある程度任意に、一次粒子の合一をコン
トロールできる点で好ましい。例えば、かかるシリカは
硅素ハロゲン化物やアルコキシドの蒸気相酸化により生
成されたいわゆる乾式法またはヒュームドシリカと称さ
れる乾式シリカ及びアルコキシド,水ガラス等から製造
されるいわゆる湿式シリカの両者が使用可能であるが、
表面及びシリカ微粉体の内部にあるシラノール基が少な
く、またNaO,SO 2−の如き製造残滓の少ない
乾式シリカの方が好ましい。また乾式シリカにおいて
は、製造工程において例えば、塩化アルミニウム,塩化
チタン等他の金属ハロゲン化合物を硅素ハロゲン化合物
と共に用いることによって、シリカと他の金属酸化物の
複合微粉体を得ることも可能でありそれらも包含する。
【0073】更に、上記シリカは疎水化処理されている
ことが、トナーの帯電量の温度や湿度の如き環境依存性
を少なくするため及びトナー表面からの過剰な遊離を防
止するために良い。この疎水化処理剤としては、例えば
シランカップリング剤、チタンカップリング剤,アルミ
ニウムカップリング剤の如きカップリング剤が挙げられ
る。特にシランカップリング剤が、無機酸化物微粒子上
の残存基あるいは吸着水と反応し均一な処理が達成さ
れ、トナーの帯電の安定化,流動性付与の点で好まし
い。
【0074】シランカップリング剤は、下記一般式 Rm SiYn R:アルコキシ基 m:1〜3の整数 Y:アルキル基 ビニル基、グリシドキシ基、メタクリル基を含む炭化水
素基 n:1〜3の整数 で表されるものであり、例えばビニルトリメトキシシラ
ン,ビニルトリエトキシシラン,γ−メタクリルオキシ
プロピルトリメトキシシラン,ビニルトリアセトキシシ
ラン,メチルトリメトキシシラン,メチルトリエトキシ
シラン,イソブチルトリメトキシシラン,ジメチルジメ
トキシシラン,ジメチルジエトキシシラン,トリメチル
メトキシシラン,ヒドロキシプロピルトリメトキシシラ
ン,フェニルトリメトキシシラン,n−ヘキサデシルト
リメトキシシラン,n−オクタデシルトリメトキシシラ
ン等を挙げることができる。
【0075】より好ましくは、C2a+1−Si
(OC2b+1 (a=4〜12、b=1〜
3)である。
【0076】ここで、一般式におけるaが4より小さい
と、処理は容易となるが疎水性が十分に達成できない。
またaが12より大きいと疎水性は十分になるが、粒子
同士の合一が多くなり、流動性付与能が低下してしま
う。
【0077】bは3より大きいと反応性が低下して疎水
化が十分に行われなくなってしまう。したがって上記一
般式におけるaは4〜12、好ましくは4〜8、bは1
〜3、好ましくは1〜2が良い。
【0078】その処理量は100質量部に対して1〜5
0質量部、粒子合一させずに均一に処理するために好ま
しくは3〜40質量部とし、疎水化度を20〜98%、
好ましくは30〜90%、より好ましくは40〜80%
にすれば良い。
【0079】本発明においては、特にチタニアが好まし
い。その製法としては何ら制約はないが、ハロゲン化物
あるいはアルコキシドを気相下で酸化する方法、あるい
は水存在下で加水分解しながら生成する方法などが使用
できる。例えば、アモルファス酸化チタンあるいはアナ
ターゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チタンなどを用いる
ことができる。
【0080】本発明のトナーにおいては、実質的な悪影
響を与えない範囲内で更に他の添加剤、例えばテフロン
(登録商標)粉末、ステアリン酸亜鉛粉末、ポリフッ化
ビニリデン粉末の如き滑剤粉末;酸化セリウム粉末、炭
化硅素粉末、チタン酸ストロンチウム粉末の如き研磨
剤、酸化アルミニウム粉末の如きケーキング防止剤、あ
るいは例えばカーボンブラック粉末、酸化亜鉛粉末、酸
化スズ粉末の如き導電性付与剤、また、逆極性の有機微
粒子及び無機微粒子を現像性向上剤として少量用いるこ
ともできる。
【0081】本発明のトナーを二成分系現像剤として用
いる場合には、本発明のトナーと共に、キャリアを用い
現像剤として使用する。磁性キャリアとしては、鉄、
銅、亜鉛、ニッケル、コバルト、マンガン、クロム元素
からなる元素単独又は複合フェライト状態で構成され
る。磁性キャリアの形状として、球状、扁平又は不定形
がある。更に磁性キャリア粒子表面状態の微細構造(た
とえば表面凹凸性)をもコントロールすることが好まし
い。一般的には、上記無機酸化物を焼成、造粒すること
により、あらかじめ、磁性キャリアコア粒子を生成した
後、樹脂にコーティングする方法が用いられている。磁
性キャリアのトナーへの負荷を軽減する意味合いから、
無機酸化物と樹脂を混練後、粉砕、分級して低密度分散
キャリアを得る方法や、さらには、直接無機酸化物とモ
ノマーとの混練物を水系媒体中にて懸濁重合せしめ真球
状の磁性キャリアを得る方法も利用することが可能であ
る。
【0082】本発明のトナーが適用可能な画像形成方法
を添付図面を参照しながら以下に説明する。
【0083】本発明のトナーは、磁性キャリアと混合
し、例えば図1に示すような現像手段37を用いて画像
形成方法に適用することができる。具体的には交番電界
を印加しつつ、磁気ブラシが静電荷像保持体(例えば、
感光体ドラム)33に接触している状態で現像を行うこ
とが好ましい。現像剤担持体(現像スリーブ)31と感
光体ドラム33の距離(S−D間距離)Bは100〜1
