JP2001261722A - 熱伝導性シート用硬化性組成物、半硬化熱伝導性シートおよびその製造方法 - Google Patents

熱伝導性シート用硬化性組成物、半硬化熱伝導性シートおよびその製造方法

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JP2001261722A
JP2001261722A JP2000080463A JP2000080463A JP2001261722A JP 2001261722 A JP2001261722 A JP 2001261722A JP 2000080463 A JP2000080463 A JP 2000080463A JP 2000080463 A JP2000080463 A JP 2000080463A JP 2001261722 A JP2001261722 A JP 2001261722A
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cured
heat conductive
semi
heat
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Takeo Hara
武 生 原
Shinichiro Iwanaga
永 伸一郎 岩
Hozumi Sato
藤 穂 積 佐
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 本発明に係る半硬化熱伝導性シートは、
熱伝導性シート用硬化性組成物中の光硬化性成分が硬化
した成分と、熱硬化性成分とからなるバインダー中に、
磁性体および炭素繊維が、半硬化熱伝導性シートの厚み
方向に配向している。さらに、本発明に係る放熱構造
は、発熱体と、放熱部材または回路基板とが、熱伝導性
硬化層を介して接着されており、該熱伝導性硬化層に
は、光硬化性成分を硬化した成分、熱硬化性成分を硬化
した成分、磁性体および炭素繊維が含有され、該磁性体
と該炭素繊維とが、該熱伝導性硬化層の厚み方向に配向
している。 【効果】 半発明に係る半硬化熱伝導性シートを熱圧着
して硬化させた熱伝導性硬化層は、発熱体と放熱部材ま
たは回路基板との間の接着性に優れるとともに、該熱伝
導性硬化層の厚み方向の熱伝導性に優れる。また、該半
硬化熱伝導性シートは簡便かつ短時間で成形できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱伝導性シート用
硬化性組成物、半硬化熱伝導性シート、その製造方法、
半硬化熱伝導性シートを用いた接合方法および放熱構造
に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】電気機器あるいは電子機器のさら
なる高性能化に伴い、半導体素子の電極数が増加し、半
導体素子が高消費電力化する傾向にあり、電子部品から
発熱する熱をさらに効率よく放熱することが重要となっ
ている。従来より、半導体パッケージあるいは半導体か
らの放熱を効率よく行うため、半導体パッケージなどに
放熱機構を設けて放熱するか、あるいは半導体素子を搭
載する配線基板から放熱を行う試みがなされていた。た
とえば、半導体パッケージの放熱は、一般に、発熱体の
本体表面から自然対流やユニット内に設けたファンによ
る強制対流によって行われていたが、この方式では半導
体パッケージの機能が向上するに伴って発熱量が増加す
ると放熱作用が不十分となり、半導体パッケージの性能
低下などを確実に防止することはできないという問題が
あった。また、半導体パッケージの表面に放熱体を圧接
し、対流による放熱性を向上させる方式も提供されてい
るが、この方式では半導体パッケージと放熱体との圧接
面における接触面積が隙間の発生によって小さくなり、
放熱作用を設計通りに発揮するには問題があった。この
ため、たとえば、半導体パッケージに放熱体を接合する
場合では、半導体パッケージと放熱体との間に熱伝導性
を有する樹脂シートなどを挟み込み、半導体パッケージ
と放熱体とを密着させながら、放熱を有効に行うことが
行われている。また、たとえば半導体素子とこれに接触
するヒートスプレッダとの接合においては、高熱伝導性
の接着剤を間に介在させて、半導体素子とヒートスプレ
ッダとの接着を維持しながら、半導体素子からの放熱を
図ることが行われている。
【0003】このような、半導体素子または半導体パッ
ケージと放熱体との間に介在させる高熱伝導化のための
樹脂組成物等として、たとえば、特開平5−32691
6号公報では、粘土状熱硬化接着型のシリコーンゴムシ
ートが用いられているが、このシリコーンゴムシートは
半導体素子の高消費電力化に対応するには熱伝導率の点
で充分ではないという問題点があった。また、高熱伝導
率化のため、シリコーンゴムなどの樹脂シート中に熱伝
導率の高い金属粒子をランダムに分散させることも行わ
れ、さらに高熱伝導率を向上させるため、金属粒子を樹
脂シート中に高分散・高充填化する試みもなされてい
る。しかしながら、金属粒子を高分散化・高充填化して
も、熱がランダム方向に拡散するため、半導体素子と放
熱体との間の熱伝導率は充分に向上しないという問題点
があるほか、金属粒子を高充填化するため樹脂シートの
引張強さ、弾力性が低下したり、成形加工性も低下する
ことがあるなどの問題があった。
【0004】このような観点から、本発明者らは、バイ
ンダー中に、表面に磁性体を付着させた炭素繊維、ある
いは磁性体粒子と炭素繊維とが、樹脂シートの厚み方向
に配向している高熱伝導性シートを用いると、樹脂シー
トの厚み方向の異方熱伝導性が大幅に向上することを見
出している。(特願平11-325757号、特願2000-027738
号) 一方、半導体パッケージが電子機器製品等に組み込まれ
て使用されると、これらの電子機器等の使用に伴い半導
体パッケージが外部から振動、衝撃等を受けたり、ある
いは半導体素子の発熱が長期にわたって不規則に発生す
ることにより、半導体素子と放熱体との間の樹脂シート
の密着度が低下して、放熱が充分に行われなくなること
があった。したがって、半導体素子と放熱体等との間に
介在させる樹脂シートには、高い熱伝導性を有し、かつ
半導体素子と放熱体等とを単に密着させるだけではな
く、これらを外部からの振動等に耐え得るよう充分に接
着させることも求められていた。
【0005】このような半導体素子と放熱体等との接着
性を向上させるため、樹脂シートとを接着剤とを併用し
て用いる方法、あるいは、接着性の高い液状エポキシ樹
脂などを、接着面に塗布して硬化させる方法が試みられ
ている。しかしながら、前者の場合には接着剤を併用す
ることにより熱伝導性が低下することがあり、また後者
の場合には、微細な半導体素子上に正確に塗布を行うこ
とが必要であり、また、2液系のエポキシ樹脂の場合に
はその配合量の制御が必要となるなど、製造工程が複雑
になるとともに、簡便さに欠けるという問題点があっ
た。
【0006】さらに、たとえば液状のシート用樹脂を半
硬化状態まで熱硬化し、これを半導体素子と放熱体等と
の接合面に挟んで、該半硬化状態の樹脂シートを熱硬化
させて半導体素子と放熱体とを接着させる試みもなされ
ているが、たとえば接着性の高いエポキシ樹脂の硬化反
応を半硬化状態で止めるよう制御することは難しく、こ
のような半硬化物を簡便に得ることは事実上難しいとい
う問題点があった。
【0007】このため、高い熱伝導性を有するととも
に、半導体素子等と放熱機構と間の接着性に優れ、しか
も、半硬化状態の樹脂成形を簡便で短時間に行えるよう
な半硬化樹脂シートの出現が望まれていた。そこで、本
発明者らは、上記問題を解決すべく鋭意研究し、光硬化
性成分と熱硬化性成分とを有するバインダー中に、磁性
体および炭素繊維を有する熱伝導性シート用硬化性組成
物を用いると、磁場の印加により磁性体と炭素繊維とが
