JP2003039621A - 防汚性に優れたポリカーボネート樹脂板 - Google Patents
防汚性に優れたポリカーボネート樹脂板Info
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- JP2003039621A JP2003039621A JP2001232387A JP2001232387A JP2003039621A JP 2003039621 A JP2003039621 A JP 2003039621A JP 2001232387 A JP2001232387 A JP 2001232387A JP 2001232387 A JP2001232387 A JP 2001232387A JP 2003039621 A JP2003039621 A JP 2003039621A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 耐候性を保持したまま、防汚性にも優れたポ
リカーボネート樹脂板を得ること 【解決手段】 ポリカーボネート系樹脂基板の一方の面
に、紫外線吸収剤を含有するポリカーボネート系樹脂ま
たはアクリル系樹脂からなる耐候性付与層と、アルコキ
シシリル基を有するアクリル系樹脂からなるバインダー
層と、無機コロイド物質から得られる防汚層とを順に積
層してなる防汚性に優れたポリカーボネート系樹脂板。
リカーボネート樹脂板を得ること 【解決手段】 ポリカーボネート系樹脂基板の一方の面
に、紫外線吸収剤を含有するポリカーボネート系樹脂ま
たはアクリル系樹脂からなる耐候性付与層と、アルコキ
シシリル基を有するアクリル系樹脂からなるバインダー
層と、無機コロイド物質から得られる防汚層とを順に積
層してなる防汚性に優れたポリカーボネート系樹脂板。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、防汚性に優れたポ
リカーボネート系樹脂板に関し、さらに詳しくは、建築
材、例えばバルコニー、サンルームなどの屋根材に利用
可能で、特に外面の清掃が簡単にできる防汚性に優れた
ポリカーボネート系樹脂板に関する。
リカーボネート系樹脂板に関し、さらに詳しくは、建築
材、例えばバルコニー、サンルームなどの屋根材に利用
可能で、特に外面の清掃が簡単にできる防汚性に優れた
ポリカーボネート系樹脂板に関する。
【０００２】
【従来の技術】建築材用途に使用されるポリカーボネー
ト系樹脂板は、その透明性と強度によって高く評価され
ている材料であるが、表面が疎水性であるために結露し
水滴を生じやすく、曇って透明性が損なわれるおそれが
ある。特にバルコニー、サンルームなどの屋根材は、そ
の内面が結露して曇りやすい。
ト系樹脂板は、その透明性と強度によって高く評価され
ている材料であるが、表面が疎水性であるために結露し
水滴を生じやすく、曇って透明性が損なわれるおそれが
ある。特にバルコニー、サンルームなどの屋根材は、そ
の内面が結露して曇りやすい。
【０００３】そこで、これらのポリカーボネート系樹脂
板には、その内面に親水性を付与することで、改善する
手法が古くから取られている。その手法としては、以下
のような様々な方法がある。 （１）樹脂自体に界面活性剤などを練りこむ方法。 （２）基材表面に、フッ素樹脂をコーテイングする方
法。 （３）基材表面に、光触媒をコーテイングする方法。こ
の方法は水をはじく汚れ分（有機物分など）を分解除去
することにより、表面に対する水の接触角を低下させて
表面を水に濡れやすくし、親水性の向上効果を得る。
板には、その内面に親水性を付与することで、改善する
手法が古くから取られている。その手法としては、以下
のような様々な方法がある。 （１）樹脂自体に界面活性剤などを練りこむ方法。 （２）基材表面に、フッ素樹脂をコーテイングする方
法。 （３）基材表面に、光触媒をコーテイングする方法。こ
の方法は水をはじく汚れ分（有機物分など）を分解除去
することにより、表面に対する水の接触角を低下させて
表面を水に濡れやすくし、親水性の向上効果を得る。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】このように、建築材、
