JP2003035758A - 磁場計測装置 - Google Patents

磁場計測装置

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大介 鈴木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】常伝導の検出コイルを用い、検出コイルをクラ
イオスタット外部に配置しても磁場を高感度に検出でき
る磁場計測装置を提供する。 【解決手段】 外部磁場を検出する検出コイルと、該検
出コイルと電気的または磁束的に結合されるSQUIDと、
該SQUIDを低温に保持するクライオスタットと、前記SQU
IDを駆動する駆動回路とを備え、更に、検出コイルを常
伝導部材で製造しクライオスタットの外部に配置するこ
とが可能な構成とする。 【効果】検出コイルをクライオスタットの外部に出すこ
とが可能になるので、被検体に検出コイルを密着するこ
とが可能となり、微弱磁場の高感度な測定が可能とな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微弱な磁場を計測
するSQUID(Superconducting Quantum Interference De
vice:超伝導量子干渉素子)磁束計装置に関するもので
あり、特に高周波電流を生体内に流して得られる磁場変
化または核磁気共鳴信号を、該SQUIDと磁気結合または
電気接続されている検出コイルによって検出する方法に
関し、該検出コイルがクライオスタットの外部に配置さ
れている常伝導部材で構成されている構成に関するもの
でる。
【0002】
【従来の技術】従来、磁場計測装置は、超伝導部材で作
成された検出コイルを使用して超伝導量子干渉素子(Su
perconducting Quantum Interference Device:以後SQUI
Dと略す)と同時に検出コイルを超伝導状態に冷却し、
脳細胞内のニューロンの活動に伴う磁場変化(脳磁図)
や心筋細胞の活動電流に伴う磁場変化(心磁図)を検出
することが一般的である。そのため、検出コイルが測定
対象から遠くなることが問題であった。
【0003】一方,血液の流れや心臓の収縮拡張といっ
た機械的な動きに伴う動きをモニタするため,高周波電
流を生体に流して生体を流れる血液の変化量に伴う電位
を計測するimpedance cardiograph法が開発されてきた
(Aerospace Medicine Vol.37, pp.1208-1212,1966, Av
iation, Space, and Environmental Medicine Vol.70,N
o.8, 1999)。同様に生体に高周波電流を印可して磁場で
計測する方法も報告されてきている(Phys. Med. Biol.
Vol. 46, N45-48,2001)が、クライオスタットの内部に
配置した検出コイルを利用したものであった。
【0004】特開平6−225860号公報には,産業
上の利用分野の記載として,生体の検査領域の中へ,少
なくとも2つの供給電極を介して電流を供給し,電気イ
ンピーダンスの分布と電極の位置に相応する電流分布を
生じさせ,電流分布により生じた磁界の特性量の空間分
布を,磁界測定装置により検査領域の外側の測定点で検
出し,特性量の空間分布から検査領域の内側の等価電流
密度分布を再構成し,再構成された電流密度分布は測定
点に於いて電流分布により生ぜしめられた磁界と最も良
好に一致する理論的な磁界を発生すべきものである形式
の電気インピーダンスの空間分布の測定装置に関する記
載があり,発明の解決すべき課題として,検査領域於け
る電流線路により発生する磁界に対して大きい感度を有
する装置の提供についての記載がある。一方、磁気共鳴
信号を高感度に検出するために、SQUIDを利用した試み
も行なわれている(Appl. Phys. Lett Vol. 70-8, No. 2
4 pp. 1037-1039, 1997; Rev.Sci. Instrum. No. 69 N
o. 3, pp. 1456-1462, 1998)。従来の生体磁場計測装置
と同様、クライオスタットの内部に検出コイルが配置し
て検出する方法と、サンプルもクライオスタット内に入
れて極低温内で検出する方法とが行なわれてきた。前者
の方法では、十分測定対象に近づける事が出来ない上
に、静磁場下に検出コイルを配置するため、SQUID磁束
計が誤動作し検出が困難であった。また後者の方法で
は、サンプルを極低温まで冷却しなければならず、サン
プルの常温の状態での計測は不可能であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来技術の電位計測に
基づくimpedance cardiographでは,局所の血液の状態
を計測するには多数の電極を必要とし,一般的な計測法
として不向きであった。そのため,非接触で血液の流れ
や心臓の収縮拡張といった機械的な動きに伴って変化す
る磁場をリアルタイムにモニタする手法の開発が行なわ
れてきた(Phys. Med. Biol. Vol. 46, N45-48,2001)。
通常のクライオスタットの内部に配置してある超伝導の
検出コイルを使用して、血液の流れや心臓の収縮拡張と
いった機械的な動きに伴って変化する磁場の検出は可能
であったが、検出コイルを十分測定対象に近づけないと
いう問題があった。
【0006】特開平6−225860号公報では、供給
