JP2001291431A - 異方導電性シート用組成物、異方導電性シート、その製造方法および異方導電性シートを用いた接点構造 - Google Patents

異方導電性シート用組成物、異方導電性シート、その製造方法および異方導電性シートを用いた接点構造

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JP2001291431A
JP2001291431A JP2000107845A JP2000107845A JP2001291431A JP 2001291431 A JP2001291431 A JP 2001291431A JP 2000107845 A JP2000107845 A JP 2000107845A JP 2000107845 A JP2000107845 A JP 2000107845A JP 2001291431 A JP2001291431 A JP 2001291431A
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anisotropic conductive
conductive sheet
sheet
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fiber
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Takeo Hara
武 生 原
Shinichiro Iwanaga
永 伸一郎 岩
Hozumi Sato
藤 穂 積 佐
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】導電部の高密度化が可能で、かつ導電部が低抵
抗であり、さらに、耐熱性、耐久性、機械的強度および
半導体素子との密着性に優れた異方導電性シート用組成
物異方導電性シート該シートの製造方法、および該シー
トを用いた接点構造の提供 【解決手段】 異方導電性シート用組成物は、バインダ
ーと、表面に磁性および導電性が付与された繊維とを含
有する。異方導電性シートは、バインダー中に、表面に
磁性および導電性が付与された繊維が、シートの厚み方
向に配向している。異方導電性シートの製造方法は、前
記異方導電性シート用組成物をシート状に形成し、表面
に磁性および導電性が付与された繊維をシートの厚み方
向に配向させつつ、組成物を硬化または半硬化させる。
接点構造は、半導体パッケージの電極部と、回路基板の
配線部とが、前記異方導電性シートを介して電気的に接
続されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、異方導電性シート用組成
物、異方導電性シート、異方導電性シートの製造方法お
よび異方導電性シートを用いた接点構造に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】近年、電気機器あるいは電子機器
の高性能化、小型化、あるいは高密度配線化に伴い、半
導体素子の電極数が増加し、電気回路部品、電気回路基
板等の検査、計測あるいは相互間の電気的接続は微細な
ピッチの電極間を介して行われるようになっている。そ
して、このような半導体素子の電極間もますます微細化
する傾向にあり、半導体素子の基板への実装ならびにそ
の検査において、微細化した電極間を、短絡なく、低抵
抗で、確実に接続することが大きな課題となってきてい
る。
【0003】これに対応して、ハンダ付けあるいは機械
的嵌合などの手段を用いずにコンパクトな電気的接続を
達成し、機械的な衝撃や歪みを吸収してソフトな接続を
可能とするような異方導電性シートの開発が試みられて
いた。たとえば、特公昭56−48951号公報、特開
昭51−93393号公報、特開昭53−147772
号公報、特開昭54−146873号公報には、シート
の厚さ方向にのみ導電性を示すもの、あるいは加圧され
た際に厚さ方向にのみ導電性を示す多数の加圧導電性導
電部を有するような種々の構造の異方導電性シートが記
載されており、このような異方導電性シートは、回路基
板等の電気検査等の際に電極を傷つけることなく、確実
な電気的接続を達成できる点で有効であり、また、この
うち、樹脂中に導電性粒子を有し、該導電性粒子がシー
トの厚み方向に配向して導電部を形成しているような異
方導電性シートは、特に、微細化した電極ピッチの接続
に有効であった。
【0004】しかしながら、電子回路基板等の電極寸法
や電極間寸法のさらなる微細化、高密度化の進展に対応
して、異方導電性シートの導電部においても、一層の微
細化が求められるようになってきていた。たとえば、半
導体素子等の導電部のピッチ間隔は、これまで500μ
m程度であったものが、100μmあるいはそれ以下の
ピッチ間隔の電子回路基板等も現れるなど、半導体素子
等の導電部の電極間が一層微細化してきており、磁性体
粒子のシートの厚み方向への配向等よって形成される異
方導電性シートの導電部と、半導体素子等の導電部との
電気的接続を正確かつ確実に確保するためには、異方導
電性シート中の導電部の間隔を、たとえば数十μm程度
の間隔にするなど異方導電性シートの導電部を一層高密
度化することが必要となってきていた。
【0005】このため、樹脂中に導電性粒子を有し、該
導電性粒子がシートの厚み方向に配向して導電部を形成
しているような異方導電性シートにおいては、異方導電
性シートに含まれる導電性粒子自体を微細化して、該導
電性微粒子を厚み方向に配向させた異方導電性シートの
開発が試みられていた。しかしながら、このような微細
な導電性粒子を用いて異方導電性シートの導電部の間隔
の微細化を行っても、導電性粒子の微細化にともない異
方導電性シートの厚み方向に配向した導電性粒子同士の
間の接触抵抗が増大し、導電性の低下をもたらすという
問題点があった。また、異方導電性シートの導電部を高
密度化する場合には、異方導電性シートの成形時におけ
る導電性粒子の配向性が重要な要素となるが、配向精度
の問題から、厚み方向に配向した導電性粒子の列からな
る導電部の接触頻度が高まり、シートの厚みと垂直方向
の絶縁性が低下することがあるなどの問題点もあった。
さらに、このような微細な導電性粒子間の接触抵抗の低
減あるいは、導電部同士の接触を低減させるため、異方
導電性シートの薄膜化が試みられたが、薄膜化すると導
電性シート厚のばらつき、シートの歪み等が生じるとと
もに、異方導電性シートの耐久性が低下するという問題
点があった。
【0006】そこで、本発明者らは、上記問題を解決す
べく鋭意研究し、硬化または半硬化状態にあるバインダ
ー中に、磁場への配向性付与のための磁性体および導電
性付与のための貴金属が表面に付着された繊維が、シー
トの厚み方向に配向している異方導電性シートを用いれ
ば、異方導電性シートの導電部のピッチ間隔を微細化す
ることが可能で、しかも導電性粒子間の接触抵抗を著し
く低減できるので、低抵抗を維持したまま、異方導電性
シートの厚膜化が可能であるとともに、シートの厚み方
向の導電性に優れたシートが得られることを見出した。
また、該異方導電性シートは、耐熱性、耐久性および機
械的強度に優れ、しかも半導体素子との密着性にも優れ
ていることを見出し、本願発明を完成するに至った。
【0007】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に伴う
問題点を解決しようとするものであって、異方導電性シ
ートの導電部の高密度化が可能で、かつ導電部が低抵抗
であって厚み方向の異方導電性が高く、耐熱性、耐久
性、機械的強度および半導体素子との密着性に優れた異
方導電性シートおよびその製造方法を提供することを目
