JP2001181592A - ボルト固定用固着剤 - Google Patents

ボルト固定用固着剤

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JP2001181592A
JP2001181592A JP37366999A JP37366999A JP2001181592A JP 2001181592 A JP2001181592 A JP 2001181592A JP 37366999 A JP37366999 A JP 37366999A JP 37366999 A JP37366999 A JP 37366999A JP 2001181592 A JP2001181592 A JP 2001181592A
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Fumiaki Hondo
文明 本藤
Taki Adachi
滝 足立
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 5℃以下のような低温でも硬化が可能で、ボ
ルトを固着させることができるボルト固定用固着剤を提
供するものである。 【解決手段】 下記一般式で表されるヘテロ環含有化合
物、ポリエポキシ化合物、並びに分子中にアミノ基に由
来する活性水素を2個以上有するアミノ化合物からなる
エポキシ樹脂組成物を用いることによって得られる。 【化1】 [式(1)中、nは1〜10の整数、X1、Y1及びZ1
は、それぞれ独立に酸素又は硫黄原子;R1は環状エー
テル基含有化合物の残基又は水素原子;R2は炭素数2
〜10の炭化水素基である。]

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明はボルト固定用固着剤
に関する。さらに詳しくは新規なエポキシ系樹脂からな
る固着剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、穿孔のなかにエポキシ樹脂等の固
着剤を用いてボルト等の固定部材を母材に固着するもの
として次の方法がとられている。たとえば、穿孔の中に
固着剤入りカプセルを挿入し、ボルト等に打撃、回転を
与えながら、カプセルを破砕し、固着剤の主剤と硬化剤
を混合することにより固定部材を固着する方法や、カー
トリッジの中に主剤と硬化剤を別々に充填しておき、現
場において主剤と硬化剤をハンドガンや油圧等の力で適
量ずつ吐出し、スタティックミキサー等の混合機により
混合された固着剤を穿孔の中に注入し、固定部材を固着
する方法がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
エポキシ樹脂系の有機質固着剤では、低温、特に5℃以
下になるとエポキシ樹脂が硬化しないため、施工現場に
おいて加熱する等の対策が必要であった。
【0004】本発明は、上記問題を解決するものであ
り、5℃以下の低温でも硬化が可能で、ボルトを固着さ
せることができるエポキシ樹脂系ボルト固定用固着剤を
提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、本発明に到達し
た。すなわち、本発明は、下記一般式(1)で表される
ヘテロ環含有化合物(A)、分子中に2個以上のエポキ
シ基を有するポリエポキシ化合物(B)、並びに分子中
にアミノ基に由来する活性水素を2個以上有するアミノ
化合物(C)からなることを特徴とするボルト固定用固
着剤である。
【0006】
【化5】
【0007】[式(1)中、nは1〜10の整数、
1、Y1及びZ1は、それぞれ独立に酸素又は硫黄原
子;R1は環状エーテル基含有化合物(D)の残基又は
水素原子;R2は炭素数2〜10の炭化水素基であ
る。]
【0008】
【発明の実施の形態】本発明においてヘテロ環含有化合
物(A)は、前記一般式(1)で示される。式中、nは
1〜10の整数、好ましくは2〜8の整数である。
1、Y1及びZ1は、それぞれ酸素又は硫黄原子であ
る。好ましくはX1が硫黄原子(S)で、Y1、Z1の一
方が硫黄原子(S)で他方が酸素原子(O)である。R
2 は、環状エーテル基中の酸素原子以外の環を構成する
残基である。これは炭素数2〜10の炭化水素基であ
り、3価の炭化水素基>CH(CH2m−(mは1〜9
の整数)で示される基であり、例えば>CHCH2−、
>CHCH2CH 2−、>CHCH2CH2CH2−、>C
HCH2CH2CH2CH2CH2−等;4価の炭化水素基
>CH(CH2mCH<(mは0〜8の整数)で示され
る基であり、例えば>CHCH<、>CHCH2CH
<、>CHCH2CH2CH<、>CHCH2CH2CH2
CH2CH<等が挙げられ、好ましくは3価の炭化水素
基であり、特に好ましくは>CHCH2−、>CHCH2
CH2−である。R1 は水素原子又は環状エーテル基含
有化合物(D)の残基であり、一般式(5)で示され
る。一般式
【0009】
【化6】
【00010】環状エーテル基としては、環内に酸素原
子を1個以上有するものならば特に限定されず、例えば
分子内に環状エーテル基を1〜10個有する化合物があ
げられる。環状エーテル基含有化合物(D)の例として
は、後述するエポキシ基含有化合物(D1)、及びオキ
セタン化合物(D2)等が挙げられ、好ましくは、エポ
キシ基含有化合物(D1)である。エポキシ基含有化合
物(D1)としては、モノエポキシド(d11)と分子
中にエポキシ基を2個以上有するポリエポキシド(D1
1)とがある。モノエポキシド(d11)としては、分
