JP2003013885A - 遠心送風機の羽根車及びそれを備えた遠心送風機 - Google Patents

遠心送風機の羽根車及びそれを備えた遠心送風機

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JP2003013885A JP2001196177A JP2001196177A JP2003013885A JP 2003013885 A JP2003013885 A JP 2003013885A JP 2001196177 A JP2001196177 A JP 2001196177A JP 2001196177 A JP2001196177 A JP 2001196177A JP 2003013885 A JP2003013885 A JP 2003013885A
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centrifugal blower
blower
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JP2001196177A
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Tadashi Higashida
匡史 東田
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Daikin Industries Ltd
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Daikin Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 遠心送風機の羽根車及びそれを備えた遠心送
風機において、羽根車の主板近傍に生じる乱れ渦に起因
する騒音が低減可能な羽根車の提供、及び低騒音の遠心
送風機を提供する。 【解決手段】 多翼送風機40は、主として、羽根車6
3と、羽根車63を覆うケーシング11と、羽根車43
を回すモータ14とから構成されている。羽根車43
は、円板状の主板61の外周縁に複数の翼33が固定さ
れ、複数の翼33の他端が環状の側板62で結ばれてい
る。主板61の複数の翼33の内周側縁部の近傍には内
周側縁部の周囲に沿って凹凸形状の波形形状64が成形
されている。この波形形状64により、気体流れZ1の
主板61への衝突と流れの合流とによって発達した乱れ
渦は、翼33に到達する直前につぶされて小さくなり、
騒音を小さくできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、遠心送風機の羽根
車及びそれを備えた遠心送風機、特に、主板から延びる
複数の翼の端部が環状の側板により結ばれた遠心送風機
の羽根車及びそれを備えた遠心送風機に関する。
【0002】
【従来の技術】気体清浄機やエアコンなどの気体調和機
(以下、空調機という。)においては、送風を行うため
に、遠心送風機が用いられている。従来例として、図1
〜図3に、多翼送風機と呼ばれる遠心送風機の一例を示
す。ここで、図1は、従来例の多翼送風機の側面図を示
し、図2は、従来例の多翼送風機の羽根車の斜視図を示
し、図3は、従来例の多翼送風機の羽根車の平面図を示
している。
【0003】多翼送風機10は、羽根車13、羽根車1
3を覆うケーシング11、羽根車13を回転するための
モータ14等から構成されている。羽根車13は、円板
状の主板31の外周縁に多数枚の翼33の一端が固定さ
れ、それらの翼33の他端が環状の側板32で結ばれて
いる。ケーシング11には、気体の吹出口11aと、ベ
ルマウス12により囲われる気体の吸込口11bとが形
成されている。吸込口11bは、羽根車13の側板32
に対向している。また、吹出口11aは、羽根車13の
回転軸O−Oに対して略直交する向きに気体を吹き出す
ように、吸込口11bに直交する方向に形成されてい
る。
【0004】モータ14を回転して多翼送風機10を作
動させると、羽根車13が、ケーシング11に対して、
図3の回転方向Rの向きに回転する。これにより、羽根
車13の各翼33が内周側の空間から外周側の空間へと
気体を掻き出し、吸込口11bから羽根車13の内周側
