JPH06257595A - 遠心ファン及びその製造方法 - Google Patents

遠心ファン及びその製造方法

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Publication number
JPH06257595A
JPH06257595A JP5044855A JP4485593A JPH06257595A JP H06257595 A JPH06257595 A JP H06257595A JP 5044855 A JP5044855 A JP 5044855A JP 4485593 A JP4485593 A JP 4485593A JP H06257595 A JPH06257595 A JP H06257595A
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JP
Japan
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blade
centrifugal fan
impeller
side plate
main
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Application number
JP5044855A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshihiro Takada
芳廣 高田
Shinichi Shimoide
新一 下出
Hideo Nishida
秀夫 西田
Shigeo Ohashi
繁男 大橋
Yasushi Takano
靖 高野
Shinya Yoshinaga
信也 吉永
Yoji Sekine
洋治 関根
Kenji Suzuki
健司 鈴木
Kengo Hasegawa
健吾 長谷川
Hiroshi Asabuki
弘 朝吹
Makoto Nagai
誠 長井
Yuji Toyama
雄二 遠山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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  • Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)
  • Air-Conditioning Room Units, And Self-Contained Units In General (AREA)
  • Other Air-Conditioning Systems (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】空気調和機、空冷電子機器または電動機に用い
られる遠心ファンを薄型化、低騒音化および大風量化す
るとともに遠心ファンを安価に提供する。 【構成】側板3の内径より心板1の外径を小さく形成
し、心板1に複数枚の主羽根2をほぼ等ピッチで配設
し、側板3の主羽根1と反対側に複数枚の副羽根4をほ
ぼ等ピッチで取付ける。さらに、主羽根1、副羽根4を
製作する時に用いる抜き型を軸方向に抜けるように主羽
根1、副羽根4形状を決定する。 【効果】従来の遠心ファン、プロペラファンに比較して
低騒音で高圧力および大風量化を達成できるとともに、
一体成形が可能となり安価な遠心ファンを提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、遠心ファンの羽根車に
係り、特に大風量化及び低騒音の空調機器の室内、室外
ユニット用ファン、空冷電子機器の冷却用ファン、電動
機冷却用ファン、冷蔵庫用ファン、その他送風および換
気用ファンの羽根車に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、空調機器の室外ユニット用のファ
ンとしては、風量を大きくとれ、騒音の小さいプロペラ
ファンが用いられている。また、心板のみがあり、側板
のないオープンシラウド羽根車も用いられている。これ
は主として強度及び製作性を考慮して採用されるもの
で、通常は圧力面から負圧面への漏れを防ぐために、静
止側に羽根端面とわずかの間隙を保ってケーシングを設
けている。
【0003】また、薄型で大風量であること、および低
騒音でエクステリアフィットに最適である利点を利用し
て、正面から見て風穴の見えないパネルタイプの空気調