例えばバルコニー、サンルームなどの屋根材に使用され
るポリカーボネート系樹脂板の内面は、親水性を付与す
ることによって、結露による曇りやすさが防止されて
（防曇性が付与されて）いるが、外面は、直射日光の当
たる面に界面活性剤を練りこんだり、コーテイングする
ことになると共に、当然、紫外線吸収剤の添加などによ
る耐候性の付与がなされることになるので（例えば、特
開２０００−２６４９７７号公報参照）、それらの外面
の耐候性を付与される層が紫外線劣化を起こすことを懸
念され、それらの方法は、本発明の発明者の知る限り採
用されていない。結局、ポリカーボネート系樹脂の外面
は、疎水性のままであって、屋外での排ガスなどの有機
物を引き寄せることで汚れ、外観を損なうおそれがあっ
たわけである。
例えばバルコニー、サンルームなどの屋根材に使用され
るポリカーボネート系樹脂板の内面は、親水性を付与す
ることによって、結露による曇りやすさが防止されて
（防曇性が付与されて）いるが、外面は、直射日光の当
たる面に界面活性剤を練りこんだり、コーテイングする
ことになると共に、当然、紫外線吸収剤の添加などによ
る耐候性の付与がなされることになるので（例えば、特
開２０００−２６４９７７号公報参照）、それらの外面
の耐候性を付与される層が紫外線劣化を起こすことを懸
念され、それらの方法は、本発明の発明者の知る限り採
用されていない。結局、ポリカーボネート系樹脂の外面
は、疎水性のままであって、屋外での排ガスなどの有機
物を引き寄せることで汚れ、外観を損なうおそれがあっ
たわけである。
【０００５】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明の発明者
らは、鋭意研究を重ねて、耐候性を付与されたポリカー
ボネート系樹脂板の一方の面に、アルコキシシリル基を
有するアクリル系樹脂からなるバインダー層を介して、
無機コロイド物質から得られる被覆層を積層すると、意
外にも、ポリカーボネート系樹脂の耐候性を保持したま
ま、防汚性にも優れたポリカーボネート系樹脂板を得る
ことができることを見出し、この発明を完成させるに至
ったものである。
らは、鋭意研究を重ねて、耐候性を付与されたポリカー
ボネート系樹脂板の一方の面に、アルコキシシリル基を
有するアクリル系樹脂からなるバインダー層を介して、
無機コロイド物質から得られる被覆層を積層すると、意
外にも、ポリカーボネート系樹脂の耐候性を保持したま
ま、防汚性にも優れたポリカーボネート系樹脂板を得る
ことができることを見出し、この発明を完成させるに至
ったものである。
【０００６】すなわち、本発明は、ポリカーボネート系
樹脂基板の一方の面に、紫外線吸収剤を含有するポリカ
ーボネート系樹脂またはアクリル系樹脂からなる耐候性
付与層と、アルコキシシリル基を有するアクリル系樹脂
からなるバインダー層と、無機コロイド物質から得られ
る防汚層とを順に積層してなる防汚性に優れたポリカー
ボネート系樹脂板を提供する。
樹脂基板の一方の面に、紫外線吸収剤を含有するポリカ
ーボネート系樹脂またはアクリル系樹脂からなる耐候性
付与層と、アルコキシシリル基を有するアクリル系樹脂
からなるバインダー層と、無機コロイド物質から得られ
る防汚層とを順に積層してなる防汚性に優れたポリカー
ボネート系樹脂板を提供する。
【０００７】要するに、本発明は、ポリカーボネート系
樹脂板の耐候性付与面に、無機コロイド物質から得られ
る層を、特定のバインダーを介してコーテイングすると
いう、防曇性を付与する方法と類似の方法を適用するこ
とによって、ポリカーボネート系樹脂の耐候性を保持し
たまま、その耐候性付与面の防汚性にも優れたポリカー
ボネート系樹脂板を提供するものである。もちろん、ポ
リカーボネート樹脂板の他の面に、特定のバインダーを
介して、無機コロイド物質から得られる親水性の層をコ
ーテイングし、その面に防曇性を付与するのが好まし
い。
樹脂板の耐候性付与面に、無機コロイド物質から得られ
る層を、特定のバインダーを介してコーテイングすると
いう、防曇性を付与する方法と類似の方法を適用するこ
