JP2003041227A - コンタクト接着剤 - Google Patents

コンタクト接着剤

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JP2003041227A
JP2003041227A JP2002145574A JP2002145574A JP2003041227A JP 2003041227 A JP2003041227 A JP 2003041227A JP 2002145574 A JP2002145574 A JP 2002145574A JP 2002145574 A JP2002145574 A JP 2002145574A JP 2003041227 A JP2003041227 A JP 2003041227A
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contact adhesive
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group
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ether
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JP2002145574A
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Shinichiro Ii
慎一郎 伊井
Fumiaki Hondo
文明 本藤
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Sanyo Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Sanyo Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機溶剤を含まず、いずれの被着体をも接着
することが可能であり、低温〜常温硬化性を有し、且つ
低粘度で作業性、接着性に優れた新規コンタクト接着剤
を提供する。 【解決手段】 特定のヘテロ環含有化合物(A)、ポリ
エポキシ化合物(B)、及びアミノ基に由来する活性水
素を2個以上有するアミノ化合物(C)を必須成分とす
ることを特徴とするコンタクト接着剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明はコンタクト接着剤に
関する。さらに詳しくは新規なエポキシ系樹脂からなる
コンタクト接着剤に関する。
【0002】
【従来の技術】被着体の相互の面に接着剤を塗工し、し
ばらく放置してから被着体の二つの面を押しつけて接着
する方法をコンタクト接着といい、コンタクト接着に使
用する接着剤をコンタクト接着剤という。従来、コンタ
クト接着剤としては、天然ゴムや合成ゴムのようなジエ
ン系化合物の重合体に、粘着付与樹脂や可塑剤を添加
し、有機溶剤に均一に溶解させた溶剤型接着剤や水系
(エマルジョン型)接着剤及び無溶剤型エポキシ接着剤
が広く用いられてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、溶剤型
接着剤は、有機溶剤を必須成分とするため、労働環境、
防災及び公害面において問題があった。このような問題
を解決するために、有機溶剤に代わる水系(エマルジョ
ン型)接着剤の検討が行われてきたが、媒体が水である
ために乾燥時間が長く、被着体も木材等の吸水材に限定
されるという難点があった。無溶剤型エポキシ樹脂接着
剤は、耐熱性や耐水性に優れた性能を示すものの、5℃
の程度の低温では硬化せず、25℃のような常温では硬
化するが硬化時間が長く、強度発現が遅い。また加熱す
ることにより初期強度を速く発現させることが可能であ
るが、被着体に熱をかけねばならず、工程上の難点があ
った。
【0004】本発明は、上記問題を解決するものであ
り、溶剤型接着剤と異なり、有機溶剤を含まないの
で、環境上、火災上において安全であり、水系(エマ
ルジョン型)接着剤と異なり、いずれの被着体をも接着
することが可能であり、5℃程度の低温においても硬
化性を有し、25℃程度の常温においても速硬化性を
有するため、加熱を必要とせず、且つ低粘度で作業
性、接着性に優れた新規コンタクト接着剤を提供するこ
とを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、本発明に到達し
た。すなわち、本発明は、下記一般式(1)及び/又は
(2)で表されるヘテロ環含有化合物(A)、ポリエポ
キシ化合物(B)、及びアミノ基に由来する活性水素を
2個以上有するアミノ化合物(C)を必須成分とするこ
とを特徴とするコンタクト接着剤である。一般式
【0006】
【化3】 [式(1)、(2)中、nは1〜10の整数;Y1及び
1はそれぞれ独立に酸素又は硫黄原子;R1、R2は環
状エーテル基含有化合物(D)から環状エーテル基部分
を除いた残基である。]
【0007】
【発明の実施の形態】本発明において、ヘテロ環含有化
合物(A)は、前記一般式(1)及び/又は(2)で示
される化合物である。式中、nは1〜10の整数であ
り、好ましくは2〜8の整数である。nが10を超える
と接着剤の粘度が上昇し作業性が悪くなる。Y1及びZ1
はそれぞれ独立に酸素又は硫黄原子であり、好ましくは
一方がSで他方がOである。R1、R2は環状エーテル基
含有化合物(D)から環状エーテル基部分を除いた残基
である。(D)は一般式(4)又は(5)で示される。
一般式
【0008】
【化4】
【0009】(D)の環状エーテル基としては、隣接す
る炭素に共通の酸素原子と結合する環状エーテル基が好
ましい。(D)としては、分子内に環状エーテル基を1
〜10個又はそれ以上有する化合物である。環状エーテ
ル基含有化合物(D)は、エポキシ基含有化合物であ
る。エポキシ基含有化合物としては、モノエポキサイド
(d1)とポリエポキサイド(D1)とがある。モノエ