の空間に気体が吸い込まれるとともに、羽根車13の外
周側に押し出された気体が吹出口11aを通って送出さ
れる。すなわち、多翼送風機10は、吸込口11bから
気体を吸い込み、吹出口11aから気体を送出する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような多翼送風機
10においては、主板31近傍において生じる乱れ渦に
起因する騒音がある。具体的には、以下のような発生機
構によって生じている。羽根車13の内部において、吸
込口11bから吸い込まれた気体は、主に、図1(a)
に示すように、主板31に向かう方向から徐々に外周に
向かうように流れている(気体流れW参照)。ところ
で、図1(b)に示すように、吸込口11bから吸い込
まれた気体の一部は、主板31近傍において、主板31
に衝突した後、外周側に向かうように流れるものがある
(気体流れX参照)。この気体流れXには、主板31へ
の衝突による乱れ渦が発生している。この乱れ渦は、気
体流れXが外周方向に向かうとともに、主板31に衝突
する流れがさらに合流する。そして、気体流れXの乱れ
渦が徐々に発達し、翼33の内周側縁部において最大の
乱れ渦を形成する。この発達した乱れ渦が翼33によっ
て外周側に向かって掻き出されて、騒音が生じている。
【0006】空調機に用いられる多翼送風機に対して
は、さらに低騒音化が求められている。また、主板の近
傍において生じる乱れ渦に起因する騒音は、多翼送風機
のみならず、ターボ送風機等を含む遠心送風機に共通し
て生じるものである。本発明の課題は、羽根車の主板近
傍に生じる乱れ渦に起因する騒音が低減可能な羽根車の
提供、及び低騒音の遠心送風機を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の遠心送
風機の羽根車は、回転軸を中心として回転する主板と、
回転軸を中心として環状に配置されそれぞれ一端が主板
に固定されている複数の翼と、複数の翼の他端を結ぶ環
状の側板とを備えている。そして、主板の側板側の面の
少なくとも複数の翼の内周側縁部の近傍には、凹凸形の
波形形状が成形されている。
【0008】この遠心送風機の羽根車では、主板の側板
側の面の少なくとも翼の内周側縁部の近傍に凹凸形の波
形形状が成形されているため、気体流れの主板への衝突
と流れの合流とによって発達した乱れ渦は、翼に到達す
る直前につぶされて小さくなる。これにより、翼によっ
て気体流れを掻き出す際に発生する騒音を小さくでき
る。
【0009】前記のように、乱れ渦は主板の内周側から
外周側に向かうとともに発達するため、翼によって掻き
出される直前に乱れ渦を小さくすることが最も効果的で
ある。つまり、波形形状の成形位置は、主板の側板側の
面の少なくとも翼の内周側縁部近傍に設置する必要があ
る。さらにいえば、波形形状によってつぶされて小さく
なった乱れ渦が再度発達することがないように、波形形
状は、翼の内周側縁部から内周側に翼の径方向長さの範
囲内に設置されていることが望ましい。
【0010】また、翼の内周側縁部近傍だけでなく、さ
らに回転軸に近いところにも波形形状を設置してもよ
い。これにより、気体流れが主板に衝突するたびに生じ
る乱れ渦を小さくすることができる。請求項2に記載の
遠心送風機の羽根車は、請求項1において、主板に成形
された波形形状は三角波状である。
【0011】請求項3に記載の遠心送風機の羽根車は、
請求項1において、主板に成形された波形形状は正弦波
状である。請求項4に記載の遠心送風機の羽根車は、請
求項1において、主板に成形された波形形状は矩形波状
である。請求項5に記載の遠心送風機の羽根車は、請求
項1〜4のいずれかにおいて、主板に成形された波形形
状は、波ピッチが2mm以上、8mm以下の範囲であ
り、波高さが1mm以上、5mm以下の範囲である。
【0012】請求項2〜5の遠心送風機の羽根車では、
波形形状の形状及び寸法が具体化されている。これらの
波形形状の構成により、騒音の原因となる主板の側板側
の面の翼の内周側近傍に生じる乱れ渦をつぶして小さく
するための波形形状の実用性が向上する。
【0013】請求項6に記載の遠心送風機は、請求項1
〜5のいずれかに記載の羽根車と、主板を回転させる駆
動手段と、側板の内周側の開口部に対向する吸込口と羽
根車の外周側に設けられ回転軸に略直交する方向に気体