電極を介して流される電流によって生じるある時刻の電
気インピーダンスの分布を検出することは可能である
が、時間的に変化する電気インピーダンスの変化量をリ
アルタイムに検出することは不可能であった。本発明の
目的は、生体の臓器等を流れる血液の流れ等に伴って生
じる機械的な動きを、常伝導材料で作成された検出コイ
ルを用いたSQUID磁束計によって、クライオスタットの
外部で高感度に検出することにある。本発明の第2の目
的は、磁気共鳴信号を低磁場でも高感度に検出可能で、
常温の測定対象に密着が可能な常温コイルを用いたSQUI
D磁束計を実現することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
め、本発明によれば、次のような構成を実現する。磁場
を計測する常伝導部材で作成された検出コイルをクライ
オスタットの外部に1個以上配置し、該検出コイルと電
気的または磁束的に結合された1個以上のSQUIDがクライ
オスタットの内部に配置され、該クライオスタットの内
部に極低温冷媒を貯蔵する事によってSQUIDが超伝導状
態である構成とし、前記SQUIDを駆動する駆動回路を有
し、被験者の頭部や足部などの2箇所以上にまたは金属
導体の2個所以上に電極を有し、前記電極に高周波電流
を流すための発振器を有し、駆動回路の出力は高域通過
フィルタ回路と位相検波回路と帯域通過フィルター回路
とアンプに接続されている構成とし、前記アンプの出力
(以下被験者に流した場合の出力をインピーダンス心磁
図と呼ぶ)を、コンピューターにデータ収集し、表示お
よび加算処理を有する手段を有し、前記検出コイル近傍
には逆位相の補償磁場を印可するコイルを有し、前記補
償磁場を印可するコイルは前記被験者または前記金属導
体に流れている高周波電流の電流値を差動増幅する手段
から得られた電流値を制御する手段によって最適な値に
調整する手段を有する構成とする。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図を参照
して説明する。 (実施例1)図1に第1の実施例の全体構成を示す。S
QUID111は、クライオスタット110の中に配置
してあり、クライオスタット110内に貯蔵された液体
ヘリウムによって超伝導状態となっている。本実施例で
用いたSQUID111は、ニオブ等の部材で構成され
たSQUIDリング、該SQUIDリング上に配置され
たインプットコイル、該インプットコイルの外周に配置
してあるフィードバックコイルがそれぞれ、1つのチッ
プ上にパターンニングしてある。前記インプットコイル
にリード部119が電気接続され、該リード部119を
介して検出コイル108に電気接続されている。SQU
ID111は、クライオスタット110の外部に配置し
てあるFLL(Flux locked loop)回路107に接続され、
磁束計動作される。FLL回路107の出力は、カット
オフ周波数が1kHzであるハイパスフィルター106
を通して低周波雑音を除去し、ハイパスフィルター10
6の出力は位相検波回路105に伝達される。位相検波
回路105では被検体121に印加している交流電流
(本実施例では10kHzの電流)の周波数(参照信号
104)を用いて位相検波を行う。本実施例では、被検
体は生体である。ここで、参照信号104は発振器11
4により発生されるが、ファンクションジェネレータ
等、発振周波数を変えることのできる信号発生手段を用
いれば、参照信号を所望の値に制御できるため都合が良
い。位相検波器を通過した信号はバンドパスフィルター
103とアンプ102を通して、コンピューター101
によってデジタルデータに変換される。コンピューター
101では、図6や図7に示す波形表示および波形解析
などの処理が行われる。本実施例で説明したクライオス
タット110は液体ヘリウムや液体窒素といった冷媒を
貯蔵するタイプだけでなく、クライオスタット110に
冷凍機が連結された構成でもかまわない。また本構成で
は低周波の磁場雑音を無視できるため、クライオスタッ
トの部材もGFRP(繊維強化プラスチック)等の非磁性材
料に限る事無く、ステンレス製などの金属材料を用いる
ことも可能である。ステンレス製のクライオスタットを
用いることにより、クライオスタットの真空等のメンテ
ナンスが簡略化でき、冷媒の蒸発量を抑える可能となる
上に、冷凍機とクライオスタットとを簡易に連結が行え
るというメリットがある。発振器114によって発生し
た交流電圧はトランス115を介して伝達され、カーボ
ン電極112と113を通して被検体121へと交流電
流が印加される。トランス115は、被検体の感電防止
のために挿入されている。また印加されている電流の周
波数をモニタするため、差動アンプ117によって抵抗
116の両端を増幅して検出している。差動アンプ11
7の出力は、位相検波器105の参照信号104と逆位
相補償用コイル109に流すための逆位相磁場発生用の
リード部120とに分岐される。逆位相補償用磁場は逆
位相補償用コイル109に検出コイル108が検出して
いる磁場と逆位相の電流を流す事により、検出コイル1
08で検出される大きな磁場をキャンセルすることがで
きる。また、逆位相補償用コイル109に流す電流量は
可変抵抗118によって調整を行う。可変抵抗の代わり
にアンプとアンプのゲイン調整器を設けて電流量を調整
しても良い。逆位相補償用コイル109は、検出コイル