的としている。また、本発明は、このような異方導電性
シートを製造しうるような異方導電性シート用組成物を
提供することを目的としている。さらに本発明は、この
ような異方導電性シートを用いた接点構造を提供するこ
とを目的としている。
【0008】
【発明の概要】本発明に係る異方導電性シート用組成物
は、バインダーと、表面に磁性および導電性が付与され
た繊維とを含有することを特徴としている。また、本発
明に係る異方導電性シートは、バインダー中に、表面に
磁性および導電性が付与された繊維が、シートの厚み方
向に配向していることを特徴としている。前記磁性およ
び導電性が付与された繊維は、表面に磁性体および貴金
属が付着された繊維であることが好ましい。また、前記
表面に磁性体および貴金属が付着された繊維は、表面に
磁性体が付着された繊維の表面にさらに貴金属が付着さ
れていることが好ましい。前記繊維のアスペクト比は、
2〜100であることが好ましい。前記表面に磁性およ
び導電性が付与された繊維は、前記異方導電性シートの
全体積中に2〜50容量%の量で含まれることを特徴と
している。前記繊維は、炭素繊維であることが好まし
い。前記バインダーが、光硬化性成分および/または熱
硬化性成分からなることが好ましい。
【0009】本発明に係る異方導電性シートの製造方法
は、前記異方導電性シート用組成物をシート状に形成
し、該シート状組成物に、該シート状組成物の厚み方向
に磁場を作用させて、表面に磁性および導電性が付与さ
れた繊維をシートの厚み方向に配向させつつ、該シート
状組成物を硬化または半硬化させることを特徴としてい
る。
【0010】本発明に係る異方導電性シートを用いた接
点構造は、半導体素子または半導体パッケージの電極部
と、回路基板の配線部とが、前記異方導電性シートを介
して電気的に接続されていることを特徴としている。
【0011】
【発明の具体的説明】本発明に係る異方導電性シート
は、本発明に係る異方導電性シート用組成物からなり、
バインダー中に磁性および導電性が付与された繊維が、
シートの厚み方向に配向している。以下に、まず本発明
に係る異方導電性シート用組成物について説明する。
【0012】なお、本明細書においては、「配向」とは
棒状の繊維等がほぼ一定の方向を向いている場合を意味
する。<異方導電性シート用組成物> 本発明に係る異方導電性
シート用組成物は、バインダーと、表面に磁性および導
電性が付与された繊維とを含有し、必要に応じ、光開始
剤、熱硬化剤、その他の添加剤などからなる。
【0013】[バインダー]本発明の異方導電性シート
を形成する異方導電性シート用組成物には、バインダー
としては、ゴム状重合体あるいは樹脂状重合体のいずれ
でも使用可能で、硬化または半硬化前の状態で液状であ
るバインダーを好ましく用いることができる。また、バ
インダーには、光硬化性成分および/または熱硬化性成
分を添加することもでき、さらに、バインダー成分であ
るゴム状重合体あるいは樹脂状重合体が光硬化性成分お
よび/または熱硬化性成分を兼ねることもできる。以下
に、本発明に用いられるゴム状重合体、樹脂状重合体、
光硬化性成分および熱硬化性成分について説明する。 (ゴム状重合体)本発明で用いられるゴム状重合体とし
ては、具体的には、ポリブタジエン、天然ゴム、ポリイ
ソプレン、SBR,NBRなどの共役ジエン系ゴムおよ
びこれらの水素添加物、スチレンブタジエンジエンブロ
ック共重合体、スチレンイソプレンブロック共重合体な
どのブロック共重合体およびこれらの水素添加物、クロ
ロプレン、ウレタンゴム、ポリエステル系ゴム、エピク
ロルヒドリンゴム、シリコーンゴム、エチレンプロピレ
ン共重合体、エチレンプロピレンジエン共重合体などが
挙げられる。これらのうち、成形加工性、耐候性、耐熱
性などの点から、特にシリコーンゴムが好ましい。
【0014】ここでシリコーンゴムについてさらに詳細
に説明する。シリコーンゴムとしては、液状シリコーン
ゴムを用いることが好ましい。液状シリコーンゴムは、
縮合型、付加型などのいずれであってもよい。具体的に
はジメチルシリコーン生ゴム、メチルフェニルビニルシ
リコーン生ゴムあるいはそれらがビニル基、ヒドロキシ
ル基、ヒドロシリル基、フェニル基、フルオロ基などの
官能基を含有したものなどを挙げることができる。 (樹脂状重合体)本発明に係る樹脂状重合体としては、
具体的には、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン
樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などが使用可能である。
このうち、エポキシ樹脂を用いることが好ましい。
【0015】エポキシ樹脂としては、1分子中に2個以
上のエポキシ基を有するものが好ましく、たとえば、フ
ェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラ
ック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹
脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノール
AD型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、あるいはポ
リグリシジル(メタ)アクリレート、グリシジル(メ
タ)アクリレートと他の共重合モノマーとの共重合体な
どが挙げられる。 (光硬化性成分)本発明に係る光硬化性のバインダーと
しては、紫外線、電子線等により硬化する光ラジカル重
合性、光カチオン重合性、配位光重合性、光重付加反応
性であるモノマー、オリゴマー、プレポリマーまたはポ
リマーが挙げられる。このような光硬化性のモノマー、
オリゴマー、プレポリマーまたはポリマーとしては、前
記シアノ基含有ビニル化合物、(メタ)アクリルアミド
化合物および(メタ)アクリル酸エステルなどの(メタ)
アクリル系化合物、ビニルエーテル−マレイン酸共重合
体等の光ラジカル重合性、チオール−エン系化合物等の
光重付加反応性のものが好ましく、このうち、(メタ)ア
クリル系化合物が特に好ましい。本発明に係る光硬化性
成分としては、このうち光硬化に要する時間が短時間で
ある(メタ)アクリル系化合物のモノマーが好ましく用い
られる。
【0016】このような(メタ)アクリル系化合物の光重
合性のモノマー、オリゴマー、プレポリマーあるいはポ
リマーを誘導しうるモノマーとしては、具体的には、ア
クリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアノ基含
有ビニル化合物、(メタ)アクリルアミド化合物および
(メタ)アクリル酸エステルなどが挙げられる。前記
(メタ)アクリルアミド化合物、(メタ)アクリル酸エ
ステル類としては、前記したものが挙げられ、具体的に
は、前記(メタ)アクリルアミド化合物としては、アク
リルアミド、メタクリルアミド、N,N−ジメチルアク
リルアミドなどが挙げられ、これらは単独であるいは混
合して用いられる。
【0017】前記(メタ)アクリル酸エステル類として
は、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アク
リレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘ
キシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベ
ンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メ
タ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレー
ト、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデ
カニル(メタ)アクリレートなどの単官能(メタ)アク
リレートが挙げられ、これらは単独であるいは混合して
用いられる。
【0018】また、多官能性(メタ)アクリレートとし
ては、たとえば、エチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ト
リエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラ
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3-ブタ
ンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジ
オールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコー
ルジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオール
ジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ
(メタ)アクリレート、1,10-デカンジオールジ
(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリ
レート、ビスフェノールAのエチレンオキサイド、プロ
ピレンオキサイド付加物のジアクリレート、ビスフェノ
ールA−ジエポキシ−アクリル酸付加物などの2官能
(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ
(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メ
タ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレー
トなどの3官能(メタ)アクリレートが挙げられる。こ
れらのうち、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、
ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリ
セロールジ(メタ)アクリレートなどのジ(メタ)アク
リレートが好ましく用いられる。
【0019】これらは単独であるいは混合して用いられ
る。 (熱硬化性成分)本発明に係るバインダーとして好まし
く用いることのできる前記熱硬化性成分としては、熱に
より硬化する官能基を有するモノマー、オリゴマー、プ
レポリマーまたはポリマーが挙げられる。
【0020】このような官能基として、エポキシ基、水
酸基、カルボキシル基、アミノ基、イソシアネート基、
ビニル基、ヒドロシリル基などが挙げられ、反応性の点
からエポキシ基、ビニル基、ヒドロシリル基が好まし
い。このような官能基を有するモノマー、オリゴマー、
プレポリマーあるいはポリマーとしては、たとえば、エ
ポキシ系化合物、ウレタン系化合物、シリコーン系化合
物などが挙げられる。このうち、熱硬化時間の短縮の観
点からエポキシ系化合物およびシリコーン系化合物を用
いることが好ましく、さらにエポキシ系化合物またはシ
リコーン系化合物は、エポキシ基、ビニル基またはヒド
ロシリル基を分子中に2個以上有していることが望まし
い。
【0021】このようなエポキシ系化合物の分子量は特
に限定されないが、通常、70〜20,000であり、
好ましくは300〜5000であることが望ましく、具
体的には、前記エポキシ系化合物のオリゴマー、プレポ
リマーまたはポリマーなど一定の分子量以上を有する各
種エポキシ樹脂が好ましく用いられる。このようなエポ
キシ系化合物としては、具体的には、たとえば、前記し
たフェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノ
ボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ
樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノー
ルAD型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、あるいは
ポリグリシジル(メタ)アクリレート、グリシジル(メ
タ)アクリレートと他の共重合モノマーとの共重合体な
どが挙げられる。
【0022】なお、これらのフェノールノボラック型エ
ポキシ樹脂等を熱硬化性成分として用いるときは、同時
に樹脂状重合体成分を兼ねることもできる。シリコーン
系化合物としては、前記ビニル基を含有したシリコーン
ゴムを挙げることができ、硬化剤として用いるヒドロシ
リル基含有化合物との反応性から、ビニル基含有シリコ
ーン型を好ましいシリコーン系化合物として挙げること
ができる。これらのシリコーン系化合物を熱硬化性成分
として用いるときには、同時にゴム状重合体成分を兼ね
ることもできる。
【0023】なお、ゴム状重合体成分も兼ねることので
きるシリコーン系化合物の市販品としては、硬化剤であ
るヒドロシリル化合物を含有した、室温硬化型の二液タ
イプの付加型熱硬化性液状シリコーンゴムを挙げること
ができる。これらの樹脂は単独で、あるいは混合して用
いられる。 (光硬化性成分および熱硬化性成分の併用)本発明に係
るバインダーとして、前記光硬化性成分と前記熱硬化性
成分とは、併用して用いることもできる。このような併
用系においては、前記熱硬化性成分は、光硬化条件下に
おいては硬化しないことが好ましい。このように、本発
明に係るバインダーとして前記光硬化性成分と前記熱硬
化性成分とを併用する場合、その混合割合(光硬化性成
分/熱硬化性成分)は、好ましくは80/20〜20/
80重量%、さらに好ましくは70/30〜30/70
重量%、特に好ましくは40/60〜40/60重量%
であることが望ましい。前記光硬化性成分と前記熱硬化
性成分とがこのような範囲にあると、半硬化状態の異方
導電性シート中での磁性および導電性が表面に付与され
た繊維の該シートの厚み方向への配向が充分になされる
とともに、該シートを硬化させると優れた接着性を有す
る異方導電性シートを得ることができる。
【0024】本発明に係るこのような光硬化性成分と熱
硬化性成分としては、前記(メタ)アクリル系化合物と
エポキシ系化合物との組み合わせが、半硬化状態の異方
導電性シートの成形時間の短縮、優れた接着性の観点な
どから好ましい。このような光硬化性成分と熱硬化性成
分の混合方法は特に制限されないが、たとえば、光硬化
性成分として前記アクリル系化合物モノマーを用い、熱
硬化性成分として前記エポキシ系樹脂を用いる場合、ア
クリル系化合物モノマーに、エポキシ樹脂を溶解して混
合することができる。
【0025】なお、本発明に係るバインダーの成分とし
て、光硬化性の官能基と、光硬化条件下で硬化しない熱
硬化性の官能基とを1分子中に含む化合物を用いて、両
成分を兼ねることもできる。このような光硬化性の官能
基を含有する化合物として前記(メタ)アクリル化合
物、熱硬化性の官能基として前記エポキシ基等が挙げら
れ、両成分を兼ねることのできる具体的な化合物として
は、グリシジル(メタ)アクリルアミドなどのエポキシ
(メタ)アクリルアミド、グリシジル(メタ)アクリレ
ート、3,4-エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレー
トなどのエポキシ(メタ)アクリレートなどが挙げられ
る。
【0026】また、不飽和二重結合を有する反応性モノ
マーもバインダー成分として含有することができ、この
