JP7061531B2 - 硬化性樹脂組成物及び自己修復性材料 - Google Patents

硬化性樹脂組成物及び自己修復性材料 Download PDF

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Description

本発明は、新規な硬化性樹脂組成及び自己復性材料に関する。
例えばa)自動車の内装部材、b)電子機器、家電製品等の筐体、c)床、壁材等の建材、d)家具等に用いられる樹脂成形品は、表面の耐傷性又は耐擦傷性を備えていることが必要とされている。例えば、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のプラスチック成形品においては、耐擦傷性のほか、耐候性等を付与するために表面にコーティング処理等が施されている。この中でも、液晶・EL表示装置等のディスプレイを備えるスマートフォン、携帯電話等の小型電子機器は、細かな傷がつきやすい。とりわけ、そのディスプレイに多数の細かな傷がつくと、ディスプレイが視認しづらくなり、使用上の支障をもたらすおそれがある。
このため、このような細かな傷がつくにくい構造とするために、樹脂成形品自体又はそのコーティング層の硬度を高める方法が考えられるが、硬度を大きくすれば、それだけ樹脂成形品又はコーティング層が脆くなり、多数の傷がつくとクラックが発生して割れが発生することがある。これに対し、最近では、傷がついても時間の経過に伴って傷が修復するような性質(傷修復性)をもつ材料を採用することが提案されている。このような傷の自己復元能力を有する材料は「自己修復性材料」等と呼ばれている。
例えば、水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物、多価イソシアネート系化合物、及びポリオール系化合物を反応させてなるウレタン(メタ)アクリレート系化合物と;エチレン性不飽和基を1つ含有するモノマーと;を含有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が提案されている(特許文献1)。この硬化性樹脂組成物を硬化させて得た硬化塗膜は、実用性に耐えうるレベルの復元性を有し、自己修復機能を持つコーティング剤として使用可能であるとされている。
特開2014-141654号公報
しかしながら、自己修復性の硬化膜は、硬化膜が本来有する弾性を利用して傷を修復するものであるため、その修復能力に限界がある。このため、比較的細かな傷に対して自己修復性を有しているとしても、例えば深くえぐり取られたような傷を修復することは困難である。
このため、そのような深い傷をつきにくくするため、硬化膜自体に耐擦傷性を付与する方法が考えられる。ところが、ポリロタキサン化合物を含む硬化膜は、本来的に比較的軟らかいものであるため、硬度を高めることは困難である。他方、フィラーを含有させる方法もあり得るが、一般に適当とされている含有量を配合させても、ポリロタキサン化合物を含む硬化膜において所望の耐擦傷性を発現させることは困難である。このため、たとえ細かな傷を修復できたとしても、深い傷が修復されずに残存する結果、例えば透明性をもつ硬化膜においてはその透明性が経時的に低下し、所望の性能、商品価値等が維持できなくなる。
従って、本発明の主な目的は、より優れた自己修復性を有するとともに高い耐擦傷性をもつ硬化膜を与えることができるポリロタキサン化合物含有樹脂組成物を提供することにある。
本発明者は、従来技術の問題点に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、特定の組成からなる組成物を採用することにより上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記の硬化性樹脂組成物及び自己修復性材料に係る。
1. 硬化性の樹脂組成物であって、
(1)ウレタン(メタ)アクリレート化合物、
(2)単官能(メタ)アクリレート化合物(但し、ウレタン(メタ)アクリレート化合物を除く。)、
(3)ポリロタキサン化合物、
(4)重合開始剤及び
(5)無機系微粒子
を含み、かつ、
前記の無機系微粒子が樹脂組成物中0.1~4重量%含まれる、
ことを特徴とする硬化性樹脂組成物。
2. ウレタン(メタ)アクリレート化合物が、少なくとも水酸基を含有する(メタ)アクリレート化合物と、多価イソシアネート化合物とを反応させてなる化合物である、前記項1に記載の硬化性樹脂組成物。
3. 硬化性樹脂組成物中におけるポリロタキサン化合物の含有量が1~30重量%である、前記項1又は2に記載の硬化性樹脂組成物。
4. 官能基当量が1000以下である多官能(メタ)アクリレート化合物をさらに含み、かつ、前記ウレタン(メタ)アクリレート化合物は前記多官能(メタ)アクリレート化合物以外の化合物である、前記項1~3のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
5. 多官能(メタ)アクリレート化合物の重量平均分子量が3000以下である、前記項4に記載の硬化性樹脂組成物。
6. 無機系微粒子の平均一次粒子径が100nm以下である、前記項1~5のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
7. 前記項1~6のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物の硬化体からなる自己修復性材料。
8. 少なくとも製品の最表面の一部又は全部が前記項7に記載の自己修復性材料で構成されていることを特徴とする耐擦傷性製品。
本発明によれば、より優れた自己修復性を有するとともに高い耐擦傷性をもつ硬化体(硬化膜)を与えることができるポリロタキサン化合物含有樹脂組成物を提供することができる。
特に、本発明の硬化性樹脂組成物は、ポリロタキサン化合物を含む特定の組成から構成されているため、その硬化体においては自己修復の速度が比較的速く、例えば1分以内(特に30秒以内)で表面の傷を治癒することもできる。しかも、本発明の硬化性樹脂組成物による硬化体は、高い硬度を有しており、本来的に傷がつきくにいという特性をも併せもつ。このため、本発明の硬化性樹脂組成物では、比較的長期にわたって良好な表面性状(外観等)を維持する製品(耐擦傷性製品)を提供することができる。
しかも、本発明の硬化性樹脂組成物は4重量%以下(特に1重量%以下)という微量の無機系微粒子が含まれているため、その硬化体は無機系微粒子を含まない場合に比してより高い耐擦傷性を発揮することができる。すなわち、本発明の硬化膜では、細かな傷は自己修復能力で回復させる一方、自己修復能力で回復できないような傷をつきにくくすることができる。その結果、例えば透明性が要求される用途においては、長期わたって高い透明性を維持することができる。
さらに、本発明において、特定の多官能(メタ)アクリレート化合物を併用する場合は、基材との密着性に優れた硬化膜を提供することができる。特に、基材上の硬化膜が成形時、加工時等において高温下(例えば190℃以上)に置かれた後であっても、基材との密着性の低下を効果的に抑制ないしは防止することができる。これにより、成形に供される材料表面の保護層等としても本発明の硬化性樹脂組成物(その硬化膜)を好適に用いることができる。
このような特徴を有する本発明の硬化性樹脂組成物及びその硬化膜は、例えば携帯電話、タッチパネル、コンパクトディスク、オーディオ機器等のように、製品の表面に耐擦傷性が要求される物品に好適である。
1.硬化性樹脂組成物
本発明の硬化性樹脂組成物(本発明組成物)は、
(1)ウレタン(メタ)アクリレート化合物、
(2)単官能(メタ)アクリレート化合物(但し、ウレタン(メタ)アクリレート化合物を除く。)、
(3)ポリロタキサン化合物、
(4)重合開始剤及び
(5)無機系微粒子
を含み、かつ、
前記の無機系微粒子が樹脂組成物中0.1~4重量%含まれる、
ことを特徴とする。
なお、本明細書においては、特にことわりのない限り、アクリレート又はメタクリレートを「(メタ)アクリレート」と総称し、アクリル酸又はメタクリル酸を「(メタ)アクリル酸」と総称する。アクリロイル基又はメタクリロイル基を「(メタ)アクリロイル基」と総称する。アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を「(メタ)アクリロイルオキシ基」と総称する。ウレタンアクリレート化合物とウレタンメタクリレート化合物とを「ウレタン(メタ)アクリレート化合物」と総称する。
ウレタン(メタ)アクリレート化合物(第1成分)
ウレタン(メタ)アクリレート化合物は、(メタ)アクリロイル基とウレタン結合部を有する化合物であり、公知又は市販のものを使用することができる。また、公知の製法によって合成されたものを使用することもできる。例えば、水酸基を含有する(メタ)アクリレート化合物と多価イソシアネート化合物と、場合によりポリオール化合物とを反応させて得られる化合物を好適に用いることができる。以下、これらの各化合物について説明する。