を送出する吹出口とを有し羽根車を覆うケーシングとを
備えている。この遠心送風機では、駆動手段によって主
板を回転させると、ケーシングに対して羽根車が回転す
る。すると、羽根車の各翼が内周側の空間から外周側の
空間へと気体を掻き出し、吸込口から羽根車の外周側に
押し出された気体が吹出口を通って送り出される。すな
わち、遠心送風機は、吸込口から気体を吸い込み、吹出
口から気体を送り出す。
【0014】このとき、請求項1〜5のいずれかに記載
の羽根車を採用しているため、気体流れの主板への衝突
と流れの合流とによって生じる乱れ渦が、主板に成形さ
れた波形形状によって、つぶされて小さくなる。これに
より、羽根車によって気体を掻き出す際に発生する騒音
を小さくできる。
【0015】
【発明の実施の形態】第1実施形態 (1)多翼送風機の構成 本発明の一実施形態にかかる多翼送風機(遠心送風機)
は、図1〜図3に示す従来例の多翼送風機10の羽根車
13において、主板31の複数の翼の内周側縁部の近傍
に凹凸形の波形形状を有し、側板32の主板31側に凹
凸形の波形形状を有し、主板31の複数の翼間部35の
回転方向前方が切り欠かれた形状を有している点のみが
異なる。
【0016】図4は、本実施形態の多翼送風機40の側
面図を示し、図5及び図6は、多翼送風機40の羽根車
43の側面図及び平面図を示す。多翼送風機40は、主
として、羽根車63と、羽根車63を覆うケーシング1
1と、羽根車43を回すモータ14とから構成されてい
る。羽根車43は、円板状の主板61の外周縁に複数の
翼33が固定され、複数の翼33の他端が環状の側板6
2で結ばれている。この羽根車43の詳細は後述する。
【0017】ケーシング11には、気体の吹出口11a
と、ベルマウス12により囲まれている気体の吸込口1
1bとが形成されている。吸込口11bは、羽根車43
の側板62に対向するように配置されている。この吸込
口11bを通って羽根車43の内周部の空間へ流れる気
体は、概ね羽根車43の回転軸O−Oに沿った形で流入
し、羽根車43の回転によって回転軸O−Oから離れる
方向(羽根車43の外周方向)に流れていく。また、吹
出口11aは、羽根車43の回転軸O−Oに対して略直
交する向きに気体を吹き出すよう、吸込口11bに直交
するように形成されている。
【0018】モータ14は、その回転シャフトが主板6
1の中心孔61a(図6参照)に装着されており、主板
61を回転させることによって羽根車43全体を回転さ
せる。モータ14の本体部分は、ケーシング11に固定
されている。次に羽根車43について説明する。羽根車
43は、図5及び図6に示すように、主板61と、複数
の翼33と、環状の側板62とから構成されている。こ
の羽根車43は、本実施形態においては、金型を使っ
て、主板61、複数の翼33及び側板62のすべてが一
体成形される樹脂製品である。
【0019】主板61は、図6に示すように、中心孔6
1aが形成された円板形状の部材であり、中心孔61a
には、モータ14の回転シャフトが固定される。主板6
1の外周縁には、後述の複数の翼33が回転方向に等間
隔に形成されており、これらの複数の翼33の内周側縁
部の近傍には内周側縁部の周囲に沿って凹凸形状の波形
形状64が成形されている。ここで、波形形状64は、
三角波状を有し、波ピッチPが3mm、波高さHが2m
mの三角波状である(図7(a)参照)。尚、波形形状
は、三角波状に制限されるものではなく、図7(b)及
び図7(c)に示されるような正弦波状や矩形波状でも
よい。また、波形形状の寸法についても、本実施形態の
寸法に制限されるものではなく、ピッチPは2mm以
上、8mm以下の範囲であり、波高さHは1mm以上、
5mm以下の範囲であればよい。
【0020】また、主板61の複数の翼33の間に位置
する翼間部65は、回転方向前方が切り欠かれている。
これらの複数の翼間部65は、円周方向には、翼33の
円周方向厚みよりも大きく、かつ、回転方向前方に隣接
する他の翼33の回転方向後方に達しない長さに切り欠
かれている。また、翼間部65の径方向は、翼33の形
状に沿って、外周側縁部から内周側縁部まで達する長さ
に切り欠かれている。
【0021】翼33は、回転方向前方に凹面形を有し、
回転軸O−Oを中心として環状に複数配置された部材で
