JP2003038249A - 歯ブラシ - Google Patents

歯ブラシ

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JP2003038249A
JP2003038249A JP2001233254A JP2001233254A JP2003038249A JP 2003038249 A JP2003038249 A JP 2003038249A JP 2001233254 A JP2001233254 A JP 2001233254A JP 2001233254 A JP2001233254 A JP 2001233254A JP 2003038249 A JP2003038249 A JP 2003038249A
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bristle
bristles
toothbrush
flocking
area
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English (en)
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Mitsuyuki Kubo
充幸 久保
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Kao Corp
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Kao Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ブリッスル間に大きな隙間が生じにくく、ブ
リッスルを口腔内の細かい隙間に入り込ませ易いと共
に、ブリッスルの毛立ちが良好で抜けが生じにくい歯ブ
ラシを提供する。 【解決手段】 融着植毛法又は接着植毛法により多数の
ブリッスル11からなるブリッスル束12が一つの束と
して植毛台14の表面の周縁部分を除く略全領域を占め
るように植毛された歯ブラシ10であって、ブリッスル
束12を構成する各ブリッスル11は、植毛台14の表
面に沿った切断面sの面積よりも、先端から0.5mm
の位置の切断面rの面積の方が小さくなっている。ま
た、各ブリッスル11の先端から0.5mmの位置の切
断面rの面積は、植毛台14の表面に沿った切断面sの
面積の25〜50%となっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数のブリッスル
からなるブリッスル束が融着植毛法又は接着植毛法によ
り植毛台の表面に植毛された歯ブラシ、及び歯ブラシの
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】歯ブラ
シは、一般に、複数本のブリッスルを束ねて構成される
ブリッスル束を、平線を打ち込む方法等によって植毛台
に複数植毛固定することにより形成されるが、このよう
な歯ブラシは、隣り合うブリッスル束の間に大きな隙間
が生じやすく、またブリッスル束でまとまって動くため
口腔内の細かい隙間にブリッスルが入り込みにくかっ
た。これに対し、例えば特開2000−316632や
特開2001−112543には、多数のブリッスル
を、一本一本が根元部において離れた状態として等しい
密度で植毛台に垂直に植毛することにより、細かい隙間
にブリッスルを入り易くした歯ブラシが記載されている
が、これらの公報に記載の歯ブラシによれば、その製造
方法が煩雑でコストがかかると共に、ブリッスルを固定
する強度に乏しく、ブリッスルが抜けやすかったり、毛
立ちが悪くなりやすかった。
【0003】一方、植毛台に植毛されるブリッスル束
は、円柱状のブリッスルを束ねて構成されるのが一般的
であるが、円柱状のままではしなやかな感触に乏しく、
また歯間部に入りにくいため、ブリッスルの先端部分を
テーパー状に加工することによってしなやかな感触と歯
間部への入りやすさを改善した歯ブラシが、例えば特開
平6−141923号や特開平10−225324号に
