JP2017140818A - 樹脂積層体、建築部材、および、樹脂積層体の製造方法 - Google Patents

樹脂積層体、建築部材、および、樹脂積層体の製造方法 Download PDF

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弘行 谷山
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Abstract

【課題】ハードコート層の形成時または形成後における外観不良の発生が抑制され、透明性、耐擦傷性、防汚性および耐候性を兼ね備えた樹脂積層体を提供する。【解決手段】熱可塑性樹脂組成物aを主成分とする樹脂層A、熱可塑性樹脂組成物bを主成分とする樹脂層B、および硬化性樹脂組成物cから形成される樹脂層Cの少なくとも三層をこの順に積層してなる樹脂積層体において、JIS K 7244に準拠し、周波数10Hz、上記熱可塑性樹脂組成物bのガラス転移温度Tg(b)−20℃の条件で行われる動的粘弾性引張法により測定される、上記熱可塑性樹脂組成物aの貯蔵弾性率E´(a)と上記熱可塑性樹脂組成物bの貯蔵弾性率E´(b)とが以下の関係式(I)を満たす、樹脂積層体とする。E´(b)>E´(a) ・・・(I)【選択図】なし

Description

本発明は樹脂積層体、建築部材、および、樹脂積層体の製造方法に関する。詳細には、カーポート、テラスの屋根材、道路用透光遮音壁板等、その他建築物の壁材に使用される、透明性、耐擦傷性、防汚性および耐候性に優れる樹脂積層体等に関する。
ポリカーボネート樹脂は透明性、耐衝撃性に優れる反面、傷付き易く、降雨や排気ガス等によって汚れが付着することにより、使用中にしばしば外観が損なわれる。そのため耐擦傷性向上や防汚性向上のためハードコート層のコーティング処理を行い、それらの欠点をカバーしている。
ポリカーボネート樹脂からなる基材にハードコート層を直接コーティングする技術としては、例えば、ディップコート法、フローコーティング法、スプレー法のような手法がある。しかし、これらの方法では、コーティングに必要なハードコート剤が多くなったり、コーティング欠陥が発生した場合にはリコートをする必要がある等の問題があり、特に、リコートする場合には、機能性の低下が発生したり、リコート性を高めるためのプライマー塗布工程が必要になる等の問題があった。また、これらの方法で作製した積層体は、基材とハードコート層との密着性に問題があり、特に屋外で長時間使用した場合に、ハードコート層が剥がれ落ちる問題があった。さらに、特に、ディップコート法やスプレーコート法により基材に直接ハードコート層をコーティングする場合は、製造時の温度、湿度管理、雰囲気管理、振動対策等の複雑な管理を行う必要があるため、複合的で高度な設備が要求され、ランニングコストがかかるという問題があった。
また、真空蒸着法、スパッタリング、イオンスプレーコーティング等の物理的気相成長法や、熱CVD法、プラズマCVD法、光CVD法等の化学気相成長法により、ハードコート層(硬化性樹脂層)を表面に形成する方法もあるが、これらの方法でも基材とハードコート層との密着性に問題が生じる場合や、形成時にクラックが生じたり使用中にハードコート層が剥離したりする問題があった。
上記問題を改良するために、基材にラミネート剤を介して積層することによって、または、基材を押し出し成形すると同時に積層することによって、ハードコート層を有するフィルムをラミネートする方法が知られている。例えば特許文献1には、ハードコート層を有するフィルムを、被着体にラミネート剤によって貼り合せる方法が開示されている。
また、別の方法として、基材とハードコート層との間にアクリル系、ポリエステル系等の接着層を設ける方法やシランカップリング剤を使用する方法、基材にコロナ処理、プラズマ処理等による表面処理を施してハードコート層を設ける方法も知られている。例えば、特許文献2には、透光性樹脂基材の表面に接着層を介してハードコート層を形成した透光性ハードコート樹脂成形体であって、接着層にはハードコート層を形成するハードコート剤がハードコート層側ほど多く含有されているか、ハードコート層から透光性樹脂基材に向かって漸減する構成とした透光性ハードコート樹脂成形体が開示されている。
特開平11−268195号公報 特開2004−299195号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方法によってもハードコート層の密着性は不十分であり、特に、基材を押し出し成形すると同時にハードコート層を有するフィルムをラミネートする場合には、ハードコート層にクラックが発生したり、使用中に剥離したりするという問題があった。また、特許文献2に記載の方法では、透明性が低下したり、主にハードコート層形成時にクラックが発生したりして、外観が低下するといった問題があった。さらに、特許文献1および2に記載の方法によっては、高温度環境などの過酷な環境下で長期使用することにより、ハードコート層が剥離しないまでも、耐擦傷性や防汚性等が損なわれて劣化することがあり、さらなる耐候性の向上が求められていた。
そこで、本発明はハードコート層の形成時または形成後における外観不良の発生が抑制され、透明性、耐擦傷性、防汚性および耐候性を兼ね備えた樹脂積層体を提供することを課題とする。
本発明者らは鋭意検討の結果、接着層(樹脂層A)とハードコート層(樹脂層C)との間に表層(樹脂層B)を設け、接着層および表層の主成分である熱可塑性樹脂組成物の貯蔵弾性率を調整することにより、上記課題を解決可能であることを見出した。
すなわち上記課題は、下記(1)〜(24)の本発明により達成される。
(1)熱可塑性樹脂組成物aを主成分とする樹脂層A、熱可塑性樹脂組成物bを主成分とする樹脂層B、および硬化性樹脂組成物cから形成される樹脂層Cの少なくとも三層をこの順に積層してなる樹脂積層体において、JIS K 7244に準拠し、周波数10Hz、上記熱可塑性樹脂組成物bのガラス転移温度Tg(b)−20℃の条件で行われる動的粘弾性引張法により測定される、上記熱可塑性樹脂組成物aの貯蔵弾性率E´(a)と上記熱可塑性樹脂組成物bの貯蔵弾性率E´(b)とが以下の関係式(I)を満たす、樹脂積層体。
E´(b)>E´(a) ・・・(I)
(2)上記熱可塑性樹脂組成物aのガラス転移温度Tg(a)と上記ガラス転移温度Tg(b)とが以下の関係式(II)を満たす、(1)に記載の樹脂積層体。
Tg(b)>Tg(a) ・・・(II)
(3)上記貯蔵弾性率E´(b)が2×10Pa以上である、(1)または(2)に記載の樹脂積層体。
(4)上記樹脂層Bの厚みが10〜100μmである、(1)〜(3)のいずれか一項に記載の樹脂積層体。
(5)上記ガラス転移温度Tg(a)と上記ガラス転移温度Tg(b)とが以下の関係式(III)を満たす、(2)〜(4)のいずれか一項に記載の樹脂積層体。
Tg(b)−60℃≦Tg(a)≦Tg(b)−20℃ ・・・(III)
(6)上記熱可塑性樹脂組成物aおよび上記熱可塑性樹脂組成物bが、ポリカーボネート系樹脂を主成分とする、(1)〜(5)のいずれか一項に記載の樹脂積層体。
(7)上記ガラス転移温度Tg(a)が100〜130℃である、(2)〜(6)のいずれか一項に記載の樹脂積層体。
(8)上記熱可塑性樹脂組成物aが、ポリカーボネート系樹脂とPCTG樹脂との混合物を主成分とする、(1)〜(7)のいずれか一項に記載の樹脂積層体。
(9)上記樹脂層Aの上記樹脂層Bが積層されていない側の面に、熱可塑性樹脂組成物dを主成分とする樹脂層Dを積層してなる、(1)〜(8)のいずれか一項に記載の樹脂積層体。
(10)上記ガラス転移温度Tg(a)と上記熱可塑性樹脂組成物dのガラス転移温度Tg(d)とが以下の関係式(IV)を満たす、(9)に記載の樹脂積層体。
Tg(d)>Tg(a) ・・・(IV)
(11)JIS K 7244に準拠し、周波数10Hz、上記ガラス転移温度Tg(d)−20℃の条件で行われる動的粘弾性引張法により測定される、上記貯蔵弾性率E´(a)と上記熱可塑性樹脂組成物dの貯蔵弾性率E´(d)とが以下の関係式(V)を満たす、(9)または(10)に記載の樹脂積層体。
E´(d)>E´(a) ・・・(V)
(12)上記樹脂層Aの上記樹脂層Bが積層されていない側の面に、熱可塑性樹脂組成物eを主成分とする樹脂層Eおよび熱可塑性樹脂組成物dを主成分とする樹脂層Dをこの順に積層してなる、(1)〜(8)のいずれか一項に記載の樹脂積層体。
(13)上記ガラス転移温度Tg(a)と上記熱可塑性樹脂組成物eのガラス転移温度Tg(e)とが以下の関係式(VI)を満たす、(12)に記載の樹脂積層体。
Tg(e)>Tg(a) ・・・(VI)
(14)JIS K 7244に準拠し、周波数10Hz、上記熱可塑性樹脂組成物eのガラス転移温度Tg(e)−20℃の条件で行われる動的粘弾性引張法により測定される、上記貯蔵弾性率E´(a)と上記熱可塑性樹脂組成物eの貯蔵弾性率E´(e)とが以下の関係式(VII)を満たす、(12)または(13)に記載の樹脂積層体。
E´(e)>E´(a) ・・・(VII)
(15)上記熱可塑性樹脂組成物dおよび上記熱可塑性樹脂組成物eが、ポリカーボネート系樹脂を主成分とする、(12)〜(14)のいずれか一項に記載の樹脂積層体。
(16)上記硬化性樹脂組成物cが光硬化性である、(1)〜(15)のいずれか一項に記載の樹脂積層体。
(17)上記硬化性樹脂組成物cが、シリコン変性アクリル樹脂を30質量%以上70質量%以下、コロイダルシリカを5質量%以上30質量%以下およびウレタン(メタ)アクリレートを10質量%以上50質量%以下含む、(1)〜(16)のいずれか一項に記載の樹脂積層体。
(18)上記熱可塑性樹脂組成物bが、紫外線吸収剤および/またはヒンダードアミン系光安定剤を、熱可塑性樹脂成分100質量部に対し1〜15質量部含有する、(1)〜(17)のいずれか一項に記載の樹脂積層体。
(19)上記硬化性樹脂組成物cが、紫外線吸収剤および/またはヒンダードアミン系光安定剤を、該硬化性樹脂組成物c中に1〜10質量%含有する、(1)〜(18)のいずれか一項に記載の樹脂積層体。
(20)上記樹脂層C側表面の水接触角が95°以上であり、かつ、超促進耐候性試験に300時間供した後の上記水接触角が85°以上である、(1)〜(19)のいずれか一項に記載の樹脂積層体。
(21)ラミネートフィルムに用いる、(1)〜(8)のいずれか一項に記載の樹脂積層体。
(22)(1)〜(21)のいずれか一項に記載の樹脂積層体を有する建築部材。
(23)上記樹脂層Aおよび上記樹脂層Bを積層する第1工程と、上記樹脂層Bに上記樹脂層Cを積層する第2工程と、上記樹脂層Dを形成する第3工程と、上記樹脂層Aの上記樹脂層Bが積層されていない側の面が上記樹脂層Dに接するように上記樹脂層Aに上記樹脂層Dを積層し熱接着する第4工程と、を上記順に有すること特徴とする、(9)に記載の積層体の製造方法。
