JP2001106966A - 道路標示材用プライマー - Google Patents

道路標示材用プライマー

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JP2001106966A
JP2001106966A JP28776099A JP28776099A JP2001106966A JP 2001106966 A JP2001106966 A JP 2001106966A JP 28776099 A JP28776099 A JP 28776099A JP 28776099 A JP28776099 A JP 28776099A JP 2001106966 A JP2001106966 A JP 2001106966A
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ether
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JP28776099A
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Takeshi Ando
毅 安藤
Taki Adachi
滝 足立
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Sanyo Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Sanyo Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 無溶剤であるので引火による火災の危険性及
び人体への悪影響、大気汚染の安全性の問題も低減し、
さらに5℃のような低温でも塗布及び硬化性が可能で、
しかも道路面やその上に塗布される標示材との接着性に
優れた道路標示材用プライマーを提供するものである。 【解決手段】 下記一般式で表されるヘテロ環含有化合
物、ポリエポキシ化合物、並びに分子中に1級アミノ基
及び/又は2級アミノ基に由来する活性水素を2個以上
有するアミノ化合物からなるエポキシ樹脂組成物を用い
ることによって得られる。 【化7】 [式(1)中、nは1〜10の整数、X1、Y1及びZ1
は、それぞれ独立に酸素又は硫黄原子;R1は環状エー
テル基含有化合物の残基又は水素原子;R2は炭素数2
〜10の炭化水素基である。]

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は道路標示材用プライ
マーに関する。さらに詳しくは新規なエポキシ系樹脂か
らなるプライマーに関する。
【0002】
【従来の技術】コンクリート路面やアスファルト路面等
の道路に車線区分線や横断道路等の交通標識を道路標示
材で形成する場合、予め路面上を洗浄等した後、溶剤を
用いたプライマーを路面に塗布することにより該路面を
活性化し、該標示材と路面との密着性を高めている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記可燃
性溶剤を用いたプライマーでは、道路標示材を施工する
際に加熱作業により引火する危険性があり、また不燃性
溶剤としてトリクロロエチレンやトリクロロエタンを用
いたプライマーでは、該溶剤を使用すると肝臓、腎臓、
中枢神経系の人体への障害や大気汚染を引き起こすとい
う安全性の問題がある。
【0004】本発明は、これらの問題を解決するもので
あり、火災や作業者の健康への悪影響、大気汚染などの
安全性の問題を低減し、さらに5℃のような低温でも塗
布及び硬化が可能であり、しかも道路面やその上に塗布
される標示材との接着性に優れた効果を示す道路標示材
用プライマーを提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、本発明に到達し
た。すなわち、本発明は、下記一般式(1)で表される
ヘテロ環含有化合物(A)、分子中に2個以上のエポキ
シ基を有するポリエポキシ化合物(B)、並びに分子中
に1級アミノ基及び/又は2級アミノ基に由来する活性
水素を2個以上有するアミノ化合物(C)からなること
を特徴とする道路標示材用プライマーである。
【0006】
【化5】
【0007】[式(1)中、nは1〜10の整数、
1、Y1及びZ1は、それぞれ独立に酸素又は硫黄原
子;R1は環状エーテル基含有化合物(D)の残基又は
水素原子;R2は炭素数2〜10の炭化水素基であ
る。]
【0008】
【発明の実施の形態】本発明においてヘテロ環含有化合
物(A)は、前記一般式(1)で示される。式中、nは
1〜10の整数、好ましくは2〜8の整数である。
1、Y1及びZ1は、それぞれ酸素又は硫黄原子であ
る。好ましくはX1が硫黄原子(S)で、Y1、Z1の一
方が硫黄原子(S)で他方が酸素原子(O)である。R
2 は、環状エーテル基中の酸素原子以外の環を構成する
残基である。これは炭素数2〜10の炭化水素基であ
り、3価の炭化水素基>CH(CH2m−(mは1〜9
の整数)で示される基であり、例えば>CHCH2−、
>CHCH2CH 2−、>CHCH2CH2CH2−、>C
HCH2CH2CH2CH2CH2−等;4価の炭化水素基
>CH(CH2mCH<(mは0〜8の整数)で示され
る基であり、例えば>CHCH<、>CHCH2CH
<、>CHCH2CH2CH<、>CHCH2CH2CH2
CH2CH<等が挙げられ、好ましくは3価の炭化水素
基であり、特に好ましくは>CHCH2−、>CHCH2
CH2−である。R1 は水素原子又は環状エーテル基含