ポキサイド(d1)としては、分子中に1個のエポキシ
基を有していれば特に限定されず、用途、目的に応じて
適宜選択することができる。その例としては以下のもの
が挙げられる。 (d1−1)炭素数2〜24の炭化水素系オキシド;エ
チレンオキシド、プロピレンオキシド、1−ブテンオキ
シド、2−ブテンオキシド、炭素数5〜24のα−オレ
フィンオキシド、スチレンオキシド、シクロヘキセンオ
キシド等; (d1−2)炭素数3〜19の炭化水素の、グリシジル
エーテル;n−ブチルグリシジルエーテル、アリルグリ
シジルエーテル、2−エチル−ヘキシルグリシジルエー
テル、2−メチルオクチルグリシジルエーテル、フェニ
ルグリシジルエーテル、クレジルグリシジルエーテル、
p−sec−ブチルフェニルグリシジルエーテル、P−
tert−ブチルフェニルグリシジルエーテル等;
【0010】(d1−3)炭素数3〜30のモノカルボ
ン酸の、グリシジルエステル;グリシジルアクリレー
ト、グリシジルメタクリレート等; (d1−4)その他;エピクロルヒドリン、エピブロモ
ヒドリン等のエピハロヒドリン及びグリシドール等の水
酸基含有オキシド等;が挙げられる。これらの内、好ま
しいのは炭素数2〜24の炭化水素系オキシド、炭素数
3〜19の炭化水素の、グリシジルエーテルである。
【0011】ポリエポキサイド(D1)は、分子中に2
個以上のエポキシ基を有していれば、特に制限はなく、
用途、目的に応じて適宜選択することができる。好まし
いのは、分子中にエポキシ基を2〜6個有するものであ
る。ポリエポキサイドのエポキシ当量(エポキシ基1個
当たりの分子量)は、通常65〜1,000であり、好
ましいのは90〜500である。エポキシ当量が1,0
00以下であると、架橋構造がルーズにならず硬化物の
耐水性、耐薬品性、機械的強度等の物性が良好であり、
一方、エポキシ当量が65以上であると接着剤硬化物の
耐水性、耐薬品性、機械的強度等が良好な架橋構造とな
る。ポリエポキサイド(D1)の例としては、下記(D
1−1)から(D1−5)が挙げられる。
【0012】(D1−1)グリシジルエーテル型 (i)2価フェノール類のジグリシジルエーテル;炭素
数6〜30の2価フェノール類のジグリシジルエーテ
ル、例えば、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、
ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノー
ルBジグリシジルエーテル、ビスフェノールADジグリ
シジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテ
ル、ハロゲン化ビスフェノールAジグリシジルエーテ
ル、テトラクロロビスフェノールAジグリシジルエーテ
ル、カテキンジグリシジルエーテル、レゾルシノールジ
グリシジルエーテル、ハイドロキノンジグリシジルエー
テル、1,5−ジヒドロキシナフタレンジグリシジルエ
ーテル、ジヒドロキシビフェニルジグリシジルエーテ
ル、オクタクロロ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル
ジグリシジルエーテル、テトラメチルビフェニルジグリ
シジルエーテル、p−グリシジルフェニルジメチルトリ
ールビスフェノールAグリシジルエーテル、9,9’−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)フロオレンジグリシジ
ルエーテル、ビスフェノールA2モルとエピクロロヒド
リン3モルの反応から得られるジグリシジルエーテル
等;
【0013】(ii)3価〜6価又はそれ以上の、多価
フェノール類のポリグリシジルエーテル;炭素数6〜5
0又はそれ以上で、3価〜6価又はそれ以上の多価フェ
ノール類のポリグリシジルエーテル(分子量294〜1
0,000);例えば、ピロガロールトリグリシジルエ
ーテル、ジヒドロキシナフチルクレゾールトリグリシジ
ルエーテル、トリス(ヒドロキシフェニル)メタントリ
グリシジルエーテル、ジナフチルトリオールトリグリシ
ジルエーテル、テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)
エタンテトラグリシジルエーテル、トリスメチル−te
rt−ブチル−ブチルヒドロキシメタントリグリシジル
エーテル、4,4’−オキシビス(1,4−フェニルエ
チル)テトラクレゾールテトラグリシジルエーテル、ビ
ス(ジヒドロキシナフタレン)テトラグリシジルエーテ
ル、フェノール又はクレゾールノボラック樹脂(分子量
400〜5,000)のグリシジルエーテル、リモネン
フェノールノボラック樹脂(分子量400〜5,00
0)のグリシジルエーテル、フェノールとグリオキザー
ル、グルタールアルデヒド、又はホルムアルデヒドの縮
合反応によつて得られるポリフェノール(分子量400
〜5,000)のポリグリシジルエーテル、及びレゾル
シンとアセトンの縮合反応によって得られる分子量40
0〜5,000のポリフェノールのポリグリシジルエー
テル等;
【0014】(iii)2価アルコールのジグリシジル
エーテル;炭素数2〜100のジオールのジグリシジル
エーテル(分子量174〜6,000);例えば、エチ
レングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリ
コールジグリシジルエーテル、テトラメチレングリコー
ルジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジ
グリシジルエーテル、ポリエチレングリコール(分子量
150〜4,000)ジグリシジルエーテル、ポリプロ
ピレングリコール(分子量180〜5,000)ジグリ
シジルエーテル、ポリテトラメチレングリコール(分子
量200〜5,000)ジグリシジルエーテル、ネオペ
ンチルグリコールジグリシジルエーテル、ビスフェノー
ルAのアルキレンオキシド〔エチレンオキシド又はプロ
ピレンオキシド(1〜20モル)〕付加物のジグリシジ
ルエーテル等; (iv)3価〜6価又はそれ以上の脂肪族アルコールの