記載されている。しかしながら、これらの公報に記載の
歯ブラシによれば、しなやかな感触を得ることはできる
が、ブリッスルが先端に行くにしたがって細くなりすぎ
るため、歯間部には到達するものの歯垢を落とす効果に
乏しかった。
【0004】本発明は、ブリッスル間に大きな隙間が生
じにくく、ブリッスルを口腔内の細かい隙間に入り込ま
せ易いと共に、ブリッスルの毛立ちが良好で抜けが生じ
にくく、かつ安価に製造可能な歯ブラシ及び該歯ブラシ
の製造方法を提供することを目的とする。
【0005】また、本発明は、しなやかな感触を得るこ
とができると共に、歯間部への到達性も高く、かつ歯垢
を落とす効果に優れる歯ブラシを提供することを目的と
する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、融着植毛法又
は接着植毛法により多数のブリッスルからなるブリッス
ル束が一つの束として植毛台の表面の周縁部分を除く略
全領域を占めるように植毛された歯ブラシであって、前
記ブリッスル束を構成する各ブリッスルは、前記植毛台
の表面に沿った切断面の面積よりも、先端から0.5m
mの位置の切断面の面積の方が小さくなっている歯ブラ
シを提供することにより、上記目的を達成したものであ
る。
【0007】本発明の歯ブラシによれば、前記各ブリッ
スルの先端から0.5mmの位置の切断面の面積を、前
記植毛台の表面に沿った切断面の面積の25〜50%と
することが好ましく、また前記ブリッスルの断面形状
は、円形や楕円形等の他、4角形、6角形、8角形等の
多角形形状とすることもできる。
【0008】また、本発明は、柱状のブリッスルを多数
束ねて構成される一つのブリッスル束を融着植毛法又は
接着植毛法により植毛台の表面の周縁部分を除く略全領
域を占めるように植毛し、しかる後に前記ブリッスルの
先端部分を先細り状になるように加工して、前記歯ブラ
シを製造する歯ブラシの製造方法を提供することによ
り、上記目的を達成したものである。
【0009】さらに、本発明は、先端部分が先細り状に
なるように予め加工したブリッスルを多数束ねて構成さ
れる一つのブリッスル束を、融着植毛法又は接着植毛法
により植毛台の表面の周縁部分を除く略全領域を占める
ように植毛して、前記歯ブラシを製造する歯ブラシの製
造方法を提供することにより、上記目的を達成したもの
である。
【0010】さらにまた、本発明は、複数のブリッスル
からなるブリッスル束が融着植毛法又は接着植毛法によ
り植毛台の表面に複数植毛された歯ブラシであって、前
記ブリッスル束を構成する各ブリッスルは、その先端か
ら0.5mmの位置の切断面の面積が、前記植毛台の表
面に沿った切断面の面積の25〜50%である歯ブラシ
を提供することにより、上記目的を達成したものであ
る。なお、前記ブリッスルの断面形状は、円形や楕円形
等の他、4角形、6角形、8角形等の多角形形状とする
こともできる。
【0011】本発明のブリッスル束が一つの束として植
毛台の表面の周縁部分を除く略全領域を占めるように植
毛された歯ブラシによれば、融着植毛法又は接着植毛法
によって、ブリッスル束を構成する多数のブリッスルが
その根元部を一体として互いに密着させた状態で植毛さ
れていることにより、多数のブリッスルは、その基端部
分で互いに支持し合ってブリッスルの毛立ちを良好にす
ると共に、ブリッスルの抜けを効果的に防止することが
可能になる。また、多数のブリッスルの先端部分は、そ
の先端部分の断面積が根元部の断面積よりも小さくなっ
ていて隣接するブリッスル間に適度の小さな間隔が保持
されるので、ブリッスルを口腔内の細かい隙間に入り込
ませ易い。さらに、このような歯ブラシは、例えば上述
の各製造方法によって、ブリッスルを一本一本植毛する
方法と比較して、簡易かつ安価に製造することができ
る。
【0012】また、本発明の歯ブラシによれば、一つの
束として植毛台の表面の周縁部分を除く略全領域を占め
るように植毛されたブリッスル束、或いは植毛台の表面
に複数植毛されたブリッスル束において、これらのブリ
ッスル束を構成する各ブリッスルは、その先端から0.
