JP2003039498A - 天面に開口部を有するキャップ及び注出具の製造方法 - Google Patents

天面に開口部を有するキャップ及び注出具の製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 天面に開口を有するキャップ及び注出具を提
供することができる方法を提供することである。 【解決手段】 少なくとも天面及びスカート部を有し、
前記天面には開口部が形成されている樹脂製キャップの
製造方法において、キャビティのゲート部が、リング状
であると共にキャップの開口部端縁又は開口部を囲んだ
部分に位置しており、前記ゲート部から溶融樹脂が射出
されることを特徴とするキャップの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、天面に開口を有す
るキャップ及び注出具の製造方法に関し、より詳細に
は、機械的強度、開口部の寸法精度に優れたキャップ及
び注出具を生産性よく製造し得る天面に開口を有するキ
ャップ及び注出具の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】注出用開口を有するキャップや、容器口
部に嵌合され上面を上蓋で覆われる中栓等のように、天
面に開口を有するキャップを射出成形により成形する場
合、従来は、サイドからリング形状を形成するキャビテ
ィへ樹脂を射出して、ゲートの反対側で樹脂流が合流し
て、天面に開口を有するキャップや中栓等を成形する方
法が採用されていた。しかしながら、樹脂をサイドゲー
トから射出してリング形状にするとキャビティ内へ樹脂
を一定に供給することができず、キャビティ内のゲート
の反対側では、両側から流れ込む樹脂の合流点にウェル
ドラインが発生したり、また樹脂が十分に行き渡らない
場合もあり、リング形状に欠損(ショート)が発生する場
合があった。
【0003】またヒンジキャップのように、天面に開口
を有し容器口部に嵌合されるキャップ本体とこれを覆う
上蓋から成るキャップにおいては、キャップ本体の天面
中央からゲート部を介して溶融樹脂を放射状に射出した
後、ゲート部を含む円板を除去することにより、開口部
分を形成する方法も提案されている(特開2001-30
301号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記先
行技術によれば、ウェルドラインがキャップ本体の側面
に形成されることがなく、打栓によるキャップの破損は
有効に防止できるものの、射出成形により一体成形した
後に、ゲート部を含む円板部分を取り除く二次加工が必
要であり、成形工程が煩雑であるという問題がある。ま
た、二次加工により取り除かれた円板部分はスクラップ
樹脂となり、使用樹脂に無駄が生じ、生産性に劣るとい
う問題もある。また、従来の射出成形による製造方法の
ように、ゲート跡を小さくするためにピンゲートを使用
した場合には、成形品の形状に制約があると、生産性の
よいホットランナー構造の射出成形機を用いることが困
難であるという問題もあった。
【0005】更にヒンジキャップの中には、天面開口部
分に上蓋天面の内面に設けられた突起を嵌合させて、容
器の液密性を保持しているものもあり、このような場
合、従来の方法では開口部分の寸法精度が十分でなく、
より寸法精度の高い開口部分を形成できる方法が望まれ
ている。従って本発明の目的は、上述したような問題を
生じることなく、天面に開口を有するキャップ及び注出
具を提供することができる方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、少なく
とも天面及びスカート部を有し、前記天面には開口部が
形成されている樹脂製キャップの製造方法において、キ
ャビティのゲート部が、リング状であると共にキャップ
の開口部端縁又は開口部を囲んだ部分に位置しており、
前記ゲート部から溶融樹脂が射出されることを特徴とす
るキャップの製造方法が提供される。本発明のキャップ
の製造方法においては、(1)キャップの天面には、開
口部を囲んで注出用ノズルが設けられていること、
(2)リング状ゲート部が注出用ノズル端縁又はスカー
ト部端縁に位置していること、(3)リング状ゲート部
が円形であること、が望ましい。
【0007】本発明によればまた、包装体に固定して使
用される筒状の注出具の製造方法において、キャビティ
のゲート部が、リング状であると共に注出具の筒状端部
となるべき部分に位置しており、前記ゲート部から溶融
樹脂が射出されることを特徴とする注出具の製造方法が
提供される。この注出具の製造方法においては、リング
状ゲート部が円形であることが望ましい。
【0008】
