JP2003033924A - 硬化体、貼り合わせ体の製造装置 - Google Patents

硬化体、貼り合わせ体の製造装置

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JP2003033924A
JP2003033924A JP2002022116A JP2002022116A JP2003033924A JP 2003033924 A JP2003033924 A JP 2003033924A JP 2002022116 A JP2002022116 A JP 2002022116A JP 2002022116 A JP2002022116 A JP 2002022116A JP 2003033924 A JP2003033924 A JP 2003033924A
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photoreactive
adhesive layer
temperature
resin
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JP2002022116A
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Masanori Matsuda
正則 松田
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光反応性樹脂を用いて光照射によって硬化反
応が十分に進行した硬化体が得られる製造装置、及び、
光反応性接着剤表面の光照射による反応が進みすぎるこ
となく、貼り合わせた後に被着体との十分な接着性が得
られる、光反応性接着剤を用いた貼り合わせ体の製造装
置を提供する。 【解決手段】 硬化体を得るために、光反応性樹脂に光
を照射する光照射手段と、上記光を照射中に光反応性樹
脂の表面温度を60℃以下に保持する温度保持手段と、
光を照射された光反応性樹脂を型内に注入・充填して硬
化させる手段とを備えた製造装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光反応性樹脂を用
いた硬化体製造装置、及び、少なくとも2枚の被着体を
光反応性接着剤を用いて貼り合わせた貼り合わせ体の製
造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、光反応性樹脂は、注型用樹
脂、ポッティング用樹脂、エンカプシュレーション用樹
脂、接着剤等に幅広く使用されている。上記注型用樹
脂、ポッティング用樹脂、エンカプシュレーション用樹
脂等は、通常、所定の部位に注入、充填した後で光硬化
させることにより、成形体(硬化体)を得る。しかしな
がら、目的とする成形体の形状によって樹脂に十分な光
照射を行うことが困難な場合があり、硬化反応が十分に
進行しないため、得られた成形体に強度を付与できない
ことがあった。
【0003】また、光反応性接着剤を用いて2枚の被着
体を貼り合わせた貼り合わせ体として、例えば、コンパ
クトディスク等のディスク体がある。このような、貼り
合わせ体の製造装置としては、光照射装置を内蔵したも
のがあった。光反応性接着剤は硬化反応を光で開始させ
るので、加熱硬化型の接着剤などのように高温で加熱す
る必要がない。従って、光反応性接着剤は、通常、常温
付近で取り扱われ、従来の貼り合わせ体の製造装置も、
通常、温度調節装置を備えていなかった。
【0004】このような貼り合わせ体の製造装置の一例
としては、例えば、図9に示した、塗布手段のような光
反応性接着剤層を形成する手段11〔図9(a)〕、光
照射手段16〔図9(b)〕及び貼り合わせ手段18
〔図9(c)〕からなる製造装置10がある。この装置
10では、搬送ロール12の上に乗せられた一方の被着
体13に、光反応性接着剤14を上記塗布手段11を用
いて塗布し、塗布された光反応性接着剤層15に光照射
手段16から光を照射し、次いで光反応性接着剤層15
上に他方の被着体17を積み重ねた後、例えば、プレス
機のような貼り合わせ手段18、18を用いて貼り合わ
せることによる方法であった。
【0005】しかしながら、従来の製造装置において
は、光照射装置からの熱により被着体の表面温度が高く
なってしまい、光反応性接着剤表面の光照射による反応
が進みすぎ、貼り合わせ手段を用いて貼り合わせた後に