がクライオスタット111の内部に配置された構成の磁
場計測装置においても、クライオスタット111の外部
に配置することに卯より、検出コイルに入力される大き
な磁場を逆位相補償磁場でキャンセルする構成も可能で
ある。図2に磁場検出部の構成を示す。塩化ビニール製
の直径30mmのボビン122上に検出コイル108
と、逆位相補償用コイル109とが巻き付けられてい
る。検出コイル108と、逆位相補償用コイル109と
はエナメル被覆の銅線(常伝導線)を使用している。検
出コイル108は75ターンを2層に巻きつけて合計15
0ターン巻き付けてあり、インダクタンスが0.7mHに成
るように構成してある。リード部119はツイストを行
って検出磁場方向と同方向に配置し検出コイル108と
反対方向に向かって配置している。また逆位相補償用コ
イル109のリード部120も同様にツイストを行って
検出磁場方向と同方向に配置し検出コイル108と反対
方向に向かって配置している。ここでリード部119と
120には高周波の電波障害を避けるため、外部電磁波
の遮蔽手段、例えばアルミなどのシールド線等を外皮に
もつケーブルを使用し、シールド線をFLL回路のグラン
ドと接地しておくことが望ましい。また電磁波ノイズが
ひどい場合には検出コイル全体をアルミなどのシールド
材でシールドしておくことが望ましい。図3に本実施例
の常伝導の部材によって検出コイルを作成した場合の模
式図を示す。常伝導コイルによって誘起された電圧をj
ωΦpと考える((3)式)。検出コイルに入ってきた磁束φ
pがSQUIDリングに伝達される磁束φsqとの関係
を計算する。
【0009】
【数1】
【数2】
【数3】 ここでVは検出コイルに誘発される電圧、Riは検出コイ
ルからインプットコイルまでの抵抗値(9Ω)、Lpは検
出コイルのインダクタンス(0.7 mH)、Liはインプットコ
イルのインダクタンス(250 nH)、iはインプットコイル
と検出コイルのループ内を流れる電流、ωは各周波数、
MsqはSQUIDの自己インダクタンスを示している。
ただし、実際にはインプットコイルと並列にダンピング
抵抗(22Ω)とコンデンサ(0.47μF)が接続されている
が、これらの値は本質的に大きな影響を及ぼさないので
計算を簡略化するために図示していない。式(1)
(2)(3)から
【0010】
【数4】 と表される。さらにΦsqとFLL回路の出力Voutの関係
は、次のように表すことができる。
【0011】
【数5】
【数6】 なお、Bpは検出コイルが関知する磁束密度、Sは検出コ
イルの面積である。ここでφsqとφfとは等しいと
し、(4)(5)(6)式から検出コイルに入力される
磁場とFLL回路の出力電圧の関係は
【0012】
【数7】 となる。
【0013】式(7)は検出コイルに誘起される電圧と
検出コイルに加えられる外部磁界の比、つまり1Vが何
Tの磁場に換算できるかを意味している。言い換えれ
ば、1Tの外部磁界によって何Vの電圧が検出コイルに
生じるかということの逆数に相当する値であり、磁束計
の感度に相当する値である。式(7)から、磁束計の感度
は、高周波ほど小さい値をとることが分かる。つまり高
周波ほど微弱な磁場を検出する能力が高いことになる。
ここで、式(7)のカットオフ周波数fc1は
【0014】
【数8】 で表され、本実施例のカットオフ周波数はfc1=2.0 kHz
であった。次に検出コイルの抵抗Riから発生する磁束
ノイズを計算する。Riから発生する電圧ノイズVnは、
Vn=√(4・k・T・Ri)で表される。ここでkはボルツマン
定数(1.37×10-23)で、Tは温度を表している。このV
nは本実施例の場合、T=300K、Ri=9Ωとすると、Vn=3.6
×10-10 V/√Hzとなる。SQUIDリングが検出する
磁束ノイズΦnは次式で与えられる。
【0015】
【数9】 ωが小さい場合(ω=0)、Φsq=1.3×10-4Φ0/√Hz
となる。この値は、図5の1kHz以下の磁束ノイズレ
ベルとよく一致している。式(9)のカットオフ周波数f
cは、
【0016】
【数10】 と表すことができる。本実施例でのカットオフ周波数は
fc2=2 kHzとなる。ここでfc1とfc2とは同じ式になり、
カットオフ周波数は同じとなる。図4に測定結果と式
(7)による計算結果を示す。両者の結果は良く一致し
ており、高周波ほど感度がよいことが分かる。なお、5
0kHzからの測定値の感度の低下は、インプットコイ
ルと並列接続されているダンピング用のコンデンサ(0.4
7 μF)によるローパスフィルタの効果(カットオフ周
波数がfc2=1/(2πRi C)=38 kHz)によるものである。図
5に磁束ノイズの実測値を示す。図の右側縦軸は磁束ノ
イズを出力電圧へ換算した換算値である。図5より、1
kHz以下では、式(9)で計算されるように、主にRi
のノイズで1.3×10-4Φ0/√Hzとノイズレベルが高いこ
とが分かる。また(10)式で計算されるカットオフ周波
数もほぼ計算値と一致していることが分かる。図4の感
度と図5の出力電圧を掛け算すると、磁束計全体として
の磁場分解能が計算できる。例えば10kHzで90f
T/√Hzである。磁場分解能が最も小さい値となるの
がおよそ10kHzの場合であった。図6に34歳の健
康な男性の胸壁上の2点で計測されたインピーダンス心
磁図波形を示している。電流は7mA peak-to-peak流し
計測した。測定時は肺の動きを止めるため呼吸を15秒