シートの厚み方向に配向しつつ、光硬化性成分が光硬化
によって硬化し、接着性の優れた熱硬化性成分が未硬化
のままで含まれる、半硬化状態の樹脂シートを得ること
ができることを見出した。
【0008】また、未硬化の熱硬化性成分を有する該半
硬化熱伝導性シートを、半導体パッケージ等の製造工程
において熱圧着により硬化させると、熱硬化した熱伝導
性硬化層は、厚み方向に高い熱伝導性を有するととも
に、優れた接着性、弾力性、耐久性を有することを見出
した。しかも本発明に係る半硬化性熱伝導シートは、簡
便かつ短い成形時間で製造することができることを見出
し、本願発明を完成するに至った。
【0009】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に伴う
問題点を解決しようとするものであって、熱伝導性シー
トの厚み方向の異方熱伝導性が高く、接着性に優れると
ともに、弾力性、耐久性に優れ、かつ簡便、短時間に成
形できる半硬化熱伝導性シートおよびその製造方法を提
供することを目的としている。
【0010】また、本発明は、このような半硬化熱伝導
性シートを製造しうるような熱伝導性シート用硬化性組
成物を提供することを目的としている。さらに本発明
は、このような半硬化熱伝導性シートを用いた半導体と
放熱機構の接合方法および放熱構造を提供することを目
的としている。
【0011】
【発明の概要】本発明に係る熱伝導性シート用硬化性組
成物は、光硬化性成分と熱硬化性成分とからなるバイン
ダー、磁性体および炭素繊維を含有することを特徴とし
ている。前記磁性体は、前記炭素繊維の表面に付着され
ているか、もしくは磁性体粒子であることが好ましい。
また、前記光硬化性成分は(メタ)アクリル系化合物で
あることが好ましく、前記熱硬化性成分はエポキシ系化
合物であることが好ましい。また、前記熱伝導性シート
用硬化性組成物が、さらに、光開始剤を含んでいてもよ
い。
【0012】本発明に係る半硬化熱伝導性シートは、前
記熱伝導性シート用硬化性組成物中の光硬化性成分が硬
化した成分と、熱硬化性成分とからなるバインダー中
に、磁性体および炭素繊維が、半硬化した熱伝導性シー
トの厚み方向に配向していることを特徴としている。ま
た、前記半硬化熱伝導性シートの表面は、保護フィルム
で覆われていてもよい。
【0013】本発明に係る半硬化熱伝導性シートの製造
方法は、前記熱伝導性シート用硬化性組成物をシート状
に形成し、該シート状組成物に、その厚み方向に磁場を
作用させて、磁性体および炭素繊維を該シート状組成物
の厚み方向に配向させつつ、該シート状組成物中の光硬
化性成分を光硬化させて、半硬化熱伝導性シートを得る
ことを特徴としている。また、本発明に係る半硬化熱伝
導性シートの製造方法は、前記熱伝導性シート用組成物
が、保護フィルムで覆われていてもよい。
【0014】本発明に係る発熱体と放熱部材または回路
基板との接着方法は、前記半硬化熱伝導性シート、また
は保護フィルムで覆われた半硬化熱伝導性シートから保
護フィルムを剥離した半硬化熱伝導性シートを、発熱体
と、放熱部材または回路基板との間に挟み込み、次いで
該半硬化熱伝導性シート中の熱硬化性成分を、熱圧着に
より硬化させて得られる熱伝導性硬化層によって、発熱
体と、放熱部材または回路基板とを接着させることを特
徴としている。
【0015】本発明に係る放熱構造は、発熱体と、放熱
部材または回路基板とが、熱伝導性硬化層を介して接着
されており、該熱伝導性硬化層には、光硬化性成分を硬
化した成分、熱硬化性成分を硬化した成分、磁性体およ
び炭素繊維が含有され、該磁性体および該炭素繊維が、
該熱伝導性硬化層の厚み方向に配向していることを特徴
としている。
【0016】
【発明の具体的説明】以下本発明に係る熱伝導性シート
用硬化性組成物、半硬化熱伝導性シート、その製造方
法、そのシートを用いた発熱体と、放熱部材または回路
基板との接合方法および熱伝導性シートを用いた放熱構
造についてより具体的に説明する。[熱伝導性シート用硬化性組成物] 本発明に係る熱伝導
性シート用硬化性組成物は、光硬化性成分と熱硬化性成
分とからなるバインダー、磁性体および炭素繊維を含有
することを特徴としている。さらに、本発明に係る熱伝
導性シート用硬化性組成物は、所望によりその他の添加
物を含有していてもよい。以下に、まず、熱伝導性シー
ト用硬化性組成物について説明する。<バインダー> 本発明に係るバインダーは、光硬化性成
分と熱硬化性成分とからなる。また、このようなバイン
ダーは、必要に応じ光開始剤、熱硬化剤などを含んでい
てもよい。
【0017】光硬化性成分 本発明に係るバインダーに含まれる光硬化性成分として
は、紫外線、電子線等により硬化する光ラジカル重合
性、光カチオン重合性、配位光重合性、光重付加反応性
であるモノマー、オリゴマー、プレポリマーまたはポリ
マーが挙げられる。このような光硬化性のモノマー、オ
リゴマー、プレポリマーまたはポリマーとしては、(メ
タ)アクリル系化合物、ビニルエーテル−マレイン酸共
重合体等の光ラジカル重合性、チオール−エン系化合物
等の光重付加反応性のものが好ましく、このうち、(メ
タ)アクリル系化合物が特に好ましい。本発明に係る光
硬化性成分としては、このうち光硬化に要する時間が短
時間である(メタ)アクリル系化合物のモノマーが好まし
く用いられる。
【0018】このような(メタ)アクリル系化合物の光重
合性のモノマー、オリゴマー、プレポリマーあるいはポ
リマーを誘導しうるモノマーとしては、具体的には、ア
クリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアノ基含
有ビニル化合物、(メタ)アクリルアミド化合物および
(メタ)アクリル酸エステルなどが挙げられる。前記
(メタ)アクリルアミド化合物としては、アクリルアミ
ド、メタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミ
ドなどが挙げられ、これらは単独であるいは混合して用
いられる。
【0019】前記(メタ)アクリル酸エステル類として
は、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アク
リレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘ
キシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベ
ンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メ
タ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレー
ト、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデ
カニル(メタ)アクリレートなどの単官能(メタ)アク
リレートが挙げられ、これらは単独であるいは混合して
用いられる。
【0020】また、多官能性(メタ)アクリレートとし
ては、たとえば、エチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ト
リエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラ
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3-ブタ
ンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジ
オールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコー
ルジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオール
ジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ
(メタ)アクリレート、1,10-デカンジオールジ
(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリ
レート、ビスフェノールAのエチレンオキサイド、プロ
ピレンオキサイド付加物のジアクリレート、ビスフェノ
ールA−ジエポキシ−アクリル酸付加物などの2官能
(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ
(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メ
タ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレー
トなどの3官能(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0021】これらのうち、ジエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)
アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレートな
どのジ(メタ)アクリレートが好ましく用いられる。熱硬化性成分 本発明に係るバインダーに含まれる熱硬化性成分として
は、本発明に係る光硬化条件下においては硬化せず、熱
により硬化する官能基を有するモノマー、オリゴマー、
プレポリマーまたはポリマーが挙げられる。
【0022】このような官能基として、エポキシ基、水
酸基、カルボキシル基、アミノ基、イソシアネート基な
どが挙げられ、反応性の点からエポキシ基が好ましい。
このような官能基を有するモノマー、オリゴマー、プレ
ポリマーあるいはポリマーとしては、たとえば、エポキ
シ系化合物、ウレタン系化合物などが挙げられる。この
うち、優れた接着性、熱硬化時間の短縮の観点からエポ
キシ系化合物を用いることが好ましく、さらにエポキシ
系化合物は、エポキシ基を分子中に2個以上有している
ことが望ましい。
【0023】このようなエポキシ系化合物の分子量は特
に限定されないが、通常、70〜20,000であり、
好ましくは300〜5000であることが望ましく、具
体的には、エポキシ系化合物のオリゴマー、プレポリマ
ーまたはポリマーなど一定の分子量以上を有する各種エ
ポキシ樹脂が好ましく用いられる。このようなエポキシ
樹脂としては、たとえば、フェノールノボラック型エポ
キシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビス
フェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポ
キシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、脂環式
エポキシ樹脂、あるいはポリグリシジル(メタ)アクリ
レート、グリシジル(メタ)アクリレートと他の共重合
モノマーとの共重合体などが挙げられる。これらの樹脂
は単独で、あるいは混合して用いられる。
【0024】本発明に係る熱伝導性シート用硬化性組成
物は、光硬化性成分と熱硬化性成分とを含むが、光硬化
性の官能基と、光硬化条件下で硬化しない熱硬化性の官
能基とを1分子中に含む化合物を用いて、両成分を兼ね
ることもできる。光硬化性の官能基を含有する化合物と
して前記(メタ)アクリル化合物、熱硬化性の官能基と
して前記エポキシ基等が挙げられ、両成分を兼ねること
のできる具体的な化合物としては、グリシジル(メタ)
アクリルアミドなどのエポキシ(メタ)アクリルアミ
ド、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4-エポキシシ
クロヘキシル(メタ)アクリレートなどのエポキシ(メ
タ)アクリレートなどが挙げられる。
【0025】バインダー 本発明に係るバインダーは、前記光硬化性成分と、前記
熱硬化性成分とを含む。このような光硬化性成分と熱硬
化性成分との混合割合(光硬化性成分/熱硬化性成分)
は、好ましくは80/20〜20/80重量%、さらに
好ましくは70/30〜30/70重量%、特に好まし
くは40/60〜40/60重量%であることが望まし
い。前記光硬化性成分と前記熱硬化性成分とがこのよう
な範囲にあると、半硬化熱伝導性シート中での磁性体と
炭素繊維の該シートの厚み方向への配向が充分になされ
るとともに、優れた接着性を有する該半硬化熱伝導性シ
ートが硬化したシートを得ることができる。なお、本明
細書において「重量%」とは、重量の割合を示す。
【0026】本発明に係るこのような光硬化性成分と熱
硬化性成分としては、前記(メタ)アクリル系化合物と
エポキシ系化合物との組み合わせが、半硬化熱伝導性シ
ートの成形時間の短縮、優れた接着性の観点などから好
ましい。このような光硬化性成分と熱硬化性成分の混合
方法は特に制限されないが、たとえば、光硬化性成分と
して前記アクリル系化合物モノマーを用い、熱硬化性成
分として前記エポキシ系樹脂を用いる場合、アクリル系
化合物モノマーに、エポキシ樹脂を溶解して混合するこ
とができる。
【0027】本発明に係るバインダーは、前記光硬化性
成分と前記熱硬化性成分に加え、光硬化性成分の硬化に
よる半硬化熱伝導性シートの形成を損なわなければ、そ
の他のバインダー成分を含有していてもよい。このよう
な他のバインダー成分としては、たとえば、熱可塑性ま
たは熱硬化性のゴム状重合体あるいは樹脂状重合体が挙
げられる。
【0028】このようなゴム状重合体としては、具体的
には、ポリブタジエン、天然ゴム、ポリイソプレン、S
BR,NBRなどの共役ジエン系ゴムおよびこれらの架
橋粒子ならびにこれらの水素添加物、スチレンブタジエ
ンジエンブロック共重合体、スチレンイソプレンブロッ
ク共重合体などのブロック共重合体およびこれらの水素
添加物、クロロプレン、ウレタンゴム、ポリエステル系
ゴム、エピクロルヒドリンゴム、シリコーンゴム、エチ
レンプロピレン共重合体、エチレンプロピレンジエン共
重合体などが挙げられる。樹脂状重合体としては、たと
えば、フェノール樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエス
テル樹脂などが使用可能である。
【0029】また、不飽和二重結合を有する反応性モノ
マーも含有することができ、このような反応性モノマー
としては、たとえば、ヒドロキシスチレン、イソプロペ
ニルフェノール、スチレン、α−メチルスチレン、p−
メチルスチレン、クロロスチレン、p−メトキシスチレ
ンなどの芳香族ビニル化合物、ビニルピロリドン、ビニ
ルカプロラクタムなどのヘテロ原子含有脂環式ビニル化
合物が挙げられる。<磁性体と炭素繊維> 本発明に係る熱伝導性シート用硬
化性組成物に含まれる磁性体および炭素繊維は、磁性体
粒子と炭素繊維、または炭素繊維の表面に磁性体が付着
されている炭素繊維であることが好ましい。以下、磁性
体、炭素繊維、表面に磁性体が付着している炭素繊維に
ついて説明する。<磁性体> 本発明に係る磁性体に用いられる材料として
は、たとえば、鉄、コバルト、ニッケルなどの強磁性を
示す金属もしくは該金属からなる合金が挙げられ、さら
に、鉄、コバルト、ニッケルなどの強磁性を示す金属を
含有する金属間化合物あるいは該金属の金属酸化物など
の金属化合物が挙げられる。
【0030】このような磁性体は、粒子状あるいは磁性
体が炭素繊維の表面に付着された状態の磁性体であるこ
とが好ましい。磁性体粒子 本発明に係る磁性体の好ましい形態として用いられる磁
性体粒子は、後述する方法により、磁場を印加した場合
に磁場方向に配向しうる程度の磁性を示せば、特に限定
されない。