とによって、ポリカーボネート系樹脂の耐候性を保持し
たまま、その耐候性付与面の防汚性にも優れたポリカー
ボネート系樹脂板を提供するものである。もちろん、ポ
リカーボネート樹脂板の他の面に、特定のバインダーを
介して、無機コロイド物質から得られる親水性の層をコ
ーテイングし、その面に防曇性を付与するのが好まし
い。
【０００８】
【発明の実施の形態】本発明において、ポリカーボネー
ト系樹脂基板の一方の面には、紫外線吸収剤を含有する
ポリカーボネート系樹脂またはアクリル系樹脂からなる
耐候性付与層が積層される。ここで、ポリカーボネート
樹脂またはアクリル系樹脂に添加される紫外線吸収剤と
しては、通常この分野で使用できるものであれば特に限
定されないが、例えば、サリチル酸誘導体、ベンゾフェ
ノン系化合物、トリアジン系化合物、トリアゾール系化
合物、ベンゾエート系化合物、ジフェニルアクリレー
ト、あるいはこれらの混合物を挙げることができ、好ま
しくは、トリアジン系化合物を挙げることができる。こ
のトリアジン系化合物の添加量は、特に限定されない
が、ポリカーボネート樹脂の場合にその樹脂の３〜８重
量部が好ましい。
ト系樹脂基板の一方の面には、紫外線吸収剤を含有する
ポリカーボネート系樹脂またはアクリル系樹脂からなる
耐候性付与層が積層される。ここで、ポリカーボネート
樹脂またはアクリル系樹脂に添加される紫外線吸収剤と
しては、通常この分野で使用できるものであれば特に限
定されないが、例えば、サリチル酸誘導体、ベンゾフェ
ノン系化合物、トリアジン系化合物、トリアゾール系化
合物、ベンゾエート系化合物、ジフェニルアクリレー
ト、あるいはこれらの混合物を挙げることができ、好ま
しくは、トリアジン系化合物を挙げることができる。こ
のトリアジン系化合物の添加量は、特に限定されない
が、ポリカーボネート樹脂の場合にその樹脂の３〜８重
量部が好ましい。
【０００９】本発明において、耐候性付与層、または耐
候性付与層およびポリカーボネート樹脂基板には、アル
コキシシリル基を有するアクリル系樹脂からなるバイン
ダー層が積層される。具体的には、メチルメタクリレー
トーメタクリルトリアルコキシシラン共重合体からなる
バインダー層が好ましいものとして挙げられる。このバ
インダー層は、はけ塗り、ローラ塗布、吹き付け、潅注
または他の公知の方法で膜厚：５〜１０μｍ（ｗｅ
ｔ）、０．２〜０．５μｍ（ｄｒｙ）にそれぞれ積層さ
れる。
候性付与層およびポリカーボネート樹脂基板には、アル
コキシシリル基を有するアクリル系樹脂からなるバイン
ダー層が積層される。具体的には、メチルメタクリレー
トーメタクリルトリアルコキシシラン共重合体からなる
バインダー層が好ましいものとして挙げられる。このバ
インダー層は、はけ塗り、ローラ塗布、吹き付け、潅注
または他の公知の方法で膜厚：５〜１０μｍ（ｗｅ
ｔ）、０．２〜０．５μｍ（ｄｒｙ）にそれぞれ積層さ
れる。
【００１０】本発明において、バインダー層には、無機
コロイド物質から得られる防汚層が積層される。この防
汚層は、親水性であれば、仮に汚れてもその親水性のた
めに簡単に水洗いできて好都合である。無機コロイド物
質としては、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、
コロイド状のＦｅ（ＯＨ）2、コロイド状のＳｎ（Ｏ
Ｈ）4、コロイド状のＴｉＯ2、コロイド状のＢａＳ
Ｏ4、コロイド状のリチウムシリケートなどを挙げるこ
とができ、これら、またはこれらと他のもの（無機粒
子、例えばアルミナ、セリア、チタニアなど）を２種以
上併用されてもよい。好ましいコロイド物質は、コロイ
ダルシリカおよび／またはコロイダルアルミナであり、
これらの無機コロイド物質の好ましい粒子の大きさは、
１０〜５０ｎｍである。そして、コロイダルシリカおよ
び／またはコロイダルアルミナの分散媒中の濃度は１０
％以下が好ましい。膜厚は、５〜１０μｍ（ｗｅｔ）、
０．４〜０．６μｍ（ｄｒｙ、１．３ｇ／ｍ2）であ
る。
コロイド物質から得られる防汚層が積層される。この防
汚層は、親水性であれば、仮に汚れてもその親水性のた
めに簡単に水洗いできて好都合である。無機コロイド物
