JP4269092B2 - 多翼遠心ファン - Google Patents

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Description

技術分野
本発明は、多翼遠心ファンに関わり、特に風力増大のための翼構造の改良に関する。
技術背景
多翼遠心ファンは、基本的に、回転基板上に多数の羽根板(翼)を円環状に配列したものである。これを回転させると、軸方向先端側の開口から円環状翼列の内周側へ外気を吸込み、吸込んだ空気を遠心力により翼間の隙間を通して翼列の外方へ吹出す。このような基本原理で働く多翼遠心ファンの一つの問題は、ファンの先端側から吸込み外周側へ吹出すという空気の流れの関係で、ファンの吸込み側つまり先端に近い部分での効率が比較的に低くなってしまう点である。
この問題を解決するため、特開昭7−233798号に開示された多翼送風機は、回転基板上の円環状の主翼列の先端側に、同様に円環状の補助翼の列を備えており、主翼列と補助翼列との間は、補助翼列の内周側先端から外周側基端へ向かって斜めに凹弧面状に湾曲した円筒体によって仕切られている。そして、補助翼列の先端側には、外気を主翼列の内周側及び補助翼の先端側にそれぞれ吸込むよう案内するためのベルマウスが取付けられている。
この多翼送風機を回転させると、補助翼列は、空気を翼列の先端から吸込んで斜め外方へ流す斜流ファンとして機能する。
特開昭7−233798号に開示された多翼送風機は、要するに、上述した多翼遠心ファンの基本構造における低効率な先端側部分を、空気を先端から吸込み斜め外方へ出すという斜流ファンに置き換えたものである。しかし、斜流ファンの性能は、その原理上あまり高いものではないから、際立った送風量増大効果は期待できない。
従って、本発明の目的は、従来技術よりも大きい送風量が得られる改良された多翼遠心ファンを提供することにある。
発明の開示
本願請求項1に係る多翼遠心ファンは、軸心周りに回転する回転基板上に周方向に所定の間隔をおいて前記軸心側から外周側に向かう径方向に延設するよう配列された複数枚の第1の羽根板を有し、前記第1の羽根板の回転基板とは反対側の端部となる先端側から吸い込んだ作動流体を該第1の羽根板の外周側へ吐出する比較的小さい内周径をもつ第1の遠心ファンと、前記第1の羽根板の前記先端側に周方向に所定の間隔をおいて前記軸心側から外周側に向かう径方向に延設するよう配列された複数枚の第2の羽根板を有し、前記第2の羽根板の回転基板とは反対側の端部となる先端側から吸い込んだ作動流体を該第2の羽根板の外周側へ吐出する、比較的大きい内周径をもつ第2の遠心ファンと、を備え、前記第1の羽根板の先端側の外角部に、前記軸心側から外周側へ向かって先端側から回転基板側に向かう傾斜面が形成されるように第1の羽根板が存在しない切除空間部を形成し、
前記第2の羽根板を、前記切除空間部内の前記軸心側に第2の羽根板が存在しない内周側空間が存在するように、前記切除空間部内の外周寄りに配置したことを特徴とする。
本願請求項2に係る多翼遠心ファンは、前記第2の羽根板の径方向の長さが、前記第1の羽根板の径方向の長さより短く形成され、前記第1の羽根板の先端側の外周寄りに配置されている。
本願請求項3に係る多翼遠心ファンは、前記第1の羽根板の先端側に前記切除空間部を構成するように円環状の導風板を更に備えている。
本願請求項4に係る多翼遠心ファンは、前記第1の羽根板の前記傾斜面が凹弧状に湾曲している。
本願請求項5に係る多翼遠心ファンは、前記第2の羽根板の回転基板とは反対側の端部である先端部は、前記第1の羽根板の回転基板とは反対側の端部である先端部より突出するように形成されている。
本願請求項6に係る多翼遠心ファンは、前記第1の羽根板及び第2の羽根板の少なくとも一方の外周に、環状の整流板が取付けられている。
本願請求項7に係る多翼遠心ファンは、前記第1の羽根板が前記回転基板の外周縁に沿って配列されている。