有化合物(D)の残基であり、一般式(5)で示され
る。一般式
【0009】
【化6】
【00010】環状エーテル基としては、環内に酸素原
子を1個以上有するものならば特に限定されず、例えば
分子内に環状エーテル基を1〜10個有する化合物があ
げられる。環状エーテル基含有化合物(D)の例として
は、後述するエポキシ基含有化合物(D1)、及びオキ
セタン化合物(D2)等が挙げられ、好ましくは、エポ
キシ基含有化合物(D1)である。エポキシ基含有化合
物(D1)としては、モノエポキサイド(d11)と分
子中にエポキシ基を2個以上有するポリエポキサイド
(D11)とがある。モノエポキサイド(d11)とし
ては、分子中に1個のエポキシ基を有していれば特に限
定されず、用途、目的に応じて適宜選択することができ
る。その例としては以下のものが挙げられる。例えば、
(d11−1)炭素数2〜24の炭化水素系オキシド
(エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1−ブテン
オキシド、2−ブテンオキシド、炭素数5〜24のα−
オレフィンオキシド、スチレンオキシド等)、(d11
−2)炭素数3〜19の炭化水素のグリシジルエーテル
(n−ブチルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエ
ーテル、2−エチル−ヘキシルグリシジルエーテル、2
−メチルオクチルグリシジルエーテル、フェニルグリシ
ジルエーテル、クレジルグリシジルエーテル、p−se
c−ブチルフェニルグリシジルエーテル、p−tert
−ブチルフェニルグリシジルエーテル等)、(d11−
3)炭素数3〜30のモノカルボン酸のグリシジルエス
テル(グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレ
ート等)、エピクロルヒドリン、エピブロモヒドリン等
のエピハロヒドリン及びグリシドール等の水酸基含有オ
キシド等が挙げられる。好ましいのは炭素数2〜24の
炭化水素系オキシド、炭素数3〜19の炭化水素のグリ
シジルエーテルである。
【0011】ポリエポキサイド(D11)は、分子中に
2個以上のエポキシ基を有していれば特に限定されず、
用途、目的に応じて適宜選択することができる。好まし
くは分子中にエポキシ基を2〜6個有するものである。
ポリエポキサイドのエポキシ当量(エポキシ基1個当た
りの分子量)は、通常65〜1000であり、好ましく
は90〜500である。エポキシ当量が1000以下で
あると、架橋構造がルーズにならず硬化物の耐水性、耐
薬品性、機械的強度等の物性が良好であり、一方、エポ
キシ当量が65以上であると硬化物の耐水性、耐薬品
性、機械的強度等が良好な架橋構造となる。ポリエポキ
サイド(D11)の例としては、下記(D11−1)か
ら(D11−5)が挙げられる。
【0012】(D11−1)グリシジルエーテル型 (i)2価フェノール類のジグリシジルエーテル 炭素数6〜30の2価フェノール類のジグリシジルエー
テル例えば、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、
ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノー
ルBジグリシジルエーテル、ビスフェノールADジグリ
シジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテ
ル、ハロゲン化ビスフェノールAジグリシジルエーテ
ル、テトラクロロビスフェノールAジグリシジルエーテ
ル、カテキンジグリシジルエーテル、レゾルシノールジ
グリシジルエーテル、ハイドロキノンジグリシジルエー
テル、1,5−ジヒドロキシナフタレンジグリシジルエ
ーテル、ジヒドロキシビフェニルジグリシジルエーテ
ル、オクタクロロ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル
ジグリシジルエーテル、テトラメチルビフェニルジグリ
シジルエーテル、9,9’−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)フロオレンジグリシジルエーテル、ビスフェノー
ルA2モルとエピクロロヒドリン3モルの反応から得ら
れるジグリシジルエーテル等が挙げられる。
【0013】(ii)3価〜6価又はそれ以上の、多価
フェノール類のポリグリシジルエーテル 炭素数6〜50又はそれ以上で、分子量250〜500
0の3価〜6価又はそれ以上の多価フェノール類のポリ
グリシジルエーテル例えば、ピロガロールトリグリシジ
ルエーテル、ジヒドロキシナフチルクレゾールトリグリ
シジルエーテル、トリス(ヒドロキシフェニル)メタン
トリグリシジルエーテル、ジナフチルトリオールトリグ
リシジルエーテル、テトラキス(4−ヒドロキシフェニ
ル)エタンテトラグリシジルエーテル、p−グリシジル
フェニルジメチルトリールビスフェノールAグリシジル
エーテル、トリスメチル−tert−ブチル−ブチルヒ
ドロキシメタントリグリシジルエーテル、4,4’−オ
キシビス(1,4−フェニルエチル)テトラクレゾール
グリシジルエーテル、4,4’−オキシビス(1,4−
フェニルエチル)フェニルグリシジルエーテル、ビス
(ジヒドロキシナフタレン)テトラグリシジルエーテ
ル、フェノール又はクレゾールノボラック樹脂(分子量
400〜5000)のグリシジルエーテル、リモネンフ
ェノールノボラック樹脂(分子量400〜5000)の
グリシジルエーテル、フェノールとグリオキザール、グ