質としては、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、
コロイド状のＦｅ（ＯＨ）2、コロイド状のＳｎ（Ｏ
Ｈ）4、コロイド状のＴｉＯ2、コロイド状のＢａＳ
Ｏ4、コロイド状のリチウムシリケートなどを挙げるこ
とができ、これら、またはこれらと他のもの（無機粒
子、例えばアルミナ、セリア、チタニアなど）を２種以
上併用されてもよい。好ましいコロイド物質は、コロイ
ダルシリカおよび／またはコロイダルアルミナであり、
これらの無機コロイド物質の好ましい粒子の大きさは、
１０〜５０ｎｍである。そして、コロイダルシリカおよ
び／またはコロイダルアルミナの分散媒中の濃度は１０
％以下が好ましい。膜厚は、５〜１０μｍ（ｗｅｔ）、
０．４〜０．６μｍ（ｄｒｙ、１．３ｇ／ｍ2）であ
る。
【００１１】以下、本発明に係る防汚性に優れたポリカ
ーボネート系樹脂板の一つの実施の形態を図によって説
明する。なお、これによって本発明が限定されるもので
はない。図１は本発明に係る防汚性に優れたポリカーボ
ネート系樹脂板の一つの実施の形態を示す基本構成説明
断面図、図２はその詳細構成説明拡大断面図である。図
１および２において、ポリカーボネート樹脂板１は、ポ
リカーボネート樹脂基板２と、この基板の外面に被覆さ
れた外層部３と、基板２の内面に被覆された内層部４と
からなる。
ーボネート系樹脂板の一つの実施の形態を図によって説
明する。なお、これによって本発明が限定されるもので
はない。図１は本発明に係る防汚性に優れたポリカーボ
ネート系樹脂板の一つの実施の形態を示す基本構成説明
断面図、図２はその詳細構成説明拡大断面図である。図
１および２において、ポリカーボネート樹脂板１は、ポ
リカーボネート樹脂基板２と、この基板の外面に被覆さ
れた外層部３と、基板２の内面に被覆された内層部４と
からなる。
【００１２】外層部３は、基板２の一方の面（外面）に
順に積層された、紫外線吸収剤を含有するポリカーボネ
ート系樹脂からなる耐候性付与層５と、メチルメタクリ
レート−メタクリルトリアルコキシシラン共重合体から
なるバインダー層６と、コロイダルシリカから得られる
親水性の外被覆層７とからなる。内層部４は、基板２の
他方の面（内面）に順に積層された、メチルメタクリレ
ート−メタクリルトリアルコキシシラン共重合体からな
るもう一つのバインダー層８と、コロイダルシリカから
得られる親水性の内被覆層９とからなる。
順に積層された、紫外線吸収剤を含有するポリカーボネ
ート系樹脂からなる耐候性付与層５と、メチルメタクリ
レート−メタクリルトリアルコキシシラン共重合体から
なるバインダー層６と、コロイダルシリカから得られる
親水性の外被覆層７とからなる。内層部４は、基板２の
他方の面（内面）に順に積層された、メチルメタクリレ
ート−メタクリルトリアルコキシシラン共重合体からな
るもう一つのバインダー層８と、コロイダルシリカから
得られる親水性の内被覆層９とからなる。
【００１３】かくして、ポリカーボネート樹脂板１は、
その内面の内被覆層９に防曇性をもたらし、外面の外被
覆層７には、意外にも耐候性を保持しながら防汚性をも
たらす。すなわち、具体的に言えば、ポリカーボネート
樹脂板１は、その外面を外側に、内面を内側にして、バ
ルコニー、サンルームなどの屋根材に使用すると、外面
が、通常疎水性で汚れやすいところを、意外にも汚れる
のを防止でき、また汚れてもその親水性のために簡単に
水洗いできる。さらに耐候性の維持によってそのような
防汚性を持続することもできる。一方、ポリカーボネー
ト樹脂板１は、その内面に親水性によって防曇性が付与
され、結露による曇りやすさが防止される。
その内面の内被覆層９に防曇性をもたらし、外面の外被
覆層７には、意外にも耐候性を保持しながら防汚性をも
たらす。すなわち、具体的に言えば、ポリカーボネート
樹脂板１は、その外面を外側に、内面を内側にして、バ
ルコニー、サンルームなどの屋根材に使用すると、外面
が、通常疎水性で汚れやすいところを、意外にも汚れる
のを防止でき、また汚れてもその親水性のために簡単に
水洗いできる。さらに耐候性の維持によってそのような