ポリグリシジルエーテル;炭素数3〜50又はそれ以上
で、分子量92〜10,000の3価〜6価又はそれ以
上の多価アルコール類のグリシジルエーテル;例えば、
トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリ
セロールトリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトー
ルテトラグリシジルエーテル、ソルビトールヘキサグリ
シジルエーテル、ポリ(n=2〜5)グリセロールポリ
グリシジルエーテル等;
【0015】(D1−2)グリシジルエステル型;炭素
数6〜20又はそれ以上で、2価〜6価又はそれ以上の
芳香族ポリカルボン酸のグリシジルエステル、及び炭素
数6〜30又はそれ以上で、2価〜6価又はそれ以上の
脂肪族もしくは脂環式ポリカルボン酸のグリシジルエス
テル; (i)芳香族ポリカルボン酸、例えばフタル酸類のグリ
シジルエステルとしては、フタル酸ジグリシジルエステ
ル、イソフタル酸ジグリシジルエステル、テレフタル酸
ジグリシジルエステル、トリメリット酸トリグリシジル
エステル等; (ii)脂肪族若しくは脂環式ポリカルボン酸のグリシ
ジルエステルとしては、上記フェノール系のグリシジル
エステルの芳香核水添加物、ジグリシジルオキサレー
ト、ジグリシジルマレート、ジグリシジルスクシネー
ト、ジグリシジルグルタレート、ジグリシジルアジペー
ト、ジグリシジルピメレート、グリシジル(メタ)アク
リレートの(共)重合体(重合度は例えば2〜10)、
トリカルバリル酸トリグリシジルエステル等;
【0016】(D1−3)グリシジルアミン型;炭素数
6〜20又はそれ以上で、2〜10又はそれ以上の活性
水素原子をもつ芳香族類のグリシジルアミン及び脂肪
族、脂環式若しくは複素環式アミン類のグリシジルアミ
ン等; (i)芳香族アミン類のグリシジルアミン;N,N−ジ
グリシジルアニリン、N,N−ジグリシジルトルイジ
ン、N,N,N’,N’−テトラグリシジルジアミノジ
フェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラグリシジ
ルジアミノジフェニルスルホン、N,N,N’,N’−
テトラグリシジルジエチルジフェニルメタン、N,N,
O−トリグリシジルアミノフェノール等; (ii)脂肪族アミン類のグリシジルアミン;N,N,
N’,N’−テトラグリシジルキシリレンジアミン、
N,N,N’,N’−テトラグリシジルヘキサメチレン
ジアミン等; (iii)脂環式アミン類のグリシジルアミンとして
は、N,N,N’,N’−テトラグリシジルキシリレン
ジアミンの水添化合物等;複素環式アミンのグリシジル
アミン;トリスグリシジルメラミン等;
【0017】(D1−4)鎖状脂肪族エポキサイド;炭
素数6〜50又はそれ以上で2〜6価又はそれ以上の鎖
状脂肪族エポキサイド;例えばエポキシ当量90〜1,
000のエポキシ化ポリブタジエン(分子量180〜
2,500)、エポキシ化大豆油(分子量280〜2,
500)等; (D1−5)脂環式エポキサイド;炭素数6〜50又は
それ以上で、分子量90〜2500、エポキシ基の数2
〜4又はそれ以上の脂環式エポキサイド;ビニルシクロ
ヘキセンジオキシド、リモネンジオキシド、ジシクロペ
ンタジエンジオキシド、ビス(2,3−エポキシシクロ
ペンチル)エーテル、エチレングリコールビスエポキシ
ジシクロペンチルエーテル、3,4エポキシ−6−メチ
ルシクロヘキシルメチル3’、4’−エポキシ−6’−
メチルシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4
−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペ
ート、およびビス(3,4−エポキシ−6−メチルシク
ロヘキシルメチル)ブチルアミン等;また、前記フェノ
ール類のエポキシ化合物の核水添化物も含む。
【0018】なお(D1−1)〜(D1−5)以外のも
のでも、活性水素と反応可能なグリシジル基をもつエポ
キシ樹脂であれば使用できる。又、これらのポリエポキ
シ化合物は、二種以上併用できる。これらのうち、好ま
しいのはグリシジルエーテル型(D1−1)、及びグリ
シジルエステル型(D1−2)であり、特に好ましいの
は、グリシジルエーテル型(D1−1)である。(D1
−1)の内、好ましいのは2価フェノール類、2価脂肪
族アルコールのジグリシジルエーテルである。上記の
内、一般式(5)で示される脂環式エポキサイドとして
は、(d1−1)のシクロヘキセンオキシド及び(D1
−5)の化合物が挙げられる。上記一般式(1)、
(2)で示される化合物の内、好ましくは一般式(1)
で示される化合物であり、さらに好ましくは下記一般式
(3)で示される化合物である。一般式
【0019】
【化5】
【0020】[式中、nは1〜10の整数。Y1、Z1
一方がSで他方がOであり、好ましくは、Y1がO、Z2
がSである。R3はモノグリシジル化合物(d1−2)
からグリシジル基を除いた残基である。]
【0021】本発明のヘテロ環含有化合物(A)の製造
方法は、特に制限はなく、例えば、環状エーテル基含有
化合物(D)の環状エーテル基に対し、0.5〜10倍
当量の二硫化炭素、硫化カルボニル及び/又は二酸化炭
素、好ましくは二硫化炭素を、溶剤中、触媒存在下で、
反応させることにより得られる。溶剤としては、反応を
阻害せず、原料及び生成物を溶解するものなら特に制限
はなく、通常、非プロトン性溶剤が使用される。例え
ば、エーテル類(テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジ
エチルセロソルブ、ジオキソラン、トリオキサン、ジブ
チルセロソルブ、ジエチルカービトール、ジブチルカー
ビトール等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトン等)、エ
ステル類(酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル
等)、その他極性溶剤(アセトニトリル、ジメチルホル
ムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシ
ド等)等が挙げられ、好ましくは、テトラヒドロフラ
ン、アセトン、酢酸エチル等である。触媒は、アルカリ
金属またはアルカリ土類金属のハロゲン化物であり、例
えば、塩化リチウム、臭化リチウム、沃化リチウム、塩
化カリウム、臭化カルシウム等が挙げられ、好ましく
は、臭化リチウムである。触媒の量は、(D)の環状エ
ーテル基に対し、好ましくは0.001〜1.0倍当量
である。さらに好ましくは0.01〜0.1倍当量であ
る。
【0022】反応温度は、好ましくは0〜100℃、さ
らに好ましくは、20〜70℃である。ヘテロ環含有化
合物(A)の重量平均分子量は120〜12,000で
あり、好ましくは200〜8,000である。ヘテロ環
当量は通常120〜1,200であり、好ましくは20
0〜800である。25℃での粘度は、通常20Pa・
s以下であり、好ましくは10Pa・s以下、さらに好
ましくは5Pa・s以下であり、特に好ましくは1Pa
・s以下である。上記の様にして得られるヘテロ環含有
化合物(A)は具体的には表1に記載したものが挙げら
れる。
【0023】
【表1】
【0024】本発明のポリエポキシ化合物(B)として
は(D1)と同じものが挙げられる。好ましいのは(D
1−1)である。
【0025】本発明のアミノ化合物(C)は、分子中に
アミノ基に由来する活性水素を2個以上有する化合物で
あれば特に制限はなく、用途、目的に応じて適宜選択す
ることができる。好ましくは、分子中にアミノ基に由来
する活性水素を2〜10個有する化合物であり、さらに
好ましくは、3〜6個有する化合物である。(C)の活
性水素当量(活性水素1個当りの分子量)は、通常15
〜500であり、好ましくは20〜200である。活性
水素当量が、500以下であると、架橋構造がルーズに
ならず硬化物の接着性、耐久性等の物性が良好である。
活性水素当量が15以上であると硬化物の接着性、耐久
性、耐薬品性等の物性が良好である。
【0026】(C)のアミノ化合物の例としては、以下
の(C1)〜(C9)がそれぞれ挙げられる。(C1)
脂肪族ポリアミン類(炭素数2〜18、官能基数2〜
7、分子量60〜500); (i)脂肪族ポリアミン{炭素数2〜6のアルキレンジ
アミン(エチレンジアミン、プロピレンジアミン、トリ
メチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメ
チレンジアミンなど)、ポリアルキレン(炭素数2〜
6)ポリアミン〔ジエチレントリアミン、イミノビスプ
ロピルアミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン,ト
リエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペ
ンタエチレンヘキサミン等〕}; (ii)これらのアルキル(炭素数1〜4)またはヒド
ロキシアルキル(炭素数2〜4)置換体〔ジアルキル
(炭素数1〜3)アミノプロピルアミン、トリメチルヘ
キサメチレンジアミン、アミノエチルエタノールアミ
ン、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサメチレンジアミ
ン、メチルイミノビスプロピルアミン等〕;(iii)
脂環又は複素環含有脂肪族ポリアミン〔3,9−ビス
(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオ
キサスピロ[5,5]ウンデカン等〕; (iv)芳香環含有脂肪族アミン類(炭素数8〜15)
(キシリレンジアミン、テトラクロル−p−キシリレン
ジアミン等);
【0027】(C2)脂環式ポリアミン(炭素数4〜1
5、官能基数2〜3);1,3−ジアミノシクロヘキサ
ン、イソホロンジアミン、メンセンジアミン、4,4´
−メチレンジシクロヘキサンジアミン(水添メチレンジ
アニリン)等; (C3)複素環式ポリアミン(炭素数4〜15、官能基
数2〜3):ピペラジン、N−アミノエチルピペラジ
ン、1,4−ジアミノエチルピペラジン、1,4ビス
(2−アミノ−2−メチルプロピル)ピペラジン等; (C4)芳香族ポリアミン類(炭素数6〜20、官能基
数2〜3、分子量100〜1000); (i)非置換芳香族ポリアミン〔1,2−、1,3−及
び1,4−フェニレンジアミン、2,4´−及び4,4
´−ジフェニルメタンジアミン、クルードジフェニルメ
タンジアミン(ポリフェニルポリメチレンポリアミ
ン)、ジアミノジフェニルスルホン、ベンジジン、チオ
ジアニリン、ビス(3,4−ジアミノフェニル)スルホ
ン、2,6−ジアミノピリジン、m−アミノベンジルア
ミン、トリフェニルメタン−4,4´,4”−トリアミ
ン、ナフチレンジアミン等;
【0028】(ii)核置換アルキル基〔メチル,エチ
ル,n−およびi−プロピル、ブチル等の炭素数C1〜
C4アルキル基)を有する芳香族ポリアミン、例えば
2,4−及び2,6−トリレンジアミン、クルードトリ
レンジアミン、ジエチルトリレンジアミン、4,4´−
ジアミノ−3,3´−ジメチルジフェニルメタン、4,
4´−ビス(o−トルイジン)、ジアニシジン、ジアミ
ノジトリルスルホン、1,3−ジメチル−2,4−ジア
ミノベンゼン、1,3−ジエチル−2,4−ジアミノベ
ンゼン、1,3−ジメチル−2,6−ジアミノベンゼ
ン、1,4−ジエチル−2,5−ジアミノベンゼン、
1,4−ジイソプロピル−2,5−ジアミノベンゼン、
1,4−ジブチル−2,5−ジアミノベンゼン、2,4
−ジアミノメシチレン、1,3,5−トリエチル−2,
4−ジアミノベンゼン、1,3,5−トリイソプロピル
−2,4−ジアミノベンゼン、1−メチル−3,5−ジ
エチル−2,4−ジアミノベンゼン、1−メチル−3,
5−ジエチル−2,6−ジアミノベンゼン、2,3−ジ
メチル−1,4−ジアミノナフタレン、2,6−ジメチ
ル−1,5−ジアミノナフタレン、2,6−ジイソプロ