水酸基を含有する(メタ)アクリレート化合物
水酸基を含有する(メタ)アクリレート化合物としては、例えば2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6-ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート等のアルキル基の炭素数が1~16(好ましくは1~12)のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリロイルホスフェート、2-(メタ)アクリロイロキシエチル-2-ヒドロキシプロピルフタレート、カプロラクトン変性2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、脂肪酸変性-グリシジル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-(メタ)アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレート等のエチレン性不飽和基を1個有する化合物、グリセリンジ(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-(メタ)アクリロイル-オキシプロピル(メタ)アクリレート等のエチレン性不飽和基を2個有する化合物、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、コハク酸変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等のエチレン性不飽和基を3個以上有する化合物を挙げることができる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。
多価イソシアネート化合物
多価イソシアネート化合物としては、例えばトリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリフェニルメタンポリイソシアネート、変性ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等の芳香族系ポリイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、リジントリイソシアネート等の脂肪族系ポリイソシアネート;水添化ジフェニルメタンジイソシアネート、水添化キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン等の脂環式系ポリイソシアネートのほか、イソシアネートの3量体又は多量体(アダクト体、ビュレット体、イソシアヌレート体、アロファネート体)が挙げられる。これらは、1種を単独で用いても良いし、2種以上組み合わせて用いても良い。
ポリオール化合物
ポリオール化合物としては、例えば脂肪族ポリオール(A)、脂環族ポリオール(B)、ポリエーテル系ポリオール(C)、ポリエステル系ポリオール(D)、ポリカーボネート系ポリオール(E)、ポリオレフィン系ポリオール(F)、ポリブタジエン系ポリオール(G)、(メタ)アクリル系ポリオール(H)、ポリシロキサン系ポリオール(I)等を挙げることができる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。
脂肪族ポリオール(A)としては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチレングリコール、ジメチロールプロパン、ネオペンチルグリコール、2、2-ジエチル-1,3-プロパンジオール、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール、1,4-テトラメチレンジオール、1,3-テトラメチレンジオール、2-メチル-1,3-トリメチレンジオール、1,5-ペンタメチレンジオール、1,6-ヘキサメチレンジオール、3-メチル-1,5-ペンタメチレンジオール、2,4-ジエチル-1,5-ペンタメチレンジオール、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオール、2-メチル-1,8-オクタンジオール等の2個の水酸基を含有する脂肪族アルコール類、キシリトール、ソルビトール等の糖アルコール類、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン等の3個以上の水酸基を含有する脂肪族アルコール類等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を併用して用いることができる。
脂環族ポリオール(B)としては、例えば1,4-シクロヘキサンジオール、シクロヘキシルジメタノール等のシクロヘキサンジオール類、水添ビスフェノールA等の水添ビスフェノール類、トリシクロデカンジメタノール等が挙げられ、これらは1種又は2種以上を併用して用いることができる。
ポリエーテル系ポリオール(C)としては、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリペンタメチレングリコール、ポリヘキサメチレングリコール等のアルキレン構造含有ポリエーテル系ポリオールのほか、これらポリアルキレングリコールのランダム又はブロック共重合体が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。
ポリエステル系ポリオール(D)としては、例えば多価アルコールと多価カルボン酸との縮合重合物;環状エステル(ラクトン)の開環重合物;多価アルコール、多価カルボン酸及び環状エステルの3種類の成分による反応物等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。
多価アルコールとしては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,4-テトラメチレンジオール、1,3-テトラメチレンジオール、2-メチル-1,3-トリメチレンジオール、1,5-ペンタメチレンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6-ヘキサメチレンジオール、3-メチル-1,5-ペンタメチレンジオール、2,4-ジエチル-1,5-ペンタメチレンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、シクロヘキサンジオール類(1,4-シクロヘキサンジオール等)、ビスフェノール類(ビスフェノールA等)、糖アルコール類(キシリトール、ソルビトール等)等を挙げることができる。
多価カルボン酸としては、例えばマロン酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸等の脂肪族ジカルボン酸;1,4-シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸;テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、パラフェニレンジカルボン酸、トリメリット酸等の芳香族ジカルボン酸等を挙げることができる。
環状エステルとしては、例えばプロピオラクトン、β-メチル-δ-バレロラクトン、ε-カプロラクトン等が挙げられる。
ポリカーボネート系ポリオール(E)としては、例えば多価アルコールとホスゲンとの反応物;環状炭酸エステル(アルキレンカーボネート等)の開環重合物等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。
ポリカーボネートポリオールは、分子内にカーボネート結合を有し、末端がヒドロキシル基である化合物であれば良く、カーボネート結合とともにエステル結合を有していても良い。
ポリオレフィン系ポリオール(F)としては、飽和炭化水素骨格としてエチレン、プロピレン、ブテン等のホモポリマー又はコポリマーを有し、その分子末端に水酸基を有するものが挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。
ポリブタジエン系ポリオール(G)としては、炭化水素骨格としてブタジエンの共重合体を有し、その分子末端に水酸基を有するものが挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。
ポリブタジエン系ポリオールは、その構造中に含まれるエチレン性不飽和基の全部又は一部が水素化された水添化ポリブタジエンポリオールであっても良い。