ある。翼33は、一端が主板61の外周縁に固定され、
そこから回転軸O−Oに沿ってねじれ無く長く延びてい
る。そして、翼33の他端は、図5及び図6に示すよう
に、環状の側板62で連結されている。環状の側板62
は、翼33の他端の外周側に配置され、各翼33を連結
している。この側板62も、主板61及び複数の翼33
とともに一体成形されている。そして、側板62の主板
61側の面には、凹凸形状の波形形状66が成形されて
いる。ここで、波形形状66は、主板61の波形形状6
4と同様に、波ピッチPが3mm、波高さHが2mmの
三角波状である(図7(a)参照)。尚、波形形状は、
三角波状に制限されるものではなく、図7(b)及び図
7(c)に示されるように、正弦波状や矩形波状でもよ
い。また、波形形状の寸法についても、本実施形態の寸
法に制限されるものではなく、ピッチPは2mm以上、
8mm以下の範囲であり、波高さHは1mm以上、5m
m以下の範囲であればよい。
【0022】(2)多翼送風機の動作 モータ14を回して多翼送風機40を作動させると、羽
根車43が、ケーシング11に対して、図6に示す回転
方向Rの向きに回転する。すなわち、多翼送風機40で
は、主として翼33の凹面となっている回転方向前方の
面によって、気体を掻き出す。これにより、羽根車43
の翼33が羽根車43の内周側の空間から外周側の空間
へと気体を掻き出し、吸込口11bから羽根車43の内
周側の空間に気体が吸い込まれるとともに、羽根車43
の外周側に掻き出された気体が吹出口11aに集められ
て吹き出される(図4の気体流れZを参照)。すなわ
ち、多翼送風機40は、吸込口11bから回転軸O−O
に沿った形で気体を吸い込み、吹出口11aから回転軸
O−Oに直交する方向に気体を送り出す。尚、図4では
回転軸O−Oの右側における気体流れZのみを表示して
いるが、回転軸O−Oの左側において羽根車13の外周
側に掻き出された気体は、ケーシング11に沿って吹出
口11aまで流れ、そこから吹き出される。
【0023】(3)羽根車の輸送 羽根車43を輸送する際、複数の羽根車43を回転軸O
−O方向に積載する。ここで、本実施形態の羽根車43
の主板61の翼間部65は、前述のように、円周方向に
は、翼33の円周方向厚さよりも大きく、また、径方向
には、翼33の曲がり形状に沿って翼33の外周側縁部
から内周側縁部まで達する長さに切り欠かれている。こ
の形状を利用して、二つの羽根車43を回転軸O−O方
向から重ねる。一方の羽根車43の複数の翼間部65の
切り欠きに、他方の羽根車43の対応する翼33を嵌め
込むことができる。このようにして嵌合した二つの羽根
車43は、さらに所定の積載高さまで積載された後、輸
送される。
【0024】(4)実験例 本実施形態の羽根車を使用した多翼送風機について、騒
音測定実験を行った結果について説明する。本実験は、
図2及び図3に示す従来例のものと、図5及び図6に示
される本実施形態のものとについての測定実験を行っ
た。尚、本実施形態においては、騒音低減を目的とし
て、主板61に成形された波形形状64と、側板62に
成形された波形形状66と、主板61の翼間部65を切
り欠いたものとが同時に成形されている。そこで、これ
ら3つの形状のそれぞれについての騒音低減の効果を確
認するために、これら3つの形状の各一つのみを成形し
た羽根車を準備し、騒音測定実験を行った。以下に騒音
測定実験の結果を示す。
【0025】主板61に波形形状64のみが成形され
た羽根車の場合 従来例に比べて、騒音値が0.8dB減少した。 側板62に波形形状66のみが成形された羽根車の場
合 従来例に比べて、騒音値が0.5dB減少した。 主板61の翼間部65を切り欠いた形状のみを有する
羽根車の場合 従来例に比べて、騒音値が0.5dB減少した。
【0026】以上の結果より、本実施形態において騒音
低減を目的として適用された3つの形状のいずれにおい
ても騒音値の低減が確認された。 (5)多翼送風機の特徴 本実施形態の多翼送風機の特徴には、以下のようなもの
がある。 羽根車の主板に成形された波形形状による騒音低減 従来例の多翼送風機10においては、主板31近傍にお
いて生じる乱れ渦に起因する騒音がある。具体的には、
以下のような発生機構によって生じている。
【0027】羽根車13の内部において、図1(b)に
