JP2002128911A - 異方導電性シートおよびその使用方法 - Google Patents

異方導電性シートおよびその使用方法

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JP2002128911A
JP2002128911A JP2000331256A JP2000331256A JP2002128911A JP 2002128911 A JP2002128911 A JP 2002128911A JP 2000331256 A JP2000331256 A JP 2000331256A JP 2000331256 A JP2000331256 A JP 2000331256A JP 2002128911 A JP2002128911 A JP 2002128911A
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Japan
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sheet
anisotropic conductive
conductive sheet
fibrous filler
conductivity
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JP2000331256A
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Takeo Hara
武生 原
Shinichiro Iwanaga
伸一郎 岩永
Hozumi Sato
穂積 佐藤
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JSR Corp
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 本発明に係る異方導電性シートは、半導
体素子と回路基板とに挟着される異方導電性シートであ
って、導電性と磁性とを有する繊維状フィラー(A)がシ
ートの厚み方向に配向し、前記導電性と磁性とを有する
繊維状フィラー(A)の80%以上が、特定の条件を満足
する繊維長を有していることを特徴としている。 【効果】 本発明に係る複合シートによれば、シートの
厚み方向の導通抵抗を犠牲にすることなく、隣接電極間
の短絡の問題を大幅に改善できるとともに、導電部の高
密度化を図ることが可能で、耐熱性、耐久性、機械的強
度および半導体素子の接続安定性に優れた異方導電性複
合シートを得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、異方導電性シートに関す
る。
【0002】
【発明の技術的背景】近年、電気機器あるいは電子機器
の高性能化、小型化、あるいは高密度配線化に伴い、半
導体素子の電極数が増加し、電気回路部品、電気回路基
板等の検査、計測あるいは相互間の電気的接続は微細な
電極間ピッチを介して行われるようになっている。そし
て、このような半導体素子の電極ピッチもますます微細
化する傾向にあり、半導体素子の基板への実装ならびに
その検査において、微細化した電極ピッチを、短絡な
く、低抵抗で、確実に接続することが大きな課題となっ
てきている。これに対応して、ハンダ付けあるいは機械
的嵌合などの手段を用いずにコンパクトな電気的接続を
達成し、機械的な衝撃や歪みを吸収してソフトな接続を
可能とするような異方導電性シートの開発が試みられて
いた。たとえば、特公昭56−48951号公報、特開
昭51−93393号公報、特開昭53−147772
号公報、特開昭54−146873号公報には、シート
の厚さ方向にのみ導電性を示すもの、あるいは加圧され
た際に厚さ方向にのみ導電性を示す多数の加圧導電性導
電部を有するような種々の構造の異方導電性シートが記
載されており、このような異方導電は、回路基板等の電
気検査等の際に電極を傷つけることなく、確実な電気的
接続を達成できる点で有効であり、また、このうち、樹
脂中に導電性粒子を有し、該導電性粒子がシートの厚み
方向に配向して導電部を形成しているような異方導電性
シートは、特に、微細化した電極ピッチの接続に有効で
あった。しかしながら、電子回路基板等の電極寸法や電
極間寸法のさらなる微細化、高密度化の進展に対応し
て、異方導電性シートの導電部においても、一層の微細
化が求められるようになってきていた。たとえば、半導
体素子等の導電部のピッチ間隔は、これまで500μm
程度であったものが、100μmあるいはそれ以下のピ
ッチ間隔の電子回路基板等も現れるなど、半導体素子等
の導電部の電極ピッチが一層微細化してきており、磁性
体粒子のシートの厚み方向への配向等よって形成される
異方導電性シートの導電部と、半導体素子等の導電部と
の電気的接続を正確かつ確実に確保するためには、異方
導電性シート中の導電部の間隔を、たとえば数十μm程
度の間隔にするなど異方導電性シートの導電部を一層高
密度化することが必要となってきていた。このため、樹
脂中に導電性粒子を有し、該導電性粒子がシートの厚み
方向に配向して導電部を形成しているような異方導電性
シートにおいては、異方導電性シートに含まれる導電性
粒子自体を微細化して、該導電性微粒子を厚み方向に配
向させた異方導電性シートの開発が試みられていた。し
かしながら、このような微細な導電性粒子を用いて異方
導電性シートの導電部のピッチ間隔の微細化を行って
も、導電性粒子の微細化にともない異方導電性シートの
厚み方向に配向した導電性粒子同士の間の接触抵抗が増
大し、導電性の低下をもたらすという問題点があった。
また、異方導電性シートの導電部を高密度化する場合に
は、異方導電性シートの成形時における導電性粒子の配
向性が重要な要素となるが、配向精度の問題から、厚み
方向に配向した導電性粒子の列からなる導電部の接触頻
度が高まり、シートの厚みと垂直方向の絶縁性が低下す
ることがあるなどの問題点もあった。さらに、このよう
な微細な導電性粒子間の接触抵抗の低減あるいは、導電
部同士の接触を低減させるため、異方導電性シートの薄
層化が試みられたが、薄層化すると導電性シート厚のば
らつき、シートの歪み等が生じるとともに、異方導電性
シートの耐久性が低下するという問題点があった。
【0003】そこで、本発明者らは、上記問題を解決す
べく鋭意研究し、異方導電性シートに含まれる導電性と
磁性とを有する繊維状フィラーがシートの厚み方向に配
向し、この繊維状フィラー(A)のうちの一定割合以上
が、繊維状フィラーの繊維長と、異方導電性シートの膜
厚と、半導体素子および回路基板の最小隣接電極間距離
とが、一定の関係を満足すると、微細な電極でも安定的
な電気的接続が可能で、シートの厚み方向の導通抵抗を
犠牲にすることなく、隣接電極間の短絡の問題を大幅に
改善できることを見いだした。さらに、この異方導電性
シートは、耐熱性、耐久性および機械的強度に優れ、し
かも半導体素子との密着性にも優れていることを見出
し、本願発明を完成するに至った。
【0004】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に伴う
問題点を解決しようとするものであって、微細な電極で
も安定的な電気的接続が可能で、シートの厚み方向の導
通抵抗と厚みに対して垂直方向の絶縁性のバランスに優
れるとともに、耐熱性、耐久性、機械的強度および半導
体素子の電極部との接続安定性に優れた異方導電性シー
トを提供することを目的としている。
【0005】
【発明の概要】本発明に係る異方導電性シートは、半導
体素子と回路基板とに挟着される異方導電性シートであ