子中に1個のエポキシ基を有していれば特に限定され
ず、用途、目的に応じて適宜選択することができる。そ
の例としては以下のものが挙げられる。例えば、(d1
1−1)炭素数2〜24の炭化水素系オキシド(エチレ
ンオキシド、プロピレンオキシド、1−ブテンオキシ
ド、2−ブテンオキシド、炭素数5〜24のα−オレフ
ィンオキシド、スチレンオキシド等)、(d11−2)
炭素数3〜19の炭化水素のグリシジルエーテル(n−
ブチルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテ
ル、2−エチル−ヘキシルグリシジルエーテル、2−メ
チルオクチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジル
エーテル、クレジルグリシジルエーテル、p−sec−
ブチルフェニルグリシジルエーテル、p−tert−ブ
チルフェニルグリシジルエーテル等)、(d11−3)
炭素数3〜30のモノカルボン酸のグリシジルエステル
(グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート
等)、エピクロルヒドリン、エピブロモヒドリン等のエ
ピハロヒドリン及びグリシドール等の水酸基含有オキシ
ド等が挙げられる。好ましいのは炭素数2〜24の炭化
水素系オキシド、炭素数3〜19の炭化水素のグリシジ
ルエーテルである。
【0011】ポリエポキシド(D11)は、分子中に2
個以上のエポキシ基を有していれば特に限定されず、用
途、目的に応じて適宜選択することができる。好ましく
は分子中にエポキシ基を2〜6個有するものである。ポ
リエポキシドのエポキシ当量(エポキシ基1個当たりの
分子量)は、通常65〜1000であり、好ましくは9
0〜500である。エポキシ当量が1000以下である
と、架橋構造がルーズにならず硬化物の耐水性、耐薬品
性、機械的強度等の物性が良好であり、一方、エポキシ
当量が65以上であると硬化物の耐水性、耐薬品性、機
械的強度等が良好な架橋構造となる。ポリエポキシド
(D11)の例としては、下記(D11−1)から(D
11−5)が挙げられる。
【0012】(D11−1)グリシジルエーテル型 (i)2価フェノール類のジグリシジルエーテル 炭素数6〜30の2価フェノール類のジグリシジルエー
テル例えば、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、
ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノー
ルBジグリシジルエーテル、ビスフェノールADジグリ
シジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテ
ル、ハロゲン化ビスフェノールAジグリシジルエーテ
ル、テトラクロロビスフェノールAジグリシジルエーテ
ル、カテキンジグリシジルエーテル、レゾルシノールジ
グリシジルエーテル、ハイドロキノンジグリシジルエー
テル、1,5−ジヒドロキシナフタレンジグリシジルエ
ーテル、ジヒドロキシビフェニルジグリシジルエーテ
ル、オクタクロロ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル
ジグリシジルエーテル、テトラメチルビフェニルジグリ
シジルエーテル、9,9’−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)フロオレンジグリシジルエーテル、ビスフェノー
ルA2モルとエピクロロヒドリン3モルの反応から得ら
れるジグリシジルエーテル等が挙げられる。
【0013】(ii)3価〜6価又はそれ以上の、多価
フェノール類のポリグリシジルエーテル 炭素数6〜50又はそれ以上で、分子量250〜500
0の3価〜6価又はそれ以上の多価フェノール類のポリ
グリシジルエーテル例えば、ピロガロールトリグリシジ
ルエーテル、ジヒドロキシナフチルクレゾールトリグリ
シジルエーテル、トリス(ヒドロキシフェニル)メタン
トリグリシジルエーテル、ジナフチルトリオールトリグ
リシジルエーテル、テトラキス(4−ヒドロキシフェニ
ル)エタンテトラグリシジルエーテル、p−グリシジル
フェニルジメチルトリールビスフェノールAグリシジル
エーテル、トリスメチル−tert−ブチル−ブチルヒ
ドロキシメタントリグリシジルエーテル、4,4’−オ
キシビス(1,4−フェニルエチル)テトラクレゾール
グリシジルエーテル、4,4’−オキシビス(1,4−
フェニルエチル)フェニルグリシジルエーテル、ビス
(ジヒドロキシナフタレン)テトラグリシジルエーテ
ル、フェノール又はクレゾールノボラック樹脂(分子量
400〜5000)のグリシジルエーテル、リモネンフ
ェノールノボラック樹脂(分子量400〜5000)の
グリシジルエーテル、フェノールとグリオキザール、グ
ルタールアルデヒド、又はホルムアルデヒドの縮合反応
によつて得られるポリフェノール(分子量400〜50
00)のポリグリシジルエーテル、及びレゾルシンとア
セトンの縮合反応によって得られる分子量400〜50
00のポリフェノールのポリグリシジルエーテル等が挙
げられる。
【0014】(iii)脂肪族2価アルコールのジグリ
シジルエーテル 炭素数2〜100、分子量150〜5000のジオール
のジグリシジルエーテル例えば、エチレングリコールジ
グリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジ
ルエーテル、テトラメチレングリコールジグリシジルエ
ーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテ
ル、ポリエチレングリコール(分子量150〜400
0)ジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコール
(分子量180〜5000)ジグリシジルエーテル、ポ
リテトラメチレングリコール(分子量200〜500
0)ジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジ
グリシジルエーテル、ビスフェノールAのアルキレンオ
キシド〔エチレンオキシド又はプロピレンオキシド(1
〜20モル)〕付加物のジグリシジルエーテル等が挙げ
られる。 (iv)3価〜6価又はそれ以上の脂肪族アルコールの
ポリグリシジルエーテル 炭素数3〜50又はそれ以上で、分子量92〜1000
0の3価〜6価又はそれ以上の多価アルコール類のグリ
シジルエーテル例えば、トリメチロールプロパントリグ
リシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテ
ル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、
ソルビトールヘキサグリシジルエーテル、ポリ(n=2
〜5)グリセロールポリグリシジルエーテル等が挙げら
れる。
【0015】(D11−2)グリシジルエステル型 炭素数6〜20又はそれ以上で、2価〜6価又はそれ以
上の芳香族ポリカルボン酸のグリシジルエステル、及び
炭素数6〜20又はそれ以上で、2価〜6価又はそれ以
上の脂肪族もしくは脂環式ポリカルボン酸のグリシジル
エステルが挙げられる。 (i)芳香族ポリカルボン酸、例えばフタル酸類のグリ
シジルエステルとしては、フタル酸ジグリシジルエステ
ル、イソフタル酸ジグリシジルエステル、テレフタル酸
ジグリシジルエステル、トリメリット酸トリグリシジル
エステル等; (ii)脂肪族もしくは脂環式ポリカルボン酸のグリシ
ジルエステルとしては、上記フェノール系のグリシジル
エステルの芳香核水添加物、ダイマー酸ジグリシジルエ
ステル、ジグリシジルオキサレート、ジグリシジルマレ
ート、ジグリシジルスクシネート、ジグリシジルグルタ
レート、ジグリシジルアジペート、ジグリシジルピメレ
ート、グリシジル(メタ)アクリレートの(共)重合体
(重合度は例えば2〜10)、トリカルバリル酸トリグ
リシジルエステル等が挙げられる。
【0016】(D11−3)グリシジルアミン型 炭素数6〜20又はそれ以上で、2〜10又はそれ以上
の活性水素原子をもつ芳香族アミン類のグリシジルアミ
ン及び脂肪族、脂環式若しくは複素環式アミン類のグリ
シジルアミンが挙げられる。 (i)芳香族アミン類のグリシジルアミンとしては、
N,N−ジグリシジルアニリン、N,N−ジグリシジル
トルイジン、N,N,N’,N’−テトラグリシジルジ
アミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラ
グリシジルジアミノジフェニルスルホン、N,N,
N’,N’−テトラグリシジルジエチルジフェニルメタ
ン、N,N,O−トリグリシジルアミノフェノール等; (ii)脂肪族アミン類のグリシジルアミンとしては、
N,N,N’,N’−テトラグリシジルキシリレンジア
ミン、N,N,N’,N’−テトラグリシジルヘキサメ
チレンジアミン等; (iii)脂環式アミン類のグリシジルアミンとして
は、N,N,N’,N’−テトラグリシジルキシリレン
ジアミンの水添化合物等が挙げられる。複素環式アミン
のグリシジルアミンとしてはトリスグリシジルメラミン
等が挙げられる。
【0017】(D11−4)鎖状脂肪族エポキシド 炭素数6〜50又はそれ以上で2〜6価又はそれ以上の
鎖状脂肪族エポキシド、例えばエポキシ当量130〜
1,000のエポキシ化ポリブタジエン(分子量90〜
2,500)、エポキシ化大豆油(分子量130〜2,
500)等が挙げられる。 (D11−5)脂環式エポキシド 炭素数6〜50又はそれ以上で、分子量90〜250
0、エポキシ基の数1〜4又はそれ以上の脂環式エポキ
シド例えば、ビニルシクロヘキセンジオキシド、リモネ
ンジオキシド、ジシクロペンタジエンジオキシド、ビス
(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、エチレ
ングリコールビスエポキシジシクロペンチルエーテル、
3,4エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル
3’、4’−エポキシ−6’−メチルシクロヘキサンカ
ルボキシレート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチル
シクロヘキシルメチル)アジペート、及びビス(3,4
−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)ブチル
アミン等が挙げられる。また、前記フェノール類のエポ
キシ化合物の核水添化物も含む。なお(D11−1)〜
(D11−5)以外のものでも、活性水素と反応可能な
グリシジル基をもつエポキシ樹脂であれば使用できる。
又、これらのポリエポキシ化合物は、二種以上併用でき
る。これらのうち、好ましいのはグリシジルエーテル型
(D11−1)、及びグリシジルエステル型(D11−
2)であり、特に好ましいのは、グリシジルエーテル型
(D11−1)である。(D11−1)の内、好ましい
のは2価フェノール類、2価脂肪族アルコールのジグリ
シジルエーテルである。
【0018】オキセタン化合物(D2)としては、炭素
