JP2003039321A - 内歯砥石のドレス方法 - Google Patents
内歯砥石のドレス方法Info
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- JP2003039321A JP2003039321A JP2001233612A JP2001233612A JP2003039321A JP 2003039321 A JP2003039321 A JP 2003039321A JP 2001233612 A JP2001233612 A JP 2001233612A JP 2001233612 A JP2001233612 A JP 2001233612A JP 2003039321 A JP2003039321 A JP 2003039321A
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Abstract
よって、ドレス残りを生じさせることなく内歯砥石のド
レスができ、内歯砥石の寿命をも延ばすことができるよ
うにする。 【解決手段】 外歯型のドレスギヤを内歯砥石にかみ合
わせて当該内歯砥石のドレスを行う内歯砥石のドレス方
法であって、前記ドレスギヤの回転軸と前記内歯砥石の
回転軸との軸交差角をドレスの度に変化させるととも
に、前記軸交差角の大きさに応じて、前記内歯砥石の一
回あたりのドレス量を変化させる。
Description
方法に係り、特に、ドレス残りを生じさせることなく内
歯砥石のドレスができるとともに、内歯砥石の寿命をも
延ばすことが可能な内歯砥石のドレス方法に関する。
に用いられる、はす歯歯車の仕上加工は、内歯砥石を用
いた研削装置によって行われている。この研削装置で
は、回転可能に支持された内歯砥石をワークのはす歯歯
車に滑らせながらかみ合わせ、その歯面の仕上加工を行
う。仕上加工の回数を重ねると、内歯砥石の歯面が荒れ
てくるので、そのときには、ワークに代えてドレスギヤ
を取り付け、内歯砥石の歯面を滑らかにするためのドレ
スを行う。
でワークを研削加工するため、内歯砥石軸はワ−ク取付
軸に対し、ある軸交差角をもって配置されている。その
軸交差角6は通常8°〜12°である。特開平11−1
38346号では、内歯砥石の寿命を延ばすため、内歯
砥石のドレスを行う度に軸交差角を変化させている。つ
まり、内歯砥石の内径が大きくなるにしたがって、軸交
差角を漸次減少させ(内歯砥石を立てて行く)、内歯砥
石の新品から廃却までのドレス可能回数を増加させてい
る。
たような従来の技術にあっては、砥石寿命は向上するも
のの、ドレスを行う度に軸交差角を変えているので、ド
レス量が十分でないと、ドレス残りが生じる場合があ
る。このドレス残りの発生を防ぐためには、ドレス量を
軸交差角に依らずに常に十分な量とすれば良いが(上記
した特開平11−138346号では通常の2倍として
いる)、過剰なドレスは砥石寿命の減少に通ずるので、
あまり好ましくはない。
ラーによって求めなければならないので、どの程度のド
レス量とすればドレス残りがなくなるかが簡単にはわか
らない。このため、自動サイクルでドレス作業を行わせ
ることはできない。
合を解消するために成されたものであり、ドレスの度に
最適なドレス量を求めることによって、ドレス残りを生
じさせることなく内歯砥石のドレスができるとともに、
内歯砥石の寿命をも延ばすことが可能な内歯砥石のドレ
ス方法の提供を目的とする。
目的を達成するため、請求項1に記載の発明にかかる内
歯砥石のドレス方法は、外歯型のドレスギヤを内歯砥石
にかみ合わせて当該内歯砥石のドレスを行う内歯砥石の
ドレス方法であって、前記ドレスギヤの回転軸と前記内
歯砥石の回転軸との軸交差角をドレスの度に変化させる
とともに、前記軸交差角の大きさに応じて、前記内歯砥
石の一回あたりのドレス量を変化させることを特徴とす
る。
ドレス方法は、請求項1に記載の内歯砥石のドレス方法
において、前記内歯砥石の回転軸は、ドレスの度に時計
