JP2003040249A - 電気機器用梱包箱 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 余分な部材を使用せず一枚の紙材での組み立
てが可能で、しかも、搬送時等において、電気機器を収
納した電気機器用梱包箱の底側から衝撃が加わるような
場合にも電気機器の破損を有効に防止することができる
電気機器用梱包箱を提供する。 【解決手段】 一枚の紙材を折曲することにより、平面
視四辺形状に周回された周側部１０と、この周側部１０
の上方の開口を塞ぐ蓋部２０と、周側部１０の下方の開
口を塞ぐ底部３０とがそれぞれ形成されており、かつ、
底部３０は、周側部１０の内面に沿って延出された立上
片３１ａ〜３４ａと、この立上片３１ａ〜３４ａに対し
て直交する内方に延出された底片３１ｂ〜３４ｂとを備
えている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、回路遮断器や電磁
接触器等の電気機器を収納する電気機器用梱包箱に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】一般に、回路遮断器や電磁接触器等の電
気機器は、製品搬送時の取り扱いの容易化や損傷等を防
止するために、梱包箱に収納された状態で持ち運びされ
る。ここで、梱包箱に収納される上記の電気機器は、必
ずしも各面が平坦な直方体状のものでなく、表面に凹凸
のあるものが多い。例えば、上記の回路遮断器は、その
上部にハンドルや段差部などが設けられているので、こ
れを梱包箱内に収納したときには、梱包箱との間に隙間
が生じ易い。そのため、製品搬送時等においては、電気
機器を梱包箱内に収容していたとしても電気機器が箱内
で横ずれしたり上下動し、厳しい条件下では破損に至る
などの恐れがある。

【０００３】そこで、従来技術では、梱包箱内に電気機
器を収納した後、必要に応じて両者の隙間を埋めるよう
に発砲スチロール、あるいは厚紙により形成された緩衝
材を配設して、電気機器を衝撃から保護するするなどの
対策が採られている。しかし、発砲スチロールは、焼却
時に発生するガスが大気汚染の原因になったり、地中の
埋めても自然分解しないなど、使用後の処分が難しく、
環境保護の点から好ましくない。また、各筒状に形成し
た複数の厚紙を緩衝材として使用する場合には、ブレー
カ梱包箱とは別個に厚紙を用意しなければならず、コス
トアップになってしまう。

【０００４】このため、本願出願人は、図６に示すよう
な電気機器用梱包箱を、特開平１０−７２０８２号とし
て提案している。すなわち、この電気機器用梱包箱は、
回路遮断器Ｂを収納するもので、一枚の紙材を折曲する
ことにより、平面視四辺形状に順次周回された周側部５
１と、この周側部５１の上方の開口を塞ぐ蓋部５２と、
周側部５１の下方の開口を塞ぐ底部５３とをそれぞれ設
けるとともに、周側部５１の互いに対向する周方向短尺
側の側面の上端部からは、回路遮断器Ｂの上面に当接す
る折曲部５４，５５を形成し、各折曲部５４，５５には
回路遮断器Ｂの上部に設けられているハンドルＢ１を挿
通する差込孔５４ａ，５５ａを設けている。この電気機
器用梱包箱においては、上記の各折曲部５４，５５を内
側に折り込むと、この折曲部５４，５５が回路遮断器Ｂ
の上面および蓋部５２の内面に当接して回路遮断器Ｂの
横ずれや上下動が規制されるため、搬送時に衝撃が加わ
った場合にも回路遮断器Ｂの箱内で破損に至らせない安
全度が高められた。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところで、前述した電
気機器用梱包箱にあっては、回路遮断器Ｂ等の電気機器
の箱内で破損に至らせない安全度をさらに高められる余
地があった。すなわち、前述した電気機器用梱包箱を多
数積み上げた状態で搬送するような場合において、上方
に位置する梱包箱は、折曲部５４，５５によって回路遮
断器Ｂの上部に加わる衝撃を緩和することができるので
あるが、下方に位置する梱包箱、特に一番下に位置する
梱包箱は、回路遮断器Ｂに対し地面からの衝撃が加わり
やすいため回路遮断器Ｂの箱内で破損に至らせない安全
度がやや低下する恐れがあるのである。