被着体と光反応性接着剤との十分な接着性が得られない
という問題点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点を
解決するものであり、その目的は、光反応性樹脂を用い
て光照射によって硬化反応が十分に進行した硬化体が得
られる製造装置、及び、光反応性接着剤表面の光照射に
よる反応が進みすぎることなく、貼り合わせた後に被着
体との十分な接着性が得られる、光反応性接着剤を用い
た貼り合わせ体の製造装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明(以
下、本発明1という)は、光反応性樹脂を用いた硬化体
の製造装置であって、光反応性樹脂に光を照射する光照
射手段と、上記光を照射中に光反応性樹脂の表面温度を
60℃以下に保持する温度保持手段と、光を照射された
光反応性樹脂を型内に注入・充填して硬化させる手段と
を備えることを特徴とする硬化体の製造装置である。
【0008】請求項2記載の発明(以下、本発明2とい
う)は、少なくとも2枚の被着体を光反応性接着剤を用
いて貼り合わせた貼り合わせ体の製造装置であって、光
反応性接着剤層に光を照射する光照射手段と、上記光を
照射中に光反応性接着剤層の表面温度を60℃以下に保
持する温度保持手段と、上記光を照射された光反応性接
着剤層と被着体とを貼り合わせる貼り合わせ手段とを備
えることを特徴とする貼り合わせ体の製造装置である。
【0009】請求項3記載の発明(以下、本発明3とい
う)は、少なくとも2枚の被着体を光反応性接着剤を用
いて貼り合わせた貼り合わせ体の製造装置であって、一
方の被着体上に光反応性接着剤層を形成する手段と、上
記形成された光反応性接着剤層に光を照射する光照射手
段と、上記光を照射中に光反応性接着剤層の表面温度を
60℃以下に保持する温度保持手段と、上記光を照射さ
れた光反応性接着剤層と他方の被着体とを貼り合わせる
貼り合わせ手段とを備えることを特徴とする貼り合わせ
体の製造装置である。
【0010】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明における光反応性樹脂とは、光を照射することによ
り重合、架橋反応を引き起こす合成樹脂の総称である。
光反応性樹脂の中でも、特に光を照射することによっ
て、カチオン重合(架橋)するものが好ましい。
【0011】上記のカチオン重合性樹脂は、カチオン重
合性物質及び光カチオン重合開始剤を必須成分として構
成されるものが挙げられる。カチオン重合性物質とは、
カチオン重合するものであれば、特に限定されるもので
はないが、例えば、エポキシ基含有化合物、オキセタン
化合物、オキソラン化合物などのような環状エーテル化
合物;環状エステル化合物;ビニルエーテル化合物;プ
ロペニルエーテル化合物などが挙げられる。
【0012】上記光カチオン重合開始剤は、光によって
カチオン重合を起こし得る開始剤であれば特に限定され
ないが、通常、イオン性光酸発生タイプと非イオン性光
酸発生タイプがある。上記イオン性光酸発生タイプの光
カチオン重合開始剤としては、例えば、芳香族ヨードニ
ウム塩、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩
等のオニウム塩類;鉄−アレン錯体、チタノセン錯体の
ようなメタロセン塩、アリールシラノール−アルミニウ
ム錯体等の有機金属錯体類などが挙げられる。
【0013】上記カチオン重合性樹脂は、このような光
カチオン重合開始剤が含有されることにより、通常、2
00〜400nmの波長の光が照射されると、速やかに
重合、架橋反応を開始し、硬化が進行し得る。
【0014】上記の光カチオン重合開始剤として有効な
芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩及びメタ
ロセン塩は、例えば、米国特許第4256828号、米
国特許第5089536号、特開平6−306346号
公報等に開示されている。
【0015】上記光カチオン重合開始剤のうち、芳香族
ヨードニウム塩と芳香族スルホニウム塩は、紫外領域以
外の光ではカチオンを生成しないが、芳香族アミンや着
色芳香族多環式炭化水素等の公知の増感剤を併用するこ
とにより、近紫外領域や可視領域の光でもカチオンを生
成することができる。また、メタロセン塩を用いる場合