(メタ)アクリル系ポリオール(H)としては、(メタ)アクリル酸エステルを重合体又は共重合体の分子内にヒドロキシル基を少なくとも2つ有しているものが挙げられ、かかる(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。
ポリシロキサン系ポリオール(I)としては、例えば、ジメチルポリシロキサンポリオールやメチルフェニルポリシロキサンポリオール等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。
これらポリオール化合物の中でも、樹脂組成物を硬化させて塗膜となった際のべたつきを抑制するために、脂肪族ポリオール又は脂環族ポリオールが好ましく用いられる。一方、塗膜の柔軟性を付与する観点からは、ポリエステル系ポリオール、ポリエーテル系ポリオール又はポリカーボネート系ポリオールが好ましく用いられる。また、ポリオール化合物としては、2官能(水酸基数が2個)のポリオールを用いることが好ましく、さらに3官能のポリオールを併用しても良い。
上記のような、水酸基を含有する(メタ)アクリレート化合物と、多価イソシアネート化合物と、場合によりポリオール化合物とを、適切な触媒の存在下、所定の温度で反応させることにより、実施形態で用いるウレタン(メタ)アクリレート化合物を好適に得ることができる。このようなウレタン(メタ)アクリレート化合物は、市販品を用いることもできる。例えば、日本合成化学株式会社製の紫光シリーズ(「UV-7000B」、「UV-6640B」等)、ダイセル・オルネクス株式会社製のエベクリルシリーズ(「EBECRYL9260」等)、DIC株式会社製のユニディックシリーズ等が例示される。これらは、単独又は2種以上を混合して使用しても良い。必要に応じて、これらのウレタン(メタ)アクリレート化合物を適宜選択又は組合せることにより所望の硬度と伸度とを有する硬化被膜を得ることも可能である。
本発明組成物中における第1成分の含有量は、通常30~80重量%程度とすれば良いが、特に35~75重量%とすることが好ましく、その中でも40~70重量%とすることがより好ましい。この数値範囲内に設定することにより、より優れた自己修復性等を得ることができる。
単官能(メタ)アクリレート化合物(第2成分)
単官能(メタ)アクリレート化合物として、例えばビニル基、アリル基、アクリル基、メタクリル基等に代表されるエチレン性不飽和基のいずれか1個を分子内にもつ単量体(単官能モノマー)を用いる。但し、第2成分としては、ウレタン(メタ)アクリレート化合物を除く。
単官能モノマーとしては、例えば脂肪族系の単官能モノマー、芳香族系の単官能モノマーが挙げられる。これらは1種を単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
脂肪族系の単官能モノマーとしては、水酸基含有脂肪族系の単官能モノマーと水酸基非含有脂肪族系の単官能モノマーとがある。
水酸基含有脂肪族系の単官能モノマーとしては、水酸基含有アルキル(メタ)アクリレート系モノマー(a)、水酸基含有カプロラクトン変性(メタ)アクリレート系モノマー(b)等が例示される。
水酸基非含有脂肪族系の単官能モノマーとしては、水酸基非含有アルキル(メタ)アクリレート系モノマー(c)、水酸基非含有アルキレンオキサイド変性(メタ)アクリレート系モノマー(d)、エポキシ基含有(メタ)アクリレート系モノマー(e)、ジカルボン酸誘導体のハーフエステルタイプの(メタ)アクリレート系モノマー(f)、脂環式構造含有(メタ)アクリレート系モノマー(g)、アミノ基含有(メタ)アクリレート系モノマー(h)等が例示される。
芳香族系の単官能モノマーには、水酸基含有芳香族系の単官能モノマーと水酸基非含有芳香族系単官能モノマーとがある。
水酸基含有芳香族系の単官能モノマーとしては、水酸基含有かつ芳香環含有(メタ)アクリレート系モノマー(i)が例示される。
水酸基非含有芳香族系単官能モノマーとしては、水酸基非含有芳香環含有(メタ)アクリレート系モノマー(j)、アルキレンオキサイド変性の芳香環含有(メタ)アクリレート系モノマー(k)等が例示される。
以下においては、上記(a)~(k)で示した各モノマーのさらなる具体例についてそれぞれ説明する。
前記の水酸基含有アルキル(メタ)アクリレート系モノマー(a)としては、例えば2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
前記で示した水酸基含有カプロラクトン変性(メタ)アクリレート系モノマー(b)としては、例えばカプロラクトン変性2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
前記の水酸基非含有アルキル(メタ)アクリレート系モノマー(c)としては、例えば2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、2-メトキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
前記の水酸基非含有アルキレンオキサイド変性(メタ)アクリレート系モノマー(d)としては、例えばポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール-テトラメチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ラウロキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ステアロキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、カルビトール(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート等が挙げられる。
前記のエポキシ基含有(メタ)アクリレート系モノマー(e)としては、例えばグリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
前記のジカルボン酸誘導体のハーフエステルタイプの(メタ)アクリレート系モノマー(f)としては、例えば2-(メタ)アクリロイルオキシ-2-ヒドロキシプロピルフタル酸モノエステル、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸モノエステル、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸モノエステル、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルフタル酸モノエステル、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルフタル酸モノエステル、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸モノエステル、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸モノエステル等が挙げられる。
前記の脂環式構造含有(メタ)アクリレート系モノマー(g)としては、例えばテトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、(2-メチル-2-エチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)メチル(メタ)アクリレート、シクロヘキサンスピロ-2-(1,3-ジオキソラン-4-イル)メチル(メタ)アクリレート、3-エチル-3-オキセタニルメチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
前記のアミノ基含有(メタ)アクリレート系モノマー(h)としては、例えばジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
前記の水酸基含有かつ芳香環含有(メタ)アクリレート系モノマー(i)としては、例えば2-フェノキシ-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
前記の水酸基非含有芳香環含有(メタ)アクリレート系モノマー(j)としては、例えばフェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
前記のアルキレンオキサイド変性の芳香環含有(メタ)アクリレート系モノマー(k)としては、例えばフェノールエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、ノニルフェノールプロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、ノニルフェノールエチレンオキサイドプロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート等が挙げられる。