【０００６】本発明は、かかる事由に鑑みてなされたも
ので、その目的とするところは、余分な部材を使用せず
一枚の紙材での組み立てが可能で、しかも、搬送時等に
おいて、電気機器を収納した電気機器用梱包箱の底側か
ら衝撃が加わるような場合にも、電気機器の箱内で破損
に至らせない安全度を高めることができる電気機器用梱
包箱を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、一枚の紙材を折曲することにより、平面視四辺形
状に周回された周側部と、この周側部の上方の開口を塞
ぐ蓋部と、周側部の下方の開口を塞ぐ底部とがそれぞれ
形成されている電気機器用梱包箱において、次の構成を
採用している。

【０００８】すなわち、請求項１記載の発明に係る電気
機器用梱包箱は、その箱を構成する前記底部が、前記周
側部の内面に沿って延出された立上片と、この立上片に
対して直交する内方に延出された底片とを備えることを
特徴としている。これにより、余分な部材を使用せず一
枚の紙材での組み立てが可能となる。しかも、底部を立
上片と底片とによって上げ底状に形成できるため、底側
から伝わる衝撃が内部に収納された電気機器に伝わりに
くくなる。このため、電気機器を収納した電気機器用梱
包箱を積み上げた状態で搬送する際など、電気機器用梱
包箱の底側から衝撃が加わるような場合にも、地面から
の衝撃によって電気機器が破損するのを有効に防止する
ことができ、電気機器の箱内で破損に至らせない安全度
を高めることができる。

【０００９】請求項２記載の発明に係る電気機器用梱包
箱は、請求項１記載の発明の構成において、前記周側部
と立上片との連結部分は、その折曲外面側から折曲内面
側にかけて切り込みが形成されている。これにより、請
求項１記載の発明の作用に加え、立上片を内面側に折曲
し易くなるとともに、立上片を周側部の内面に折曲した
後に元の形状に戻る力を少なくできるため、組み立て作
業が容易になる。

【００１０】請求項３記載の発明に係る電気機器用梱包
箱は、請求項１又は請求項２記載の発明の構成におい
て、前記周側部の互いに隣り合う２辺に位置する部分に
連設された前記底片同士を一体的に連結している。これ
により、請求項１又は請求項２記載の発明の作用に加
え、隣り合う底片同士を一体的に連結しているので、２
つの底部のみを重ね合わせて係止するだけで底部を構成
することができ、かつ、組み立て後に電気機器を収納し
ても上げ底形状が崩れるのを防止することができる。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照して詳細に説明する。

【００１２】図１は本発明の実施の形態における電気機
器用梱包箱、およびこの電気機器用梱包箱に収納される
電気機器の全体を示す斜視図、図２は同梱包箱を底面側
から見た斜視図、図３は同梱包箱の正面断面図、図４は
同梱包箱を組み立てる前の展開体の平面図である。

【００１３】この実施の形態における電気機器用梱包箱
は、電気機器である回路遮断器Ｂを収納するものであっ
て、一枚の紙材を折曲することにより、回路遮断器Ｂの
各側面に沿って平面視で４辺形状に周回される周側部１
０と、この周側部１０で囲まれた上側の開口を塞ぐ蓋部
２０と、周側部１０で囲まれた下側の開口を塞ぐ底部３
０とが形成されている。

【００１４】上記の周側部１０は、互いに対向する周方
向長尺側の連結片１１，１３、これらに直交して互いに
対向する周方向短尺側の連結片１２，１４、および一つ
の長尺側の連結片１１の側端から突設された糊代１５か
らなる。そして、この糊代１５がこれに隣接する周方向
短尺側の連結片１４に一体的に接合されている。蓋部２
０は、糊代１５と連設する周方向長尺側の一つの連結片
１１の上端部から延設されており、周側部１０で囲まれ
た上側の開口に合致した形状を有する覆片２０ａと、周
側部１０内方に差し込まれる差込片２０ｂとからなる。
また、周側部１０の互いに対向する周方向短尺側の連結
片１２，１４の上端部からは、連結片１２，４と略同幅
を有する押さえ部２２，２３がそれぞれ延設されてい
る。これらの各押さえ部２２，２３は、周側部１０の内
方において回路遮断器Ｂの各段差部Ｂ２を経て各連結片
１２，１４の内面に当接するように折り返し折曲されて
いる。