防汚性を持続することもできる。一方、ポリカーボネー
ト樹脂板１は、その内面に親水性によって防曇性が付与
され、結露による曇りやすさが防止される。
【００１４】
【実施例】実施例１
（１） まず、ポリカーボネート樹脂の共押出成形で、
耐候性付与層を積層したポリカボネート樹脂基板を準備
した。 ポリカーボネート樹脂：ビスフェノールＡのポリカーボ
ネート樹脂〔 “ユーピロン”（三菱エンジニアリング
プラスチックス社製）〕 基板：２ｍｍ（厚み）×１ｍ×１ｍ 耐候性付与層：膜厚４０μｍ 紫外線吸収剤としてトリアジン系化合物（２−（４，６
−ジフェニル−１，３，５−トリアジン−２−イル）−
５−〔（ヘキシル）オキシ〕−フェノール）〔“チヌピ
ン１５７７”（チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式
会社製）〕を、上記ポリカーボネート樹脂１００重量部
に対して５重量部程度含有 （２）次いで、耐候性付与層の上およびポリカーボネー
ト系樹脂基板の他面にバインダー層をそれぞれ積層し
た。メトキシプロパノールを希釈溶媒として、メチルメ
タクリレート−メタクリルトリアルコキシシラン共重合
体〔“ＡＣＲＩＦＩＸ１２０”（レーム社製）〕の３％
程度の均一塗剤を膜厚的７μｍに塗布し、塗布層を熱風
乾燥機（８０℃）中で５分間乾燥させ、膜厚約０．７μ
ｍのバインダー層を形成した。 （３）続いて、各バインダー層の上に防汚層を積層し
た。脱イオン水を希釈溶媒として、水性珪酸ゾル（コロ
イダルシリカ）〔“ＡＣＲＩＦＩＸ１２２”（レーム社
製）〕の濃度８％程度の均一塗剤を膜厚約７μｍに塗布
し、塗布層を熱風乾燥機（８０℃）中で５分間乾燥さ
せ、膜厚約０．５μｍ（１．３ｇ／ｍ2）の防汚層を形
成した。 （４）得られたポリカーボネート樹脂板の性能は次のと
おりである。 防汚性 接触角（濡れ性の指標） 処理品 未処理品 イニシャル １１° ７２° ６０時間 １３ ７５ １２０時間 １３ ６７ ２４０時間 １１ ６４ ４８０時間 １２ ５５ ＊スーパーＵＶテスター（大日本プラスチックス（株）
製の耐候性試験機）９０ｍＷ／ｃｍ2の紫外線強度で照
射した後の接触角の測定。６０時間は屋外で１年相当。
長時間光及び熱（試験機の中の温度は４５℃）に暴露さ
れても表面の濡れ性（親水性）は長期に亘って安定して
いる。従って、たとえ表面に僅かのホコリがついても屋
外では雨水等で簡単に洗い流され、表面に水滴はできな
い。未処理品は光の作用で表面が酸化されて幾分親水性
が出てきているが、防汚性の目安としては接触角２０°
以下が必要である。 耐候性（ＹＩ＝イエローインデックス） 処理品 未処理品 イニシャル 0.99 0.81 ６０時間 2.65 2.44 １２０時間 3.42 4.13 ２４０時間 4.69 4.56 ４８０時間 7.35 8.05 ＊スーパーＵＶテスター（大日本プラスチックス（株）
製の耐候性試験機）９０ｍＷ／ｃｍ2の紫外線強度で照
射した後のＹＩを測定。処理品の防汚層は光によって劣
化（黄変）していない。黄変しているのはポリカーボネ
ート系樹脂基板である。防汚層は光に対して長期に安定
していることがわかる。 帯電防止性能 処理品 未処理品 半減期（秒） ４〜１ １８０以上 ＊スタティック・オネストメーター（シシド（株）製）
を使用して試験片に強制的に静電気を与え、その半減期
（秒）を測定することにより行った。秒数が小さいほど
帯電防止能が大きいことを示す。処理品は帯電防止性能
に優れており空気中に浮遊しているゴミやホコリを付着
し難い性能を有している。なお、性能評価において「処
理品」とは「耐候性付与層」の上に「バインダー層」と
「防汚層」を設けたものである。
耐候性付与層を積層したポリカボネート樹脂基板を準備
した。 ポリカーボネート樹脂：ビスフェノールＡのポリカーボ
ネート樹脂〔 “ユーピロン”（三菱エンジニアリング
プラスチックス社製）〕 基板：２ｍｍ（厚み）×１ｍ×１ｍ 耐候性付与層：膜厚４０μｍ 紫外線吸収剤としてトリアジン系化合物（２−（４，６
−ジフェニル−１，３，５−トリアジン−２−イル）−
５−〔（ヘキシル）オキシ〕−フェノール）〔“チヌピ