【0031】このような磁性体粒子は、前記磁性体を粒
子状にした金属粒子である。このような磁性体粒子は、
鉄、ニッケル、コバルトなどの金属の粒子を芯粒子と
し、該芯粒子の表面に、他の金属たとえば熱伝導性の高
い金属をメッキした粒子、あるいは、非磁性金属粒子も
しくはガラスビーズなどの無機物質粒子またはポリマー
粒子を芯粒子とし、該芯粒子の表面に、鉄、ニッケル、
コバルトなどの強磁性を示す金属のメッキを少なくとも
施した粒子などが挙げられる。芯粒子の表面への金属の
被覆方法については特に制限はないが、たとえば化学メ
ッキ、無電解メッキなどにより行うことができる。
【0032】前記磁性体の被覆量は、芯粒子に対して
0.5〜50重量%が好ましく、より好ましくは1〜3
0重量%、さらに好ましくは2〜25重量%、特に好ま
しくは4〜20重量%である。本発明に係る磁性体粒子
の粒子径は、1〜1000μmであることが好ましく、
より好ましくは2〜500μm、さらに好ましくは5〜
300μm、特に好ましくは10〜200μmである。
【0033】磁性体粒子の形状は、特に限定されるもの
ではないが、球状のもの、星形状のものあるいはこれら
が凝集した2次粒子による塊状のもの、細長い棒状のも
のを用いることができる。なお、本明細書においては、
「配向」とは粒子がほぼ一定の方向に並んでいる場合、
あるいは棒状の炭素繊維等がほぼ一定の方向を向いてい
る場合を意味する。
【0034】前記磁性体粒子の含水率は、5%以下であ
ることが好ましく、より好ましくは3%以下、さらに好
ましくは2%以下、とくに好ましくは1%以下である。
このような条件を満足する磁性体粒子を用いることによ
り、後述する製造方法において、熱伝導性シート用硬化
性組成物を半硬化処理して半硬化熱伝導性シートを得る
際に、半硬化熱伝導性シート内に気泡が生ずることが防
止または抑制される。
【0035】このような磁性体粒子は、熱伝導性シート
用硬化性組成物に対して体積分率で10〜50容量%、
好ましくは15〜40容量%となる割合で用いられるこ
とが好ましい。この割合が10容量%未満であると、磁
性体粒子とともに半硬化熱伝導性シート中の炭素繊維を
磁場方向へ配向せしめることが困難になることがある。
一方、この割合が50容量%を超えると、得られる半硬
化熱伝導性シートおよびこれを硬化した熱伝導性シート
は脆弱なものとなりやすく、また高熱伝導性シートとし
て必要な弾性が得られないことがある。
【0036】このような磁性体粒子と炭素繊維は、熱伝
導性シート用硬化性組成物の全体積中に合計で20〜8
0容量%の量で含まれることが好ましく、さらに好まし
くは30〜60容量%の量で含まれることが望ましい。
また、磁性体粒子の表面がシランカップリング剤などの
カップリング剤で処理されたものも適宜用いることがで
きる。
【0037】炭素繊維 本発明で用いられる炭素繊維は、バインダーよりも高い
熱伝導性を示す炭素繊維であれば特に限定されない。こ
のような炭素繊維としては、たとえば、原料の種類によ
って、セルロース系、PAN系、ピッチ系などの炭素繊
維のうちから選択することができるが、本発明において
は、良好な熱伝導性の観点からピッチ系の炭素繊維を用
いることが好ましい。ピッチ系の炭素繊維のうち、高い
熱伝導性を示すものであれば異方性炭素繊維または等方
性炭素繊維のいずれも使用することができる。
【0038】本発明に係る炭素繊維は、一般に知られて
いる方法によって調製することができ、また、市販の炭
素繊維を用いることができる。このような炭素繊維の直
径は、好ましくは5〜500μm、さらに好ましくは1
0〜200μmである。また、本発明で用いる炭素繊維
の長さは特に限定されないが、半硬化熱伝導性シートお
よび硬化した熱伝導性シート中で厚み方向に配向して、
硬化した熱伝導性シートの伝熱性を高めることができる
ような長さであることが好ましい。
【0039】このような炭素繊維のアスペクト比は、2
〜100であることが好ましく、さらに好ましくは5〜
100、特に好ましくは10〜50であることが望まし
い。このような炭素繊維は、熱伝導性シート用硬化性組
成物に対して体積分率で10〜70%、好ましくは15
〜50%となる割合で用いられることが好ましい。この
割合が10%未満であると、硬化した熱伝導性シートの
熱伝導性を充分には高めることができないことがあり、
一方、この割合が70%を超えると、得られる熱伝導性
シートは脆弱なものとなりやすく、熱伝導性シートとし
て必要な弾性が得られないことがある。
【0040】本発明に係る炭素繊維と磁性体粒子とが、
熱伝導性シート用硬化性組成物の全体積中に含有される
合計量は前述したとおり、熱伝導性シート用硬化性組成
物の全体積中に合計で20〜80容量%の量で含まれる
ことが好ましく、さらに好ましくは30〜60容量%の
量である。表面に磁性体を付着させた炭素繊維 本発明に係る「表面に磁性体を付着させた炭素繊維」
は、前記炭素繊維の表面に前記磁性体が付着された炭素
繊維である。
【0041】このような本発明に係る炭素繊維表面に付
着された磁性体は、後述する方法により、磁場を印加し
た場合に磁場方向に配向しうる程度の磁性を示せば、炭
素繊維表面全体に層状に付着していても、層を形成せず
に炭素繊維表面に一部に付着していてもよく、また、磁
性体の材料、厚みは特に限定されない。また、炭素繊維
に付着した磁性体は、バインダーよりも高い熱伝導性を
有していることが好ましい。
【0042】炭素繊維表面への磁性体の付着方法につい
ては、たとえば化学メッキなどの無電解メッキなどによ
り行うことができる。このような本発明に係る「表面に
磁性体を付着させた炭素繊維」が、熱伝導性シート用硬
化性組成物の全体積中に含有される合計量は、熱伝導性
シート用硬化性組成物の全体積中に合計で2〜70容量
%の量で含まれることが好ましく、さらに好ましくは1
0〜60容量%の量であることが望ましい。
【0043】この割合が2容量%未満であると、硬化し
た熱伝導性シートの熱伝導性を充分には高めることがで
きないことがあり、一方、この割合が70容量%を超え
ると、得られる熱伝導性シートは脆弱なものとなりやす
く、熱伝導性シートとして必要な弾性が得られないこと
がある。また、表面に磁性体を付着させた炭素繊維の表
面がシランカップリング剤などのカップリング剤でさら
に処理されたものも適宜用いることができる。<光開始剤、熱硬化剤> 光開始剤 本発明に係る熱伝導性シート用硬化性組成物には、光硬
化の際に用いる放射線の種類に応じ、たとえば紫外線硬
化による場合には光開始剤などを混合することができ
る。
【0044】このような光開始剤は、本発明に係る光硬
化条件下で、前記熱伝導性シート用硬化性組成物中に含
まれる光硬化性成分を硬化しつつ、かつ熱硬化性成分が
硬化しなければよく、公知の光開始剤を用いることがで
きる。このような光開始剤としては、たとえばベンジ
ル、ジアセチル等のα−ジケトン類;ベンゾイン等のア
シロイン類;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエ
チルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のア
シロインエーテル類;チオキサントン、2,4−ジエチ
ルチオキサントン、チオキサントン−4−スルホン酸、
ベンゾフェノン、4,4(−ビス(ジメチルアミノ)ベ
ンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベン
ゾフェノン等のベンゾフェノン類;アセトフェノン、p
−ジメチルアミノアセトフェノン、α,α’−ジメトキ
シアセトキシベンゾフェノン、2,2’−ジメトキシ−
2−フェニルアセトフェノン、p−メトキシアセトフェ
ノン、2−メチル[4−(メチルチオ)フェニル]−2
−モルフォリノ−1−プロパノン、2−ベンジル−2−
ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−
ブタン−1−オン等のアセトフェノン類;アントラキノ
ン、1,4−ナフトキノン等のキノン類;フェナシルク
ロライド、トリブロモメチルフェニルスルホン、トリス
(トリクロロメチル)−s−トリアジン等のハロゲン化
合物;ジ−t−ブチルパーオキサイド等の過酸化物;
2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフ
ィンオキサイドなどのアシルフォスフィンオキサイド類
等が挙げられる。また、市販品としては、イルガキュア
184、651,500,907、CG1369、CG
24−61、ダロキュア1116,1173(チバ・ス
ペシャルティ・ケミカルズ(株)製)、ルシリンLR8
728,TPO(BASF社製)、ユベクリルP36
(UCB社製)等を挙げることができる。
【0045】このうち、熱伝導性シート用硬化性組成物
に含まれる光硬化性成分が(メタ)アクリル系化合物
で、熱硬化性成分がエポキシ系化合物である場合は、硬
化速度の速いイルガキュア651、ルシリンTPOなどの
光開始剤を好ましく用いることができる。このような光
開始剤の使用量は、実際の硬化速度、可使時間とのバラ
ンスなどを考慮して適量使用することが好ましいが、具
体的には、光硬化性成分100重量部に対して、1〜5
0重量部の割合でバインダーに含まれることが好まし
く、5〜30重量部の割合で含まれることが特に好まし
い。1重量部未満であると、酸素による感度の低下を受
け易く、50重量部を超えると相溶性が悪くなったり、
保存安定性が低下したりする。
【0046】また、このような光開始剤と併用して、光
開始助剤を用いることもできる。光開始助剤を併用する
と、光開始剤単独の使用に比べ、開始反応が促進され、
硬化反応を効率的に行うことができる。このような光開
始助剤としては、通常用いられる光開始助剤を用いるこ
とができる。このような光開始助剤としては、たとえ
ば、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミ
ン、トリイソプロパノールアミン、n-ブチルアミン、N-
メチルジエタノールアミン、ジエチルアミノエチル(メ
タ)アクリレートなどの脂肪族アミン、ミヒラーケト
ン、4,4'-ジエチルアミノフェノン、4-ジメチルアミノ
安息香酸エチル、4-ジメチルアミノ安息香酸エチル、4-
ジメチルアミノ安息香酸イソアミルなどが挙げられる。
【0047】熱硬化剤 本発明に係る熱伝導性シート用硬化性組成物には、熱硬
化性成分の熱硬化を促進させるため熱硬化剤を混合して
もよい。このような本発明に係る熱硬化剤は、公知の熱
硬化剤を用いることができる。このような熱硬化剤とし
ては、アミン類、ジシアンジアミド、二塩基酸ジヒドラ
ジド、イミダゾール類などが挙げられる。
【0048】具体的には、ポリメチレンジアミン、ジエ
チレントリアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、ビ
スヘキサメチレントリアミン、ジエチルアミノプロピル
アミン、ポリエーテルジアミン、1,3-ジアミノシクロヘ
キサン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニ
ルスルホン、4,4'-ヒ゛ス(o-トルイジン)、m-フェニレンジ
アミン、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメ
チルイミダゾール、ブロックイミダゾールなどが挙げら
れる。
【0049】このような熱硬化剤の使用量は、実際の硬
化速度、可使時間とのバランスなどを考慮して適量使用
することが好ましいが、具体的には、熱硬化剤は、熱硬
化性成分100重量部に対して、1〜50重量%の割合
でバインダーに含まれることが好ましく、特に好ましく
は1〜30重量%の割合で含まれることが望ましい。な
お、前記光開始剤および熱硬化剤の添加方法は特に限定
されるものではないが、保存安定性、成分混合時の触媒
の偏在防止などの観点から、バインダーに予め混合して
おくことが好ましい。<その他の添加剤> 本発明においては、熱伝導性シート
用硬化性組成物には、必要に応じて、通常のシリカ粉、
コロイダルシリカ、エアロゲルシリカ、アルミナなどの
無機充填材を含有させることができる。このような無機
充填材を含有させることにより、未硬化時におけるチク
ソ性が確保され、粘度が高くなり、しかも表面に磁性体
を付着させた炭素繊維の組成物中での分散安定性が向上
するとともに、硬化または半硬化後における高熱伝導性
シートの強度を向上させることができる。
【0050】この無機充填材の使用量は特に限定される
ものではないが、あまり多量に使用すると、磁性体粒子
と炭素繊維、または表面に磁性体を付着させた炭素繊維
の磁場による配向を十分に達成できなくなるので好まし
くない。また、本発明の熱伝導性シート用硬化性組成物
には、シランカップリング剤、チタンカップリング剤が
含有されていてもよい。
【0051】さらに、本発明に係る熱伝導性シート用硬
化性組成物は、必要に応じて他の添加剤を配合すること
ができる。このような添加剤としては、たとえば、紫外
線吸収剤、熱重合安定剤、酸化防止剤、熱安定剤、帯電
防止剤、難燃剤、接着性改善剤、防かび剤などが挙げら
れる。<熱伝導性シート用硬化性組成物> 本発明に係る熱伝導
性シート用硬化性組成物の調製方法は、従来公知の方法
をいずれも採用することができ、たとえば、光硬化性成
分と熱硬化性成分とからなるバインダー、磁性体、炭素
繊維、および必要に応じ、光開始剤、熱硬化剤あるいは
無機充填剤などを混合し、混練する方法などが挙げられ
る。
【0052】このような本発明の熱伝導性シート用硬化
性組成物の粘度は、温度25℃において10,000〜1,000,00
0 cpの範囲内であることが好ましい。[半硬化熱伝導性シート] 本発明の前記熱伝導性シート
用硬化性組成物は、ペースト状であることが好ましく、
これをシート状に成形し、該シート状組成物の厚み方向
に磁場を作用させて磁性体および炭素繊維を配向させる
とともに、該シート状組成物に光を照射して、該シート
状組成物中の光硬化性成分を重合、硬化させることによ
り、半硬化状態の熱伝導性シートを形成することができ
る。
【0053】このような半硬化熱伝導性シートの具体例
を、図1および図2を参照しながら説明する。たとえ
ば、図1に示すように、本発明に係る半硬化熱伝導性シ
ート1は、半硬化状態の前記バインダー2中に、磁性体
粒子3と炭素繊維4とが、それぞれ半硬化熱伝導性シー
トの厚みの方向に配向している。また、図2に示すよう
に、本発明に係る半硬化熱伝導性シート1は、半硬化状
態の前記バインダー2中に、表面に磁性体を付着させた
炭素繊維5が、半硬化熱伝導性シートの厚みの方向に配
向している。
【0054】なお図1および図2は、本発明の半硬化熱
伝導性シートの模式図面である。本発明に係る熱伝導性
シート用硬化性組成物をシート状に成形するには、従来
公知の方法が採用できるが、ロール圧延法、流延法ある
いは塗布法などを採用しうる。このようなシート状組成
物の厚さは、最終的なシート状組成物から得られる半硬
化熱伝導性シートをさらに硬化して得られる成形品の用
途により異なり特に制限されないが、通常50μm〜1
000μm程度である。
【0055】本発明に係る熱伝導性シート用硬化性組成
物をシート状にした前記シート状組成物中の磁性体およ
び炭素繊維を、該シート状組成物の厚みの方向に配向さ
せるために印可される磁場の強さは、好ましくは500
〜50000ガウス程度、さらに好ましくは2000〜
20000ガウス程度であり、磁場印加時間は好ましく
は1〜120分程度、さらに好ましくは5〜30分程度
である。