和機室内ユニットに斜流ファンを用いた例が特開平4−
344037号公報に記載されている。このファンで
は、モータの回転を羽根に伝える心板に主羽根の一端
を、羽根の他端に側板を設け設けている。
【0004】空調機の室外ユニット以外の用途では、フ
ァンに要求される性能に応じて、心板、側板を備えた遠
心ファン、貫流ファン等各種のファンが用いられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の遠心ファン
はプロペラファンに比べ、高圧力であるがプロペラファ
ンほどには風量を出せないという特性のため、同一風量
を達成するには回転数を上げなければならず結果的に騒
音レベルが高くなるという不具合があった。さらに構造
の複雑さに起因して製作コストが高いという課題があ
り、空調機、その他の冷却用に用いることは困難であっ
た。また、プロペラファンを用いた室外ユニットでは、
正面に風穴とグリルのある画一的なユニット形態が主体
で、都市空間、例えばマンションのベランダに配置した
場合、このようなユニットが並ぶと壮観というよりは異
様な景観を呈するという状況にあった。
【0006】また、上記従来の冷却ファンユニットは、
住宅密集地に設置すると隣家に直接騒音が伝わること、
自由空間では静かなプロペラファンもファンユニットに
装着されると音が高くなったり、着霜時に音が高くなる
という不具合があった。さらに、ユニットの小型化、大
風量化による省エネ化が今後ますます進められる中でプ
ロペラファンでは低騒音化に限界がある。
【0007】本発明の目的は、第1に高圧力でしかもプ
ロペラファン以上の風量を達成し、低騒音で薄型の遠心
ファンを実現することにある。◆第2に、空冷電子計算
機等の高密度に実装された電子機器において、電子機器
の全体または高発熱LSIのみを局所的に冷却する冷却
ファンとして低騒音で小型薄型の冷却ファンを提供する
ことにある。◆第3に電動機、発電機、またはその他の
機器を冷却する冷却ファンの低騒音化を低コストで実現
することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に第1に、モータ軸に係止した心板と、この心板に対向
して設けた側板と、前記心板と前記側板間に周方向に間
隔を置いて設けられた複数枚の主羽根と、前記側板の前
記主羽根が設けられた面の反対面に周方向に間隔を置い
て設けられた副羽根とを備えた羽根車と該羽根車を回転
駆動するモータとを有する遠心ファンにおいて、前記心
板の外径を前記側板の内径より小さくしたものである。
【0009】上記課題を解決するために第2に、モータ
軸に係止した心板と、この心板に対向して設けた側板
と、前記心板と前記側板間に周方向に間隔を置いて設け
られた複数枚の主羽根と、前記側板の前記主羽根が設け
られた面の反対面に周方向に間隔を置いて設けられた副
羽根とを備えた羽根車と該羽根車を回転駆動するモータ
とを有する遠心ファンにおいて、前記主羽根の形状を2
次元形状としたものである。
【0010】上記課題を解決するために第3に、モータ
軸に係止した心板と、この心板に対向して設けた側板
と、前記心板と前記側板間に周方向に間隔を置いて設け
られた複数枚の主羽根と、前記側板の前記主羽根が設け
られた面の反対面に周方向に間隔を置いて設けられた副
羽根とを備えた羽根車と該羽根車を回転駆動するモータ
とを有する遠心ファンにおいて、前記羽根車の前記心板
の外径を前記側板の内径より小さくし、前記主羽根と前
記副羽根をともに周方向同一方向に傾斜させた構造とし
たものである。
【0011】上記課題を解決するために第4に、上記構
造の羽根車を心板の外径以上であって側板の第1の流路
側の部分と心板の外径より小さく第1の流路面と反対の
面を吸い込み側と反対方向に回転しながら移動可能な抜
き型と、心板の外径より大きく側板の第2の流路側、側
板内径と心板外径の間の主羽根の吸い込み側端面、心板
側外径より小さい部分の主羽根部分を吸い込み側に回転
しながら移動可能な抜き型とを密着させた状態で羽根成
形材を流し込み、成形材が固化した後両抜き型を回転し
ながら引き離して羽根車を成形したものである。◆上記
課題を解決するために第5に、上記第1、または補助羽
根車において、心板および主羽根の心板側に補助羽根を
設けたものである。
【0012】上記課題を解決するために第6に、上記主
羽根や補助羽根をルームエアコン等の空調機器の室外ユ
ニットに適用し、上記羽根車の吸い込み側に熱交換器を
配し、羽根車の径方向であってユニットの側面2方向ま
