JP2003035294A - 多翼送風機の羽根車及びそれを備えた多翼送風機 - Google Patents
多翼送風機の羽根車及びそれを備えた多翼送風機Info
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Abstract
風機において、翼の回転方向後方側に生じる気体流れの
剥離に起因する騒音を低減可能な羽根車を提供するこ
と、及び低騒音の多翼送風機を提供することにある。 【解決手段】 多翼送風機40は、主として、羽根車6
3と、羽根車63を覆うケーシング11と、羽根車43
を回すモータ14とから構成されている。羽根車43
は、円板状の主板61の外周縁に複数の翼63が固定さ
れ、複数の翼63の他端が環状の側板62で結ばれてい
る。複数の翼63は、主板61側から側板62側に延び
るに従って、その翼弦長が階段状に小さくなる形状を有
しており、具体的には、最も主板61側に形成された第
1翼部64と、第1翼部64の側板62側に形成された
第2翼部65と、最も側板62側に形成された第3翼部
66とから構成されている。
Description
車及びそれを備えた多翼送風機、特に、主板から延びる
複数の翼の端部が環状の側板により結ばれた多翼送風機
の羽根車及びそれを備えた多翼送風機に関する。
(以下、空調機という。)においては、送風を行うため
に、多翼送風機が用いられている。図1〜図3に、多翼
送風機の従来例を示す。ここで、図1は従来例の多翼送
風機の側面図を示し、図2は従来例の多翼送風機の羽根
車の側面図を示し、図3は従来例の多翼送風機の羽根車
の平面図を示している。
3を覆うケーシング11、羽根車13を回転するための
モータ14等から構成されている。羽根車13は、円板
状の主板31の外周縁に複数の翼33の一端が固定さ
れ、それらの翼33の他端が環状の側板32で結ばれて
いる。ケーシング11には、気体の吹出口11aと、ベ
ルマウス12により囲われる気体の吸込口11bとが形
成されている。吸込口11bは、羽根車13の側板32
に対向している。また、吹出口11aは、羽根車13の
回転軸O−Oに対して略直交する向きに気体を吹き出す
ように、吸込口11bに直交する方向に形成されてい
る。
動させると、羽根車13が、ケーシング11に対して、
図3の回転方向Rの向きに回転する。これにより、羽根
車13の各翼33が内周側の空間から外周側の空間へと
気体を昇圧し放出させ、吸込口11bから羽根車13の
内周側の空間に気体が吸い込まれるとともに、羽根車1
3の外周側に押し出された気体が吹出口11aを通って
送出される。すなわち、多翼送風機10は、吸込口11
bから気体を吸い込み、吹出口11aから気体を送出す
る。
10においては、各翼33の回転方向後方側において生
じる気体流れの剥離に起因する騒音がある。具体的に
は、以下のような発生機構によって騒音が生じている。
から吸い込まれた気体は、主に、図1に示すように、主
板31に向かう方向から徐々に外周に向かうように流れ
ている(気体流れV参照)。さらに、翼33の部分にお
ける気体流れVに着目すると、図4に示すように、吸込
口11bから吸い込まれた気体は、主に、翼33の回転
方向前方側により羽根車13の外周側に掻き出されるよ
うに流れている。しかし、翼33の回転方向後方側にお
いては剥離渦Xが発生しているため、気体流れVは翼3
3の回転方向後方側から円周方向に乱れ幅Wだけ剥離し
ている。この乱れ幅Wにより、多翼送風機10において
騒音が生じている。
は、さらなる低騒音化が求められている。本発明の課題
は、翼の回転方向後方側に生じる気体流れの剥離に起因
する騒音を低減可能な羽根車を提供すること、及び低騒
音の多翼送風機を提供することにある。
風機の羽根車は、回転軸を中心として回転している主板
と、複数の翼と、環状の側板とを備えている。そして、
複数の翼は、回転軸を中心として環状に配置され、それ
ぞれ一端が主板に固定されている部材である。また、側
板は、複数の翼の他端を結ぶ部材である。さらに、複数
の翼の少なくとも一つは、その内周側縁部の一部に、内
周側に向かう突起を有している。
縁部が主板から側板に向かって、まっすぐに延びてい
る。一方、この多翼送風機の羽根車では、翼の内周側縁