ような反応性モノマーとしては、たとえば、ヒドロキシ
スチレン、イソプロペニルフェノール、スチレン、α−
メチルスチレン、p−メチルスチレン、クロロスチレ
ン、p−メトキシスチレンなどの芳香族ビニル化合物、
ビニルピロリドン、ビニルカプロラクタムなどのヘテロ
原子含有脂環式ビニル化合物が挙げられる。 (光開始剤)本発明に係る異方導電性シート用組成物に
は、前記光硬化成分の硬化の際に用いる放射線の種類に
応じ、たとえば紫外線硬化による場合には光開始剤など
を混合することができる。
【0027】このような光開始剤は、本発明に係る光硬
化条件下で、前記異方導電性シート用組成物中に含まれ
る光硬化性成分を硬化させるものであればよく、また、
光硬化性成分と熱硬化性成分とを併用する場合は、光硬
化性成分を硬化させ、かつ熱硬化性成分が硬化しなけれ
ばよく、公知の光開始剤を用いることができる。このよ
うな光開始剤としては、たとえばベンジル、ジアセチル
等のα−ジケトン類;ベンゾイン等のアシロイン類;ベ
ンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、
ベンゾインイソプロピルエーテル等のアシロインエーテ
ル類;チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサント
ン、チオキサントン−4−スルホン酸、ベンゾフェノ
ン、4,4(−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノ
ン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン
等のベンゾフェノン類;アセトフェノン、p−ジメチル
アミノアセトフェノン、α,α’−ジメトキシアセトキ
シベンゾフェノン、2,2’−ジメトキシ−2−フェニ
ルアセトフェノン、p−メトキシアセトフェノン、2−
メチル[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォ
リノ−1−プロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルア
ミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1
−オン等のアセトフェノン類;アントラキノン、1,4
−ナフトキノン等のキノン類;フェナシルクロライド、
トリブロモメチルフェニルスルホン、トリス(トリクロ
ロメチル)−s−トリアジン等のハロゲン化合物;ジ−
t−ブチルパーオキサイド等の過酸化物;2,4,6−
トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイ
ドなどのアシルフォスフィンオキサイド類等が挙げられ
る。また、市販品としては、イルガキュア184、65
1,500,907、CG1369、CG24−61、
ダロキュア1116,1173(チバ・スペシャルティ
・ケミカルズ(株)製)、ルシリンLR8728,TP
O(BASF社製)、ユベクリルP36(UCB社製)
等を挙げることができる。
【0028】このうち、バインダーとして光硬化性成分
と熱硬化性成分とを併用する場合に、異方導電性シート
用組成物に含まれる光硬化性成分が(メタ)アクリル系
化合物で、熱硬化性成分がエポキシ系化合物である場合
は、硬化速度の速いイルガキュア651、ルシリンTPO
などの光開始剤を好ましく用いることができる。このよ
うな光開始剤の使用量は、実際の硬化速度、可使時間と
のバランスなどを考慮して適量使用することが好ましい
が、具体的には、光硬化性成分100重量部に対して、
1〜50重量部の割合でバインダーに含まれることが好
ましく、5〜30重量部の割合で含まれることが特に好
ましい。1重量部未満であると、酸素による感度の低下
を受け易く、50重量部を超えると相溶性が悪くなった
り、保存安定性が低下したりする。
【0029】また、このような光開始剤と併用して、光
開始助剤を用いることもできる。光開始助剤を併用する
と、光開始剤単独の使用に比べ、開始反応が促進され、
硬化反応を効率的に行うことができる。このような光開
始助剤としては、通常用いられる光開始助剤を用いるこ
とができる。このような光開始助剤としては、たとえ
ば、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミ
ン、トリイソプロパノールアミン、n-ブチルアミン、N-
メチルジエタノールアミン、ジエチルアミノエチル(メ
タ)アクリレートなどの脂肪族アミン、ミヒラーケト
ン、4,4'-ジエチルアミノフェノン、4-ジメチルアミノ
安息香酸エチル、4-ジメチルアミノ安息香酸エチル、4-
ジメチルアミノ安息香酸イソアミルなどが挙げられる。 (熱硬化剤)本発明に係る異方導電性シート用組成物に
は、熱硬化性成分の熱硬化を促進させるため熱硬化剤を
混合してもよい。このような本発明に係る熱硬化剤は、
公知の熱硬化剤を用いることができる。このような熱硬
化剤としては、アミン類、ジシアンジアミド、二塩基酸
ジヒドラジド、イミダゾール類、ヒドロシリル化合物、
ビニルシリル化合物などが挙げられる。
【0030】具体的には、ポリメチレンジアミン、ジエ
チレントリアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、ビ
スヘキサメチレントリアミン、ジエチルアミノプロピル
アミン、ポリエーテルジアミン、1,3-ジアミノシクロヘ
キサン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニ
ルスルホン、4,4'-ヒ゛ス(o-トルイジン)、m-フェニレンジ
アミン、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメ
チルイミダゾール、ブロックイミダゾール、両末端ヒド
ロシリル基含有ポリジメチルシロキサン、両末端ビニル
基含有ポリジメチルシロキサンなどが挙げられる。
【0031】このような熱硬化剤の使用量は、実際の硬
化速度、可使時間とのバランスなどを考慮して適量使用
することが好ましいが、具体的には、熱硬化剤は、熱硬
化性成分100重量部に対して、1〜50重量部の割合
でバインダーに含まれることが好ましく、特に好ましく
は1〜30重量部の割合で含まれることが望ましい。な
お、前記光開始剤および熱硬化剤の添加方法は特に限定
されるものではないが、保存安定性、成分混合時の触媒
の偏在防止などの観点から、バインダーに予め混合して
おくことが好ましい。
【0032】[表面に磁性および導電性が付与された繊
維]本発明に係る、「表面に磁性および導電性が付与さ
れた繊維」は、本発明に係る異方導電性シート用組成物
に磁場を印可した際に、該繊維を磁場により配向しうる
ような磁性が付与されているとともに、導電性が付与さ
れている繊維である。このような磁性および導電性の繊
維への付与は、たとえば、磁性および導電性の両性質を
兼ね備えた金属を繊維に付着させてもよく、磁性を有す
る磁性体と導電性の高い金属との合金を付着させてもよ
く、あるいは、磁性を有する磁性体および導電性を有す
る貴金属を前記繊維に付着させてもよい。このうち、本
発明においては、磁性体および貴金属を表面に付着させ
た繊維が、材料選択の容易性、経済性等の観点から好ま
しい。以下に、本発明に係る「表面に磁性体および貴金
属が付着された繊維」についてさらに詳細に説明する。 (繊維)本発明に係る繊維としては、本発明に係る異方
導電性シート用組成物に磁場を印可した際に、該表面に
磁性および導電性が付与された繊維が、屈折、破断なく
磁場方向にほぼ平行に配向しうる程度の強度を一定の直
径のもとに有し、また、本発明に係る異方導電性シート