本願請求項8に係る多翼遠心ファンは、前記第2の羽根板の列の外周径が前記第1の羽根板の列の外周径より大きい。
本願請求項9に係る送風装置は、空気入り口と空気出口と空気流路をもったケーシングと、前記空気流路中に配置された多翼遠心ファンと、を備え、前記多翼遠心ファンが、軸心周りに回転する回転基板上に周方向に所定の間隔をおいて前記軸心側から外周側に向かう径方向に延設するよう配列された複数枚の第1の羽根板を有し、前記第1の羽根板の回転基板とは反対側の端部となる先端側から吸い込んだ作動流体を該第1の羽根板の外周側へ吐出する比較的小さい内周径をもつ第1の遠心ファンと、前記第1の羽根板の前記先端側に周方向に所定の間隔をおいて前記軸心側から外周側に向かう径方向に延設するよう配列された複数枚の第2の羽根板を有し、前記第2の羽根板の回転基板とは反対側の端部となる先端側から吸い込んだ作動流体を該第2の羽根板の外周側へ吐出する、比較的大きい内周径をもつ第2の遠心ファンと、を有し、前記第1の羽根板の先端側の外角部に、前記軸心側から外周側へ向かって先端側から回転基板側に向かう傾斜面が形成されるように第1の羽根板が存在しない切除空間部を形成し、前記第2の羽根板を、前記切除空間部内の前記軸心側に第2の羽根板が存在しない内周側空間が存在するように、前記切除空間部内の外周寄りに配置したことを特徴とする。
以上の本発明に従う多翼遠心ファンでは、第1の羽根板(又は、羽根板の第1の部分)の列が内周径の小さい遠心ファンとして機能し、その先端側に配置された第2の羽根板の列が内周径の大きい遠心ファン(第2の遠心ファン)として機能する。つまり、本発明の多翼遠心ファンは、ある内周径をもった遠心ファンの先端側に、より大きい内周径をもった別の遠心ファンが配置された構造をもったものと説明することができる。或は、一つの遠心ファンの内周径が、基端側から先端側に向って段階的に拡大していく構造をもったものと説明することもできる。
このような構造によれば、前述した従来の多翼遠心ファンの基本的構造では送風量の小さかった先端部分に代って、大内周径の遠心ファンが大きい送風量を生むため、全体の送風量が増大する。また、この先端側の大内周径の遠心ファンは、特開昭7−233798号の先端側の斜流ファンと比較しても、遠心ファンであるが故により大きい送風量を生むことができる。
本発明の多翼心ファンでは、望ましくは、基端側の小内周径の遠心ファンの先端面が、回転軸に対し内周側から外周側へ向かって先端側から基端側へと向かうよう傾斜した面を有していて、この傾斜した先端面上の外周寄りに大内径の遠心ファンの羽根板が配置される。この構造では、基端側の遠心ファンの特に効率の悪い部分が切除されて、その切除面が傾斜した先端面をなしていることになり、かつ、この傾斜した先端面が、先端側の遠心ファンへ入る空気流をスムーズにする役割を果たす。よって、風量増大の効果が一層良好である。
さらに、この傾斜した先端面に導風板を接合すると、先端側の遠心ファンへ入る空気流が一層スムーズになる。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の一実施形態にかかる多翼遠心ファンを空気吸入口のある先端側から見た平面図。
図2は、図1のA−A線に沿った同ファンの断面図。
図3は、本発明の第2の実施形態にかかる多翼遠心ファンの断面図。
図4は、本発明の第3の実施形態にかかる多翼遠心ファンの断面図。
図5は、本発明の第4の実施形態にかかる多翼遠心ファンの断面図。
図6は、本発明の第5の実施形態にかかる多翼遠心ファンの断面図。
図7は、本発明の第6の実施形態にかかる多翼遠心ファンの断面図。
図8は、本発明の第7の実施形態にかかる多翼遠心ファンの断面図。
図9は、本発明の第8の実施形態にかかる多翼遠心ファンの断面図。
図10は、本発明の第9の実施形態にかかる多翼遠心ファンの断面図。