部の一部に、内周側に向かう突起を設けている。この突
起により、翼の回転方向後方で剥離しようとする流れが
乱される。この乱された流れが翼に再付着するため、結
果として、翼の回転方向後方側に生じる剥離渦の発生が
抑制され乱れ幅が小さくなり、騒音を小さくできる。
ても、一枚だけ又は数枚に設けてもよく、騒音の低減効
果を考慮して決定されるものである。請求項2に記載の
多翼送風機の羽根車は、回転軸を中心として回転する主
板と、複数の翼と、環状の側板とを備えている。そし
て、複数の翼は、回転軸を中心として環状に配置され、
それぞれ一端が主板に固定されている部材である。ま
た、側板は、複数の翼の他端を結ぶ部材である。さら
に、複数の翼の少なくとも一つは、その翼弦長が、翼の
一端から他端に向かって階段状に小さくなっている。
請求項2において、他端の翼弦長は、一端の翼弦長の
0.85倍以下である。従来の多翼送風機の羽根車は、
翼の内周側縁部が主板から側板に向かって、まっすぐに
延びているものである。
翼弦長が翼の一端から他端に向かって階段状に小さくな
る形状を有している。この形状により、翼の回転方向後
方で剥離しようとする流れが乱されて、翼に再付着す
る。この結果、翼の回転方向後方側に生じる剥離渦の発
生が抑制され乱れ幅が小さくなり、騒音を小さくでき
る。
長い一端(主板側)の翼弦長に比べて最も短い他端(側
板側)の翼弦長の長さを0.85倍以下の範囲にするこ
とが望ましい。
は、複数の翼の全てに適用しても、一枚だけ又は数枚に
適用してもよく、騒音の低減効果を考慮して決定される
ものである。
〜3のいずれかに記載の羽根車と、羽根車を覆うケーシ
ングを備えている。そして、ケーシングは、主板を回転
させる駆動手段と、側板の内周側の開口部に対向する吸
込口と、羽根車の外周側に設けられ回転軸に略直交する
方向に気体を送出する吹出口とを有している。
板を回転させると、ケーシングに対して羽根車が回転す
る。すると、羽根車の各翼が内周側の空間から外周側の
空間へと気体を昇圧し放出させ、吸込口から羽根車の外
周側に押し出された気体が吹出口を通って送り出され
る。すなわち、多翼送風機は、吸込口から気体を吸い込
み、吹出口から気体を送出する。
の羽根車を採用しているため、翼の回転方向後方で剥離
しようとする流れが乱されて、翼に再付着する。この結
果、翼の回転方向後方側に生じる剥離渦の発生が抑制さ
れ、乱れ幅が小さくできる。これにより、騒音を小さく
できる。
は、図1〜図3に示す従来例の多翼送風機10の羽根車
13において、複数の翼の翼弦長が、翼の主板側の端部
から側板側の端部に向かって階段状に小さくなっている
点のみが異なっている。
面図を示し、図6及び図7は、多翼送風機40の羽根車
43の側面図及び平面図を示す。多翼送風機40は、主
として、羽根車63と、羽根車63を覆うケーシング1
1と、羽根車43を回すモータ14とから構成されてい
る。
に複数の翼33が固定され、複数の翼63の他端が環状
の側板62で結ばれている。この羽根車43の詳細は後
述する。
と、ベルマウス12により囲まれている気体の吸込口1
1bとが形成されている。吸込口11bは、羽根車43
の側板62に対向するように配置されている。この吸込
口11bを通って羽根車43の内周部の空間へ流れる気
体は、概ね羽根車43の回転軸O−Oに沿った形で流入
し、羽根車43の回転によって回転軸O−Oから離れる
方向(羽根車43の外周方向)に流れていく。また、吹
出口11aは、羽根車43の回転軸O−Oに対して略直
交する向きに気体を吹き出すよう、吸込口11bに直交
するように形成されている。
1の中心孔61a(図6参照)に装着されており、主板
61を回転させることによって羽根車43全体を回転さ
せる。モータ14の本体部分は、ケーシング11に固定
されている。
羽根車43は、図6及び図7に示すように、主板61
と、複数の翼63と、環状の側板62とから構成されて
いる。この羽根車43は、本実施形態においては、主板
61、複数の翼63及び側板62のすべてが、金型を使
って、一体成形される樹脂製品である。
板形状の部材であり、中心孔61aには、モータ14の
回転シャフトが固定される。そして、中心孔61aの外
周側には、主板61を貫通する複数の孔61b(本実施
形態では6個)が形成されている。さらに、主板61の