【0056】本発明に係る前記シート状組成物に対し、
可視光線、紫外線、赤外線、遠紫外線、電子線、X線な
どの光を選択的に照射して、硬化に必要なエネルギーを
供給することによって、該シート状組成物中に含まれる
光硬化性成分を重合、硬化して、半硬化状態の熱伝導性
シートを得ることができる。光照射の方法は、特に制限
されず、公知の方法を用いることができ、たとえば、通
常の光重合装置を用いて、前記熱伝導性シートに特定の
波長の紫外線等を照射して行えばよい。光照射に係る光
源は特に限定されないが、紫外線照射による場合、紫外
線発生源として紫外線蛍光灯あるいは高圧水銀灯などを
好ましく用いることができる。紫外線蛍光灯の場合は、
照射時間は2〜3分程度であり、照射距離は5〜10cm
程度であり、高圧水銀灯の場合は、照射時間は10〜2
0秒、照射距離は7〜20cm程度であることが好まし
い。
【0057】本発明において、未硬化のシート状組成物
に磁場を作用させて、磁性体および炭素繊維をシートの
厚み方向に配向させつつ、光重合を行って半硬化熱伝導
性シートを得る工程手順は特に制限されず、磁場の印加
と同時に光照射してもよいし、磁場の印加により磁性体
および炭素繊維をシートの厚み方向に配向させた後、光
照射して該シート状組成物を半硬化させてもよい。磁性
体および炭素繊維を充分に配向させる観点からは、磁場
を印可させてこれらを配向させた後に、光照射して該シ
ート状組成物を半硬化させることが好ましい。
【0058】このような半硬化熱伝導性シートを得る際
の温度は、前記シート状組成物に含まれる熱硬化性成分
が硬化しなければ特に制限されないが、通常室温程度で
行えばよく、好ましくは20〜100℃、さらに好まし
くは20〜60℃であることが望ましい。このような本
発明に係る半硬化熱伝導性シートは、簡便かつ短時間で
成形することができる。
【0059】このようにして得られる半硬化熱伝導性シ
ート中の、バインダー、磁性体、炭素繊維の構成割合
は、前述した熱伝導性シート用硬化性組成物と同様であ
る。このような半硬化熱伝導性シートの厚さは、該半硬
化熱伝導性シートをさらに硬化して得られる成形品の用
途により異なり特に制限されないが、通常50μm〜1
000μm程度である。
【0060】本発明に係る前記熱伝導性シート用硬化性
組成物をシート状にしたシート状組成物は、その表面が
保護フィルムで覆われていてもよく、該保護フィルムで
覆われたシート状組成物を、前記と同様にして、磁場印
加、光照射して半硬化させれば、磁性体および炭素繊維
がシートの厚み方向に配向した、保護フィルム付きの半
硬化熱伝導性シートを形成することができる。
【0061】このような保護フィルム付きの半硬化熱伝
導性シートは、その両面または片面が保護フィルムで覆
われていればよいが、本発明においては、たとえば図3
に示すように該半硬化熱伝導性シート1の両面が保護フ
ィルム6で覆われているものが好ましい。また、たとえ
ば、図4に示すように、2枚の保護フィルムで覆われた
半硬化熱伝導性シート1は、シートの外周部に、2枚の
保護フィルム6を所定距離離間して保持するスペーサー
7を有していてもよい。なお、このようなスペーサーの
材料は特に制限されないが、たとえば、SUSあるいはポ
リエチレンテレフタレートなどを好ましく用いることが
できる。スペーサーの、シートの厚み方向の長さ(厚
さ)、外周方向の長さは、半硬化熱伝導性シートの厚
み、サイズに依存して変更可能で、熱伝導性シート用硬
化性組成物を保持できれば特に制限されない。
【0062】このような保護フィルムの材料は、磁場の
印加、光照射を損なわず、磁場の印加、紫外線等の光照
射によりその保護フィルム材料が著しく劣化しなければ
特に制限されないが、たとえば、透明であって、弾力
性、耐光性を有し、半硬化熱伝導性シートを熱圧着など
に供するために保護フィルムを剥離する場合に容易、か
つ破断することなく剥離できる程度の強度を有している
フィルムが好ましく、たとえば、ポリエチレンテレフタ
レート(PET)、ポリイミド(PI)、ポリエチレン(P
E)などを好ましく用いることができる。
【0063】このような保護フィルムの厚さは特に制限
されないが、半硬化熱伝導性シート剥離の容易性等の観
点から、5〜150μm程度であることが望ましい。こ
のような熱伝導性シート用硬化性組成物を保護フィルム
で覆う方法は特に制限されないが、たとえば、前記熱伝
導性シート用硬化性組成物をロール圧延法によってシー
ト形成する際に、該組成物を保護フィルムで挟み込みな
がら圧延して得ることができる。また、たとえば、スペ
ーサー等により2枚の保護フィルムを並行に所定距離離
間して保持し、該保護フィルム間に前記組成物を充填し
て形成することもできる。また、この際に磁場を印可し
た状態で行ってもよい。
【0064】また、磁場を印可しながら半硬化熱伝導性
シートを形成する工程において、スペーサーを固定した
フィルム面上に前記熱伝導性シート用硬化性組成物を塗
布し、該塗布された熱伝導性シート用硬化性組成物上に
保護フィルムを密着させて、磁場の印加および光照射を
行い、両面が保護フィルムで覆われた半硬化熱伝導性シ
ートを形成することもできる。
【0065】[半硬化熱伝導性シートを用いた発熱体と
放熱部材の接合方法および熱伝導性シートを用いた放熱
構造]本発明に係る放熱構造8は、図面5に示すよう
に、発熱体9と、放熱部材10または回路基板とが、半
硬化性熱伝導性シートが硬化した熱伝導性硬化層11を
介して接着されており、該熱伝導性硬化層には、光硬化
性成分が硬化した成分と、熱硬化性成分が硬化した成分
と、磁性体と、炭素繊維とが含有され、該磁性体と該炭
素繊維とは、該熱伝導性硬化層の厚み方向に配向してい
る。
【0066】このような発熱体としては、半導体素子ま
たは半導体パッケージなどが挙げられる。このような、
半硬化性熱伝導性シートを硬化させた前記熱伝導性硬化
層を介した、前記発熱体と、放熱部材または回路基板と
の接着は、所定の形状に切断した、前記半硬化熱伝導性
シート、あるいは保護フィルムで覆われている半硬化熱
伝導性シートから保護フィルムを剥離した半硬化熱伝導
性シートを、発熱体と、放熱部材または回路基板との間
に挟み込み、次いで該半硬化熱伝導性シート中の熱硬化
性成分を、熱圧着により熱硬化させることにより行うこ
とができる。
【0067】このような熱圧着は、前記放熱構造に係る
発熱体、放熱部材または回路基板、放熱構造内の配線、
バンプその他の部品が、熱圧着に伴う温度、圧力により
変形、損傷あるいは溶解しない範囲で行うことが望まし
く、室温もしくは硬化反応が十分に進まない程度に加熱
した状態で圧力を加えた状態で仮接着し、その後加熱し
て硬化反応を完結させる方法、あるいは圧着時に十分に
加熱して接着と硬化を同時に行う方法など、必要に応じ
て適宜選択することができる。たとえば、熱圧着温度
は、好ましくは 80〜180℃、さらに好ましくは1
00〜160℃、特に好ましくは120〜150℃の範
囲で行うことが望ましい。温度が80℃を下回ると、熱
硬化が円滑に行われず、長時間の反応時間を要すること
があり、温度が180℃を超えると、前記発熱体等に付
着するハンダ等が溶解することがある。また、熱圧着の
圧力は、好ましくは0.1〜5kg/cm2、特に好ましくは
0.5〜2kg/cm2の範囲で行うことが望ましい。圧力が
0.1kg/cm2を下回ると発熱体と放熱部材等の接着が不
十分となることがあり、圧力が5kg/cm2を上回ると、発
熱体である半導体素子などが損傷を受けることがある。
【0068】このような熱圧着の時間は、通常、好まし
くは1分〜120分程度であり、より好ましくは20分
〜60分程度であることが望ましい。このように、本発
明に係る半硬化熱伝導性シートを介して発熱体と放熱部
材等を熱圧着すると、発熱体と放熱部材または回路基板