(24)上記樹脂層Aおよび上記樹脂層Bを積層する第1工程と、上記樹脂層Bに上記樹脂層Cを積層する第2工程と、上記樹脂層Dおよび上記樹脂層Eを積層する第3工程と、上記樹脂層Aの上記樹脂層Bが積層されていない側の面が上記樹脂層Eに接するように上記樹脂層Aに上記樹脂層Eを積層し熱接着する第4工程と、を上記順に有すること特徴とする、(12)に記載の積層体の製造方法。
本発明において、「PCTG樹脂」とは、ポリエチレンテレフタレートの構成成分であるエチレングリコールの一部を1,4−シクロヘキサンジメタノールで置換してなるポリエステル系樹脂であって、エチレングリコールの1,4−シクロヘキサンジメタノールへの置換率が50モル%以上である樹脂を意味する。
本発明において、「超促進耐候性試験」とは、超促進耐候性試験機(岩崎電気(株)製「アイ スーパーUVテスターSUV−151W」)を用いて、以下の3工程を1サイクルとする促進耐候性試験を行うことを意味する。
(1)UV照射工程(照射強度:75mW/cm、温度:53℃、湿度:50%、シャワー3秒/59分)6時間
(2)結露工程(温度:60℃、湿度:90%)4時間
(3)休止工程2時間
超促進耐候性試験後における各種特性の劣化の度合いは、高温度環境などの過酷な環境下で長期使用できることの指標となる。
本発明によれば、ハードコート層の形成時または形成後におけるクラック等の外観不良の発生が抑制され、透明性、耐擦傷性、防汚性および耐候性を兼ね備えた樹脂積層体を提供することができる。
以下、本発明の実施形態の一例としての樹脂積層体について説明する。但し、本発明は、この樹脂積層体に限定されるものではない。なお、特に断らない限り、数値AおよびBについて「A〜B」という表記は「A以上B以下」を意味するものとする。かかる表記において数値Bのみに単位を付した場合には、当該単位が数値Aにも適用されるものとする。
また、本発明で言う「主成分」とは、質量比率が50質量%以上であり、好ましくは60質量%以上であり、より好ましくは70質量%以上であり、さらに好ましくは80質量%以上であることを意味する。
本発明の樹脂積層体は、熱可塑性樹脂組成物aを主成分とする樹脂層A、熱可塑性樹脂組成物bを主成分とする樹脂層B、および硬化性樹脂組成物cから形成される樹脂層Cの少なくとも三層をこの順に積層してなる。
以下に、樹脂積層体を構成する樹脂層A、樹脂層Bおよび樹脂層Cについて順に説明する。
<樹脂層A>
本発明における樹脂層Aは、熱可塑性樹脂組成物aを主成分とする。樹脂層Aを有することにより、樹脂層Bおよび樹脂層Cと、樹脂層Aの樹脂層Bが積層されていない側に積層される層との接着性が良好となる。
熱可塑性樹脂組成物aについて、ガラス転移温度が100℃以上130℃以下であることが好ましく、102℃以上125℃以下であることがより好ましく、103℃以上120℃以下であることがさらに好ましく、105℃以上115℃以下であることが特に好ましい。ガラス転移温度が高すぎると熱ラミネート性が低下し、ガラス転移温度が低すぎると、ラミネート時に硬化性樹脂組成物cからなる樹脂層Cにクラックが入るなどの問題が生じやすい。なお、本発明におけるガラス転移温度は、JIS K 7244に準拠して測定される損失正接(tanδ)のピーク温度をいう。具体的には、0℃から測定可能な温度範囲で、昇温速度3℃/min、周波数10Hzの条件で動的粘弾性引張測定を行い、得られるtanδのピーク温度を求め、ガラス転移温度とする。
熱可塑性樹脂組成物aは、上記の好ましいガラス転移温度を満足するものであれば、いずれのものも好ましく用いられるが、ポリカーボネート系樹脂を主成分とするものがより好ましく、中でも、ポリエチレンテレフタレートの構成成分であるエチレングリコールの一部を1,4−シクロヘキサンジメタノールで置換してなるポリエステル系樹脂を含むポリカーボネート系樹脂を主成分とするものが好ましい。ポリカーボネート系樹脂と、ポリエチレンテレフタレートの構成成分であるエチレングリコールの一部を1,4−シクロヘキサンジメタノールで置換してなるポリエステル系樹脂(以下、「1,4−シクロヘキサンジメタノール置換ポリエステル系樹脂」ということがある。)とを混合して用いる場合は、その混合比は質量比(ポリカーボネート系樹脂/1,4−シクロヘキサンジメタノール置換ポリエステル系樹脂)で、15/85以上50/50以下の範囲とすることが好ましく、20/80以上40/60以下の範囲とすることがより好ましい。
ポリカーボネート系樹脂は、特に限定されるものではないが、中でも、ビスフェノールAと、ホスゲンまたはジフェニルカーボネートとがカーボネート結合されている芳香族系ポリカーボネート樹脂が好ましく、一般に、界面重縮合やエステル交換反応などで合成される。その作製法は特に限定されないが、ポリカーボネート系樹脂としては、例えば三菱エンジニアリングプラスチック株式会社製「ユーピロンH−3000」を用いることができる。
1,4−シクロヘキサンジメタノール置換ポリエステル系樹脂について、エチレングリコールの1,4−シクロヘキサンジメタノールへの置換率が50モル%以上であるPCTG樹脂が好ましく、PCTG樹脂における置換率の上限は75モル%未満であることが好ましい。このようなポリエステル系樹脂としては、SKChemicals社製「SKYGREEN J2003」が商業的に入手可能なものとして挙げられる。
また、熱可塑性樹脂組成物aの主成分としては、さらに、
(i)trans−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸とtrans−/cis−1,4−シクロヘキサンジメタノールとの重縮合物等の脂環式ポリエステル樹脂とポリカーボネート系樹脂とを含む樹脂組成物
(ii)ポリカプロラクトン等のカプロラクトン系重合体とポリカーボネート系樹脂とを含む樹脂組成物
(iii)ビスフェノールCを原料とするポリカーボネート系樹脂(C−PC樹脂)を含む樹脂組成物。好ましくはC−PC樹脂とビスフェノールAを原料とするポリカーボネート系樹脂(A−PC樹脂)との混合物を含む樹脂組成物
(iv)ビスフェノールCとビスフェノールAとの共重合体を含む樹脂組成物
(v)反可塑剤として知られているオルトターフェニルやメタターフェニル等のターフェニル化合物および/またはビフェニル化合物を含むポリカーボネート系樹脂組成物
(vi)(縮合)リン酸エステル化合物を含むポリカーボネート系樹脂組成物
等が、好ましく挙げられる。
上記(i)の場合、脂環式ポリエステル樹脂とは、脂環式ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体を主成分とするジカルボン酸成分と脂環式ジオールを主成分とするジオール成分とを、エステル化またはエステル交換反応させ、次いで、重縮合反応させてなるものをいう。脂環式ポリエステル樹脂としては、例えば、特開2007−077263号公報に記載のものを使用することができ、その含有量は、ポリカーボネート系樹脂組成物中の好ましくは15〜60質量%、より好ましくは20〜50質量%、さらに好ましくは30〜50質量%である。
上記(ii)の場合、カプロラクトン系重合体としては、例えば、特開2007−131679号公報に記載のものを使用することができ、その含有量は、ポリカーボネート系樹脂組成物中の好ましくは1〜20質量%、より好ましくは3〜15質量%、さらに好ましくは5〜10質量%である。
上記(iii)の場合、ビスフェノールCを原料とするポリカーボネート系樹脂(C−PC樹脂)としては、例えば、特開2013−064045号公報に記載のものを使用することができ、その含有量は、ポリカーボネート系樹脂組成物中の好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上、特に好ましくは85質量%以上である。耐衝撃性の観点から、上限は好ましくは95質量%、より好ましくは90質量%である。
上記(iv)の場合、ビスフェノールCとビスフェノールAとの共重合体としては、例えば、特開2013−112781号公報に記載のものを使用することができ、その含有量は、ポリカーボネート系樹脂組成物中の好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上、特に好ましくは90質量%以上である。共重合体の含有量は、ビスフェノールCとビスフェノールAとの共重合割合を勘案し、所望のガラス転移点となるように、適宜調整すればよい。
上記(v)の場合、反可塑剤としては、特開2004−354131号公報に記載のものを使用することができ、その含有量は、ポリカーボネート系樹脂組成物中の好ましくは1〜15質量%、より好ましくは3〜10質量%、さらに好ましくは4〜8質量%である。
上記(vi)の場合、(縮合)リン酸エステルとしては、ポリカーボネート系樹脂に難燃剤として用いられる公知のものが挙げられ、例えば、特表2005−507445号公報に記載のものを使用することができ、その含有量は、ポリカーボネート系樹脂組成物中の好ましくは10〜50質量%、より好ましくは15〜40質量%、さらに好ましくは20〜35質量%である。
樹脂層Aに含まれる熱可塑性樹脂組成物aの含有量は、樹脂層Aに含まれる全成分の合計を100質量%として、樹脂層Aに十分な接着性を付与する観点から、80質量%以上であることが好ましく、85質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることがさらに好ましい。
また、樹脂層Aには、本発明の目的を阻害しない範囲で、紫外線吸収剤、光安定剤、耐衝撃性改質剤、増粘剤、ブロッキング防止剤、帯電防止剤等の各種添加剤を含有することができる。
樹脂層Aの厚みは、10μm以上100μm以下であることが好ましく、20μm以上90μm以下であることがより好ましく、30μm以上80μm以下であることがさらに好ましい。樹脂層Aにある程度の厚みを持たせることによって、積層時の作業性が良好になり、熱接着後に十分な接着強度を付与することが可能となる。また、樹脂層Aをある程度薄くすることにより、厚み方向の熱抵抗を低くすることができるので、熱接着性をより向上させることができ、コストを抑えることもできる。
<樹脂層B>
本発明の樹脂積層体は、樹脂層Aと後述する樹脂層Cとの間に、熱可塑性樹脂組成物bを主成分とする樹脂層Bを有する。樹脂層Bを設けることにより、樹脂層Aと樹脂層Cとの弾性率差が原因で、樹脂層Cにクラックが発生することを容易に抑制できる。
熱可塑性樹脂組成物bはポリカーボネート系樹脂を主成分とすることが好ましい。熱可塑性樹脂組成物bに用いるポリカーボネート系樹脂としては、樹脂層Aに用いるポリカーボネート系樹脂と同様のものを使用することができるが、後述する関係式(I)〜(III)を満たし易くするものとして、例えば、三菱エンジニアリングプラスチック社製「ノバレックスM7027U」「ノバレックスM7027U−15X」等が挙げられる。樹脂層Bに含まれる熱可塑性樹脂組成物bの含有量は、樹脂層Bに含まれる全樹脂成分の合計を100質量%として、60質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることがさらに好ましく、90質量%以上であることが特に好ましく、95質量%以上であることが最も好ましい。熱可塑性樹脂組成物bの含有量が上記範囲にあることにより、樹脂積層体製造時の張力条件等の製造条件を過度に調整することが不要で樹脂層Cでのクラック発生を容易に抑制でき、さらに、樹脂層Bに十分な耐衝撃性を付与することができる。