000μmであることがキャリア付着防止及びドット再
現性の向上において良好である。100μmより狭いと
現像剤の供給が不十分になりやすく、画像濃度が低くな
り、1000μmを超えると磁石S1からの磁力線が広
がり磁気ブラシの密度が低くなり、ドット再現性に劣っ
たり、キャリアを拘束する力が弱まりキャリア付着が生
じやすくなる。トナー41は、逐次現像器へ供給され、
撹拌手段35及び36でキャリアと混合され、固定磁石
34を内包している現像スリーブ31まで搬送される。
【0084】交番電界のピーク間の電圧は500〜50
00Vが好ましく、周波数は500〜10000Hz、
好ましくは500〜3000Hzであり、それぞれプロ
セスに適宜選択して用いることができる。この場合、波
形としては三角波、矩形波、正弦波、あるいはDuty
比を変えた波形等種々選択して用いることができる。印
加電圧が500Vより低いと十分な画像濃度が得られに
くく、また非画像部のカブリトナーを良好に回収するこ
とができない場合がある。5000Vを超える場合には
磁気ブラシを介して、静電像を乱してしまい、画質低下
を招く場合がある。
【0085】良好に帯電したトナーを有する二成分系現
像剤を使用することで、カブリ取り電圧(Vback)
を低くすることができ、感光体の一次帯電を低めること
ができるために感光体寿命を長寿命化できる。Vbac
kは、現像システムにもよるが150V以下、より好ま
しくは100V以下が良い。
【0086】コントラスト電位としては、十分画像濃度
がでるように200V〜500Vが好ましく用いられ
る。
【0087】周波数が500Hzにより低いとプロセス
スピードにも関係するが、キャリアへの電荷注入が起こ
るためにキャリア付着、あるいは潜像を乱すことで画質
を低下させる場合がある。10000Hzを超えると電
界に対してトナーが追随できず画質低下を招きやすい。
【0088】十分な画像濃度を出し、ドット再現性に優
れ、かつキャリア付着のない現像を行うために現像スリ
ーブ31上の磁気ブラシの感光体ドラム33との接触幅
(現像ニップC)を好ましくは3〜8mmにすることで
ある。現像ニップCが3mmより狭いと十分な画像濃度
とドット再現性を良好に満足することが困難であり、8
mmより広いと、現像剤のパッキングが起き機械の動作
を止めてしまったり、またキャリア付着を十分に抑さえ
ることが困難になる。現像ニップの調整方法としては、
現像剤規制部材32と現像スリーブ31との距離Aを調
整したり、現像スリーブ31と感光体ドラム33との距
離Bを調整することでニップ幅を適宜調整する。
【0089】特にハーフトーンを重視するようなフルカ
ラー画像の出力において、マゼンタ用、シアン用、及び
イエロー用の3個以上の現像器が使用され、本発明のト
ナーを用い、特にデジタル潜像を形成した現像システム
と組み合わせることで、磁気ブラシの影響がなく、潜像
を乱さないためにドット潜像に対して忠実に現像するこ
とが可能となる。転写工程においても本発明トナーを用
いることで高転写率が達成でき、したがって、ハーフト
ーン部、ベタ部共に高画質を達成できる。
【0090】静電像保持体33上のトナー画像は、コロ
ナ帯電器の如き転写手段43により転写材へ転写され、
転写材上のトナー画像は、加熱ローラ46及び加圧ロー
ラ45を有する加熱加圧定着手段によって定着され、転
写材に定着画像が形成される。静電像保持体33上の転
写残トナーは、クリーニングブレードの如きクリーニン
グ手段44で静電像保持体33から除去される。本発明
の条件を備えることで、ドラム寿命の長い、高画質が長
期間継続する画像形成装置となる。
【0091】良好なフルカラー画像を得るためには好ま
しくは、マゼンタ用、シアン用、イエロー用、ブラック
用の現像器を有し、ブラックの現像が最後に行われるこ
とで引き締まった画像を呈することができる。
【0092】マルチカラー又はフルカラー画像形成方法
を良好に実施し得る画像形成装置の一例を図4を参照し
ながら説明する。
【0093】図2に示されるカラー電子写真装置は、装
置本体の右側から装置本体の略中央部にわたって設けら
れている転写材搬送系Iと、装置本体の略中央に、上記
転写材搬送系Iを構成している転写ドラム315に近接
してもうけられている潜像形成部IIと、上記潜像形成
部IIと近接して配設されている現像手段(すなわち回
転式現像装置)IIIとに大別される。
【0094】上記転写材搬送系Iは、以下の様な構成と
なっている。上記装置本体の右壁(図2右側)に開口部
が形成されており、該開口部に着脱自在な転写材供給用
トレイ302及び303が一部機外に突出して配設され
ている。該トレイ302及び303の略直上部には給紙
ローラ304及び305が配設され、これら給紙用ロー
ラ304及び305と左方に配された矢印A方向に回転
自在な転写ドラム305とを連係するように、給紙用ロ
ーラ306及び給紙ガイド307及び308が設けられ
ている。上記転写ドラム315の外周面近傍には回転方
向上流側から上流側に向かって当接用ローラ309、グ
リッパ310、転写材分離用帯電器311、分離爪31
2が順次配設されている。
【0095】上記転写ドラム315の内周側には転写帯
電器313、転写材分離用帯電器314が配設されてい
る。転写ドラム315の転写材が巻き付く部分にはポリ
弗化ビニリデンの如き、ポリマーで形成されている転写