には、ターシャリーアルコールのオキサレートエステル
のような反応促進剤と組み合わせて用いてもよい。
【0016】上記イオン性光酸発生タイプの光カチオン
重合開始剤の具体例としては、例えば、商品名「アデカ
オプトマーSP150」、「アデカオプトマーSP17
0」(以上、旭電化工業社製)、商品名「UVE−10
14」(ゼネラルエレクトロニクス社製)、商品名「C
D−1012」(サートマー社製)等が挙げられる。ま
た、非イオン性光酸発生タイプの光カチオン重合開始剤
としては、例えば、ニトロベンジルエステル、スルホン
酸誘導体、リン酸エステル、フェノールスルホン酸エス
テル、ジアゾナフトキノン、N−ヒドロキシイミドスル
ホナート等が挙げられる。
【0017】上記光反応性樹脂の形態としては、常温で
管路等で移送が可能な程度に流動性を有するものが好ま
しい。また、光反応性樹脂を加温(硬化反応が開始しな
い低温)したときに、流動性を有するものであってもよ
い。
【0018】本発明における光反応性接着剤とは、光を
照射することにより重合、架橋反応を引き起こす接着剤
の総称である。これらの接着剤の中で特に光を照射する
ことにより、カチオン重合(架橋)するものが好まし
い。上記カチオン重合性接着剤は、カチオン重合性物質
及び光カチオン重合開始剤を必須成分として構成される
ものが挙げられ、カチオン重合性物質及び光カチオン重
合開始剤は、上記光反応性樹脂において用いられるもの
と同様である。
【0019】本発明における被着体としては、特には限
定されず、例えば、アルミニウム、スチールのような金
属;プラスチックス;セラミック;ガラス;セルロース
材料等が挙げられる。
【0020】上記カチオン重合性の接着剤は、このよう
な光カチオン重合開始剤が含有されることにより、通
常、200〜400nmの波長の光が照射されると、速
やかに重合、架橋反応を開始し、硬化が進行し得る。
【0021】本発明における光反応性接着剤の常温にお
ける性状としては、液状、粘着性を有する固体状、及
び、例えば、ホットメルト接着剤のような固体状のもの
が挙げられる。
【0022】本発明における被着体としては、特には限
定されず、例えば、アルミニウム、スチールのような金
属;プラスチックス;セラミック;ガラス;セルロース
材料等が挙げられる。
【0023】以下、本発明1に記載の硬化体の製造装置
について説明する。本発明1における光照射手段として
は、波長200〜800nmの光を照射可能な手段であ
れば特に限定されない。照射源としては、例えば、炭素
アーク、水銀蒸気アーク、蛍光ランプ、アルゴングロー
ランプ、ハロゲンランプ、白熱ランプ、低圧水銀灯、高
圧水銀灯、超高圧水銀灯、フラッシュUVランプ、ディ
ープUVランプ、キセノンランプ、タングステンフィラ
メントランプ、太陽光等が挙げられる。光照射手段とし
ては、取り扱いが簡便であり、比較的高エネルギーを得
ることのできる紫外線照射装置がより好ましい。
【0024】上記の光照射手段としては、例えば照射ラ
ンプのような照射源の寿命を長くするために、照射ラン
プの周りを透明なガラスからなるジャケットで囲み、そ
のジャケット内に冷水又は冷空気を流すように構成する
のが好ましい。このような構成の照射ランプの水冷式の
ものとしては、アイグラフィックス社、オーク製作所社
等から市販されている。また、空冷式のものとしては、
ウシオ電機社等から市販されている。
【0025】上記光の照射量は、光反応性樹脂を構成す
る各成分の種類や配合量、光照射すべき樹脂の量、光の
照射源等によっても異なるため、一義的には定め得ない
が、重合もしくは架橋に有効な波長の照射量を0.01
〜100J/cm2 (照射表面)の範囲とすることが望
ましい。
【0026】本発明1において、上記光を照射中に光反
応性樹脂の表面温度を60℃以下に保持する温度保持手
段としては、特に限定されず、例えば、図1に示すよう
に、照射ランプのような光照射手段4と管路2内を移動
する光反応性樹脂1との間に設けられた熱線吸収フィル
ター3が挙げられる。上記熱線吸収フィルター3は、光
照射手段からの光のうち熱線部分の波長の光を吸収する
機能を有するフィルターが用いられる。また、上記管路
2としては、上記波長の光を透過可能な透明な材質から
なるものが好ましい。
【0027】温度保持手段の他の例としては、図2に示
すように、管路2内を移動する光反応性樹脂1に接触し
て設けられる、金属製で内部が中空の箱体からなる冷却