を形成あるいは使用する際に必要に応じ加えられる熱に
対する耐性を有する(たとえば、融点が100℃以上)
ものであれば特に限定されない。
【0033】このような繊維としては、公知の再生繊
維、合成繊維が挙げられ、たとえば、レーヨンなどから
なる再生繊維;ナイロン6、ナイロン66などの脂肪族
ポリアミド、ポリエステル(PET)、ポリアクリロニト
リル(PAN)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリプロ
ピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン
(PE)などの合成繊維;ポリメタフェニレンイソフタル
アミド(PMIA)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、
超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、ポリオキシメチレ
ン(POM)などのいわゆる耐熱性の高い高分子からなる
繊維;芳香族ポリアミド、芳香族ポリエステル、ポリイ
ミド、ポリパラフェニレンベンゾビスチアゾールなどの
複素環状高分子などのいわゆる高弾性率、高強度な高分
子からなる繊維;炭素繊維、ガラス繊維などが挙げられ
る。
【0034】このうち、耐熱性、強度などの観点から
は、たとえば、全芳香族ポリアミド、全芳香族ポリエス
テル、ポリイミド、複素環状高分子、炭素繊維、ガラス
繊維が好ましく、さらに炭素繊維、複素環状高分子、ポ
リイミド、全芳香族ポリアミドなどを特に好ましく用い
ることができる。このうち、高い熱伝導性を有する繊維
として、たとえば、炭素繊維などを用いると、本発明に
係る異方導電性シートに、シートの厚み方向の高い熱伝
導性をさらに付与することができる。したがって、耐熱
性等のみならず熱伝導性も必要な場合には、繊維として
炭素繊維を用いることが好ましい。たとえば、このよう
な炭素繊維としては、原料の種類によって、セルロース
系、PAN系、ピッチ系などの炭素繊維のうちから選択
することができ、良好な熱伝導性を付加する観点から
は、ピッチ系の炭素繊維を用いることが好ましい。ピッ
チ系の炭素繊維のうち、高い熱伝導性を示すものであれ
ば異方性炭素繊維または等方性炭素繊維のいずれも使用
することができる。さらに、異方導電性シートの熱伝導
性を高める観点からは、このような炭素繊維は、繊維方
向の熱伝導率(W m-1-1)は100以上であること
が好ましく、さらに好ましくは1400以上であること
が望ましい。
【0035】このような本発明に係る繊維の直径は、好
ましくは5〜500μm、さらに好ましくは10〜20
0μmである。また、本発明で用いる繊維の長さは特に
限定されないが、表面に磁性および導電性が付与された
繊維が、異方導電性シート中でシートの厚み方向に配向
して、異方導電性シートの厚み方向の導電性を高めるこ
とができるような長さであることが好ましい。このよう
な繊維のアスペクト比は、2〜100であることが好ま
しく、さらに好ましくは5〜100、特に好ましくは1
0〜50であることが望ましい。また、本発明に係る繊
維は、磁性体あるいは貴金属などを付着できれば特に制
限されないが、効率的にこれらを付着させる観点から
は、円筒形状のものが好ましく用いられる。 (磁性体および貴金属)本発明に係る磁性を付与する材
料としては磁性体が好ましく、このような磁性体は、後
述する方法により、磁場を印加した場合に磁場方向に配
向しうる程度の磁性を示せば、繊維表面全体に層状に付
着していても、層を形成せずに繊維表面に一部に付着し
ていてもよく、また、磁性体の材料、厚みは特に限定さ
れない。
【0036】このような磁性体に用いる材料としては、
たとえば、鉄、コバルト、ニッケルなどの強磁性を示す
金属もしくは該金属からなる合金が挙げられ、さらに、
鉄、コバルト、ニッケルなどの強磁性を示す金属を含有
する金属間化合物あるいは該金属の金属酸化物などの金
属化合物が挙げられる。繊維表面への磁性体の付着方法
については、たとえば化学メッキなどの無電解メッキな
どにより行うことができる。
【0037】繊維に導電性を付与するような材料として
は、空気中で酸化され難く、高い導電性を有する貴金属
が好ましく、このような貴金属としては、たとえば、
金、銀、ルテニウム、パラジウム、ロジウム、オスミウ
ム、イリジウム、白金などが挙げられ、好ましくは、
金、銀である。このような貴金属は、異方導電性シート
が導電性を有するよう繊維表面に付着していれば、繊維
表面全体に膜状に付着していても、表面全体でなくても
よい。
【0038】繊維表面への貴金属の付着方法について
は、たとえば化学メッキなどの無電解メッキなどにより
行うことができる。前記磁性体と前記貴金属を繊維に付
着させる順序は特に限定されないが、本発明に係る異方
導電性シートがより良好な導電性を発揮しうる観点から
は、まず、磁性体を繊維表面に付着させ、その上に貴金
属を付着させることが好ましい。また、貴金属は酸化し
にくいことから、磁性体が酸化しやすい場合には、繊維
表面に付着させた磁性体の表面に、さらに貴金属を付着
させることによって、磁性体の酸化防止にも寄与する。
【0039】なお、導電性の向上の観点からは、磁性体
自体が導電性を有していてもよい。このような前記磁性
体および貴金属が表面に付着した繊維としては、たとえ
ば、炭素繊維表面に磁性体としてニッケルを付着し、そ
の表面に金あるいは銀などの貴金属を付着させた繊維が
挙げられる。磁性体の繊維への付着率(付着面積率)
は、特に限定されず、前述したとおり、後述する方法に
より、磁場を印加した場合に磁場方向に配向しうる程度
の磁性を示せば特に限定されないが、たとえば、繊維表
面における磁性体の付着率(付着面積比)は30%以上
であるものが好ましく、さらに好ましくは50%以上、
特に好ましくは80%以上であることが望ましい。ま
た、磁性体を繊維表面上に付着させる際の膜厚は、たと
えば、0.01〜10μm、好ましくは0.1〜5μ
m、特に好ましくは0.2〜1μmであることが望まし
い。
【0040】貴金属の繊維への付着率(付着面積比)
は、好ましくは30%以上、さらに好ましくは50%以
上、特に好ましくは80%以上であることが望ましい。
また、貴金属を繊維表面上に付着させる際の膜厚として
は、たとえば、0.01〜2μm、好ましくは0.02
〜1μm、特に好ましくは0.05〜0.5μmである
ことが望ましい。
【0041】このような範囲の量、厚さの磁性体が付着
されていると、磁性体および貴金属が付着された繊維
を、厚み方向に十分に配向させることができるので、得
られる異方導電性シートのシートの厚み方向の導電性を
高いものとすることができる。また、このような範囲の
量、厚さの貴金属が付着された繊維がこのような割合で
含まれていると、該磁性体および貴金属が付着された繊
維が厚み方向に配向した異方導電性シートは、シートの
厚み方向の抵抗が小さく、優れた導電性を示し、十分な
電気的接触を得ることができる。また、表面に磁性体お
よび貴金属が付着された繊維の表面が、シランカップリ
ング剤などのカップリング剤でさらに処理されたものも
適宜用いることができる。表面に磁性体および貴金属が
付着された繊維の表面がカップリング剤でさらに処理さ
れていると、表面に磁性体および貴金属が付着された繊
維と前記バインダーとの接着性が高くなり、その結果、
得られる異方導電性シートは、耐久性が高いものとな
る。
【0042】このような「表面に磁性および導電性が付
与された繊維」が、異方導電性シート用組成物の全体積
中に含有される量は、異方導電性シート用組成物の全体
積中に合計で2〜50容量%の量であることが好まし