シート(図示せず)が貼り付けられており、転写材は該
転写シート上に静電的に密着貼り付けされている。上記
転写ドラム315の右側上部には上記分離爪312と近
接して搬送ベルト手段316が配設され、該搬送ベルト
手段316の転写材搬送方向終端(右側)には定着装置
318が配設されている。該定着装置318よりもさら
に搬送方向後流には装置本体301の外へと延在し、装
置本体301に対して着脱自在な排出用トレイ317が
配設されている。
【0096】次に、上記潜像形成部IIの構成を説明す
る。図2矢印方向に回転自在な潜像担持体である感光ド
ラム(例えば、OPC感光ドラム)319が、外周面を
上記転写ドラム315の外周面と当接して配設されてい
る。上記感光ドラム319の上方でその外周面近傍に
は、該感光ドラム319の回転方向上流側から下流側に
向かって除電用帯電器320、クリーニング手段321
及び一次帯電器323が順次配設され、さらに上記感光
ドラム319の外周面上に静電潜像を形成するためのレ
ーザービームスキャナのごとき像露光手段324、及び
ミラーのごとき像露光反射手段325が配設されてい
る。
【0097】上記回転式現像装置IIIの構成は以下の
ごとくである。上記感光ドラム319の外周面と対向す
る位置に、回転自在な筐体(以下「回転体」という)3
26が配設され、該回転体326中には四種類の現像装
置が周方向の四位置に搭載され、上記感光体ドラム31
9の外周面上に形成された静電潜像を可視化(すなわち
現像)するようになっている。上記四種類の現像装置
は、それぞれイエロー現像装置327Y、マゼンタ現像
装置327M、シアン現像装置327C及びブラック現
像装置327BKを有する。
【0098】上記したごとき構成の画像形成装置全体の
シーケンスについて、フルカラーモードの場合を例とし
て説明する。上述した感光ドラム319が図4矢印方向
に回転すると、該感光ドラム319は一次帯電器323
によって帯電される。一次帯電器323による感光体ド
ラム319に対する帯電が行われると、原稿328のイ
エロー画像信号にて変調されたレーザー光Eによる画像
露光が行われ、感光ドラム319上に静電潜像が形成さ
れ、回転体326の回転によりあらかじめ現像位置に定
置されたイエロー現像装置327Yによって上記静電潜
像の現像が行われ、イエロートナー画像が形成される。
【0099】給紙ガイド307、給紙ローラ306、給
紙ガイド308を経由して搬送されてきた転写材は、所
定のタイミングにてグリッパ310により保持され、当
接用ローラ309と該当接用ローラ309と対向してい
る電極とによって静電的に転写ドラム315に巻き付け
られる。転写ドラム315は、感光ドラム319と同期
して図2矢印方向に回転しており、イエロー現像装置3
27Yにより形成されたイエロートナー画像は、上記感
光ドラム319の外周面と上記転写ドラム315の外周
面とが当接している部位にて転写帯電器313によって
転写材上に転写される。転写ドラム315はそのまま回
転を継続し、次の色(図2においてはマゼンタ)の転写
に備える。
【0100】感光ドラム319は、上記除電用帯電器3
20により除電され、クリーニングブレードによるクリ
ーニング手段321によってクリーニングされた後、再
び一次帯電器323によって帯電され、次のマゼンタ画
像信号により画像露光が行われ、静電潜像が形成され
る。上記回転式現像装置は、感光ドラム319上にマゼ
ンタ画像信号による像露光により静電潜像が形成される
間に回転して、マゼンタ現像装置327Mを上述した所
定の現像位置に配置せしめ、所定のマゼンタトナーによ
り現像を行う。引き続いて、上述したごときプロセスを
それぞれシアン色及びブラック色に対しても実施し、四
色のトナー像の転写が終了すると、転写材上に形成され
た三色顕画像は各帯電器322及び314により除電さ
れ、上記グリッパ310による転写材の把持が解除され
ると共に、該転写材は、分離爪312によって転写ドラ
ム315より分離され、搬送ベルト316で定着装置3
18に送られ、熱と圧力により定着され一連のフルカラ
ープリントシーケンスが終了し、所要のフルカラープリ
ント画像が転写材の一方の面に形成される。本発明をこ
の装置に適用すると、例えば従来は融着やドラム削れな
どにより制限されていたプロセススピードを、より高速
にすることができるなどの効果をもたらす。
【0101】次に、図3を参照しながら、他の画像形成
方法を説明する。
【0102】図3に示す装置システムにおいて、現像器
74−1、74−2、74−3、74−4に、それぞれ
シアントナーを有する現像剤、マゼンタトナーを有する
現像剤、イエロートナーを有する現像剤及びブラックト
ナーを有する現像剤が導入され、磁気ブラシ現像方式又
は非磁性一成分現像方式によって感光体71に形成され
た静電荷像を現像し、各色トナー像が感光体71上に形
成される。感光体71はa−Se、Cds、ZnO2、
OPC、a−Siの様な光導電絶縁物質層を持つ感光ド
ラムもしくは感光ベルトである。感光体71は図示しな
い駆動装置によって矢印方向に回転される。
【0103】感光体71としては、導電性基体上に電荷
発生層、次いで電荷輸送層の順で積層されている構造の
積層型感光層は好ましい例の一つである。
【0104】帯電工程では、コロナ帯電器を用いる感光
体71とは非接触である方式と、ローラ等を用いる接触