たは1方向とユニット上部、またはそのうち一方向から
空気を吹き出す構造としたことである。同様に、上記羽
根車の吹き出し側に熱交換器を配し、羽根車の径方向で
あってユニットの周方向に空気を吹き出し熱交換器を通
過した後風向板で所定の方向へ空気を流す構造としたも
のである。◆上記課題を解決するために第7に、空冷電
子計算機等の電子機器に、全体冷却用ファンまたは高発
熱LSIの局所冷却用ファンとして上記主羽根車を用い
たものである。◆上記課題を解決するために第8に、全
閉外扇型電動機の冷却用ファンとして、上記主羽根車を
用いたものである。
【0013】
【作用】心板と主羽根、側板で構成する第1の流路は、
モータの回転により従来の遠心ファンとして作用し、側
板内径側から吸い込まれた空気は遠心力の作用により昇
圧されて羽根外周から吹き出される。この作用は従来の
遠心ファンと同じであり、風量特性はプロペラファンを
上回るものではない。側板と側板の吸い込み側に設けた
副羽根で構成した第2の流路は第1の流路と並列に設置
されており、モータの回転により第2の流路にも空気が
吸い込まれて副羽根の外周から吹き出される。従来の遠
心ファンでは風量を増すための方策として第1の流路の
出口幅を広げる方法が用いられるが、側板側での急激な
減速流のため流れが剥離して幅を広げたほどに風量が増
えなかった。しかし、本発明によれば、第1の流路及び
第2の流路が並列にあり、ともにファン作用を発揮する
ことから風量、圧力上昇ともに高く、従来遠心ファンや
プロペラファンに比べて大幅な大風量化を実現できる。
そして、このような構造の遠心ファンでは、羽根車外周
のフローパターンは従来の遠心ファンのように流れが心
板側に片寄ることはなく、むしろ側板側に寄る傾向を示
す。
【0014】ところで、従来の心板の役目はモータの回
転を羽根に伝えることと、主羽根の圧力面から負圧面へ
の空気の漏れを防ぐことにあったが、本発明の羽根車で
は流れがむしろ側板側に寄ることから第2の役目である
負圧面への漏れを防止する必要はなくなり、心板は単に
モータの回転を主、副羽根に伝える役目を果たせばよい
ことになり、強度上最小限必要な程度に主羽根とつなが
っていればよく、心板外径が主羽根流路全体を覆う必要
はなくなる。このことは、心板外径を側板外径より小さ
くできることになるとともに主、副羽根を心板にほぼ垂
直に取付け、それぞれの方向から見たときに圧力面、負
圧面が同時に見えるように作ることで、従来の遠心ファ
ンでは不可能であった一体成形が可能となる。
【0015】上記遠心ファン用羽根車を製作するため
に、心板の外径以上であって側板の第1の流路側の部分
と心板の外径より小さく第1の流路面と反対の面を吸い
込み側と反対方向に移動する抜き型とすることで心板外
径より大きい第1の流路と心板外径より小さい第1の流
路と反対の面が構成できるとともに、心板の外径より大
きく側板の第2の流路側、側板内径と心板外径の間の主
羽根の吸い込み側端面、心板側外径より小さい部分の第
1の流路部分を吸い込み側に移動する抜き型とすること
で、両抜き型を密着した状態で羽根成形材を流し込む。
これにより上記羽根車の一体成形が可能となる。
【0016】上記一体成形遠心ファンでは、特に副羽根
が流れとのマッチングが十分ではないが、抜き型を回転
しながら軸方向に移動する構造とすることで副羽根と流
れのマッチングが取れることから、より大風量を低騒音
のファンとなる。
【0017】上記ファンにおいて、心板および主羽根の
心板側に補助羽根を設けることで、側板側からの流れと
別に、心板から側板側に向かう流れを発生させることが
可能となり、この流れを別の用途に使えるという特徴を
生み出す。
【0018】上記遠心ファンをルームエアコンの室外ユ
ニットに適用した場合には、遠心ファンの吸い込み側に
熱交換器を、ファン下部または側面に圧縮機を配し、フ
ァン外周部に吹き出し口とグリルを設け、正面は吹き出
し口のないパネルタイプとすることができ、プロペラフ
ァンを用いた従来のユニットのように、ファン軸方向に
吹き出し口とグリルをもうける構造とは異なるユニット
形態を提供できる。また、熱交換器を通過した空気を吸
い込み口の小さい第1の流路及び吸い込み口径の大きい
第2の流路の両方から同時に吸い込むことが可能とな
る。そして、ファンを回転させるモータを心板側に設
け、正面のパネルに支持する。
【0019】上記遠心ファンをエアコンの天井カセット
タイプの室内ユニットに適用した場合には、ファンの吸