回りに回転させることを特徴とする。
ドレス方法は、請求項1に記載の内歯砥石のドレス方法
において、前記交差軸角が大きくなるにしたがって前記
ドレス量を大きくし、逆に前記交差軸角が小さくなるに
したがって前記ドレス量を小さくすることを特徴とす
る。
ドレス方法は、外歯型のドレスギヤを内歯砥石にかみ合
わせて当該内歯砥石のドレスを行う内歯砥石のドレス方
法であって、前記内歯砥石の新品時からのドレス回数に
基づいて前記ドレスギヤの回転軸と前記内歯砥石の回転
軸との軸交差角を演算する段階と、前記演算された交差
角に基づいて、前記内歯砥石の一回あたりのドレス量を
演算する段階と、前記内歯砥石の回転軸を軸交差角に設
定する段階と、前記ドレスギヤを用いて、前記内歯砥石
を演算されたドレス量だけ切り込む段階と、を含むこと
を特徴とする。
ドレス方法は、請求項4に記載の内歯砥石のドレス方法
において、前記ドレス量を演算する段階は、前回のドレ
ス時における前記ドレスギヤの回転軸と前記内歯砥石の
回転軸との軸間距離および前回のドレス時における軸交
差角を求める第1段階と、前記軸間距離と前記軸交差角
に基づいて、前記ドレスギヤの歯面座標を演算する第2
段階と、前記ドレスギヤの歯面座標に基づいて、前記ド
レスギヤの歯面の法線単位ベクトルを演算する第3段階
と、前記法線単位ベクトルに基づいて、共役砥石歯面を
演算する第4段階と、前記軸間距離と前記軸交差角に基
づいて、前記ドレスギヤの歯面座標を前記内歯砥石の歯
面座標に変換する第5段階と、今回のドレス時における
軸交差角および仮のドレス量を入力する第6段階と、今
回のドレス時における内歯砥石の歯面座標を演算する第
7段階と、前回のドレス時における内歯砥石の歯面座標
と今回のドレス時における内歯砥石の歯面座標とから、
ドレス残りがあるか否かを判断する第8段階と、ドレス
残りがないと判断された場合には、当該仮のドレス量を
前記内歯砥石の一回あたりのドレス量とする一方、ドレ
ス残りがあると判断された場合には、仮のドレス量を増
加し、ドレス残りがないと判断されるまで、上記第6段
階から第8段階を繰り返す第9段階と、を含むことを特
徴とする。
ドレスギヤの回転軸と内歯砥石の回転軸との軸交差角を
ドレスの度に変化させるとともに、軸交差角の大きさに
応じて、内歯砥石の一回あたりのドレス量を変化させる
ようにしたので、軸交差角に応じた最適なドレス量を得
ることができ、内歯砥石の寿命を伸ばすことができる。
とができる。
明にかかる内歯砥石のドレス方法の好適な実施の形態を
詳細に説明する。図1は、本発明の方法が適用される歯
車加工装置の構成図である。
その長手方向に移動自在に載置される。ワークテーブル
100は、基台102に取り付けられた駆動モータ10
4で回転されるボールねじ106を介して図示A−B方
向(Z軸方向)に往復駆動される。ワークテーブル10
0の移動位置は、駆動モータ104内に設けられている
移動位置検出用エンコーダによって検出される。
00上に固定して取り付けられ、図示されていない被加
工歯車またはドレスギヤを回転自在に支持する。チャッ
ク装置108は、被加工歯車またはドレスギヤを支持す
る主軸110を回転させるためのワーク駆動モータ11
2と、被加工歯車またはドレスギヤの回転位置を検出す
るための回転位置検出用エンコーダ114を備えてい
る。
00に進退自在に取り付けられる。切り込み装置116
は、ワークテーブル100に取り付けられた図示しない
切り込み用モータによって図示C−D方向(X軸方向)
に進退駆動される。切り込み装置の進退位置は、切り込
みモータ内に設けられている進退位置検出用エンコーダ
によって検出される。
ンドル装置120は、切り込み装置116に上下動およ
び回動自在に支持される。スピンドル装置120は、砥
石上下駆動装置122によって図示E−F方向(Y軸方
向)に上下駆動され、また、砥石旋回装置124によっ
て図示矢印方向に旋回駆動される。砥石上下駆動装置1
22は、砥石旋回装置124に回動自在に取り付けら
れ、砥石旋回装置124は、切り込み装置116に固定