型の方式がありいずれのものも用いられる。効率的な均
一帯電、シンプル化、低オゾン発生化のために図3に示
す如く接触方式のものが好ましく用いられる。帯電ロー
ラ72は、中心の芯金72bとその外周を形成した導電
性弾性層72aとを基本構成とするものである。帯電ロ
ーラ72は、感光体71面に押圧力をもって圧接され、
感光体71の回転に伴い従動回転する。帯電ローラを用
いた時の好ましいプロセス条件としては、ローラの当接
圧が4.9〜490N/mで、直流電圧に交流電圧を重
畳したものを用いた時には、交流電圧=0.5〜5kV
pp、交流周波数=50Hz〜5kHz、直流電圧=±
0.2〜±1.5kVであり、直流電圧を用いた時に
は、直流電圧=±0.2〜±5kVである。
【0105】接触帯電手段としての帯電ローラ及び帯電
ブレードの材質としては、導電性ゴムが好ましく、その
表面に離型性被膜をもうけても良い。離型性被膜として
は、ナイロン系樹脂、PVDF(ポリフッ化ビニリデ
ン)、PVDC(ポリ塩化ビニリデン)などが適用可能
である。感光体上のトナー像は、電圧(例えば、±0.
1〜±5kV)が印加されている中間転写体5に転写さ
れる。転写後の感光体表面は、クリーニングブレード7
8を有するクリーニング手段79でクリーニングされ
る。
【0106】中間転写体75は、パイプ状の導電性芯金
75bと、その外周面に形成した中抵抗の弾性体層75
aからなる。芯金75bは、プラスチックのパイプに導
電性メッキをほどこしたものでも良い。中抵抗の弾性体
層75aは、シリコーンゴム、フッ素ゴム、クロロプレ
ンゴム、ウレタンゴム、EPDM(エチレンプロピレン
ジエンの3元共重合体)などの弾性材料に、カーボンブ
ラック、酸化亜鉛、酸化すず、炭化ケイ素の如き導電性
付与材を配合分散して電気抵抗値(体積抵抗率)を10
〜1011Ω・cmの中抵抗に調整した、ソリッドあ
るいは発泡肉質の層である。中間転写体75は感光体7
1に対して並行に軸受けさせて感光体71の下面部に接
触させて配設してあり、感光体71と同じ周速度で矢印
の反時計方向に回転する。
【0107】感光体71の面に形成担持された第1色の
トナー像が、感光体71と中間転写体75とが接する転
写ニップ部を通過する過程で中間転写体75に対する印
加転写バイアスで転写ニップ域に形成された電界によっ
て、中間転写体75の外面に対して順次に中間転写され
ていく。
【0108】必要により、着脱自在なクリーニング手段
80により、転写材へのトナー像の転写後に、中間転写
体75の表面がクリーニングされる。中間転写体上にト
ナー像がある場合、トナー像を乱さないようにクリーニ
ング手段80は、中間転写体表面から離される。中間転
写体75に対して並行に軸受けさせて中間転写体75の
下面部に接触させて転写手段が配設され、転写手段77
は例えば転写ローラ又は転写ベルトであり、中間転写体
75と同じ周速度で矢印の時計方向に回転する。転写手
段77は直接中間転写体75と接触するように配設され
ていても良く、またベルト等が中間転写体75と転写手
段77との間に接触するように配置されても良い。
【0109】転写ローラの場合、中心の芯金77bとそ
の外周を形成した導電性弾性層77aとを基本構成とす
るものである。
【0110】中間転写体及び転写ローラとしては、一般
的な材料を用いることが可能である。中間転写体の弾性
層の体積固有抵抗値よりも転写ローラの弾性層の体積固
有抵抗値をより小さく設定することで転写ローラへの印
加電圧が軽減でき、転写材上に良好なトナー像を形成で
きると共に転写材の中間転写体への巻き付きを防止する
ことができる。特に中間転写体の弾性層の体積固有抵抗
値が転写ローラの弾性層の体積固有抵抗値より10倍以
上であることが特に好ましい。
【0111】転写手段77は中間転写体75と等速度或
は周速度に差をつけて回転させる。転写材6は中間転写
体5と転写手段77との間に搬送されると同時に転写手
段77にトナーが有する摩擦電荷と逆極性のバイアスを
転写バイアス手段から印加することによって中間転写体
75上のトナー像が転写材76の表面側に転写される。
転写用回転体の材質としては、帯電ローラと同様のもの
も用いることができ、好ましい転写のプロセス条件とし
ては、ローラの当接圧が4.9〜490N/mで、直流
電圧が±0.2〜±10kVである。例えば、転写ロー
ラの導電性弾性層77bはカーボン等の導電材を分散さ
せたポリウレタン、エチレン−プロピレン−ジエン系三
元共重合体(EPDM)等の体積抵抗10〜1010
Ωcm程度の弾性体でつくられている。芯金77aには
定電圧電源によりバイアスが印加されている。バイアス
条件としては、±0.2〜±10kVが好ましい。次い
で転写材76は、ハロゲンヒータ等の発熱体を内蔵させ
た加熱ローラとこれと押圧力をもって圧接された弾性体
の加圧ローラとを基本構成とする定着器81へ搬送さ
れ、加熱ローラと加圧ローラ間を通過することによって
トナー像が転写材に加熱加圧定着される。フィルムを介
してヒータにより定着する方法を用いても良い。
【0112】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、これは、本発明を何ら限定するものではない。な
お、以下の配合における部数は、特に説明のない場合は
質量部である。
【0113】(トナーの製造例1)下記のようにして、
水系分散媒及び重合性単量体組成物を夫々調製した。
