JP2003034586A - 撥水性無機質材とその製造方法 - Google Patents
撥水性無機質材とその製造方法Info
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Abstract
化を抑止することのできる撥水機能を持たせることので
きる、新しい撥水性無機質材とその製造方法を提供す
る。 【解決手段】 セメント系無機質材の表面に撥水剤含有
のスチレンアクリル樹脂塗膜が配設されている撥水性無
機質材とする。
Description
機質材とその製造方法に関するものである。さらに詳し
くは、この出願の発明は、外装材等の建材に有用な、水
の侵入による劣化を効果的に軽減することのできる、撥
水機能を有する新しい無機質材とその製造方法に関する
ものである。
いは注型法等により成形されたセメント系の無機質材が
外壁材、瓦、内装材等の建材として用いられている。通
常、このようなセメント系無機質材においては、セメン
ト等の無機質材料を主成分とする原料を用いて成形した
後に、その表面に塗装を施して耐候性や耐水性、さらに
は意匠性を向上させるようにしている。また塗装後に
は、養生硬化させ、さらに必要に応じて表面化粧塗装を
行っている。
低コストで物理的強度の得られる材料として広く建材に
用いられているセメント系無機質材ではあっても、一般
的にセメント系の窯業材料の場合には、セメント中のカ
ルシウム(Ca)成分とその他のシリカ(SiO 2)と
水との化学反応後の組織構成が非晶体と結晶体との混合
であって、反応が収束されていない状態にある。このた
め、雨水等の外部からの水の侵入がある場合には、製造
後も化学反応が生起し、白華が生じ、塗膜の剥離を誘発
し、製品機能を損う恐れがある。また、水の侵入がある
場合には、基材寸法の変動、反り、割れ等を発生する可
能性があり、製品機能を損うことが懸念される。
系無機質材の表面に施す塗装については様々な工夫が試
みられてきており、撥水剤によるシーラー塗装を行った
後に耐候性塗装を行うこと等がこれまでにも提案されて
いる。
抑える撥水機能の点で必ずしも充分でなく、またシーラ
ー塗装の後の上塗り塗装においてもその作業には面倒な
条件制約があり、高いコストとなり、さらには、塗膜相
互の、そして塗膜と基材との密着性の点においても不充
分になりやすいという問題があった。
の従来の問題点を解消し、比較的簡便な作業工程で、水
の侵入による劣化を抑止することのできる撥水機能を持
たせることのできる、新しい撥水性無機質材とその製造
方法を提供することを課題としている。
の課題を解決するものとして、第1には、セメント系無
機質基材の表面に撥水剤含有のスチレンアクリル樹脂塗
膜が配設されていることを特徴とする撥水性無機質材を
提供する。
塗膜は2.0〜10.0g/m2の範囲で配設されてい
ることを特徴とする前記の撥水性無機質材を、第3に
は、撥水剤はパラフィンであることを特徴とする撥水性
無機質材を、第4には、パラフィンはスチレンアクリル
樹脂塗膜重量の2〜15%の範囲で含有されていること
を特徴とする撥水性無機質材を提供する。
いずれかの撥水性無機質材の製造方法であって、養生硬
化前のセメント系無機質材の表面に対し、撥水剤を含有
させたスチレンアクリル樹脂エマルジョン塗料を塗布す
ることを特徴とする撥水性無機質材の製造方法を提供
し、第6には、セメント系無機質板を60℃〜110℃
の温度範囲にプレヒートして塗布することを特徴とする
撥水性無機質材の製造方法を、第7には、プレヒートも
しくは乾燥工程を介して複数回塗布することを特徴とす
る撥水性無機質材の製造方法を、さらに第8には、撥水
剤を含有させたスチレンアクリル樹脂エマルジョン塗料
の希釈媒体は、水または水素塗料もしくはその廃液であ
ることを特徴とする撥水性無機質材の製造方法を提供す
る。
特徴をもつものであるが、以下にその実施の形態につい
て説明する。
材は、前記のとおり、セメント系無機質材と、その表面
に配設された撥水剤含有のスチレンアクリル樹脂塗膜と
を有している。
これまでに知られている各種の組成のものをはじめとし
て様々な組成の原料により得られたものであってよい。
一般的には、この発明のセメント系無機質材の比重は
0.5〜2.0程度である。原料組成の主体はセメント
であって、他に珪石、珪砂、シリカ、フライアッシュ等
の各種の無機質成分、そしてパルプやガラスウール、合
成繊維等の補強繊維が配合され、水性スラリーあるいは
水性混練物として調製されたものとすることができる。