して取り付けられる。
置122のスライドヘッド126に固定して取り付けら
れる。スライドヘッド126は、砥石上下駆動装置12
2の基台130に取り付けられた駆動モータ132で上
下に駆動される。スライドヘッド126の位置は、駆動
モータ132に内蔵されているスライド位置検出用エン
コーダによって検出される。砥石旋回装置124は、そ
の装置に内蔵されている図示しない旋回駆動モータによ
って砥石上下駆動装置122を回動させ、この回動によ
ってスピンドル装置120を旋回させる。スピンドル装
置120の旋回位置は、旋回駆動モータに内蔵されてい
る図示しない旋回位置検出用エンコーダによって検出さ
れる。
を回転させるためのスピンドルモータ134と、内歯砥
石118の回転位置を検出する砥石回転位置検出用エン
コーダ136とを備えている。
系のブロック図である。
御装置200は、ワークテーブル100を駆動する駆動
モータ104、切り込み装置116を進退駆動する切り
込みモータ204、砥石上下駆動装置122を回動させ
る旋回駆動モータ208、スライドヘッド126を駆動
する駆動モータ132、被加工歯車またはドレスギヤを
回転させるワーク駆動モータ112、内歯砥石118を
回転させるスピンドルモータ134に接続される。
ル100の移動位置を検出する移動位置検出用エンコー
ダ202、切り込み装置116の進退位置を検出する進
退位置検出用エンコーダ206、スピンドル装置120
の旋回位置を検出する旋回位置検出用エンコーダ21
0、スライドヘッド126の位置を検出するスライド位
置検出用エンコーダ212、被加工歯車またはドレスギ
ヤの回転位置を検出する回転位置検出用エンコーダ11
4、内歯砥石118の回転位置を検出する砥石回転位置
検出用エンコーダ136が接続される。
きには、制御装置200は、この加工指令信号と上記す
べてのエンコーダからのフィードバック信号とに基づい
て、上記各モータの駆動を制御し、被加工歯車を内歯砥
石118によって研削する。制御装置200にドレス指
令信号が入力されたときには、制御装置200は、この
ドレス指令信号と、進退位置検出用エンコーダ206お
よび旋回位置検出用エンコーダ210からのフィードバ
ック信号とに基づいて、切り込みモータ204の駆動を
制御し、内歯砥石118のドレス作業を行う。なお、制
御装置200は、進退位置検出用エンコーダ206およ
び旋回位置検出用エンコーダ210からのフィードバッ
ク信号を、次に説明するドレス量演算装置に送る。
ク図である。
記憶部310と、ドレス前中心間距離記憶部312と、
ドレス前軸交差角記憶部314と、ドレス演算部316
と、最適ドレス記憶部318とを備えている。
円半径(RB)、位相角(φ)、基礎円ネジレ角(β
b)、インボリュート関数(INV)、圧力角(α)な
どの、歯車の基本諸元を記憶している。
のドレス時における、内歯砥石118の回転軸とドレス
ギヤの回転軸との軸間距離を記憶している。この軸間距
離は、進退位置検出用エンコーダ206から出力される
パルス数として記憶されている。
ドレス時における、内歯砥石118の回転軸とドレスギ
ヤの回転軸との軸交差角を記憶している。この軸交差角
は、旋回位置検出用エンコーダ210から出力されるパ
ルス数として記憶されている。
離記憶部312に記憶されている、前回のドレス時にお
ける、内歯砥石118の回転軸とドレスギヤの回転軸と
の軸間距離、ドレス前軸交差角記憶部314に記憶され
ている、前回のドレス時における、内歯砥石118の回
転軸とドレスギヤの回転軸との軸交差角、および歯車基
本諸元記憶部310に記憶されている歯車基本諸元を用
いて、今回のドレス時の軸交差角における最適なドレス
量を求める。
部316で求められた最適なドレス量を軸交差角の大き
さごとに記憶する。つまり、交差軸角の大きさとドレス
量との関係を示したテーブルを記憶する。
置200に対してドレス指令信号を出力する。なお、ド
レス量演算装置300には、内歯砥石118の新品時か