【0114】水系分散媒の調製 内容積200リットルの容器中で、下記の成分を混合
し、68℃に加温した後、高速回転剪断撹拌機クレアミ
ックスCLM−30S(エム・テクニック(株)製)を
用いて回転数55s−1で撹拌した。 ・水 950部 ・0.1モル/リットル−NaPO水溶液 450部
【0115】次に、容器内を窒素置換すると共に、これ
に1.0モル/リットルのCaCl水溶液68部を添
加して反応させ、リン酸カルシウム塩の微粒子を含む水
系分散媒を得た。
【0116】重合性単量体組成物の調製 ・スチレン 150部 ・n−ブチルアクリレート 20部 ・着色剤(C.I.ピグメントイエロー180) 12部 ・ジ−t−ブチルサリチル酸金属化合物 2部 ・ポリエステル樹脂 15部 (酸価5、ピーク分子量7000) ・エステル系ワックス(融点65℃) 30部 上記した成分のうち、ポリエステル樹脂およびエステル
ワックスを除いた各成分を混合し、アトライター(三井
三池工業(株)製)を用い3時間分散させた後、ポリエ
ステル樹脂およびエステルワックスを加えて68℃に加
温して1時間混合し、重合性単量体組成物とした。
【0117】上記で調製した水系分散媒が入っている高
速回転剪断撹拌機クレアミックスCLM−30Sの回転
数を55s−1とし、この中に、上記で調製した重合性
単量体組成物を投入して造粒を開始した。造粒開始3分
後、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニト
リル)7部を、スチレン30部に溶解したものを添加
し、さらに12分間造粒を続けた。15分間の造粒後、
プロペラ撹拌羽根を備えた撹拌機の容器内に移し、回転
数を0.83s−1回転にし、内温64℃で反応を継続
させた。6時間後、反応温度を80℃に昇温し、加熱撹
拌を5時間継続して重合を完了した。重合反応終了後、
減圧下で残存モノマーを留去し、冷却後、希塩酸を添加
して分散剤を溶解し、固液分離、水洗、ろ過、乾燥する
ことにより重合トナー粒子を得た。得られたトナー母体
の物性を表1に示す。
【0118】(トナーの製造例2)トナーの製造例1に
おいて、着色剤をC.I.ピグメントブルー15:3に
変更した以外はトナーの製造例1と同様にしてトナー粒
子を製造した。得られたトナー母体の物性を表1に示
す。
【0119】(トナーの製造例3)トナーの製造例1に
おいて、着色剤をC.I.ピグメントレッド122に変
更した以外はトナーの製造例1と同様にしてトナー粒子
を製造した。得られたトナー母体の物性を表1に示す。
【0120】(トナーの製造例4)トナーの製造例1に
おいて、エステル系ワックスを用いずに製造を行う以外
はトナーの製造例1と同様にしてトナー粒子を製造し
た。得られたトナー母体の物性を表1に示す。
【0121】(トナーの製造例5)トナーの製造例1に
おいて、アトライターによる顔料分散時にポリエステル
を混合する以外はトナーの製造例1と同様にしてトナー
粒子を製造した。得られたトナー母体の物性を表1に示
す。
【0122】 (トナーの製造例6) ・スチレン−nブチルアクリレート共重合体 100部 ・着色剤(C.I.ピグメントイエロー180) 12部 ・ジ−tert−ブチルサリチル酸金属化合物 4部 ・エステルワックス 2部 上記材料を、ヘンシェルミキサーにより十分予備混合を
行い、2軸式押出し機で溶融混練し、冷却後ハンマーミ
ルを用いて約1〜2mm程度に粗粉砕し、次いで旋回流
中の粒子間衝突を利用したジェットミルにて粉砕を行
い、熱的および機械的なせん断力により、トナー粒子表
面を改質し、さらに分級してイエロートナー粒子を得
た。このイエロートナー母体の物性を表1に示す。
【0123】(トナーの製造例7)トナーの製造例1に
おいて、トナー樹脂の架橋剤としてジビニルエーテル
0.3部を顔料分散工程時に添加すること以外は製造例
1と同様にしてトナー粒子を製造した。得られたトナー
母体の物性を表1に示す。
【0124】(トナーの製造例8)トナーの製造例1に
おいて、造粒温度および反応温度を55℃に変更する以
外は製造例1と同様にしてトナー粒子を製造した。得ら
れたトナー母体の物性を表1に示す。
【0125】(トナーの製造例9)トナーの製造例1に
おいて、造粒温度および反応温度を73℃に変更する以
外は製造例1と同様にしてトナー粒子を製造した。得ら
れたトナー母体の物性を表1に示す。
【0126】(トナーの製造例10)トナーの製造例1
において、造粒時の高速回転剪断撹拌機クレアミックス
CLM−30Sの回転数を45s−1とする以外は製造
例1と同様にしてトナー粒子を製造した。得られたトナ
ー母体の物性を表1に示す。
【0127】(トナーの製造例11)トナーの製造例1
において、造粒温度および反応温度を63℃に変更し、
トナー樹脂の架橋剤としてジビニルエーテル0.6部を
顔料分散工程時に添加すること以外は製造例1と同様に
してトナー粒子を製造した。得られたトナー母体の物性
を表1に示す。
【0128】(トナーの製造例12)トナーの製造例1
において、造粒温度を73℃、反応温度を80℃に変更
する以外は製造例1と同様にしてトナー粒子を製造し
た。得られたトナー母体の物性を表1に示す。
【0129】 (トナーの製造例13) ・スチレン−nブチルアクリレート共重合体 100部 ・着色剤(C.I.ピグメントイエロー180) 12部 ・ジ−tert−ブチルサリチル酸金属化合物 4部 ・エステルワックス 2部 上記材料を、ヘンシェルミキサーにより十分予備混合を