ルタールアルデヒド、又はホルムアルデヒドの縮合反応
によつて得られるポリフェノール(分子量400〜50
00)のポリグリシジルエーテル、及びレゾルシンとア
セトンの縮合反応によって得られる分子量400〜50
00のポリフェノールのポリグリシジルエーテル等が挙
げられる。
【0014】(iii)脂肪族2価アルコールのジグリ
シジルエーテル 炭素数2〜100、分子量150〜5000のジオール
のジグリシジルエーテル例えば、エチレングリコールジ
グリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジ
ルエーテル、テトラメチレングリコールジグリシジルエ
ーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテ
ル、ポリエチレングリコール(分子量150〜400
0)ジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコール
(分子量180〜5000)ジグリシジルエーテル、ポ
リテトラメチレングリコール(分子量200〜500
0)ジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジ
グリシジルエーテル、ビスフェノールAのアルキレンオ
キシド〔エチレンオキシド又はプロピレンオキシド(1
〜20モル)〕付加物のジグリシジルエーテル等が挙げ
られる。 (iv)3価〜6価又はそれ以上の脂肪族アルコールの
ポリグリシジルエーテル 炭素数3〜50又はそれ以上で、分子量92〜1000
0の3価〜6価又はそれ以上の多価アルコール類のグリ
シジルエーテル例えば、トリメチロールプロパントリグ
リシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテ
ル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、
ソルビトールヘキサグリシジルエーテル、ポリ(n=2
〜5)グリセロールポリグリシジルエーテル等が挙げら
れる。
【0015】(D11−2)グリシジルエステル型 炭素数6〜20又はそれ以上で、2価〜6価又はそれ以
上の芳香族ポリカルボン酸のグリシジルエステル、及び
炭素数6〜20又はそれ以上で、2価〜6価又はそれ以
上の脂肪族もしくは脂環式ポリカルボン酸のグリシジル
エステルが挙げられる。 (i)芳香族ポリカルボン酸、例えばフタル酸類のグリ
シジルエステルとしては、フタル酸ジグリシジルエステ
ル、イソフタル酸ジグリシジルエステル、テレフタル酸
ジグリシジルエステル、トリメリット酸トリグリシジル
エステル等; (ii)脂肪族もしくは脂環式ポリカルボン酸のグリシ
ジルエステルとしては、上記フェノール系のグリシジル
エステルの芳香核水添加物、ダイマー酸ジグリシジルエ
ステル、ジグリシジルオキサレート、ジグリシジルマレ
ート、ジグリシジルスクシネート、ジグリシジルグルタ
レート、ジグリシジルアジペート、ジグリシジルピメレ
ート、グリシジル(メタ)アクリレートの(共)重合体
(重合度は例えば2〜10)、トリカルバリル酸トリグ
リシジルエステル等が挙げられる。
【0016】(D11−3)グリシジルアミン型 炭素数6〜20又はそれ以上で、2〜10又はそれ以上
の活性水素原子をもつ芳香族アミン類のグリシジルアミ
ン及び脂肪族、脂環式若しくは複素環式アミン類のグリ
シジルアミンが挙げられる。 (i)芳香族アミン類のグリシジルアミンとしては、
N,N−ジグリシジルアニリン、N,N−ジグリシジル
トルイジン、N,N,N’,N’−テトラグリシジルジ
アミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラ
グリシジルジアミノジフェニルスルホン、N,N,
N’,N’−テトラグリシジルジエチルジフェニルメタ
ン、N,N,O−トリグリシジルアミノフェノール等; (ii)脂肪族アミン類のグリシジルアミンとしては、
N,N,N’,N’−テトラグリシジルキシリレンジア
ミン、N,N,N’,N’−テトラグリシジルヘキサメ
チレンジアミン等; (iii)脂環式アミン類のグリシジルアミンとして
は、N,N,N’,N’−テトラグリシジルキシリレン
ジアミンの水添化合物等が挙げられる。複素環式アミン
のグリシジルアミンとしてはトリスグリシジルメラミン
等が挙げられる。
【0017】(D11−4)鎖状脂肪族エポキサイド 炭素数6〜50又はそれ以上で2〜6価又はそれ以上の
鎖状脂肪族エポキサイド、例えばエポキシ当量130〜
1,000のエポキシ化ポリブタジエン(分子量90〜
2,500)、エポキシ化大豆油(分子量130〜2,
500)等が挙げられる。 (D11−5)脂環式エポキサイド 炭素数6〜50又はそれ以上で、分子量90〜250
0、エポキシ基の数1〜4又はそれ以上の脂環式エポキ
サイド例えば、ビニルシクロヘキセンジオキシド、リモ
ネンジオキシド、ジシクロペンタジエンジオキシド、ビ
ス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、エチ
レングリコールビスエポキシジシクロペンチルエーテ
ル、3,4エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル
3’、4’−エポキシ−6’−メチルシクロヘキサンカ
ルボキシレート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチル
シクロヘキシルメチル)アジペート、及びビス(3,4