5mmの位置の切断面の面積が、植毛台の表面に沿った
切断面の面積の25〜50%となっていることより、ブ
リッスルの先端部分をテーパー状に加工した歯ブラシと
同様にしなやかな感触と歯間部への入りやすさを備える
ことができると共に、テーパー状に加工したものと比較
してブリッスルの先端が細くなりすぎることがなく、こ
れによってブリッスルの耐久性が向上し、かつ歯垢を落
とす効果も向上する。
【0013】さらに、本発明の歯ブラシによれば、前記
ブリッスルの断面形状を、4角形、6角形、8角形等の
多角形形状とすることにより、植毛されるブリッスル束
におけるブリッスルの充填率を上げることが可能とな
り、これによって刷掃効果と耐久性を高めることが可能
になる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下本発明の好ましい実施形態に
ついて説明する。本発明の第1実施形態に係る歯ブラシ
10は、図1に示すように、把持部(図示せず)と植毛
台14とこれらを連結する首部15とからなる歯ブラシ
本体の植毛台14に、融着植毛法又は接着植毛法によっ
て、多数のブリッスル11からなるブリッスル束12が
一つの束として植毛台14の表面の周縁部分を除く略全
領域を占めるように植毛されている。また、本第1実施
形態によれば、ブリッスル束12を構成する各ブリッス
ル11は、図2に示すように、植毛台14の表面に沿っ
た切断面の面積よりも、先端から0.5mmの位置の切
断面の面積の方が小さくなっている。すなわち、本第1
実施形態によれば、各ブリッスル11の先端から0.5
mmの位置の切断面rの面積が、植毛台14の表面に沿
った切断面sの面積の25〜50%となっている。
【0015】本第1実施形態によれば、歯ブラシ本体
は、例えばポリプロピレン、ABS樹脂等の合成樹脂か
らなり、その植毛台14の平坦な表面には、これの周縁
部分を除く内側の略全領域に開口形成された一つの植毛
穴13を備えている。そして、この植毛穴13に一つに
まとめられたブリッスル束12の下端部分を挿入して加
熱溶融すると共に、必要に応じて植毛穴13に樹脂を適
宜注入することにより、当該下端部分を融着一体化し
て、ブリッスル束12を植毛台14に一体として植毛す
る。また、例えば挿入案内板を介して金型の内部に一つ
にまとめられたブリッスル束12の下端部分を挿入した
状態で、金型内に合成樹脂を注入して固化することによ
り、歯ブラシ本体及び植毛台14を射出成形すると同時
に、ブリッスル束12を植毛台14に一体として植毛す
ることもできる。
【0016】ブリッスル束12を構成する各ブリッスル
11は、ナイロン等の合成樹脂からなる、例えば0.1
〜0.3mmの太さを有し先端部分が先細り形状に縮径
する略円柱状のフィラメント材であって、例えば10.
0〜15.5mm程度の長さを有する。ブリッスル11
は、これの側面を互いに密着させた状態で例えば600
〜2000束ねることによって、長円形状の植毛穴13
の内周形状に沿った断面形状のブリッスル束12が形成
される。ブリッスル束12は、例えば上述の融着植毛法
又は接着植毛法によって、例えば8.5〜12.5mm
程度の毛丈で植毛台14に一体として植毛される。
【0017】また、ブリッスル束12を構成する各ブリ
ッスル11は、植毛台14の表面に沿った切断面sの面
積よりも、先端から0.5mmの位置の切断面rの面積
の方が小さくなるように、その外周面を先端に向けて曲
線的に徐々に縮径させて、先細り形状となった先端部分
を備えている(図2参照)。また各ブリッスル11の先
端部分を先細り形状とするための加工は、円柱状のブリ
ッスル11を多数束ねて構成される一つのブリッスル束
12を植毛台14の表面に植毛した後に行っても良く、
先端部分が先細り形状となるようにブリッスル11を予
め加工してから一つのブリッスル束12を植毛台14の
表面に植毛しても良い。
【0018】各ブリッスル11の先端部分を先細り形状
とする加工方法としては、薬品を用いた加工方法や、機
械的加工方法等の公知の各種の加工処理方法を採用する
ことができる。薬品を用いた加工方法としては、例えば
ブリッスル束12の先端を合成樹脂を溶かす薬品に浸漬