装置3aが挙げられる。この冷却装置3aは、内部の中
空の箱体内に冷却された水などの液体又は冷却された空
気などの気体が通流するようにされている。このように
構成されることにより、管路2内を移動する光反応性樹
脂1の温度が60℃以下に保持される。この場合、冷却
装置3aとしては、上記の構成のものにだけに限定され
ず、パイプ状物を多数並べその中に冷媒を通す構成など
各種の態様が考えられる。
【0028】温度保持手段の更に別の例としては、図3
に示すように、管路2の表面に冷風をあてることのでき
る冷風発生装置3bが挙げられる。冷風発生装置3bに
より、光反応性樹脂1の温度が60℃以下に保持され
る。
【0029】上記冷却装置3a又は冷風発生装置3bの
場合、冷却工程は光照射に先立って行われるように構成
されてもよい。冷却によって光反応性樹脂1が十分に低
い温度に保たれていれば、光照射により多少昇温しても
光反応性樹脂1の温度を60℃以下に保持することは可
能である。
【0030】上記光照射された光反応性樹脂を型内に注
入・充填して硬化させる手段としては、例えば、光反応
性樹脂を流し込んで硬化させる注型用型、光反応性樹脂
により電気部品や回路を封入するポッティング用型、エ
ンカプシュレーション用型等が挙げられる。光照射され
た光反応性樹脂は、これらの型内で硬化反応を進行させ
ることにより硬化体を形成する。
【0031】以下、本発明1の製造装置を用いて硬化体
を製造する方法の例を挙げる。光反応性樹脂を、図1、
図2又は図3に示した温度保持手段を有する管路内を移
動させる過程で光照射して、樹脂温を60℃以下に保持
する。次いで、図4に示したように、光照射した光反応
性樹脂をポッティング用型Mに注入・充填して硬化さ
せ、硬化体Kを得る。
【0032】次に、本発明2に記載の貼り合わせ体の製
造装置について説明する。本発明2における光照射手段
としては、波長200〜800nmの光を照射可能なも
のであれば、特に限定されず、本発明1と同様の照射源
が用いられる。
【0033】本発明2において、上記光を照射中に光反
応性接着剤層の表面温度を60℃以下に保持する温度保
持手段としては、光反応性接着剤層の表面温度を60℃
以下に保持できる手段であれば、特に限定されない。例
えば、図4に示すように、照射ランプのような光照射手
段4と光反応性接着剤層5との間に設けられた熱線吸収
フィルター3cが挙げられる。上記熱線吸収フィルター
3cは、光照射手段からの光のうち熱線部分の波長の光
を吸収する機能を有するフィルターである。なお、図4
において、6は一方の被着体、7は搬送ロールをそれぞ
れ示す。
【0034】温度保持手段の他の例としては、図5に示
すように、光反応性接着剤層5が形成された一方の被着
体6の裏面に接触された、金属製で内部が中空の箱体か
らなる冷却装置3dが挙げられる。この冷却装置3d
は、内部の中空の箱体内に冷却された水などの液体又は
冷却された空気などの気体が流通するようにされてい
る。このように構成されることにより、冷却装置3dに
接触された被着体6を通して光反応性接着剤層5の表面
温度が60℃以下に保持される。この場合、冷却装置3
dとしては、上記の構成のものだけに限定されず、パイ
プ状物を多数並べその中に冷媒を通す構成など各種の態
様が考えられる。
【0035】温度保持手段の更に別の例としては、図6
に示すように、光反応性接着剤層5の表面に冷風をあて
ることのできる冷風発生装置3eが挙げられる。冷風発
生装置3eにより、光反応性接着剤層5の表面温度が6
0℃以下に保持される。
【0036】上記冷却装置3d又は冷風発生装置3eの
場合、冷却工程は光照射に先立って行われるように構成
されてもよい。冷却によって光反応性接着剤層5の表面
が十分に低い温度に保たれていれば、光照射により多少
昇温しても光反応性接着剤層の表面温度を60℃以下に
保持することは可能である。
【0037】本発明2における、光を照射された光反応
性接着剤層と被着体とを貼り合わせる貼り合わせ手段と
しては、従来から用いられている貼り合わせ手段のいず
れも使用可能であり、例えば、図7に示したプレス8
a,8a、図8に示したロールラミネーター8b,8b
等が考えられる。図7及び図8において、9は他方の被
着体を示す。また、この貼り合わせ手段に加熱手段を併
設してもよい。光反応性接着剤が液状又は粘着性を有す
る固体状のものである場合は室温での貼り合わせが可能