【００１５】底部３０は、周側部１０を構成する各連結
片１１〜１４の下端部からそれぞれ折曲延出された底折
曲片３１〜３４を組み合わせて構成されている。周方向
長尺側の連結片１１，１３に連なる各底折曲片３１，３
３は、各連結片１１，１３の内面に沿って上方に延出さ
れた立上片３１ａ，３３ａと、各立上片３１ａ，３３ａ
に対して直交して周側部１０内方に延出された底片３１
ｂ，３３ｂとからなり、各底片３１ｂ，３３ｂには、両
底片３１ｂ，３３ｂ同士を係合するための切欠３１ｃ、
３３ｃが形成されている。一方、周方向短尺側の連結片
１２，１４に連なる各底折曲片３２，３４は、各連結片
１２，１４の内面に沿って上方に延出された立上片３２
ａ，３４ａと、各立上片３２ａ，３４ａに対して直交し
て周側部１０内方に延出された略台形状の底片３２ｂ，
３４ｂとからなる。

【００１６】そして、各底折曲片３１〜３４の立上片３
１ａ〜３４ａと各連結片１１〜１４との連結部分は、折
曲外面側から折曲内面側にかけてそれぞれ切り込み４１
〜４４が形成されている。また、互いに隣接する各底折
曲片３１と３２、および３３と３４の底片３１ｂと３２
ｂ、および３３ｂと３４ｂ同士は接着剤を用いて一体的
に接合されている。これにより、電気機器用梱包箱を組
み立て後に回路遮断器Ｂを収納しても、底部１０の上げ
底形状が崩れるのを防止できる。

【００１７】この実施の形態の電気機器用梱包箱は、押
さえ部２２，２３が回路遮断器Ｂの段差部Ｂ２と周側部
１０の内面に当接して回路遮断器Ｂの横ずれや上下動を
規制するため、搬送時に衝撃が加わった場合にも回路遮
断器Ｂが箱内で破損するといったことが防止される。ま
た、底部３０は、これを構成する各底折曲片３１〜３４
の立上片３１ａ〜３４ａと底片３１ｂ〜３４ｂとによっ
て上げ底状に形成されているので、底から伝わる衝撃が
内部に収納された回路遮断器Ｂに伝わりにくくなる。こ
のため、回路遮断器Ｂを収納した電気機器用梱包箱を積
み上げた状態で搬送する際など、電気機器用梱包箱の底
側から衝撃が加わるような場合にも、回路遮断器Ｂが破
損するのを一層効果的に防止することができる。また、
この電気機器用梱包箱を水気の多い場所に置いた場合に
も、底部３０は上げ底状に形成されているために、内部
に収納されている回路遮断器Ｂまで水気が侵入し難くな
り、回路遮断器Ｂの不良発生を未然に防止することがで
きる。

【００１８】この実施の形態において、図１乃至図３に
示した電気機器用梱包箱を組み立てるには、図４に示す
一枚の紙材からなる展開体を使用する。そして、いま、
図４における紙面上側を電気機器用梱包箱の外面として
形成するとすれば、図中一点鎖線で示す部分をそれぞれ
折り目とし、各折り目の内の符号Ｖで示す部分のみを谷
折り、他の部分は全て山折りとする。このような組み立
て作業を行う場合、立上片３１ａ〜３４ａの各連結片１
１〜１４との連結部分に予め切り込み４１〜４４が入れ
てあるので、立上片３１ａ〜３４ａを周側部１０の内面
側に折曲し易くなるとともに、立上片３１ａ〜３４ａを
周側部１０の内面に折曲した後は元の形状に戻る力を少
なくできるため、組み立て作業が容易になる。そして、
接着剤を用いて周側部１０の糊代１５をこれに隣接する
短尺側の連結片１４に接合する。また、互いに隣接する
各底折曲片３１，３２および３３，３４の底片３１ｂ，
３２ｂ、および３３ｂ，３４ｂ同士を接着剤を用いて一
体的に接合するとともに、互いに対向する底折曲片３
１，３３の切欠３１ｃ，３３ｃ同士を互いに係合する。