って、該異方導電性シートに含まれる導電性と磁性とを
有する繊維状フィラー(A)がシートの厚み方向に配向
し、前記導電性と磁性とを有する繊維状フィラー(A)の
80%以上が、下記式[I] 0.5×D < L1 <(L2 2+D21/2 ……[I] [ただし、式[I]中、L1は導電性と磁性とを有する繊
維状フィラー(A)の繊維長であり、Dは異方導電性シー
トの膜厚であり、L2は半導体素子上の異方導電性シー
ト側に配置された電極の隣接電極間距離または回路基板
上の異方導電性シート側に配置された電極の隣接電極間
距離のうちの最小隣接電極間距離を表す。]で示される
繊維長L1を有していることを特徴としている。
【0006】前記異方導電性シートは、導電性と磁性と
を有する繊維状フィラー(A)と熱および/または光で
硬化するバインダー(B)とからなるシート状組成物
を、該シート状組成物のシートの厚み方向に磁場を印加
させ、前記導電性と磁性とを有する繊維状フィラー(A)
をシートの厚み方向に配向させながら、前記バインダー
(B)を熱および/または光で硬化して得られてものであ
ることが好ましい。
【0007】前記導電性と磁性とを有する繊維状フィラ
ー(A)は、表面に貴金属が付着された磁性を有する繊
維状フィラーであることが好ましい。前記導電性と磁性
とを有する繊維状フィラー(A)は、磁性を有する金属
繊維、または繊維軸方向と繊維円周方向とが異なる磁化
率である繊維からなることが好ましい。
【0008】前記繊維軸方向と繊維円周方向とが異なる
磁化率である繊維は、炭素繊維であることが好ましい。
前記導電性と磁性とを有する繊維状フィラー(A)は、
表面に磁性体を付着した繊維からなることが好ましい。
本発明に係る異方導電性シートの使用方法は、前記異方
導電性シートを用いて半導体素子の電極と回路基板の電
極との間の電気的接続を行うことを特徴としている。
【0009】
【発明の具体的説明】本発明に係る異方導電性シート
は、半導体素子の電極と回路基板の電極との間の電気的
接続を行うため、半導体素子と回路基板とに挟着される
異方導電性シートで、導電性と磁性とを有する繊維状フ
ィラー(A)がシートの厚み方向に配向し、前記導電性と
磁性とを有する繊維状フィラーの80%以上が、 0.5×D < L1 <(L2 2+D21/2 の関係を満たす繊維長L1を有している。ここで、L1
繊維状フィラー(A)の繊維長、Dは異方導電性シートの
膜厚、L2は半導体素子上の異方導電性シート側に配置
された電極の隣接電極間距離または回路基板上の異方導
電性シート側に配置された電極の隣接電極間距離のうち
の最小隣接電極間距離を表す。
【0010】なお、図1に示すように、上記シートの膜
厚Dは異方導電性シート1の厚さを示し、半導体素子お
よび回路基板の最小隣接電極間距離L2は、半導体素子
9上の電極11、あるいは回路基板10上の電極11の
うち、隣接する電極間の最小の距離を示す。本発明に係
る異方導電性シートは、上記条件を満たす繊維長L1
有する導電性と磁性とを有する繊維状フィラー(A)
と、熱および/または光で硬化するバインダー(B)と
からなるシート状組成物を、該シート状組成物のシート
の厚み方向に磁場を印加させ、前記導電性と磁性とを有
する繊維状フィラー(A)をシートの厚み方向に配向させ
ながら、前記バインダー(B)を熱および/または光で硬
化したものである。以下に詳細に説明する。なお、本明
細書においては、「配向」とは繊維状のフィラーがほぼ
一定の方向を向いている場合を意味する。
【0011】<シート状組成物>まず、本発明で用いら
れるシート状組成物について説明する。導電性と磁性とを有する繊維状フィラー(A) 本発明に係る異方導電性シートにおいて導電性と磁性と
を有する繊維状フィラー(A)は、シートの厚み方向に配
向しており、この繊維状フィラーの80%以上(80%
以上100%以下)が、 0.5×D < L1 <(L2 2+D21/2 の関係を満たす繊維長L1を有している。ここで、Dは
シートの膜厚、L2は半導体素子および回路基板の最小
隣接電極間距離を示す。
【0012】上記関係を満たす繊維状フィラーは、市販
品から選択することもできるし、分級により上記関係を
満たすように繊維長を揃えることにより入手することも
できる。分級の方法は公知の方法を採用でき、限定され
ないが、空気流中での繊維にかかる遠心力と空気抵抗の
バランスを利用して分級する空気式分級機が好ましい。
【0013】繊維状フィラーの繊維長L1の評価は、少
量の繊維を重なりのないように注意して広げ、それを光
学顕微鏡もしくは電子顕微鏡で撮影した後、その写真を
画像解析することにより行うことができる。本発明で用
いられる導電性と磁性とを有する繊維状フィラー(A)
は、本発明に係るシート用組成物に磁場を印可した際
に、該繊維が、屈折、破断なく磁場方向にほぼ平行に配
向しうる程度の強度を一定の直径のもとに有し、また、
本発明に係るシートを形成あるいは使用する際に必要に
応じ加えられる熱に対する耐性を有する(たとえば、融
点が100℃以上)ことが好ましい。また、このような
繊維状フィラーのアスペクト比は、好ましくは2〜10
0、さらに好ましくは5〜100、特に好ましくは10
〜50であることが望ましい。
【0014】このような導電性と磁性とを有する繊維状
フィラー(A)は、磁性を有する繊維状フィラーに、導電
性を付与して得ることができる。以下に先ず、磁性を有
する繊維状フィラーについて説明する。 (磁性を有する繊維状フィラー)磁性を有する繊維状フ
ィラーとしては、金属繊維、または繊維軸方向と繊維円
周方向に異なる磁化率を有する繊維が挙げられる。
【0015】このような金属繊維としては、繊維状に加
工されることにより、形状に由来した磁気異方性を示す
Fe,Co,Ni,などの金属、その合金またはそれらの酸化物
などのような磁性を有する繊維が挙げられる。繊維軸方
向と繊維円周方向に異なる磁化率有する繊維としては、
たとえば、炭素繊維、アラミド繊維、ポリパラベンズア
ゾール類の繊維など芳香環が繊維方向に平行に並んだ構
造を取りやすく、本質的に磁気異方性を示す繊維が挙げ
られる。
【0016】このような繊維のうち、炭素繊維として
は、たとえば、原料の種類によって、セルロース系、P
AN系、ピッチ系などの炭素繊維のうちから選択するこ
とができ、良好な導電性、熱伝導性を付加する観点から
は、ピッチ系の炭素繊維を用いることが好ましい。ピッ
チ系の炭素繊維のうち、高い熱伝導性を示すものであれ
ば異方性炭素繊維または等方性炭素繊維のいずれも使用
することができる。アラミド繊維としては、ポリ−p−
フェニレンテレフタルアミド、ポリ−m−フェニレンイ
ソフタルアミドなどが挙げられ、このうち、ポリ−p−
フェニレンテレフタルアミド繊維が好ましい。ポリパラ
ベンズアゾール類の繊維としては、ポリ−p−フェニレ
ンベンゾビスオキサゾール、ポリ−p−フェニレンベン
ゾビスチアゾールなどが挙げられ、このうち、ポリ−p
−フェニレンベンゾビスオキサゾールが好ましい。
【0017】さらに、前記炭素繊維、アラミド繊維、ポ
リパラベンズアゾール類の繊維などの繊維軸方向と繊維
円周方向に異なる磁化率を有する繊維あるいは、これ以
外の繊維に、Fe、Co、Niなどの強磁性体を付着させた繊
維も本発明に係る繊維状フィラー(A)として用いるこ
とができる。このような炭素繊維、アラミド繊維、ポリ
パラベンズアゾール類の繊維以外の繊維としては、公知
の再生繊維、合成繊維が挙げられ、たとえば、レーヨン
などからなる再生繊維、ナイロン6、ナイロン66など
の脂肪族ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリビニルアルコ
ール(PVA)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル
(PVC)、ポリエチレン(PE)などの合成繊維、ポリフ
ェニレンスルフィド(PPS)、超高分子量ポリエチレン
(UHMWPE)、ポリオキシメチレン(POM)などのいわゆ
る耐熱性の高い高分子からなる繊維、全芳香族ポリエス
テル、ポリイミドなどのいわゆる高弾性率、高強度な高
分子からなる繊維、ガラス繊維などが挙げられる。
【0018】このうち、耐熱性、強度などの観点から
は、たとえば、全芳香族ポリエステル、ポリイミド、ガ
ラス繊維が好ましく、さらに、ポリイミド、全芳香族ポ
リエステルなどを特に好ましく用いることができる。こ
のような、炭素繊維、アラミド繊維などの繊維軸方向と
繊維円周方向に異なる磁化率を有する繊維あるいは、こ
れ以外の繊維に付着させる強磁性体としては、後述する
方法により、磁場を印加した場合に磁場方向に配向しう
る程度の磁性を示せば、繊維表面全体に層状に付着して
いても、層を形成せずに繊維表面に一部に付着していて
もよい。
【0019】このような強磁性体としては、たとえば、
鉄、コバルト、ニッケルなどの金属もしくは該金属から
なる合金が挙げられ、さらに、鉄、コバルト、ニッケル
などの強磁性を示す金属を含有する金属間化合物あるい
は該金属の金属酸化物などの金属化合物が挙げられる。
これらの強磁性体の繊維状フィラーへの付着率(付着面
積率)は、特に限定されず、前述したとおり、後述する
方法により、磁場を印加した場合に磁場方向に配向しう
る程度の磁性を示せば特に限定されないが、たとえば、
繊維状フィラー表面における磁性体の付着率(付着面積
比)は30%以上であるものが好ましく、さらに好まし
くは50%以上、特に好ましくは80%以上であること
が望ましい。また、強磁性体を繊維状フィラー表面上に
付着させる際の膜厚は、たとえば、0.01〜10μ
m、好ましくは0.1〜5μm、特に好ましくは0.2
〜1μmであることが望ましい。
【0020】繊維表面への磁性体の付着方法について
は、たとえば化学メッキなどの無電解メッキなどにより
行うことができる。本発明に係る磁性を有する繊維状フ
ィラー(A)の形状は、円筒形状のものが好ましく用いら
れる。このような本発明に係る繊維の直径は、好ましく
は5〜500μm、さらに好ましくは10〜200μm
である。
【0021】(導電性と磁性とを有する繊維状フィラー
(A))本発明に用いられる導電性と磁性とを有する繊維
状フィラー(A)は、前記に例示した、磁性を有する金属
繊維、または繊維軸方向と繊維円周方向に異なる磁化率
を有する繊維に、導電性を有する金属を付着させて得る
ことができる。また、繊維状フィラーに導電性を有する
金属を付着させた後に磁性体を付着させることもでき
る。なお、前記磁性を有する繊維状フィラーが導電性を
有している場合には、導電性を有する金属を付着させな
くてもよい。このうち本発明では、導電性を有する金属
を付着させて得られる繊維状フィラーが好ましい。
【0022】繊維状フィラーに付着させうる導電性を有
する金属材料としては、空気中で酸化され難く、高い導
電性を有する貴金属が好ましく、このような貴金属とし
ては、たとえば、金、銀、ルテニウム、パラジウム、ロ
ジウム、オスミウム、イリジウム、白金などが挙げら
れ、好ましくは、金、銀である。このような貴金属は、
異方導電性シートが導電性を有するよう繊維表面に付着
していれば、繊維表面全体に膜状に付着していても、表
面全体でなくてもよい。
【0023】繊維表面への貴金属の付着方法について
は、たとえば化学メッキなどの無電解メッキなどにより
行うことができる。また、このような貴金属は、酸化防
止効果を有することから、貴金属を最も外側に付着させ
ることが好ましい。このような前記磁性体および貴金属
が表面に付着した繊維としては、たとえば、炭素繊維表
面に磁性体としてニッケルを付着し、その表面に金ある
いは銀などの貴金属を付着させた繊維が挙げられる。
【0024】磁性を有する繊維状フィラーへの貴金属の
付着率(付着面積比)は、好ましくは30%以上、さら
に好ましくは50%以上、特に好ましくは80%以上で
あることが望ましい。また、貴金属を磁性を有する繊維
状フィラー表面上に付着させる際の膜厚としては、たと
えば、0.01〜2μm、好ましくは0.02〜1μ
m、特に好ましくは0.05〜0.5μmであることが
望ましい。
【0025】なお、本発明で用いられる導電性と磁性と
を有する繊維状フィラー(A)が、繊維方向に高い熱伝導
性を有する場合には、熱伝導性の機能をも併せ持つ異方
導電性シートとすることができる。熱伝導性を高めるた
めには、前記磁性を有する繊維状フィラーの繊維方向の
熱伝導率(W m-1-1)が、100以上、好ましくは
500以上、特に好ましくは1200以上であることが
望ましい。前記繊維状フィラーのうち熱伝導性に優れた
繊維状フィラーとしては、炭素繊維、アラミド繊維、ポ
リパラベンズアゾール類の繊維およびこれらに磁性体を
付着させたものが好ましい。また、Fe、Co、Niからな
る金属繊維も好ましく用いることができる。このような
本発明で用いられる導電性と磁性とを有する繊維状フィ
ラー(A)は、表面がシランカップリング剤などのカップ
リング剤でさらに処理されたものも適宜用いることがで
きる。導電性と磁性とを有する繊維状フィラー(A)の表
面がカップリング剤でさらに処理されていると、繊維状
フィラーと前記バインダーとの接着性が高くなり、その
結果、得られる異方導電性シートは、耐久性が高いもの
となる。このような導電性と磁性とを有する繊維状フィ
ラー(A)が、シート用組成物の全体積中に含有される量
は、シート用組成物の全体積中に合計で2〜70容量%
の量であることが好ましく、さらに好ましくは10〜6
0容量%の量であることが望ましい。この割合が2容量
%未満であると、シート用組成物を硬化したシートの厚
み方向の導電性を充分には高めることができないことが
あり、一方、この割合が70容量%を超えると、得られ
る複合シートは脆弱なものとなりやすく、複合シートと
して必要な弾性が得られないことがある。
【0026】バインダー(B) 本発明の異方導電性シートを形成するシート用組成物に
は、バインダーとしては、ゴム状重合体あるいは樹脂状
重合体のいずれでも使用可能で、硬化または半硬化前の
状態で液状であるバインダーを好ましく用いることがで
きる。また、バインダーには、光硬化性成分および/ま
たは熱硬化性成分を添加することもでき、さらに、バイ
ンダー成分であるゴム状重合体あるいは樹脂状重合体が
光硬化性成分および/または熱硬化性成分を兼ねること
もできる。以下に、本発明に用いられるゴム状重合体、
樹脂状重合体、光硬化性成分および熱硬化性成分につい
て説明する。 (ゴム状重合体)本発明で用いられるゴム状重合体とし
ては、具体的には、ポリブタジエン、天然ゴム、ポリイ
ソプレン、SBR,NBRなどの共役ジエン系ゴムおよ
びこれらの水素添加物、スチレンブタジエンブロック共
重合体、スチレンイソプレンブロック共重合体などのブ
ロック共重合体およびこれらの水素添加物、クロロプレ
ン、ウレタンゴム、ポリエステル系ゴム、エピクロルヒ
ドリンゴム、シリコーンゴム、エチレンプロピレン共重
合体、エチレンプロピレンジエン共重合体などが挙げら
れる。これらのうち、成形加工性、耐候性、耐熱性など
の点から、特にシリコーンゴムが好ましい。
【0027】ここでシリコーンゴムについてさらに詳細
に説明する。シリコーンゴムとしては、液状シリコーン
ゴムを用いることが好ましい。液状シリコーンゴムは、
縮合型、付加型などのいずれであってもよい。具体的に
はジメチルシリコーン生ゴム、メチルフェニルビニルシ