し、毛細管現象を利用してブリッスル11間の隙間に薬
品を上昇させて、各ブリッスル11の外周面を溶融する
ことによって先細り形状とした後に、必要に応じてブリ
ッスル11の頭の部分を平坦にカットする方法を採用す
ることができる。また、機械的加工方法としては、例え
ば特開平10−14663号に記載されているような、
回転するワイヤーブラシに、ブリッスル束12の先端部
分を回転させた状態で接触させて先細り形状とした後
に、必要に応じてブリッスルの頭の部分を平坦にカット
する方法を採用することができる。
【0019】そして、本第1実施形態の歯ブラシ10に
よれば、ブリッスル11間に大きな隙間が生じにくく、
ブリッスル11を口腔内の細かい隙間に入り込ませ易い
と共に、ブリッスル11の毛立ちが良好で抜けが生じに
くく、かつ安価に製造することができる。すなわち、本
第1実施形態によれば、融着植毛法又は接着植毛法によ
って、ブリッスル束12が一つの束として植毛台14の
表面の周縁部を除く略全領域を占めるように植毛されて
いるので、ブリッスル束12を構成する多数のブリッス
ル11の根元部が一体として互いに密着した状態となっ
ていることにより、多数のブリッスル11は、その基端
部分で互いに支持し合ってブリッスル11の毛立ちを良
好にすると共に、ブリッスル11の抜けを効果的に防止
することが可能になる。また、多数のブリッスル11の
先端部分は、その先端部分の断面積が根元部の断面積よ
りも小さくなっていて隣接するブリッスル間に適度の小
さな間隔が保持されるので、ブリッスルを口腔内の細か
い隙間に入り込ませ易い。さらに、本第1実施形態の歯
ブラシ10は、例えば上述の製造方法によって簡易かつ
安価に製造することができる。
【0020】図3及び図4は、本発明の好ましい第2実
施形態に係る歯ブラシ20を示すものである。本第2実
施形態の歯ブラシ20によれば、把持部(図示せず)と
植毛台24とこれらを連結する首部25とからなる歯ブ
ラシ本体の植毛台24に、複数のブリッスル21からな
るブリッスル束22が融着植毛法又は接着植毛法により
植毛台24の表面に複数植毛されている。また、本第2
実施形態によれば、ブリッスル束22を構成する各ブリ
ッスル21は、その先端から0.5mmの位置の切断面
r’の面積が、植毛台24の表面に沿った切断面の面積
s’の25〜50%となっている。
【0021】本第2実施形態によれば、歯ブラシ本体
は、例えばポリプロピレン、ABS樹脂等の合成樹脂か
らなり、その植毛台24の平坦な表面には、周縁部分を
除く略全領域に略均等に縦横に分散配置されて、26束
のブリッスル束22が上述と同様の融着植毛法又は接着
植毛法を用いて植毛されている。
【0022】ブリッスル束22を構成する各ブリッスル
21は、ナイロン等の合成樹脂からなる、例えば0.1
〜0.3mmの太さを有し先端部分が先細り形状に縮径
する略円柱状のフィラメント材であって、例えば10.
0〜15.5mm程度の長さを有する。ブリッスル21
は例えば数本〜数十本束ねることによって、円形の植毛
穴23の形状に沿った円形断面のブリッスル束22が形
成される。ブリッスル束22は、上述の融着植毛法又は
接着植毛法によって、8.0〜12.5mm程度の毛丈
で植毛台24に一体として植毛される。
【0023】また、ブリッスル束22を構成する各ブリ
ッスル21は、円柱状のブリッスル21の先端部分を上
述と同様の薬品を用いた加工方法や機械的加工方法によ
って加工処理することにより、先端から0.5mmの位
置の切断面r’の面積が植毛台24の表面に沿った切断
面s’の面積の25〜50%である、外周面を先端に向
けて曲線的に徐々に縮径させて先細り形状となった先端
部分を備えている(図4参照)。
【0024】そして、本第2実施形態の歯ブラシ20に
よれば、刷掃時にしなやかな感触を得ることができると
共に、歯間部への到達性も高く、かつ歯垢を落とす効果
に優れる。すなわち、本第2実施形態によれば、ブリッ
スル束22を構成する各ブリッスル11は、その先端か
ら0.5mmの位置の切断面r’の面積が、植毛台24
の表面に沿った切断面s’の面積の25〜50%となっ
ていることより、ブリッスルの先端部分をテーパー状に