らのドレス回数をカウントする機能が備えられている。
ドレス回数は、ドレス指令信号の出力回数に基づいてカ
ウントされる。また、ドレス量演算装置300には、制
御装置200からのフィードバック信号が入力される。
このフィードバック信号は、内歯砥石118の回転軸と
ドレスギヤの回転軸との軸間距離を演算するための進退
位置検出用エンコーダ206から出力されるパルス数、
および、内歯砥石118の回転軸とドレスギヤの回転軸
との軸交差角を演算するための旋回位置検出用エンコー
ダ210から出力されるパルス数に関する信号である。
ード320が接続されているが、このキーボード320
は、歯車基本諸元の入力を行うために設けてある。
ドレス量が演算される過程を、図4のフローチャートお
よび図5以降の図面を参照しながら説明する。
元記憶部310に記憶されている歯車基本諸元を入力す
る。この歯車基本諸元は、キーボード320によってあ
らかじめ入力されている。この歯車基本諸元は、図5に
示すように、歯車の基礎円半径(RB)、位相角
(φ)、基礎円ネジレ角(βb)、インボリュート関数
(INV)、圧力角(α)である(S1)。
中心間距離記憶部312に記憶されている、前回のドレ
ス時における、内歯砥石118の回転軸とドレスギヤの
回転軸との軸間距離(ドレス前中心間距離A)を入力す
る。このドレス前中心間距離Aは、図2の制御装置20
0からフィードバック信号として出力される、進退位置
検出用エンコーダ206から出力されるパルス数に基づ
いて演算される。つまり、ドレスギヤの回転軸、換言す
れば主軸110の回転軸は固定されており、主軸110
の回転軸と内歯砥石118の回転軸の基準位置との距離
はあらかじめわかっているので、内歯砥石118の回転
軸が基準位置からどの程度の距離ずれているかを進退位
置検出用エンコーダ206から出力されるパルス数で演
算すれば、ドレス前中心間距離Aは演算できる。この演
算は、ドレス作業が行われる度にドレス演算部316で
行われ、その演算結果がドレス前中心間距離記憶部31
2に記憶される(S2)。
軸交差角記憶部314に記憶されている、前回のドレス
時における、内歯砥石118の回転軸とドレスギヤの回
転軸との軸交差角を入力する。この軸交差角は、制御装
置200からフィードバック信号として出力される、旋
回位置検出用エンコーダ210から出力されるパルス数
に基づいて演算される。つまり、ドレスギヤの回転軸、
換言すれば主軸110の回転軸は水平に固定されている
ので、内歯砥石118の回転軸が水平からどの程度の角
度を成しているかを旋回位置検出用エンコーダ210か
ら出力されるパルス数で演算すれば、軸交差角は演算で
きる。この演算は、ドレス作業が行われる度にドレス演
算部316で行われ、その演算結果がドレス前軸交差角
記憶部314に記憶される(S3)。
歯車基本諸元、ドレス前中心間距離A、ドレス前軸交差
角に基づいて、次の演算を行い、ドレスギヤの歯面座標
G(X,Y,Z)を求める(S4)。
単位ベクトル計算を行う。この法線単位ベクトルOEは
次の演算によって求めることができる(S5)。 OE=(dG/dα)×(dG/dφ)/絶対値[(d
G/dα)×(dG/dφ)] さらに、ドレス演算部316は、共役砥石歯面計算を行
う。この共役砥石歯面計算は、つぎのようにして行われ
る。
Eとし、ドレスギヤ歯面の相対速度ベクトルをVとする
と、内歯砥石118とドレスギヤとがかみ合う点では、
OE×V=0 という式が成立する。換言すれば、こ
のかみ合う点は、ドレスギヤの歯面座標が内歯砥石11
8の歯面座標になる点である。つぎに、内歯砥石118
とドレスギヤとの相対速度ベクトルをVとし、ドレスギ
ヤ歯面の速度ベクトルをVG、内歯砥石118の歯面の
速度ベクトルをVTとすると、V=VG−VT とな
る。
の位相角φの時の法線単位ベクトルOEと、相対速度ベ
クトルVとが求められたので、ドレスギヤの歯面全面に
ついて、OE×V=0という式が成立する圧力角α、位
相角φの値をそれぞれ求める。このようにして求めた圧