【発明の実施形態】本発明のキャップ及び注出具の製造
方法においては、前述したとおり、リング状のゲートを
使用することにより、既に開口部は形成されているの
で、射出成形後に開口部となるべき部分を取り除くとい
う二次加工が不要であり、また成形品の形状にかかわら
ず、生産性に優れたホットランナー構造の射出成形機を
使用することができ、この点においても生産性に優れて
いるという利点がある。
【0009】また、樹脂は天面に位置するリング状ゲー
ト部から側面へと均一に流動するため、側面でウェルド
ラインが生じることもなく、打栓操作等に付された場合
でもキャップが破損することもないのである。更に、成
形品の開口部分又はその近傍から溶融樹脂を流動させる
ことによって、リング状のゲート部がそのまま開口部分
となるため、開口部及びその近傍はゲートのリング形状
により正確に形成されるため、寸法精度に優れたものと
なるのである。
【0010】以下、本発明のキャップの製造方法を添付
図面に基づいて説明する。図1は、本発明方法に使用す
る射出成形機の概要の断面図であり、1はキャビティ、
2はホットランナー、3はスプルー、4はリング状ゲー
ト、5はコア、6はバルブピン、7は成形品(ヒンジキ
ャップ)を示す。成形品を形成する溶融樹脂はスプルー
3から、ホットランナー2を経てリング状ゲート4から
金型1,5内に射出され、金型内に溶融樹脂が充満され
るとバルブピン6により溶融樹脂の射出が終了され、冷
却後金型から取り出される。本発明の製造方法において
は、リング状のゲート部を用いること、及びこのリング
状ゲート部が成形品の天面の開口部端縁又は開口部を囲
んだ周縁部となるべき部分に位置することを除いて、従
来公知の射出成形法により行うことができる。
【0011】図1に示す具体例は、ヒンジキャップを成
形するものであり、このヒンジキャップの概略は図2に
示すように、キャップ本体11及びキャップ本体11と
ヒンジ12で連結された上蓋13から成っている。キャ
ップ本体11の天面14には注出用開口15及びこの注
出用開口を取り囲むように形成された注出用ノズル16
が設けられている。またキャップ本体11のスカート部
17の内面には容器口部(図示せず)のネジ部と係合する
ネジ部18が設けられている。また、上蓋13の天面1
9の内面には、キャップ本体の注出用開口15に嵌合す
る環状突起20が形成されている。
【0012】この例によれば、上述した射出成形機にお
いて、リング状ゲート部4はヒンジキャップのキャップ
本体天面に設けられた注出用ノズル16に対応するよう
に設けられており、キャップ本体の天面からスカート
部、またヒンジ12を通って、上蓋13へと溶融樹脂は
流動する。従って、キャップ本体のスカート部17には
ウェルドラインが形成されることがなく、均一なスカー
ト部を形成することが可能となるのである。また、リン
グ状ゲート部4に対応する注出用ノズル16は、最も寸
法精度よく形成されることができ、上蓋13の天面内面
に形成された環状突起20と正確に嵌合して液密性に優
れたキャップとなるのである。尚、リング状ゲート部の
位置は、上述した例では、注出用ノズル16に対応して
いたが、スカート部17の端部に対応させてもよい。
【0013】本発明のキャップの製造方法は、天面に開
口を有するキャップであれば、どのようなキャップも好
適に製造することができる。例えば、図2に示したヒン
ジキャップの他、図3に示すように、天面21に注出用
開口22を有し容器口部に嵌合固定され、別途成形され
た上蓋(図示せず)により天面が覆われて使用される中栓
23や、また図4に示すように、天面21に開口部22
を有する樹脂製キャップ25と、この開口部22を閉塞
するように組み合わせで使用される金属製円盤26から
なる複合キャップ27における、樹脂製キャップ25、
或いは図5に示すような、容器口部を保護するために嵌
合して使用する、天面21に開口部22を有するカバー
キャップ29等に適用できる。
【0014】これらのキャップにおいて、リング状ゲー
ト部が対応した位置は、図3に示す中栓では、注出用ノ
ズル部24であり、図4に示す複合蓋では、樹脂製キャ
ップ25の天面の開口端縁28であり、図5に示すカバ
ーキャップでは、天面の開口端縁30である。尚、リン
グ状ゲート部の位置は、上述した例の他、中栓ではイン
ナーリングの端部、複合蓋及びカバーキャップではスカ
ート部端部に対応させてもよい。
【0015】また本発明の製造方法は、図6に示すよう
な、パウチ、チューブ、あるいは牛乳パック等の包装体
に固定して使用される、側面31にネジ部32やリブ3
3、及び適用すべき包装体に応じた突起34が形成され
た筒状の注出具35等に有効に適用できる。すなわち、