また、樹脂層Bには、熱可塑性樹脂組成物bに加えて、例えば、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤等の各種添加剤を含有することができ、中でも紫外線吸収剤を含有することが好ましい。紫外線吸収剤を含有する場合は、樹脂層Bに含まれる全樹脂成分の合計100質量部に対し、紫外線吸収剤を1〜15質量部含むことが好ましく、3〜10質量部含むことがより好ましい。
樹脂層Bの厚みは、樹脂層Cにクラックを発生させにくくする観点から10〜100μmであることが好ましく、15〜80μmであることがより好ましく、20〜60μmであることがさらに好ましく、20〜50μmであることが特に好ましい。
<樹脂層Aと樹脂層Bとの関係>
本発明において、JIS K 7244に準拠し、周波数10Hz、上記熱可塑性樹脂組成物bのガラス転移温度Tg(b)−20℃の条件で行われる動的粘弾性引張法により測定される、上記熱可塑性樹脂組成物aの貯蔵弾性率E´(a)と上記熱可塑性樹脂組成物bの貯蔵弾性率E´(b)とが以下の関係式(I)を満たすことが重要である。
E´(b)>E´(a) ・・・(I)
E´(a)とE´(b)とが上記関係式(I)を満たすことにより、樹脂積層体製造時の張力条件等の製造条件を過度に調整することが不要で樹脂層Cでのクラック発生を抑制でき、さらに、樹脂層Aに十分な熱接着性を付与することが容易となる。
上記関係式(I)を満たし易くする観点から、熱可塑性樹脂組成物bの貯蔵弾性率E´(b)が2×10Pa以上であることが好ましく、4×10Pa以上であることがより好ましく、1×10Pa以上であることがさらに好ましい。一方、上記関係式(I)を満たし易くする観点から、上記熱可塑性樹脂組成物aの貯蔵弾性率E´(a)は、5×10Pa以下であることが好ましく、1×10Pa以下であることがより好ましく、8×10Pa以下であることがさらに好ましい。
本発明において、熱可塑性樹脂組成物aのガラス転移温度Tg(a)と上記ガラス転移温度Tg(b)とが以下の関係式(II)を満たすことが好ましい。
Tg(b)>Tg(a) ・・・(II)
Tg(a)とTg(b)とが上記関係式(II)を満たすことにより、樹脂積層体製造時の張力条件等の製造条件を過度に調整することが不要で樹脂層Cのクラック発生を抑制でき、さらに樹脂層Aに十分な熱接着性を付与することが容易となる。
さらに、熱可塑性樹脂組成物aのガラス転移温度Tg(a)と上記ガラス転移温度Tg(b)とが以下の関係式(III)を満たすことが好ましい。
Tg(b)−60℃≦Tg(a)≦Tg(b)−20℃ ・・・(III)
Tg(a)とTg(b)とが上記関係式(III)を満たすことにより、樹脂積層体製造時の張力条件等の製造条件を過度に調整することが不要で樹脂層Cのクラック発生を抑制でき、さらに樹脂層Aに十分な熱接着性を付与することが容易となる。
<樹脂層C>
本発明における樹脂層Cは、樹脂積層体に優れた耐擦傷性を付与する役割を果たす。樹脂層Cの耐擦傷性について、#0000のスチールウールを用いて荷重1000gfで擦ったときに、増加ヘイズ値が30%以下となることが好ましい。
[硬化性樹脂組成物c]
樹脂層Cは硬化性樹脂組成物cから形成されるものである。本発明に用いる硬化性樹脂組成物cは光硬化性であることが好ましく、例えば、電子線、放射線、紫外線などのエネルギー線を照射することにより硬化することが好ましい。中でも紫外線硬化性であることがより好ましい。
また、本発明の硬化性樹脂組成物cはシリコン変性アクリル樹脂を30質量%以上70質量%以下、コロイダルシリカを5質量%以上30質量%以下含むことが好ましい。
(シリコン変性アクリル樹脂)
本発明の好ましい形態に用いられるシリコン変性アクリル樹脂は、特に制限されるものではないが、ポリシロキサン構造と(メタ)アクリル基とを含む化合物を含有するものが好ましく、かつグラフト共重合体であることがより好ましい。
好ましいシリコン変性アクリル樹脂としては、(1)ウレタン結合を介してラジカル重合性不飽和結合を有する硬化性基含有アクリル系(共)重合体(以下、単に「成分(1)」ということがある。)と、(2)片末端ラジカル重合性ポリシロキサン(以下、単に「成分(2)」ということがある。)とを、好ましくはランダム共重合するという製造方法によって得られるグラフト共重合体が挙げられる。必要に応じて、(3)片末端ラジカル重合性ポリアルキレングリコール(以下、単に「成分(3)」ということがある。)および/または(4)成分(1)、成分(2)および成分(3)とは異なるラジカル重合性単量体(以下、単に「成分(4)」ということがある。)を共重合するという製造方法によって得られる。
(1)ウレタン結合を介してラジカル重合性不飽和結合を有する硬化性基含有アクリル系(共)重合体
成分(1)は、有機溶剤に可溶であるものが好ましく、例えば、水酸基を有しかつ有機溶剤に可溶なる硬化性基含有アクリル系(共)重合体とイソシアネート基を有するラジカル重合性単量体とを反応させることによって得ることができる。
水酸基を有しかつ有機溶剤に可溶なる硬化性基含有アクリル系(共)重合体は、その構成成分として少なくとも水酸基含有単量体と(メタ)アクリル酸エステル類とから構成されるものであれば特に限定されるものではない。硬化性基とは、グラフト共重合体を硬化剤と反応させて硬化塗膜等を形成するために用いられる基をいう。
水酸基を有しかつ有機溶剤に可溶なる硬化性基含有アクリル系(共)重合体は公知の方法で調製することができ、また、市販品を用いることもできる。市販品としては、DIC社製のアクリディックA−801、A−801−P、A−807、A−808、A−809、A−810−45、A−811、A−814、A−815−45、A−817、A−825−HV、A−832、A−834、AU−1042、FU−409、GU−1023、HU−596およびKU−697、住化コベストロウレタン社製デスモフェンA160、A260、A365、A450、A565、A665、TPLS2790、日立化成社製ヒタロイド3008、3020等を挙げることができる。
水酸基を有しかつ有機溶剤に可溶なる硬化性基含有アクリル系(共)重合体は、単独で使用してもよいし2種以上を混合して使用してもよい。
イソシアネート基を有するラジカル重合性単量体としては、例えば、メタクリロイルイソシアネート、2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレート、3−イソシアナトプロピル(メタ)アクリレート、4−イソシアナトブチル(メタ)アクリレート、2−イソシアナトブチル(メタ)アクリレート、イソシアナトメチルビニルケトン、(メタ)アクリロイルイソシアネート、m−もしくはp−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート等が挙げられ、中でも、メタクリロイルイソシアネート、2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレート、m−もしくはp−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネートが好ましい。
イソシアネート基を有するラジカル重合性単量体は、単独で使用してもよいし2種以上を混合して使用してもよい。
水酸基を有しかつ有機溶剤に可溶なる硬化性基含有アクリル系(共)重合体と前記のイソシアネート基を有するラジカル重合性単量体とから成分(1)を調製する反応では、イソシアネート基を有するラジカル重合性単量体を、水酸基を有しかつ有機溶剤に可溶なる硬化性基含有アクリル系(共)重合体の水酸基1当量あたり、好ましくは0.001〜0.1モル、より好ましくは0.01〜0.08モルの量で反応させる。反応は、無触媒下あるいは触媒存在下、室温〜80℃で行うことができる。
成分(1)は、使用する成分(1)および(2)の全量、成分(1)〜(3)の全量、成分(1)、(2)および(4)の全量または成分(1)〜(4)の全量に対して好ましくは2〜66質量%、より好ましくは4〜60質量%、さらに好ましくは5〜50質量%の範囲で用いられる。2質量%未満とすると塗膜としたときの水接触角、防汚性、耐候性が低下することがあり、66質量%を超えるとグラフト共重合体製造時にゲル化を起こすことがある。
(2)片末端ラジカル重合性ポリシロキサン
成分(2)は、直鎖状ポリシロキサン鎖の片末端にラジカル重合性不飽和結合部分を含むものであれば、特に制限はない。好ましくは、下記一般式(1)および/または下記一般式(2)で示される単量体を用いることができる。
Figure 2017140818
(一般式(1)中、Rは水素原子又は炭素原子数1〜10の炭化水素基であり、R、R、R、R及びRは互いに同一でも異なっていてもよい水素原子又は炭素原子数1〜10の炭化水素基であり、nは2以上の整数である。)
Figure 2017140818
(一般式(2)中、Rは水素原子又は炭素原子数1〜10の炭化水素基であり、R、R、R10、R11及びR12は互いに同一でも異なっていてもよい水素原子又は炭素原子数1〜10の炭化水素基であり、pは0〜10の整数であり、qは2以上の整数である。)
一般式(1)中、Rは水素原子、メチル基であることが好ましい。R、R、R、Rは、それぞれ独立してメチル基、フェニル基であることが好ましい。Rはメチル基、ブチル基、フェニル基であることが好ましい。また、nは好ましくは10以上の整数であり、より好ましくは30以上の整数である。
一般式(2)中、Rは水素原子、メチル基であることが好ましい。R、R、R10、R11は、それぞれ独立してメチル基、フェニル基であることが好ましい。R12はメチル基、ブチル基、フェニル基であることが好ましい。pは好ましくは1〜5の整数であり、より好ましくは3である。また、qは好ましくは10以上の整数であり、より好ましくは30以上の整数である。
成分(2)は公知の方法で調製することができ、また市販品を用いることもできる。市販品としては、例えば、JNC社製サイラプレーンFM−0711、FM−0721、FM−0725、信越シリコーン社製X−22−174DX等を挙げることができる。
成分(2)は単独で使用してもよいし2種以上を混合して使用してもよい。
成分(2)は、使用する成分(1)および(2)の全量、成分(1)〜(3)の全量、成分(1)、(2)および(4)の全量または成分(1)〜(4)の全量に対して好ましくは0.1〜40質量%、より好ましくは2〜30質量%の範囲で用いられる。0.1質量%未満とすると塗膜としたときの水接触角、防汚性が低下し、汚染物質の除去性が不十分となることがあり、40質量%を超えるとグラフト共重合体製造後に未反応で残存する成分が多くなり、塗膜の軟化、未反応成分のブリード等好ましくない事態を招くことがある。