力角α、位相角φの値を、ドレスギヤの歯面座標G
(X,Y,Z)を求める前述の式に代入して共役砥石歯
面を求める。求めたれたドレスギヤの歯面座標G(X,
Y,Z)は、内歯砥石118とかみ合うドレスギヤの歯
面座標である(S6)。
ヤから内歯砥石118への座標変換処理を行う。この座
標変換処理は、次のようにして行う。
スギヤとの軸交差角をΣ、内歯砥石118とドレスギア
との中心間距離をAとし、ドレスギヤの歯面座標を
(x,y,z)、内歯砥石118の歯面座標を(X,
Y,Z)とすると、ドレスギヤの歯面座標(x,y,
z)を歯面座標(X,Y,Z)に変換するには、下記の
行列式を用いる。
アの座標系が内歯砥石118の座標系に変換されること
になり、上記のようにして求められたドレスギヤの歯面
座標から内歯砥石118の歯面座標が求められることに
なる。
め定められている切込み量でドレスを行ったときに、内
歯砥石118の歯面にドレス残りが生じるか否かを判断
するため、ドレス前後の歯面距離dを演算する。
ス前の内歯砥石118の歯面座標をOPとし、軸交差角
をあらかじめ定められている角度だけ変更したときの、
未知のドレス後の内歯砥石118の歯面座標をOPPと
し、ドレス前後の歯面距離をdとすると、ドレス前後の
法線単位ベクトルOEの関係は、 OP=d×OE+OPP が成り立つので、 OPP(X)+d×OE+OPP(X)=0 OPP(Y)+d×OE+OPP(Y)=0 OPP(Z)+d×OE+OPP(Z)=0 という3つの方程式が成立する。
PP(Z)は、ドレス後の内歯砥石118のX軸上、Y
軸上、Z軸上の歯面座標である。
の内歯砥石歯面のドレス前後での歯面距離dを求めるこ
とができる。この計算は、内歯砥石118の歯面全体に
ついて行う。たとえば、歯面距離を求める点を、歯型方
向5点、歯筋方向5点とすると、各歯面に対して25箇
所の歯面距離dを求めることができる(S8)。
が0よりも大きいか否かを判断する(S9)。求めた歯
面距離dが全てプラスであれば(S9:YES)、ドレ
ス後の内歯砥石歯面座標がドレス前の内歯砥石歯面座標
を追い越したことになるので、ドレス残りは生じないこ
とになる。たとえば、25箇所の歯面距離を実際に求め
た結果を示すのが図7であるが、この図を見ればわかる
ように、左歯面および右歯面ともに、求められた「砥石
の距離」はすべて+であるので、この場合には、ドレス
残りは生じないことがわかる。
れば、あらかじめ定められている切込み量でドレスを開
始する。つまり、ドレス演算部316は、制御装置20
0に、求めた切込み量で内歯砥石118をドレスすべき
指令をドレス指令信号として出力する(S10)。
れば(S9:NO)、このままドレスをすればドレス残
りが生じることになるので、ドレス演算部316は、あ
らかじめ定められている切込み量を増加し、新たなドレ
ス量を求める(S11)。このドレス量で再度、S8の
ステップの処理を行う。以上のようにして、歯面距離d
が0よりも大きくなるまでドレス量の変更を行い、その
変更後の切込み量でドレスを開始する。つまり、ドレス
演算部316は、制御装置200に、求めた切込み量で
内歯砥石118をドレスすべき指令をドレス指令信号と
して出力する(S10)。
れる。したがって、以上の処理が内歯砥石118の新品
から廃却まで行われると、内歯砥石118とドレスギヤ
との軸交差角度ごとの最適なドレス量を求めることがで
きる。最適ドレス量記憶部318には、ドレス演算部3
16で求められた最適なドレス量が軸交差角の大きさご
とに記憶される。つまり、図8に示すような、交差軸角
の大きさとドレス量との関係を示したテーブルが記憶さ
れる。
角の大きさによって、ドレス残りを生じない最適なドレ
ス量があることがわかる。したがって、従来のように、
ドレス残りが生じないように、軸交差角の大きさに依ら
ずに、常に十分なドレス量(0.06mm×2倍程度)をも
って内歯砥石118をドレスすることと比較すれば、本
発明は、非常に合理的なドレス量の算出ができるので、
オーバードレスをすることがなく、砥石の寿命を延ばす