−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)ブチル
アミン等が挙げられる。また、前記フェノール類のエポ
キシ化合物の核水添化物も含む。なお(D11−1)〜
(D11−5)以外のものでも、活性水素と反応可能な
グリシジル基をもつエポキシ樹脂であれば使用できる。
又、これらのポリエポキシ化合物は、二種以上併用でき
る。これらのうち、好ましいのはグリシジルエーテル型
(D11−1)、及びグリシジルエステル型(D11−
2)であり、特に好ましいのは、グリシジルエーテル型
(D11−1)である。(D11−1)の内、好ましい
のは2価フェノール類、2価脂肪族アルコールのジグリ
シジルエーテルである。
【0018】オキセタン化合物(D2)としては、炭素
数6〜20の脂肪族系オキセタン化合物(3−エチル−
3−ヒドロキシメチルオキセタン等)、炭素数7〜30
の芳香族系オキセタン化合物(ベンジルオキセタン、キ
シリレンビスオキセタン等)、炭素数6〜30の脂肪族
カルボン酸系オキセタン化合物(アジペートビスオキセ
タン等)、炭素数8〜30の芳香族カルボン酸系オキセ
タン化合物(テレフタレートビスオキセタン等)、炭素
数8〜30の脂環式カルボン酸系オキセタン化合物(シ
クロヘキサンジカルボン酸ビスオキセタン等)、芳香族
イソシアネート系オキセタン化合物(MDIビスオキセ
タン等)、炭素数2〜20の硫黄系オキセタン化合物
(チイラン、2−メチルチイラン、2,2−ジメチルチ
イラン、2−ヘキシルチイラン、2−フェニルチイラン
等)等が挙げられる。環状エーテル基含有化合物(D)
として、エポキシ基含有化合物(D1)を使用したヘテ
ロ環含有化合物(A1)は、下記一般式(2)、(3)
で示される。一般式
【0019】
【化7】
【0020】
【化8】
【0021】[式中、nは1〜10の整数。Y2 、Z2
は一方がSで他方がOであり、好ましくは、Y2 がO、
2 がSである。R3はポリエポキシ化合物(D11)
又はモノエポキシ化合物(d11)の残基である。R4
は脂環式エポキサイドの残基である。ここで特に好まし
くは、nは1、Y2 はO、Z2 はS、R3はモノグリシ
ジル化合物(d11−2)のエポキシ基を除く残基であ
る。]
【0022】本発明のヘテロ環含有化合物(A)の製造
方法は特に限定されないが、例えば環状エーテル基含有
化合物(D)の環状エーテル基に対し、0.5〜10倍
当量の二硫化炭素、硫化カルボニル及び二酸化炭素から
なる群から選ばれる1種又は2種以上の化合物を、溶剤
中触媒存在下で反応させることにより得られる。好まし
くは二硫化炭素である。溶剤としては、反応を阻害せず
原料及び生成物を溶解するものなら特に制限はなく、通
常非プロトン性溶剤が使用される。例えばエーテル類
(テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルセロソル
ブ、ジオキソラン、トリオキサン、ジブチルセロソル
ブ、ジエチルカービトール、ジブチルカービトール
等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチ
ルイソブチルケトン、ジエチルケトン等)、エステル類
(酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等)、その
他極性溶剤(アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、
N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド等)等が
挙げられ、好ましくはテトラヒドロフラン、アセトン、
酢酸エチル等である。触媒はアルカリ金属又はアルカリ
土類金属のハロゲン化物であり、例えば、塩化リチウ
ム、臭化リチウム、沃化リチウム、塩化カリウム、臭化
カルシウム等が挙げられ、好ましくは臭化リチウムであ
る。触媒の量は、(D)の環状エーテル基に対し、0.
001〜1.0倍当量である。好ましくは0.01〜
0.1倍当量である。
【0023】反応温度は、通常0〜100℃、好ましく
は20〜70℃である。前記の通り製造されたヘテロ環
含有化合物(A)の重量平均分子量は120〜12,0
00であり、好ましくは200〜8,000である。ヘ
テロ環当量は通常120〜1,200であり、好ましく
は200〜800である。25℃での粘度は通常20P
a・s以下であり、好ましくは10Pa・s以下、さら
に好ましくは5Pa・s以下であり、特に好ましくは1
Pa・s以下である。上記の様にして得られるヘテロ環
含有化合物(A)は、具体的には表1に記載したものが
挙げられる。
【0024】
【表1】
【0025】本発明の分子中にエポキシ基を2個以上有
するポリエポキシ化合物(B)としては(D11)と同
じものが挙げられる。好ましくは(D11−1)であ
る。
【0026】本発明のアミノ化合物(C)は、分子中に
1級アミノ基及び/又は2級アミノ基に由来する活性水
素を2個以上有する化合物であれば特に限定されず、用
途、目的に応じて適宜選択することができる。好ましく
は分子中に1級アミノ基及び/又は2級アミノ基に由来
する活性水素を2〜10個有する化合物であり、更に好
ましくは3〜6個有する化合物である。(C)の活性水
素当量(活性水素1個当りの分子量)は、通常15〜5
00であり、好ましくは20〜200である。活性水素
当量が500以下であると架橋構造がルーズにならず硬
化物の接着性、耐久性等の物性が良好である。活性水素
当量が15以上であると硬化物の接着性、耐久性、耐薬