加工した歯ブラシと同様にしなやかな感触と歯間部への
入りやすさを備えると共に、テーパー状に加工したもの
と比較してブリッスル21の先端が細くなりすぎること
がなく、これによってブリッスル21の耐久性が向上
し、かつ歯垢を落とす効果も向上する。
【0025】なお、本発明は上記各実施形態に限定され
ることなく、種々の変更が可能である。例えば、ブリッ
スル束を構成するブリッスルは、外周面を先端に向けて
曲線的に徐々に縮径させて先細り形状となった先端部分
を備える略円柱状のブリッスルである必要は必ずしもな
く、例えば外周面を先端に向けて直線的に縮径させた切
頭円錐形状のブリッスルであっても良い(図5(a)参
照)。また、根元からブリッスルを縮径させる必要は必
ずしもなく、途中から縮径させても良い。さらに、ブリ
ッスルは、図5(b)〜(d)に示すように、5角形、
6角形、8角形等の多角形の断面形状を備えるものであ
っても良く、このような多角形の断面形状のブリッスル
を用いることにより、植毛されるブリッスル束における
ブリッスルの充填率を上げることが可能となり、これに
よって刷掃効果と耐久性を高めることが可能になる。
【0026】
【実施例】以下、実施例及び比較例により、本発明の歯
ブラシをさらに詳細に説明する。
【0027】〔実施例1〕多数のブリッスルからなるブ
リッスル束が一つの束として植毛台の表面の周縁部分を
除く略全領域を占めるように植毛された、上記第1実施
形態の歯ブラシ10と同様の構成を有する実施例1の歯
ブラシについて、下記の評価方法によってしなやかな感
触、歯間への到達感、及び歯間の歯垢除去効果を評価し
た。なお、ブリッスルとしてナイロン6−12からなる
203μm(8mil )のブリッスルを使用し、1800
本まとめてブリッスル束とした。またブリッスルの根元
部の直径を0.2mmとすると共に、先端から0.5m
mの位置の直径を0.1mmとし、ブリッスル束を1
1.0mmの毛丈で植毛した。評価結果を表1に示す。
【0028】〔比較例1〕円柱状の複数のブリッスルか
らなるブリッスル束を図3に示すような配置で複数植毛
してなる比較例1の歯ブラシについて、下記の評価方法
によってしなやかな感触、歯間への到達感、及び歯間の
歯垢除去効果を評価した。なお、ブリッスルとしてナイ
ロン6−12からなる203μm(8mil )のブリッス
ルを使用し、約20本まとめて各ブリッスル束とした。
また、ブリッスルの根元部の直径及び先端から0.5m
mの位置の直径はいずれも0.2mmとした。各ブリッ
スル束を孔径1.6mmの植毛穴に11.0mmの毛丈
で各々植毛した。評価結果を表1に示す。
【0029】〔比較例2〕図6(a),(b)に示すよ
うな、多数のブリッスルを一本一本が根元部において離
れた状態として等しい密度で植毛台に垂直に植毛してな
る、特開2000−316632の〔発明の実施の形
態〕に記載された歯ブラシと同様の構成を有する比較例
2の歯ブラシについて、下記の評価方法によってしなや
かな感触、歯間への到達感、及び歯間の歯垢除去効果を
評価した。評価結果を表1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】〔実施例1’〕複数のブリッスルからなる
ブリッスル束が植毛台の表面に複数植毛された、上記第
2実施形態の歯ブラシ20と同様の構成を有する実施例
1’の歯ブラシについて、下記の評価方法によってしな
やかな感触、歯間への到達感、及び歯間の歯垢除去効果
を評価した。なお、ブリッスルとしてナイロン6−12
からなる203μm(8mil )のブリッスルを使用し、
20本まとめて各ブリッスル束とした。またブリッスル
の根元部の直径を0.2mmとすると共に、先端から
0.5mmの位置の直径を0.1mmとし、各ブリッス
ル束を孔径1.6mmの植毛穴に11.0mmの毛丈で
各々植毛した。評価結果を表2に示す。
【0032】〔比較例1’〕先端部分が先細り形状とな
っていない円柱状の複数のブリッスルからなるブリッス
ル束を図3に示すような配置で複数植毛してなる比較例
1’の歯ブラシについて、下記の評価方法によってしな
やかな感触、歯間への到達感、及び歯間の歯垢除去効果