リコーン生ゴムあるいはそれらがビニル基、ヒドロキシ
ル基、ヒドロシリル基、フェニル基、フルオロ基などの
官能基を含有したものなどを挙げることができる。 (樹脂状重合体)本発明で用いられる樹脂状重合体とし
ては、具体的には、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メ
ラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などが使用可能で
ある。このうち、エポキシ樹脂を用いることが好まし
い。エポキシ樹脂としては、1分子中に2個以上のエポ
キシ基を有するものが好ましく、たとえば、フェノール
ノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エ
ポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフ
ェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポ
キシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、あるいはポリグリシジ
ル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレ
ートと他の共重合モノマーとの共重合体などが挙げられ
る。 (光硬化性成分)本発明で用いられるバインダーに含ま
れる光硬化性成分としては、紫外線、電子線等により硬
化する光ラジカル重合性、光カチオン重合性、配位光重
合性、光重付加反応性であるモノマー、オリゴマー、プ
レポリマーまたはポリマーが挙げられる。このような光
硬化性のモノマー、オリゴマー、プレポリマーまたはポ
リマーとしては、(メタ)アクリル系化合物、ビニルエー
テル−マレイン酸共重合体等の光ラジカル重合性、チオ
ール−エン系化合物等の光重付加反応性のものが好まし
く、このうち、(メタ)アクリル系化合物が特に好まし
い。本発明に係る光硬化性成分としては、このうち光硬
化に要する時間が短時間である(メタ)アクリル系化合物
のモノマーが好ましく用いられる。
【0028】このような(メタ)アクリル系化合物の光重
合性のモノマー、オリゴマー、プレポリマーあるいはポ
リマーを誘導しうるモノマーとしては、具体的には、ア
クリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアノ基含
有ビニル化合物、(メタ)アクリルアミド化合物および
(メタ)アクリル酸エステルなどが挙げられる。前記
(メタ)アクリルアミド化合物としては、アクリルアミ
ド、メタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミ
ドなどが挙げられ、これらは単独であるいは混合して用
いられる。
【0029】前記(メタ)アクリル酸エステル類として
は、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アク
リレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘ
キシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベ
ンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メ
タ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレー
ト、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデ
カニル(メタ)アクリレートなどの単官能(メタ)アク
リレートが挙げられ、これらは単独であるいは混合して
用いられる。また、多官能性(メタ)アクリレートとし
ては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジ
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレング
リコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、1,3-ブタンジオールジ
(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メ
タ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)
アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)ア
クリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリ
レート、1,10-デカンジオールジ(メタ)アクリレ
ート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、ビスフェ
ノールAのエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド
付加物のジアクリレート、ビスフェノールA−ジエポキ
シ−アクリル酸付加物などの2官能(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、
グリセリントリ(メタ)アクリレートなどの3官能(メ
タ)アクリレートが挙げられる。これらの中、特に好ま
しいのは、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポ
リエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセ
ロールジ(メタ)アクリレートなどのジ(メタ)アクリ
レートである。これらは単独であるいは混合して用いら
れる。 (熱硬化性成分)本発明で用いられるバインダーとして
好ましく用いることのできる前記熱硬化性成分として
は、熱により硬化する官能基を有するモノマー、オリゴ
マー、プレポリマーまたはポリマーが挙げられる。
【0030】このような官能基として、エポキシ基、水
酸基、カルボキシル基、アミノ基、イソシアネート基、
ビニル基、ヒドロシリル基などが挙げられ、反応性の点
からエポキシ基、ビニル基、ヒドロシリル基が好まし
い。このような官能基を有するモノマー、オリゴマー、
プレポリマーあるいはポリマーとしては、たとえば、エ
ポキシ系化合物、ウレタン系化合物、シリコーン系化合
物などが挙げられる。このうち、熱硬化時間の短縮の観
点からエポキシ系化合物およびシリコーン系化合物を用
いることが好ましく、さらにエポキシ系化合物またはシ
リコーン系化合物は、エポキシ基、ビニル基またはヒド
ロシリル基を分子中に2個以上有していることが望まし
い。
【0031】このようなエポキシ系化合物の分子量は特
に限定されないが、通常、70〜20,000であり、
好ましくは300〜5000であることが望ましく、具
体的には、前記エポキシ系化合物のオリゴマー、プレポ
リマーまたはポリマーなど一定の分子量以上を有する各
種エポキシ樹脂が好ましく用いられる。このようなエポ
キシ系化合物としては、具体的には、たとえば、前記し
たフェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノ
ボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ
樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノー
ルAD型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、あるいは
ポリグリシジル(メタ)アクリレート、グリシジル(メ
タ)アクリレートと他の共重合モノマーとの共重合体な
どが挙げられる。
【0032】なお、これらのフェノールノボラック型エ
ポキシ樹脂等を熱硬化性成分として用いるときは、同時
に樹脂状重合体成分を兼ねることもできる。シリコーン
系化合物としては、前記ビニル基を含有したシリコーン
ゴムを挙げることができ、硬化剤として用いるヒドロシ
リル基含有化合物との反応性から、ビニル基含有シリコ
ーン型を好ましいシリコーン系化合物として挙げること
ができる。これらのシリコーン系化合物を熱硬化性成分
として用いるときには、同時にゴム状重合体成分を兼ね
ることもできる。
【0033】なお、ゴム状重合体成分も兼ねることので
きるシリコーン系化合物の市販品としては、硬化剤であ
るヒドロシリル化合物を含有した、室温硬化型の二液タ
イプの付加型熱硬化性液状シリコーンゴムを挙げること
ができる。これらの樹脂は単独で、あるいは混合して用
いられる。 (光硬化性成分および熱硬化性成分の併用)本発明で用
いられるバインダーとして、前記光硬化性成分と前記熱
硬化性成分とは、併用して用いることもできる。このよ
うな併用系においては、前記熱硬化性成分は、光硬化条
件下においては硬化しないことが好ましい。このよう
に、本発明に係るバインダーとして前記光硬化性成分と
前記熱硬化性成分とを併用する場合、その混合割合(光
硬化性成分/熱硬化性成分)は、好ましくは80/20
〜20/80重量%、さらに好ましくは70/30〜3
0/70重量%、特に好ましくは40/60〜40/6
0重量%であることが望ましい。前記光硬化性成分と前
記熱硬化性成分とがこのような範囲にあると、半硬化状
態の複合シート中での繊維状フィラーの該シートの厚み
方向への配向が充分になされるとともに、該シートを硬
化させると優れた接着性を有する複合シートを得ること
ができる。
【0034】本発明で用いられるこのような光硬化性成
分と熱硬化性成分としては、前記(メタ)アクリル系化
合物とエポキシ系化合物との組み合わせが、半硬化状態
の熱伝導性複合シートの成形時間の短縮、優れた接着性
の観点などから好ましい。このような光硬化性成分と熱
硬化性成分の混合方法は特に制限されないが、たとえ
ば、光硬化性成分として前記アクリル系化合物モノマー
を用い、熱硬化性成分として前記エポキシ系樹脂を用い
る場合、アクリル系化合物モノマーに、エポキシ樹脂を
溶解して混合することができる。
【0035】なお、本発明で用いられるバインダーの成
分として、光硬化性の官能基と、光硬化条件下で硬化し
ない熱硬化性の官能基とを1分子中に含む化合物を用い
て、両成分を兼ねることもできる。このような光硬化性
の官能基を含有する化合物として前記(メタ)アクリル
化合物、熱硬化性の官能基として前記エポキシ基等が挙
げられ、両成分を兼ねることのできる具体的な化合物と
しては、グリシジル(メタ)アクリルアミドなどのエポ
キシ(メタ)アクリルアミド、グリシジル(メタ)アク
リレート、3,4-エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリ
レートなどのエポキシ(メタ)アクリレートなどが挙げ
られる。
【0036】また、不飽和二重結合を有する反応性モノ
マーもバインダー成分として含有することができ、この
ような反応性モノマーとしては、たとえば、ヒドロキシ
スチレン、イソプロペニルフェノール、スチレン、α−
メチルスチレン、p−メチルスチレン、クロロスチレ
ン、p−メトキシスチレンなどの芳香族ビニル化合物、
ビニルピロリドン、ビニルカプロラクタムなどのヘテロ
原子含有脂環式ビニル化合物が挙げられる。 (光開始剤)本発明で用いられるシート用組成物には、
前記光硬化成分の硬化の際に用いる放射線の種類に応
じ、たとえば紫外線硬化による場合には光開始剤などを
混合することができる。
【0037】このような光開始剤は、光硬化条件下で、
前記シート用組成物中に含まれる光硬化性成分を硬化さ
せるものであればよく、また、光硬化性成分と熱硬化性
成分とを併用する場合は、光硬化性成分を硬化させ、か
つ熱硬化性成分が硬化しなければよく、公知の光開始剤
を用いることができる。このような光開始剤としては、
たとえばベンジル、ジアセチル等のα−ジケトン類;ベ
ンゾイン等のアシロイン類;ベンゾインメチルエーテ
ル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピ
ルエーテル等のアシロインエーテル類;チオキサント
ン、2,4−ジエチルチオキサントン、チオキサントン
−4−スルホン酸、ベンゾフェノン、4,4(−ビス
(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス
(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン
類;アセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノ
ン、α,α’−ジメトキシアセトキシベンゾフェノン、
2,2’−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、
p−メトキシアセトフェノン、2−メチル[4−(メチ
ルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−1−プロパノ
ン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モ
ルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等のアセトフ
ェノン類;アントラキノン、1,4−ナフトキノン等の
キノン類;フェナシルクロライド、トリブロモメチルフ
ェニルスルホン、トリス(トリクロロメチル)−s−ト
リアジン等のハロゲン化合物;ジ−t−ブチルパーオキ
サイド等の過酸化物;2,4,6−トリメチルベンゾイ
ルジフェニルフォスフィンオキサイドなどのアシルフォ
スフィンオキサイド類等が挙げられる。また、市販品と
しては、イルガキュア184、651,500,90
7、CG1369、CG24−61、ダロキュア111
6,1173(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ
(株)製)、ルシリンLR8728,TPO(BASF
社製)、ユベクリルP36(UCB社製)等を挙げるこ
とができる。
【0038】このうち、バインダーとして光硬化性成分
と熱硬化性成分とを併用する場合に、シート用組成物に
含まれる光硬化性成分が(メタ)アクリル系化合物で、
熱硬化性成分がエポキシ系化合物である場合は、硬化速
度の速いイルガキュア651、ルシリンTPOなどの光開
始剤を好ましく用いることができる。このような光開始
剤の使用量は、実際の硬化速度、可使時間とのバランス
などを考慮して適量使用することが好ましいが、具体的
には、光硬化性成分100重量部に対して、1〜50重
量部の割合でバインダーに含まれることが好ましく、5
〜30重量部の割合で含まれることが特に好ましい。1
重量部未満であると、酸素による感度の低下を受け易
く、50重量部を超えると相溶性が悪くなったり、保存
安定性が低下することがある。
【0039】また、このような光開始剤と併用して、光
開始助剤を用いることもできる。光開始助剤を併用する
と、光開始剤単独の使用に比べ、開始反応が促進され、
硬化反応を効率的に行うことができる。このような光開
始助剤としては、通常用いられる光開始助剤を用いるこ