数6〜20の脂肪族系オキセタン化合物(3−エチル−
3−ヒドロキシメチルオキセタン等)、炭素数7〜30
の芳香族系オキセタン化合物(ベンジルオキセタン、キ
シリレンビスオキセタン等)、炭素数6〜30の脂肪族
カルボン酸系オキセタン化合物(アジペートビスオキセ
タン等)、炭素数8〜30の芳香族カルボン酸系オキセ
タン化合物(テレフタレートビスオキセタン等)、炭素
数8〜30の脂環式カルボン酸系オキセタン化合物(シ
クロヘキサンジカルボン酸ビスオキセタン等)、芳香族
イソシアネート系オキセタン化合物(MDIビスオキセ
タン等)、炭素数2〜20の硫黄系オキセタン化合物
(チイラン、2−メチルチイラン、2,2−ジメチルチ
イラン、2−ヘキシルチイラン、2−フェニルチイラン
等)等が挙げられる。環状エーテル基含有化合物(D)
として、エポキシ基含有化合物(D1)を使用したヘテ
ロ環含有化合物(A1)は、下記一般式(2)、(3)
で示される。 一般式
【0019】
【化7】
【0020】
【化8】
【0021】[式中、nは1〜10の整数。Y2 、Z2
は一方がSで他方がOであり、好ましくは、Y2 がO、
2 がSである。R3はポリエポキシ化合物(D11)
又はモノエポキシ化合物(d11)のエポキシ基を除く
残基である。R4は脂環式エポキシドのエポキシ基を除
く残基である。ここで特に好ましくは、nは1、Y2
O、Z2 はS、R3はモノグリシジル化合物(d11−
2)のエポキシ基を除く残基である。]
【0022】本発明のヘテロ環含有化合物(A)の製造
方法は特に限定されないが、例えば環状エーテル基含有
化合物(D)の環状エーテル基に対し、0.5〜10倍
当量の二硫化炭素、硫化カルボニル及び二酸化炭素から
なる群から選ばれる1種又は2種以上の化合物を、溶剤
中触媒存在下で反応させることにより得られる。好まし
くは二硫化炭素である。溶剤としては、反応を阻害せず
原料及び生成物を溶解するものなら特に制限はなく、通
常非プロトン性溶剤が使用される。例えばエーテル類
(テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルセロソル
ブ、ジオキソラン、トリオキサン、ジブチルセロソル
ブ、ジエチルカービトール、ジブチルカービトール
等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチ
ルイソブチルケトン、ジエチルケトン等)、エステル類
(酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等)、その
他極性溶剤(アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、
N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド等)等が
挙げられ、好ましくはテトラヒドロフラン、アセトン、
酢酸エチル等である。触媒はアルカリ金属又はアルカリ
土類金属のハロゲン化物であり、例えば、塩化リチウ
ム、臭化リチウム、沃化リチウム、塩化カリウム、臭化
カルシウム等が挙げられ、好ましくは臭化リチウムであ
る。触媒の量は、(D)の環状エーテル基に対し、0.
001〜1.0倍当量である。好ましくは0.01〜
0.1倍当量である。
【0023】反応温度は、通常0〜100℃、好ましく
は20〜70℃である。前記の通り製造されたヘテロ環
含有化合物(A)の重量平均分子量は120〜12,0
00であり、好ましくは200〜8,000である。ヘ
テロ環当量は通常120〜1,200であり、好ましく
は200〜800である。25℃での粘度は通常20P
a・s以下であり、好ましくは10Pa・s以下、さら
に好ましくは5Pa・s以下であり、特に好ましくは1
Pa・s以下である。上記の様にして得られるヘテロ環
含有化合物(A)は、具体的には表1に記載したものが
挙げられる。
【0024】
【表1】
【0025】本発明のポリエポキシ化合物(B)として
は(D11)と同じものが挙げられる。好ましくは(D
11−1)である。
【0026】本発明のアミノ化合物(C)は、分子中に
アミノ基に由来する活性水素を2個以上有する化合物で
あれば特に限定されず、用途、目的に応じて適宜選択す
ることができる。好ましくは分子中にアミノ基に由来す
る活性水素を2〜10個有する化合物であり、更に好ま
しくは3〜6個有する化合物である。(C)の活性水素
当量(活性水素1個当りの分子量)は、通常15〜50
0であり、好ましくは20〜200である。活性水素当
量が500以下であると架橋構造がルーズにならず硬化
物の接着性、耐久性等の物性が良好である。活性水素当
量が15以上であると硬化物の接着性、耐久性、耐薬品
性等の物性が良好である。
【0027】(C)のアミノ化合物の例としては、以下
の(C1)〜(C9)がそれぞれ挙げられる。 (C1)脂肪族ポリアミン類(炭素数2〜18、官能基
数2〜7、分子量60〜500); (i)脂肪族ポリアミン{炭素数2〜6のアルキレンジ
アミン(エチレンジアミン、プロピレンジアミン、トリ
メチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメ
チレンジアミンなど)、ポリアルキレン(炭素数2〜
6)ポリアミン〔ジエチレントリアミン、イミノビスプ
ロピルアミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン,ト
リエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペ
ンタエチレンヘキサミン等〕}; (ii)これらのアルキル(炭素数1〜4)又はヒドロ
キシアルキル(炭素数2〜4)置換体〔ジアルキル(炭
素数1〜3)アミノプロピルアミン、トリメチルヘキサ
メチレンジアミン、アミノエチルエタノールアミン、
2,5−ジメチル−2,5−ヘキサメチレンジアミン、
メチルイミノビスプロピルアミンなど〕; (iii)脂環又は複素環含有脂肪族ポリアミン〔3,
9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−
テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンなど〕; (iv)芳香環含有脂肪族アミン類(炭素数8〜15)
(キシリレンジアミン、テトラクロル−p−キシリレン
ジアミン等);
【0028】(C2)脂環式ポリアミン(炭素数4〜1
5、官能基数2〜3);1,3−ジアミノシクロヘキサ
ン、イソホロンジアミン、メンセンジアミン、4,4´
−メチレンジシクロヘキサンジアミン(水添メチレンジ
アニリン)等; (C3)複素環式ポリアミン(炭素数4〜15、官能基
数2〜3):ピペラジン、N−アミノエチルピペラジ
ン、1,4−ジアミノエチルピペラジン、1,4ビス
(2−アミノ−2−メチルプロピル)ピペラジン等; (C4)芳香族ポリアミン類(炭素数6〜20、官能基
数2〜3、分子量100〜1000); (i)非置換芳香族ポリアミン〔1,2−、1,3−及
び1,4−フェニレンジアミン、2,4´−及び4,4
´−ジフェニルメタンジアミン、クルードジフェニルメ
タンジアミン(ポリフェニルポリメチレンポリアミ
ン)、ジアミノジフェニルスルホン、ベンジジン、チオ
ジアニリン、ビス(3,4−ジアミノフェニル)スルホ
ン、2,6−ジアミノピリジン、m−アミノベンジルア
ミン、トリフェニルメタン−4,4´,4”−トリアミ
ン、ナフチレンジアミン等;
【0029】(ii)核置換アルキル基〔メチル,エチ
ル,n−及びi−プロピル、ブチル等の炭素数C1〜C
4アルキル基)を有する芳香族ポリアミン、例えば2,
4−及び2,6−トリレンジアミン、クルードトリレン
ジアミン、ジエチルトリレンジアミン、4,4´−ジア
ミノ−3,3´−ジメチルジフェニルメタン、4,4´
−ビス(o−トルイジン)、ジアニシジン、ジアミノジ
トリルスルホン、1,3−ジメチル−2,4−ジアミノ
ベンゼン、1,3−ジエチル−2,4−ジアミノベンゼ
ン、1,3−ジメチル−2,6−ジアミノベンゼン、
1,4−ジエチル−2,5−ジアミノベンゼン、1,4
−ジイソプロピル−2,5−ジアミノベンゼン、1,4
−ジブチル−2,5−ジアミノベンゼン、2,4−ジア
ミノメシチレン、1,3,5−トリエチル−2,4−ジ
アミノベンゼン、1,3,5−トリイソプロピル−2,
4−ジアミノベンゼン、1−メチル−3,5−ジエチル
−2,4−ジアミノベンゼン、1−メチル−3,5−ジ
エチル−2,6−ジアミノベンゼン、2,3−ジメチル
−1,4−ジアミノナフタレン、2,6−ジメチル−
1,5−ジアミノナフタレン、2,6−ジイソプロピル
−1,5−ジアミノナフタレン、2,6−ジブチル−
1,5−ジアミノナフタレン、3,3´,5,5´−テ
トラメチルベンジジン、3,3´,5,5´−テトライ
ソプロピルベンジジン、3,3´,5,5´−テトラメ
チル−4,4´−ジアミノジフェニルメタン、3,3
´,5,5´−テトラエチル−4,4´−ジアミノジフ
ェニルメタン、3,3´,5,5´−テトライソプロピ
ル−4,4´−ジアミノジフェニルメタン、3,3´,
5,5´−テトラブチル−4,4´−ジアミノジフェニ
ルメタン、3,5−ジエチル−3´−メチル−2´,4
−ジアミノジフェニルメタン,3,5−ジイソプロピル
−3´−メチル−2´,4−ジアミノジフェニルメタ
ン、3,3´−ジエチル−2,2´−ジアミノジフェニ
ルメタン、4,4´−ジアミノ−3,3´−ジメチルジ
フェニルメタン、3,3´,5,5´−テトラエチル−
4,4´−ジアミノベンゾフェノン、3,3´,5,5
´−テトライソプロピル−4,4´−ジアミノベンゾフ
ェノン、3,3´,5,5´−テトラエチル−4,4´
−ジアミノジフェニルエーテル、3,3´,5,5´−
テトライソプロピル−4,4´−ジアミノジフェニルス
ルホン等〕、及びこれらの異性体の種々の割合の混合
物;
【0030】(iii)核置換電子吸引基(Cl,B
r,I,F等のハロゲン;メトキシ、エトキシ等のアル
コキシ基;ニトロ基等)を有する芳香族ポリアミン〔メ
チレンビス−o−クロロアニリン、4−クロロ−o−フ
ェニレンジアミン、2−クロル−1,4−フェニレンジ
アミン、3−アミノ−4−クロロアニリン、4−ブロモ
−1,3−フェニレンジアミン、2,5−ジクロル−
1,4−フェニレンジアミン、5−ニトロ−1,3−フ
ェニレンジアミン、3−ジメトキシ−4−アミノアニリ
ン;4,4´−ジアミノ−3,3´−ジメチル−5,5
´−ジブロモ−ジフェニルメタン、3,3´−ジクロロ
ベンジジン、3,3´−ジメトキシベンジジン、ビス
(4−アミノ−3−クロロフェニル)オキシド、ビス
(4−アミノ−2−クロロフェニル)プロパン、ビス
(4−アミノ−2−クロロフェニル)スルホン、ビス
(4−アミノ−3−メトキシフェニル)デカン、ビス
(4−アミノフェニル)スルフイド、ビス(4−アミノ
フェニル)テルリド、ビス(4−アミノフェニル)セレ
ニド、ビス(4−アミノ−3−メトキシフェニル)ジス
ルフイド、4,4´−メチレンビス(2−ヨードアニリ
ン)、4,4´−メチレンビス(2−ブロモアニリ
ン)、4,4´−メチレンビス(2−フルオロアニリ