品性等の物性が良好である。
【0027】(C)のアミノ化合物の例としては、以下
の(C1)〜(C9)がそれぞれ挙げられる。 (C1)脂肪族ポリアミン類(炭素数2〜18、官能基
数2〜7、分子量60〜500); (i)脂肪族ポリアミン{炭素数2〜6のアルキレンジ
アミン(エチレンジアミン、プロピレンジアミン、トリ
メチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメ
チレンジアミンなど)、ポリアルキレン(炭素数2〜
6)ポリアミン〔ジエチレントリアミン、イミノビスプ
ロピルアミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン,ト
リエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペ
ンタエチレンヘキサミン等〕}; (ii)これらのアルキル(炭素数1〜4)又はヒドロ
キシアルキル(炭素数2〜4)置換体〔ジアルキル(炭
素数1〜3)アミノプロピルアミン、トリメチルヘキサ
メチレンジアミン、アミノエチルエタノールアミン、
2,5−ジメチル−2,5−ヘキサメチレンジアミン、
メチルイミノビスプロピルアミンなど〕; (iii)脂環又は複素環含有脂肪族ポリアミン〔3,
9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−
テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンなど〕; (iv)芳香環含有脂肪族アミン類(炭素数8〜15)
(キシリレンジアミン、テトラクロル−p−キシリレン
ジアミン等);
【0028】(C2)脂環式ポリアミン(炭素数4〜1
5、官能基数2〜3);1,3−ジアミノシクロヘキサ
ン、イソホロンジアミン、メンセンジアミン、4,4´
−メチレンジシクロヘキサンジアミン(水添メチレンジ
アニリン)等; (C3)複素環式ポリアミン(炭素数4〜15、官能基
数2〜3):ピペラジン、N−アミノエチルピペラジ
ン、1,4−ジアミノエチルピペラジン、1,4ビス
(2−アミノ−2−メチルプロピル)ピペラジン等; (C4)芳香族ポリアミン類(炭素数6〜20、官能基
数2〜3、分子量100〜1000); (i)非置換芳香族ポリアミン〔1,2−、1,3−及
び1,4−フェニレンジアミン、2,4´−及び4,4
´−ジフェニルメタンジアミン、クルードジフェニルメ
タンジアミン(ポリフェニルポリメチレンポリアミ
ン)、ジアミノジフェニルスルホン、ベンジジン、チオ
ジアニリン、ビス(3,4−ジアミノフェニル)スルホ
ン、2,6−ジアミノピリジン、m−アミノベンジルア
ミン、トリフェニルメタン−4,4´,4”−トリアミ
ン、ナフチレンジアミン等;
【0029】(ii)核置換アルキル基〔メチル,エチ
ル,n−及びi−プロピル、ブチル等の炭素数C1〜C
4アルキル基)を有する芳香族ポリアミン、例えば2,
4−及び2,6−トリレンジアミン、クルードトリレン
ジアミン、ジエチルトリレンジアミン、4,4´−ジア
ミノ−3,3´−ジメチルジフェニルメタン、4,4´
−ビス(o−トルイジン)、ジアニシジン、ジアミノジ
トリルスルホン、1,3−ジメチル−2,4−ジアミノ
ベンゼン、1,3−ジエチル−2,4−ジアミノベンゼ
ン、1,3−ジメチル−2,6−ジアミノベンゼン、
1,4−ジエチル−2,5−ジアミノベンゼン、1,4
−ジイソプロピル−2,5−ジアミノベンゼン、1,4
−ジブチル−2,5−ジアミノベンゼン、2,4−ジア
ミノメシチレン、1,3,5−トリエチル−2,4−ジ
アミノベンゼン、1,3,5−トリイソプロピル−2,
4−ジアミノベンゼン、1−メチル−3,5−ジエチル
−2,4−ジアミノベンゼン、1−メチル−3,5−ジ
エチル−2,6−ジアミノベンゼン、2,3−ジメチル
−1,4−ジアミノナフタレン、2,6−ジメチル−
1,5−ジアミノナフタレン、2,6−ジイソプロピル
−1,5−ジアミノナフタレン、2,6−ジブチル−
1,5−ジアミノナフタレン、3,3´,5,5´−テ
トラメチルベンジジン、3,3´,5,5´−テトライ
ソプロピルベンジジン、3,3´,5,5´−テトラメ
チル−4,4´−ジアミノジフェニルメタン、3,3
´,5,5´−テトラエチル−4,4´−ジアミノジフ
ェニルメタン、3,3´,5,5´−テトライソプロピ
ル−4,4´−ジアミノジフェニルメタン、3,3´,
5,5´−テトラブチル−4,4´−ジアミノジフェニ
ルメタン、3,5−ジエチル−3´−メチル−2´,4
−ジアミノジフェニルメタン,3,5−ジイソプロピル
−3´−メチル−2´,4−ジアミノジフェニルメタ
ン、3,3´−ジエチル−2,2´−ジアミノジフェニ
ルメタン、4,4´−ジアミノ−3,3´−ジメチルジ
フェニルメタン、3,3´,5,5´−テトラエチル−
4,4´−ジアミノベンゾフェノン、3,3´,5,5
´−テトライソプロピル−4,4´−ジアミノベンゾフ
ェノン、3,3´,5,5´−テトラエチル−4,4´
−ジアミノジフェニルエーテル、3,3´,5,5´−
テトライソプロピル−4,4´−ジアミノジフェニルス
ルホン等〕、及びこれらの異性体の種々の割合の混合
物;
【0030】(iii)核置換電子吸引基(Cl,B
r,I,F等のハロゲン;メトキシ、エトキシ等のアル
コキシ基;ニトロ基等)を有する芳香族ポリアミン〔メ
チレンビス−o−クロロアニリン、4−クロロ−o−フ
ェニレンジアミン、2−クロル−1,4−フェニレンジ
アミン、3−アミノ−4−クロロアニリン、4−ブロモ