を評価した。なお、ブリッスルとしてナイロン6−12
からなる203μm(8mil )のブリッスルを使用し、
約20本まとめて各ブリッスル束とした。また、ブリッ
スルの根元部の直径及び先端から0.5mmの位置の直
径はいずれも0.2mmとした。各ブリッスル束を孔径
1.6mmの植毛穴に11.0mmの毛丈で各々植毛し
た。評価結果を表2に示す。
【0033】〔比較例2’〕先端部分がテーパー状とな
っている複数のブリッスルからなるブリッスル束を図3
に示すような配置で複数植毛してなる比較例2’の歯ブ
ラシについて、下記の評価方法によってしなやかな感
触、歯間への到達感、及び歯間の歯垢除去効果を評価し
た。なお、ブリッスルとしてナイロン6−12からなる
203μm(8mil )のブリッスルを使用し、約20本
まとめて各ブリッスル束とした。また、ブリッスルの根
元部の直径を0.2mmとし、先端から0.5mm、
1.0mm、3.0mm、5.0mm、8.0mmの位
置の直径を、各々0.04mm、0.05mm、0.1
2mm、0.17mm、0.19mmとした。各ブリッ
スル束を孔径1.6mmの植毛穴に11.0mmの毛丈
で各々植毛した。評価結果を表2に示す。
【0034】
【表2】
【0035】〔しなやかな感触の評価〕7名の被験者に
実施例1、比較例1,2、実施例1’、比較例1’,
2’の歯ブラシを各々使用してもらい、アンケート調査
によって評価した。7名中6名以上が良好と回答した場
合を「◎」、7名中4〜5名が良好と回答した場合
を「」、7名中2〜3名が良好と回答した場合を
「△」、良好と回答した者が1名以下の場合を「×」と
して、しなやかな感触を評価した。
【0036】〔歯間への到達感の評価〕7名の被験者に
実施例1、比較例1,2、実施例1’、比較例1’,
2’の歯ブラシを各々使用してもらい、アンケート調査
によって評価した。7名中6名以上が良好と回答した場
合を「◎」、7名中4〜5名が良好と回答した場合
を「」、7名中2〜3名が良好と回答した場合を
「△」、良好と回答した者が1名以下の場合を「×」と
して、歯間への到達感を評価した。
【0037】〔歯間の歯垢除去効果の評価〕図7(a)
及び(b)に示すように、基台50の上に直径5mm、
長さ50mmの円柱状の多数のアクリル棒51を両側部
を互い密接させた状態で平行に並べて固定することによ
り、歯間部を模したモデル52を作成した。このモデル
の表面に歯垢の代用としてアルコールインクを40mm
の幅で塗布し、実施例1、比較例1,2、実施例1’、
比較例1’,2’の各歯ブラシ53について、以下の所
定の条件下で、ブラッシングマシーンによりアクリル棒
51と直交する方向Yへの刷掃を行った。残存歯垢量
(インク量)を画像解析により計測して、歯垢除去効果
を評価する。なお、刷掃条件として、荷重300g、刷
掃回数10回、速度100rpm(1分間に100往
復)、振幅3cm、刷掃角度(図7(c)参照)90゜
とした。
【0038】残存歯垢量の計測は、ブラッシング幅10
mm(アクリル棒2本分)におけるアルコールインクの
除去率を測定することにより行う。すなわち、歯のモデ
ルであるアクリル棒51を縦に3分割し、中央部分を歯
面、両側部分を歯間部として、インクの剥げた面積を画
像解析により測定した。評価は、比較例1及び比較例
1’の歯垢除去効果を100として、相対評価により行
った。
【0039】表1に示す評価結果から、本発明の第1実
施形態に係る実施例1の歯ブラシによれば、しなやかな
感触、歯間への到達感、及び歯間の歯垢除去効果のいず
れについても良好な結果が得られることが判明した。ま
た表2に示す評価結果から、本発明の第2実施形態に係
る実施例1’の歯ブラシによれば、しなやかな感触、歯
間への到達感、及び歯間の歯垢除去効果のいずれについ
ても良好な結果が得られることが判明した。
【0040】
【発明の効果】本発明の歯ブラシによれば、ブリッスル
間に大きな隙間が生じにくく、ブリッスルを口腔内の細
かい隙間に入り込ませ易いと共に、ブリッスルの毛立ち
が良好で抜けが生じにくい。また、本発明の歯ブラシの
製造方法によれば、このような歯ブラシを安価に製造す
ることができる。さらに、本発明の歯ブラシによれば、