ン)、4−アミノフェニル−2−クロロアニリン等〕;
【0031】(iv)2級アミノ基を有する芳香族ポリ
アミン〔上記(i)〜(iii)の芳香族ポリアミンの−NH2
の一部又は全部が−NH−R´(R´はアルキル基例え
ばメチル、エチル等の低級アルキル基)で置き換ったも
の〕〔4,4´−ジ(メチルアミノ)ジフェニルメタ
ン、1−メチル−2−メチルアミノ−4−アミノベンゼ
ン等〕; (C5)ポリアミドポリアミン:ジカルボン酸(ダイマ
ー酸等)と過剰の(酸1モル当り2モル以上の)ポリア
ミン類(官能基数2〜7の上記アルキレンジアミン,ポ
リアルキレンポリアミン等)との縮合により得られるポ
リアミドポリアミン(数平均分子量200〜1000)
等; (C6)ポリエーテルポリアミン:ポリエーテルポリオ
ール(前述のポリアルキレングリコール等)のシアノエ
チル化物の水素化物(分子量100〜1000)等; (C7)エポキシ付加ポリアミン:エポキシ化合物(上
記ポリエポキシド(D11)並びにモノエポキシド(d
11))1モルをポリアミン類(上記アルキレンジアミ
ン、ポリアルキレンポリアミン等)に1〜30モル付加
させることによって得られるエポキシ付加ポリアミン
(分子量100〜1000)等;
【0032】(C8)シアノエチル化ポリアミン:アク
リロニトリルとポリアミン類(上記アルキレンジアミ
ン、ポリアルキレンポリアミン等)との付加反応により
得られるシアノエチル化ポリアミン、(ビスシアノエチ
ルジエチレントリアミン等)(分子量100〜500)
等; (C9)その他のポリアミン化合物:(i)ヒドラジン
類(ヒドラジン、モノアルキルヒドラジン等);(i
i)ジヒドラジッド類(コハク酸ジヒドラジッド,アジ
ピン酸ジヒドラジッド,イソフタル酸ジヒドラジッド,
テレフタル酸ジヒドラジッド等);(iii)グアニジ
ン類(ブチルグアニジン,1−シアノグアニジン等);
(iv)ジシアンジアミド等;並びにこれらの2種以上
の混合物。上記(C1)〜(C9)のうち、好ましいも
のは本発明のボルト固定用固着剤に高速硬化性を与える
(C1)、(C2)、(C3)及び(C5)であり、特
に好ましいものは(C1)である。
【0033】本発明の固着剤において、(A):
(B):(C)の配合比は、全体を100質量部とした
ときに、好ましくは5〜40:10〜90:5〜60質
量部であり、さらに好ましくは10〜40:10〜8
0:5〜50質量部であり、特に好ましくは15〜4
0:10〜75:5〜30質量部である。(A)が5以
上であると低温硬化性が良好となり、40以下であると
適度な可使時間を有し、作業性が良好となる。(B)が
10以上であると鉄筋との密着性が良好となり、90以
下であると系の粘度が小さくなり作業性が良好となる。
(C)が5以上であると鉄筋との密着性が良好となり、
60以下であるとアミンブラッシングを生じない。
【0034】本発明のボルト固定用固着剤には、硬化剤
として(C)が必須成分であるが、硬化性をより促進す
る目的で、必要により塩基性化合物(E)をさらに含有
させることができる。(E)としては、3級アミノ化合
物(E1)、ソジウムメチラート、カセイソーダ、カセ
イカリ、炭酸リチウム等のアルカリ化合物(E2)、ト
リエチルフォスフィン、トリフェニルフォスフィン等の
ルイス塩基化合物(E3)等が挙げられる。これらのう
ち好ましいものは(E1)である。
【0035】(E1)としては、分子中に3級アミノ基
を1〜6個有する化合物であれば特に限定されないが、
例えば以下の(E1−1)〜(E1−3)が挙げられ
る。 (E1−1)炭素数3〜20、アミノ基数1〜4の脂肪
族3級アミン トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルシクロ
ヘキシルアミン、ジメチルベンジルアミン、テトラエチ
ルメチレンジアミン、テトラメチルプロパン−1,3−
ジアミン、テトラメチルヘキサン−1,6−ジアミン、
ペンタメチルジエチレントリアミン、ペンタメチルジプ
ロピレントリアミン、テトラメチルグアニジン、ビス
(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、エチレングリ
コール(3−ジメチル)アミノプロピルエーテル等、 (E1−2)炭素数9〜20、アミノ基数1〜4の芳香
族3級アミン N,N−ジメチルアミノメチルフェノール(通称「DM
P−10」)、トリス−N,N−ジメチルアミノメチル
フェノール(通称「DMP−30」)等、 (E1−3)炭素数4〜20、アミノ基数1〜6の含窒
素複素環化合物 1,3−ジメチルイミダゾリジノン、1,2−ジメチル
イミダゾール、ジメチルピペラジン、N−メチル−N’
−(2−ジメチルアミノ)−エチルピペラジン、N−メ
チルモルホリン、N−(N’,N’−ジメチルアミノエ
チル)モルホリン、ジメチルアミノエタノール、ジメチ
ルアミノエトキシエタノール、N,N,N’−トリメチ
ルアミノエチル−エタノールアミン、N−メチル−N’
−(2−ヒドロキシエチル)モルホリン1,8−ジアザ
ビシクロ(5,4,0)−ウンデセン−7(通称「DB
U」)、1,5−ジアザビシクロ(4,3,0)−ノネ
ン−5(通称「DBN」)、6−ジブチルアミノ−1,
8−ジアザビシクロ(5,4,0)−ウンデセン−7
(通称「DBA−DBU」)、トリエチレンジアミン、
ヘキサメチレンテトラミン等が挙げられる。
【0036】(E1)は得ようとする硬化速度、可使時
間に応じて種類、添加量とも適宜選択すればよいが、使
用する場合は、(A)100重量部に対して0.1〜5
0重量部程度添加されるのが好ましい。