本発明では、これらの単官能(メタ)アクリレート化合物の中でも、脂肪族系の単官能モノマーが好ましい。とりわけ、ウレタン(メタ)アクリレート化合物との相溶性に優れること及び汎用性に優れることから、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、カルビトール(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2-メトキシエチル(メタ)アクリレート、(2-メチル-2-エチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)メチル(メタ)アクリレート、シクロヘキサンスピロ-2-(1,3-ジオキソラン-4-イル)メチル(メタ)アクリレート等の少なくとも1種を用いることが特に好ましい。
本発明組成物中における第2成分の含有量は、通常10~60重量%程度とすれば良いが、特に20~50重量%とすることが好ましく、その中でも30~45重量%とすることがより好ましい。この数値範囲内に設定することにより、より優れた自己修復性等を得ることができる。
ポリロタキサン化合物(第3成分)
ポリロタキサン化合物は、基本的にa)環状化合物A、b)当該環状化合物Aの環状構造の輪の中を貫通する線状分子B及びc)当該線状分子の末端部に配置され、当該環状化合物Aの脱離を防止する封鎖基Cから構成される。
ロタキサンとは、環状の分子が形成する輪の中を棒状の分子が貫通し、当該棒状の分子の両末端に嵩の高い置換基を結合させることにより、環状の分子が棒状の分子から抜けなくなった構造を有する分子のことである。
ポリロタキサンとは、ロタキサンが複数結合したものを指す。つまり、上記の棒状の分子としての長い線状分子に、上記の環状の分子を複数通し、線状分子の量末端を封鎖基で封止したものがポリロタキサンである。本実施形態に用いるポリロタキサン化合物において「環状化合物A」は上記の環状の分子、「線状分子B」は上記の棒状の分子、「封鎖基C」は上記の棒状の分子の両末端に結合した嵩の高い置換基に相当する。
環状化合物A
環状化合物Aは、輪又はそれに近い形状をしていれば良く、通常は環式化合物等を採用すれば良いが、本発明の効果を妨げない限りは必ずしも閉環していなくても良い。例えば、英字の「C」のように、完全に閉環していなくても良く、例えば一端と他端が上下に重なったように見える螺旋構造を有する化合物も使用できる。
環状化合物Aとして、例えばα-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、γ-シクロデキストリン、クラウンエーテル、シクロファン、カリックスアレーン、環状アミド等(好ましくはα-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン又はγ-シクロデキストリン)を基本骨格とし、当該基本骨格に少なくとも1個の重合性置換基が導入された化合物を好適に用いることができる。なお、シクロデキストリンとは、D-グルコースが、α-1,4グリコシド結合により結合して環状構造を形成した環状オリゴ糖である。D-グルコースが6個結合したものをαーシクロデキストリン、7個結合したものをβ-シクロデキストリン、8個結合したものをγ-シクロデキストリンという(以下、これらを総称して「シクロデキストリン」ともいう。)。
上記のように、本発明において、重合性置換基を含むポリロタキサン化合物を含有する樹脂組成物を硬化させると、重合性置換基どうしが反応して架橋し、網目状ポリマーを形成することができる。この網目状ポリマーは、架橋点が自由に動く環動高分子材料あるいはスライドリングマテリアルと呼ばれ、いわゆるスライディング弾性を発現することが知られている。このように、ポリロタキサン化合物は、樹脂組成物を硬化させた硬化体の弾性を担うことになり、硬化体の自己修復性又は耐擦傷性を向上させる役割を果たすと考えられる。
環状化合物Aは、ポリロタキサン化合物1分子中に1個又は2個以上含まれている。ポリロタキサン化合物1分子中に2個以上の環状化合物Aが含まれる場合、各環状化合物Aは互いに同一でも良いし、異なっていても良い。従って、例えば一の環状化合物A1にある重合性置換基を有し、他の環状化合物A2に別の重合性置換基を有し、実施形態のポリロタキサン化合物1分子全体としてみると、複数種類の重合性置換基を有している構造であっても良い。
また、環状化合物Aに重合性置換基が含まれている場合、1つの環状化合物Aに重合性置換基は1個又は2個以上含まれていても良い。1つの環状化合物Aに重合性置換基が2個以上含まれる場合は、各重合性置換基は互いに同一でも良いし、異なっていても良い。本発明では、1つの環状化合物Aに重合性置換基が2個以上含まれることが望ましい。すなわち、1つのシクロデキストリンに重合性置換基が2個以上結合してなる化合物を好適に用いることができる。
重合性置換基としては、限定的ではないが、特に下記式(1)で示される基が好ましい。すなわち、本発明では、下記式(1):
Figure 0007061531000001
[式中、Rは、以下の式(2):
Figure 0007061531000002
又は、以下の式(3):
Figure 0007061531000003
(ここで、Rは、同一又は異なって、水素又はメチル基であり、R’は、同一又は異なって、炭素数1~20の二価の炭化水素基である。)で表される重合性置換基であり;
は、炭素数2~10の二価の炭化水素基であり;
は、以下の式(4):
Figure 0007061531000004
又は、以下の式(5):
Figure 0007061531000005
(ここで、Rは、炭素数2~10の二価の炭化水素基である。)
で表される基であり;
nは、1~10の整数である。]
で示される基(重合性置換基)の1個又は2個以上が互いに同一又は相異なってシクロデキストリンに結合した化合物を環状化合物Aとして好適に用いることができる。
本明細書(特に上記式(1))において、二価の炭化水素基という場合、炭化水素から2つの水素分子を除いてできる原子団のことを意味し、2つの結合手を有する置換基のことをいうものとする。二価の炭化水素基として、アルキレン基(アルカンジイル基)、シクロアルキレン基(シクロアルカンジイル基)、アリーレン基(アレーンジイル基)等のヒドロカルビレン基を挙げることができる。従って、例えば炭素数2の二価の炭化水素基という場合、エチレン基(-CHCH-)を指し、炭素数6の二価の炭化水素基という場合、線状又は分岐のヘキシレン基(-C12-)、シクロヘキシレン基(-C10-)、フェニレン基(-C-)のほか、以下の式:
Figure 0007061531000006
のようなメチルシクロペンチレン基等も含む。
上記式(1)で示される基は、前述のとおり、1つのシクロデキストリンに1個又は2個以上結合していて良い。また、上記式(1)で示される基が2個以上結合している場合は、それらの基は互いに同一又は異なっていても良い。従って、例えば、Rが上記式(2)又は式(3)で表される重合性置換基である式(1)の基のいずれかのみがシクロデキストリンに結合していても良いし、それらの両方がシクロデキストリンに結合していても良い。
なお、上記式(1)において、重合性置換基に置換しているRが水素又はメチル基であることから、重合性置換基はアクリル基又はメタクリル基をその一部に含む置換基であるといえる。
また、上記式(1)において、重合性置換基中にR又はR’を2以上含む場合、これらは互いに同じであっても異なっていても良い。
さらに、上記式(1)で表される基に存在するRが、以下の式(4):
Figure 0007061531000007
又は、以下の式(5):
Figure 0007061531000008
(ここで、Rは、炭素数2~10の二価の炭化水素基である。)
で表される基であることから明らかなように、上記式(1)で表される基は、シクロデキストリンに元々存在している水酸基に結合することにより形成された構造を有している。この場合、シクロデキストリンに存在する総水酸基数を基準として、Rが上記式(2)又は式(3)で表される基である式(1)で表される基、すなわち重合性置換基を有する式(1)で表される基が40%以上、特に40~100%置換していることが好ましい。
線状分子B
線状分子Bとして、特に限定されないが、例えばa)ポリエチレングリコール、b)ポリアミド又はc)アルキル鎖のように、複数の原子が長い線状に結合した形状を有する分子等を挙げることができる。
線状分子Bの分子量(重量平均分子量)も、限定的ではないが、通常10,000~50,000程度、特に10,000~30,000のものを用いることが好ましい。従って、例えば分子量が10,000~50,000(好ましくは10,000~30,000)のポリエチレングリコールを用いることもできる。