とができる。このような光開始助剤としては、たとえ
ば、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミ
ン、トリイソプロパノールアミン、n-ブチルアミン、N-
メチルジエタノールアミン、ジエチルアミノエチル(メ
タ)アクリレートなどの脂肪族アミン、ミヒラーケト
ン、4,4'-ジエチルアミノフェノン、4-ジメチルアミノ
安息香酸エチル、4-ジメチルアミノ安息香酸エチル、4-
ジメチルアミノ安息香酸イソアミルなどが挙げられる。 (熱硬化剤)本発明で用いられるシート用組成物には、
熱硬化性成分の熱硬化を促進させるため熱硬化剤を混合
してもよい。このような熱硬化剤は、公知の熱硬化剤を
用いることができる。このような熱硬化剤としては、ア
ミン類、ジシアンジアミド、二塩基酸ジヒドラジド、イ
ミダゾール類、ヒドロシリル化合物、ビニルシリル化合
物などが挙げられる。
【0040】具体的には、ポリメチレンジアミン、ジエ
チレントリアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、ビ
スヘキサメチレントリアミン、ジエチルアミノプロピル
アミン、ポリエーテルジアミン、1,3-ジアミノシクロヘ
キサン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニ
ルスルホン、4,4'-ヒ゛ス(o-トルイジン)、m-フェニレンジ
アミン、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメ
チルイミダゾール、ブロックイミダゾール、両末端ヒド
ロシリル基含有ポリジメチルシロキサン、両末端ビニル
基含有ポリジメチルシロキサンなどが挙げられる。
【0041】このような熱硬化剤の使用量は、実際の硬
化速度、可使時間とのバランスなどを考慮して適量使用
することが好ましいが、具体的には、熱硬化剤は、熱硬
化性成分100重量部に対して、1〜50重量部の割合
でバインダーに含まれることが好ましく、特に好ましく
は1〜30重量部の割合で含まれることが望ましい。な
お、前記光開始剤および熱硬化剤の添加方法は特に限定
されるものではないが、保存安定性、成分混合時の触媒
の偏在防止などの観点から、バインダーに予め混合して
おくことが好ましい。
【0042】その他の添加剤 本発明においては、シート用組成物には、必要に応じ
て、通常のシリカ粉、コロイダルシリカ、エアロゲルシ
リカ、アルミナなどの無機充填材を含有させることがで
きる。このような無機充填材を含有させることにより、
未硬化時におけるチクソ性が確保され、粘度が高くな
り、しかも磁性を有する繊維状フィラー(A)の組成物中
での分散安定性が向上するとともに、硬化または半硬化
後におけるシートの強度を向上させることができる。こ
の無機充填材の使用量は特に限定されるものではない
が、あまり多量に使用すると、磁性を有する繊維状フィ
ラーの磁場による配向を十分に達成できなくなることが
ある。
【0043】シート状組成物の調製 本発明で用いられるシート状組成物は、従来公知の方法
をいずれも採用することができ、たとえば、バインダ
ー、磁性を有する繊維状フィラー、あるいは必要に応
じ、光開始剤、熱硬化剤あるいは無機充填剤などを混合
し、混練するしてシート用組成物とし、これをシート状
に成形して得られる。
【0044】このようなシート用組成物の粘度は、温度
25℃において10,000〜1,000,000 cpの範囲内であるこ
とが好ましく、また、このようなシート用組成物は、ペ
ースト状であることが好ましい。本発明で用いられるシ
ート状組成物は、上記シート用組成物をシート状に成形
して得ることができ、従来公知の方法が採用できるが、
塗布法、ロール圧延法、流延法などを採用しうる。
【0045】<異方導電性シートの製造方法>図2は、
本発明に係る異方導電性シートのシート面側から見た平
面図(a)およびその断面図(b)である。図2に示すよう
に、本発明に係る異方導電性シート1は、熱および/ま
たは光で硬化するバインダー3中に、導電性と磁性とを
有する繊維状フィラー2が、シートの厚み方向に配向し
ている。このような異方導電性シートは、図3に示すよ
うに、導電性と磁性とを有する繊維状フィラー2と、バ
インダー3とからなるシート状組成物4を、永久磁石8
により、シート状組成物4に平行磁場を印可させつつ、
シート状組成物を、たとえば紫外線照射装置5を用いて
光により硬化させることによって得ることができる。な
お、シート状組成物4は、シート用の組成物を、スペー
サー7を介して平行に設置されたPETフィルム6の間
に、圧延しながら充填して得ることもできる。このよう
にして製造される異方導電性シートは、前記導電性と磁
性とを有する繊維状フィラー(A)として繊維方向の熱
伝導率の高い繊維状フィラーを用いれば(たとえば、1
00(Wm-1・K-1)以上)、熱伝導性の機能を兼ね備え
た異方導電性シートとすることができる。
【0046】本発明で用いるシート状組成物を硬化する
方法は、用いるバインダーの種類および要求するシート
性能によって異なり制限されないが、たとえば、前記エ
ポキシ樹脂をバインダー成分として、好ましくは80〜
180℃、さらに好ましくは100〜160℃の範囲で
加熱することによって、シート状組成物を硬化させるこ
とができる。このような加熱の方法は、特に制限され
ず、公知の方法を用いることができ、通常のヒーター等
を用いてシート状組成物を硬化させればよい。加熱時間
は、特に制限されず、5〜120分間程度の範囲が好ま
しい。
【0047】また、たとえば、前記(メタ)アクリル樹
脂をバインダー成分として用いた場合には、光開始剤の
存在下に、可視光線、紫外線、赤外線、遠紫外線、電子
線、X線などの光を選択的に照射して、粘着性の異方導
電性シートを得ることもできる。光照射の方法は、特に
制限されず、公知の方法を用いることができ、たとえ
ば、通常の光重合装置を用いて、前記シート状組成物に
特定の波長の紫外線等を照射して行えばよい。紫外線蛍
光灯の場合は、照射時間は2〜3分程度であり、照射距
離は5〜10cm程度であり、高圧水銀灯の場合は、照射
時間は10〜20秒、照射距離は7〜20cm程度である
ことが好ましい。
【0048】<異方導電性シートの使用方法>このよう
にして得られる異方導電性シートは、本発明で規定する
繊維長L1を80%以上の導電性と磁性とを有する繊維
状フィラー(A)が有している。このため、たとえば、図
4(a)に示すように、半導体素子9と回路基板10の間
に設けられた異方導電性シート1は、フィラー2が、シ
ートの厚み方向に優れた配向性を示すとともに、シート
膜厚に適合した繊維長となるので、シートの厚み方向の
導通抵抗を犠牲にすることなく、電極11による隣接電
極間の短絡の問題を改善することができ、微細な電極で
も、安定的な電気的接続をすることができる。
【0049】なお、図4(b)は、本発明で規定したフィ
ラーの繊維長L1を満たさず、本発明で規定する繊維長
よりも短い繊維長のフィラーを主に含有する異方導電性
シートの断面模式図であるが、このような場合には、シ
ートの厚み方向の導電性に劣り、また、シートの厚み方
向の導通抵抗と、厚みと垂直方向の絶縁性のバランスが
悪くなり、異方導電性シートとしての機能を満足しなく
なることがある。
【0050】また、図4(c)は、本発明で規定したフィ
ラーの繊維長L1を満たさず、本発明で規定する繊維長
よりも長い繊維長のフィラーを主に含有する異方導電性
シートの断面模式図であるが、このような場合には、シ
ートの厚み方向の導通抵抗と、厚みに対して垂直方向の
絶縁性のバランスが悪化し、異方導電性シートとしての