(3)片末端ラジカル重合性ポリアルキレングリコール
成分(3)としては、片末端ラジカル重合性アルコキシポリアルキレングリコールが好ましく、下記一般式(3)で示されるものがより好ましい。
Figure 2017140818
(一般式(3)中、R13は水素原子又は炭素原子数1〜10の炭化水素基であり、R14は炭素原子数1〜10の炭化水素基であり、R15は炭素原子数1〜10の直鎖状又は分岐状のハロゲン原子で置換されていてもよい炭化水素基であり、lは1以上の整数であり、mは任意の整数である。)
一般式(3)中、R13は水素原子、メチル基であることが好ましい。R14はメチル基であることが好ましい。R15はアルキル基、フェニル基、アルキル置換フェニル基であることが好ましい。また、lは好ましくは2〜100の整数である。mは好ましくは0〜10の整数であり、より好ましくは0である。
成分(3)は公知の方法で調製することができるが、市販品を用いることもできる。市販品としては、例えば、日油社製のブレンマーPEシリーズ、AEシリーズ、PEPシリーズ、AEPシリーズ、PETシリーズ、AETシリーズ、PMEシリーズ、AMEシリーズ、POEPシリーズ、AOEPシリーズ、PLEシリーズ、ALEシリーズ、PSEシリーズ、ASEPシリーズ、PKEPシリーズ、AKEPシリーズ、ANEシリーズ、PNEPシリーズ、PNPEシリーズ、ANEPシリーズ、新中村化学工業社製のNKエステルM−20G、M−40G、M−90G、M−230G、AM−90G、AMP−20GY、AMP−60G、共栄社化学社製ライトエステルMC、MTG、130MA、041MA、ライトアクリレートBO−A、EC−A、MTG−A、130A等を挙げることができる。
成分(3)は単独で使用してもよいし2種以上を混合して使用してもよい。
成分(3)を用いる場合は、使用する成分(1)〜(3)の全量または成分(1)〜(4)の全量に対して0.1〜25質量%、好ましくは0.5〜20質量%、更に好ましくは1〜15質量%の範囲で用いられる。0.1質量%未満とすると塗膜としたときに静電気が発生して汚染物、特にほこりやちり等の粉状の汚染物質の除去性が不十分となる場合があり、25質量%を超えると塗膜の耐水性が低下することがある。
(4)その他のラジカル重合性単量体
成分(4)の具体例としては、例えば、スチレン、p−メチルスチレン、p−クロロメチルスチレン、またはビニルトルエン等のスチレン系単量体、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレートまたはベンジル(メタ)アクリレート等の炭化水素基をもつ(メタ)アクリレート系単量体、上記の(メタ)アクリレート系単量体の水素原子をフッ素原子、塩素原子または臭素原子等で置換した(メタ)アクリレート系単量体、酢酸ビニル、安息香酸ビニルまたは分岐状モノカルボン酸のビニルエステル等のビニルエステル系単量体、アクリロニトリルまたはメタクリロニトリル等のアクリロニトリル系単量体、エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、i−ブチルビニルエーテルまたはシクロヘキシルビニルエーテル等のビニルエーテル系単量体、(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミドまたはジアセトンアクリルアミド等のアクリルアミド系単量体等が挙げられ、中でも、成分(1)〜(3)との共重合性および耐候性の観点から、上記の(メタ)アクリレート系単量体およびスチレン系単量体が好ましく、(メタ)アクリレート系単量体がより好ましい。
成分(4)としては、上記の単量体を単独で用いても、あるいは2種類以上を混合して用いてもよい。
成分(4)を用いる場合は、成分(1)、(2)および(4)の全量または成分(1)〜(4)の全量に対し好ましくは15〜98質量%、より好ましくは25〜80質量%の範囲で用いられる。15質量%未満では、共重合時に相対的に成分(2)が多くなるため未反応単量体の残存を招く場合があり、98質量%を超えると相対的に成分(1)および(2)または成分(1)〜(3)の量が少なくなるために防汚性が低下し、汚染除去性が不十分となる場合がある。
シリコン変性アクリル樹脂の製造方法としては、公知慣用の任意の重合方法を用いることができ、中でも溶液ラジカル重合法または非水分散ラジカル重合法によるのが最も簡便であり、特に好ましい。
シリコン変性アクリル樹脂の分子量は特に限定されるものではないが、その質量平均分子量が、ポリスチレン換算のGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により、好ましくは5000〜2000000、より好ましくは10000〜1000000である。質量平均分子量が5000未満であると造膜性、塗膜としたときの耐候性、耐薬品性が低下しやすく、2000000を超えるとシリコン変性アクリル樹脂重合時にゲル化する危険がある。
シリコン変性アクリル樹脂としては、例えば、(株)T&K TOKA製の「ZX−201」などが挙げられる。
上記シリコン変性アクリル樹脂は、硬化性樹脂組成物cを100質量%として、30質量%以上70質量%以下含まれることが好ましく、40質量%以上60質量%以下含まれることがより好ましい。30質量%以上であれば、高温度環境などの過酷な環境下で長期使用する場合にも接触角を維持することが容易であり、70質量%以下であれば、耐擦傷性が低下し難い。
(コロイダルシリカ)
本発明に用いられるコロイダルシリカは、耐擦傷性を向上させ、かつ硬化性樹脂組成物cから形成される樹脂層の透明性を阻害しにくい。このようなコロイダルシリカとしては従来公知のコロイダルシリカから適宜選択して用いることが可能である。コロイダルシリカの粒子径としては、平均1次粒子径が5〜1000nmのものを用いることが好ましく、8〜100nmのものがより好ましく、10〜50nmのものが更に好ましく、10〜30nmのものが特に好ましい。平均1次粒子径が1000nm以下のコロイダルシリカを用いると透明性が低下しにくい。また、用いるコロイダルシリカの平均1次粒子径は一種類である必要はなく、異なる平均1次粒子径のコロイダルシリカを混合して用いることも可能である。なお、コロイダルシリカの平均1次粒子径は、BET法により測定される比表面積から求められる粒子径の算術平均値をいう。
コロイダルシリカに用いられる分散剤は、特に制限はないが、樹脂層Aに使用される熱可塑性樹脂組成物aや樹脂層Dの主成分である熱可塑性樹脂組成物dに影響を与えにくいものが好ましく、熱可塑性樹脂組成物aや熱可塑性樹脂組成物dに対する貧溶媒であるものがより好ましい。例えば、熱可塑性樹脂組成物aおよび熱可塑性樹脂組成物dがポリカーボネート系樹脂を主成分として含む場合は、例えば、メチルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、エチレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル類がより好ましい。
コロイダルシリカ中のシリカ(SiO)含有量は、10〜60質量%であることが好ましく、15〜50質量%であることがより好ましく、20〜45質量%であることがさらに好ましい。
コロイダルシリカの含有量は、硬化性樹脂組成物を100質量%として、5質量%以上、30質量%以下であることが好ましい。5質量%未満であれば、耐擦傷性の向上効果が小さくなりやすく、30質量%より多ければ、耐擦傷性の向上効果は飽和する傾向にある。
(光硬化性樹脂)
本発明の硬化性樹脂組成物cは、さらに、光硬化性樹脂を含有していることが好ましい。光硬化性樹脂の好ましい例としては、(メタ)アクリレート化合物、ウレタン(メタ)アクリレート化合物、エポキシ(メタ)アクリレート化合物、カルボキシル基変性エポキシ(メタ)アクリレート化合物、ポリエステル(メタ)アクリレート化合物、共重合系アクリレート等の(メタ)アクリレート系化合物、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルエーテルエポキシ樹脂等のエポキシ系化合物、ビニルエーテル化合物、オキセタン化合物などが挙げられ、中でも(メタ)アクリレート系化合物が好ましく、ウレタン(メタ)アクリレート化合物がより好ましい。これらの光硬化性樹脂は、それぞれ単独で用いてもよいし、複数の化合物を組み合わせて用いてもよい。
光硬化性樹脂として好ましく使用されるウレタン(メタ)アクリレートとしては、特に制限はないが、例えば、カプロラクトンにより変性されたモノまたはポリペンタエリスリトールのポリ(メタ)アクリレート化合物10〜80質量%と、イソシアヌレート骨格含有ウレタン(メタ)アクリレート化合物10〜40質量%とを含むものが好ましい。このようなウレタン(メタ)アクリレートは、紫外線等の活性エネルギー線の照射により良好な重合活性を示し、また高度な架橋密度を有する耐擦傷性に優れたポリマ−を形成しやすく、基材表面に耐擦傷性に優れた樹脂層Cを形成しやすい。硬化性樹脂組成物cに含まれるウレタン(メタ)アクリレートの含有量は、10〜50質量%であることが好ましく、15〜48質量%であることがより好ましく、20〜45質量%であることがさらに好ましい。
カプロラクトンにより変性されたペンタエリスリト−ルトリ(メタ)アクリレ−トとしては、例えば、ペンタエリスリト−ルテトラ(メタ)アクリレ−ト、ジペンタエリスリト−ルトリ(メタ)アクリレ−ト、ジペンタエリスリト−ルテトラ(メタ)アクリレ−ト、ジペンタエリスリト−ルペンタ(メタ)アクリレ−ト、ジペンタエリスリト−ルヘキサ(メタ)アクリレ−ト、トリペンタエリスリト−ルテトラ(メタ)アクリレ−ト、トリペンタエリスリト−ルペンタ(メタ)アクリレ−ト、トリペンタエリスリト−ルヘキサ(メタ)アクリレ−ト、トリペンタエリスリト−ルヘプタ(メタ)アクリレ−ト、トリペンタエリスリト−ルオクタ(メタ)アクリレ−ト等のカプロラクトン変性化合物が挙げられる。これらの化合物は、例えば、日本化薬社製のカヤラッドDPCA−20、カヤラッドDPCA−30、カヤラッドDPCA−60、カヤラッドDPCA−120等が挙げられる。
カプロラクトンにより変性されたモノまたはポリペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート化合物の含有量は、耐擦傷性、耐候性の観点からウレタン(メタ)アクリレート中の10〜80質量%であることが好ましく、15〜60質量%であることがより好ましく、20〜50質量%であることがさらに好ましい。