い込み側に吸い込みグリルとフィルターを、ファン外周
部に熱交換器を配置し、さらに熱交換器出口で流れを吸
い込み側に曲げた構造となる。この場合も空気は吸い込
みグリルとフィルターを通過した後、第1の流路と第2
の流路、次いで熱交換器を通過して吹き出し口から吹き
出される。この場合にも、低騒音で高効率な冷却が可能
な室内ユニットを提供できる。
【0020】上記ファンを薄型にして、パソコン、ワー
クステーションなどの電子計算機に適用した場合には、
ユニットの厚さ方向にファン回転軸をおくことで、薄型
ユニットでも吸い込み口径を大きくでき大風量を得られ
る。また、音を低くできる利点もある。吹き出し口はフ
ァンの外周部であり、一部の空気がユニット内部にある
発熱体を冷却した後外部に吹き出す構造にもできる。ま
た高発熱LSI冷却用として羽根車外径を小さくしてL
SI表面に搭載すれば高圧力で低トルクかつ低軸動力の
冷却構造が達成できる。
【0021】上記ファンをケーシング表面に空気を流し
て冷却する電動機に適用した場合には、危険防止のため
設けられた吸い込みグリルを通過した空気が、第1の流
路と第2の流路を通った後、冷却ファンカバーで軸方向
に曲げられケーシングに設けられた冷却フィン間を通る
ことで低騒音で高効率な電動機の冷却が可能となる。
【0022】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1により説明す
る。◆図1は遠心ファン用羽根車の正面図及び断面図で
ある。遠心ファンの羽根車50は心板1に複数枚ほぼ等
ピッチで設けられた主羽根2と、この主羽根2を挟んで
心板に対向して設けられた側板3と、側板3の主羽根が
取り付けられた面の反対面に取り付けられた複数枚の羽
根4とから構成されている。そして、この副羽根4も側
板に略当ピッチで配列されている。
【0023】このように構成した本発明の羽根車50に
おいては、モータ(図示せず)の回転は心板1を介して
主羽根2に伝えられる。そして、心板1、主羽根2及び
側板3が形成する第1の流路と、側板3及び副羽根4が
形成する第2の流路とが羽根車50内に形成され、圧力
隔壁6が吸い込み流路と吹き出し流路とを隔ている。さ
らに、心板が回転することで上記第1及び第2の流路か
ら空気が流れる。本羽根車では、心板外径が側板3外径
より小さく形成されている。そして、羽根車50を心板
側から見たときに、心板外径より大径側の主羽根2の圧
力面8および負圧面9が同時に見えるようになってい
る。また、羽根車50を吸い込み側から見た時に副羽根
と、心板外径より小径側の主羽根の圧力面および負圧面
とが同時に見えるようになっている。
【0024】なお、本実施例においては主羽根と副羽根
の枚数を同じ枚数で同位相にしているが、羽根枚数及び
位相は違えてもよい。また、出口角、入口角も両羽根で
変えてもよい。さらに、側板外径も主羽根又は副羽根外
形より大きくても小さくてもよい。
【0025】このように構成した本発明の羽根車を用い
た遠心ファンの性能は以下の利点を有している。◆従来
の遠心ファンでは基本的に吸い込み口径が外径より小さ
いため、その流量圧力特性はプロペラファンに勝るもの
ではないのに対して、側板3の吸い込み側に副羽根4を
設け第2の流路を構成したので風量が大幅に増大してい
る。また羽根車50出口のフローパターンが従来遠心フ
ァンでは心板側に片寄って流れるのに対し、本発明の遠
心ファンでは第2の流路の効果で流れがむしろ側板側に
寄り幅方向に比較的に一様となっている。つまり、流れ
が心板側に片寄る従来の遠心ファンでは、心板を主羽根
の外径より小さくすると圧力面から負圧面へ漏れが生じ
性能が大幅に低下するのに対し、本発明の羽根車では心
板外径を小さくしても性能低下を起こさないことが期待
できる。そこで、本発明では心板外径を側板内径より小
さくすることによりこの特長を具現化している。
【0026】また、上述のように構成した遠心ファン
は、一体成形が可能な構造である。その結果、従来の遠
心ファンやプロペラファンより大風量でしかも高圧力お
よび低騒音の遠心ファンを、製造コストが高く複雑な形
状を有する従来遠心ファンより大幅に低コストで提供で
きる。
【0027】図2に本発明の遠心ファンの特性を、プロ
ペラファンおよび従来遠心ファンとの比較で示す。風量
Qおよび圧力Ptを、ファンの外径D2、出口幅b2およびフ
ァン外周速u2で無次元化して示す。また、騒音レベルSL
を風量および圧力で基準化した比騒音レベルで比較して