示すように、吸込口11bから吸い込まれた気体の一部
は、主板31近傍において、主板31に衝突した後、外
周側に向かうように流れているものがある(気体流れX
参照)。この気体流れXには、主板31への衝突による
乱れ渦が発生している。この乱れ渦は、気体流れXが外
周方向に向かうとともに、主板31に衝突する流れがさ
らに合流する。そして、気体流れXの乱れ渦が徐々に発
達し、翼33の内周側縁部において最大の乱れ渦を形成
する。この発達した乱れ渦が翼33によって外周側に向
かって掻き出されて、騒音が生じている。
【0028】一方、本実施形態の多翼送風機40の羽根
車43では、主板61の側板62側の面の少なくとも翼
33の内周側縁部の近傍に凹凸形の波形形状64が成形
されているため、図8(a)に示すように、気体流れZ
1の主板61への衝突と流れの合流とによって発達した
乱れ渦は、翼33に到達する直前につぶされて小さくな
る。これにより、翼33によって気体流れZ1を掻き出
す際に発生する騒音を小さくできる。
【0029】羽根車の側板に成形された波形形状によ
る騒音低減 従来例の多翼送風機10においては、側板32の外周端
近傍を渦中心とした旋回渦が生じている。この旋回渦
は、羽根車13の送風仕事に寄与しないため、結果とし
て、送風機効率の低下や騒音の原因となっている。具体
的には、以下のような発生機構によって生じている。
【0030】図1(c)に示すように、ケーシング11
内の気体の一部は、側板32近傍において、羽根車13
の外周に掻き出された後、羽根車13のベルマウス12
近傍から羽根車13の内周側に再度吸い込まれるような
旋回渦Yを生じている。このため、羽根車13におい
て、羽根車13の軸方向全長Bに対する旋回渦Yが生じ
ている部分の軸方向長さbの比b/B(以下、ブロッケ
ージファクタBFとする。)に相当する分については、
有効に送風仕事ができていない。これにより、送風機効
率の低下や騒音が生じる。
【0031】一方、本実施形態の多翼送風機40の羽根
車43では、側板62の主板61側の面に凹凸形状の波
形形状66が成形されているため、側板62の羽根車4
3出口近傍の圧力変動が緩和される。すると、図8
(b)に示すように、羽根車43によって出口側に掻き
出された気体流れは、羽根車43の回転軸方向側板62
側から再度羽根車43の内周側に吸い込まれにくくなる
ため、側板62の近傍において生じていた旋回渦Z2が
小さくなる。これにより、BF値がb1/B1と小さく
なり羽根車43の有効に送風仕事ができる部分が大きく
なるため、送風機効率が向上し、騒音も小さくなる。
【0032】羽根車の主板の翼間部を切り欠くことに
よる騒音低減 本実施形態の多翼送風機40の羽根車43では、主板6
1の複数の翼33の間に位置する翼間部65の少なくと
も回転方向前方が切り欠かれているため、図8(c)に
示すように、気体流れZ3の主板61への衝突と流れの
合流とによって発達した乱れ渦は、翼33によって掻き
出される直前に切り欠かれた翼間部65から主板61の
軸方向外側に向かってその一部が逃がされる。これによ
り、図8(a)に示す主板61に成形された波形形状6
4と同様に、翼33によって気体流れを掻き出す際に発
生する騒音を小さくできる。
【0033】また、本実施形態の羽根車43の翼間部6
5は、主板61の回転方向前方が円周方向に部分的に切
り欠かれており、翼間部65の回転方向後方までは切り
欠かれていない。従って、翼間部65の回転方向後方に
おける気体流れのはくりを増大することがない。これに
より、翼間部65の回転方向前方を切り欠くことによる
騒音低減の効果を損なうことがない。
【0034】さらに、本実施形態の羽根車43の翼間部
65は、翼33の外周側縁部から内周側縁部まで切り欠
かれているため、気体流れZ3の乱れ渦が、翼33の外
周側縁部まで到達する前に、切り欠かれた翼間部65か
ら逃がされやすい。これにより、翼33の外周側縁部ま
で到達する乱れ渦をさらに減少させて、騒音を小さくで
きる。
【0035】羽根車の輸送時の積載効率の向上 本実施形態の羽根車43の主板61の翼間部65には、
前述のように、円周方向には、翼33の円周方向厚さよ
りも大きく、また、径方向には、翼33の曲がり形状に
沿って翼33の外周側縁部から内周側縁部まで達する長