く、さらに好ましくは5〜30容量%の量であることが
望ましい。この割合が2容量%未満であると、異方導電
性シート用組成物を硬化した異方導電性シートの厚み方
向の導電性を充分には高めることができないことがあ
り、一方、この割合が50容量%を超えると、得られる
異方導電性シートは、シートの厚み方向と垂直方向の絶
縁性が不十分となる場合があり、かつ脆弱なものとなり
やすい。
【0043】[その他の添加剤]本発明においては、異
方導電性シート用組成物には、必要に応じて、通常のシ
リカ粉、コロイダルシリカ、エアロゲルシリカ、アルミ
ナなどの無機充填材を含有させることができる。このよ
うな無機充填材を含有させることにより、未硬化時にお
けるチクソ性が確保され、粘度が高くなり、しかも表面
に磁性体を付着させた繊維の組成物中での分散安定性が
向上するとともに、硬化または半硬化後における異方導
電性シートの強度を向上させることができる。
【0044】また、前記異方導電性シート用組成物に
は、シランカップリング剤、チタンカップリング剤が含
有されていてもよく、さらに、必要に応じて、紫外線吸
収剤、熱重合安定剤、酸化防止剤、熱安定剤、帯電防止
剤、難燃剤、接着性改善剤、防かび剤などの添加剤を含
有していてもよい。このような上記その他の添加剤の使
用量は特に限定されるものではないが、あまり多量に使
用すると、表面に磁性および導電性が付与された繊維の
磁場による配向を十分に達成できなくなることがある。
【0045】[異方導電性シート用組成物の調製]本発
明に係る異方導電性シート用組成物の調製は、従来公知
の方法をいずれも採用することができ、たとえば、バイ
ンダー、表面に磁性および導電性が付与された繊維、あ
るいは必要に応じ、磁性体、光開始剤、熱硬化剤あるい
は無機充填剤などを混合し、混練する方法などが挙げら
れる。
【0046】このような本発明の異方導電性シート用組
成物の粘度は、温度25℃において10,000〜1,000,000 c
pの範囲内であることが好ましく、また、このような異
方導電性シート用組成物は、ペースト状であることが好
ましい。本発明に係る異方導電性シート用組成物をシー
ト状に成形するには、従来公知の方法が採用できるが、
ロール圧延法、流延法あるいは塗布法などを採用しう
る。
【0047】このようなシート状組成物の厚さは、異方
導電性シートの用途などにより異なり特に制限されない
が、通常50μm〜1000μm程度である。<異方導電性シート> 本発明に係る異方導電性シートの
厚み方向に、表面に磁性および導電性が付与された繊維
を配向させる方法は、たとえば、バインダー中に、磁性
体および貴金属が付着させた繊維を含有する異方導電性
シート用組成物を用い、該異方導電性シート用組成物を
シート状に成形し、該シート状組成物の厚み方向に磁場
を作用させて、表面に磁性体および貴金属が付着された
繊維を配向させるとともに、該シート状組成物を光照射
あるいは加熱により硬化あるいは半硬化させて、本発明
に係る異方導電性シートを形成することができる。ま
た、使用時に被覆物の表面に塗布などの用法により本発
明に係る異方導電性シート用組成物を被膜し、塗布され
た該シート状の組成物の厚み方向に磁場を作用させて、
表面に磁性体および貴金属が付着された繊維を配向させ
るとともに、塗布された該シート状組成物を光照射ある
いは加熱により硬化あるいは半硬化させて異方導電性シ
ートを形成することもできる。
【0048】このような磁性および導電性が付与された
繊維の配向と、該シート状組成物の硬化または半硬化
は、同時に行ってもよいし、配向させた後、硬化または
半硬化を行ってもよい。このようにして得られる異方導
電性シート中の、表面に磁性および導電性が付与された
繊維の含有量(容量)は、前述した異方導電性シート用
組成物と同様である。
【0049】このようにして得られる本発明に係る異方
導電性シートは、繊維の表面に磁性および導電性が付与
されており、該「表面に磁性および導電性が付与された
繊維」からなる導電部の抵抗を小さくすることができ
る。たとえば、異方導電性シートの厚み方向の抵抗は、
好ましくは10Ω以下、さらに好ましくは1Ω以下、特
に好ましくは0.1Ω以下の抵抗を示すことが望まし
い。また、本発明に係る異方導電性シートは、シートの
厚みに対して垂直方向の絶縁性が高く、厚み方向の異方
導電性に優れている。そして、本発明に係る異方導電性
シートの膜厚を大きくしても、導電部を低抵抗に維持す
ることができる。このような異方導電性シートの厚さ
は、異方導電性シートの用途、異方導電性シートを用い
る回路基板等の電極の高さあるいはその高さのばらつき
などにより異なり特に制限されないが、50μm〜10
00μm程度にすることができる。このため、電極の高
さのばらつきを充分に吸収しうる程度のシート厚とする
ことができる。
【0050】以下に、異方導電性シートの成形方法につ
いて、さらに詳細に説明する。得られる異方導電性シー
トの具体例としては、図1および図2が挙げられる。た
とえば、図1に示すように、本発明に係る異方導電性シ
ート1は、前記バインダー2中に、磁性体および貴金属
が付着された繊維3が、それぞれ異方導電性シートの厚
みの方向に配向している。
【0051】なお図1は、本発明の異方導電性シートの
断面の模式図面である。本発明に係る異方導電性シート
用組成物をシート状にした前記シート状組成物あるいは
被覆物表面に塗布したシート状組成物中の、磁性および
導電性が付与された繊維を、該シート状組成物の厚みの
方向に配向させるために印可される磁場の強さは、好ま
しくは500〜50000ガウス程度、さらに好ましく
は2000〜20000ガウス程度であり、磁場印加時
間は好ましくは1〜120分程度、さらに好ましくは5
〜30分程度である。磁場の印加は、室温下で行っても
よいし、必要に応じ加熱して行ってもよい。
【0052】本発明に係る異方導電性シート用組成物を
硬化または半硬化する方法は、用いるバインダーの種類
および要求するシート性能によって異なり制限されない
が、たとえば、前記エポキシ樹脂をバインダー成分とし
て、好ましくは80〜180℃、さらに好ましくは10
0〜160℃の範囲で加熱することによって、異方導電
性シート用組成物を硬化させることができる。このよう
な加熱の方法は、特に制限されず、公知の方法を用いる
ことができ、通常のヒーター等を用いて異方導電性シー
ト用組成物のシート状組成物を硬化させればよい。加熱
時間は、特に制限されず、5〜120分間程度の範囲が
好ましい。
【0053】また、たとえば、前記(メタ)アクリル樹
脂をバインダー成分として用いた場合には、光開始剤の
存在下に、可視光線、紫外線、赤外線、遠紫外線、電子
線、X線などの光を選択的に照射して、粘着性の異方導
電性シートを得ることもできる。光照射の方法は、特に
制限されず、公知の方法を用いることができ、たとえ
ば、通常の光重合装置を用いて、前記異方導電性シート
に特定の波長の紫外線等を照射して行えばよい。紫外線
蛍光灯の場合は、照射時間は2〜3分程度であり、照射
距離は5〜10cm程度であり、高圧水銀灯の場合は、照
射時間は10〜20秒、照射距離は7〜20cm程度であ
ることが好ましい。 (光硬化性成分と熱硬化性成分とを併用した異方導電性
シートの製造方法)バインダー成分として、前記光硬化
性成分と、前記熱硬化性成分とを含んだシート状組成物
から異方導電性シートを製造する方法としては、たとえ
ば、シート状組成物に対し、可視光線、紫外線、赤外
線、遠紫外線、電子線、X線などの光を選択的に照射し
て、硬化に必要なエネルギーを供給することによって、
該シート状組成物中に含まれる光硬化性成分を重合、硬
化して、半硬化状態の異方導電性シートを得たのち、使
用の際に該半硬化状態の異方導電性シートを、用いる基