図11は、本発明の第10の実施形態にかかる多翼遠心ファンの断面図。
図12は、本発明の第11の実施形態にかかる多翼遠心ファンの断面図。
図13は、本発明の第12の実施形態にかかる多翼遠心ファンを先端側から見た平面図。
図14は、図13のD−D線に沿った同ファンの断面図。
図15は、第12の実施形態の性能の試験結果を従来の基本構造のそれと比較して示した図。
図16は、図1、2に示した本発明の多翼遠心ファン(但し、全ての第1の羽根板3が同じ幅をもつ)、従来のシロッコファン及び従来のラジアルファンの3種類のファンについて、2000rpm一定の回転数における性能の試験結果を示した図。
図17は、風量Q、縦軸の静圧Ps及び騒音レベルLAを流量係数、圧量係数、比騒音にそれぞれ正規化して図16の試験結果を示した図。
図18は、同じ3種のファンについて、静圧Ps=10mmAq及び風量Q=3m/minを達成する回転数(本発明のファン:1715rpm、従来のラジアルファン:2790rpm、従来のシロッコファン:2280rpm)における性能の試験結果を示した図。
図19は、図1及び図2に示した本発明のファン、従来のラジアルファン、従来の多層円板ファン、従来のシロッコファン及び従来のターボファンという5種類のファンについて、全圧効率の試験結果を示した図。
図20は、本発明のファンを用いた送風装置の一実施形態の断面図。
発明を実施するための最良の形態
図1は本発明の一実施形態にかかる多翼遠心ファンを空気吸入口のある先端側から見た平面図、図2は図1のA−A線に沿った同ファンの断面図である。尚、本明細書で「先端側」とは多翼遠心ファンの空気吸入口の側を指し、「基端側」とは回転基板1の側を指す。
図示のように、円形の平面形状をもつ回転基板1上に、多数枚(例えば、100枚程度)の第1羽根板3が回転軸Cと平行に立設されている。これら多数枚の第1羽根板3は、回転基板1の外周縁に沿って回転軸Cを中心とする円環状に一定ピッチで配列されている。これら第1羽根板3の円環状列の外周基端部は補強リング4によって連結されている。基板1を矢印B方向に回転させると、第1羽根板3の円環状列は「第1の遠心ファン」として機能する。つまり、第1羽根板3の円環状列は、図2に矢印W1で空気の流れを示すように、その内周側空間5内へ先端側開口7から外気を吸入し、その吸入した空気を羽根板3間の隙間を通して外周側へ吹出すように作用する。
内周側空間5へ吸入された空気を周囲の羽根板3側へスムーズに流すため、内周側空間5の底面をなす基板1はその中央部が先端側へ幾分持上がって、中央部から周囲へ向かって適度なスロープを形成している。また、内周側空間5内の空気を羽根板3間の隙間へ取り込み易くするために、幅の異なる(つまり、内周側への突出量の異なる)2種類の羽根板3L、3Sが第1羽根板3として用いられ、その2種類の羽根板3L、3Sが交互に配列されている。さらに、これと同目的のために、第1羽根板3は図1に示すように、その内周側及び外周側の端部が回転方向Bに対して鋭角をなすように湾曲した前進翼となって多翼の「シロッファン」を構成している。しかし、必ずしもこのようになっている必要はなく、例えば、第1羽根板3の全てが同じ幅(つまり、内周側への突出量が同じ)であってもよいし、また、第1羽根板3が平板状で「ラジアルファン」を構成していてもよいし、第1羽根板3が後退翼で「ターボファン」を構成していてもよい。
図2に示すように、第1羽根板3は、元々ほぼ長方形であった羽根板3の先端外周側の部分を、内周側から外周側へ向かって先端側から基端側へ向かうように回転軸Cに対し傾斜したラインに沿って切除したかの如き形状を有している。つまり、この第1羽根板3の先端面は、上記のように傾斜した面を有している。そして、この傾斜した先端面に円環状の導風板9が接合され、この導風板9の外周寄りの表面上に、多数枚(例えば、100枚程度)の第2羽根板11が回転軸Cと平行に立設され円環状に配列されている。