また、これらの水性スラリーや水性混練物は、抄造法や
押出し成形法、あるいは注型成形法等により板状等の各
種の形状に成形されてよい。
設される塗膜を構成するスチレンアクリル樹脂として
は、たとえばスチレン・アクリル共重合体、あるいはス
チレン変性アクリル樹脂等として市販品をはじめとする
各種のものであってよい。この発明におけるスチレンア
クリル樹脂として特徴的なことは、スチレン成分の組合
わせによって塗膜樹脂のそのもの耐水性、すなわち撥水
性が向上されていることである。スチレン成分とアクリ
ル成分との割合については、一般的にはスチレン成分は
全重量の60%以下とすることが考慮される。過剰量の
スチレン成分は、塗装性や、塗膜の密着性、塗膜耐候
性、さらには透明感を損うことがある。より好ましくは
スチレン成分は30%以下とすることが考慮される。
てさらに特徴的なことは、従来のようなシーラー塗装と
は異って、撥水剤が樹脂構成体に含有されていることで
ある。
脂肪酸エステル等の各種のものの使用が考慮されるが、
なかでもパラフィンはこの出願の発明においては好適な
撥水剤の一種である。パラフィンは市販品等のものを使
用することができる。
有により、前記のとおりのスチレンアクリル樹脂そのも
のの撥水性との相乗効果によって、より顕著な撥水機能
を塗膜に付与することができる。
合には、撥水性の付与の他に、無機質材の積載時に起こ
りやすい塗膜樹脂間での接着(ブロッキング)を軽減さ
せるという効果も付与することができる。
あって、その融点が60℃以上、より好ましくは70℃
以上のものが用いられる。その主成分は、炭素数16〜
30程度であるものが好適に用いられる。
有量については撥水剤の種類によっても相違するが、一
般的には、樹脂塗膜全体量の1〜20重量%を占めるよ
うにすることが考慮される。撥水剤としてパラフィンを
用いる場合には、その含有量は2〜15重量%とするの
が好ましい。たとえばパラフィンの場合には、2重量%
未満では、樹脂との相乗効果による顕著な撥水性の発現
効果やブロッキングの抑制効果は充分でなく、また逆
に、15重量%を超える場合には塗膜密着性を損うこと
になる。
なる。たとえば以上のようなこの出願の発明のスチレン
アクリル樹脂塗膜においては、一般的には、2.0〜1
0.0g/m2の範囲で基材表面に配設されていること
が好ましい。2.0g/m2未満の場合には撥水機能が
不足しがちであり、また10.0g/m2を超える場合
には、塗膜の密着性を損ないやすい。
の製造については、セメント系無機質材の表面に、前記
のとおりの塗膜を形成するための塗料を塗布することに
なるが、その際の塗料については、この発明の所期目的
が達成される限り各種のものが用いられてよい。なかで
も、この出願の発明においてはエマルジョン塗料を用い
る方法が好適なものとして提供される。
たスチレンアクリル樹脂エマルジョン塗料であるが、エ
マルジョン形成のため希釈剤は有機溶媒、あるいは水も
しくは水素溶媒の各種のものであってよい。なかでも、
水もしくは水素溶媒、たとえば、アルコール類、エステ
ル類、エーテル類等の親水性溶媒と水との混合物を希釈
剤としてエマルジョンを構成したものが好ましい。エマ
ルジョンの形成については公知の方法の各種のものが選
択されてよい。
体として、工場生産で発生する期限切れの塗料や、塗装
工程機器の洗浄水等の廃液としての水素塗料が用いられ
てもよい。再利用(リサイクル)性に優れた水素エマル
ジョン塗料として構成することができる。
分割合は、全体の20〜60重量%程度とするのが好ま
しい。塗装においては、スプレー法、刷色、ローラー、
浸漬法等の各種の方法が採用されてよく、作業環境を考
慮の上、最適な方法で塗装を施すことができる。また、
塗装は、通常は、セメント系無機質材の表面に対し、養
生硬化の工程前に施すことになる。その際に、セメント
系無機質板は60℃〜110℃の温度範囲にプレヒート
しておくことが、撥水性の早期の発現の点で好ましい。
プレヒート後の塗布によって直ちに撥水性が発現するこ
とになる。
塗装工程によって塗膜が形成されてもよく、特に、前記
のようなプレヒート、もしくは乾燥の工程を介して複数
回の塗布を行うことが、塗りむらによるピンホールでの
水の侵入を防止するとの観点で有効でもある。また複数
回の塗装によって、塗膜の安定性も増すことになる。
発明の実施の形態において例示説明する。もちろん以下
の例にとって発明が限定されることはない。
プ5重量%、水40重量%の割合の原料組成物より成形