機能を満足しにくくなるとともに、隣接電極間の短絡も
起きやすくなることがある。
【0051】
【発明の効果】本発明に係る異方導電性シートによれ
ば、半導体素子の微細な電極部との電気的接続をより確
実なものとすることが可能で、シート厚みと垂直方向の
短絡の問題を改善できるとともに、導電部が低抵抗であ
って厚み方向の異方導電性が高く、耐熱性、耐久性、機
械的強度に優れた異方導電性シートを得ることができ
る。また、繊維方向の熱伝導率の高い繊維状フィラーを
用いることにより熱伝導性の機能を兼ね備えた異方導電
性シートを得ることもできる。
【0052】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をより詳細に
説明するが、これらの実施例により本発明は限定される
ものではない。
【0053】
【実施例1】[異方導電性シートの製造] (1)繊維状フィラーの準備 100μm(L2)ピッチでマトリクス状に配列された上
下の電極間の導通を100μm(D)厚の異方導電性シ
ートで確保するために、繊維状フィラーとして60μm
〜130μmの繊維長を有するものが、全体の80%以
上である繊維径10μmの炭素繊維(L1)を市販品から
選択した。
【0054】なお、上記炭素繊維は80%以上の繊維の
繊維長L1が0.5×D < L1<(L2 2+D21/2
関係を満たしている。 (2)異方導電性シート用組成物の調製 上記炭素繊維を平均膜厚0.8μmとなるように表面に
ニッケルを無電解メッキした後、さらに平均膜厚0.1
μmとなるように表面に銀を無電解メッキした後、2液
タイプの付加型熱硬化性液状シリコーンゴム(粘度10
P)に対し、ニッケルメッキ及び銀メッキをした炭素繊
維を20体積分率(%)となるように加え、真空中で3
0分間混合し、異方導電性シート用組成物を得た。 (3)異方導電性シートの製造 上記組成物を、厚さ方向に磁力線が通るような永久磁石
(約2000ガウスの磁場強度)上で、厚さ0.1mm
の枠状のスペーサを介して平行に設置された2枚のPET
フィルム(50μm厚)の間に圧延しながら、充填して
シート状組成物を得た。次いで、このシート状組成物を
磁石上に置いたままオーブンに投入し、100℃に加熱
し、硬化状態の厚さ0.1mmの異方導電性シートを得
た。この異方導電性シートの厚み方向の異方導電性能等
を以下の方法によって評価した。 <異方導電性試験>(1)厚み方向の導電性評価 60μmφの電極が100μmピッチで100個、直線的
に配列された試験用基板の上に、上記異方導電性シート
を重ね、さらにその上から表面を金メッキしたNi板を
重ねた後、200g/mm2程度の加重を加え、電極間の
抵抗を測定することにより、異方導電性シートの厚み方
向の導電性を評価した。(2)厚み方向と垂直な方向の絶縁性評価 表面を金メッキしたNi板の代わりに、樹脂性の絶縁板
を重ねた以外は上記と同様な構成で、隣り合う電極間の
抵抗を測定することにより、異方導電性シートの厚み方
向と垂直な方向の絶縁性を評価した。また、下記方法に
より、熱伝導率を評価した。 <熱伝導性試験>図5は熱交流法によって、熱伝導性シ
ートの熱拡散率を評価する方法を示したもので、熱交流
法によって温度変化の位相差(△θ)を測定し下記数式
2に示される関係に基づき熱拡散率(α)を算出し、さ
らに、下記数式1に基づき、常法により別途求めた熱容
量、密度の値から熱伝導性シートの厚み方向の熱伝導率
(λ)を得ることができる。図5に示すように、熱交流
法によって温度変化の位相差(△θ)を測定するシステ
ムは、ファンクションジェネレーター15、ロックイン
アンプ16、パソコン17、サンプル12、電極13、
14からなる。サンプル12の両面を電極13および1
4(ガラス板上にスパッタにより設けた金属薄膜)で挟
み込み、一方の電極13に交流電圧を印可することによ
り、サンプル12の片面を加熱し、他方の電極14の抵
抗変化から温度変化を検知し、図6にも示すように、応
答の遅れから温度変化(△T)の位相差(△θ)を測定
した。数式2に基づいて熱拡散率(α)を求めるととも
に、数式1に基づいて伝導率(λ)を求めた。なお、通
常条件においては、サンプルをできるだけ圧縮しない条
件で測定を行った。
【0055】
【数1】
【0056】
【数2】
【0057】
【実施例2】(1)繊維状フィラーの準備 100μm(L2)ピッチでマトリクス状に配列された上
下の電極間の導通を200μm(D)厚の異方導電性シ
ートで確保するために、市販の炭素繊維(繊維径10μ
m)を分級したものを繊維状フィラーとして準備した。
この炭素繊維は110μm〜210μmの繊維長(L1
を有するものが、全体の80%以上であった。なお、上
記炭素繊維は80%以上の繊維の繊維長が0.5×D
< L1 <(L2 2+D21/2の関係を満たしている。 (2)異方導電性シート用組成物の調製 上記炭素繊維を平均膜厚0.8μmとなるように表面に
ニッケルを無電解メッキした後、さらに平均膜厚0.1
μmとなるように表面に金を無電解メッキした後、ビス
フェノールAタイプエポキシ樹脂 (EP828、油化シ
ェルエポキシ(株)製)に対し、イミダゾール系硬化剤
(2P4MHZ−PW、四国化成(株)製)を10重量%添加し
たバインダに対して、10体積分率(%)加え、真空中
で30分間混合し、異方導電性シート用組成物を得た。 (3)異方導電性シートの製造 上記組成物を、厚さ方向に磁力線が通るような永久磁石
(約2000ガウスの磁場強度)上で、厚さ0.2mm
の枠状のスペーサを介して平行に設置された2枚のPET
フィルム(50μm厚)の間に圧延しながら、充填して
シート状組成物を得た。次いで、このシート状組成物を
磁石上に置いたままオーブンに投入し、100℃に加熱
し、硬化状態の厚さ0.2mmの異方導電性シートを得
た。得られた異方導電性シートの異方導電性、熱伝導性
の評価は、実施例1と同様にして行った。
【0058】
【実施例3】[異方導電性シートの製造] (1)繊維状フィラーの準備 150μm(L2)ピッチでマトリクス状に配列された上
下の電極間の導通を250μm(D)厚の異方導電性シ
ートで確保するために、Niをびびり振動切削法で短繊
維(繊維径30μm)に加工した。このNi短繊維は1
40μm〜280μmの繊維長(L1)を有するものが、
全体の80%以上であった。
【0059】なお、上記Ni短繊維は80%以上の繊維
の繊維長が0.5×D < L1 <(L2 2+D21/2
関係を満たしている。 (2)異方導電性シート用組成物の調製 上記Ni短繊維に平均膜厚0.4μmとなるように表面に
金を無電解メッキした後、ポリエチレングリコールジメ
タクリレート(PDE400、共栄社(株)製)に対し
光開始剤(イルガキュアー651、チバガイギー(株)
製)を5wt%添加した組成物に10体積分率(%)加
え、真空中で30分間混合し、異方導電性シート用組成
物を得た。 (3)異方導電性シートの製造 上記組成物を、厚さ方向に磁力線が通るような永久磁石
(約2000ガウスの磁場強度)上で、厚さ0.25m
mの枠状のスペーサを介して平行に設置された2枚のPE
Tフィルム(50μm厚)との間に圧延しながら、充填
してシート状組成物を得た。ついで、シートの上方から
紫外線照射装置により紫外線を1分間照射し、硬化状態
の厚さ0.25mmの異方導電性シートを得た。
【0060】得られた異方導電性シートの異方導電性の
評価は80μmφの電極が150μmピッチで100個、
直線的に配列された試験用基板を用いた以外は実施例1
と同様にして行った。熱伝導性の評価は実施例1と同様
にして行った。
【0061】
【比較例1】前記実施例1において、150μm以上の