これらの第2羽根板11は、径方向に沿ったその幅が第1羽根板3よりも明らかに狭い。そのため、第2羽根板11の円環状列は、第1羽根板3の円環状列よりも大きい内周径を有していて、その内周側には、第1羽根板3の傾斜した先端面との間に空間13が形成されている。この第2羽根板11の円環状列は「第2の遠心ファン」として機能する。つまり、基板1を回転させると、第2羽根板11の円環状列は、図2に矢印W2で空気の流れを示すように、その内周側空間13内へその先端側開口15から外気を吸入し、その吸入空気を羽根板11間の隙間を通して外周側へ吹出すように作用する。
第1羽根板3の内周側空間5への空気の吸入を良好にするために、第2羽根板11の先端部11aの高さは第1羽根板3の内周側先端部3aよりも若干高くなっている(つまり、第1羽根板3より先端側へ突出している)。また、第2羽根板11の内周側空間13へ吸入された空気を周囲の羽根板11側へスムーズに導くために、内周側空間13の底面をなす導風板9は図2に示すように回転軸Cに対し傾斜し且つ凹弧状に適度に湾曲している。また、第2羽根板11は第1羽根板3と同様に湾曲しているが、必ずしもそうである必要はなく、第1羽根板3と異なる形状や枚数(例えば図13、14に示す実施形態)であってもよい。第2羽根板11の先端外周部は補強リング17により連結されている。
第1羽根板3の円環状列の内外径比(内周直径/外周直径)は例えば60%〜65%程度、第2羽根板11の円環状列の内外径比は例えば85%〜90%程度であるが、必ずしもそうである必要はなく、他の値であってもよい。
以上の構成をもつ多翼遠心ファンは、例えば合成樹脂を用いて射出成形法などで一体的に製造することができるが、金属などの他の材料や他の方法によっても製造できることは言うまでもない。
この多翼遠心ファンを回転させると、既に述べたとおり、第1羽根板3の円環状列も第2羽根板11の円環状列もそれぞれ「遠心ファン」として機能する。つまり、第1羽根板3の円環状列は、その内周側空間5内へ先端側開口7から外気を吸入し、その吸入空気を羽根板3間の隙間を通して外周側へ吹出す。また、第2羽根板11の円環状列は、その内周側空間13内へその先端側開口15から外気を吸入し、その吸入空気を羽根板11間の隙間を通して外周側へ吹出す。ここで、第2羽根板11の遠心ファン作用が主に働く場所は、第1羽根板3の切除されたが如くになっている先端外周側の部分である。この部分は、従来技術の欄で既に説明した通り、もしこの部分にまで第1羽根板3が延在していたとすると、比較的に効率が悪く送風量が小さい点で従来から問題視されていた部分である。本実施形態は、第1羽根板3による「第1の遠心ファン」のこの問題部分が切除されて、内周側空間13をもった第2羽根板11による「第2の遠心ファン」に置き換えられたものと説明することができる。また、「第2の遠心ファン」の底面をなす導風板9は、その傾斜と湾曲によって内周側空間13に吸入された空気を第2羽根板11の方へ流れ易くしている。このような「第2の遠心ファン」の効果として、この問題部分の風量が向上し、もって全体の風量が増大する。この風量増大効果は、従来技術の欄で説明したような斜流ファンを用いたものに比較して、より大きいものである。また、送風量が大きいということは、同じ送風量を得るためにより小型で済むという利点にもなる。
本発明は上述した実施形態のみに限らず、それ以外の種々の形態でも実施することができる。その中の幾つかの代表的な実施形態を以下に例示し、図1、2に示した実施形態との相違を説明する。
図3の断面図に示す多翼遠心ファンは、第1羽根板3の内周側先端部3aの高さが、第2羽根板11の先端部1aの高さと同じなっているものである。図4の断面図に示す多翼遠心ファンは、第1羽根板3の内周側先端部3aが、第2羽根板11の先端部11aより若干高くなっているものである。このように、第1羽根板3と第2羽根板11の先端部の高さは同一でも多少異なっていてもよい。しかし、図2に示した実施形態のように、第1羽根板3の先端高さが第2羽根板11のそれより若干低い方が、より好ましい風量増加効果が得られる。