【0037】本発明のボルト固定用固着剤には、必要に
応じて(1)シランカップリング剤、チタンカップリング
剤等の接着性付与剤、(2)ヒンダードアミン類、ハイド
ロキノン類、ヒンダードフェノール類、硫黄含有化合物
等の酸化防止剤、(3)ベンゾフェノン類、ベンゾトリア
ゾール類、サリチル酸エステル類、金属錯塩類等の紫外
線吸収剤、(4)金属石けん類、重金属(例えば亜鉛、
錫、鉛、カドミウム等)の無機及び有機塩類、有機錫化
合物等の安定剤、(5)フタル酸エステル、リン酸エステ
ル、脂肪酸エステル、エポキシ化大豆油、ひまし油、流
動パラフィンアルキル多環芳香族炭化水素等の可塑剤、
(6)パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワック
ス、重合ワックス、密ロウ、鯨ロウ、低分子量ポリオレ
フィン等のワックス類、(7)ベンジルアルコール、ター
ル、ピチューメン等の非反応性希釈剤、(8)低分子脂肪
族グリシジルエーテル、芳香族モノグリシジルエーテル
等の反応性希釈剤、(9)炭酸カルシウム、カオリン、タ
ルク、マイカ、ベントナイト、クレー、セリサイト、ア
スベスト、ガラス繊維粉、炭素繊維粉、アラミド繊維
粉、ナイロン繊維粉、アクリル繊維粉、ガラスバルー
ン、シラスバルーン、石炭粉、アクリル樹脂粉、フェノ
ール樹脂粉、金属粉末、セラミック粉末、ゼオライト、
スレート粉等の充填剤、(10)活性炭、ゼオライト、シ
リカゾル、シリカゲルなどの脱臭剤(11)カーボンブラッ
ク、酸化チタン、赤色酸化鉄、鉛丹、パラレッド、紺青
等の顔料又は染料、(12)酢酸エチル、トルエン、アルコ
ール類、エーテル類、ケトン類等の溶剤、(13)発泡剤、
(14)消泡剤、(15)脱水剤、(16)帯電防止剤、(17)抗菌
剤、(18)防かび剤、(19)粘度調整剤、(20)香料、(21)難
燃剤等を添加することができる。
【0038】本発明のボルト固定用固着剤の硬化機構
は、まず(C)が(A)と反応して開環しSH基を発生
し、そのSH基が(B)と反応する。この場合に(C)
は(B)とも反応するが、(B)との反応速度は(C)
よりもSH基の方が大きい。従って、本発明のボルト固
定用固着剤の各成分の貯蔵及び使用形態としては、以下
の(i)又は(ii)が例示される。 (i)ヘテロ環含有化合物(A)、エポキシ基含有化合
物(B)、アミノ化合物(C)を独立した3液の形で保
存し、使用時に3成分を混合し硬化させる。(任意成分
である塩基性化合物(D)は、第4成分として、単独で
保存し、使用時に他の成分と混合して用いることも、
(A)及び/又は(C)中に添加した形で保存すること
もできる。) (ii)ヘテロ環含有化合物(A)及びエポキシ基含有
化合物(B)の混合物、並びにアミノ化合物(C)の独
立した2液の形で保存し、使用時に該2成分を混合し硬
化させる。(任意成分である塩基性化合物(E)は、第
3成分として、単独で保存し、使用時に他の成分と混合
して用いることも、(C)中に添加した形で保存するこ
ともできる。)
【0039】本発明のボルト固定用固着剤は万能混合機
等の通常の混合機を使用して(A)、(B)、(C)及
びその他の配合物が混合される。(C)は通常使用時に
配合される。該固着剤は、注入作業性、硬化性、接着性
の点から25℃における粘度は、好ましくは2.5〜4
Pa・sであり、0℃においては、好ましくは5〜7P
a・sである。該固着剤は低温硬化が可能であり、5℃
以下のような低温環境下であっても十分硬化が可能であ
る。その硬化物は接着性、耐久性、耐薬品性等の物性に
優れる。
【0040】本発明のボルト固定用固着剤の使用方法と
しては特に制限はなく、従来公知の手段を採用すること
ができる。すなわち、例えば(A)、(B)、(C)及
びその他の配合物を混合した後、コ−キングガンに充填
し、エポキシ樹脂が硬化を始める前に穿孔の中に注入し
ても良いし、(A)及び(B)の混合物並びに(C)の
独立した2液を別々に供給管に充填し、ハンドガンや油
圧等の力で適量ずつ吐出しながら、スタティックミキサ
ー等の混合機により混合して穿孔の中に注入しても良
い。また、(A)及び(B)の混合物並びに(C)の独
立した2液を別々にカプセルに充填しておき、穿孔の中
にこのカプセルを挿入し、ボルト等に打撃、回転を与え
てカプセルを破砕し、混合させる方法でもよい。本発明
の固着剤組成物及び硬化物の用途は何ら限定されるもの
ではないが、例えば、コンクリート、岩盤等にアンカー
ボルトを固着するための固着剤等として使用できる。
【0041】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。実施例及び比較例中の部は質量部を表わす。
【0042】また、実施例中の評価項目の試験方法は以
下の通りである。 [ポットライフ]温調した固着剤を混合後100gにな
るように容器に投入し、2分間ガラス棒で攪拌する。B
H型粘度計(回転数20rpm、7号スピンドル)で粘
度を測定し、攪拌スタートから100,000mPa・
sに達する時間の80%をポットライフとする。 [固着強度]圧縮強度150kg/cm2 のコンクリート
に内径19mm、長さ130mmの穿孔を行い、その孔
内に固着剤を挿入した後、先端45度カットのM16全
ネジSCM435ボルトを挿入して、0℃で7日間養生
後の固着強度を測定した。
【0043】製造例1 反応容器に二硫化炭素90部と臭化リチウム5部、テト
ラヒドロフラン(THF)120部を仕込んで攪拌溶解
し、58部の2−エチルヘキシルグリシジルエーテルを
反応容器内の温度を20℃以下に保ちながら滴下した