−1,3−フェニレンジアミン、2,5−ジクロル−
1,4−フェニレンジアミン、5−ニトロ−1,3−フ
ェニレンジアミン、3−ジメトキシ−4−アミノアニリ
ン;4,4´−ジアミノ−3,3´−ジメチル−5,5
´−ジブロモ−ジフェニルメタン、3,3´−ジクロロ
ベンジジン、3,3´−ジメトキシベンジジン、ビス
(4−アミノ−3−クロロフェニル)オキシド、ビス
(4−アミノ−2−クロロフェニル)プロパン、ビス
(4−アミノ−2−クロロフェニル)スルホン、ビス
(4−アミノ−3−メトキシフェニル)デカン、ビス
(4−アミノフェニル)スルフイド、ビス(4−アミノ
フェニル)テルリド、ビス(4−アミノフェニル)セレ
ニド、ビス(4−アミノ−3−メトキシフェニル)ジス
ルフイド、4,4´−メチレンビス(2−ヨードアニリ
ン)、4,4´−メチレンビス(2−ブロモアニリ
ン)、4,4´−メチレンビス(2−フルオロアニリ
ン)、4−アミノフェニル−2−クロロアニリン等〕;
【0031】(iv)2級アミノ基を有する芳香族ポリ
アミン〔上記(i)〜(iii)の芳香族ポリアミンの−NH2
の一部又は全部が−NH−R´(R´はアルキル基例え
ばメチル、エチル等の低級アルキル基)で置き換ったも
の〕〔4,4´−ジ(メチルアミノ)ジフェニルメタ
ン、1−メチル−2−メチルアミノ−4−アミノベンゼ
ン等〕; (C5)ポリアミドポリアミン:ジカルボン酸(ダイマ
ー酸等)と過剰の(酸1モル当り2モル以上の)ポリア
ミン類(官能基数2〜7の上記アルキレンジアミン,ポ
リアルキレンポリアミン等)との縮合により得られるポ
リアミドポリアミン(数平均分子量200〜1000)
等; (C6)ポリエーテルポリアミン:ポリエーテルポリオ
ール(前述のポリアルキレングリコール等)のシアノエ
チル化物の水素化物(分子量100〜1000)等; (C7)エポキシ付加ポリアミン:エポキシ化合物(上
記ポリエポキサイド(B1)並びにモノエポキサイド
(b))1モルをポリアミン類(上記アルキレンジアミ
ン、ポリアルキレンポリアミン等)に1〜30モル付加
させることによって得られるエポキシ付加ポリアミン
(分子量100〜1000)等;
【0032】(C8)シアノエチル化ポリアミン:アク
リロニトリルとポリアミン類(上記アルキレンジアミ
ン、ポリアルキレンポリアミン等)との付加反応により
得られるシアノエチル化ポリアミン、(ビスシアノエチ
ルジエチレントリアミン等)(分子量100〜500)
等; (C9)その他のポリアミン化合物:(i)ヒドラジン
類(ヒドラジン、モノアルキルヒドラジン等);(i
i)ジヒドラジッド類(コハク酸ジヒドラジッド,アジ
ピン酸ジヒドラジッド,イソフタル酸ジヒドラジッド,
テレフタル酸ジヒドラジッド等);(iii)グアニジ
ン類(ブチルグアニジン,1−シアノグアニジン等);
(iv)ジシアンジアミド等;並びにこれらの2種以上
の混合物。上記(C1)〜(C9)のうち、本発明の硬
化性組成物に高速硬化性を与えるために好ましいのは
(C1)、(C2)、(C3)及び(C5)であり、特
に好ましいのは(C1)である。
【0033】本発明のプライマーにおいて、(A):
(B):(C)の配合比は、全体を100としたときの
重量%で、好ましくは5〜40:10〜90:5〜60
であり、さらに好ましくは10〜40:10〜80:5
〜50であり、特に好ましくは15〜40:10〜7
5:5〜30である。(A)が5以上であると低温硬化
性が良好となり、40以下であると適度な可使時間を有
し、作業性が良好となる。(B)が10以上であると路
面と上塗り塗装材料との層間密着性が良好となり、90
以下であると系の粘度が小さくなり作業性が良好とな
る。(C)が5以上であると路面と上塗り塗装材料との
層間密着性が良好となり、60以下であるとアミンブラ
ッシングを生じない。
【0034】本発明の道路標示材用プライマーには、硬
化剤としてアミノ化合物(C)が必須成分であるが、硬
化性をより促進する目的で、必要により塩基性化合物
(E)をさらに含有させることができる。塩基性化合物
(E)としては、3級アミン化合物(E1)、ソジウム
メチラート、カセイソーダ、カセイカリ、炭酸リチウム
等のアルカリ化合物(E2)、トリエチルフォスフィ
ン、トリフェニルフォスフィン等のルイス塩基化合物
(E3)等が挙げられる。これらにうち好ましいものは
3級アミン化合物(E1)である。
【0035】上記の(E)として好ましい3級アミン化
合物(E1)は分子中に3級アミノ基を有する化合物で
あれば特に限定されないが、例としては以下の(E1−
1)から(E1−3)がそれぞれあげられる。 (E1−1)脂肪族3級アミン トリメチルアミン、ト
リエチルアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、ジメ
チルベンジルアミン、1,3−ジメチルイミダゾリジノ
ン、1,2−ジメチルイミダゾール、テトラエチルメチ
レンジアミン、テトラメチルプロパン−1,3−ジアミ
ン、テトラメチルヘキサン−1,6−ジアミン、ペンタ
メチルジエチレントリアミン、ペンタメチルジプロピレ
ントリアミン、テトラメチルグアニジン、ジメチルピペ
ラジン、N−メチル−N’−(2−ジメチルアミノ)−
エチルピペラジン、N−メチルモルホリン、N−
(N’,N’−ジメチルアミノエチル)モルホリン、ジ
メチルアミノエタノール、ジメチルアミノエトキシエタ
ノール、N,N,N’−トリメチルアミノエチル−エタ
ノールアミン、N−メチル−N’−(2−ヒドロキシエ
チル)モルホリン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)