いる。従来遠心ファンより大幅な原価低減が図られる本
発明の遠心ファンにおいては、従来の遠心ファンやプロ
ペラファンに比較して大幅な大風量および高圧力化を実
現でき、比騒音レベルも大風量から小風量まで低いとい
う特長を有していることが分かる。
【0028】図3に上記羽根車を製作するために用いる
抜き型を示す。本実施例の羽根車は一体成形が可能な構
造である。つまり、心板外径が側板内径より小さいこと
から主羽根の心板外径より大径側部分、側板の第1の流
路面、心板の第1の流路の裏面側を抜き型イ10で形成
する。一方、副羽根、側板の第2の流路面側、主羽根の
心板外径と側板内径の間の主羽根の吸い込み側端面、主
羽根の心板外径より小径側部分を抜き型ロ11で形成す
る。このとき、両抜き型を密着し、抜き型間にプラスチ
ックなどの熱可塑性材料またはアルミ材、鉄材などの成
形材を入れて成形する。両抜き型を図3のA-A面で羽根
車の軸方向に分離して羽根車を取り出す。本実施例の場
合には、両抜き型の密着面として側板2の心板1に面す
る面を基準にしているが、製作に都合のよい位置ならど
こでもを採用できる。また主、副両羽根の形状が2次元
形状であれば、両抜き型を軸方向に移動分離できるので
容易に製作できる。このような成形法を採用すると、従
来複雑な形状でコストの高かった遠心ファンが大幅に低
コストで製作できる。
【0029】図4に本発明の他の実施例を示す。この図
4では、主羽根2は心板1側から見て圧力面のみが見
え、副羽根4は側板3側から見て負圧面だけが見える。
図5は図4に示した実施例の外周展開図である。本実施
例によれば、特に副羽根4と吸い込み流れとのマッチン
グを図ることが可能となり、一層の大風量化および低騒
音化を実現できる。また主羽根2に関しても流れとのマ
ッチングを一層図ることが可能となる。
【0030】図6に、図4及び図5に示した実施例の羽
根を成形する抜き型の断面図を示す。図3の抜き型と
は、両抜き型を回転しながら軸方向に移動分離する点が
相違している。これにより、羽根形状を3次元化でき、
吸い込み流れとのマッチングが図られ大風量化および低
騒音化を実現できる。
【0031】図7に補助羽根を有する本発明のさらに他
の実施例を示す。補助羽根36は心板1および主羽根の
心板側に取り付けられて、第1の流路5および第2の流
路7とは別に第3の流路37を作り出す。第3の流路3
7で作り出される流れは、例えば空調機器の換気、電子
機器の冷却等の別系統の冷却用として利用できる。な
お、本実施例では補助羽根36を心板1及び主羽根の双
方に設けているが、その何れかであっても同様の効果が
得られる。
【0032】図8に上記補助羽根を有する羽根車を成形
する時に用いる抜き型の縦断面図をを示す。補助羽根3
6は心板1の裏面側に設けられるので、心板1を成形す
る抜き型10に補助羽根成形部を設ける。そして、両抜
き型を軸方向または回転しながら軸方向に移動分離する
ことで上記羽根車を成形する。また、本実施例では補助
羽根36を心板1及び主羽根2の双方に設けているが、
その何れかであっても同様に成形できる。
【0033】つぎに、上記羽根車をルームエアコンの室
外ユニットに適用した場合の一実施例を図9に示す。パ
ネル18に取り付けられたモータ14の軸端に羽根車5
0が固定して取り付けられている。そして、吸い込み流
路12と吹き出し流路13を分離する圧力隔壁6の吸い
込み側には熱交換器14が配設されている。羽根車50
を回転させると、空気は熱交換器、次いで、第1、第2
の流路を通って吹き出し口19へ流入し、最終的に吹き
出しグリル20を通って外部に流れる。この羽根車50
の下部に、冷媒圧縮用の圧縮機16が防振構造17を介
して取り付けられている。◆この実施例においては、プ
ロペラファンより大風量の羽根車を用いているので、プ
ロペラファンを用い正面に風穴とガードを有する従来ユ
ニットに対して正面形状をパネル状にできる。そのた
め、マンションのベランダ等に設置してもエクステリア
フィットする低騒音の室外ユニットを実現できる。ま
た、パネル状のエアコンとしたので、住宅密集地にユニ
ットを設置した場合でも隣家に暖気または冷気が直接当
たるのを防止できる。
【0034】図10に本発明の羽根車を適用した天井カ
セット型エアコンの一実施例を示す。吸い込みグリル2
3、フィルター24を経てユニット内に吸い込まれた空
気は羽根車50の下流側に設けられた第1及び第2の流
路5、7で昇圧されて、順に吹き出し流路13、熱交換
器15、曲がり流路25、吹き出し口19、吹き出しグ