後、40℃で5時間熟成した。減圧下でTHF及び過剰
の二硫化炭素を留去した後、ろ過して、25℃での粘度
40mPa・s、ヘテロ環基当量262の淡黄色液体の
ヘテロ環化合物(A−1)を得た。 製造例2 反応容器に二硫化炭素90部と塩化リチウム5部、TH
F140部を仕込んで攪拌溶解し、140部のトリメチ
ロールプロパントリグリシジルエーテル(エポキシ当量
140)を反応容器内の温度を20℃以下に保ちながら
滴下した後、40℃で5時間熟成した。減圧下でTHF
及び過剰の二硫化炭素を留去した後、ろ過して、25℃
での粘度130mPa・s、ヘテロ環基当量218の淡
黄色液体のヘテロ環化合物(A−2)を得た。
【0044】製造例3 反応容器に二硫化炭素90部と臭化リチウム5部、TH
F120部を仕込んで攪拌溶解し、58部のトリメチレ
ンオキシドを反応容器内の温度を20℃以下に保ちなが
ら滴下した後、40℃で5時間熟成した。減圧下で、T
HF及び過剰の二硫化炭素を留去した後、ろ過して、2
5℃での粘度40mPa・s、ヘテロ環基当量140の
微黄色液体のヘテロ環化合物(A−3)を得た。
【0045】実施例1〜5、比較例1〜3 0℃雰囲気下で、表2に示した配合量で各成分を混合、
攪拌し、前記の試験方法によりボルトの固着強度を測定
した。ポリエポキシ化合物(B)としては次のものを使
用した。 (B−1):エピコート828(油化シェルエポキシ社
製ビスフェノールAジグリシジルエーテル,エポキシ当
量190,粘度11Pa・s) アミノ化合物(C)としては次のものを使用した。 (C−1):ペンタエチレンヘキサミン(活性水素当量
29,粘度70mPa・s) また、硬化促進触媒としては次のものを使用した。 (E−2):DMP−30[トリス(N,N−ジメチル
アミノメチル)フェノール]
【0046】
【表2】
【0047】
【発明の効果】本発明のボルト固定用固着剤は、 (1)0℃のような低温でも硬化性を有し、充分な固着
強度を発現する。 (2)低粘度で、適度なポットライフを有し、作業性に
優れる。 等の効果を奏する。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J040 BA172 BA222 EC031 EC051 EC061 EC081 EC091 EC121 EC151 EC171 EC211 EC241 EC242 EC261 EE012 EE052 EG022 GA14 HA066 HA196 HA356 HB03 HB07 HB19 HB31 HB34 HB37 HB38 HB43 HB44 HC04 HC05 HC08 HC15 HC16 HC24 HC25 HD19 HD20 HD24 HD30 HD43 JB11 KA16 KA17 KA23 KA24 KA29 KA31 KA42 LA01 LA05 LA06

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で表されるヘテロ環含
    有化合物(A)、分子中にエポキシ基を2個以上含有す
    るポリエポキシ化合物(B)、並びに分子中にアミノ基
    に由来する活性水素を2個以上有するアミノ化合物
    (C)からなることを特徴とするボルト固定用固着剤。 【化1】 [式(1)中、nは1〜10の整数、X1、Y1及びZ1
    は、それぞれ独立に酸素又は硫黄原子;R1は環状エー
    テル基含有化合物(D)の残基又は水素原子;R2は炭
    素数2〜10の炭化水素基である。]
  2. 【請求項2】 該(A)が、下記一般式(2)又は
    (3)で表されるヘテロ環含有化合物(A1)である請
    求項1記載の固着剤。一般式 【化2】 【化3】 [式(2)中、nは1〜10の整数、Y2、Z2の一方が
    Sで他方がO;R3はポリエポキシド(D11)又はモ
    ノエポキシド(d11)のエポキシ基を除く残基であ
    る。式(3)中、R4は脂環式エポキシドのエポキシ基
    を除く残基である。]
  3. 【請求項3】 該化合物(A1)が、下記一般式(4)
    で表されるヘテロ環含有化合物(A2)である請求項1
    又は2記載の固着剤。 【化4】 [式(4)中、Y2、Z2の一方がSで他方がO;R5
    モノグリシジルエーテル(d11−2)のグリシジル基
    を除く残基である。]
  4. 【請求項4】 該(C)が、脂肪族ポリアミノ化合物で
    ある請求項1〜3のいずれかに記載の固着剤。
  5. 【請求項5】 さらに、固着剤組成物に、硬化促進触
    媒、接着性付与剤、脱水剤、充填剤、可塑剤、酸化防止
    剤、顔料、反応性希釈剤、及び溶剤からなる群から選ば
    れる1種以上の添加剤が配合されてなる請求項1〜4の
    いずれかに記載のボルト固定用固着剤。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載のボルト
    固定用固着剤を硬化させてなる硬化物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016522840A (ja) * 2013-04-05 2016-08-04 フィッシャーヴェルケ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフトfischerwerke GmbH & Co. KG 合成樹脂接着剤における生物由来の液状非反応性希釈剤

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