エーテル、エチレングリコール(3−ジメチル)アミノ
プロピルエーテル等、(E1−2)フェノール核含有脂
肪族3級アミン:N,N−ジメチルアミノメチルフェノ
ール(通称「DMP−10」)、トリス(N,N−ジメ
チルアミノメチルフェノール(通称「DMP−30」)
等、(E1−3)含窒素複素環化合物 1,8−ジアザ
ビシクロ(5,4,0)−ウンデセン−7(通称「DB
U」)、1,5−ジアザビシクロ(4,3,0)−ノネ
ン−5(通称「DBN」)、6−ジブチルアミノ−1,
8−ジアザビシクロ(5,4,0)−ウンデセン−7
(通称「DBA−DBU」)、トリエチレンジアミン、
ヘキサメチレンテトラミン等があげられる。
【0036】3級アミン化合物(E1)は得ようとする
硬化速度、可使時間に応じて種類、添加量とも適宜選択
すればよいが、通常、ヘテロ環含有化合物(A)100
重量部に対して0.1〜50重量部程度添加されるのが
好ましい。本発明の道路標示材用プライマーには、必要
に応じて(1)シランカップリング剤、チタンカップリン
グ剤等の密着性向上剤、(2)ヒンダードアミン類、ハイ
ドロキノン類、ヒンダードフェノール類、硫黄含有化合
物等の酸化防止剤、(3)ベンゾフェノン類、ベンゾトリ
アゾール類、サリチル酸エステル類、金属錯塩類等の紫
外線吸収剤、(4)金属石けん類、重金属(例えば亜鉛、
錫、鉛、カドミウム等)の無機及び有機塩類、有機錫化
合物等の安定剤、(5)フタル酸エステル、リン酸エステ
ル、脂肪酸エステル、エポキシ化大豆油、ひまし油、流
動パラフィンアルキル多環芳香族炭化水素等の可塑剤、
(6)パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワック
ス、重合ワックス、密ロウ、鯨ロウ低分子量ポリオレフ
ィン等のワックス類、(7)ベンジルアルコール、ター
ル、ピチューメン等の非反応性希釈剤、(8)低分子脂肪
族グリシジルエーテル、芳香族モノグリシジルエーテル
等の反応性希釈剤、(9)炭酸カルシウム、カオリン、タ
ルク、マイカ、ベントナイト、クレー、セリサイト、ア
スベスト、ガラス繊維粉、炭素繊維粉、アラミド繊維
粉、ナイロン繊維粉、アクリル繊維粉、ガラス繊維粉、
ガラスバルーン、シラスバルーン、石炭粉、アクリル樹
脂粉、フェノール樹脂粉、金属粉末、セラミック粉末、
ゼオライト、スレート粉等の充填剤、(10)活性炭、ゼ
オライト、シリカゾル、シリカゲルなどの脱臭剤(11)カ
ーボンブラック、酸化チタン、赤色酸化鉄、鉛丹、パラ
レッド、紺青等の顔料又は染料、(12)酢酸エチル、トル
エン、アルコール類、エーテル類、ケトン類等の溶剤、
(13)発泡剤、(14)消泡剤、(15)脱水剤、(16)帯電防止
剤、(17)抗菌剤、(18)防かび剤、(19)粘度調整剤、(20)
香料、(21)難燃剤等を添加することができる。
【0037】本発明の道路標示材用プライマーの硬化機
構は、まず(C)が(A)と反応して開環しSH基を発
生し、そのSH基が(B)と反応する。この場合に
(C)は(B)とも反応するが、(B)との反応速度は
(C)よりもSH基の方が大きい。従って、本発明の道
路標示材用プライマーの各成分の貯蔵及び使用形態とし
ては、以下の(i)又は(ii)が例示される。 (i)ヘテロ環含有化合物(A)、エポキシ基含有化合
物(B)、アミノ化合物(C)を独立した3液の形で保
存し、使用時に3成分を混合し硬化させる。(任意成分
である塩基性化合物(D)は、第4成分として、単独で
保存し、使用時に他の成分と混合して用いることも、
(A)及び/又は(C)中に添加した形で保存すること
もできる。) (ii)ヘテロ環含有化合物(A)及びエポキシ基含有
化合物(B)の混合物、並びにアミノ化合物(C)の独
立した2液の形で保存し、使用時に該2成分を混合し硬
化させる。[任意成分である塩基性化合物(E)は、第
3成分として、単独で保存し、使用時に他の成分と混合
して用いることも、(C)中に添加した形で保存するこ
ともできる。]
【0038】本発明の道路標示材用プライマーは万能混
合機等の通常の混合機を使用して(A)、(B)、
(C)及びその他の配合物が混合される。(C)は通常
使用時に配合される。該プライマーは、塗膜作業性、硬
化性、接着性の点から25℃における粘度は、好ましく
は2.5〜4Pa・sであり、0℃においては、好まし
くは5〜7Pa・sである。該プライマーは低温硬化が
可能であり、5℃以下のような低温環境下であっても十
分硬化が可能である。その硬化物は接着性、耐久性、耐
薬品性等の物性に優れる。
【0039】本発明の道路標示材用プライマーの塗装方
法としては特に限定はなく、従来公知の塗布手段、例え
ば刷毛による塗布、ロールによる塗布等の手段を採用す
ることができる。プライマーの塗布量は、被着体1m2
面積に相当する部分当たり、好ましくは20〜400g
程度、特に好ましくは40〜100g程度とするのがよ
い。塗装後室温ないし0℃以下の低温において徐々に硬
化が進行し、塗膜表面がタックフリー状態になる。上塗
り塗装材料を塗布する場合はプライマーがタックフリー
状態であってもタック状態であってもよい。また、上塗
り塗装材料に本発明のプライマーを配合して使用しても
よい。この場合はプライマーを塗装後上塗りを塗装する
という2回の工程が1回で済むことになり省力化ができ
る。本発明のプライマーの配合割合は塗装材料100部
に対して0〜100部である。100部以下であると上
塗り塗装材料の本来の性能が良好に発揮される。本発明
のプライマーの硬化物は道路面とその上に塗布される標