ン１５７７”（チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式
会社製）〕を、上記ポリカーボネート樹脂１００重量部
に対して５重量部程度含有 （２）次いで、耐候性付与層の上およびポリカーボネー
ト系樹脂基板の他面にバインダー層をそれぞれ積層し
た。メトキシプロパノールを希釈溶媒として、メチルメ
タクリレート−メタクリルトリアルコキシシラン共重合
体〔“ＡＣＲＩＦＩＸ１２０”（レーム社製）〕の３％
程度の均一塗剤を膜厚的７μｍに塗布し、塗布層を熱風
乾燥機（８０℃）中で５分間乾燥させ、膜厚約０．７μ
ｍのバインダー層を形成した。 （３）続いて、各バインダー層の上に防汚層を積層し
た。脱イオン水を希釈溶媒として、水性珪酸ゾル（コロ
イダルシリカ）〔“ＡＣＲＩＦＩＸ１２２”（レーム社
製）〕の濃度８％程度の均一塗剤を膜厚約７μｍに塗布
し、塗布層を熱風乾燥機（８０℃）中で５分間乾燥さ
せ、膜厚約０．５μｍ（１．３ｇ／ｍ2）の防汚層を形
成した。 （４）得られたポリカーボネート樹脂板の性能は次のと
おりである。 防汚性 接触角（濡れ性の指標） 処理品 未処理品 イニシャル １１° ７２° ６０時間 １３ ７５ １２０時間 １３ ６７ ２４０時間 １１ ６４ ４８０時間 １２ ５５ ＊スーパーＵＶテスター（大日本プラスチックス（株）
製の耐候性試験機）９０ｍＷ／ｃｍ2の紫外線強度で照
射した後の接触角の測定。６０時間は屋外で１年相当。
長時間光及び熱（試験機の中の温度は４５℃）に暴露さ
れても表面の濡れ性（親水性）は長期に亘って安定して
いる。従って、たとえ表面に僅かのホコリがついても屋
外では雨水等で簡単に洗い流され、表面に水滴はできな
い。未処理品は光の作用で表面が酸化されて幾分親水性
が出てきているが、防汚性の目安としては接触角２０°
以下が必要である。 耐候性（ＹＩ＝イエローインデックス） 処理品 未処理品 イニシャル 0.99 0.81 ６０時間 2.65 2.44 １２０時間 3.42 4.13 ２４０時間 4.69 4.56 ４８０時間 7.35 8.05 ＊スーパーＵＶテスター（大日本プラスチックス（株）
製の耐候性試験機）９０ｍＷ／ｃｍ2の紫外線強度で照
射した後のＹＩを測定。処理品の防汚層は光によって劣
化（黄変）していない。黄変しているのはポリカーボネ
ート系樹脂基板である。防汚層は光に対して長期に安定
していることがわかる。 帯電防止性能 処理品 未処理品 半減期（秒） ４〜１ １８０以上 ＊スタティック・オネストメーター（シシド（株）製）
を使用して試験片に強制的に静電気を与え、その半減期
（秒）を測定することにより行った。秒数が小さいほど
帯電防止能が大きいことを示す。処理品は帯電防止性能
に優れており空気中に浮遊しているゴミやホコリを付着
し難い性能を有している。なお、性能評価において「処
理品」とは「耐候性付与層」の上に「バインダー層」と
「防汚層」を設けたものである。
【００１５】
この試験は６０℃の温水に両品を浸漬し、各浸漬後の表
面の性能を確認した。処理品は長期に亘って初期の性能
を保持し、処理層が水に対しても安定性を有しているこ
とがわかった。
面の性能を確認した。処理品は長期に亘って初期の性能
を保持し、処理層が水に対しても安定性を有しているこ
とがわかった。
【００１６】
【発明の効果】本発明によれば、ポリカーボネート系樹
脂板の耐候性付与面に、無機コロイド物質から得られる
層を、特定のバインダーを介してコーテイングするとい
う、防曇性を付与する方法と類似の方法を適用すること
によって、ポリカーボネート系樹脂の耐候性を保持した
まま、その耐候性付与面の防汚性にも優れたポリカーボ
ネート系樹脂板を提供できる。
脂板の耐候性付与面に、無機コロイド物質から得られる
層を、特定のバインダーを介してコーテイングするとい
う、防曇性を付与する方法と類似の方法を適用すること
によって、ポリカーボネート系樹脂の耐候性を保持した
まま、その耐候性付与面の防汚性にも優れたポリカーボ
ネート系樹脂板を提供できる。
【図１】本発明に係る防汚性に優れたポリカーボネート
系樹脂板の一つの実施の形態を示す概略構成説明拡大断