ピル−1,5−ジアミノナフタレン、2,6−ジブチル
−1,5−ジアミノナフタレン、3,3´,5,5´−
テトラメチルベンジジン、3,3´,5,5´−テトラ
イソプロピルベンジジン、3,3´,5,5´−テトラ
メチル−4,4´−ジアミノジフェニルメタン、3,3
´,5,5´−テトラエチル−4,4´−ジアミノジフ
ェニルメタン、3,3´,5,5´−テトライソプロピ
ル−4,4´−ジアミノジフェニルメタン、3,3´,
5,5´−テトラブチル−4,4´−ジアミノジフェニ
ルメタン、3,5−ジエチル−3´−メチル−2´,4
−ジアミノジフェニルメタン,3,5−ジイソプロピル
−3´−メチル−2´,4−ジアミノジフェニルメタ
ン、3,3´−ジエチル−2,2´−ジアミノジフェニ
ルメタン、4,4´−ジアミノ−3,3´−ジメチルジ
フェニルメタン、3,3´,5,5´−テトラエチル−
4,4´−ジアミノベンゾフェノン、3,3´,5,5
´−テトライソプロピル−4,4´−ジアミノベンゾフ
ェノン、3,3´,5,5´−テトラエチル−4,4´
−ジアミノジフェニルエーテル、3,3´,5,5´−
テトライソプロピル−4,4´−ジアミノジフェニルス
ルホン等〕、及びこれらの異性体の種々の割合の混合
物;
【0029】(iii)核置換電子吸引基(Cl,B
r,I,F等のハロゲン;メトキシ、エトキシ等の炭素
数1〜5のアルコキシ基;ニトロ基等)を有する芳香族
ポリアミン〔メチレンビス−o−クロロアニリン、4−
クロロ−o−フェニレンジアミン、2−クロル−1,4
−フェニレンジアミン、3−アミノ−4−クロロアニリ
ン、4−ブロモ−1,3−フェニレンジアミン、2,5
−ジクロル−1,4−フェニレンジアミン、5−ニトロ
−1,3−フェニレンジアミン、3−ジメトキシ−4−
アミノアニリン;4,4´−ジアミノ−3,3´−ジメ
チル−5,5´−ジブロモ−ジフェニルメタン、3,3
´−ジクロロベンジジン、3,3´−ジメトキシベンジ
ジン、ビス(4−アミノ−3−クロロフェニル)オキシ
ド、ビス(4−アミノ−2−クロロフェニル)プロパ
ン、ビス(4−アミノ−2−クロロフェニル)スルホ
ン、ビス(4−アミノ−3−メトキシフェニル)デカ
ン、ビス(4−アミノフェニル)スルフイド、ビス(4
−アミノフェニル)テルリド、ビス(4−アミノフェニ
ル)セレニド、ビス(4−アミノ−3−メトキシフェニ
ル)ジスルフイド、4,4´−メチレンビス(2−ヨー
ドアニリン)、4,4´−メチレンビス(2−ブロモア
ニリン)、4,4´−メチレンビス(2−フルオロアニ
リン)、4−アミノフェニル−2−クロロアニリン
等〕;
【0030】(iv)2級アミノ基を有する芳香族ポリ
アミン〔上記(i)〜(iii)の芳香族ポリアミンの−NH2
の一部又は全部が−NH−R´(R´はアルキル基例え
ばメチル、エチル等の低級アルキル基)で置き換ったも
の〕〔4,4´−ジ(メチルアミノ)ジフェニルメタ
ン、1−メチル−2−メチルアミノ−4−アミノベンゼ
ン等〕; (C5)ポリアミドポリアミン:ジカルボン酸(ダイマ
ー酸等)と過剰の(酸1モル当り2モル以上の)ポリア
ミン類(官能基数2〜7の上記アルキレンジアミン,ポ
リアルキレンポリアミン等)との縮合により得られるポ
リアミドポリアミン(数平均分子量200〜1000)
等; (C6)ポリエーテルポリアミン:ポリエーテルポリオ
ール(ポリアルキレングリコール等)のシアノエチル化
物の水素化物(好ましくは数平均分子量200〜1,0
00)等; (C7)エポキシ付加ポリアミン:エポキシ化合物(上
記ポリエポキサイド(D11)、並びに、モノエポキサ
イド(d11))をポリアミン類(上記アルキレンジア
ミン、ポリアルキレンポリアミン等)1モルに1〜30
モル付加させることによって得られるエポキシ付加ポリ
アミン(好ましくは数平均分子量200〜3,000)
等;
【0031】(C8)シアノエチル化ポリアミン:アク
リロニトリルとポリアミン類(上記アルキレンジアミ
ン、ポリアルキレンポリアミン等)との付加反応により
得られるシアノエチル化ポリアミン、(ビスシアノエチ
ルジエチレントリアミン等)(分子量100〜500)
等; (C9)その他のポリアミン化合物:(i)ヒドラジン
類(ヒドラジン、モノアルキルヒドラジン等);(i
i)ジヒドラジッド類(コハク酸ジヒドラジッド,アジ
ピン酸ジヒドラジッド,イソフタル酸ジヒドラジッド,
テレフタル酸ジヒドラジッド等);(iii)グアニジ
ン類(ブチルグアニジン,1−シアノグアニジン等);
(iv)ジシアンジアミド等;並びにこれらの2種以上
の混合物。上記(C1)〜(C9)のうち、本発明のコ
ンタクト接着剤に、5℃のような低温においても硬化性
を与え、さらに25℃のような常温においても速硬化性
を与えるために、好ましくは、(C1)、(C2)、
(C3)、(C5)および(C7)であり、さらに好ま
しくは、(C1)、(C5)および(C7)であり、特
に好ましくは、(C5)および(C7)である。これら
の2種以上を併用することも可能である。
【0032】本発明のコンタクト接着剤において、
(A):(B):(C)の配合比は、(A)〜(C)の
合計量を100としたときの重量比で、好ましくは5〜
40:10〜70:5〜85であり、さらに好ましくは
10〜40:10〜60:10〜80であり、特に好ま
しくは15〜40:15〜60:10〜70である。
(A)が5以上であると低温硬化性および常温速硬化性
が良好となり、40以下であると被着体との接着性が良
好となる。(B)が10以上であると硬化物の耐熱性が
良好となり、70以下であると系の粘度が小さくなり作
業性が良好となる。(C)が5以上であると被着体との
接着性が良好となり、85以下であるとアミンブラッシ
ングも生じない。
【0033】本発明のコンタクト接着剤には、硬化剤と
してアミノ化合物(C)が必須成分であるが、硬化促進
触媒として、必要により塩基性化合物(E)をさらに含
有させることができる。塩基性化合物(E)としては、
3級アミン化合物(E1)、ソジウムメチラート、カセ
イソーダ、カセイカリ、炭酸リチウム等のアルカリ化合