間吸気の状態で止めて計測した。ポジション1は動脈に
近い位置と考えられるため、かなりはっきりした心拍と
同期していると思われるインピーダンス心磁図波形が観
測された。ポジション2ではやや弱いながらインピーダ
ンス心磁図が生波形で観測されている。これらの波形を
より詳細にみるため、各インピーダンス波形のピークを
用いて10回加算平均した結果を図7に示す。図7に示
したように加算を行う事により、よりきれいな波形を得
る事が可能である事が分かる。以上のように加算波形ま
たは生波形を複数個表示するモニターを有す事も本実施
例の特徴である。以上説明してきた第1の実施例の検出
コイル部122はクライオスタット110の外部に独立
に配置してある構成で説明したが、検出コイル部をクラ
イオスタット110の外層に接着して配置し、リード部
119をクライオスタットの真空層部を貫通してSQU
ID111と電気接続または磁気結合させても構わない
(図16参照)。リード部119をクライオスタット11
0の真空層部を貫通することにより、リード部119を
短くでき、リード部のインダクタンスによる磁束をSQ
UID111へと伝達する効率の劣化を防ぐ効果がある
上に、高周波電磁波がリード部に誘導させる妨害電磁波
量も軽減できるという効果がある。 (実施例2)第2の実施例について、図8を用いて説明
を行う。円筒部85の内部は空洞となっており、流路入
口84−1から流路出口84−2に向けて水などの電気
伝導度のよい部材を流す。本実施例では、円筒部85を
銅などの電気伝導のよい部材で作成し、電極86−1と
86−2から高周波電流を印加する構成とする。発振器
114によって発生された高周波電圧はトランス115
を介して伝達され、抵抗116を通して電極86−1と
86−2から印加される。印加された高周波電流は、円
筒部85の導体中と円筒部内部に送られている水との両
方に流れる。送られている水の内部に不純物などが混入
した場合、不純物による変化量を検出コイル108で検
出する事が可能である。この時、検出コイル108の近
傍には逆位相磁場を発生させる逆位相補償用コイル10
9が配置してある。逆位相補償用コイル109は第1の
実施例と同様に実際に導体部に流れている電流を検出す
るため、抵抗116の両端を差動アンプ117で増幅を
行う。差動アンプ117の出力を用いて可変抵抗118
によって逆位相補償用コイル109に流す電流のコント
ロールを行う。逆位相補償用コイル109による逆位相
補償磁場によって、変化量だけを高感度に検出が可能と
なる。検出コイル108で検出された変化量は、冷媒が
貯蔵してあるクライオスタット110の内部に配置して
あるSQUID111に伝達され、電圧へと変換され
る。ここで図1に示したFLL回路107内の構成を簡
単に図8を用いて行う。FLL回路107の中にはSQ
UIDを磁束計動作させるための、バイアス電流を印加
する電流バイアス81と、アンプ82と積分器83とフ
ィードバック抵抗87とが配置してある。またフィード
バックコイル88はSQUID111の内部に内蔵され
ている。フィードバック抵抗87とフィードバックコイ
ル88によって、フィードバック回路を構成し、磁場を
電圧に線形な関数として変換が可能である。FLL回路
の出力は図1と同様に高域通過フィルター103へ伝達
され、位相検波器105によって、流れている電流の周
波数で参照信号104を用いて検波を行っている。位相
検波105の出力は帯域通過フィルター106を通っ
て、アンプ102で増幅された後、コンピューター10
1へとデジタルデータがとして保存され、波形表示およ
び波形解析などがコンピューター101で行われる。帯
域通過フィルター103の出力89はインピーダンスの
絶対値を計測するときに用いられる。インピーダンスの
絶対値は、逆位相補償用コイル109による逆位相補償
磁場を印加しない状態で測定するか、既知量の逆位相補
償磁場を印加することにより、差動アンプ117の出力
から得られる導体に流れている電流量と印加している周
波数の磁場の絶対値から計算する事ができる。したがっ
て図示していないが、インピーダンスの絶対値を計測す
る場合の逆位相補償磁場のコントローラーを付属する構
成でも可能で、可変抵抗118は該コントローラーによ
って自動的に補償磁場量を決定する制御機構を有する構
成とすることもできる。前記自動的に補償磁場量を決定
する制御機構は、例えば、出力89から得た高周波磁場
の絶対値または最大値をコンピューター110によって
自動で検出し、可変抵抗118を制御して得られる高周
波磁場を少なくするように制御することで可能である。
前記自動的に補償磁場量を決定する制御機構は図1の第
1の実施例においても実施は可能である。第2の実施例
では、円筒部85を導体として説明を行ったが、電極8
6−1と86−2を円筒部85の内部に配置し、円筒部
を非導体で構成する事も可能である。本実施例の磁場計
測装置は、円筒部内部の水質変化を高精度に検出可能で
あるので、例えば、配管内を流れる水、流体等の水質モ
ニタリング装置等に利用可能である。 (実施例3)第3の実施例について図9を用いて説明す
る。FLL回路、検波方法、回路構成などは図8で説明
した実施例と同様なため説明を省略する。図9の実施例
では図8で示したものと異なり、検出コイル108の検
出方向が高周波電流の流れる方向と直角な方向をなす位
置に配置したことを特徴としている。本構成のように検
出コイル108がクライオスタットなどの内部で冷却が