面図である。
系樹脂板の一つの実施の形態を示す概略構成説明拡大断
面図である。
【図２】図１の詳細構成説明断面図である。
１ ポリカーボネート樹脂板
２ ポリカーボネート樹脂基板
３ 外層部
４ 内層部
５ 耐候性付与層
６ バインダー層
７ 外被覆層（防汚層）
８ バインダー層
９ 内被覆層（防曇層）
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 ＦＩ テーマコート゛(参考）
Ｃ０９Ｄ 133/00 Ｃ０９Ｄ 133/00
143/04 143/04
169/00 169/00
201/00 201/00
Ｆターム(参考） 4F100 AA19D AA19E AA20D AA20E
AA21D AA21E AH03B AH03H
AH07B AH07H AK25B AK25C
AK25E AK25J AK45A AK45B
AK52C AK52E AK52J BA05
BA07 BA10D BA10E BA13
CA07B DE01D DE01E GB07
JB05D JB05E JL06 JL09B
4J038 AA011 CG001 CG141 DE001
GA15 HA216 HA371 HA446
HA456 JB36 KA12 KA20
NA03 NA05 PB05 PC08
4J100 AL03P AL08Q BA77Q CA04
JA03
Claims (6)
- 【請求項１】 ポリカーボネート系樹脂基板の一方の面
に、紫外線吸収剤を含有するポリカーボネート系樹脂ま
たはアクリル系樹脂からなる耐候性付与層と、アルコキ
シシリル基を有するアクリル系樹脂からなるバインダー
層と、無機コロイド物質から得られる防汚層とを順に積
層してなる防汚性に優れたポリカーボネート系樹脂板。 - 【請求項２】 ポリカーボネート系樹脂基板の他方の面
に、アルコキシシリル基を有するアクリル系樹脂からな
るもう一つのバインダー層と、無機コロイド物質から得
られるもう一つの防汚層とを順に積層してなる請求項１
に記載のポリカーボネート系樹脂板。 - 【請求項３】 防汚層が、コロイダルシリカおよび／ま
たはコロイダルアルミナの無機コロイド物質から得られ
る親水性の層である請求項１または２に記載のポリカー
ボネート系樹脂板。 - 【請求項４】 アルコキシシリル基を有するアクリル系
樹脂が、メチルメタクリレートーメタクリルトリアルコ
キシシラン共重合体である請求項１〜３のいずれか一つ
に記載のポリカーボネート系樹脂板。 - 【請求項５】 紫外線吸収剤が、トリアジン系化合物で
ある請求項１〜４のいずれか一つに記載のポリカーボネ
ート系樹脂板。 - 【請求項６】 無機コロイド物質が、その粒子の大きさ
を１０〜５０ｎｍとしてなる請求項１〜５のいずれか一
つに記載のポリカーボネート系樹脂板。
Priority Applications (1)
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|---|---|---|---|
| JP2001232387A JP2003039621A (ja) | 2001-07-31 | 2001-07-31 | 防汚性に優れたポリカーボネート樹脂板 |
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|---|---|
| JP2003039621A true JP2003039621A (ja) | 2003-02-13 |
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|---|---|---|---|
| JP2001232387A Pending JP2003039621A (ja) | 2001-07-31 | 2001-07-31 | 防汚性に優れたポリカーボネート樹脂板 |
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|---|---|
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