との接着を充分に行うことができるので、発熱体からの
発熱に伴う部材の膨張、収縮、あるいは外部からの振
動、衝撃等によって、発熱体、放熱部材等が熱伝導性硬
化層から剥離することを防止することが可能であり、放
熱あるいは半導体パッケージの機能の信頼性の向上を図
ることができる。また、このような半硬化熱伝導性シー
トを用いた発熱体と放熱部材等の熱圧着は、半硬化熱伝
導性シートを所定形状に切断して、発熱体と放熱部材等
に挟み込んで行えばよいので、塗布などにより熱伝導性
硬化層を形成する場合に比較して極めて簡便である。さ
らに、本発明に係る半硬化熱伝導性シートを硬化した熱
伝導性硬化層は、弾力性に優れるので、前記の放熱構造
内の部材の膨張、収縮に耐えうる。
【0069】そして、本発明に係る半硬化性熱伝導性シ
ートを硬化した熱伝導性硬化層は、磁性体および炭素繊
維が、該熱伝導性シートの厚み方向に配向されており、
その厚み方向の異方熱伝導性に優れているので、放熱効
率の高い放熱構造を得ることができる。
【0070】
【発明の効果】半発明に係る半硬化熱伝導性シートは、
未硬化の熱硬化性成分を有し、磁性体と炭素繊維が該半
硬化熱伝導性シートの厚み方向に配向しているので、該
半硬化熱伝導性シートを熱圧着して硬化させた熱伝導性
硬化層は、発熱体と放熱部材または回路基板との間の接
着性に優れるとともに、該熱伝導性硬化層の厚み方向の
熱伝導性に優れる。また、該熱伝導性硬化層は、弾力
性、耐久性に優れる。しかも、本発明に係る半硬化熱伝
導性シートは簡便かつ短い成形時間で製造できる。
【0071】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をより詳細に
説明するが、これらの実施例により本発明は限定される
ものではない。
【0072】
【実施例1】[半硬化熱伝導性シートの製造]ポリエチ
レングリコールジメタクリレート(PDE400、共栄社
(株)製)60部とビスフェノールAタイプエポキシ樹
脂 (EP1001、油化シェルエポキシ(株)製)40部の
混合物に対し、光開始剤(イルガキュアー651、チバ
ガイギー(株)製)をメタクリレートに対して3重量
%、イミダゾール系硬化剤(2P4MHZ−PW、四国化成
(株)製)をエポキシ樹脂に対して10重量%添加し、
平均膜厚1μmとなるように表面にニッケル金属を無電
解メッキした、平均直径10μm、平均長さ200μm
のピッチ系炭素繊維(繊維軸方向の熱伝導率1400W
/m・K)を15体積分率(%)加え、真空中で30分
間混合し、熱伝導性シート用硬化性組成物を得た。
【0073】この組成物を、成形品の厚さ方向に磁力線
が通る電磁石の上で、厚さ0.2mmのスペーサを介し
て平行に設置された2枚のPETフィルム(それぞれ50
μm厚)の間に充填してシート成型品を得た。次いで、
成形品の厚さ方向に磁力線が通るように電磁石により、
室温にて約4000ガウスの磁場強度で20分間処理し
たのち、印加を続けながら、シートの上方から、紫外線
照射装置により、紫外線を1分間照射し、半硬化状態の
厚さ0.2mmの熱伝導性シートを得た。 [熱伝導性硬化層の性能評価]次に、この半硬化状態の
熱伝導性シートを、30mm角のシリコーンウェハーと、
厚さ30μmの銅箔の間に挟み込み、上方から、温度を
150℃にしたプレス板を、圧力1kg/cm2の条件で、3
0分間熱圧着した。このウェハー/熱伝導シート/銅箔
からなる圧着体において、下記の方法により、銅箔を、
硬化した熱伝導性硬化層から剥離して剥離強度を測定
し、接着性を評価した。また、熱伝導シートを2枚のテ
フロン(登録商標)フィルム(厚み50μm)にはさん
だ状態で同様な条件で熱硬化を行い、テフロンフィルム
を剥離後に得られた熱伝導シートより熱伝導性硬化層の
熱伝導率を下記の方法で評価した。 <剥離強度試験(接着性試験)>JIS C6481に
準拠した密着強度試験器((株)山本鍍金試験器製)に
より、密着強度を評価した。 <熱伝導率試験>キセノンフラッシュ法によって、得ら
れた熱伝導性硬化層の熱伝導率を測定した。すなわち、
図6(イ)に示すように熱伝対を取り付けた試料(シー
ト:厚さL)にキセノンフラッシュをあて、図6(ロ)
に示すようにキセノンフラッシュをあてた試料面の裏面
の最高上昇温度幅(△Tmax)および△Tm axの1/2の
温度に達する時間(t1/2)などから、試料の熱伝導率
を下記式によって算出した。
【0074】熱伝導率λ(cal/cm・sec・K)=0.13
9(L×Q)/(△Tmax×t1/2) L:試料の厚さ(cm) Q:試料の吸収エネルギー(cal/cm2) △Tmax:試料裏面の最高上昇温度幅(K) t1/2:1/2△Tmaxに達する時間(sec)
【0075】
【実施例2】前記実施例1において、表面にニッケル金
属が付着した炭素繊維の代わりに、平均粒子径40μm
の球状のニッケル粒子を20体積分率(%)、平均直径
20μm、平均長さ200μmのピッチ系炭素繊維(繊
維軸方向の熱伝導率1400W/m・K)を20体積分
率(%)加えた以外は、実施例1と同様にして、半硬化
熱伝導性シートを得た。これを実施例1と同様にして、
熱圧着し、さらに、剥離強度、熱伝導率を測定した。
【0076】
【比較例1】前記実施例1において、ビスフェノールA
タイプエポキシ樹脂を混合せず、ポリエチレングリコー
ルジメタクリレートのみを用い熱伝導性シート用硬化性
組成物を得た。この組成物を、実施例1と同様にシート
状に成形、紫外線硬化することによって半硬化状態の樹
脂シートを得た。得られた半硬化シートを実施例1と同
様にして、熱圧着し、さらに剥離強度、熱伝導率を測定
した。このウェハー/熱伝導シート/銅箔からなる圧着
体において、下記の方法により銅箔を硬化した熱伝導性
硬化層から剥離して剥離強度を測定し、接着性を評価し
た。また、熱伝導シートを2枚のテフロンフィルム(厚
み50μm)にはさんだ状態で同様な条件で熱硬化を行
い、テフロンフィルムを剥離後に得られた熱伝導シート
より熱伝導性硬化層の熱伝導率を下記の方法で評価し
た。
【0077】
【比較例2】前記実施例1において、ポリエチレングリ
コールジメタクリレートを混合せず、ビスフェノールA
タイプエポキシ樹脂のみを用い熱伝導性シート用硬化性
組成物を得た。この組成物を実施例1と同様にしてシー
ト状に成形し、室温にて磁場を印加したのち、温度を1
00℃に上げて1時間硬化させ、厚さ0.2mmの硬化シ
ートを得た。得られた硬化シートを実施例1と同様にし
て、熱圧着し、さらに剥離強度、熱伝導率を測定した。
このウェハー/熱伝導シート/銅箔からなる圧着体にお
いて、下記の方法により銅箔を硬化した熱伝導性硬化層
から剥離して剥離強度を測定し、接着性を評価した。ま
た、熱伝導シートを2枚のテフロンフィルム(厚み50
μm)にはさんだ状態で同様な条件で熱硬化を行い、テ
フロンフィルムを剥離後に得られた熱伝導シートより熱
伝導性硬化層の熱伝導率を下記の方法で評価した。
【0078】
【比較例3】前記実施例1において、表面にニッケル金
属をメッキしていない、平均直径10μm、平均長さ2
00μmのピッチ系炭素繊維(繊維軸方向の熱伝導率1
400W/m・K)を15体積分率(%)加え、真空中
で30分間混合し、熱伝導性シート用硬化性組成物を得
た。この組成物を実施例1と同様にしてシート状に成形
し、紫外線硬化を行い、半硬化状態のシートを得た。得
られた半硬化シートを実施例1と同様にして、熱圧着
し、さらに剥離強度、熱伝導率を測定した。このウェハ
ー/熱伝導シート/銅箔からなる圧着体において、下記
の方法により銅箔を硬化した熱伝導性硬化層から剥離し
て剥離強度を測定し、接着性を評価した。また、熱伝導
シートを2枚のテフロンフィルム(厚み50μm)には
さんだ状態で同様な条件で熱硬化を行い、テフロンフィ
ルムを剥離後に得られた熱伝導シートより熱伝導性硬化
層の熱伝導率を下記の方法で評価した。