リル20を経て室内に吹き出される。モータ14の軸端
には羽根車50が取り付けられ、必要に応じて防振構造
21も用いられる。モータ14はパネル18の天井裏側
に対応する部分に取り付けられている。◆本実施例によ
れば、遠心ファンの吸い込み口径を大きくしているので
吸い込みグリルや吸い込みフィルターからファン入り口
までの縮流による圧力損失を従来ファンより小さくでき
る。これにより、ファン回転数を低下させて騒音低減を
図ることが可能となる。また、羽根車出口の風速分布を
一様にできるので、熱交換器の圧力損失を低減でき、過
大な圧力による騒音の発生を防止できる。◆上述の2つ
の実施例は空調機器に関するものであるが、空調機器に
限らず、クリーンルーム内の循環用やクリーンベンチ
用、更にはインバータ制御盤の冷却用ファンに本発明の
遠心ファンを用いても同様の効果が得られる。
【0035】図11に携帯用の薄型ワークステーション
に本発明の羽根車を適用した場合の実施例を示す。ワー
クステーションは表示部26、入力部27、演算部2
8、外部入出力端子部29、記憶部30を備えている。
このワークステーションの厚さ方向とファン回転軸方向
とがほぼ同じとなるように本発明の遠心ファンを設置す
る。さらに、遠心ファンの羽根車50の吸い込み側に吸
い込み流路12を、吹き出し側に吹き出し流路13を形
成し、吹き出し口19および吹き出しグリル20を吹き
出し側に設置している。
【0036】本実施例によれば、発熱量および発熱密度
が増加しているワークステーションで、小型軽量化のた
め薄型化を可能としている。つまり、従来用いられてい
るプロペラファンではファン外径の制約のために大きく
できないことから騒音面では極度に不利であるのに対し
て、吸い込み口径が大きくとれ、外周面積の広い本発明
の羽根車の特徴が最大限に生かされて低騒音化を実現で
きる。この実施例に用いる羽根車の形状を図12に示
す。構成要素は図1の羽根車と同じであるが主羽根2お
よび副羽根4の軸方向長さで決まる羽根車の厚さが薄い
ことが図1と相違している。この羽根車50の圧力隔壁
6とパネル18の間の吹き出し流路はミリオーダでもよ
い。また、パネル18はLSIなどの発熱体の表面を利
用してもよい。本実施例ではモータ14をパネル18の
表面に取り付けているが、圧力隔壁6その他ファンの構
成部品に取り付けてもよい。さらに、遠心ファンの厚さ
を現在の3.5インチフロッピーデイスク並みの厚さに
しても、低騒音で高風量という効果は十分得られる。ま
た、吸い込み流路及び吹き出し流路の途中に発熱量の大
きい部品を配置して局所的に高発熱の部品を冷却するこ
とにより、より効果的な冷却を行える。さらに、図12
に示す本発明の羽根車を用いると、冷却流路系を2系統
形成して各系統ごとに冷却対象部品を変えることができ
ユニット内の広い領域の冷却を効率よく行うことができ
る。◆なお、本実施例では対象をワークステーションと
しているが、パーソナルコンピュータや大型電子計算機
等の発熱体の冷却にも適用できる。
【0037】図13に本発明の遠心ファンをLSI38
の冷却に用いた場合の一実施例を示す。LSI38の上
面にステー39を取付け、さらに、ステーに設けた圧力
隔壁6にモータ14を設け、そのモータの軸31に遠心
ファン50が固定されている。本実施例によれば、従来
用いられてきたプロペラファンに比較して、同一外径、
同一回転数の場合圧力を高くでき、風量をより一層増や
すことができる。これにより、小型化および薄型化が可
能となる。またプロペラファンに比べて、閉め切り時の
軸動力およびトルクを大幅に小さくできるので、モータ
の小型化も可能となりより一層効率のよい冷却ができ
る。また、本実施例の羽根車は複雑な形状にも拘らず一
体成形により製作できるので、小型化が容易であるとと
もに大量生産が可能であり電子部品の冷却用に最適であ
る。、図14に本発明の遠心ファンを全閉外扇型電動機
の冷却ファンに用いた実施例の側面図を示す。電動機の
端部を覆うように取り付けられたエンドブラケット34
の内部に軸受け33を保持し、軸受33にモータ軸31
を貫通させその軸の貫通端に、心板1、主羽根2、側板
3、副羽根4をも遠心ファン50を取付る。このように
形成した電動機では、吸い込みグリル23から吸い込ま
れた空気が第1の流路および第2の流路で昇圧された
後、ファンカバー35に案内されてモータ軸方向にその
流れ方向が変えられ、モータ外表面に軸方向と同一方向
に形成された冷却フィン32間を流れてモータを冷却す