ことができる。また、従来のように、ドレス残りが生じ
た場合の追加のドレス量をトライアンドエラーで決める
必要がなくなるので、ドレス作業の時間短縮ができるだ
けでなく、自動サイクルでドレス作業を行わせることが
できる。
れた数値を視覚的にわかるようにグラフ形式で表示した
図である。図9は、ドレス残りが生じた場合を示す。こ
の図を見れば明らかなように、左歯面および右歯面に−
となる部分が存在している。したがって、このマイナス
となる部分は、ドレスがされない部分であることがわか
る。図10は、ドレス残りが生じない場合を示す。この
図では、左歯面および右歯面に−となる部分が存在しな
い。したがって、ドレスがされない部分は存在しないこ
とがわかる。
置で行った場合の演算結果を示す図である。同図の左側
の図は、軸交差角20°一定とし、中心間距離をドレス
前127mmからドレス後127.06mmに変化さ
せ、ドレス量を60μとした場合にドレス残りが生じる
か否かについて検証した。この条件で演算した結果、図
のように−となる部分が存在していないので、ドレス残
りが生じないことがわかる。
19.965°に変化させ(内歯砥石を時計方向に回動
する)、中心間距離をドレス前127mmからドレス後
127.06mmに変化させ、ドレス量を60μmとし
た場合にドレス残りが生じるか否かについて検証した。
この条件で演算した結果、図のように−となる部分が一
部に存在しているので、ドレス量60μmではドレス残
りが生じ手しまうことがわかる。
に、中心間距離をドレス前127mmからドレス後12
7.1mmに変化させ、ドレス量を100μmとした場
合にドレス残りが生じるか否かについて検証した。この
検証の結果を表わしているのが、同図の右側の図であ
る。この条件で演算した結果、図のように−となる部分
が存在しなくなったので、この条件であれば、ドレス残
りが生じないことがわかる。
歯車加工装置のドレス作業時の動作を説明する。制御装
置200がドレス量演算装置300から出力されたドレ
ス指令信号を入力すると、ドレスギヤと内歯砥石118
が同期回転しながら切り込み装置116を前進させる。
切り込み装置116が所定の位置まで前進すると、ドレ
スギヤと内歯砥石とがかみ合い始め、そのかみ合いがバ
ックラッシュなしでかみ合うまで前進しつづける。制御
装置200は、この状態のまま、内歯砥石118を駆動
するスピンドルモータ134とドレスギアを駆動するワ
ーク駆動モータ112に流れる電流値を監視し、その電
流値があらかじめ定めてある閾値を超えたときに、進退
位置検出用エンコーダ206から切り込み装置116の
位置を読む。この切り込み装置16の位置は、フィード
バック信号としてドレス量演算装置300に送られる。
この切り込み装置116の位置から、前回のドレス時に
おける、内歯砥石118の回転軸とドレスギヤの回転軸
との軸間距離(ドレス前中心間距離A)が求められる。
118の軸交差角が所定の角度に(今回度ドレスの角度
に)設定される。軸交差角は、内歯砥石118が新品時
は最も大きく、ドレスの度に、その新品時の角度から、
あらかじめ定められた一定の角度ずつ(たとえば0.0
35°)時計回りに回転させて小さくしていく。したが
って、今回のドレスが新品時から何回目のドレスである
かによって軸交差角を何度にすべきかがわかる。ドレス
回数は、ドレス量演算装置300によってカウントされ
ている。
設定されると、ドレス量演算装置300は、その軸交差
角に最適なドレス量を算出し、そのドレス量をドレス指
令信号として制御装置200に送る。制御装置200
は、ドレス残りが生じない最適なドレス量だけ、ドレス
ギヤと内歯砥石118とを同期回転させながら切り込み
装置116を前進させる。この前進にしたがってドレス
ギヤの歯面が内歯砥石の歯面にこすれるように当たり、
軸交差角が変えられた内歯砥石118の歯面をドレスし
て行く。
内歯砥石118の回転軸とドレスギヤの回転軸との軸間
距離(ドレス前中心間距離A)を求めるために、内歯砥