材の間、たとえば、電極部を含む半導体素子または半導
体パッケージと、配線部を含む回路基板との間に挟み込
んで熱圧着して硬化させて得ることができる。
【0054】このように、光硬化性成分と熱硬化性成分
を併用する場合に、光照射により光硬化性成分を硬化さ
せて、半硬化状態の異方導電性シートを製造する方法
は、前述した光硬化と同様、特に制限されず、公知の方
法を用いることができ、たとえば、通常の光重合装置を
用いて、前記異方導電性シートに特定の波長の紫外線等
を照射して行えばよい。紫外線蛍光灯の場合は、照射時
間は2〜3分程度であり、照射距離は5〜10cm程度で
あり、高圧水銀灯の場合は、照射時間は10〜20秒、
照射距離は7〜20cm程度であることが好ましい。
【0055】また、未硬化のシート状組成物に磁場を作
用させて、磁性および導電性が付与された繊維をシート
の厚み方向に配向させつつ、光重合を行って半硬化した
異方導電性シートを得る工程手順は特に制限されず、磁
場の印加と同時に光照射してもよいし、磁場の印加によ
り磁性および導電性が付与された繊維をシートの厚み方
向に配向させた後、光照射して該シート状組成物を半硬
化させてもよい。磁性および導電性が付与された繊維を
充分に配向させる観点からは、磁場を印可させてこれら
を配向させた後に、光照射して該シート状組成物を半硬
化させることが好ましい。このような半硬化状態の異方
導電性シートを得る際の温度は、前記シート状組成物に
含まれる熱硬化性成分が硬化しなければ特に制限されな
いが、通常室温程度で行えばよく、好ましくは20〜1
00℃、さらに好ましくは20〜60℃であることが望
ましい。
【0056】このような光硬化により半硬化した異方導
電性シートは、簡便かつ短時間で成形することができ
る。 (保護フィルム付き異方導電性シート)本発明に係る前
記異方導電性シート用組成物をシート状にしたシート状
組成物は、その表面が保護フィルムで覆われていてもよ
く、該保護フィルムで覆われたシート状組成物を、前記
と同様にして、磁場印加、光照射あるいは加熱により硬
化または半硬化させれば、表面に磁性および導電性が付
与された繊維がシートの厚み方向に配向した保護フィル
ム付きの異方導電性シートを形成することができる。
【0057】このような保護フィルム付きの異方導電性
シートは、その両面または片面が保護フィルムで覆われ
ていればよいが、本発明においては、たとえば図2に示
すように該異方導電性シート1の両面が保護フィルム4
で覆われているものが好ましい。また、たとえば、図3
に示すように、2枚の保護フィルムで覆われた異方導電
性シート1は、シートの外周部に、2枚の保護フィルム
4を所定距離離間して保持するスペーサー5を有してい
てもよい。なお、このようなスペーサーの材料は特に制
限されないが、たとえば、SUSあるいはポリエチレンテ
レフタレートなどを好ましく用いることができる。スペ
ーサーの、シートの厚み方向の長さ(厚さ)、外周方向
の長さは、異方導電性シートの厚み、サイズに依存して
変更可能で、異方導電性シート用組成物を保持できれば
特に制限されない。
【0058】このような保護フィルムの材料は、磁場の
印加、光照射を損なわず、磁場の印加、紫外線等の光照
射によりその保護フィルム材料が著しく劣化しなければ
特に制限されないが、たとえば、透明であって、弾力
性、耐光性を有し、異方導電性シートを熱圧着などに供
するために保護フィルムを剥離する場合に容易、かつ破
断することなく剥離できる程度の強度を有しているフィ
ルムが好ましく、たとえば、ポリエチレンテレフタレー
ト(PET)、ポリイミド(PI)、ポリエチレン(PE)な
どを好ましく用いることができる。
【0059】このような保護フィルムの厚さは特に制限
されないが、異方導電性シート剥離の容易性等の観点か
ら、5〜150μm程度であることが望ましい。このよ
うな異方導電性シート用組成物を保護フィルムで覆う方
法は特に制限されないが、たとえば、前記異方導電性シ
ート用組成物をロール圧延法によってシート形成する際
に、該組成物を保護フィルムで挟み込みながら圧延して
得ることができる。また、たとえば、スペーサー等によ
り2枚の保護フィルムを並行に所定距離離間して保持
し、該保護フィルム間に前記組成物を充填して形成する
こともできる。また、この際に磁場を印可した状態で行
ってもよい。
【0060】また、磁場を印可しながら異方導電性シー
トを形成する工程において、スペーサーを固定したフィ
ルム面上に前記異方導電性シート用組成物を塗布し、該
塗布された異方導電性シート用組成物上に保護フィルム
を密着させて、磁場の印加および光照射あるいは加熱を
行い、両面が保護フィルムで覆われた硬化または半硬化
した異方導電性シートを形成することもできる。<異方導電性シートを用いた接点構造> 図4に示すよう
に、本発明に係る接点構造6は、半導体素子または半導
体パッケージの電極部7と、回路基板8の配線部9と
が、本発明に係る異方導電性シート1を介して電気的に
接続されており、該異方導電性シート1は、バインダー
と、表面に磁性および導電性が付与された繊維とを含有
し、表面に磁性および導電性が付与された繊維が異方導
電性シートの厚み方向に配向している。
【0061】このような、異方導電性シートを介した、
前記半導体素子または半導体パッケージの電極部と前記
回路基板の配線部の電気的接続は、硬化あるいは半硬化
した異方導電性シートを、前記電極部と、前記配線部と
の間に挟み込み、次いで該異方導電性シートを(熱)圧
着させることにより行うことができる。前記異方導電性
シートとして、硬化した異方導電性シートを用いる場
合、被検査物である半導体素子等と検査用基板に挟み込
み、加圧して用いることにより検査等の目的で一時的に
電気的な接続を得ることが可能である。また、前記異方
導電性シートとして、前記光硬化性成分が硬化された前
記熱硬化性成分を含有する半硬化した異方導電性シート
を用いる場合、熱圧着等により硬化性成分を硬化させる
ことにより、半導体素子等と回路基板とが接着されると
ともに、半導体素子等の電極部と回路基板の配線部とが
電気的に接続された接点構造とすることもできる。
【0062】また、本発明に係る異方導電性シートは、
密着性にも優れるので、半導体素子あるいは半導体パッ
ケージからの発熱に伴う部材の膨張、収縮、あるいは外
部からの振動、衝撃等によって、半導体素子または半導
体パッケージの電極部と回路基板の配線部とが異方導電
性シートから剥離することを防止することが可能であ
る。さらに、本発明に係る異方導電性シートは、弾力
性、耐熱性、機械的強度に優れるので、半導体パッケー
ジの機能の信頼性の向上を図ることができる。
【0063】
【発明の効果】本発明に係る異方導電性シートは、異方
導電性シートの導電部の高密度化が可能で、かつ導電部
が低抵抗であるので、シートの厚み方向の導電性が高
く、かつ厚みと垂直方向の絶縁性が高いという、優れた
異方導電性を有している。また、低抵抗のままで、異方
導電性シートを厚膜化できるので、電極の高さのばらつ
きの吸収が可能であるとともに、異方導電性シートの歪
みを抑制することができる。さらに、耐熱性、耐久性、
機械的強度および半導体素子との密着性に優れている。
このような異方導電性シートを用いた接点構造は、半導
体素子等の電極部と、回路基板の配線部との接合が充分
なされるとともに、電気的な接続が確実かつ簡便に行わ
れ、シートの厚み方向に高い導電性を有している。
【0064】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をより詳細に
説明するが、これらの実施例により本発明は限定される
ものではない。
【0065】
【実施例1】[異方導電性シートの製造]平均膜厚0.