必要でないため、検出コイルの中を被測定対象が常温の
ままで配置できるというメリットがある。 (実施例4)第4の実施例について図10を用いて説明
する。FLL回路、検波方法、回路構成などは図8で説
明した実施例と同様なため説明を省略する。本実施例で
は、検出コイル108を巻き付けた検出プローブ100
1を使用して、空間分解能に優れた計測を実現する実施
例を示している。検出プローブをパーマロイのような透
磁率の高い軟磁性部材で構成するとプローブの磁場に対
する感度が上がる。また、プローブ先端を幅数10μm
程度に尖らせることでプローブの感度を更に向上するこ
とが可能である。検出プローブ1001には、プローブ
を保持し、検査対象に対する相対位置を変化する手段1
003を取り付け、直交するA方向とB方向、高さZ方
向へのスキャンニングを可能とする。スキャンニングの
手段としては、ステッピングモータやアクチュエータを
用いるが、ピエゾ素子などの圧電素子を用いれば数μm
程度のオーダの微少な移動が可能となる。測定対象10
02は銅やアルミといった交流電流を流すことの可能な
導体を用いるものとする。本構成は検出される磁場は定
常的に流れている高周波電流の偏りの変化量を検出する
ものであり、物質内部の亀裂を検出するような非破壊検
査を高感度に行える構成である。図10などの場合で、
空間的な磁場の変化量を求める場合は、帯域通過フィル
ター106をローパスフィルタ機能だけにし、測定面内
全体で検出される直流バイアス成分は逆位相磁場コイル
109によってキャンセルする構成とする。以上の構成
により、導体内の亀裂などによって生じる微小な磁場の
変化量を高感度に検出が可能で、非破壊検査などに利用
することができる。 (実施例5)図11を用いて第5の実施例について説明
を行う。FLL回路、検波方法、回路構成などは図8で
説明した実施例と同様なため説明を省略する。本実施例
では、図1の構成を複数個設けた構成をしている。検出
コイル108が常温コイルでクライオスタット110の
外部に配置してあるため、頭部に密着させて検出コイル
108を配置する事が出来る。本実施例ではキャップ1
101上に検出コイルを固定しておき、キャップ110
1をかぶるだけで検出が可能である。以上の正確な検出
コイルの位置関係が選られる事から、磁場を用いたイン
ピーダンスCT(Computed Tomography)が可能となる。 (実施例6)図12を用いて第6の実施例について説明
を行う。FLL回路、検波方法、回路構成などは図8で
説明した実施例と同様なため説明を省略する。本実施例
では、図1の構成を複数個設けた構成をしている。検出
コイル108が常温コイルでクライオスタット110の
外部に配置してあるため、胸部に密着させて検出コイル
108を配置する事が出来る。シート1201上に検出
コイル108を配置して2次元的なインピーダンス心磁
図の計測を可能とする。また本実施例では、2次元配置
した検出コイル108で説明を行ったが、導体を1周回
るように検出コイル108配置することによって、磁場
を用いたインピーダンスCT(Computed Tomography)を
再構成することが可能となる。 (実施例7)図13を用いて第7の実施例について説明
を行う。本実施例は、核磁気共鳴(MR)信号を検出す
るために、クライオスタットの外部に配置した検出コイ
ル108を用いた実施例を示す。静磁場発生マグネット
801と傾斜磁場発生コイル807と高周波磁場発生コ
イル803の中に入った検査対象804に検出コイル1
08を近づけMR信号を検出する。静磁場の歪みを補正す
るシムコイル805に接続されたシム電源806や傾斜
磁場電源808はシーケンス814によって制御され、
各断面MR画像の信号を検出していく。シーケンス814
は記憶媒体811に記憶されているシーケンスに基づい
て制御が行われる。FLL回路のMR信号の出力は計算機8
10によって記録され、各断面のMR画像はディスプレイ
809上に表示される。本構成では、第1から第4の実
施例に示した検波回路や補償磁場発生コイルは使用せ
ず、そのままSQUIDをFLL回路107によって磁束計動作
させて常温の検出コイルでMR信号を検出する構成であ
る。従来MR信号は常温コイルに誘起される電圧を増幅
して検出されている。この誘起電圧は、静磁場発生マグ
ネット801の強度が強いほど、共鳴周波数が高くなり
誘起電圧が大きくなる事を利用して検出されている。し
かしながら、静磁場発生マグネット801の強度を弱く
すると、常温コイルに誘起される電圧は大変微弱なため
に検出が不可能であった。本実施例は、常温コイルで検
出される微弱磁場をクライオスタット110内に配置し
てあるSQUIDで高感度に検出する実施例を示してい
る。一方でSQUIDを用いてMR信号を検出する試み
も行われているが、いずれもクライオスタットの内部に
検出コイル108を配置していため、検査対象804に
十分近づける事ができず十分な信号を得るにはいたって
いない。また、本実施例の構成では、図4に示したよう
に直流磁場による誘起電圧は発生しないため、SQUIDを
誤動作させる直流磁場の影響を考慮する必要が無い。し
たがって、静磁場下においても誤動作することなく高感
度にMR信号の検出が可能である。 (実施例8)図14を用いて第8の実施例について説明
を行う。本実施例は遺伝子発現の蛋白質の構造解析に用
いられる核磁気共鳴装置に応用した例を示している。静
磁場発生マグネット901と902の間に置かれたサン