であり、光反応性接着剤がホットメルト型であれば加熱
して貼り合わせる必要がある。
【0038】以下、本発明2の製造装置を用いて貼り合
わせ体を製造する方法の例を挙げる。光反応性接着剤が
液状である場合は、一方の被着体に光反応性接着剤を塗
布して(塗布方法としては、後述の本発明3の説明で述
べる方法が挙げられる)光反応性接着剤層を形成した
後、上記形成された光反応性接着剤層に光照射手段を用
いて光を照射する。上記光を照射中は、光反応性接着剤
層の表面温度を60℃以下に保持する温度保持手段を用
いて、光反応性接着剤層の表面温度を60℃以下に保持
する。次いで、光反応性接着剤層の上に他方の被着体を
重ね、それを貼り合わせ手段を用いて貼り合わせる。
【0039】光反応性接着剤が常温で粘着性を有する固
体状、もしくは、ホットメルト型のように常温で固体状
のものの場合は、光反応性接着剤層をシート状に形成し
ておき、このシートを一方の被着体に積層し、シートに
光照射手段を用いて光を照射する。上記光を照射中は、
シートの表面温度を60℃以下に保持する温度保持手段
を用いて、シートの表面温度を60℃以下に保持する。
次いで、シートの上に他方の被着体を重ね、それを貼り
合わせ手段を用いて貼り合わせる。
【0040】また、同様に、光反応性接着剤が常温で粘
着性を有する固体状、もしくは、ホットメルト型のよう
に常温で固体状のものの場合の他の方法としては、光反
応性接着剤層をシート状に形成しておき、このシートに
光照射手段を用いて光を照射する。上記光を照射中はシ
ートの表面温度を60℃以下に保持する温度保持手段を
用いて、シートの表面温度を60℃以下に保持する。次
いで、得られたシートを2枚の被着体間に挟むように重
ね、それを貼り合わせ手段を用いて貼り合わせてもよ
い。
【0041】上記光の照射量は、光反応性接着剤を構成
する各成分の種類や配合量、塗工厚み、光の照射源等に
よっても異なるため、一義的には定め得ないが、重合も
しくは架橋に有効な波長の照射量を0.01〜100J
/cm2 の範囲とすることが望ましい。
【0042】以下、本発明3に記載の貼り合わせ体の製
造装置について説明する。本発明3の製造装置は、一方
の被着体上に光反応性接着剤層を形成する手段と、上記
形成された光反応性接着剤層に光を照射する光照射手段
と、上記光を照射中に光反応性接着剤層の表面温度を6
0℃以下に保持する温度保持手段と、上記光を照射され
た光反応性接着剤層と他方の被着体とを貼り合わせる貼
り合わせ手段とを備える。
【0043】上記一方の被着体上に光反応性接着剤層を
形成する手段としては、光反応性接着剤が液状である場
合は、一方の被着体に光反応性接着剤を塗布することの
できる手段であれば、特に限定されず、従来から用いら
れている塗布装置が挙げられ、例えば、刷毛、スプレ
ー、フローコーター、ロールコーターなどが挙げられ
る。光反応性接着剤が常温で粘着性を有する固体状、も
しくは、ホットメルト型のように常温で固体状のものの
場合は、光反応性接着剤層をシート状に形成しておき、
このシートを一方の被着体に積層することのできる装置
が挙げられる。
【0044】本発明3の製造装置における、光反応性接
着剤層に光を照射する光照射手段と、上記光を照射中に
光反応性接着剤層の表面温度を60℃以下に保持する温
度保持手段と、上記光を照射された光反応性接着剤層と
他方の被着体とを貼り合わせる貼り合わせ手段とについ
ては、本発明2の貼り合わせ体の製造装置の説明で述べ
たものと同様である。
【0045】本発明3の製造装置を用いて貼り合わせ体
を製造するには、一方の被着体上に光反応性接着剤層を
上記手段を用いて形成する。形成された光反応性接着剤
層に光照射手段を用いて光を照射する。光を照射中は光
反応性接着剤層の表面温度を60℃以下に保持する温度
保持手段を用いて、光反応性接着剤層の表面温度を60
℃以下に保持する。次いで、貼り合わせ手段を用いて、
光を照射された光反応性接着剤層と他方の被着体とを貼
り合わせる。
【0046】(作用)本発明1の硬化体の製造装置は、
光反応性樹脂に光を照射中、本光反応性樹脂の温度を6
0℃以下に保持する温度保持手段が設けられているの
で、光反応性樹脂の光照射による反応が進みすぎること
なく、光照射後に硬化反応が進行し、硬化体に十分な強
度等の性能が付与される。また、本発明2又は3の貼り
合わせ体の製造装置は、光反応性接着剤層に光を照射
中、光反応性接着剤層の表面温度を60℃以下に保持す