行い、2軸式押出し機で溶融混練し、冷却後ハンマーミ
ルを用いて約1〜2mm程度に粗粉砕し、次いでエアー
ジェット方式による微粉砕機で微粉砕した。さらに分級
してイエロートナー粒子を得た。このイエロートナー母
体の物性を表1に示す。
【0130】(静電荷像担持体の製造例1)Alシリン
ダーを支持体とし、それに、以下の材料より構成される
塗料を支持体上に浸せき法で塗布し、140℃,30分
熱硬化して15μmの導電層を形成した。 導電性顔料:SnOコート処理硫酸バリウム 10部 抵抗調節用顔料:酸化チタン 2部 バインダー樹脂:フェノール樹脂 6部 レベリング材:シリコーンオイル 0.001部 溶剤:メタノール、メトキシプロパノール0.2/0.8 20部
【0131】次にこの上に、Nメトキシメチル化ナイロ
ン4.5部および共重合ナイロン1.5部をメタノール
65部、nブタノール30部の混合溶媒に溶解した溶液
を浸せき法で塗布し0.6μmの中間層を形成した。
【0132】次にCuKα特性X線回折のブラッグ角2
θ±0.2°が9.0°、14.2°、23.9°及び
27.1°に強いピークを有するオキシチタニルフタロ
シアニン(TiOPc)3.24部、下記構造式(1)
のアゾ顔料0.36部及びポリビニルブチラール(商品
名:エスレックBX−1、積水化学工業製)3部をシク
ロヘキサノン110部に溶解させた後に高圧分散機(マ
イクロフルイタイザー、Microfluidics社
製)にて分散したあと、(2)の硫黄系添加剤0.66
部及びエチルアセテート250部を加えて電荷発生層用
分散液を調製した。これを浸せき法で塗布し0.3μm
の電荷発生層を形成した。
【0133】
【化3】
【0134】次に下記構造式(3)
【0135】
【化4】
【0136】の電荷輸送材9部および、結着樹脂として
下記構造式(4)で表されるポリアリレート樹脂(重量
平均分子量Mw=11万、nは重合度を表す)10部を
ジメトキシメタン33部、モノクロロベンゼン60部の
混合溶媒に溶解させて電荷輸送層用塗布液とした。
【0137】
【化5】
【0138】この塗料で浸せき法で塗布(塗布速度一
定)し、120℃で1時間乾燥し20μm(中心付近)
の表面層となる電荷輸送層を形成し、感光体を作製し
た。
【0139】(静電荷像担持体の製造例2)静電荷像担
持体の製造例1において、電荷輸送層に用いる結着樹脂
を重量平均分子量Mw=10万のポリカーボネート樹脂
に変更する以外は静電荷像担持体の製造例1と同様にし
て感光体を製造した。
【0140】(静電荷像担持体の製造例3)静電荷像担
持体の製造例1において、電荷輸送層に用いる結着樹脂
を重量平均分子量Mw=4万のポリカーボネート樹脂に
変更する以外は静電荷像担持体の製造例1と同様にして
感光体を製造した。
【0141】<実施例1>トナーの製造例1において得
られたイエロートナートナー粒子100部と、BET比
表面積が250m/gであるチタニア微粒子1.0
部、80m/gである疎水化処理されたシリカ微粒子
0.5部をヘンシェルミキサー10B(三井三池化工機
社製)において、回転数3000rpm,撹拌時間5分
間の条件下で混合し、イエロートナーを得た。
【0142】このイエロートナー7質量部に対し、アク
リルコートされたフェライトキャリア93部を混合して
現像剤を調製し、室温20℃,湿度50%の環境にて1
5時間放置した。この現像剤を用いて、静電荷像担持体
の製造例1の手法により製造された感光体を、図2に示
されるような市販のデジタルフルカラー複写機(CLC
500,キヤノン製)を、ドラムの回転速度を250m
m/sとなるように改造し、1つの現像器のみを用い
て、イエロートナーの連続通紙試験を行った。その結
果、5万枚の連続通紙後においても、ドラム融着や画像
抜けの問題が発生せず、良好であった。評価結果を表2
に示す。
【0143】<実施例2乃至10>実施例1において、
トナーの製造例2乃至10において得られたトナー粒子
を用いること以外は、実施例1と同様の検討を行った。
評価結果を表2に示す。
【0144】<比較例1乃至3>実施例1において、ト
ナーの製造例11乃至13において得られたトナー粒子
を用いること以外は、実施例1と同様の検討を行った。
評価結果を表2に示す。
【0145】<実施例11>実施例1において、用いる
感光体を静電荷像担持体の製造例2の手法により製造さ
れたものに変更する以外は、実施例1と同様の検討を行
った。評価結果を表2に示す。
【0146】<比較例4>実施例1において、用いる感
光体を静電荷像担持体の製造例3の手法により製造され
たものに変更する以外は、実施例1と同様の検討を行っ
た。その結果、ドラム融着がトナー添加物の融着が5千
枚程度から発生し、また、1万5千枚程度でドラム寿命
に達した。
【0147】<実施例12>実施例1において、用いる
トナーをトナーの製造例12に変更し、用いる感光体を
静電荷像担持体の製造例3の手法により製造されたもの
に変更する以外は、実施例1と同様の検討を行った。そ
の結果、1万5千枚の連続通紙においても、ドラム融着
や画像抜けの問題が発生せず、良好であった。評価結果
を表2に示す。
【0148】<実施例13乃至22>実施例1乃至10
において、ドラムの回転速度を350mm/sに変更す