外周縁には、後述の複数の翼63が回転方向に等間隔に
形成されている。
し、回転軸O−Oを中心として複数回転方向に等間隔に
配置された部材である。翼63は、一端が主板61の外
周縁に固定され、そこから回転軸O−Oに沿ってねじれ
無く延び、他端が側板62の内周縁に固定されている。
びるに従って、その翼弦長が階段状に小さくなる形状を
有しており、具体的には、図8に示すように、最も主板
61側に形成された第1翼部64と、第1翼部64の側
板62側に形成された第2翼部65と、最も側板62側
に形成された第3翼部66とから構成されている。
長く、続いて第2翼部65の翼弦長L2が長く、第3翼
部66の翼弦長L3が最も短くなっている。つまり、図
6に示すように、第2翼部65には、第3翼部66に対
して、2つの翼弦長L2とL3との差に相当する長さ分
だけ内周側に向かって突起する第2角部65a(突起)
が形成されている。同様に、第1翼部64には、第2翼
部65に対して、2つの翼弦長L1とL2との差に相当
する長さ分だけ内周側に向かって突起する第1角部64
a(突起)が形成されている。
65は第1翼部64の断面に含まれるように形成され、
第3翼部66は第2翼部65の断面に含まれるように形
成されている。
段階に変化させているが、複数の段階であれば何段階で
変化させてもよい。また、本実施形態では、翼弦長の比
L3/L1を0.85としているが、この値に限定され
ず、0.85以下の範囲であればよい。
に配置され、全ての翼63を連結している。この側板6
2も、主板61及び複数の翼63とともに一体成形され
ている。
1、72を用いることにより樹脂を一体成形したもので
ある。
が図9に示すような形状となっている。図10に示すよ
うに、金型71、72が合わさったときに、それぞれの
金型の翼形成部71a、72aによって、翼63の各翼
部64、65、66を含む羽根車43が成形される。そ
の後、金型71、72が両側に抜かれる。
根車43が、ケーシング11に対して、図7に示す回転
方向Rの向きに回転する。すなわち、多翼送風機40で
は、主として翼63の凹面となっている回転方向前方の
面によって、気体を昇圧し放出する。これにより、羽根
車43の翼63が羽根車43の内周側の空間から外周側
の空間へと気体を昇圧し放出させ、吸込口11bから羽
根車43の内周側の空間に気体が吸い込まれるととも
に、羽根車43の外周側に放出された気体が吹出口11
aに集められて吹き出される(図5の気体流れYを参
照)。すなわち、多翼送風機40は、吸込口11bから
回転軸O−Oに沿った形で気体を吸い込み、吹出口11
aから回転軸O−Oに直交する方向に気体を送出する。
尚、図5では回転軸O−Oの右側における気体流れYの
みを表示しているが、回転軸O−Oの左側において羽根
車43の外周側に放出された気体は、ケーシング11に
沿って吹出口11aまで流れ、そこから吹き出される。
音測定実験を行った結果について説明する。
図7に示す本実施形態のものとについて、騒音測定を行
った。その結果、本実施形態の羽根車を使用した多翼送
風機では、従来例に比べて、騒音値が0.5dB減少す
ることが確認された。
がある。 翼の翼弦長を階段状に変化させた形状(翼の内周側縁
部における内周側に向かう突起)による騒音低減 本実施形態の多翼送風機40の羽根車43では、翼63
の翼弦長が翼の一端から他端に向かって、第1翼部6
4、第2翼部65、第3翼部66の順に階段状に小さく
なる形状を有している。そして、第2翼部65には、第
3翼部66に対して2つの翼弦長L2とL3との差に相
当する長さ分だけ内周側に向かって突起する第2角部6
5aが形成され、第1翼部64には第2翼部65に対し
て2つの翼弦長L1とL2との差に相当する長さ分だけ
内周側に向かって突起する第1角部64aが形成されて
いる。すなわち、翼63の翼弦長を階段状に変化させる
ことで翼63の内周側縁部に突起が形成されている。
すように、翼63の回転方向後方で剥離しようとする流
れが乱されて翼に再付着するため、結果として、翼63
の回転方向後方側に生じる剥離渦X1の発生が抑制さ
れ、乱れ幅W1が従来例の乱れ幅Wよりも小さくなる。
これにより、騒音を小さくできる。
えて、図8(a)に示すように、第2翼部65は第1翼