プル保持容器903に巻き付けた検出コイル108によ
って、MR信号を検出する。その他の構成は、ほぼ図13
と同様なため説明を省略する。本構成のように検出コイ
ルを常温のサンプル保持容器903の上に巻きつける事
が可能なため、高感度な検出が行える。 (実施例9)図15に高温超電導SQUIDのデバイス
構造の模式図(第9の実施例)を示す。配線基板151
8には、8の字のパターン1500が高温超電導部材で
作成されている。8の字バターンにすることにより、パ
ターン1500に入力された磁束による誘導電流が各パ
ターンにI1とI2とが発生する。これらの誘導電流I
1とI2の差分量が、ジョセフソンジャンクション15
02、1503を有するリング内をI3の電流として流
れる。高温超電導SQUIDは、I3の電流によって磁
束を検知し電圧に変換することになる。したがって、8
の字の構成にすることにより、外来からの磁束雑音に強
い構成となる。8の字の片方のリング内にフィードバッ
クコイル1509を、もう片方のリング内にインプット
コイル1508を有する構成とする。さらに、配線基板
1518には配線パット部1514、1515、151
6、1517が配置していある。配線パット部1514
とパターン配線されているパット部1504にはボンデ
ィング1510によってフィードバックコイル部150
9と電気接続されている。パット部1504、配線パッ
ト部1514、ボンディング1510はいずれもアルミ
などの金属のボンディングでよい。同様に配線パット部
1515とパターン配線されているパット部1505には
ボンディング1511によってフィードバックコイル部
1509と電気接続されている。フィードバックコイル
部1509は図8のフィードバックコイル88に対応し
ており、配線パット部1514と1515は、クライオ
スタットの外部に配置してあるフィードバック抵抗87
に電気接続されている。検出コイル側も同様に配線パッ
ト部1516、1517とパターン配線されているパッ
ト部1506、1507にはボンディング1512、1
513によってインプットコイル部1508と電気接続
されている。インプットコイル部1508は図8内のS
QUID111に検出コイル108からの磁束を伝達す
るインプットコイルと同じものであり、インプットコイ
ル部にはクライオスタットの外部に配置してある常温の
検出コイルと電気接続された構成とする。その他、パッ
ト部1519、1520、1521、1522と配線パ
ット部1523、1524、1525、1526とが基
板1518には構成されており、C部とD部とにボンデ
ィング接続することにより、電流バイアスの入力および
出力電圧の検出を行うことができる。以上の構成によ
り、パターン1500の8の字の構成で、外来磁場の強
くなる上に、片側のリングにインプットコイルを作成
し、もう片側にフィードバックコイルを構成することに
より、検出感度のよい高温超電導SQUIDを作成する
ことができる。図16に図15に示した高温超電導SQ
UIDを使った場合の実施例を示す。ただし図16の構
成はニオブ系のSQUIDにおいても作成は可能であ
る。本実施例は図10に述べた実施例のクライオスタッ
ト内のより詳細に構成を示したものである。本実施例で
は、クライオスタット110の内部に配置してあるSQ
UID111からリード部119をクライオスタット下
部の真空層を貫通して検出コイル108に電気接続して
ある構成を示すものである。また検出プローブ1001
はクライオスタット110の下部に固定された構造を示
している。クライオスタットと110と検出プローブ1
001が固定されることにより、取り扱いが簡単になる
というメリットがある。本実施例のスキャンニングにつ
いて説明を行う。測定対象1002に流れる高周波電流
の電流値の大きさを測定対象内でマッピングするため、
本実施例の帯域通過フィルター106はローバスフィル
ターのみの構成とし、ハイパスフィルターをいれない構
成とする。ハイパスフィルターの効果をつくるため、逆
位相補償用コイル109を使って、位相検波器105の
出力に現れる直流成分をキャンセルする構成とする。以
上の構成として、A方向、B方向にスキャンニングする
ことにより、測定対象1002の面内での電流パスの流
れをマッピングすることが可能となる。 (実施例10)図17に第10の実施例の詳細を示す。
回転体1713の上には、磁性マーカーを免疫抗原抗体
反応により標識された試料が配置してある。試料の詳細
は、図7の下部に示すように、基板1706上に抗体1
705を固定し、抗原1704と反応させ、標識である
磁性微粒子1702を包含した高分子1701を標識と
する抗体1703が抗原1704と反応し、結合した状
態を示している。また回転体1713上のサンプルが回
転する際に、磁性微粒子1702を磁化させるための磁
石1711が配置してある。各回転毎に磁石1711の
近傍を通過することにより、高感度な磁場の検出が行え
る。回転の制御は、回転制御機構1709によってコン
ピューター101の指令の下に、モーター1708は回
転し回転軸1712を中心として回転体1713は回転
制御される。回転制御機構1709は1回点毎にトリガ
ー信号を出力し、コンピューター101にトリガー信号
は入力され、加算平均処理が施される。また回転のスピ
ードは、測定したい帯域、例えば10kHzのスピード
に合わせることが望ましい。10kHzの場合、10000