しなやかな感触を得ることができると共に、歯間部への
到達性も高く、かつ歯垢を落とす効果に優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る歯ブラシの要部を
示す略示斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る歯ブラシの植毛さ
れたブリッスルを拡大して示す略示斜視図である。
【図3】本発明の第2実施形態に係る歯ブラシの要部を
示す略示斜視図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係る歯ブラシの植毛さ
れたブリッスルを拡大して示す略示斜視図である。
【図5】(a)〜(d)は本発明の歯ブラシに用いられ
るブリッスルの他の形状を示す略示斜視図である。
【図6】比較例2の歯ブラシの構成を説明する、(a)
は(b)のA−Aに沿った縦断面図、(b)は平面図で
ある。
【図7】(a)は歯垢除去効果の評価方法を説明する略
示側面図、(b)は同略示平面図、(c)は刷掃角度の
説明図である。
【符号の説明】
10,20 歯ブラシ 11,21 ブリッスル 12,22 ブリッスル束 13,23 植毛穴 14,24 植毛台 15,25 首部 r,r’ ブリッスルの先端から0.5mmの位置の
切断面 s,s’ ブリッスルの植毛台の表面に沿った切断面

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 融着植毛法又は接着植毛法により多数の
    ブリッスルからなるブリッスル束が一つの束として植毛
    台の表面の周縁部分を除く略全領域を占めるように植毛
    された歯ブラシであって、 前記ブリッスル束を構成する各ブリッスルは、前記植毛
    台の表面に沿った切断面の面積よりも、先端から0.5
    mmの位置の切断面の面積の方が小さくなっている歯ブ
    ラシ。
  2. 【請求項2】 前記各ブリッスルの先端から0.5mm
    の位置の切断面の面積が、前記植毛台の表面に沿った切
    断面の面積の25〜50%である請求項1記載の歯ブラ
    シ。
  3. 【請求項3】 前記ブリッスルの断面形状が、4角形、
    6角形、8角形等の多角形形状である請求項1又は2に
    記載の歯ブラシ。
  4. 【請求項4】 柱状のブリッスルを多数束ねて構成され
    る一つのブリッスル束を融着植毛法又は接着植毛法によ
    り植毛台の表面の周縁部分を除く略全領域を占めるよう
    に植毛し、しかる後に前記ブリッスルの先端部分を先細
    り形状となるように加工する請求項1〜3のいずれかに
    記載の歯ブラシを製造する歯ブラシの製造方法。
  5. 【請求項5】 先端部分が先細り形状となるように予め
    加工したブリッスルを多数束ねて構成される一つのブリ
    ッスル束を、融着植毛法又は接着植毛法により植毛台の
    表面の周縁部分を除く略全領域を占めるように植毛する
    請求項1〜3のいずれかに記載の歯ブラシを製造する歯
    ブラシの製造方法。
  6. 【請求項6】 複数のブリッスルからなるブリッスル束
    が融着植毛法又は接着植毛法により植毛台の表面に複数
    植毛された歯ブラシであって、 前記ブリッスル束を構成する各ブリッスルは、その先端
    から0.5mmの位置の切断面の面積が、前記植毛台の
    表面に沿った切断面の面積の25〜50%である歯ブラ
    シ。
  7. 【請求項7】 前記ブリッスルの断面形状が、4角形、
    6角形、8角形等の多角形形状である請求項6記載の歯
    ブラシ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007202606A (ja) * 2006-01-30 2007-08-16 Pentel Corp 口腔衛生具
JP2015037496A (ja) * 2013-08-19 2015-02-26 ライオン株式会社 歯ブラシの用毛及び歯ブラシ

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