【００１９】なお、上記の実施の形態の電気機器用梱包
箱は、回路遮断器Ｂを被収納物としているが、本発明は
これに限らず、電気接触器などのような他の電気機器を
収納する梱包箱にも適用することができる。また、回路
遮断器Ｂは、その上部にハンドルＢ１や段差部Ｂ２が設
けられているので、この実施の形態の電気機器用梱包箱
は、その内部で回路遮断器Ｂが横ずれや上下動しないよ
う押さえ部２２，２３を形成した構成としている。しか
し、上部が平坦な電気機器を被収納物とする場合には、
このような押さえ部２２，２３を設けずに、例えば図５
に示すように、周側部１０の互いに対向する周方向短尺
側の連結片１２，１４の上端部からそれぞれ台形状の蓋
部２５，２６を延設した構成とすることも可能である。
また、本発明は、上記の実施の形態の構成に限定される
ものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲に適宜に
変更して実施することができる。

【００２０】

【発明の効果】請求項１記載の発明における電気機器用
梱包箱は、余分な部材を使用せず一枚の紙材での組み立
てが可能となる。しかも、底部を立上片と底片とによっ
て上げ底状に形成できるため、底側から伝わる衝撃が内
部に収納された電気機器に伝わりにくくなる。このた
め、電気機器を収納した電気機器用梱包箱を積み上げた
状態で搬送する際など、電気機器用梱包箱の底側から衝
撃が加わるような場合にも、電気機器が破損するのを有
効に防止することができ、電気機器の箱内で破損に至ら
せない安全度を高めることができる。また、電気機器用
梱包箱を水気の多い場所に置いた場合にも、上げ底状に
形成されているために、水気が内部に収納されている電
気機器まで侵入し難くなり、電気機器の不良を未然に防
止することができる。

【００２１】請求項２記載の発明における電気機器用梱
包箱は、請求項１記載の発明の作用効果に加えて、立上
片を内面側に折曲し易くなるとともに、立上片を周側部
の内面に折曲した後に元の形状に戻る力を少なくできる
ため、組み立て作業が容易になる。

【００２２】請求項３記載の発明における電気機器用梱
包箱は、請求項１又は請求項２の発明の作用効果に加え
て、隣り合う底片同士を一体的に連結しているので、２
つの底部のみを重ね合わせて係止するだけで底部を構成
することができ、かつ、組み立て後に電気機器を収納し
ても上げ底形状が崩れるのを防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態における電気機器用梱包
箱、およびこの電気機器用梱包箱に収納される電気機器
の全体を示す斜視図である。

【図２】同梱包箱を底面側から見た斜視図である。

【図３】同梱包箱の正面断面図である。

【図４】同梱包箱を組み立てる前の展開体の平面図であ
る。

【図５】本発明の他の実施の形態に係る電気機器用梱包
箱を組み立てる前の展開体の平面図である。

【図６】従来の電気機器用梱包箱、およびこの梱包箱に
収納される電気機器の斜視図である。

【符号の説明】

１０ 周側部 １１〜１４ 連結片 ２０ 蓋部 ３０ 底部 ３１〜３４ 底折曲片 ３１ａ〜３４ａ 立上片 ３１ｂ〜３４ｂ 底片 ４１〜４４ 切り込み

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 一枚の紙材を折曲することにより、平面
   視四辺形状に周回された周側部と、この周側部の上方の
   開口を塞ぐ蓋部と、周側部の下方の開口を塞ぐ底部とが
   それぞれ形成されている電気機器用梱包箱において、 前記底部は、前記周側部の内面に沿って延出された立上
   片と、この立上片に対して直交する内方に延出された底
   片とを備えることを特徴とする電気機器用梱包箱。
2. 【請求項２】 前記周側部と立上片との連結部分は、そ
   の折曲外面側から折曲内面側にかけて切り込みが形成さ
   れている請求項１記載の電気機器用梱包箱。
3. 【請求項３】 前記周側部の互いに隣り合う２辺に位置
   する部分に連設された前記底片同士を一体的に連結して
   いる請求項１又は請求項２に記載の電気機器用梱包箱。