回転/秒(600000 rpm)以上の回転が望ましいことにな
る。しかしながら、実際にはこれらの速さの回転を作る
ことは難しいため、加算回数を多くとることでS/N比
の改善を行うことになる。本実施例では、検出コイル1
08をクライオスタット110の外部に配置しているた
め、測定対象に検出コイル108を接近させることが可
能であり、より高感度な検出を可能としている。以上述
べてきた本実施例の構成を、検出コイルをクライオスタ
ットの内部に配置する従来の構成においても実現可能で
ある。
【0017】
【発明の効果】以上説明したように、上記構成を有する
本発明によれば、高周波電流を生体内に流して得られる
磁場変化または核磁気共鳴信号を、SQUIDと磁気結合ま
たは電気接続されている常温中に配置してある検出コイ
ルによって検出が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例における磁場計測装置の全体構成
図。
【図2】第1の実施例における検出コイル部の構成図。
【図3】第1の実施例における等価回路図。
【図4】第1の実施例における周波数と磁束計感度との
関係(実測値と計算値)。
【図5】第1の実施例における磁束ノイズの周波数との
関係(実測値)。
【図6】第1の実施例におけるインピーダンス心磁図の
リアルタイム波形(実測値)。
【図7】図6に示したインピーダンス心磁図の10回加
算平均処理後の波形。
【図8】第2の実施例における磁場計測装置の全体構成
図。
【図9】第3の実施例における磁場計測装置の全体構成
図。
【図10】第4の実施例における磁場計測装置の全体構
成図。
【図11】第5の実施例における磁場計測装置の全体構
成図。
【図12】第6の実施例における磁場計測装置の全体構
成図。
【図13】第7の実施例における磁場計測装置の全体構
成図。
【図14】第8の実施例における磁場計測装置の全体構
成図。
【図15】第9の実施例における高温超電導SQUID
の構成図。
【図16】第4の実施例を詳細に説明する磁場計測装置
の全体構成図。
【図17】第10の実施例における磁場計測装置の全体
構成図。
【符号の説明】
101:コンピューター、102:アンプ、103:バ
ンドパスフィルター(帯域通過フィルター)、104:
参照信号、105:位相検波器、106:ハイパスフィ
ルター(高域通過フィルター)、107、107−1、
…、107−n:FLL(Flux locked loop)回路、10
8、108−1、…、108−n:検出コイル、10
9、109−1、…、109−n:逆位相補償用コイ
ル、110:クライオスタット、111:SQUID(超伝
導量子干渉素子)、112、113:電極、114:発
振器、115:トランス、116:抵抗、117:差動
アンプ、118:可変抵抗、119、120:リード
部、121:被検体、122:ボビン、81:電流バイ
アス、82:アンプ、83:積分器、84−1:流路入
口、84−2:流路出口、85:円筒部、86−1、8
6−2:電極、87:フィードバック抵抗、88:フィ
ードバックコイル、89:出力、1001:検出プロー
ブ、1002:測定対象、1003:相対位置変化手
段、1101:キャップ、1102−1〜1102−
n:検波回路、1201:シート、801:静磁場発生
マグネット、802:高周波磁場発生器、803:高周
波磁場発生コイル、804:検査対象、805:シムコ
イル、806:シム電源、807:傾斜磁場発生コイ
ル、808:傾斜磁場電源、809:ディスプレイ、8
10:計算機、811記憶媒体、814:シーケンサ、
901、902:静磁場発生マグネット、903:サン
プル保持容器、1500:パターン、1501:バイク
リスタル合わせ面、1502、1503:ジョセフソン
ジャンクション、1504,1505、1506、15
07:パッド、1508:インプットコイル部、150
9:フィードバックコイル部、1510、1511、1
512、1513:ボンディング部、I1、I2、I
3:電流の流れの模式図、1514、15115、15
16、1517:配線パット部、1518:配線基板、
1519、1520、1521、1522:ボンディン
グ部、1523、1524、1525、1526:配線
パット部、1701:高分子、1702:磁性微粒子
(例えばFe2O3)、1703:検出用抗体、1704:
抗原、1705:固定用抗体、1706:基板、170
7:回転方向、1708:モーター、1709:回転制
御機構、1710:制御信号、1711:磁石、171
2:回転軸、1713:回転体、A、B、Z:スキャン
ニング方向、C、Dボンディング部位。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 塚田 啓二 東京都国分寺市東恋ケ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 横澤 宏一 東京都国分寺市東恋ケ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 鈴木 大介 東京都国分寺市東恋ケ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 塚本 晃 埼玉県比企郡鳩山町赤沼2520番地 株式会 社日立製作所基礎研究所内 Fターム(参考) 2G017 AA08 AD32 BA05 BA15 4C027 AA10 DD05 FF02 KK03 KK05 4M113 AA52 AC08 AC31 AD51 BA01 CA13 CA31 4M114 AA27 AA40 BB03 BB05 CC08 CC09 CC16