る温度保持手段が設けられているので、本発明2又は3
の製造装置を用いると、光反応性接着剤表面の光照射に
よる反応が進みすぎることなく、貼り合わせた後に被着
体との十分な接着性が得られる。すなわち、従来のよう
に光照射装置からの熱により光反応性接着剤層表面が硬
化し、光照射後に被着体との接着が不可能となるような
ことがない。
【0047】
【発明の実施の形態】以下に実施例を挙げて本発明をさ
らに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限
定されるものではない。 (実施例1)エポキシ樹脂(油化シエルエポキシ社製
「エピコート828」)100重量部及び光カチオン重
合開始剤(ユニオンカーバイト社製「UVI−699
0」、芳香族スルホニウム塩)5重量部からなる光反応
性樹脂を透明なガラス管中を通過させて光照射を行った
後、注型用型に入れて室温で約1時間放置して硬化体を
得た。尚、光照射手段としてUV照射器(株式会社オー
ク製作所製「ジエットライト−2300」、超高圧水銀
灯の周りを透明なガラスからなるジャケットで囲み、そ
のジャケット内に冷水を流すように構成されている)を
使用し、温度保持手段として図3に示した冷却装置3d
をガラス管と接触させて設け、冷却装置3dに冷水を循
環させて光反応性樹脂を冷却しながら光照射を行った。
【0048】(比較例1)光照射を全く行わなかったこ
と以外は、実施例1と同様にして硬化体を得ようとした
が、光反応性樹脂が十分に硬化せず、硬化体は得られな
かった。
【0049】(実施例2)ポリエステル樹脂(ユニチカ
社製「エリーテルUE−3400」)80重量部、エポ
キシ樹脂(油化シエルエポキシ社製「エピコート82
8」)20重量部及び光カチオン重合開始剤(ユニオン
カーバイト社製「UVI−6990」)1重量部を12
0℃以下で溶融混練した後、サイズ10cm×10c
m、厚さ約250μmの光反応性接着剤(ホットメルト
シート状)サンプルに加工した。上記サンプル温度をホ
ットプレート上で23℃に設定し、実施例1と同様にU
V照射器を使用し、温度保持手段としてUV照射器と上
記サンプルとの間に図5に示した熱線吸収フィルター1
aを設けた。
【0050】上記UV照射器から上記サンプルに150
0mJのUV照射を行った直後、被着体である2枚の白
色ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ社製「E
20」、125μ厚)間に配置し、貼り合わせ手段とし
てプレスを用い、75℃で加熱プレスを30秒間行い、
接着品(貼り合わせ体)を得た。
【0051】(実施例3)サンプル温度を45℃に設定
した以外は実施例2と全く同様にして接着品(貼り合わ
せ体)を得た。
【0052】(実施例4)サンプル温度を60℃に設定
した以外は実施例2と全く同様にして接着品(貼り合わ
せ体)を得た。
【0053】(比較例2)サンプル温度を80℃に設定
した以外は実施例2と全く同様にして接着品(貼り合わ
せ体)を得た。
【0054】(比較例3)サンプル温度を100℃に設
定した以外は実施例2と全く同様にして接着品(貼り合
わせ体)を得た。
【0055】上記実施例2〜4及び比較例2,3で得ら
れた貼り合わせ体につき、手で剥離することにより接着
性を評価した。実施例2及び3の貼り合わせ体は良好で
強固に接着しており、実施例4の貼り合わせ体も満足で
きる接着性であった。これに対して、比較例2及び3の
貼り合わせ体は、十分に接着していなかった。比較例2
及び3では貼り合わせ不可能という結果から、従来の装
置では、光照射時に光反応性接着剤層の表面温度が60
℃を超えるため、比較例2及び3と同等の結果となるこ
とが推定される。
【0056】
【発明の効果】本発明1の硬化体の製造装置は、上述の
通りであり、本発明1の製造装置を用いると、光照射時
に光反応性樹脂の反応が進みすぎることなく、硬化型に
注入・充填した後で十分に反応が進行して硬化体を形成
する。従って、この製造装置は、光反応性樹脂による注
型、電気部品や回路を封入するポッティング、エンカプ
シュレーション等に好適に用いられる。
【0057】本発明2又は3の貼り合わせ体の製造装置
は、上述の通りであり、本発明2又は3の製造装置を用
いると、光反応性接着剤表面の光照射による反応が進み
すぎることなく、貼り合わせた後に被着体との十分な接