繊維長を有するものが、全体の40%以上である繊維径
10μmの炭素繊維(L1)を市販品から選択して用いた
以外は実施例1と同様にして異方導電性シートを作製し
た。得られた異方導電性シートの異方導電性、熱伝導性
の評価は実施例1と同様にしてを行った。
【0062】
【比較例2】前記実施例2において、100μm以下の繊
維長(L1)を有するものが、全体の50%以上となる
ように、分級した炭素繊維を用いた以外は実施例2と同
様にして異方導電性シートを作製した。得られた異方導
電性シートの異方導電性、熱伝導性の評価は実施例1と
同様にしてを行った。
【0063】
【比較例3】前記実施例1において、磁場を印可しない
で硬化シートを得た以外は実施例1と同様にして、シー
トを得た。異方導電性、熱伝導性の評価は実施例1と同
様の方法で行った。
【0064】
【比較例4】前記実施例2において、表面に金を付着さ
せなかったこと以外は実施例1と同様にして、異方導電
性シートを得た。異方導電性、熱伝導性の評価は実施例
1と同様の方法で行った。 (評価)実施例1〜3、比較例1〜4のシートの厚み方
向ならびに厚み方向と垂直な方向の導電性を表1に示
す。なお、厚み方向の抵抗については、平均値が1Ω以
下の場合○、1−10Ωの場合を△、10Ω以上の場合
を×とした。厚みと垂直な方向の抵抗については50対
の測定点の全てが1MΩ以上の場合を○、1MΩ以下の
測定点が2個以内の場合を△、1MΩ以下の測定点が1
0個以上の場合を×とした。
【0065】実施例1〜3、比較例1〜4のシートの熱
伝導率を、比較例3で得られたシートの熱伝導率に対し
て、5倍未満の熱伝導率のものを×、5倍以上20倍未
満のものを△、20倍以上のものを○として評価した。
結果を表1に示した。
【0066】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、異方導電性シートを、電極を有する半
導体素子と回路基板との間に挟み込んだ構造の断面の模
式図である。
【図2】図2(a)は、導電性と磁性とを有する繊維状フ
ィラーがシートの厚み方向に配向した異方導電性シート
を、シート面と垂直方向から見た平面図である。図2
(b)は、導電性と磁性とを有する繊維状フィラーがシー
トの厚み方向に配向した異方導電性シートを、シート面
と平行方向から見た断面図である。
【図3】図3は、異方導電性シートの製造方法の一例を
示す模式図である。
【図4】図4(a)は、本発明で規定した繊維長のフィラ
ーを用いた異方導電性シートの使用例の模式図である。
図4(b)は、本発明で規定したよりも短い繊維長のフィ
ラーを用いた異方導電性シートの使用例の模式図であ
る。図4(c)は、本発明で規定したよりも長い繊維長の
フィラーを用いた異方導電性シートの使用例の模式図で
ある。
【図5】図5は、熱交流法による熱伝導率の測定方法を
示した図である。
【図6】図6は、熱交流法による熱伝導率の測定方法の
うち、温度変化の位相差を示した図である。
【符号の説明】
1 異方導電性シート 2 導電性と磁性とを有する繊維状フィラー 3 バインダー 4 シート状組成物 5 紫外線照射装置 6 PETフィルム 7 スペーサ 8 永久磁石 9 半導体素子 10 回路基板 11 電極 12 サンプル 13 電極 14 電極 15 ファンクションジェネレーター 16 ロックインアンプ 17 パソコン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05K 3/32 H05K 3/32 B (72)発明者 佐藤 穂積 東京都中央区築地二丁目11番24号 ジェイ エスアール株式会社内 Fターム(参考) 4F071 AA01 AA67 AB03 AB06 AD01 AE14 AE15 AF37 AF41 AH13 BA03 BB02 BC01 BC12 4J002 AC011 AC031 AC061 AC071 AC081 AC091 AC111 BB032 BB122 BB151 BD042 BE022 BG102 BP011 CB002 CC031 CC181 CD021 CD051 CD061 CD191 CF001 CF062 CF211 CH041 CK021 CL012 CL032 CL062 CM022 CM032 CN012 CP031 DA016 DA066 DL006 FA042 FA046 FB072 FB076 FD010 FD012 FD016 FD140 GQ05 5E319 AA03 AB05 AC01 BB16 CC12 CC61 CD15 CD26 GG20 5F044 KK01 LL09

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体素子と回路基板とに挟着される異
    方導電性シートであって、該異方導電性シートに含まれ
    る導電性と磁性とを有する繊維状フィラー(A)がシート
    の厚み方向に配向し、前記導電性と磁性とを有する繊維
    状フィラー(A)の80%以上が、下記式[I] 0.5×D < L1 <(L2 2+D21/2 ……[I] [ただし、式[I]中、L1は導電性と磁性とを有する繊
    維状フィラー(A)の繊維長であり、Dは異方導電性シー
    トの膜厚であり、L2は半導体素子上の異方導電性シー
    ト側に配置された電極の隣接電極間距離または回路基板
    上の異方導電性シート側に配置された電極の隣接電極間
    距離のうちの最小隣接電極間距離を表す。]で示される
    繊維長L1を有していることを特徴とする異方導電性シ
    ート。
  2. 【請求項2】 前記異方導電性シートが、導電性と磁性
    とを有する繊維状フィラー(A)と熱および/または光
    で硬化するバインダー(B)とからなるシート状組成物
    を、該シート状組成物のシートの厚み方向に磁場を印加
    させ、前記導電性と磁性とを有する繊維状フィラー(A)
    をシートの厚み方向に配向させながら、前記バインダー
    (B)を熱および/または光で硬化して得られたことを特
    徴とする請求項1に記載の異方導電性シート。
  3. 【請求項3】 前記導電性と磁性とを有する繊維状フィ
    ラー(A)が、表面に貴金属が付着された磁性を有する
    繊維状フィラーであること特徴とする請求項1または2
    に記載の異方導電性シート。
  4. 【請求項4】 前記導電性と磁性とを有する繊維状フィ
    ラー(A)が、磁性を有する金属繊維、または繊維軸方
    向と繊維円周方向とが異なる磁化率である繊維からなる
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の異方
    導電性シート。
  5. 【請求項5】 前記繊維軸方向と繊維円周方向とが異な
    る磁化率である繊維が、炭素繊維であることを特徴とす
    る請求項4に記載の異方導電性シート。
  6. 【請求項6】 前記導電性と磁性とを有する繊維状フィ
    ラー(A)が、表面に磁性体を付着した繊維からなるこ
    とを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の異方導
    電性シート。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の異方導
    電性シートを用いて半導体素子の電極と回路基板の電極
    との間の電気的接続を行うことを特徴とする異方導電性
    シートの使用方法。
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