石118を駆動するスピンドルモータ134とドレスギ
アを駆動するワーク駆動モータ112に流れる電流値を
監視し、その電流値から、内歯砥石118とドレスギヤ
がバックラッシュなしでかみ合う位置を求め、これによ
って、ドレス前の砥石歯面を求めたが、これ以外に、ド
レス作業からドレス作業までの間に、内歯砥石118が
どの程度磨耗するのかを事前に実験的に求め、それを記
憶しておき、前回ドレスした時のドレス前中心間距離A
に実験的に求めておいた内歯砥石の磨耗量を加えた位置
を、前回のドレス時における、内歯砥石118の回転軸
とドレスギヤの回転軸との軸間距離(ドレス前中心間距
離A)としても良い。このようにしてドレス前中心間距
離Aを求めれば、電流値を監視する機能を制御装置20
0が備える必要がなくなるので、制御装置200の構成
が簡略化できる。
図である。
図である。
る過程を示すフローチャートである。
するときの説明に供する図である。
図である。
図である。
わかるようにグラフ形式で表示した図である。
的にわかるようにグラフ形式で表示した図である。
無の演算を行った場合の演算結果を示す図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 外歯型のドレスギヤを内歯砥石にかみ合
わせて当該内歯砥石のドレスを行う内歯砥石のドレス方
法であって、 前記ドレスギヤの回転軸と前記内歯砥石の回転軸との軸
交差角をドレスの度に変化させるとともに、前記軸交差
角の大きさに応じて、前記内歯砥石の一回あたりのドレ
ス量を変化させることを特徴とする内歯砥石のドレス方
法。 - 【請求項2】 前記内歯砥石の回転軸は、ドレスの度に
時計回りに回転させることを特徴とする請求項1に記載
の内歯砥石のドレス方法。 - 【請求項3】 前記交差軸角が大きくなるにしたがって
前記ドレス量を大きくし、逆に前記交差軸角が小さくな
るにしたがって前記ドレス量を小さくすることを特徴と
する請求項1に記載の内歯砥石のドレス方法。 - 【請求項4】 外歯型のドレスギヤを内歯砥石にかみ合
わせて当該内歯砥石のドレスを行う内歯砥石のドレス方
法であって、 前記内歯砥石の新品時からのドレス回数に基づいて前記
ドレスギヤの回転軸と前記内歯砥石の回転軸との軸交差
角を演算する段階と、 前記演算された交差角に基づいて、前記内歯砥石の一回
あたりのドレス量を演算する段階と、 前記内歯砥石の回転軸を軸交差角に設定する段階と、 前記ドレスギヤを用いて、前記内歯砥石を演算されたド
レス量だけ切り込む段階と、 を含むことを特徴とする内歯砥石のドレス方法。 - 【請求項5】 前記ドレス量を演算する段階は、 前回のドレス時における前記ドレスギヤの回転軸と前記
内歯砥石の回転軸との軸間距離および前回のドレス時に
おける軸交差角を求める第1段階と、 前記軸間距離と前記軸交差角に基づいて、前記ドレスギ
ヤの歯面座標を演算する第2段階と、 前記ドレスギヤの歯面座標に基づいて、前記ドレスギヤ
の歯面の法線単位ベクトルを演算する第3段階と、 前記法線単位ベクトルに基づいて、共役砥石歯面を演算
する第4段階と、 前記軸間距離と前記軸交差角に基づいて、前記ドレスギ
ヤの歯面座標を前記内歯砥石の歯面座標に変換する第5
段階と、 今回のドレス時における軸交差角および仮のドレス量を
入力する第6段階と、 今回のドレス時における内歯砥石の歯面座標を演算する
第7段階と、 前回のドレス時における内歯砥石の歯面座標と今回のド
レス時における内歯砥石の歯面座標とから、ドレス残り
があるか否かを判断する第8段階と、 ドレス残りがないと判断された場合には、当該仮のドレ
ス量を前記内歯砥石の一回あたりのドレス量とする一
方、ドレス残りがあると判断された場合には、仮のドレ
ス量を増加し、ドレス残りがないと判断されるまで、上
記第6段階から第8段階を繰り返す第9段階と、 を含むことを特徴とする請求項4に記載の内歯砥石のド
レス方法。
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