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】生体に電流を流す手段と、該電流を流す手
    段により該生体に誘起された磁場を検出する検出コイル
    とを接続する手段とを有し、前記検出コイルは常伝導部
    材で構成されていることを特徴とする磁場計測装置。
  2. 【請求項2】被検体に電流を流す手段と、被検体の磁場
    を検出する検出コイルと、超伝導量子干渉素子と、該超
    伝導量子干渉素子を保持するクライオスタットと、前記
    検出コイルと前記超伝導量子干渉素子とを接続する手段
    とを有し、前記検出コイルは常伝導部材で構成され、か
    つ前記クライオスタットの外部に設けられていることを
    特徴とする磁場計測装置。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の磁場計測装置において、
    前記被検体に流す電流の周波数を1kHz以上に制御す
    る制御手段を備えたことを特徴とする磁場計測装置。
  4. 【請求項4】請求項2に記載の磁場計測装置において、
    前記生体に流す電流と逆位相の電流を発生する手段と、
    該逆位相の電流が印可される逆位相コイルとを有し、該
    逆位相コイルは検出コイルに磁束が伝達可能な位置に配
    置されていることを特徴とする磁場計測装置。
  5. 【請求項5】請求項2に記載の磁場計測装置において、
    前記逆位相の電流を流す手段の電流量を所望の値に制御
    する電流制御手段とを有することを特徴とする磁場計測
    装置。
  6. 【請求項6】請求項2に記載の磁場計測装置において、
    前記検出コイルと前記超伝導量子干渉素子とを接続する
    手段は電磁波を遮断する電磁波遮断部材を備えているこ
    とを特徴とする磁場計測装置。
  7. 【請求項7】測定対象に交流電流を印可する手段と、前
    記測定対象から発生する磁場を検出する検出プローブ
    と、該検出プローブに接続された超伝導量子干渉素子
    と、該超伝導量子干渉素子を保持するクライオスタット
    と、前記測定対象に印可された交流電流を参照信号とし
    て検出プローブから所望の周波数成分の磁場を取り出す
    検波器とを有することを特徴とする検査装置。
  8. 【請求項8】請求項7に記載の検査装置において、前記
    測定対象に印可する交流電流とは逆位相の交流電流を発
    生する手段を有し、前記検出プローブは前記逆位相の交
    流電流が流される逆位相コイルを備えたことを特徴とす
    る検査装置。
  9. 【請求項9】請求項7に記載の検査装置において、前記
    検出プローブの測定対象に対する相対位置を変化させる
    手段を備えたことを特徴とする検査装置。
  10. 【請求項10】請求項7に記載の検査装置において、前
    記検出プローブは軟磁性材料からなる部材と、該部材の
    周囲に巻き付けられたコイルとを備えたことを特徴とす
    る検査装置。
  11. 【請求項11】静磁場発生マグネットと、傾斜磁場発生
    手段と、交流磁場を発生する手段と、前記静磁場発生マ
    グネットと傾斜磁場発生手段の間に配置される被検体な
    いしサンプル保持手段と、該保持手段に保持される被検
    体ないしサンプルに誘起された磁気共鳴信号を検出する
    検出コイルと、該検出コイルに接続された超伝導量子干
    渉素子と、該超伝導量子干渉素子を保持するクライオス
    タットと、前記核磁気共鳴信号を信号処理し画像を再構
    成する計算機と、前記再構成された画像を表示するディ
    スプレイとを有し、前記検出コイルは常伝導部材で構成
    されかつクライオスタット外部に設けられたことを特徴
    とする磁気共鳴装置。
  12. 【請求項12】請求項11に記載の磁気共鳴装置におい
    て、前記保持手段は前記検出コイルが巻き付けられたサ
    ンプル保持容器であることを特徴とする磁気共鳴装置。
  13. 【請求項13】磁気微粒子を含むサンプルと、該サンプ
    ルに外部磁界を印可する手段と、前記サンプルを保持す
    る回転体と、該回転体を回転する駆動手段と、制御手段
    と、前記サンプルから発生する磁場を検出する検出コイ
    ルと、該検出コイルと接続された超伝導量子干渉素子
    と、該超伝導量子干渉素子を低温に保持するためのクラ
    イオスタットとを有し、前記検出コイルは常伝導部材で
    作成され、かつ前記クライオスタットの外部に設けられ
    たことを特徴とする磁場計測装置。
  14. 【請求項14】請求項13に記載の磁場計測装置におい
    て、前記駆動手段の回転を制御する制御手段を有するこ
    とを特徴とする磁場計測装置。
  15. 【請求項15】請求項13に記載の磁場計測装置におい
    て、前記検出コイルにより検出された磁場波形の加算平
    均化処理を行う手段を備えたことを特徴とする磁場計測
    装置。
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