部64の断面に含まれるように形成され、第3翼部66
は第2翼部65の断面に含まれるように形成されている
ため、羽根車43を樹脂一体成形する場合において、型
抜きが容易な形状となっている。これにより、特殊な金
型を用いる必要がなく、図9及び図10に示す簡単な形
状の金型71、72による樹脂一体成形が可能である。
実施形態の翼63の第1角部64a及び第2角部65a
は内周側にまっすぐ向かって突起しており、また、翼6
3の側板62側の端面も内周側にまっすぐ向かって延び
ている。一方、本実施形態の多翼送風機の羽根車73
は、これらの部分が側板方向に傾斜しながら内周側に向
かうように形成された翼93を有している。具体的に
は、図12に示すように、翼93の第1角部94a及び
第2角部95aは側板92方向に傾斜しながら内周側に
突起し、また、翼63の側板62側の端面は羽根車73
から外部(吸込口方向)にはみ出す方向に傾斜しながら
内周側に延びている。
様に、騒音低減が可能であり、また、樹脂一体成形され
る場合にも型抜きが容易である。さらに、本実施形態で
は、翼63の側板62側の端面が羽根車73から外部に
はみ出す方向に傾斜しながら内周側に延びているので、
吸込口付近の流れの整流効果も有している。
製の羽根車を用いた多翼送風機に本発明を適用している
が、板金製の羽根車を用いた多翼送風機に対しても本発
明を適用することができる。
れば、以下の効果が得られる。請求項1にかかる発明で
は、多翼送風機の羽根車について、翼の内周側縁部の一
部に、内周側に向かう突起を設けているので、翼の回転
方向後方で剥離しようとする流れが乱されて、翼に再付
着する。この結果、翼の回転方向後方側に生じる剥離渦
の発生が抑制され乱れ幅が小さくなり、騒音を小さくで
きる。
羽根車について、翼の翼弦長が翼の一端から他端に向か
って階段状に小さくなる形状を有しており、請求項3に
かかる発明では、最も長い一端(主板側)の翼弦長に比
べて最も短い他端(側板側)の翼弦長の長さを0.85
倍以下の範囲にしている。この多翼送風機の羽根車の翼
の形状により、上記と同様に、騒音を小さくできる。
おいて、請求項1〜3のいずれかに記載の羽根車を採用
しているため、上記と同様に、騒音を小さくできる
及び羽根車の一部は断面図)。
面を図示)。
騒音の発生機構を説明する図。
グ部分及び羽根車の一部は断面図)。
(一部断面を図示)。
す図。
明する図。
あって、騒音の発生機構を説明する図。
(一部断面を図示)。
Claims (4)
- 【請求項1】回転軸(O−O)を中心として回転する主
板(61、91)と、 前記回転軸(O−O)を中心として環状に配置され、そ
れぞれ一端が前記主板(61、91)に固定されている
複数の翼(63、93)と、 前記複数の翼(63、93)の他端を結ぶ環状の側板
(62、92)と、を備え、 前記複数の翼(63、93)の少なくとも一つは、その
内周側縁部の一部に、内周側に向かう突起(64a、6
5a)を有している、多翼送風機の羽根車。 - 【請求項2】回転軸(O−O)を中心として回転する主
板(61、91)と、 前記回転軸(O−O)を中心として環状に配置され、そ
れぞれ一端が前記主板(61,91)に固定されている
複数の翼(63、93)と、 前記複数の翼(63、93)の他端を結ぶ環状の側板
(62,92)と、を備え、 前記複数の翼(63,93)の少なくとも一つは、その
翼弦長(L1、L2、L3)が、翼(63,93)の一
端から他端に向かって階段状に小さくなっている、多翼
送風機の羽根車。 - 【請求項3】前記他端の翼弦長(L3)は、前記一端の
翼弦長(L1)の0.85倍以下である、請求項2に記
載の多翼送風機の羽根車。 - 【請求項4】請求項1〜3のいずれかに記載の羽根車
(43、73)と、 前記主板(61、91)を回転させる駆動手段(14)
と、 前記側板(62、92)の内周側の開口部に対向する吸
込口(11b)と、前記羽根車(43、73)の外周側
に設けられ前記回転軸(O−O)に略直交する方向に気
体を送出する吹出口(11a)とを有し、前記羽根車
(43、73)を覆うケーシング(11)と、を備えた
多翼送風機。
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