図5の断面図に示す多翼遠心ファンは、導風板9(つまり、第1羽根板の傾斜した先端面)が湾曲せずに直線的に傾斜しているものである。
図6の断面図に示す多翼遠心ファンは、導風板9を全く持たず、各第1羽根板3と各第2羽根板11とは1枚の羽根板として形成されているものである。
図7の断面図に示す多翼遠心ファンは、導風板9が第2羽根板11の内周側空間13の底部にだけ形成されており、各第1羽根板3と各第2羽根板11とは1枚の羽根板として形成されているものである。
図8の断面図に示す多翼遠心ファンは、導風板9が第2羽根板11の基端部にだけ形成されており、第2羽根板11の内周側空間13の底部には導風板9が無いものである。
図9の断面図に示す多翼遠心ファンは、導風板9が第1羽根板3の先端面の全域を覆っているものである。
図10の断面図に示す多翼遠心ファンは、羽根板3、11の外周に、複数本の環状整流板19を取付けた(又は、1本の環状整流板19をスパイラル状に複数回巻き付けた)ものである。環状整流板19は、羽根板3、11の間から吹出す気流の疎密状態を緩和し、風量の増大や騒音の低減に寄与する。環状整流板19は厚みが薄くかつ径方向の幅も狭いことがのぞましく、また、その断面形状には、図示した長方形の他、正方形、三角形、その他の適当な多角形や流線形など種々のものが採用し得る。
図11の断面図に示す多翼遠心ファンは、回転基板1の外周縁が第1羽根板3の円環状列の外周縁まで広がっていて第1羽根板3の円環状列の基端面3aを完全に塞いでいる。しかし、図1〜図10に示したもののように、第1羽根板3の円環状列の基端面が開放されていた方が、その基端面からも風が吹出せるので、より多くの風量が得られる。
図12の断面図に示す多翼遠心ファンは、補強リング17の内周縁が第2羽根板の円環状列の内周縁まで伸びていて第2羽根板の円環状列の先端面11aを完全に塞いでいる。また、この形態において、図7の形態と同様に第2羽根板11と第1羽根板3との間に導風板9が無く、第2羽根板11と第1羽根板3とが1枚の羽根板として構成されていてもよい。
図13は更に別の実施形態にかかる多翼遠心ファンの前端側から見た平面図であり、図14はそのD−D線に沿った断面図である。この多翼遠心ファンの主たる特徴は、第2羽根板11の円環状列の外周径が、第1羽根板3の円環状列の外周径より大きくなっている点である。これに伴って、第2羽根板11の円環状列の内周径も、図1〜図12に示したものより大きく、例えば図示のように第1羽根板3の外周径と実質的に同径に設計されている。従って、第2羽根板11の大部分は第1羽根板3の外周側へ張り出している。必然的に、第2羽根板11の形状や枚数の設計も、第1羽根板3のそれから独立してなされており、例えば図示のように第2羽根板11の枚数は60枚程度であり「多翼シロッコファン」を構成している(しかし、必ずしもそうである必要はなく、「ラジアルファン」や「ターボファン」を構成していてもよいし、枚数も第1羽根板3と同様であってもよい)。また、第2羽根板11の第1羽根板3より外方へ張り出した部分の基端面は、図示のように導風板9で覆われているが、ここを導風板9で覆わずに開放してもよい(開放した場合、第2羽根板11の基端外周部を追加の補強リングで結合することが、十分な強度を得るために望ましい)。
この図13、14に示す多翼遠心ファンは、第2羽根板11による「第2遠心ファン」の内周側空間13が広く、かつその外周径も大きいため、風量増大効果が一層高い。
図15は、図13、14に示した多翼遠心ファンと、従来の基本構造の多翼遠心ファンとの性能の試験結果を示すP−Q線図(横軸が風量Q、縦軸が静圧Psを示す)である。試験した2種類のファンは実質的に同じ外形サイズもっていた。図15において、直線で対応付けられたサンプル点は2種類のファンの同じ回転数の動作点を示し、そのときの回転数(rpm)は各サンプル点の脇に記載されている。