る。
【0038】本実施例によれば、従来の遠心ファンを用
いていたモータに比較して、風量が増加し騒音を低減で
きる。さらに、流れに合わせた羽根形状を得るために複
雑な形状をしているにも拘らず、一体成形が可能なこと
からコスト低減が実現できる。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、遠心ファン用羽根車に
主、副の両羽根を設け、心板外形を側板内径より小さく
しているので、遠心ファンを一体成形できるとともに、
従来のプロペラファンや遠心ファンより大風量で高圧力
の冷却ファンを安価に提供できる。また、羽根の形状を
吸い込み流れに合わせることができるので、低騒音で小
型化が可能な遠心ファンを提供できる。
【0040】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例の正面図及び縦断面図で
ある。
【図2】 本発明の一実施例の特性図である。
【図3】 本発明の一実施例の側面図である。
【図4】 本発明の他の実施例の正面及び縦断面図で
ある。
【図5】 本発明の一実施例の外周展開図である。
【図6】 本発明の遠心ファンを製作するのに用いる
抜き型の縦断面図である。
【図7】 本発明のさらに他の実施例の縦断面図及び
正面図である。
【図8】 図7に示した遠心ファンを製作するのに用
いる抜き型の縦断面図である。
【図9】 本発明の遠心ファンを搭載したパネル型エ
アコンの縦断面図及び正面図である。
【図10】 本発明の遠心ファンを搭載した天井カセッ
ト型エアコンの縦断面図である。
【図11】 本発明の遠心ファンを搭載したワークステ
ーションの斜視図である。
【図12】 本発明の他の実施例の正面図及び縦断面図
である。
【図13】 本発明の遠心ファンを搭載したLSIの正
面図及び縦断面図である。
【図14】 本発明の遠心ファンを搭載した全閉外扇型
電動機の一部断面側面図である。
【符号の説明】
1・・・心板、2・・・主羽根、3・・・側板、4・・
・副羽根、5・・・第1の流路、6・・・圧力隔壁、7
・・・第2の流路、8・・・圧力面、9・・・負圧面、
10・・・抜き型、11・・・抜き型、12・・・吸い
込み流路、13・・・吹き出し流路、14・・・モー
タ、15・・・熱交換器、16・・・圧縮機、17・・
・防振構造、18・・・パネル、19・・・吹き出し
口、20・・・吹き出しグリル、21・・・羽根車防振
構造、22・・・露受け、23・・・吸い込みグリル、
24・・・フィルター、25・・・曲がり流路、26・
・・表示部、27・・・入力部、28・・・演算部、2
9・・・外部入出力部、30・・・記憶部、31・・・
モータ軸、32・・・冷却フィン、33・・・軸受け、
34・・・エンドブラケット、35・・・ファンカバ
ー、36・・・補助羽根、37・・・第3の流路、38
・・・LSI、39・・・ステー、50・・・羽根車。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大橋 繁男 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 高野 靖 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 吉永 信也 栃木県下都賀郡大平町大字富田800番地 株式会社日立製作所リビング機器事業部内 (72)発明者 関根 洋治 栃木県下都賀郡大平町大字富田800番地 株式会社日立製作所リビング機器事業部内 (72)発明者 鈴木 健司 栃木県下都賀郡大平町大字富田800番地 株式会社日立製作所リビング機器事業部内 (72)発明者 長谷川 健吾 千葉県習志野市東習志野七丁目1番1号 株式会社日立製作所習志野工場内 (72)発明者 朝吹 弘 千葉県習志野市東習志野七丁目1番1号 株式会社日立製作所習志野工場内 (72)発明者 長井 誠 静岡県清水市村松390番地 株式会社日立 製作所清水工場内 (72)発明者 遠山 雄二 新潟県北蒲郡中条町大字富岡46番地1 株 式会社日立製作所中条工場内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】モータ軸に係止した心板と、この心板に対
    向して設けた側板と、前記心板と前記側板間に周方向に
    間隔を置いて設けられた複数枚の主羽根と、前記側板の
    前記主羽根が設けられた面の反対面に周方向に間隔を置
    いて設けられた副羽根とを備えた羽根車と該羽根車を回