る以外は各実施例と同様の検討を行った。評価結果を表
2に示す。
【0149】<比較例5乃至7>比較例1乃至3におい
て、ドラムの回転速度を350mm/sに変更する以外
は各比較例と同様の検討を行った。評価結果を表2に示
す。
【0150】<実施例23>トナーの製造例1において
得られたイエロートナートナー粒子100部と、BET
比表面積が250m/gであるチタニア微粒子1.5
部、80m/gである疎水化処理されたシリカ微粒子
0.5部をヘンシェルミキサー10B(三井三池化工機
社製)において、回転数3000rpm,撹拌時間5分
間の条件下で混合し、非磁性一成分イエロートナーを得
た。
【0151】この現像剤を用いて、静電荷像担持体の製
造例1の手法により製造された感光体を、図3に示され
るような市販のデジタルフルカラー複写機(クリエイテ
ィブプロセッサCP660,キヤノン製)の改造機を使
用し(帯電ローラの当接圧=50N/m)、1つの現像
器のみを用い、イエロートナーの連続通紙試験を行っ
た。その結果、5万枚の連続通紙後においても、ドラム
融着や画像抜けの問題が発生せず、良好であった。評価
結果を表2に示す。
【0152】<実施例24乃至27>実施例23におい
て、用いるトナーをトナーの製造例6乃至9に変更する
以外は、実施例23と同様の検討を行った。評価結果を
表2に示す。
【0153】<比較例8乃至10>実施例23におい
て、用いるトナーをトナーの製造例11乃至13に変更
する以外は、実施例23と同様の検討を行った。評価結
果を表2に示す。
【0154】<実施例28乃至32>実施例23乃至2
7において、帯電ローラーの当接圧を300N/mに変
更する以外は、各実施例と同様の検討を行った。評価結
果を表2に示す。
【0155】<実施例33>実施例28において、チタ
ニア微粒子を用いないこと以外は、実施例28と同様の
検討を行った。評価結果を表2に示す。
【0156】<比較例11乃至13>比較例8乃至10
において、帯電ローラーの当接圧を300N/mに変更
する以外は、各比較例と同様の検討を行った。評価結果
を表2に示す。
【0157】
【表1】
【0158】
【表2】
【0159】
【発明の効果】本発明により、静電荷像担持体の表面層
を高耐久性の硬い材料とした場合でも、融着や画像抜け
の発生しないカラートナーおよび画像形成方法を提供す
ることができる。
【0160】さらには、種々の帯電形式や転写形式に容
易に対応できる、高い耐久性を持つ画像形成方法を提供
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のトナーが適用され得る現像装置の概略
図である。
【図2】フルカラー又はマルチカラーの画像形成方法を
説明するための概略図である。
【図3】他の画像形成方法を説明するための概略図であ
る。
【符号の説明】
31 現像剤担持体(現像スリーブ) 32 現像剤層厚規制部材 33 静電荷像担持体(感光体) 37 現像手段 41 トナー 43 転写手段 45 加圧ローラ 46 加熱ローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 谷内 信也 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 池田 直隆 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H005 AA01 AA06 AA08 AA15 CA04 CA14 CB07 EA03 EA06 EA10 2H068 AA03 BB27 BB52

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 静電荷像を担持するための静電荷像担持
    体を帯電し、帯電された静電荷像担持体に静電荷像を形
    成し、現像手段が有するトナーによって静電荷像を現像
    してトナー像を形成し、静電荷像担持体上のトナー像を
    中間転写体を介して又は介さずに転写材へ転写し、転写
    材上のトナー像を定着手段によって定着する画像形成方
    法において使用されるトナーであって、 該静電荷像担持体が結着樹脂を有する表面層を有してお
    り、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)
    で測定される、該結着樹脂の重量平均分子量MwDと該
    トナーの重量平均分子量MwTとが、 0.3<MwT/(MwT+MwD)<0.7 の関係を満たし、かつ、フロー式粒子像測定装置で計測
    される該トナーの個数基準の円相当径ー円形度スキャッ
    タグラムにおいて、円形度0.950未満のトナー粒子
    が35個数%以下であることを特徴とするカラートナ
    ー。
  2. 【請求項2】 該静電荷像担持体表面層の結着樹脂の重
    量平均分子量MwDと該トナーの重量平均分子量MwT
    とが、 0.35<MwT/(MwT+MwD)<0.65 の関係を満たし、かつ、フロー式粒子像測定装置で計測
    される該トナーの個数基準の円相当径ー円形度スキャッ
    タグラムにおいて、円形度0.950未満のトナー粒子
    が25個数%以下であることを特徴とする請求項1に記
    載のカラートナー。