したセメント系無機質材の試料を用い、その表面にパラ
フィンを含有するスチレンアクリル樹脂水素エマルジョ
ン塗料を塗布し、次いで養生硬化して塗膜を形成した。
スチレンアクリル樹脂塗膜の塗布量とパラフィン含有
量、並びに塗布回数を表1のように変更して塗膜形成し
た場合の各々について吸水率を評価した。その結果も表
1に示した。
量は1回での塗布量と同じになるようにした。また、エ
マルジョン塗料の塗布は100g/m2となるようにし
た。吸水率は、塗膜形成後の試料について吸水試験前後
の重量変化により評価した。
発明によって、塗膜密着性を良好としつつ、比較的簡単
な工程で基材中への水分の侵入を抑制して撥水性を高め
ることができる。
カリ、耐塩についての効果も得られる。しかもパラフィ
ンを撥水剤として含有する場合には、塗装樹脂間のブロ
ッキングを抑制することができる。
も利用でき、資源の有効再利用も可能となる。
Claims (8)
- 【請求項1】 セメント系無機質基材の表面に撥水剤含
有のスチレンアクリル樹脂塗膜が配設されていることを
特徴とする撥水性無機質材。 - 【請求項2】 スチレンアクリル樹脂塗膜は2.0〜1
0.0g/m2の範囲で配設されていることを特徴とす
る請求項1の撥水性無機質材。 - 【請求項3】 撥水剤はパラフィンであることを特徴と
する請求項1または2の撥水性無機質材。 - 【請求項4】 パラフィンはスチレンアクリル樹脂塗膜
重量の2〜15%の範囲で含有されていることを特徴と
する請求項3の撥水性無機質材。 - 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかの撥水性無
機質材の製造方法であって、養生硬化前のセメント系無
機質材の表面に対し、撥水剤を含有させたスチレンアク
リル樹脂エマルジョン塗料を塗布することを特徴とする
撥水性無機質材の製造方法。 - 【請求項6】 セメント系無機質板を60℃〜110℃
の温度範囲にプレヒートして塗布することを特徴とする
請求項5の撥水性無機質材の製造方法。 - 【請求項7】 プレヒートもしくは乾燥工程を介して複
数回塗布することを特徴とする請求項5または6の撥水
性無機質材の製造方法。 - 【請求項8】 撥水剤を含有させたスチレンアクリル樹
脂エマルジョン塗料の希釈媒体は、水または水素塗料も
しくはその廃液であることを特徴とする請求項5ないし
7のいずれかの撥水性無機質材の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001223168A JP4384376B2 (ja) | 2001-07-24 | 2001-07-24 | 撥水性無機質材とその製造方法 |
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JP (1) | JP4384376B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2019119095A1 (pt) * | 2017-12-19 | 2019-06-27 | Saint-Gobain do Brasil Produtos Industriais e para Construção Ltda. | Composição de revestimento, e, processo para produção de materiais impermeabilizados |
-
2001
- 2001-07-24 JP JP2001223168A patent/JP4384376B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2019119095A1 (pt) * | 2017-12-19 | 2019-06-27 | Saint-Gobain do Brasil Produtos Industriais e para Construção Ltda. | Composição de revestimento, e, processo para produção de materiais impermeabilizados |
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JP4384376B2 (ja) | 2009-12-16 |
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