さに切り欠かれている。この形状を利用して、二つの羽
根車43を回転軸O−O方向から重ねて、複数の翼間部
65の切り欠きに、それぞれ対応する翼33を嵌め込む
ことができる。これにより、羽根車43の積載時の積載
効率を向上することができる。
【0036】第2実施形態 本実施形態は、本発明をターボ送風機の羽根車に適用し
た場合である。つまり、前記実施形態の多翼送風機40
の主板61に成形された波形形状64をターボ送風機の
羽根車73に適用したものである。図9に本実施形態の
ターボ送風機の羽根車73の断面平面図を示す。
【0037】羽根車73は、円板状の主板91の外周縁
に複数の翼93が固定され、複数の翼93の他端が図示
しない環状のシュラウド(側板)で結ばれている。主板
91の外周縁には、複数の翼93が回転方向に等間隔に
形成されており、これらの複数の翼93の内周側縁部の
近傍には内周側縁部の周囲に沿って凹凸形状の波形形状
94が成形されている。ここで、波形形状94は、前記
実施形態と同様に、図7(a)〜図7(c)に示すよう
な三角波状、正弦波状又は矩形波状を有しており、波ピ
ッチPは2mm以上、8mm以下の範囲であり、波高さ
Hは1mm以上、5mm以下の範囲である。
【0038】本実施形態においても、前記実施形態と同
様、主板91のシュラウド側の面の少なくとも翼93の
内周側縁部の近傍に凹凸形の波形形状94が成形されて
いるため、気体流れの主板91への衝突と流れの合流と
によって発達した乱れ渦は、翼93に到達する直前につ
ぶされて小さくなり、翼93によって気体流れを掻き出
す際に発生する騒音を小さくできる。
【0039】他の実施形態 前記実施形態では、樹脂製の羽根車を用いた遠心送風機
に本発明を適用しているが、板金製の羽根車を用いた遠
心送風機に対しても本発明を適用することができる。
【0040】
【発明の効果】以上の説明に述べたように、本発明によ
れば、以下の効果が得られる。請求項1にかかる発明で
は、遠心送風機の羽根車について、主板の側板側の面の
少なくとも翼の内周側縁部の近傍に凹凸形の波形形状が
成形されているため、気体流れの主板への衝突と流れの
合流とによって発達した乱れ渦は、翼に到達する直前に
つぶされて小さくなる。これにより、翼によって気体流
れを掻き出す際に発生する騒音を小さくできる。
【0041】請求項2にかかる発明では、遠心送風機の
羽根車の主板に成形された波形形状は三角波状であり、
請求項3にかかる発明では、遠心送風機の羽根車の主板
に成形された波形形状は正弦波状であり、請求項4にか
かる発明では、遠心送風機の羽根車の主板に成形された
波形形状は矩形波状である。また、請求項5にかかる発
明では、遠心送風機の羽根車の主板に成形された波形形
状は、波ピッチが2mm以上、8mm以下の範囲であ
り、波高さが1mm以上、5mm以下の範囲である。こ
れらの波形形状の構成により、騒音の原因となる主板の
側板側の面の翼の内周側近傍に生じる乱れ渦をつぶして
小さくするための波形形状の実用性が向上する。
【0042】請求項6にかかる発明では、遠心送風機
は、請求項1〜5のいずれかに記載の羽根車を採用して
いるため、気体流れの主板への衝突と流れの合流とによ
って生じる乱れ渦が、主板に成形された波形形状によっ
て、つぶされて小さくなる。これにより、羽根車によっ
て気体を掻き出す際に発生する騒音を小さくできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)従来例の多翼送風機の側面図(ケーシン
グ部分は断面図)。 (b)従来例の多翼送風機の側面図であって、主板近傍
の騒音の発生機構を説明する図(一部羽根車の断面を図
示)。 (c)従来例の多翼送風機の側面図であって、側板近傍
の騒音の発生機構を説明する図(一部羽根車の断面を図
示)。
【図2】従来例の多翼送風機の羽根車の斜視図。
【図3】従来例の多翼送風機の羽根車の平面図。
【図4】第1実施形態の多翼送風機の側面図(ケーシン
グ部分は断面図)。
【図5】第1実施形態の多翼送風機の羽根車の側面図
(一部断面を図示)。
【図6】第1実施形態の多翼送風機の羽根車の平面図。
【図7】(a)波形形状(三角波状)の拡大図。 (b)波形形状(正弦波状)の拡大図。 (c)波形形状(矩形波状)の拡大図。
【図8】(a)第1実施形態の多翼送風機の側面図であ