【0079】実施例1、2、比較例1、2、3のシート
の剥離強度を、比較例1で得られたシートの剥離強度に
対して、5倍未満の剥離強度のものを×、5倍以上20
倍未満のものを△、20倍以上のものを○として評価し
た。結果を表1に示す。また、実施例1、2、比較例
1、2、3のシートの熱伝導率を、比較例3で得られた
シートの熱伝導率に対して、5倍未満の熱伝導率のもの
を×、5倍以上20倍未満のものを△、20倍以上のも
のを○として評価した。結果を表1に示す。
【0080】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、磁性体粒子と炭素繊維を含有する半硬
化熱伝導性シート断面の模式図である。
【図2】図2は、表面に磁性体が付着した炭素繊維を含
有する半硬化熱伝導性シート断面の模式図である。
【図3】図3は、保護フィルムで覆われた半硬化熱伝導
性シート断面の模式図である。
【図4】図4は、スペーサーを有する保護フィルムで覆
われた半硬化熱伝導性シート断面の模式図である。
【図5】図5は、放熱構造断面の模式図である。
【図6】図6(イ)、(ロ)は、キセノンフラッシュ法
による熱伝導率の測定方法を示した図である。
【符号の説明】
1 半硬化熱伝導性シート 2 半硬化状態のバインダー 3 磁性体粒子 4 炭素繊維 5 表面に磁性体を付着させた炭素繊維 6 保護フィルム 7 スペーサー 8 放熱構造 9 発熱体 10放熱部材 11熱伝導性硬化層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 3/04 C08K 3/04 5E322 7/06 7/06 9/02 9/02 C08L 33/04 C08L 33/04 63/00 63/00 Z 101/00 101/00 C09J 4/02 C09J 4/02 5/06 5/06 7/02 7/02 Z 163/00 163/00 H05K 7/20 H05K 7/20 F (72)発明者 佐 藤 穂 積 東京都中央区築地二丁目11番24号 ジェイ エスアール株式会社内 Fターム(参考) 4F071 AA31 AA33 AA34 AA35 AA42 AB03 AB08 AB18 AD01 AH12 BA09 BB02 BB03 BC01 4J002 BG04W BG05W BG06W BG07W BG07X BG10W BG12W BG13W BQ00W CD02X CD05X CD06X CD19X DA017 DA086 DE096 DE116 EN028 EN078 EN108 EU118 EV218 FA047 FB077 FD010 FD148 GQ00 4J004 AA01 AA02 AA05 AA07 AA11 AA12 AA13 AA14 AA15 AA17 AA18 AA19 AB05 AB07 BA02 BA07 DA03 DB03 FA05 GA01 4J011 AC04 PA03 PA04 PA07 PA36 PA43 PA86 PB04 PB14 PB30 PB40 QA02 QA06 QA34 QA37 QA46 QB16 RA10 SA01 SA02 SA03 SA04 SA12 SA13 SA14 SA21 SA22 SA25 SA31 SA32 SA41 SA42 SA64 SA83 SA84 UA01 UA08 VA01 WA10 XA02 4J040 DD051 DD052 DG051 DG052 EC061 EC062 EC071 EC072 EC231 EC232 EC261 EC262 FA101 FA102 FA111 FA112 FA141 FA142 FA151 FA152 FA161 FA162 FA171 FA221 FA222 GA07 GA11 HA026 HA066 HA136 HB19 HB20 HB21 HB41 HC25 HC26 HD16 HD19 HD23 JA09 JB02 JB08 KA03 KA04 KA07 KA33 LA01 LA08 LA09 NA20 PA30 5E322 EA11 FA06

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光硬化性成分と熱硬化性成分とからなる
    バインダー、磁性体および炭素繊維を含有することを特
    徴とする熱伝導性シート用硬化性組成物。
  2. 【請求項2】 前記磁性体が前記炭素繊維の表面に付着
    されていることを特徴とする請求項1に記載の熱伝導性
    シート用硬化性組成物。
  3. 【請求項3】 前記磁性体が磁性体粒子であることを特
    徴とする請求項1に記載の熱伝導性シート用硬化性組成
    物。
  4. 【請求項4】 前記光硬化性成分が(メタ)アクリル系
    化合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか
    に記載の熱伝導性シート用硬化性組成物。
  5. 【請求項5】 前記熱伝導性シート用硬化性組成物が、
    さらに、光開始剤を含むことを特徴とする請求項1〜4
    のいずれかに記載の熱伝導性シート用硬化性組成物。
  6. 【請求項6】 前記熱硬化性成分がエポキシ系化合物で
    あることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の
    熱伝導性シート用硬化性組成物。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の熱伝導
    性シート用硬化性組成物中の光硬化性成分が硬化した成
    分と、熱硬化性成分とからなるバインダー中に、磁性体
    および炭素繊維が、半硬化した熱伝導性シートの厚み方
    向に配向していることを特徴とする半硬化熱伝導性シー
    ト。
  8. 【請求項8】 前記半硬化熱伝導性シートの表面が、保
    護フィルムで覆われていることを特徴とする請求項7に
    記載の半硬化熱伝導性シート。
  9. 【請求項9】 請求項1〜6のいずれかに記載の熱伝導
    性シート用硬化性組成物をシート状に形成し、 該シート状組成物に、その厚み方向に磁場を作用させ
    て、磁性体および炭素繊維を該シート状組成物の厚み方
    向に配向させつつ、該シート状組成物中の光硬化性成分
    を光硬化させて、半硬化熱伝導性シートを得ることを特
    徴とする半硬化熱伝導性シートの製造方法。
  10. 【請求項10】 熱伝導性シート用組成物が、保護フィ
    ルムで覆われていることを特徴とする請求項9記載の半
    硬化熱伝導性シートの製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項7記載の半硬化熱伝導性シー
    ト、または請求項8に記載の半硬化熱伝導性シートから
    保護フィルムを剥離した半硬化熱伝導性シートを、発熱
    体と、放熱部材または回路基板との間に挟み込み、次い
    で該半硬化熱伝導性シート中の熱硬化性成分を、熱圧着
    により硬化させて得られる熱伝導性硬化層によって、発
    熱体と、放熱部材または回路基板とを接着させることを
    特徴とする発熱体と放熱部材または回路基板との接着方
    法。
  12. 【請求項12】 発熱体と、放熱部材または回路基板と
    が、熱伝導性硬化層を介して接着されており、該熱伝導
    性硬化層には、光硬化性成分を硬化した成分、熱硬化性
    成分を硬化した成分、磁性体および炭素繊維が含有さ
    れ、該磁性体および該炭素繊維が、該熱伝導性硬化層の
    厚み方向に配向していることを特徴とする放熱構造。
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