この注出具を製造する場合には、リング状ゲート部は注
出具の筒状の両端部36、37の何れかに対応する位置
にあればよいが、最も好適には、注出口となるべき筒状
端部36に位置することが好ましい。これにより、寸法
形状に優れた注出開口部を形成することが可能となり、
キャップとの組み合わせにおいて密封性を高めることが
できる。
【0016】本発明においては、リング状ゲート部に対
応する部位は、寸法精度よく成形することが可能である
ため、真円に形成することも可能である。また円形の
他、角型に形成することもできる。
【0017】
【発明の効果】本発明によれば、天面には開口部が形成
されている樹脂製キャップ及び注出具の製造方法におい
て、キャビティのゲート部が、リング状であると共に、
キャップにおいてはキャップの開口部端縁又は開口部を
囲んだ部分に位置し、注出具においては、注出具の筒状
端部となるべき部分に位置していることにより、ホット
ランナー構造の射出成形機を使用することができ、しか
も開口部分を取り除くという二次加工無しに、天面に開
口部を有するキャップを成形できるので、生産性に優れ
ているという利点がある。また、樹脂は天面から側面へ
と均一に流動するため、側面でウェルドラインが生じる
こともなく、打栓操作等に付された場合でもキャップが
破損することがないと共に、成形品の開口部分又はその
近傍から溶融樹脂を流動させることによって、開口部分
はゲートのリング形状から正確に形成されるため、寸法
精度に優れたキャップ及び注出具を提供することが可能
となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法に使用する射出成形機の概要の断面
図である。
【図2】本発明方法により成形可能なヒンジキャップの
一例を示す断面図である。
【図3】本発明方法により成形可能な中栓の一例を示す
断面図である。
【図4】本発明方法により成形可能な複合蓋の一例を示
す断面図である。
【図5】本発明方法により成形可能なカバーの一例を示
す断面図である。
【図6】本発明方法により成形可能な注出具の一例を示
す断面図である。
フロントページの続き (72)発明者 鈴木 誠治 神奈川県平塚市長瀞2番12号 日本クラウ ンコルク株式会社平塚工場内 (72)発明者 家永 哲郎 神奈川県平塚市長瀞2番12号 日本クラウ ンコルク株式会社平塚工場内 Fターム(参考) 3E084 AB01 BA01 CA01 CC03 DA01 DB12 DC03 EA02 EB02 EC03 FA01 FB01 GA06 GB06 HA03 HB01 HC03 HD04 KB01 LB01 LC01 LD01 4F202 AG28 AH57 CA11 CB01 CK06

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも天面及びスカート部を有し、
    前記天面には開口部が形成されている樹脂製キャップの
    製造方法において、 キャビティのゲート部が、リング状であると共にキャッ
    プの開口部端縁又は開口部を囲んだ部分に位置してお
    り、前記ゲート部から溶融樹脂が射出されることを特徴
    とするキャップの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記天面には、開口部を囲んで注出用ノ
    ズルが設けられていることを特徴とする請求項1記載の
    キャップの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記リング状ゲート部が、注出用ノズル
    端縁又はスカート部端縁に位置することを特徴とする請
    求項1又は2記載のキャップの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記リング状ゲート部が円形であること
    を特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のキャップ
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 包装体に固定して使用される筒状の注出
    具の製造方法において、 キャビティのゲート部が、リング状であると共に注出具
    の筒状端部となるべき部分に位置しており、前記ゲート
    部から溶融樹脂が射出されることを特徴とする注出具の
    製造方法。
  6. 【請求項6】 前記リング状ゲート部が円形であること
    を特徴とする請求項5記載の注出具の製造方法。
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