封鎖基C
封鎖基Cは、環状化合物Aの環状構造の輪の中を貫通した線状分子Bから該環状化合物Aがすり抜けないように、線状分子Bの両末端を止めるためのストッパー又はキャップとしての働きをする、嵩高い置換基である。
封鎖基Cとして、特に限定されないが、例えばアダマンチル基、ジニトロフェニル基、シクロデキストリン基、フルオレセイン基、トリチル基、アントラセニル基、ピレン基等を挙げることができる。実施形態のポリロタキサン化合物1分子中には、封鎖基Cが2つ含まれている。この場合、2つの封鎖基Cは、互いに同じであっても良いし、各々異なっていても良い。
このような構造を有する第3成分は、前記のように公知又は市販のものを用いることもできる。市販品としては、例えば製品名「SM3403P」、「SM2403P」、「SM1303P」、「SA3403P」、「SA2403P」、「SA1303P」(いずれもアドバンスト・ソフトマテリアルズ株式会社製)等を挙げることができる。
本発明組成物中における第3成分の含有量は、通常1~30重量%程度とすれば良いが、特に1~20重量%とすることが好ましく、その中でも1.5~15重量%とすることがより好ましい。この数値範囲内に設定することによって、より優れた自己修復性等を得ることができる。
重合開始剤(第4成分)
重合開始剤は、光又は放射線の照射、熱の付与等の刺激に応答して重合性置換基を有する化合物の重合反応を開始させる化合物である。本明細書においては、水分との接触により反応を開始する湿気硬化触媒も広義の意味で重合開始剤の中に含まれる。本発明では、紫外線、電子線、可視光線等の光の照射により重合を開始させる光重合開始剤を用いることが好ましい。
光重合開始剤として、光の照射によりラジカル活性種を発生する光ラジカル重合開始剤(例えばアセチルベンゼン、ジメトキシベンジル、ジベンゾイル、ベンゾイン、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、クロロチオキサトン、エチルアントラキノン等)、カチオン活性種を発生する光カチオン重合開始剤(例えばビス(4-tert-ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスファート、ビス(4-フルオロフェニル)ヨードニウムトリフラート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスファート、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-[2-(フラン-2-イル)ビニル]-1,3,5-トリアジン、4-ニトロベンゼンジアゾニウムテトラフルオロボラート等)、アニオン活性種を発生される光アニオン重合開始剤(アセトフェノン-O-ベンゾイルオキシム、シクロヘキシルカルバミン酸1,2-ビス(4-メトキシフェニル)-2-オキソエチル、ニフェジピン等)等を用いることができる。これらは、単独又は2種以上を混合して使用しても良い。
このような光重合開始剤としては、市販品を用いることもできる。例えば、イルガキュアシリーズ(BASFジャパン)等の市販品を用いることができる。より具体的にはイルガキュア184-(1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)、イルガキュア907(2-メチル-1-(4-(メチルチオ)フェニル)-2-モルフォリノプロパン-1-オン)、イルガキュアTPO(2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-フォスフィンオキサイド)、ルシリンTPO(2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド)等を使用することができる。
本発明組成物中における第4成分の含有量は、用いる重合開始剤の種類等に応じて適宜設定することができるが、通常は1~10重量%程度とすれば良く、特に2~5重量%とすることが好ましい。この数値範囲内に設定することにより、より優れた自己修復性等を得ることができる。
無機系微粒子(第5成分)
本発明では、本発明組成物中0.1~4重量%の無機系微粒子が含まれる。このような比較的微量の無機系微粒子を含有させることにより、優れた自己修復性を発揮するとともに、より優れた耐擦傷性を発揮させることができる。無機系微粒子の含有量が0.1重量%未満の場合は、本発明組成物による硬化体において所望の耐擦傷性が得られなくなる。また、無機系微粒子の含有量が4重量%を超える場合も、本発明組成物による硬化体においてはかえって耐擦傷性が低下してしまう。
無機系微粒子を構成する無機成分としては、特に限定されず、無機元素(金属元素を含む。)及びその化合物の少なくとも1種を採用することができる。また、無機系微粒子は、有機成分等が含まれていても良い。例えば、無機粒子表面が有機成分を含む表面処理剤で被覆された複合粒子を無機系微粒子として用いることができる。
無機元素としては、例えばカルシウム、マグネシウム、バリウム、ホウ素、ケイ素、アルミニウム、亜鉛、ジルコニウム、チタニウム、鉄、銅、銀、モリブデン、バナジウム、コバルト、マンガン、ニッケル等が挙げられる。その化合物(無機化合物)としては、例えば酸化物、水酸化物、塩類(塩化物、炭酸塩、硫酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、ケイ酸塩等)、窒化物、炭化物等が挙げられる。上記塩類は、複合酸化物も包含される。また、金属元素の化合物として、合金、金属間化合物等も包含される。その他にも、粘土鉱物類も無機化合物に含まれる。より具体的には、シリカ(ガラスを含む。)、アルミナ、ジルコニア、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ホウ酸亜鉛、炭酸亜鉛、アルミニウム、銅、クレー、マイカ、タルク、ケイ酸カルシウム等が挙げられる。これらは、公知又は市販のものを使用することができる。
無機系微粒子は、表面処理が施されていないものであっても良いし、表面処理されたものであっても良い。表面処理としては、例えば疎水性・親水性、分散性等の各種の特性を付与するための処理が挙げられる。従って、例えばアクリル官能基(例えば(メタ)アクリロイル基等)、シリル基(例えばトリエトキシシリル基等)等の機能性官能基で表面修飾された無機系粒子、ポリシロキサン等の表面処理剤により表面被覆された無機系粒子等であっても良い。
無機系微粒子の粒径は、限定的ではないが、特に平均一次粒子径が100nm以下であることが好ましく、特に5~90nmであることがより好ましく、その中でも10~80nmであることが最も好ましい。このような範囲内に設定することによって、より優れた耐擦傷性が得られるとともに、高い透明性を得ることができる。
無機系微粒子の形状は、制限されず、例えば球状、繊維状(ウィスカー等)、鱗片状、鎖状、不定形状等のいずれも採用することができる。
無機系微粒子の含有量は、前記のとおり、本発明組成物中0.1~4重量%とするが、自己修復性及び耐擦傷性という見地より、特に0.3~3重量%が好ましく、その中でも0.4~1重量%がより好ましい。
多官能(メタ)アクリレート化合物(第6成分)
本発明では、必要に応じて、官能基当量が1000以下である多官能(メタ)アクリレート化合物(第6成分)を含有させることもできる。これにより、基材との密着性により優れた耐擦傷性硬化膜を提供することができる。
特に、第6成分を含有させることにより、熱を受けても基材から剥離しにくい耐擦傷性硬化膜を提供することができる。本発明組成物は、塗工液等の形態で基材に塗布し、硬化させることによって保護層となる塗膜を形成できる。一般に、基材上に形成された硬化膜は、その後の熱履歴(特に成形時等における高温雰囲気下)によって基材と硬化膜との密着性が経時的に低下することがある。これに対し、特定の官能基当量をもつ多官能(メタ)アクリレート化合物を併用することによって、そのような加熱後に生じ得る密着性の低下を効果的に抑制することができる。とりわけ、成形又は加工時に190℃以上の高温下に晒された後においても高い密着性を維持することができる。
本発明では、官能基当量が1000以下のウレタン(メタ)アクリレート化合物は、形式的に第1成分及び第6成分の両方に該当する場合があるが、そのような場合はそのウレタン(メタ)アクリレート化合物は第6成分とする。すなわち、本発明では、1)官能基当量が1000以下の多官能(メタ)アクリレート化合物(第6成分)と、2)官能基当量が1000以下の多官能(メタ)アクリレート化合物に該当しないウレタン(メタ)アクリレート化合物(第1成分)とを併用する。
多官能(メタ)アクリレート化合物は、ラジカル重合性の官能基を2個以上有するものであれば特に限定されない。このような官能基としては、例えばビニル基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基等が挙げられる。