図15から分かるように、本発明の実施形態は、従来の基本構造と比較して、同じ回転数において、より高い静圧域が得られると同時により大きい風量を供給できることが分かる。
図16及び図17は、図1、2に示した本発明の多翼遠心ファン(但し、全ての第1の羽根板3が同じ幅をもつ)、従来のシロッコファン及び従来のラジアルファンの3種類のファンについて、2000rpm一定の回転数における性能の試験結果を示す。図16では、横軸が風量Q、縦軸が静圧Ps及び騒音レベルLAを示す。図17では、図16の風量Q、縦軸の静圧Ps及び騒音レベルLAが流量係数、圧量係数、比騒音にそれぞれ正規化されている。また、図18は、同じ3種のファンについて、静圧Ps=10mmAq及び風量Q=3m/minを達成する回転数(本発明のファン:1715rpm、従来のラジアルファン:2790rpm、従来のシロッコファン:2280rpm)における性能の試験結果を示す。図18では、横軸が風量Q、縦軸が静圧Ps及び騒音レベルLAを示す。試験した3種類のファンは、外径が125mm、長さが55mmという同じ外形サイズをもっていた。本発明のファンは、100枚の湾曲した第1の羽根板をもち、その内径が92mmであり、かつ120枚の湾曲した第2の羽根板をもち、その内径が110mmであった。従来のラジアルファンは、120枚の真っ直ぐな羽根板をもち、その内径は95mmであった。従来のシロッコファンは、100枚の湾曲した羽根板をもち、その内径は95mmであった。
図16〜図18から、本発明のファンは、同じ外形サイズをもつ従来のラジアル及びシロッコファンに比較して、格段に優れたP−Q特性と静音性をもつことが分かる。
図19は、図1及び図2に示した本発明のファン、従来のラジアルファン、従来の多層円板ファン、従来のシロッコファン及び従来のターボファンという5種類のファンについて、全圧効率の試験結果を示す。試験した5種類のファンは実質的に同じ外形サイズをもっていた。
図19から、本発明のファンは、従来の各種のファンに比較して、特にターボファンに比較しても、格段に効率が高いことが分かる。
図20は、本発明の多翼ファンを用いた送風装置の一実施形態の概略的な断面構造を示す。
図20に示す送風装置100は、例えば浴室衣類乾燥装置、空気調和機、浴室や台所やトイレなどの換気装置、給湯機のような燃焼機器、及び手乾燥装置、エアカーテン装置などにおける送風装置や給排気装置に適している。また、この送風装置100は、冷蔵庫、暖房装置、複写機やコンピュータなどの電子機器、及びトイレの局部洗浄装置などにおける送風装置としても利用できる。図20に示すように、この送風装置100は、空気入り口109と空気出口111をもった外ケース101を有する。この外ケース101内の空気入り口119から空気出口111に至る空気流路113中に、ファンケース105に収まった本発明の多翼ファン107が配置されている。必要があれば、空気の加熱、冷却又は乾燥などを行うための、例えばヒータ、冷却器又は熱交換器などのような空気調節器103も、空気流路113中に設けられる。空気調節器103は、空気入り口109の近傍か、又は点線で示すように空気出口103か、又はその他の適切な場所に配置することができる。
矢印で示すように、本発明のファ107が回転すると、外の空気が空気入り口109からこの送風装置100内に入り空気出口103から外へ吹き出される。
当業者は、上述した実施形態以外の種々の態様でも本発明を容易に実施することができるはずである。例えば、本発明の多翼ファンは、上に例示した幾つかの実施形態の構成要素を部分的に組合せた形態でも実施できる。また、既に述べたとおり、シロッコファンだけでなくラジアルファンやターボファンなど種々のタイプのファンにも適用できる。また、上述した実施形態はいずれも、大小の内周径をもつ2段の遠心ファンから構成されているが、本発明の原理は、この2段構造のみならず3段以上の構造にも適用することもできる。