物(E2)、トリエチルフォスフィン、トリフェニルフ
ォスフィン等のルイス塩基化合物(E3)等が挙げられ
る。これらのうち好ましくは、3級アミン化合物(E
1)である。
【0034】上記の(E)として好ましい3級アミン化
合物(E1)は、分子中に3級アミノ基を有する化合物
であれば特に限定されないが、例としては、以下の(E
1−1)から(E1−3)がそれぞれ挙げられる。 (E1−1)脂肪族3級アミン トリメチルアミン、ト
リエチルアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、ジメ
チルベンジルアミン、1,3−ジメチルイミダゾリジノ
ン、1,2−ジメチルイミダゾール、テトラエチルメチ
レンジアミン、テトラメチルプロパン−1,3−ジアミ
ン、テトラメチルヘキサン−1,6−ジアミン、ペンタ
メチルジエチレントリアミン、ペンタメチルジプロピレ
ントリアミン、テトラメチルグアニジン、ジメチルピペ
ラジン、N−メチル−N’−(2−ジメチルアミノ)−
エチルピペラジン、N−メチルモルホリン、N−
(N’,N’−ジメチルアミノエチル)モルホリン、ジ
メチルアミノエタノール、ジメチルアミノエトキシエタ
ノール、N,N,N’−トリメチルアミノエチル−エタ
ノールアミン、N−メチル−N’−(2−ヒドロキシエ
チル)モルホリン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)
エーテル、エチレングリコール(3−ジメチル)アミノ
プロピルエーテル等; (E1−2)フェノール核含有脂肪族3級アミン:N,
N−ジメチルアミノメチルフェノール(ローム&ハース
社製;商品名「DMP−10」)、トリス(N,N−ジ
メチルアミノメチルフェノール(ローム&ハース社製;
商品名「DMP−30」)等; (E1−3)含窒素複素環化合物 1,8−ジアザビシ
クロ(5,4,0)−ウンデセン−7(サンアプロ社
製;商標「DBU」)、1,5−ジアザビシクロ(4,
3,0)−ノネン−5(サンアプロ社製;商標「DB
N」)、6−ジブチルアミノ−1,8−ジアザビシクロ
(5,4,0)−ウンデセン−7(サンアプロ社製;商
標「DBA−DBU」)、トリエチレンジアミン、ヘキ
サメチレンテトラミン等が挙げられる。
【0035】3級アミン化合物(E1)は、得ようとす
る硬化速度、可使時間に応じて、種類、添加量とも適宜
選択すればよいが、通常、ヘテロ環含有化合物(A)1
00重量部に対して、0.1〜50重量部程度添加され
るのが好ましい。
【0036】本発明のコンタクト接着剤には、さらに必
要に応じて、(1)シランカップリング剤、チタンカップ
リング剤等の接着性向上剤、(2)ヒンダードアミン類、
ハイドロキノン類、ヒンダードフェノール類、硫黄含有
化合物等の酸化防止剤、(3)ベンゾフェノン類、ベンゾ
トリアゾール類、サリチル酸エステル類、金属錯塩類等
の紫外線吸収剤、(4)金属石けん類、重金属(例えば亜
鉛、錫、鉛、カドミウム等)の無機および有機塩類、有
機錫化合物等の耐候安定剤、(5)フタル酸エステル、リ
ン酸エステル、脂肪酸エステル、エポキシ化大豆油、ひ
まし油、流動パラフィンアルキル多環芳香族炭化水素等
の可塑剤、(6)パラフィンワックス、マイクロクリスタ
リンワックス、重合ワックス、密ロウ、鯨ロウ、低分子
量(例えば重量平均分子量300〜2,000)ポリオ
レフィン等のワックス類、 (7)n−ブチルグリシジルエ
ーテル等の脂肪族グリシジルエーテル、フェニルグリシ
ジルエーテル等の芳香族モノグリシジルエーテル等の反
応性希釈剤、(8)炭酸カルシウム、カオリン、タルク、
マイカ、ベントナイト、クレー、セリサイト、アスベス
ト、ガラス繊維粉、炭素繊維粉、アラミド繊維粉、ナイ
ロン繊維粉、アクリル繊維粉、ガラス繊維粉、ガラスバ
ルーン、シラスバルーン、石炭粉、アクリル樹脂粉、フ
ェノール樹脂粉、金属粉末、セラミック粉末、ゼオライ
ト、スレート粉等の充填剤、(9)活性炭、ゼオライト、
シリカゾル、シリカゲル等の脱臭剤、(10)カーボンブラ
ック、酸化チタン、赤色酸化鉄、鉛丹、パラレッド、紺
青等の顔料、(11)発泡剤、(12)消泡剤、(13)脱水剤、(1
4)帯電防止剤、(15)抗菌剤、(16)防かび剤、(17)香料、
(18)難燃剤等を添加することができる。これらのうち2
種以上を併用することも可能である。これらの添加量は
重量比で、好ましくは(B):添加剤=1:0.01〜
2であり、さらに好ましくは1:0.02〜1である。
【0037】本発明のコンタクト接着剤は、反応型の接
着剤であり、その硬化機構は、まず(C)が(A)と反
応して開環しSH基を発生し、そのSH基が(B)と反
応する。この場合に(C)は(B)とも反応するが、
(B)との反応速度は(C)よりもSH基の方が大き
い。従って、本発明のコンタクト接着剤の各成分の貯蔵
方法としては、以下の(i)または(ii)が例示され
る。 (i)ヘテロ環含有化合物(A)、エポキシ基含有化合
物(B)、アミノ化合物(C)を独立した3液の形で保
存する。任意成分である塩基性化合物(E)は、第4成
分として、単独で保存することも、(A)および/また
は(C)中に添加した形で保存することもできる。 (ii)ヘテロ環含有化合物(A)及びエポキシ基含有
化合物(B)の混合物、並びにアミノ化合物(C)の独
立した2液の形で保存する。任意成分である塩基性化合
物(E)は、第3成分として、単独で保存することも、
(C)中に添加した形で保存することもできる。 これらの貯蔵方法は、用途、目的、使用時の温度、湿度
等の条件に応じて適宜選択することができる。上記の
(E)以外の添加剤はいずれのものと混合してもよい
が、好ましくは(B)(C)と混合するか使用時に混合
してもよい。
【0038】本発明のコンタクト接着剤の各成分の貯蔵
方法の好ましいものとしては、ヘテロ環含有化合物
(A)とエポキシ含有化合物(B)とは、常温以下で、
且つ触媒非存在下では、反応せず安定であるため、接着
剤を前記(ii)に示す通り、(A)及び(B)の混合