  3. 【請求項3】 該静電荷像担持体表面層の結着樹脂の重
    量平均分子量MwDが70000乃至170000であ
    ることを特徴とする請求項1または2に記載のカラート
    ナー。
  4. 【請求項4】 該静電荷像担持体表面層の結着樹脂の主
    成分が、ポリアリレートであることを特徴とする請求項
    1乃至3のいずれかに記載のカラートナー。
  5. 【請求項5】 該トナーの平均円形度が0.960乃至
    0.995であり、円形度標準偏差が0.040未満で
    あることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載
    のカラートナー。
  6. 【請求項6】 該トナーの重量平均分子量MwTが70
    000乃至170000であることを特徴とする請求項
    1乃至5のいずれかに記載のカラートナー。
  7. 【請求項7】 該トナーは、融点が50℃乃至100℃
    の低軟化点物質を含有していることを特徴とする請求項
    1乃至6のいずれかに記載のカラートナー。
  8. 【請求項8】 該トナーは、添加剤として少なくとも1
    種類のチタニア微粒子が添加されていることを特徴とす
    る請求項1乃至7のいずれかに記載のカラートナー。
  9. 【請求項9】 該トナーは、粒子径の個数分布から算出
    される5.04μm以下の割合が、4%以上であること
    を特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のカラー
    トナー。
  10. 【請求項10】 該トナーのMwTと該トナーの数平均
    分子量MnTとの比MwT/MnTが、13.0以下で
    あることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載
    のカラートナー。
  11. 【請求項11】 静電荷像を担持するための静電荷像担
    持体を帯電し、帯電された静電荷像担持体に静電荷像を
    形成し、現像手段が有するトナーによって静電荷像を現
    像してトナー像を形成し、静電荷像担持体上のトナー像
    を中間転写体を介して又は介さずに転写材へ転写し、転
    写材上のトナー像を定着手段によって定着する画像形成
    方法であって、該静電荷像担持体が結着樹脂を有する表
    面層を有しており、ゲルパーミエーションクロマトグラ
    フィ(GPC)で測定される、該結着樹脂の重量平均分
    子量MwDと該トナーの重量平均分子量MwTとが、 0.3<MwT/(MwT+MwD)<0.7 の関係を満たし、かつ、フロー式粒子像測定装置で計測
    される該トナーの個数基準の円相当径−円形度スキャッ
    タグラムにおいて、円形度0.950未満のトナー粒子
    が35個数%以下であることを特徴とする画像形成方
    法。
  12. 【請求項12】 該静電荷像担持体表面層の結着樹脂の
    重量平均分子量MwDと該トナーの重量平均分子量Mw
    Tとが、 0.35<MwT/(MwT+MwD)<0.65 の関係を満たし、かつ、フロー式粒子像測定装置で計測
    される該トナーの個数基準の円相当径−円形度スキャッ
    タグラムにおいて、円形度0.950未満のトナー粒子
    が25個数%以下であることを特徴とする請求項11に
    記載の画像形成方法。
  13. 【請求項13】 該静電荷像担持体表面層の結着樹脂の
    重量平均分子量MwDが70000乃至170000で
    あることを特徴とする請求項11または12に記載の画
    像形成方法。
  14. 【請求項14】 該静電荷像担持体表面層の結着樹脂の
    主成分が、ポリアリレートであることを特徴とする請求
    項11乃至13のいずれかに記載の画像形成方法。
  15. 【請求項15】 該トナーの平均円形度が0.960乃
    至0.995であり、円形度標準偏差が0.040未満
    であることを特徴とする請求項11乃至14のいずれか
    に記載の画像形成方法。
  16. 【請求項16】 該トナーの重量平均分子量MwTが7
    0000乃至170000であることを特徴とする請求
    項11乃至15のいずれかに記載の画像形成方法。
  17. 【請求項17】 該トナーは、融点が50℃乃至100
    ℃の低軟化点物質を含有していることを特徴とする請求
    項11乃至16のいずれかに記載の画像形成方法。
  18. 【請求項18】 該トナーは、添加剤として少なくとも
    1種類のチタニア微粒子が添加されていることを特徴と
    する請求項11乃至17のいずれかに記載の画像形成方
    法。
  19. 【請求項19】 該トナーは、粒子径の個数分布から算
    出される5.04μm以下の割合が、4%以上であるこ
    とを特徴とする請求項11乃至18のいずれかに記載の
    画像形成方法。
  20. 【請求項20】 該トナーのMwTと該トナーの数平均
    分子量MnTとの比MwT/MnTが、13.0以下で
    あることを特徴とする請求項11乃至19のいずれかに
    記載の画像形成方法。
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