Claims (9)

  1. 軸心周りに回転する回転基板上に周方向に所定の間隔をおいて前記軸心側から外周側に向かう径方向に延設するよう配列された複数枚の第1の羽根板を有し、前記第1の羽根板の回転基板とは反対側の端部となる先端側から吸い込んだ作動流体を該第1の羽根板の外周側へ吐出する比較的小さい内周径をもつ第1の遠心ファンと、
    前記第1の羽根板前記先端側に周方向に所定の間隔をおいて前記軸心側から外周側に向かう径方向に延設するよう配列された複数枚の第2の羽根板を有し、前記第2の羽根板の回転基板とは反対側の端部となる先端側から吸い込んだ作動流体を該第2の羽根板の外周側へ吐出する、比較的大きい内周径をもつ第2の遠心ファンと
    を備えた多翼遠心ファンにおいて、
    前記第1の羽根板の先端側の外角部に、前記軸心側から外周側へ向かって先端側から回転基板側に向かう傾斜面が形成されるように第1の羽根板が存在しない切除空間部を形成し、
    前記第2の羽根板を、前記切除空間部内の前記軸心側に第2の羽根板が存在しない内周側空間が存在するように、前記切除空間部内の外周寄りに配置したことを特徴とする多翼遠心ファン。
  2. 前記第2の羽根板の径方向の長さが、前記第1の羽根板径方向の長さより短く形成され、前記第1の羽根板の先端側の外周寄りに配置されている請求項1記載の多翼遠心ファン。
  3. 前記第1の羽根板の先端側に前記切除空間部を構成するように円環状の導風板を更に備えた請求項1記載の多翼遠心ファン。
  4. 前記第1の羽根板の前記傾斜面が凹弧状に湾曲している請求項1記載の多翼遠心ファン。
  5. 前記第2の羽根板の回転基板とは反対側の端部である先端部は、前記第1の羽根板の回転基板とは反対側の端部である先端部より突出するように形成されている請求項1記載の多翼遠心ファン。
  6. 前記第1の羽根板及び第2の羽根板の少なくとも一方の外周に、環状の整流板が取付けられている請求項1記載の多翼遠心ファン。
  7. 前記第1の羽根板が前記回転基板の外周縁に沿って配列されている請求項1記載の多翼遠心ファン。
  8. 前記第2の羽根板の列の外周径が前記第1の羽根板の列の外周径より大きい請求項1記載の多翼遠心ファン。
  9. 空気入り口と空気出口と空気流路をもったケーシングと、前記空気流路中に配置された多翼遠心ファンと、を備えた送風装置において、
    前記多翼遠心ファンが、
    軸心周りに回転する回転基板上に周方向に所定の間隔をおいて前記軸心側から外周側に向かう径方向に延設するよう配列された複数枚の第1の羽根板を有し、前記第1の羽根板の回転基板とは反対側の端部となる先端側から吸い込んだ作動流体を該第1の羽根板の外周側へ吐出する比較的小さい内周径をもつ第1の遠心ファンと、
    前記第1の羽根板前記先端側に周方向に所定の間隔をおいて前記軸心側から外周側に向かう径方向に延設するよう配列された複数枚の第2の羽根板を有し、前記第2の羽根板の回転基板とは反対側の端部となる先端側から吸い込んだ作動流体を該第2の羽根板の外周側へ吐出する、比較的大きい内周径をもつ第2の遠心ファンと
    を有し、
    前記第1の羽根板の先端側の外角部に、前記軸心側から外周側へ向かって先端側から回転基板側に向かう傾斜面が形成されるように第1の羽根板が存在しない切除空間部を形成し、
    前記第2の羽根板を、前記切除空間部内の前記軸心側に第2の羽根板が存在しない内周側空間が存在するように、前記切除空間部内の外周寄りに配置したことを特徴とする送風装置。
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