    転駆動するモータとを有する遠心ファンにおいて、 前記心板の外径を前記側板の内径より小さくしたことを
    特徴とする遠心ファン。
  2. 【請求項2】前記主羽根の前記心板の外径より大径側の
    羽根厚さは側板側が心板側と等しいかまたは厚く、前記
    主羽根の前記心板の外径より小径側の羽根厚さは側板側
    が心板側と等しいかまたは薄く、さらに前記副羽根の羽
    根厚さは側板側が軸方向端部側と等しいかまたは厚く形
    成されていることを特徴とする請求項1に記載の遠心フ
    ァン。
  3. 【請求項3】モータ軸に係止した心板と、この心板に対
    向して設けた側板と、前記心板と前記側板間に周方向に
    間隔を置いて設けられた複数枚の主羽根と、前記側板の
    前記主羽根が設けられた面の反対面に周方向に間隔を置
    いて設けられた副羽根とを備えた羽根車と該羽根車を回
    転駆動するモータとを有する遠心ファンにおいて、 前記主羽根の形状を2次元形状としたことを特徴とする
    遠心ファン。
  4. 【請求項4】心板と、前記心板に対向して設けた側板
    と、前記心板と前記側板間に周方向に間隔を置いて設け
    られた複数枚の主羽根と、前記側板の前記主羽根が設け
    られた面の反対面に周方向に間隔を置いて設けられた副
    羽根とを備えた遠心ファンの製造方法において、 前記心板の外径より大径側であって前記側板と前記主羽
    根とにより形成される第1の流路を形成するための第1
    の抜き型と、前記心板の外径より小径側であって吸い込
    み側に形成された第1の流路と前記側板と前記副羽根と
    により形成される第2の流路とを形成するための第2の
    抜き型とを密着させ、該2つの抜き型間に羽根成形材を
    流し込み、該2つの抜き型間に主羽根と副羽根とを成形
    し、成形材が固化した後に前記2つの抜き型をそれぞれ
    乖離するように移動させて前記羽根車を成形することを
    特徴とする遠心ファンの製造方法。
  5. 【請求項5】前記2つの抜き型の少なくとも一方を回転
    させて乖離させることを特徴とする請求項4に記載の遠
    心ファンの製造方法。
  6. 【請求項6】モータ軸に係止した心板と、この心板に対
    向して設けた側板と、前記心板と前記側板間に周方向に
    間隔を置いて設けられた複数枚の主羽根と、前記側板の
    前記主羽根が設けられた面の反対面に周方向に間隔を置
    いて設けられた副羽根とを備えた羽根車と該羽根車を回
    転駆動するモータとを有する遠心ファンにおいて、 前記羽根車の前記心板の外径を前記側板の内径より小さ
    くし、前記主羽根と前記副羽根をともに周方向同一方向
    に曲がった形状に形成したことを特徴とする遠心ファ
    ン。
  7. 【請求項7】前記主羽根と前記副羽根をともに2次元形
    状としたことを特徴とする請求項6に記載の遠心ファ
    ン。
  8. 【請求項8】少なくとも前記心板の前記主羽根が設けら
    れた面の反対面に複数の補助羽根を円周方向に間隔をも
    って設けたことを特徴とする請求項1または6に記載の
    遠心ファン。
  9. 【請求項9】前記補助羽根の心板側の羽根厚さを前記側
    板と反対端の羽根厚さと等しいかまたは厚く形成したこ
    とを特徴とする請求項2に記載の遠心ファン。
  10. 【請求項10】前記補助羽根を前記主羽根と円周方向同
    一方向に傾斜させて形成したことを特徴とする請求項6
    に記載の遠心ファン。
  11. 【請求項11】請求項1、3または6に記載の遠心ファ
    ンを備えたことを特徴とする空気調和機。
  12. 【請求項12】請求項1、3または6に記載の遠心ファ
    ンを搭載したことを特徴とする電子装置。
  13. 【請求項13】電動機の軸端に取り付けられた羽根車と
    該羽根車を覆って設けられた吸い込みグリルを有するフ
    ァンカバーとを備えた全閉外扇型電動機において、請求
    項1、3または6に記載の羽根車を備えたことを特徴と
    する全閉外扇型電動機。
  14. 【請求項14】前記羽根車を熱可塑性材料、または金属
    により成形したことを特徴とする請求項1、3または6
    に記載の遠心ファン。
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