って、主板に成形された波形形状の騒音低減効果を説明
する図(一部羽根車の断面を図示)。 (b)第1実施形態の多翼送風機の側面図であって、側
板に成形された波形形状の騒音低減効果を説明する図。 (c)第1実施形態の多翼送風機の側面図であって、主
板の翼間部を切り欠いた形状の騒音低減効果を説明する
図(一部羽根車の断面を図示)。
【図9】第2実施形態のターボ送風機の羽根車の平面断
面図。
【符号の説明】
10、40 多翼送風機(遠心送風機) 11 ケーシング 11a 吹出口 11b 吸込口 12 ベルマウス 13、43、73 羽根車 14 モータ(駆動手段) 31、61、91 主板 32、62 側板 33、93 翼 64、94 波形形状(主板側) 35、65 翼間部 66 波形形状(側板側)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F24F 1/00 306 F24F 1/00 306 Fターム(参考) 3H033 AA02 AA18 BB02 BB06 BB20 CC01 CC03 DD09 DD12 EE06 EE08 3H034 AA02 AA18 BB02 BB06 BB20 CC01 CC03 DD01 EE06 EE08 3H035 CC01 CC06 3L049 BD01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転軸(O−O)を中心として回転する主
    板(61),(91)と、 前記回転軸(O−O)を中心として環状に配置され、そ
    れぞれ一端が前記主板(61),(91)に固定されて
    いる複数の翼(33),(93)と、 前記複数の翼(33),(93)の他端を結ぶ環状の側
    板(62)と、を備え、 前記主板(61),(91)の側板(62)側の面の少
    なくとも前記複数の翼(33),(93)の内周側縁部
    の近傍には、凹凸形の波形形状(64),(94)が成
    形されている、遠心送風機の羽根車(43),(7
    3)。
  2. 【請求項2】前記主板(61),(91)に成形された
    波形形状(64),(94)は三角波状である、請求項
    1に記載の遠心送風機の羽根車(43),(73)。
  3. 【請求項3】前記主板(61),(91)に成形された
    波形形状(64),(94)は正弦波状である、請求項
    1に記載の遠心送風機の羽根車(43),(73)。
  4. 【請求項4】前記主板(61),(91)に成形された
    波形形状(64),(94)は矩形波状である、請求項
    1に記載の遠心送風機の羽根車(43),(73)。
  5. 【請求項5】前記主板(61),(91)に成形された
    波形形状(64),(94)は、波ピッチが2mm以
    上、8mm以下の範囲であり、波高さが1mm以上、5
    mm以下の範囲である、請求項1〜4のいずれかに記載
    の遠心送風機の羽根車(43),(73)。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれかに記載の羽根車
    (43),(73)と、 前記主板(61),(91)を回転させる駆動手段(1
    4)と、 前記側板(62)の内周側の開口部に対向する吸込口
    (11b)と、前記羽根車(43),(73)の外周側
    に設けられ前記回転軸(O−O)に略直交する方向に気
    体を送出する吹出口(11a)とを有し、前記羽根車
    (43),(73)を覆うケーシング(11)と、を備
    えた遠心送風機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009030587A (ja) * 2007-06-29 2009-02-12 Denso Corp 遠心式多翼ファン
CN102562658A (zh) * 2012-03-27 2012-07-11 海信容声(广东)冰箱有限公司 一种风冷冰箱用的离心风机叶轮
CN113153773A (zh) * 2021-03-31 2021-07-23 西安交通大学 一种仿生多翼离心风机叶轮及其制备方法

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