物、並びにアミノ化合物(C)の独立した2液の形態で
貯蔵することができる。なお任意成分である塩基性化合
物(E)は、(C)とは反応せず安定であるため、好ま
しくは(C)中に添加した形態で貯蔵する。
【0039】本発明のコンタクト接着剤の製造方法とし
ては、(A)、(B)、(C)及びその他の添加剤を混
合、分散できる方法であれば特に制限はなく、例えば、
以下の方法等が例示される。ガラスビーカー、缶、プラ
スチックカップ等の適当な容器中にて、攪拌棒、へら等
により手で混練するか、ダブルヘリカルリボン翼、ゲー
ト翼を備えた装置、万能混合機、プラネタリーミキサ
ー、ビーズミル、3本ロール、エクストルーダー型混練
押し出し機等従来公知の混合装置により混練することが
できるが、好ましくは万能混合機等の混合装置である。
(C)は通常使用時に配合する。該接着剤は、塗膜作業
性、硬化性、接着性の点から25℃における粘度は、好
ましくは2.5〜4Pa・sであり、0℃においては、
好ましくは5〜7Pa・sである。該接着剤は低温硬化
が可能であり、5℃のような低温環境下であっても十分
硬化が可能である。その硬化物は接着性、耐久性、耐薬
品性等の物性に優れる。
【0040】本発明のコンタクト接着剤を塗工する場
合、特に制限はなく、従来公知の塗工手段、例えばロー
ルコーター(サイズプレス、ゲートロールコーター
等)、バーコーター、グラビアコーター、エアナイフコ
ーター、ブレードコーター等の塗工機や刷毛、ロール、
スプレーガン等の塗工手段を採用することができ、被着
体の両面、片面いずれに行ってもよい。本発明のコンタ
クト接着剤の接着方法としては、以下の(α)または
(β)が例示される。 (α)ヘテロ環含有化合物(A)、エポキシ基含有化合
物(B)及びアミノ化合物(C)の3成分を混合し、被
着体の両面若しくは片面のいずれかに塗工する。塗工
後、直ちに被着体同士を貼り合わせる。ここで「直ち
に」とは、好ましくは1時間以内、さらに好ましくは3
0分以内、特に好ましくは10分以内である。 (β)ヘテロ環含有化合物(A)及びエポキシ基含有化
合物(B)の混合物を一方の被着体に、アミノ化合物
(C)を他方の被着体に、従来公知の塗工手段により塗
工する。塗工後、直ちに被着体同士を貼り合わせる。こ
れらの接着方法は、用途、目的、被着体の種類等の条件
に応じて適宜選択することができる。
【0041】本発明のコンタクト接着剤の好ましい接着
方法としては、前記(β)に示す通り、ヘテロ環含有化
合物(A)及びエポキシ基含有化合物(B)の混合物を
一方の被着体に、アミノ化合物(C)を他方の被着体に
塗工し、塗工後、直ちに被着体同士を貼り合わせる方法
である。前記(β)に示す接着方法が好ましい理由とし
ては、(A)及び(B)は、常温以下で、且つ触媒非存
在下では、反応せず安定であり、さらに使用前に予め
(C)と混合する必要もなく、(A)と(C)とが急激
に反応してゲル化し、塗工不良を起こす心配もない。従
って、可使時間に縛られることなく塗工、接着すること
ができるからである。膜厚は、用途や被着体の種類によ
って異なるが、例えば、被着体が木材、布、皮革や紙な
どの場合、好ましくは50μm〜数cm、さらに好まし
くは100μm〜1cmの膜厚であり、被着体がプラス
チック、金属板やコンクリートの場合、好ましくは1μ
m〜5mm、さらに好ましくは10μm〜500μmの
膜厚である。硬化温度は、被着体の種類によって異なる
が、好ましくは0℃以上であり、さらに好ましくは25
〜180℃であり、特に好ましくは50〜100℃であ
り、常温でも硬化し、硬化温度が高いほど速硬化性を示
す。湿度条件は、好ましくは20〜80%RHであり、
特に好ましくは30〜50%RHである。硬化時間は数
分〜300時間である。この時、硬化を促進するため
に、必要に応じて、従来公知の加熱装置により加熱する
ことができる。この硬化物が、本発明の硬化物[2]に相
当し、耐水性、耐薬品性、機械的物性、接着性等の物性
に優れる。
【0042】本発明のコンタクト接着剤が適用される被
着体としては、特に制限はないが、プラスチック、紙、
紙とプラスチックの複合シート、金属板、コンクリー
ト、舗装材、木材、布、皮革、ゴム、ガラス等が挙げら
れる。具体的に、例えば、塩化ビニル、ポリエチレン、
ポリエステル、ポリカーボネート等のプラスチック類;
薄葉紙、紙間強化紙、チタン紙、ラテックス含浸紙、石
膏ボード用原紙等の紙類;これらの複合シート;鉄板、
アルミ板、鋼板、銅板、SUS板等の金属板;コンクリ
ート;アスファルト等の舗装材;木材;綿帆布等の布
類;皮革;スチレンブタジエンゴム等のゴム類;ガラス
等が挙げられる。
【0043】本発明のコンタクト接着剤は、プラスチッ
ク、紙、紙とプラスチックの複合シート、金属板、コン
クリート、舗装材、木材、布、皮革、ゴム、ガラス等の
種々の被着体との接着性に優れ、且つ低温硬化性、常温
硬化性を有する。本発明のコンタクト接着剤の用途は何
ら制限されるものではないが、例えば、自動車部品や内
装材、木工製品等を接着するためのコンタクト接着剤と
して使用することができる。
【0044】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。実施例及び比較例中の部は重量部を表わす。
【0045】製造例1 滴下ロート、温度計及び攪拌棒を備えたガラス製反応容
器に、二硫化炭素90部と臭化リチウム5部、テトラヒ
ドロフラン(THF)120部を仕込んで攪拌溶解した
後、58部の2−エチルヘキシルグリシジルエーテルを
20℃以下に保ちながら滴下した後、40℃で5時間熟
成した。減圧下で、THF及び過剰の二硫化炭素を留去
した後、ろ過して、25℃での粘度40mPa・s、ヘ
テロ環基当量262の淡黄色液体のヘテロ環化合物(A
−1)を得た。
【0046】製造例2 反応容器に二硫化炭素90部と塩化リチウム5部、TH
F140部を仕込んで攪拌溶解した後、140部のトリ
メチロールプロパントリグリシジルエーテル(エポキシ
当量140)を20℃以下に保ちながら滴下した後、4
0℃で5時間熟成した。減圧下で、THF及び過剰の二