イソシアヌレート骨格含有ウレタン(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート型トリマー(旭化成ケミカルズ社製「デュラネートTPA−100」)およびヒドロキシル基を含有するアルキルモノ(メタ)アクリレートをジラウリン酸ジn−ブチル錫等の錫系触媒の存在下、イソシアネート基とヒドロキシル基が等量になるように用いて、60〜70℃で数時間加熱することにより得ることができる。
ヒドロキシル基を含有するアルキルモノ(メタ)アクリレートの具体例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
イソシアヌレート骨格含有ウレタン(メタ)アクリレート化合物の含有量は、耐擦傷性、耐候性の観点から、ウレタン(メタ)アクリレート中の10〜40質量%であることが好ましく、15〜30質量%であることがより好ましく、20〜30質量%であることがさらに好ましい。
光硬化性樹脂として好ましく用いられる上記ウレタン(メタ)アクリレートは、必要に応じて、ラジカル重合性化合物、紫外線吸収剤、光安定剤を含むこともできる。
このような光硬化性樹脂としては、紫外線硬化型ハードコート剤として市販されている樹脂組成物を使用してもよく、またこれらの樹脂組成物に、例えば、有機溶剤、防汚剤、紫外線吸収剤、光安定剤、耐衝撃性改質剤、増粘剤、帯電防止剤等の各種添加剤を含有することもできる。
光硬化性樹脂は紫外線で硬化させることが好ましい。紫外線で硬化させる場合は、光重合開始剤を使用する。光重合開始剤としては、例えば、ベンジル、ベンゾフェノンやその誘導体、チオキサントン類、ベンジルジメチルケタール類、α−ヒドロキシアルキルフェノン類、ヒドロキシケトン類、アミノアルキルフェノン類、アシルホスフィンオキサイド類などが挙げられる。光重合開始剤の添加量は、光硬化性樹脂100質量部に対し、0.1〜6質量部の範囲が一般的である。
これらの光重合開始剤は、それぞれ単独で用いることができるほか、多くは2種以上混合して用いることもできる。また、これらの各種光重合開始剤は市販されているので、そのような市販品を用いることができる。市販の光重合開始剤としては、例えば、“IRGACURE651”、“IRGACURE184”、“IRGACURE500”、“IRGACURE1000”、“IRGACURE2959”、“DAROCUR1173”、“IRGACURE907”、“IRGACURE369”、“IRGACURE1700”、“IRGACURE1800”、“IRGACURE819”、“IRGACURE784”〔以上のIRGACURE(イルガキュア)シリーズおよびDAROCUR(ダロキュア)シリーズは、BASF社で販売〕、“KAYACUREITX”、“KAYACUREDETX−S”、“KAYACUREBP−100”、“KAYACUREBMS”、“KAYACURE2−EAQ”〔以上のKAYACURE(カヤキュア)シリーズは、日本化薬社で販売〕などを挙げることができる。
(紫外線吸収剤)
本発明の硬化性樹脂組成物cは、耐候性向上のために紫外線吸収剤を含有することが好ましい。紫外線吸収剤としては、例えば、ヒドロキシフェニルトリアジン系等のトリアジン系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、サリシレート系、シアノアクリレート系、オギザニリド系、マロン酸エステル系等の有機紫外線吸収剤、酸化セリウム、酸化亜鉛などの無機紫外線吸収剤等が挙げられる。これらの中では有機紫外線吸収剤が好ましく、トリアジン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物がより好ましい。その含有量は、硬化性樹脂組成物c100質量部に対して10質量部以下、好ましくは1質量部以上、5質量部以下である。紫外線吸収剤の含有量が上記範囲の下限値未満の場合は、耐候性の改良効果が不十分となる可能性があり、紫外線吸収剤の含有量が上記範囲の上限値を超える場合は、硬化阻害や熱加工時にブリードを引き起こす可能性があり好ましくない。なお、紫外線吸収剤は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせおよび比率で含有されていてもよい。
トリアジン系化合物の具体例としては、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−エトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−プロポキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ブトキシエトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。
ベンゾトリアゾール系化合物の具体例としては、例えば、2−(2´−ヒドロキシ−5´−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2´−ヒドロキシ−3´,5´−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−ベンゾトリアゾール、2−(2´−ヒドロキシ−3´,5´−ジ−tert−ブチル−フェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(2´−ヒドロキシ−3´−tert−ブチル−5´−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2´−ヒドロキシ−3´,5´−ジ−tert−ブチル−フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール)、2−(2´−ヒドロキシ−3´,5´−ジ−tert−アミル)−ベンゾトリアゾール、2−(2´−ヒドロキシ−5´−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2´−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2N−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]等が挙げられ、なかでも2−(2´−ヒドロキシ−5´−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2´−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2N−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]が好ましく、特に2−(2´−ヒドロキシ−5´−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾールが好ましい。
(光安定剤)
本発明の硬化性樹脂組成物cは、耐候性向上のために光安定剤を含有することも好ましい。光安定剤としては、ヒンダードアミン系化合物、ベンゾエート系化合物などが挙げられ、ヒンダードアミン系化合物が好ましい。その含有量は、硬化性樹脂組成物c100質量部に対して10質量部以下、好ましくは1質量部以上、5質量部以下である。光安定剤の含有量が上記範囲の下限値未満の場合は、耐候性の改良効果が不十分となる可能性があり、光安定剤の含有量が上記範囲の上限値を超える場合は、硬化阻害や熱化工時にブリードを引き起こす可能性があり好ましくない。なお、光安定剤は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせおよび比率で含有されていてもよい。
ヒンダードアミン系化合物としては、例えば、ピペリジン構造またはピペラジン構造を有する化合物が好ましい。ピペラジン構造を有する化合物としては、例えば、N,N−ビス[2−(テトラデシルオキシカルボニル)エチル]ピペラジン等が挙げられる。
ピペリジン構造を有する化合物としては、中でも、分子中に2,2,6,6−テトラアルキルピペリジン骨格を有する化合物が好ましい。
具体的には、例えば、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ポリ[[6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル][(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]]、ビス[(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル]2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロネート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタン−テトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタン−テトラカルボキシレート、N,N´−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン−2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルアミノ)−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物、ジブチルアミン・1,3,5−トリアジン・N,N´−ビス(2,2,6,6)−テトラメチル−4−ピペリジル−1、6−ヘキサメチレンジアミンとN−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミンの重縮合物等が挙げられる。
本発明においては、紫外線吸収剤とヒンダードアミン系光安定剤とを併用することが、耐候性向上の点からより好ましい。
硬化性樹脂組成物cは、本発明の効果を損なわない範囲において、その他の添加剤等を含有していてもよい。例えば、熱安定剤、酸化防止剤、ガラス繊維、ガラスビーズ、マイカ、タルク、カオリン、金属繊維、金属粉等のフィラー類、炭素繊維、カーボンブラック、黒鉛、カーボンナノチューブ、C60等のフラーレン類等の炭素材料(フィラー類、フラーレン類などを総称して無機充填成分と称する)、帯電防止剤、可塑剤、離型剤、消泡剤、レベリング剤、沈降防止剤、界面活性剤等の改質剤類、顔料、染料、色相調整剤等の着色剤、モノマーおよび/またはそのオリゴマーまたは無機成分の合成に必要な硬化剤、触媒、硬化促進剤類なども挙げられる。
樹脂層Cを形成する樹脂層C側表面の水接触角は95°以上であることが好ましい。樹脂層C側表面の水接触角が95°以上であれば、樹脂積層体の撥水性を高め、防汚性に優れたものとすることができる。また、樹脂積層体を超促進耐候性試験に300時間供した後の樹脂層C側表面の水接触角が85°以上であることが好ましく、90°以上であることがより好ましい。上記試験後の水接触角が85°以上であれば、樹脂積層体を高温度環境などの過酷な環境下で長期使用する場合にも接触角が維持され、耐候性に優れたものとすることができる。