より具体的には、2官能の(メタ)アクリレート化合物として、例えば2-ヒドロキシ-3-アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、9,9-ビス[4-(2-(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン、プロポキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、1,10-デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、3官能以上の(メタ)アクリレート化合物として、例えばエトキシ化イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、ε-カプロラクトン変性トリス-(2-(メタ)アクリロキシエチル)イソシアヌレート、エトキシ化グリセリントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
その他にも、官能基当量が1000以下であり、かつ、2官能以上であれば、ウレタン(メタ)アクリレート化合物も多官能(メタ)アクリレート化合物として用いることができる。前記のとおり、このようなウレタン(メタ)アクリレート化合物は第6成分となるので、これとは別途に第1成分としてウレタン(メタ)アクリレート化合物(第6成分に該当しない化合物)を用いる。
上記のような多官能(メタ)アクリレート化合物は、公知又は市販のものを用いることができる。また、これら多官能(メタ)アクリレート化合物は、1種又は2種以上で用いることができる。
そのうえで、本発明では、官能基当量が1000以下という特定の範囲にある多官能(メタ)アクリレート化合物を用いることにより、より高い密着性(とりわけ、加熱後の密着性)を得ることができる。これら多官能(メタ)アクリレート化合物の中でも、官能基当量が145~1000の多官能(メタ)アクリレート化合物が好ましく、特に官能基当量が150~900の多官能(メタ)アクリレート化合物がより好ましい。このような範囲の官能基当量を有する多官能(メタ)アクリレート化合物を用いることによって、加熱後の密着性をより効果的に高めることができる。
なお、本発明において、官能基当量とは、官能基1モル当たりの分子量を示すものである。これは、多官能(メタ)アクリレート化合物の重量平均分子量を官能基数で割ることにより求めることができる。
本発明組成物中に上記多官能(メタ)アクリレート化合物が含まれる場合、本発明組成物中における上記多官能(メタ)アクリレート化合物の含有量は、通常1~30重量%程度とすれば良いが、特に5~25重量%とすることが好ましい。この数値範囲内に設定することにより、いっそう高い加熱後密着性を得ることができる。
その他の成分
本発明組成物は、本発明の効果を妨げない範囲内において、他の成分が含まれていても良い。例えば、樹脂組成物に通常含まれている添加剤を適宜配合することができる。例えば、レベリング剤、着色剤、可塑剤、分散剤、防腐剤、つや消し剤、帯電防止剤、難燃剤、紫外線吸収剤、光安定剤、防汚剤、アンチブロッキング剤、抗菌剤等が挙げられる。ただし、本発明組成物に用いられる添加剤が無機系微粒子を含む場合は、その無機系微粒子の含有量は、第5成分の含有量に含める。
本発明組成物の性状
本発明組成物は、上記で示した各成分の混合物であるが、その性状は限定的ではないが、通常は塗工液(液状)の形態で用いることができる。すなわち、本発明は、溶媒を含み、かつ、液状の本発明組成物を包含する。他方、本発明組成物は、無溶媒の形態でも使用することができる。無溶媒の場合も、通常は液状であることが好ましい。
塗工液においては、本発明組成物を構成する成分の一部又は全部が溶媒に溶解していても良いし、溶解せずに分散していても良い。特に、本発明では、各成分が溶媒に溶解した溶液であることが望ましい。
溶媒としては、特に限定されず、例えば酢酸エチル、酢酸ブチル、メトキシブチルアセテート、メトキシプロピルアセテート等のエステル系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒;ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒、メタノール、エタノール、1-プロパノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチエルエーテル等のアルコール系溶媒等の各種の有機溶剤を用いることができる。特に、本発明では、密着性等の見地より、ケトン系溶媒を用いることが好ましい。
溶媒を用いる場合、その使用量は限定的ではなく、例えば固形分含有量が50~90重量%の範囲内において、用いる成分等の種類、所望の粘度等に応じて適宜設定すれば良い。例えば、塗工液をペースト状とする場合は、固形分含有量を多めに設定すれば良い。
2.硬化性樹脂組成物の製造
本発明組成物は、前記「1.硬化性樹脂組成物」で示した各成分を均一に混合することによった調製することができる。混合する際の混合順序等は特に限定されず、任意の順序を採用することができる。混合は、ミキサー、ニーダー等の公知又は市販の装置を用いて実施することができる。混合する雰囲気も、特に限定されず、通常は常温・常圧下で各成分を混合すれば良い。
3.硬化性樹脂組成物の使用(硬化体の製造)
本発明組成物は、一般的には本発明組成物を成形する工程と成形体を硬化させる工程とを含む方法によって使用することができる。すなわち、かかる方法によって、本発明の硬化体(硬化膜)を製造することができる。より具体的には、例えば1)液状の本発明組成物の塗膜を基材上に形成する工程(第1工程)及び2)前記塗膜を硬化させる工程(第2工程)を含む方法によって好適に製造することができる。
第1工程
第1工程では、液状の本発明組成物の塗膜を基材上に形成する。例えば、液状の本発明組成物を基材上に塗布することにより塗膜を好適に形成することができる。
液状の本発明組成物は、前記のように、適当な有機溶剤を本発明組成物中に含有させることにより所望の粘度をもつ塗工液として調製することができる。
基材としては、特に限定されず、例えばガラス、プラスチックス、金属、セラミックス等のシートないしはフィルムほか、これらの複合材料のシートないしはフィルムを用いることができる。本発明では、特に基材との密着性という見地より、プラスチックス上に好適に硬化膜を形成することができる。プラスチックスとしては、例えばアクリル系(ポリメタクリル酸メチル等)、ポリエステル系(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリオレフィン系(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、セルロース系(セロハン、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース等)、塩化ビニル系(ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等)等のほか、ポリビニルアルコール、エチレン-酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリイミド、フッ素樹脂、ポリアミド樹脂等を挙げることができる。フィルムないしはシートを基材として用いる場合の厚みは、例えば5~1000μmの範囲内で適宜設定できるが、これに限定されない。
塗工液の塗布方法も限定的ではなく、例えばドクターブレード法、バーコート法、ディッピング法、エアスプレー法、ローラーブラシ法、ローラーコーター法等の公知のコーティング方法により適宜行うことができる。
塗布量は、例えば所望の硬化膜の厚みとなるような量とすれば良く、通常は得られる硬化膜の厚みが1~50μm程度の範囲内(好ましくは3~15μmの範囲内)で適宜設定することができる。
塗布により形成された塗膜は、必要に応じて乾燥させることもできる。乾燥する場合は、自然乾燥又は強制乾燥(加熱乾燥)のいずれでも良い。加熱乾燥する場合は、基材フィルムに悪影響を及ぼさない範囲内とすれば良く、例えば70~120℃程度で加熱することができる。
第2工程
第2工程では、第1工程で得られた塗膜を硬化させる。これによって、所定の硬化体を得ることができる。
成形体を硬化させる方法は、特に制限されず、例えば加熱による方法、放射線(活性エネルギー線)による硬化、湿気による硬化等のいずれも採用することができる。また、これらは、2つ以上を組み合わせて使用することもできる。