硫化炭素を留去した後、ろ過して、25℃での粘度13
0mPa・s、ヘテロ環基当量218の淡黄色液体のヘ
テロ環化合物(A−2)を得た。
【0047】製造例3 反応容器に二硫化炭素90部と臭化リチウム5部、TH
F120部を仕込んで攪拌溶解した後、58部のトリメ
チレンオキサイドを20℃以下に保ちながら滴下した
後、40℃で5時間熟成した。減圧下で、THFおよび
過剰の二硫化炭素を留去した後、ろ過して、25℃での
粘度40mPa・s、ヘテロ環基当量140の微黄色液
体のヘテロ環化合物(A−3)を得た。
【0048】実施例1〜6、比較例1〜3 試験方法α 25℃または5℃条件下、ヘテロ環含有化合物(A)、
エポキシ化合物(B)、アミノ化合物(C)及び塩基性
化合物(E)を表2に従って秤量し、攪拌棒で1分間攪
拌した後、膜厚150μmで一方の鋼板に塗工し、塗工
後、直ちに貼り合わせて手で圧着し、試験片とした。但
し鋼板は、JIS G3141に規定する冷間圧延鋼板
とする。 [可使時間]25℃条件下、(A)、(B)、(C)及
び(E)を全量100部となるよう表2に従って150
mlのポリカップに秤量し、攪拌棒で1分間攪拌した
後、放置した。5分毎に、膜厚150μmで鋼板に塗工
し、均一な塗膜が得られなくなるまでの時間を可使時間
とした。 [接着強度]JIS K−6849「接着剤の引っ張り
接着強さ試験方法」に示された方法に準じて接着強さを
測定した。
【0049】試験方法β 25℃または5℃条件下、ヘテロ環含有化合物(A)及
びエポキシ化合物(B)からなる第1成分を膜厚100
μmで一方の鋼板に、アミノ化合物(C)及び塩基性化
合物(E)からなる第2成分を膜厚50μmで他方の鋼
板に塗工し、塗工後、直ちに貼り合わせて手で圧着し、
試験片とした。但し鋼板は、JIS G3141に規定
する冷間圧延鋼板とする。 [可使時間]25℃条件下、第1成分及び第2成分の樹
脂を、それぞれ膜厚100μm、50μmで鋼板に塗工
し、均一な塗膜が得られなくなるまでの時間を可使時間
とした。 [接着強度]JIS K−6849「接着剤の引っ張り
接着強さ試験方法」に示された方法に準じて接着強さを
測定した。
【0050】
【表2】
【0051】エポキシ化合物(B);エピコート828
(ジャパンエポキシレジン社製/エポキシ当量189) アミノ化合物(C);ポリマイドL−45−3(三洋化
成工業社製/活性水素当量105) トリエチレンテトラミン(東ソー社製/活性水素当量2
4) 塩基性化合物(E);DMP−30(トリスジメチルア
ミノメチルフェノール)
【0052】
【発明の効果】本発明のコンタクト接着剤は、 (1)常温速硬化性を有する (2)低温硬化性を有する (3)作業性に優れる (4)硬化後、被着体との密着性に優れる (5)硬化後、耐水性、耐薬品性及び機械的物性に優れ
る (6)環境上、火災上において安全である 等の効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J040 EC021 EC091 EC121 EC241 EC261 HC02 HC05 HD07 KA14 KA16 MA02 MA05 MA06 MA08 MA09 MA10 MA12 MA13 PA26

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)及び/又は(2)で表
    されるヘテロ環含有化合物(A)、ポリエポキシ化合物
    (B)、及びアミノ基に由来する活性水素を2個以上有
    するアミノ化合物(C)を必須成分とすることを特徴と
    するコンタクト接着剤。一般式 【化1】 [式(1)、(2)中、nは1〜10の整数;Y1及び
    1はそれぞれ独立に酸素又は硫黄原子;R1、R2は環
    状エーテル基含有化合物(D)から環状エーテル基部分
    を除いた残基である。]
  2. 【請求項2】 前記(A)が、下記一般式(3)で表さ
    れるヘテロ環含有化合物(A1)である請求項1記載の
    コンタクト接着剤。 【化2】 [式(3)中、Y1、Z1の一方がSで他方がO;R3
    モノグリシジルエーテル(d1−2)からグリシジル基
    を除いた残基である。]
  3. 【請求項3】 前記(C)が、脂肪族ポリアミノ化合物
    である請求項1又は2記載のコンタクト接着剤。
  4. 【請求項4】 さらに、前記接着剤に硬化促進触媒、接
    着性向上剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、耐候安定剤、
    可塑剤、ワックス類、反応性希釈剤、充填剤、脱臭剤、
    顔料、発泡剤、消泡剤、脱水剤、帯電防止剤、抗菌剤、
    防かび剤、香料、難燃剤からなる群から選ばれる1種以
    上の添加剤が配合されてなる請求項1〜3のいずれか記
    載のコンタクト接着剤。
  5. 【請求項5】 前記添加剤が、硬化促進触媒である請求
    項4記載のコンタクト接着剤。
  6. 【請求項6】 前記硬化促進触媒が3級アミン化合物で
    ある請求項4又は5記載のコンタクト接着剤。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか記載のコンタク
    ト接着剤を用いて接着する方法において、前記(A)及
    び前記(B)の混合物を一方の被着体に、前記(C)を
    他方の被着体に塗工し、被着体同士を張り合わせるコン
    タクト接着方法。
  8. 【請求項8】 請求項1〜6のいずれか記載のコンタク
    ト接着剤を硬化させてなる硬化物。
  9. 【請求項9】 プラスチック、紙、紙とプラスチックの
    複合シート、金属板、コンクリート、舗装材、木材、
    布、皮革、ゴム、ガラスからなる群から選ばれる1種以
    上の被着体を請求項1〜6の何れか記載のコンタクト接
    着剤で接着してなる接着構造体。
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