樹脂層Cの厚みは、3μm以上であることが好ましく、5μm以上であることがより好ましく、8μm以上であることがさらに好ましい。また、樹脂層Cの厚みは、通常15μm以下、好ましくは10μm以下である。厚みが3μm以上であれば、樹脂層C表面に十分な耐擦傷性を付与することができ好ましい。15μmより厚くすると、経済的に不利となる場合がある。
<樹脂層D>
さらに、本発明の樹脂積層体において、上記樹脂層Aの上記樹脂層Bが積層されていない側の面に、熱可塑性樹脂組成物dを主成分とする樹脂層Dが積層されて用いられる態様も好ましい。熱可塑性樹脂組成物dはポリカーボネート系樹脂を主成分とすることが好ましい。樹脂層Dは樹脂積層体に優れた耐衝撃性を付与する役割を果たす。
熱可塑性樹脂組成物dに用いるポリカーボネート系樹脂としては、樹脂層Bに用いるポリカーボネート系樹脂と同様のものを使用することができるが、後述する関係式(IV)および(V)を満たし易くするものとして、例えば、三菱エンジニアリングプラスチック株式会社製「ノバレックスM7027U−15X」を用いることができる。
樹脂層Dに含まれる熱可塑性樹脂組成物dの含有量は、樹脂層Dに含まれる全樹脂成分の合計を100質量%として、60質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることがさらに好ましく、90質量%以上であることが特に好ましく、95質量%以上であることが最も好ましい。熱可塑性樹脂組成物dの含有量が上記範囲にあることにより、樹脂層Dに十分な耐衝撃性を付与することができる。また、樹脂層Dには、ポリカーボネート系樹脂に加えて、例えば、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤等の各種添加剤を含有することができる。
樹脂層Dの厚みは、樹脂積層体に十分な耐衝撃性を付与する観点から、0.5mm以上であることが好ましく、1.5mm以上であることがより好ましい。樹脂層Dの厚みに特に上限はなく、カーポート、テラスの屋根材、道路用透光遮音壁板等、本発明の樹脂積層を用いる建築部材の用途に応じて適宜設定することができるが、厚み方向の熱抵抗を低くして熱接着層を向上させる観点、および、経済性の観点からは5mm以下であることが好ましく、3mm以下がより好ましい。
<樹脂層Aと樹脂層Dとの関係>
本発明において、熱可塑性樹脂組成物aのガラス転移温度Tg(a)と熱可塑性樹脂組成物dのガラス転移温度Tg(d)とが以下の関係式(IV)を満たすことが好ましい。
Tg(d)>Tg(a) ・・・(IV)
Tg(a)とTg(d)とが上記関係式(IV)を満たすことにより、樹脂層Aと樹脂層Dとの接着性がより良好となり、好ましい。
本発明において、JIS K 7244に準拠し、周波数10Hz、上記熱可塑性樹脂組成物dのガラス転移温度Tg(d)−20℃の条件で行われる動的粘弾性引張法により測定される、上記熱可塑性樹脂組成物aの貯蔵弾性率E´(a)と上記熱可塑性樹脂組成物dの貯蔵弾性率E´(d)とが以下の関係式(V)を満たすことが好ましい。
E´(d)>E´(a) ・・・(V)
E´(a)とE´(d)とが上記関係式(V)を満たすことにより、樹脂層Aと樹脂層Dとの接着性がより良好となり、好ましい。
上記関係式(V)を満たし易くする観点から、熱可塑性樹脂組成物dの貯蔵弾性率E´(d)が2×10Pa以上であることが好ましく、4×10Pa以上であることがより好ましく、1×10Pa以上であることがさらに好ましい。
<樹脂層E>
さらに、本発明の樹脂積層体において、上記樹脂層Aの上記樹脂層Bが積層されていない側の面に、熱可塑性樹脂組成物eを主成分とする樹脂層Eおよび上記樹脂層Dがこの順に積層されていてもよい。
熱可塑性樹脂組成物eはポリカーボネート系樹脂を主成分とすることが好ましい。樹脂層Eは樹脂積層体に優れた耐衝撃性を付与する役割を果たす。ポリカーボネート系樹脂としては、樹脂層BおよびDに用いるポリカーボネート系樹脂と同様のものを使用することができるが、後述する関係式(VI)および(VII)を満たし易くするものとして、例えば、三菱エンジニアリングプラスチック株式会社製「ユーピロンE−2000FN」を用いることができる。樹脂層Eに含まれる熱可塑性樹脂組成物eの含有量は、樹脂層Eに含まれる全樹脂成分の合計を100質量%として、60質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることがさらに好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、95質量%以上であることが最も好ましい。熱可塑性樹脂組成物eの含有量が上記範囲にあることにより、樹脂層Eに十分な耐衝撃性を付与することができる。
また、樹脂層Eには、熱可塑性樹脂組成物eに加えて、例えば、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤等の各種添加剤を含有することができ、中でも紫外線吸収剤を含有することが好ましい。紫外線吸収剤を含有する場合は、樹脂層Eに含まれる全樹脂成分の合計100質量部に対し、紫外線吸収剤を1〜15質量部含むことが好ましく、2〜10質量部含むことがより好ましく、3〜7質量部含むことがさらに好ましい。
樹脂層Eの厚みは、10〜200μmであることが好ましく、15〜100μmであることがより好ましく、20〜80μmであることがさらに好ましく、20〜60μmであることが特に好ましい。
<樹脂層Aと樹脂層Eとの関係>
本発明において、熱可塑性樹脂組成物aのガラス転移温度Tg(a)と熱可塑性樹脂組成物eのガラス転移温度Tg(e)とが以下の関係式(VI)を満たすことが好ましい。
Tg(e)>Tg(a) ・・・(VI)
Tg(a)とTg(e)とが上記関係式(VI)を満たすことにより、樹脂層Aと樹脂層Eとの接着性がより良好となり、好ましい。
本発明において、JIS K 7244に準拠し、周波数10Hz、上記熱可塑性樹脂組成物dのガラス転移温度Tg(e)−20℃の条件で行われる動的粘弾性引張法により測定される、上記貯蔵弾性率E´(a)と上記熱可塑性樹脂組成物eの貯蔵弾性率E´(e)とが以下の関係式(VII)を満たすことが好ましい。
E´(e)>E´(a) ・・・(VII)
E´(a)とE´(e)とが上記関係式(VII)を満たすことにより、樹脂層Aと樹脂層Eとの接着性がより良好となり、好ましい。
上記関係式(VII)を満たし易くする観点から、熱可塑性樹脂組成物eの貯蔵弾性率E´(e)が2×10Pa以上であることが好ましく、4×10Pa以上であることがより好ましく、1×10Pa以上であることがさらに好ましい。
[樹脂積層体]
本発明の樹脂積層体は、上記樹脂層A、樹脂層Bおよび樹脂層Cの少なくとも三層をこの順に積層してなるものであり、樹脂層Aの樹脂層Bが積層されていない側の面に上記樹脂層Dを積層してなる少なくとも4層構成、または、樹脂層Aの樹脂層Bが積層されていない側の面に上記樹脂層Dおよび樹脂層Eをこの順に積層してなる少なくとも5層構成であってもよい。なお、本発明の樹脂積層体は、上記少なくとも三層を有する平板状の樹脂積層体をプレス成形、真空成形、圧空成形等の熱成形により成形した成形体であってもよい。
<樹脂積層体の製造方法>
上記した樹脂積層体を製造する方法については特に限定されないが、好ましい製造方法について、以下説明する。
(樹脂積層体D/A/B/C)
上記樹脂層A、樹脂層Bおよび樹脂層Cの少なくとも三層をこの順に積層してなり、樹脂層Aの樹脂層Bが積層されていない側の面に上記樹脂層Dを積層してなる樹脂積層体D/A/B/Cは、上記樹脂層Aおよび上記樹脂層Bを積層する第1工程と、上記樹脂層Bに上記樹脂層Cを積層する第2工程と、上記樹脂層Dを形成する第3工程と、上記樹脂層Aの上記樹脂層Bが積層されていない側の面が上記樹脂層Dに接するように上記樹脂層Aに上記樹脂層Dを積層し熱接着する第4工程と、を上記順に有すること特徴とする樹脂積層体の製造方法により製造される。
第1工程において、樹脂層AおよびBを積層する方法は特に限定されず、例えば押出機を用いて各層の樹脂材料をTダイから共押出することにより積層することができる。
第2工程において、樹脂層Bに樹脂層Cを積層する方法は特に限定されず、例えば、硬化性樹脂組成物cを塗料として樹脂層Bの表面に塗工した後、硬化膜とすることにより、樹脂層Bの表面に形成・積層する方法があるが、この方法に限定されるものではない。
樹脂層Bとの積層方法としては、公知の方法が使用される。例えば、グラビアコート法、カバーフィルムを使用するラミネート方式、ナチュラルコート法、リバースコート法、カンマコーター法、ロールコート法、スピンコート法、ワイヤーバー法、エクストルージョン法、カーテンコート法等が挙げられる。樹脂層Bの厚みや、樹脂層Cの厚みなどに応じて適当なものを選択することができる。
第3工程において、樹脂層Dを形成する方法は特に限定されず、例えば押出機を用いて樹脂材料をTダイから溶融押出することにより形成することができる。
第4工程において、樹脂層Aと樹脂層Dとを熱接着する方法は特に限定されず、第3工程において押出した樹脂層Dの溶融樹脂を、冷却ロールにより板状にする際に、樹脂層Aの樹脂層Bが積層されていない側の面が樹脂層Dの溶融樹脂に接するようにして積層し、これらを熱接着させることができる。
(樹脂積層体D/E/A/B/C)
上記樹脂層A、樹脂層Bおよび樹脂層Cの少なくとも三層をこの順に積層してなり、樹脂層Aの樹脂層Bが積層されていない側の面に上記樹脂層Dおよび樹脂層Eをこの順に積層してなる樹脂積層体D/E/A/B/Cは、上記樹脂層Aおよび上記樹脂層Bを積層する第1工程と、上記樹脂層Bに前記樹脂層Cを積層する第2工程と、上記樹脂層Dおよび上記樹脂層Eを積層する第3工程と、上記樹脂層Aの上記樹脂層Bが積層されていない側の面が上記樹脂層Eに接するように上記樹脂層Aに上記樹脂層Eを積層し熱接着する第4工程と、を上記順に有すること特徴とする樹脂積層体の製造方法により製造される。
樹脂積層体D/E/A/B/Cの製造方法における第1工程および第2工程は、上記樹脂積層体D/A/B/Cの製造方法における第1工程および第2工程と同一の工程とすることができる。
第3工程において、樹脂層Dおよび樹脂層Eを積層する方法は特に限定されず、例えば押出機を用いて各層の樹脂材料をTダイから共押出することにより積層することができる。
第4工程において、樹脂層Aと樹脂層Eとを熱接着する方法は特に限定されず、第3工程において共押出した樹脂層Dおよび樹脂層Eの溶融樹脂を、冷却ロールにより板状にする際に、樹脂層Aの樹脂層Bが積層されていない側の面が樹脂層Eの溶融樹脂に接するようにして積層し、これらを熱接着させることができる。
(樹脂層Cのケイ素含有量)
上記製造方法により製造される本発明の樹脂積層体は、樹脂層Cの最表層におけるケイ素(Si)含有量が特定の範囲であるものが好ましい。樹脂層Cの最表層におけるケイ素含有量は、2〜20atom%であることが好ましく、3〜15atom%であることがより好ましく、5〜13atom%であることがさらに好ましい。