加熱による方法では、重合開始剤が開裂し、ウレタン(メタ)アクリレート化合物、単官能(メタ)アクリレート化合物及びポリロタキサン化合物の中にそれぞれ含まれている重合性置換基が互いに反応するのに十分な温度まで加熱すれば良い。使用する重合開始剤、有機溶剤等の種類ならびにこれらの配合量にもよるが、通常は80~150℃、好ましくは90~150℃程度に加熱することにより、反応をスムーズに進行させ、かつ、有機溶剤を蒸発させることができる。樹脂組成物塗布物の加熱は、例えばバーナー、オーブン等の加熱装置による加熱方法のほか、ドライヤー等の温風による加熱方法等を採用することができる。
放射線による方法では、塗膜に放射線を照射することにより硬化体を形成することができる。放射線は、重合開始剤が開裂するのに十分なエネルギーレベルを有するものであればいずれも使用できる。放射線として、電磁放射線又は粒子放射線が挙げられ、特に紫外光、赤外光、可視光、遠赤外光等を用いることが好ましい。
湿気による硬化においては、湿気硬化型の組成とすることにより、湿気によって成形体を硬化させることができる。第2工程では、樹脂組成物を基材に塗布し、塗膜を空気中の水分と触れさせることにより硬化体(硬化膜)を形成することができる。湿気により硬化させて形成した硬化体(特に硬化膜)は、硬化体の原料となる樹脂組成物と基材との間にも結合が生じた強固なものとすることができる。
これらの硬化方法の中でも、本発明では、比較的簡易に硬化を実施できるという点で紫外線による硬化を好適に用いることができる。また、紫外線を照射する場合、その光源も限定的でなく、例えば高圧水銀ランプ、鉄ドープのメタルハライドランプ、ガリウムランプ、低圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、紫外線レーザ、LED等が挙げられる。従って、これらを備えた公知又は市販の装置を用いて硬化させることができる。
紫外線を照射する場合は、例えば100~400nm程度の波長領域であって、100~5000mJ/cmのエネルギーを有する紫外線を照射することができるが、これに限定されない。
第2工程において硬化膜が基材上に形成された場合は、必要に応じて基材フィルムから硬化膜を剥離して回収しても良いし、あるいは上記基材フィルム及び硬化膜からなる積層体をそのまま成形体の製造に用いることもできる。また、硬化膜と他の層(例えばプライマー層、接着剤層、ヒートシール層、離型フィルム層等)とを含む積層体として用いることもできる。
4.自己修復性材料
本発明は、本発明組成物の硬化体からなる自己修復性材料(本発明材料)を包含する。すなわち、前記「3.硬化性樹脂組成物の使用」で得られた硬化体(硬化膜)を自己修復性材料として用いることができる。
本発明材料は、通常は膜状(フィルム状)の形態で提供されるが、その際の厚みは特に限定されず、基材の種類、所望の耐擦傷性等に応じて適宜設定できる。例えば1~50μmの範囲内に設定することができるが、これに限定されない。
本発明材料は、高い硬度を有しているため、本来的に傷がつきくにいという特徴も有する。より具体的には、マルテンス硬さ(HMs)が通常50N/mm以上であるが、特に100N/mm以上であることが好ましく、その中でも150N/mm以上であることがより好ましい。マルテンス硬さの上限値は、限定的でしないが、通常170N/mm程度である。マルテンス硬さとは、いわゆるひっかき硬さの指標であり、この硬さの値が高いことはひっかきに対する強度が高いことを意味する。
さらに、本発明材料は変形に対する抵抗力も高いので、この点においても傷がつきにくいといえる。より具体的には、変形度合いの指標となる押し込み深さhmaxが0.5以下であり、好ましくは0.4以下である。hmaxの下限値は、特に限定されないが、通常は0.3程度である。
また、本発明材料は、たとえ傷がついても自己復元により傷を修復できる機能を有する。より具体的には、傷のつきにくさと傷の自己修復性とのバランスを図るという観点より、弾性変形仕事率(ηIT)が通常40%以上であり、好ましくは50%以上である。弾性変形仕事率の上限値は、限定的でしないが、通常70%程度である。弾性変形仕事率とは、粘性と弾性とを併せ持つ粘弾性体を変形させたときの、全変形仕事に占める弾性変形仕事の割合のことである。ここで全変形仕事は、塑性変形仕事と弾性変形仕事との和である。例えば、弾性変形仕事率が100%の物質は、塑性変形(クリープ)することなく、変形から完全に回復する物であることを意味する。すなわち、弾性変形仕事率の値は、変形からの回復のしやすさの指標となる。
このように、本発明材料は、従来のウレタン(メタ)アクリレートとエチレン性不飽和基を1つ含有するモノマーとを含む硬化性樹脂組成物を硬化させたコーティングと比較して、傷のつきにくい硬度とともに高い自己修復性とを有している。上述の通り、実施形態の自己修復性材料は、ポリロタキサン化合物を構成成分として含む樹脂組成物を硬化させたものである。ポリロタキサン化合物は、上記の通り重合性置換基を含んでいるため、ウレタン(メタ)アクリレート化合物と単官能(メタ)アクリレート化合物と互いに架橋することができる。樹脂組成物にポリロタキサン化合物を入れることにより、架橋度がより高い硬化塗膜を形成することができる。このため、得られる硬化塗膜の表面の硬度はより高くなり、硬化塗膜は傷がつきにくいものとなる。一方、上記の通り、ポリロタキサン化合物中の環状化合物Aの輪の部分は、形成した高分子鎖の網目をスライディングして動くことができる。このように、ある程度高い自由度を有する環状化合物Aの部分が存在することにより、得られた自己修復性材料が元の形状に戻ろうとする力(復元力)を発揮することができる。すなわち、本発明の自己修復性材料は、重合性置換基を有するポリロタキサン化合物が架橋することに起因して、傷がつきにくい硬さと、たとえ傷がついたとしても直ちに復元できる自己修復性とを併せ持つものとなっているといえる。
5.自己修復性材料を含む耐擦傷性製品
本発明は、少なくとも製品の最表面の一部又は全部が本発明の自己修復性材料(本発明材料)で構成されていることを特徴とする耐擦傷性製品(本発明製品)を包含する。
本発明材料の適用対象となる製品は、最終製品(完成品)のほか、その部品・部材、付属品等のいずれも包含される。
本発明製品は、製品本体の一部又は全部が本発明材料で構成されている場合のほか、製品本体とは別途にその製品表面の一部又は全部に本発明材料による表面層(保護層)が形成されている場合等を包含する。
製品自体が本発明材料で構成されている場合は、本発明材料は製品の一部を構成しても良いし、製品全体を構成していても良い。この場合は、本発明材料(硬化膜)を構成部材として組み込んだ製品を提供することができる。本発明材料を組み込む場合は、例えば接着剤、粘着剤、粘着テープ等のほか、ビス等の固定手段を適宜用いることもできる。
製品表面に本発明材料による保護層が形成されている場合は、例えば前記「3.硬化性樹脂組成物の使用」で記載の塗布方法によって、予め用意された製品本体の表面の一部又は全部に本発明組成物(塗工液)を塗布し、塗膜を硬化させることによって硬化膜からなる保護層を形成することができる。この場合、本発明の効果を妨げない範囲内において、製品と保護層との間に、必要に応じてプライマー層、接着剤層、ヒートシール層等を適宜設けても良い。
製品本体としては、特に限定されず、例えばパソコン、スマートフォン、携帯電話、コンパクトディスク、オーディオ機器等の各種の電子機器、家電製品等のほか、医療機器、自動車内装品、光学機器等の幅広い分野の製品に適用することができる。特に、ディスプレイ部材、光学部材、ミラー部材等のように、透明性等が要求される製品に本発明材料を好適に用いることができる。
以下に実施例及び比較例を示し、本発明の特徴をより具体的に説明する。ただし、本発明の範囲は、実施例に限定されない。
実施例1
ウレタン(メタ)アクリレート化合物として日本合成化学株式会社製の紫光UV-7000B(粘度:15000~25000mPa・s/60℃、重合平均分子量:3500g/mol、官能基数:2~3、鉛筆硬度2B)40.8重量%、ポリロタキサン化合物としてアドバンスト・ソフトマテリアルズ株式会社製のセルムスーパーポリマーSA-2403P(線状分子の重量平均分子量:20000、重合性官能基:アクリロイル基、分子量:60万、アクリル当量:1100g/eq.、50%メチルエチルケトン溶液)4.3重量%(固形分)、単官能(メタ)アクリレート化合物として4-ヒドロキシブチルアクリレート(4-HBA)40.8重量%、多官能(メタ)アクリレート化合物として製品名「ATM35E」(新中村化学工業株式会社製、NKエステルシリーズ、官能基当量:473、重量平均分子量:1892)9.5重量%、無機系微粒子として球状オルガノシリカゾル(製品名「MEK-ST-40」、40%メチルエチルケトン分散液(日産化学工業株式会社製))0.5重量%(固形分)、重合開始剤として製品名「イルガキュア184」(BASFジャパン株式会社製)3.8重量%、レベリング剤として(製品名「BYK377」(BYK製)、シリコン系表面調整剤)0.3重量%を混合し、これらの固形分100重量部に対して溶媒としてメチルエチルケトン133.5重量部を混合することによって、溶媒希釈タイプの樹脂組成物(塗工液)を調製した。