8μmとなるように表面にニッケルを無電解メッキした
後、さらに平均膜厚0.1μmとなるように表面に銀を
無電解メッキした平均直径10μm、平均長さ100μ
mの炭素繊維を2液タイプの付加型熱硬化性液状シリコ
ーンゴム(ビニル基含有ジメチルシリコーンゴム、ヒド
ロシリル基含有ジメチルポリシリコーンおよび触媒とし
て白金を含有。粘度10P)に対し、15体積分率
(%)加え、真空中で30分間混合し、異方導電性シー
ト用組成物を得た。
【0066】この組成物を、成形品の厚さ方向に磁力線
が通る電磁石の上で、厚さ0.1mmのスペーサを介し
て平行に設置された2枚のPETフィルム(それぞれ50
μm厚)の間に充填してシート状組成物を得た。次い
で、このシート状組成物の厚さ方向に磁力線が通るよう
に電磁石により、室温にて約4000ガウスの磁場強度
で20分間処理したのち、印加を続けながら、100℃
に加熱し、硬化状態の厚さ0.1mmの異方導電性シート
を得た。この異方導電性シートの厚み方向の異方導電性
能を以下の方法によって評価した。(1)厚み方向の導電性評価 0.1mmφの電極が0.2mmピッチで1000個、直線
的に配列された試験用基板の上に、上記異方導電性シー
トを重ね、さらにその上から表面を金メッキしたNi板
を重ねた後、重りで軽く加重を加え、電極間の抵抗を測
定することにより、異方導電性シートの厚み方向の導電
性を評価した。(2)厚み方向と垂直な方向の絶縁性評価 表面を金メッキしたNi板の代わりに、樹脂性の絶縁板
を重ねた以外は上記と同様な構成で、隣り合う電極間の
抵抗を測定することにより、異方導電性シートの厚み方
向と垂直な方向の絶縁性を評価した。
【0067】
【実施例2】平均膜厚0.8μmとなるように表面にニ
ッケルを無電解メッキした後、さらに平均膜厚0.05
μmとなるように表面に金を無電解メッキした平均直径
10μm、平均長さ200μmの炭素繊維を、ポリエチ
レングリコールジメタクリレート(PDE400、共栄社
(株)製)を60部とビスフェノールAタイプエポキシ
樹脂(EP1001、油化シェルエポキシ(株)製)40部の
混合物に対し、光開始剤(イルガキュアー651、チバ
ガイギー(株)製)をメタクリレートに対して3重量
%、イミダゾール系硬化剤(2P4MHZ−PW、四国化成
(株)製)をエポキシ樹脂に対して10重量%添加した
バインダに対して、10体積分率(%)加え、真空中で
30分間混合し、異方導電性シート用組成物を得た。
【0068】この組成物を、成形品の厚さ方向に磁力線
が通る電磁石の上で、厚さ0.2mmのスペーサを介し
て平行に設置された2枚のPETフィルム(それぞれ50
μm厚)の間に充填してシート状組成物を得た。次い
で、このシート状組成物の厚さ方向に磁力線が通るよう
に電磁石により、室温にて約4000ガウスの磁場強度
で20分間処理したのち、印加を続けながら、シートの
上方から、紫外線照射装置により、紫外線を1分間照射
し、半硬化状態の厚さ0.2mmの異方導電性シートを得
た。
【0069】得られた異方導電性シートの異方導電性の
評価は、試験基板/異方導電性シート/金メッキNi板
(もしくは樹脂板)の順に重ね、加重を加えた後、12
0℃,30min加熱することにより異方導電性シート
を試験基板および金メッキNi板と接着した状態で行っ
た以外は実施例1と同様にして行った。
【0070】
【比較例1】前記実施例1において、表面に磁性体を付
着させなかったこと以外は実施例1と同様にして、異方
導電性シートを得た。異方導電性の評価は実施例1と同
様の方法で行った。
【0071】
【比較例2】前記実施例1において、表面に銀を付着さ
せなかったこと以外は実施例1と同様にして、異方導電
性シートを得た。異方導電性の評価は実施例1と同様の
方法で行った。
【0072】
【比較例3】前記実施例1において、磁場を印可しない
で半硬化状態のシートを得た以外は実施例1と同様にし
て、シートを得た。異方導電性の評価は実施例1と同様
の方法で行った。実施例1、2、比較例1〜3のシート
の厚み方向ならびに厚み方向と垂直な方向の導電性を表
1に示す。
【0073】なお、厚み方向の抵抗については、1Ω以
下の場合○、1−10Ωの場合を△、10オーム以上の
場合を×とした。厚みと垂直な方向の抵抗については1
MΩ以上の場合を○、1MΩ以下の場合を×とした。
【0074】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、表面に磁性体および貴金属が付着さ
れた繊維を含有する熱伝導性シート断面の模式図であ
る。
【図2】 図2は、保護フィルムで覆われた熱伝導性シ
ート断面の模式図である。
【図3】 図3は、スペーサーを有する保護フィルムで
覆われた熱伝導性シート断面の模式図である。
【図4】 図4は、接点構造の模式図である。
【符号の説明】
1 異方導電性シート 2 バインダー 3 表面に磁性体および貴金属が付着された繊維 4 保護フィルム 5 スペーサー 6 接点構造 7 半導体素子または半導体パッケージの電極部 8 回路基板 9 回路基板の配線部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 9/02 C08K 9/02 C08L 33/00 C08L 33/00 63/00 63/00 Z 83/07 83/07 101/00 101/00 H01B 5/00 H01B 5/00 N H C D 13/00 501 13/00 501P // C08F 2/44 C08F 2/44 A 2/46 2/46 283/00 283/00 (72)発明者 佐 藤 穂 積 東京都中央区築地二丁目11番24号 ジェイ エスアール株式会社内 Fターム(参考) 4F072 AA07 AB10 AC16 AD28 AD47 AD55 AE01 AE02 AF23 AF24 AF26 AG03 AH04 AH25 AJ04 AJ16 AL11 4J002 AC011 AC031 AC071 AC081 AC091 AC111 BB032 BB122 BB151 BD042 BE022 BG041 BG051 BG061 BG071 BG101 BG102 BG111 BG131 BP011 CB002 CC031 CC181 CD021 CD051 CD061 CD191 CF001 CF042 CF062 CF211 CH041 CK021 CL012 CL032 CL062 CM042 CN012 CN062 CP031 CP041 CP061 CP081 CP141 DA016 DL006 FA042 FA046 FB072 FB076 FD010 FD112 FD116 FD140 GQ02 4J011 PA03 PA15 PA64 PA66 PA67 PA69 PA84 PA86 PA88 PA96 PA97 PA98 PA99 PB04 PB08 PB14 PB27 PB40 PC02 QA03 QA05 QA06 QA12 QA13 QA17 QA22 QA23 QA33 QA34 QA38 QA45 QA46 QB16 QB20 SA02 SA05 SA12 SA16 SA20 SA24 SA25 SA28 SA32 SA34 SA36 SA42 SA44 SA48 SA61 SA63 SA64 SA76 SA78 SA83 SA84 TA10 UA01 UA03 UA04 UA08 VA01 WA02 4J026 AB04 AB44 BA27 BA28 BA30 BA31 BA32 DB13 DB36 FA05 GA07 GA09 5G307 AA02 HA02 HB01 HB03 HC01

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バインダーと、表面に磁性および導電性
    が付与された繊維とを含有することを特徴とする異方導
    電性シート用組成物。
  2. 【請求項2】 バインダー中に、表面に磁性および導電
    性が付与された繊維が、シートの厚み方向に配向してい
    ることを特徴とする異方導電性シート。
  3. 【請求項3】 前記表面に磁性および導電性が付与され
    た繊維が、表面に磁性体および貴金属が付着された繊維
    であることを特徴とする請求項2に記載の異方導電性シ
    ート。
  4. 【請求項4】 前記表面に磁性体および貴金属が付着さ
    れた繊維が、表面に磁性体が付着された繊維の表面にさ
    らに貴金属が付着されていることを特徴とする請求項3
    に記載の異方導電性シート。
  5. 【請求項5】 前記繊維のアスペクト比が、2〜100
    であることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載
    の異方導電性シート。
  6. 【請求項6】 前記繊維が、炭素繊維であることを特徴
    とする請求項2〜5のいずれかに記載の異方導電性シー
    ト。
  7. 【請求項7】 前記表面に磁性および導電性が付与され
    た繊維が、前記異方導電性シートの全体積中に2〜50
    容量%の量で含まれることを特徴とする請求項2〜6の
    いずれかに記載の異方導電性シート。
  8. 【請求項8】 前記バインダーが、光硬化性成分および
    /または熱硬化性成分からなることを特徴とする請求項
    2〜7のいずれかに記載の異方導電性シート。
  9. 【請求項9】 請求項1に記載の異方導電性シート用組
    成物をシート状に形成し、該シート状組成物に、該シー
    ト状組成物の厚み方向に磁場を作用させて、表面に磁性
    および導電性が付与された繊維をシートの厚み方向に配
    向させつつ、該シート状組成物を硬化または半硬化させ
    ることを特徴とする異方導電性シートの製造方法。
  10. 【請求項10】 半導体素子または半導体パッケージの
    電極部と、回路基板の配線部とが、請求項2〜8いずれ
    かに記載の異方導電性シートを介して電気的に接続され
    ていることを特徴とする異方導電性シートを用いた接点
    構造。
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