また、樹脂層Cの最表層におけるケイ素含有量(S1)と樹脂層Cの表層におけるケイ素含有量(S2)との比(S1/S2)が、1より大きく10以下であることが好ましく、1.5以上8以下であることがより好ましく、2以上6以下であることがさらに好ましい。すなわち、樹脂層Cの最表面におけるケイ素含有量が、それより内側の表層におけるケイ素含有量よりも大きいことが好ましい。このようなケイ素含有量となるように樹脂層Cを積層することにより、防汚性、耐候性により優れる樹脂積層体とすることが可能となる。
なお、本発明において、樹脂層Cの最表層のケイ素含有量は、X線光電子分光法(ESCA)を用い、定法に従い測定することができる。また、樹脂層Cの表層のケイ素含有量とは、ESCA分析においてアルゴンイオンエッチングを90秒施した後の表層のケイ素含有量をいい、定法に従い測定することができる。具体的には、実施例に記載の方法により測定する。
本発明においては、特に、硬化性樹脂組成物cがシリコン変性アクリル樹脂を30質量%以上70質量%以下、コロイダルシリカを5質量%以上30質量%以下およびウレタン(メタ)アクリレートを10質量%以上50質量%以下含むものである場合に、特定の(最)表層ケイ素含有量であることの上記メリットが大きい。
樹脂層Cの(最)表層のケイ素含有量を調整する方法としては、例えば、グラビアコート法等の公知の方法によって樹脂層Cを塗布した後乾燥する際の、乾燥温度や乾燥時間を調整する方法が挙げられる。乾燥温度としては、例えば、80〜150℃が好ましく、90〜140℃がより好ましく、100〜130℃がさらに好ましい。乾燥時間としては、例えば、30秒〜10分が好ましく、1〜7分がより好ましく、2〜5分がさらに好ましい。
また、シリコン変性アクリル樹脂中のシリコン含有量や樹脂種、シリコン変性アクリル樹脂の配合量を調整することによっても可能である。
上記製造方法により製造される本発明の樹脂積層体は、安価でかつ通常的に用いられる簡易な設備で製造可能である。本発明の樹脂積層体は、耐擦傷性が必要で、かつ、透明性が必要とされる用途において広く用いることができ、例えば、ラミネートフィルム、カーポート、テラス等の屋根材、道路用透光遮音材、その他壁材等の建築部材として用いることができる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は以下の実施例によりその範囲が限定されるものではない。
1.樹脂積層体の作製
<実施例1>
樹脂層A/Bの積層体の製造:
樹脂層Aに使用する熱可塑性樹脂組成物aとして、ポリカーボネート系樹脂(三菱エンジニアリングプラスチック社製「ユーピロンH−3000」)とPCTG樹脂(SK Chemicals社製「SKYGREEN J2003」)とを質量比30/70で混合し、熱可塑性樹脂組成物aの混合物A−1を得た。さらに、樹脂層Bに使用する熱可塑性樹脂組成物bとして、ポリカーボネート系樹脂(三菱エンジニアリングプラスチック社製「ノバレックスM7027U−15X」)100質量部に対し紫外線吸収剤(BASF社製「Tinuvin1577」)を4質量部配合し、熱可塑性樹脂組成物bの混合物B−1を得た。得られた熱可塑性樹脂組成物aの混合物A−1と熱可塑性樹脂組成物bの混合物B−1とをそれぞれ押出機に供給し、熱可塑性樹脂組成物aは240℃、熱可塑性樹脂組成物bは280℃で溶融混練した後、280℃で加熱されたTダイに共押出し、樹脂層Aにはエンボス加工を施し、冷却固化して、樹脂層Aが10μm、樹脂層Bが40μmの積層体を得た。なお、熱可塑性樹脂組成物aのガラス転移温度は108℃、貯蔵弾性率は138℃において1.5×10Pa、128℃において4.0×10Pa、118℃において7.0×10Paであった。また、熱可塑性樹脂組成物bのガラス転移温度は148℃、貯蔵弾性率は128℃において1.7×10Paであった。
樹脂層Cの積層:
樹脂層Cに用いる硬化性樹脂組成物cとして、ウレタンアクリレート(三菱レイヨン(株)製「ダイヤビームMH−3881A」)42質量部に、シリコン変性アクリル樹脂((株)T&K TOKA製「ZX−201」)40質量部、光開始剤(BASF(株)製「IRGACURE184」)0.6質量部、トリアジン系紫外線吸収剤(BASF(株)製「TINUVIN479」)4質量部、ヒンダードアミン系光安定剤(BASF(株)製「TINUVIN123」)4質量部、およびコロイダルシリカ(日産化学工業(株)製「PGM AC−2140Y」、平均一次粒子径13nm、SiO含有量42質量%)10質量部を加え、固形分濃度が30%となるようにプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGM)にて希釈して、硬化性樹脂組成物cを得た。得られた硬化性樹脂組成物cをバーコーターにて上記で得られた樹脂層A/Bの積層体の樹脂層B上に塗布し、90℃のオーブンで1分間乾燥した後、照射強度が1600mJ/cmになるように露光し、樹脂層Bにドライ膜厚5μmの樹脂層Cを積層させた。
樹脂層D/Eの基材積層体の製造:
樹脂層Dに使用する熱可塑性樹脂組成物dとして、ポリカーボネート樹脂「ノバレックスM7027U−15X」100質量部を使用した。樹脂層Eに使用する熱可塑性樹脂組成物eとして、ポリカーボネート系樹脂(三菱エンジニアリングプラスチック社製「ユーピロンE2000−FN」)100質量部に対し紫外線吸収剤「Tinuvin1577」を4質量部配合した混合物を使用した。上記樹脂層Dの原料D−1と樹脂層Eの原料E−1とを、それぞれ押出機のホッパーに投入し、温度280℃で溶融し、次いでギアポンプを通してTダイ250℃を用いて共押出した後、鏡面金属ロールとポリシング装置を通過させシート状に賦形させて、樹脂層Dが2mm、樹脂層Eが40μmの基材として用いる積層体を得た。なお、ポリカーボネート系樹脂dのガラス転移温度は158℃、138℃における貯蔵弾性率は1.6×10Pa、熱可塑性樹脂組成物eのガラス転移温度は148℃、128℃における貯蔵弾性率は1.6×10Paであった。
樹脂積層体D/E/A/B/Cの製造:
上記記載の方法で得られた樹脂層A/B/Cの積層体と、樹脂層D/Eの基材積層体とを、樹脂層Aの樹脂層Bが積層されていない側の面が基材積層体の樹脂層Eに接するように、ラミネート張力20kgfの条件で、樹脂層Aに樹脂層Eを積層し熱ラミネートして、実施例1に係る樹脂積層体を作製した。なお、樹脂層Cの最表層におけるケイ素含有量(S1)は6.8atom%、表層におけるケイ素含有量(S2)は1.7atom%、S1/S2は3.9であった。
さらに、樹脂層B上にバーコーターで硬化性樹組成物cを塗布した後の乾燥温度を、110℃、120℃、130℃と代えた以外は、実施例1と同様にして樹脂積層体D/E/A/B/Cの製造し、乾燥温度による樹脂層Cの最表層、表層のケイ素含有量の違いについても併せて検討した。その結果を、上記の乾燥温度90℃の結果と合わせて表1に示す。
Figure 2017140818
乾燥温度を代えたこれらの実施例についても、樹脂層Cにクラックが発生することなく、実施例1と同等の透明性、耐擦傷性、防汚性および耐候性を備えていることが確認された。
<実施例2〜7>
樹脂層A〜Cの構成材料及び厚みを、表2および3に記載のように変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜7に係る樹脂積層体D/E/A/B/Cを製造した。
なお、実施例5の樹脂層A、および、実施例4、5の樹脂層Bには、ポリカーボネート系樹脂として、三菱エンジニアリングプラスチック社製「ノバレックスM7027U」を用いた。
<比較例1>
樹脂層D/E/A/Cの積層体の製造:
熱可塑性樹脂組成物aを主成分とする樹脂層Aとして、上記熱可塑性樹脂組成物aの混合物A−1を押出機に供給し、押出機において、240℃で溶融混練した後、200℃で加熱されたTダイに押出し、冷却固化して、厚み50μmの樹脂層Aを得た。
次いで、実施例1と同様の方法で樹脂層A上に樹脂層Cを積層させ、樹脂層A/Cの積層体を得た。続いて、実施例1と同様の方法で、樹脂層Dに樹脂層Eを積層、熱ラミネートして、比較例1に係る樹脂積層体を作製した。
<比較例2〜5>
樹脂層A、Cの構成材料を、表3に記載のように変更した以外は、比較例1と同様にして、比較例2〜5に係る樹脂積層体D/E/A/Cを製造した。
2.評価
<ガラス転移温度>
樹脂層A、B、D、Eに用いる原材料について、アイティー計測制御社製動的粘弾性測定装置「itk DVA−200」を用い、0℃から測定可能な温度範囲において、昇温速度3℃/min、周波数10Hzの条件で動的粘弾性引張測定を行い、得られたtanδのピーク温度を求め、ガラス転移温度とした。結果を表2に示す。
<貯蔵弾性率>
樹脂層A、B、D、Eに用いる原材料の動的粘弾性引張法による貯蔵弾性率は、アイティー計測制御社製動的粘弾性測定装置「itk DVA−200」を用い、JIS K7244に準拠し、周波数10Hz、それぞれ所定の温度条件(熱可塑性樹脂組成物aについては、熱可塑性樹脂組成物b、dおよびeのガラス転移温度−20℃、熱可塑性樹脂組成物b、d、eについてはそれぞれ熱可塑性樹脂組成物b、d、eのガラス転移温度−20℃)で測定した。結果を表2に示す。
<樹脂層Cのケイ素含有量>
樹脂層Cの最表層および表層のケイ素含有量の測定は、サーモフィッシャーサイエンティフィック社製「Kアルファ」を用い、C1s、O1s、Si2p、N1s、F1sに対応するピーク面積から元素組成を算出することにより求めた。なお、表層における定性・定量分析は、アルゴンガスにて90秒エッチングを行った後に実施した。
<樹脂層Cのクラック>
上記記載の方法で得られた実施例1〜7に係る樹脂積層体D/E/A/B/C又は比較例1〜5に係る樹脂積層体D/E/A/Cの樹脂層Cの表面を目視観察し、樹脂層Cのクラック有無を確認した。クラックが発生していないものを「○」とし、クラックが発生したものを「×」とした。結果を表3に示す。
<透明性>
上記記載の方法で得られた樹脂積層体について、ヘイズメーター(日本電色工業(株)製、NDH5000)にてヘイズ値を測定し、初期性能としての透明性の評価を行った。ヘイズ値が5%未満の場合を「○」、5%以上20%未満の場合を「△」、20%以上の場合を「×」とした。結果を表3に示す。
<耐擦傷性>
上記記載の方法で得られた樹脂積層体の樹脂層C側の表面を、#0000のスチールウールを用いて荷重1000gfで擦った後、ヘイズメーター(日本電色工業(株)製、NDH5000)にてヘイズ値を測定し、初期性能としての耐擦傷性の評価を行った。増加ヘイズ値(Δヘイズ)が30%以下の場合を「○」、30%より大きく40%未満の場合を「△」、40%以上の場合を「×」とした。結果を表3に示す。
<防汚性>
水接触角:
上記記載の方法で得られた樹脂積層体の樹脂層C側の水接触角を、接触角計(協和界面科学(株)製、Drop Master500)を用いて測定し、初期性能としての防汚性の評価を行った。水接触角が95°以上のものが、防汚性に優れているといえる。結果を表3に示す。
油接触角:
上記記載の方法で得られた樹脂積層体の樹脂層C側の油接触角を、接触角計(協和界面科学(株)製、Drop Master500)を用いて測定し、初期性能としての防汚性の評価を行った。油接触角が40°以上のものが、防汚性に優れているといえる。結果を表3に示す。
<熱ラミネート性>
上記記載の方法で得られた樹脂積層体について、JIS K5600−5−6記載の方法により、熱ラミネート性を評価した。樹脂層Aが剥離しない場合を「○」、樹脂層Aが剥離した場合を「×」とした。結果を表3に示す。
<耐候性>
上記記載の方法で得られた樹脂積層体に対し、超促進耐候性試験機(岩崎電気(株)製「アイ スーパーUVテスターSUV−151W」)を用いて、以下の3工程を1サイクルとする促進耐候性試験を行った。
(1)UV照射工程(照射強度:75mW/cm、温度:53℃、湿度:50%、シャワー3秒/59分)6時間
(2)結露工程(温度:60℃、湿度:90%)4時間
(3)休止工程2時間
試験時間300時間後に、耐擦傷性、防汚性および外観の評価を、以下に示す方法で行った。
(超促進耐候性試験後の樹脂層Cのクラック)
上記と同様の方法により、超促進耐候性試験後の樹脂層Cの表面を目視観察し、樹脂層Cのクラック有無を確認した。結果を表3に示す。
(超促進耐候性試験後の透明性)
上記と同様の方法により、超促進耐候性試験後の透明性の評価を行った。結果を表3に示す。
(超促進耐候性試験後の黄変度)
上記の超促進耐候性試験実施前後の樹脂積層体について、スガ試験機社製分光測色計「SC−T」を用い、透過方式にてJIS K7105に準拠し、C光源透過法にてイエローインデックス(YI)値を測定した。超促進耐候性試験実施前後のYI値の差を、下記式に基づきΔYIとして求めた。
ΔYI=(超促進耐候性試験実施後のYI値−超促進耐候性試験実施前のYI値)
ΔYIが3未満の場合を「○」、3以上5未満の場合を「△」、5以上の場合を「×」とした。結果を表3に示す。
(超促進耐候性試験後の耐擦傷性)
上記と同様の方法により、超促進耐候性試験後の耐擦傷性の評価を行った。結果を表3に示す。
(超促進耐候性試験後の防汚性)
上記と同様の方法により、超促進耐候性試験後の接触角を測定し、超促進耐候性試験後の防汚性の評価を行った。超促進耐候性試験後の水接触角が85°以上であれば、耐候性に優れていると言える。結果を表3に示す。
(超促進耐候性試験後の外観)
超促進耐候性試験後の積層体を目視観察し、樹脂層Cの剥離について、発生しなかったものを「○」とし、発生したものを「×」とした。結果を表3に示す。
Figure 2017140818
Figure 2017140818
表2、3に示したように、実施例1〜7に係る樹脂積層体はいずれも、透明性を低下させることなく、クラック発生が抑制され、耐候性にも優れたものであるといえる。
一方、樹脂層Bがない樹脂層A/Cの積層体を用いて熱ラミネートした比較例1〜5に係る樹脂積層体は、いずれも樹脂層Cにクラックが発生していた。また、比較例3に係る樹脂積層体は超促進耐候性試験後に水接触角が85°を下回り、樹脂層Cの剥離が発生し、耐候性に劣るものであった。比較例4に係る樹脂積層体は初期性能としての耐擦傷性に劣り、超促進耐候性試験後に樹脂層Cの剥離が発生しており、耐候性に劣るものであった。比較例5に係る樹脂積層体は初期性能としての耐擦傷性に劣り、超促進耐候性試験後に樹脂層Cの剥離が発生しており、耐候性にも劣るものであった。
以上、現時点において、もっとも、実践的であり、かつ、好ましいと思われる実施形態に関連して本発明を説明したが、本発明は、本願明細書中に開示された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲および明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う、樹脂積層体もまた本発明の技術的範囲に包含されるものとして理解されなければならない。
本発明の樹脂積層体を用いることにより、透明性の低下を抑制し、クラック発生等の外観不良のない優れた樹脂積層体が得られる。このような積層体は、ラミネートフィルム、カーポート、テラスの屋根材、道路用透光遮音壁板等、その他建築物の壁材に好適に使用される。本発明の樹脂積層体は、ハードコート層以外の樹脂層の主成分をポリカーボネート系樹脂にすることで、表面のハードコート層を削り取ることにより、ハードコート層以外の樹脂層のリサイクルが可能となる。

Claims (24)

  1. 熱可塑性樹脂組成物aを主成分とする樹脂層A、熱可塑性樹脂組成物bを主成分とする樹脂層B、および硬化性樹脂組成物cから形成される樹脂層Cの少なくとも三層をこの順に積層してなる樹脂積層体において、
    JIS K 7244に準拠し、周波数10Hz、前記熱可塑性樹脂組成物bのガラス転移温度Tg(b)−20℃の条件で行われる動的粘弾性引張法により測定される、前記熱可塑性樹脂組成物aの貯蔵弾性率E´(a)と前記熱可塑性樹脂組成物bの貯蔵弾性率E´(b)とが以下の関係式(I)を満たす、樹脂積層体。
    E´(b)>E´(a) ・・・(I)
  2. 前記熱可塑性樹脂組成物aのガラス転移温度Tg(a)と前記ガラス転移温度Tg(b)とが以下の関係式(II)を満たす、請求項1に記載の樹脂積層体。
    Tg(b)>Tg(a) ・・・(II)
  3. 前記貯蔵弾性率E´(b)が2×10Pa以上である、請求項1または2に記載の樹脂積層体。
  4. 前記樹脂層Bの厚みが10〜100μmである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の樹脂積層体。
  5. 前記ガラス転移温度Tg(a)と前記ガラス転移温度Tg(b)とが以下の関係式(III)を満たす、請求項2〜4のいずれか一項に記載の樹脂積層体。
    Tg(b)−60℃≦Tg(a)≦Tg(b)−20℃ ・・・(III)
  6. 前記熱可塑性樹脂組成物aおよび前記熱可塑性樹脂組成物bが、ポリカーボネート系樹脂を主成分とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の樹脂積層体。
  7. 前記ガラス転移温度Tg(a)が100〜130℃である、請求項2〜6のいずれか一項に記載の樹脂積層体。
  8. 前記熱可塑性樹脂組成物aが、ポリカーボネート系樹脂とPCTG樹脂との混合物を主成分とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の樹脂積層体。
  9. 前記樹脂層Aの前記樹脂層Bが積層されていない側の面に、熱可塑性樹脂組成物dを主成分とする樹脂層Dを積層してなる、請求項1〜8のいずれか一項に記載の樹脂積層体。
  10. 前記ガラス転移温度Tg(a)と前記熱可塑性樹脂組成物dのガラス転移温度Tg(d)とが以下の関係式(IV)を満たす、請求項9に記載の樹脂積層体。
    Tg(d)>Tg(a) ・・・(IV)
  11. JIS K 7244に準拠し、周波数10Hz、前記ガラス転移温度Tg(d)−20℃の条件で行われる動的粘弾性引張法により測定される、前記貯蔵弾性率E´(a)と前記熱可塑性樹脂組成物dの貯蔵弾性率E´(d)とが以下の関係式(V)を満たす、請求項9または10に記載の樹脂積層体。
    E´(d)>E´(a) ・・・(V)
  12. 前記樹脂層Aの前記樹脂層Bが積層されていない側の面に、熱可塑性樹脂組成物eを主成分とする樹脂層Eおよび熱可塑性樹脂組成物dを主成分とする樹脂層Dをこの順に積層してなる、請求項1〜8のいずれか一項に記載の樹脂積層体。
  13. 前記ガラス転移温度Tg(a)と前記熱可塑性樹脂組成物eのガラス転移温度Tg(e)とが以下の関係式(VI)を満たす、請求項12に記載の樹脂積層体。
    Tg(e)>Tg(a) ・・・(VI)
  14. JIS K 7244に準拠し、周波数10Hz、前記熱可塑性樹脂組成物eのガラス転移温度Tg(e)−20℃の条件で行われる動的粘弾性引張法により測定される、前記貯蔵弾性率E´(a)と前記熱可塑性樹脂組成物eの貯蔵弾性率E´(e)とが以下の関係式(VII)を満たす、請求項12または13に記載の樹脂積層体。
    E´(e)>E´(a) ・・・(VII)
  15. 前記熱可塑性樹脂組成物dおよび前記熱可塑性樹脂組成物eが、ポリカーボネート系樹脂を主成分とする、請求項12〜14のいずれか一項に記載の樹脂積層体。
  16. 前記硬化性樹脂組成物cが光硬化性である、請求項1〜15のいずれか一項に記載の樹脂積層体。
  17. 前記硬化性樹脂組成物cが、シリコン変性アクリル樹脂を30質量%以上70質量%以下、コロイダルシリカを5質量%以上30質量%以下およびウレタン(メタ)アクリレートを10質量%以上50質量%以下含む、請求項1〜16のいずれか一項に記載の樹脂積層体。
  18. 前記熱可塑性樹脂組成物bが、紫外線吸収剤および/またはヒンダードアミン系光安定剤を、熱可塑性樹脂成分100質量部に対し1〜15質量部含有する、請求項1〜17のいずれか一項に記載の樹脂積層体。
  19. 前記硬化性樹脂組成物cが、紫外線吸収剤および/またはヒンダードアミン系光安定剤を、該硬化性樹脂組成物c中に1〜10質量%含有する、請求項1〜18のいずれか一項に記載の樹脂積層体。
  20. 前記樹脂層C側表面の水接触角が95°以上であり、かつ、
    超促進耐候性試験に300時間供した後の前記水接触角が85°以上である、請求項1〜19のいずれか一項に記載の樹脂積層体。
  21. ラミネートフィルムに用いる、請求項1〜8のいずれか一項に記載の樹脂積層体。
  22. 請求項1〜21のいずれか一項に記載の樹脂積層体を有する建築部材。
  23. 前記樹脂層Aおよび前記樹脂層Bを積層する第1工程と、
    前記樹脂層Bに前記樹脂層Cを積層する第2工程と、
    前記樹脂層Dを形成する第3工程と、
    前記樹脂層Aの前記樹脂層Bが積層されていない側の面が前記樹脂層Dに接するように前記樹脂層Aに前記樹脂層Dを積層し熱接着する第4工程と、
    を上記順に有すること特徴とする、請求項9に記載の樹脂積層体の製造方法。
  24. 前記樹脂層Aおよび前記樹脂層Bを積層する第1工程と、
    前記樹脂層Bに前記樹脂層Cを積層する第2工程と、
    前記樹脂層Dおよび前記樹脂層Eを積層する第3工程と、
    前記樹脂層Aの前記樹脂層Bが積層されていない側の面が前記樹脂層Eに接するように前記樹脂層Aに前記樹脂層Eを積層し熱接着する第4工程と、
    を上記順に有すること特徴とする、請求項12に記載の樹脂積層体の製造方法。
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