得られた樹脂組成物の組成を表1に示す。なお、表1中において、溶媒の項目中の「原料由来」とは、第1成分~第6成分として用いられた製品中に含まれていた溶媒の総含有量を示す。
実施例2~15及び比較例1~4
表1に示す組成となるように各成分を調合したほかは、実施例1と同様にして樹脂組成物(塗工液)を調製した。
なお、表1中の略号の意味は、以下の通りである:
・UV-7000B:ウレタンアクリレート化合物、製品名「UV-7000B」(日本合成化学工業株式会社製)
・SA2403P:ポリロタキサン化合物、製品名「SA2403P」(アドバンスト・ソフトマテリアルズ株式会社製、50%メチルエチルケトン溶液)
・4HBA:4-ヒドロキシブチルアクリレート(単官能(メタ)アクリレート化合物)
・ATM35E:多官能(メタ)アクリレート化合物、製品名「ATM35E」(新中村化学工業株式会社製、NKエステルシリーズ、官能基当量:473、重量平均分子量:1892)
・MEK-ST-40:球状オルガノシリカゾル、製品名「MEK-ST-40」(日産化学工業株式会社製、平均一次粒子径10~15nm、40%メチルエチルケトン分散液)
・MEK-AC-2140Z:球状オルガノシリカゾル、製品名「MEK-AC-2140Z」表面処理(アクリルコンポジット)グレード(日産化学工業株式会社製、平均一次粒子径10~15nm、40%メチルエチルケトン分散液)
・MEK-ST-L:球状オルガノシリカゾル、製品名「MEK-ST-L」(日産化学工業株式会社製、平均一次粒子径40~50nm、30%メチルエチルケトン分散液)
・MEK-ST-ZL:球状オルガノシリカゾル、製品名「MEK-ST-ZL」(日産化学工業株式会社製、平均一次粒子径70~100nm、30%メチルエチルケトン分散液)
・MEK-ST-UP:鎖状オルガノシリカゾル、製品名「MEK-ST-UP」(日産化学工業株式会社製、平均一次粒子径9~15nm、20%メチルエチルケトン分散液)
・PGM-AC-2140Y:球状オルガノシリカゾル、製品名「PGM-AC-2140Y」(表面処理(アクリルコンポジット)グレード、(日産化学工業株式会社製、平均一次粒子径10~15nm、40%プロピレングリコールモノメチルエーテル分散液))
・MEK-AC-4130Y:球状オルガノシリカゾル、製品名「MEK-AC-4130Y」(表面処理(アクリルコンポジット)グレード、(日産化学工業株式会社製、平均一次粒子径40~50nm、30%メチルエチルケトン分散液))
・NANOBYK-3610:表面処理アルミナナノ粒子ディスパージョン、製品名「NANOBYK-3610」(BYK製、平均一次粒子径20nm、30%プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート分散液)
・NANOBYK-3650:表面処理シリカナノ粒子ディスパージョン、製品名「NANOBYK-3650」(BYK製、平均一次粒子径20nm、25%プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/プロピレングリコールモノメチルエーテル分散液)
・NANOBYK-3652:表面処理シリカナノ粒子ディスパージョン、製品名「NANOBYK-3652」(BYK製、平均一次粒子径20nm、25%プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/プロピレングリコールモノメチルエーテル分散液)
・SIRPGM30WT%-H55:NanoTek(登録商標)Slurry(CIKナノテック株式会社製、平均一次粒子径12nm、30%プロピレングリコールモノメチルエーテル分散液)
・ALPGM30WT%-H01:NanoTek(登録商標)Slurry(CIKナノテック株式会社製、平均一次粒子径15nm、30%プロピレングリコールモノメチルエーテル分散液)
・IC184:重合開始剤、製品名「イルガキュア184」(BASFジャパン株式会社製)
・BYK377:シリコン系表面調整剤、製品名「BYK377」(BYK製)
・MEK:メチルエチルケトン(溶媒)
試験例1
各実施例及び比較例で得られた樹脂組成物(塗工液)を用い、下記に示す評価をそれぞれ実施した。その結果を表1に示す。
(1)自己修復性フィルムの作製
製品名「コスモシャインA4100(PETフィルム、膜厚100μm、東洋紡株式会社製)を基材として用意した。この基材の表面に、前記塗工液をバーコート法で理論塗膜厚さ13.7μmとなるように塗布した。これをオーブンに入れて90℃で1分間乾燥して溶媒を除去し、次いで紫外線(積算光量:500mJ/cm)を照射して樹脂組成物を硬化させて硬化塗膜を形成した。こうして以下の評価に用いる試験片をそれぞれ得た。
(2)自己修復性フィルムの評価
(2-1)自己修復性
上記試験片に真鍮ブラシ(荷重500g)を5往復させた後、傷の発生とその傷の回復を目視により観察し、その傷がすべて修復するまでの時間(修復時間)を測定した。
(2-2)伸度
上記試験片について、引張試験(サンプル寸法:200mm×10mm、チャック間距離;110mm、引張速度:50mm/分)を行い、目視により塗膜にクラックが発生した時点の破断点伸度(単位:%)を測定した。
(2-3)ヘイズ値及び耐擦傷性
上記試験片について、スチールウール#0000上に250g/cmの荷重をかけて10往復させ、ヘイズメーターを用いてヘイズ値(単位:%)を測定し、耐擦傷性試験を行う前に測定したヘイズ値との差をΔHAZEとした。耐擦傷性については、前記試験後のヘイズ値が1以下の場合を「○」とし、ヘイズ値が1を超える場合を「×」とした。
Figure 0007061531000009
表1の結果からも明らかなように、無機系微粒子を含有しない比較例1に対し、所定量の無機系微粒子を含む実施例1~15では優れた自己修復性とともに高い耐擦傷性が得られることがわかる。その結果、実施例1~15の硬化膜はΔHAZE0.8以下であり、高い透明性を維持できることもわかる。
しかも、実施例1~15においては、伸度が65%以上(特に70%以上)という高い値を示していることから、伸度を低下させることなく。耐擦傷性を向上できることもわかる。すなわち、本発明によれば、比較的高い成形性も維持しながら、優れた耐擦傷性が得られることがわかる。
また、無機系微粒子を含む場合であっても、比較的多量の無機系微粒子を含む比較例2~4のように、かえって耐擦傷性が大きく低下してしまうことがわかる。その理由は定かではないが、無機系微粒子の添加量を多くすることによって、スチールウール試験をした際に無機系微粒子が脱落しやすくなり、その脱落した部分を起点に傷が発生・成長してしまうことによるものと考えられる。

Claims (7)

  1. 硬化性の組成物であって、
    (1)ウレタン(メタ)アクリレート化合物:30~80重量%
    (2)水酸基含有アルキル(メタ)アクリレート系化合物(但し、ウレタン(メタ)アクリレート化合物を除く。):10~60重量%
    (3)重合性置換基を含むポリロタキサン化合物:1~30重量%
    (4)重合開始剤:1~10重量%及び
    (5)平均一次粒子径100nm以下の無機系微粒子:0.1~3重量%
    を含むことを特徴とする硬化性樹脂組成物。
  2. ウレタン(メタ)アクリレート化合物が、少なくとも水酸基を含有する(メタ)アクリレート化合物と、多価イソシアネート化合物とを反応させてなる化合物である、請求項1に記載の硬化性樹脂組成物。
  3. 硬化性樹脂組成物中における前記無機系微粒子の含有量が0.1~0.9重量%である、請求項1又は2に記載の硬化性樹脂組成物。
  4. 官能基当量が1000以下である多官能(メタ)アクリレート化合物をさらに含み、かつ、前記ウレタン(メタ)アクリレート化合物は前記多官能(メタ)アクリレート化合物以外の化合物である、請求項1~3のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
  5. 多官能(メタ)アクリレート化合物の重量平均分子量が3000以下である、請求項4に記載の硬化性樹脂組成物。
  6. 請求項1~5のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物の硬化体からなる自己修復性材料。
  7. 少なくとも製品の最表面の一部又は全部が請求項6に記載の自己修復性材料で構成されていることを特徴とする耐擦傷性製品。
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