着性が得られる。すなわち、従来のように光照射装置か
らの熱により光反応性接着剤層表面が硬化し照射後に被
着体との接着が不可能となるようなことが起こらない。
また、光照射時の温度の上昇が抑制されるので、高温に
よって不具合が生じる貼り合わせ体(例えば、ICチッ
プ等)の製造に最適に用いられる。
【0058】この製造装置を用いることによって、従来
の光照射手段と貼り合わせ手段からなる装置では使用で
きなかった光反応性接着剤、特に光を照射した後にも十
分貼り合わせ及び架橋が進行する光カチオン系の接着剤
を使用することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】光反応性樹脂の温度保持手段を説明するための
略図的断面図。
【図2】光反応性樹脂の温度保持手段の他の例を説明す
るための略図的断面図。
【図3】光反応性樹脂の温度保持手段の別の例を説明す
るための略図的断面図。
【図4】光反応性樹脂の硬化させる手段を説明するため
の略図的断面図。
【図5】光反応性接着剤層の温度保持手段を説明するた
めの略図的断面図。
【図6】光反応性接着剤層の温度保持手段の他の例を説
明するための略図的断面図。
【図7】光反応性接着剤層の温度保持手段の別の例を説
明するための略図的断面図。
【図8】貼り合わせ手段を説明するための略図的断面
図。
【図9】貼り合わせ手段の他の例を説明するための略図
的断面図。
【図10】貼り合わせ体の従来の製造装置の一例を示す略
図的断面図。
【符号の説明】
1 光反応性樹脂 2 管路 3 熱線吸収フィルター 3a 冷却装置 3b 冷風発生装置 3c 熱線吸収フィルター 3d 冷却装置 3e 冷風発生装置 4 光照射手段 5 光反応性接着剤層 6 一方の被着体 7 搬送ロール 8a プレス 8b ロールラミネーター 9 他方の被着体 K 硬化体 M 注型用型
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11B 7/26 G11B 7/26 // B29L 9:00 B29L 9:00 Fターム(参考) 4F204 AA39 AA44 AB04 AH37 AH38 AR06 EA03 EA04 EA06 EB01 EE01 EE02 EE03 EE09 EE10 EE30 EK15 EK17 EK18 4F211 AD05 AD08 AG01 AG03 AH37 AH38 TA03 TD11 TH01 TH02 TH06 TH10 TH24 TN45 TN46 TN63 TQ10 4J040 DD051 EC001 ED001 EE011 KA15 MA02 MA05 MA06 MA09 MA10 PA28 PA32 5D121 AA07 FF03 FF09 FF18

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光反応性樹脂を用いた硬化体の製造装置
    であって、 光反応性樹脂に光を照射する光照射手段と、上記光を照
    射中に光反応性樹脂の表面温度を60℃以下に保持する
    温度保持手段と、光を照射された光反応性樹脂を型内に
    注入・充填して硬化させる手段とを備えることを特徴と
    する硬化体の製造装置。
  2. 【請求項2】 少なくとも2枚の被着体を光反応性接着
    剤を用いて貼り合わせた貼り合わせ体の製造装置であっ
    て、 光反応性接着剤層に光を照射する光照射手段と、上記光
    を照射中に光反応性接着剤層の表面温度を60℃以下に
    保持する温度保持手段と、上記光を照射された光反応性
    接着剤層と被着体とを貼り合わせる貼り合わせ手段とを
    備えることを特徴とする貼り合わせ体の製造装置。
  3. 【請求項3】 少なくとも2枚の被着体を光反応性接着
    剤を用いて貼り合わせた貼り合わせ体の製造装置であっ
    て、 一方の被着体上に光反応性接着剤層を形成する手段と、
    上記形成された光反応性接着剤層に光を照射する光照射
    手段と、上記光を照射中に光反応性接着剤層の表面温度
    を60℃以下に保持する温度保持手段と、上記光を照射
    された光反応性接着剤層と他方の被着体とを貼り合わせ
    る貼り合わせ手段とを備えることを特徴とする貼り合わ
    せ体の製造装置。
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