示材との接着性に優れる。
【0040】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。実施例及び比較例中の部は質量部を表わす。
【0041】また、実施例中の評価項目の試験方法は以
下の通りである。 [燃焼テスト];直径60mmの真鍮シャーレに試料約
10gをとり、ブンゼンバーナの火を近づけ30秒間火
をあてた後、火源を離したときの燃焼状態を調べた。 [路上テスト];屋外の一般道路に、プライマー(比較
例は50℃に溶融して使用)を3g/150cm2で塗
布した。3時間後に熱溶融型道路標示材料エースライン
W〔日立化成工業(株)〕を膜厚が1.5mmになるよ
うに溶融塗布し、その後の道路標示の塗膜状況(白化、
剥離等の有無等)を観察した。 [指触乾燥時間];各測定温度に温調した恒温槽に1時
間置いたガラス板に、20±1mmの厚みに表2に示す
配合のプライマーを塗布し、恒温槽中に保持し、指触乾
燥時間(指で触っても粘着しなくなるまでの時間)を測
定した。
【0042】製造例1 反応容器に二硫化炭素90部と臭化リチウム5部、テト
ラヒドロフラン(THF)120部を仕込んで攪拌溶解
し、58部の2−エチルヘキシルグリシジルエーテルを
20℃以下に保ちながら滴下した後、40℃で5時間熟
成した。減圧下でTHF及び過剰の二硫化炭素を留去し
た後、ろ過して、25℃での粘度40mPa・s、ヘテ
ロ環基当量262の淡黄色液体のヘテロ環化合物(A−
1)を得た。 製造例2 反応容器に二硫化炭素90部と塩化リチウム5部、TH
F140部を仕込んで攪拌溶解した後、140部のトリ
メチロールプロパントリグリシジルエーテル(エポキシ
当量140)を20℃以下に保ちながら滴下した後、4
0℃で5時間熟成した。減圧下でTHF及び過剰の二硫
化炭素を留去した後、ろ過して、25℃での粘度130
mPa・s、ヘテロ環基当量218の淡黄色液体のヘテ
ロ環化合物(A−2)を得た。
【0043】製造例3 反応容器に二硫化炭素90部と臭化リチウム5部、TH
F120部を仕込んで攪拌溶解した後、58部のトリメ
チレンオキサイドを20℃以下に保ちながら滴下した
後、40℃で5時間熟成した。減圧下で、THF及び過
剰の二硫化炭素を留去した後、ろ過して、25℃での粘
度40mPa・s、ヘテロ環基当量140の微黄色液体
のヘテロ環化合物(A−3)を得た。
【0044】実施例1〜5、比較例1〜3 表2に示した配合量で各成分を混合、攪拌し、前記の試
験方法により道路標示材用プライマーとしての性能評価
試験を行った。分子中に2個以上のエポキシ基を有する
化合物(B)としては次のものを使用した。 ポリエポキサイド(B1);エピコート828(油化シ
ェルエポキシ社製ビスフェノールAジグリシジルエーテ
ル,エポキシ当量190,粘度11Pa・s)、及びネ
オペンチルグリコールジグリシジルエーテル(エポキシ
当量154,粘度20mPa・s) 分子中に1級アミノ基及び/又は2級アミノ基に由来す
る活性水素を2個以上有するアミノ化合物(C)として
は次のものを使用した。 (C1)脂肪族ポリアミン;キシリレンジアミン(活性
水素当量36,粘度7mPa・s) また、硬化促進剤として下記のものを使用した。 (E2)DMP−30;トリス(N,N−ジメチルアミ
ノメチル)フェノール
【0045】
【表2】
【0046】
【発明の効果】本発明の道路標示材用プライマーは、 (1)溶剤を用いることなく使用できるため、引火によ
る火災の危険性や、作業者の健康への悪影響、大気汚染
などの安全性の問題の低減が図れる (2)常温ないし5℃のような低温でも硬化性を有する (3)低粘度であり、適度な可使時間を有し、作業性に
優れる (4)道路面やその上に塗布される標示材との接着性に
優れる等の効果を奏する。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で表されるヘテロ環含
    有化合物(A)、分子中にエポキシ基を2個以上含有す
    るポリエポキシ化合物(B)、並びに分子中に1級アミ
    ノ基及び/又は2級アミノ基に由来する活性水素を2個
    以上有するアミノ化合物(C)からなることを特徴とす
    る道路標示材用プライマー。 【化1】 [式(1)中、nは1〜10の整数、X1、Y1及びZ1
    は、それぞれ独立に酸素又は硫黄原子;R1は環状エー
    テル基含有化合物(D)の残基又は水素原子;R2は炭
    素数2〜10の炭化水素基である。]
  2. 【請求項2】 該(A)が、下記一般式(2)又は
    (3)で表されるヘテロ環含有化合物(A1)である請
    求項1記載のプライマー。一般式 【化2】 【化3】 [式(2)中、nは1〜10の整数、Y2、Z2の一方が
    Sで他方がO;R3はポリエポキサイド(D11)又は
    モノエポキサイド(d11)の残基である。式(3)
    中、R4は脂環式エポキサイドの残基である。]
  3. 【請求項3】 該化合物(A1)が、下記一般式(4)
    で表されるヘテロ環含有化合物(A2)である請求項1
    又は2記載のプライマー。 【化4】 [式(4)中、Y2、Z2の一方がSで他方がO;R5
    モノグリシジルエーテル(d11−2)のグリシジル基
    を除く残基である。
  4. 【請求項4】 該(C)が、脂肪族ポリアミノ化合物で
    ある請求項1〜3のいずれか記載のプライマー。
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