JP2002124318A - 複合シートおよびその製造方法 - Google Patents

複合シートおよびその製造方法

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JP2002124318A
JP2002124318A JP2000312195A JP2000312195A JP2002124318A JP 2002124318 A JP2002124318 A JP 2002124318A JP 2000312195 A JP2000312195 A JP 2000312195A JP 2000312195 A JP2000312195 A JP 2000312195A JP 2002124318 A JP2002124318 A JP 2002124318A
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sheet
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fibrous filler
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JP2000312195A
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Takeo Hara
武 生 原
Shinichiro Iwanaga
永 伸一郎 岩
Hozumi Sato
藤 穂 積 佐
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 本発明に係る複合シートは、磁性を有す
る繊維状フィラー(A)と、熱および/または光で硬化
したバインダー(B)と、有機微粒子または無機微粒子(C)
とを含み、前記磁性を有する繊維状フィラー(A)がシー
トの厚み方向に配向していることを特徴としている。 【効果】 本発明に係る複合シートは、繊維状フィラー
(A)が導電性を有する場合、導電部が低抵抗であって
厚み方向の異方導電性が高く、耐熱性、機械的強度およ
び半導体素子の電極部との接続安定性に優れる。また、
過度の荷重が加えられた場合にもシート厚と垂直方向の
絶縁性の低下が起こりにくく、耐久性にも優れている。
しかも、繊維状フィラーが熱伝導性を有する場合は、さ
らに良好な熱伝導性を示し、半導体素子駆動時の発熱に
よる誤動作の問題解決に有効である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、複合シートに関する。さ
らに詳しくは、絶縁性を有し、耐久性の良好な異方導電
性複合シートに関する。
【0002】
【発明の技術的背景】近年、電気機器あるいは電子機器
の高性能化、小型化、あるいは高密度配線化に伴い、半
導体素子の電極数が増加し、電気回路部品、電気回路基
板等の検査、計測あるいは相互間の電気的接続は微細な
電極間ピッチを介して行われるようになっている。そし
て、このような半導体素子の電極ピッチもますます微細
化する傾向にあり、半導体素子の基板への実装ならびに
その検査において、微細化した電極ピッチを、短絡な
く、低抵抗で、確実に接続することが大きな課題となっ
てきている。
【0003】これに対応して、ハンダ付けあるいは機械
的嵌合などの手段を用いずにコンパクトな電気的接続を
達成し、機械的な衝撃や歪みを吸収してソフトな接続を
可能とするような異方導電性シートの開発が試みられて
いた。たとえば、特公昭56−48951号公報、特開
昭51−93393号公報、特開昭53−147772
号公報、特開昭54−146873号公報には、シート
の厚さ方向にのみ導電性を示すもの、あるいは加圧され
た際に厚さ方向にのみ導電性を示す多数の加圧導電性導
電部を有するような種々の構造の異方導電性シートが記
載されており、このような異方導電は、回路基板等の電
気検査等の際に電極を傷つけることなく、確実な電気的
接続を達成できる点で有効であり、また、このうち、樹
脂中に導電性粒子を有し、該導電性粒子がシートの厚み
方向に配向して導電部を形成しているような異方導電性
シートは、特に、微細化した電極ピッチの接続に有効で
あった。
【0004】しかしながら、電子回路基板等の電極寸法
や電極間寸法のさらなる微細化、高密度化の進展に対応
して、異方導電性シートの導電部においても、一層の微
細化が求められるようになってきていた。たとえば、半
導体素子等の導電部のピッチ間隔は、これまで500μ
m程度であったものが、100μmあるいはそれ以下の
ピッチ間隔の電子回路基板等も現れるなど、半導体素子
等の導電部の電極ピッチが一層微細化してきており、磁
性体粒子のシートの厚み方向への配向等によって形成さ
れる異方導電性シートの導電部と、半導体素子等の導電
部との電気的接続を正確かつ確実に確保するためには、
異方導電性シート中の導電部の間隔を、たとえば数十μ
m程度の間隔にするなど異方導電性シートの導電部を一
層高密度化することが必要となってきていた。
【0005】このため、樹脂中に導電性粒子を有し、該
導電性粒子がシートの厚み方向に配向して導電部を形成
しているような異方導電性シートにおいては、異方導電
性シートに含まれる導電性粒子自体を微細化して、該導
電性微粒子を厚み方向に配向させた異方導電性シートの
開発が試みられていた。しかしながら、このような微細
な導電性粒子を用いて異方導電性シートの導電部のピッ
チ間隔の微細化を行っても、導電性粒子の微細化にとも
ない異方導電性シートの厚み方向に配向した導電性粒子
同士の間の接触抵抗が増大し、導電性の低下をもたらす
という問題点があった。また、異方導電性シートの導電
部を高密度化する場合には、異方導電性シートの成形時
における導電性粒子の配向性が重要な要素となるが、配
向精度の問題から、厚み方向に配向した導電性粒子の列
からなる導電部の接触頻度が高まり、シートの厚みと垂
直方向の絶縁性が低下することがあるなどの問題点もあ
った。さらに、このような微細な導電性粒子間の接触抵
抗の低減あるいは、導電部同士の接触を低減させるた
め、異方導電性シートの薄層化が試みられたが、薄層化
すると導電性シート厚のばらつき、シートの歪み等が生
じるとともに、異方導電性シートの耐久性が低下すると
いう問題点があった。
【0006】本発明者らは、硬化または半硬化状態にあ
るバインダー中に、磁性体および貴金属が表面に付着さ
れた繊維状フィラーがシートの厚み方向に配向した異方
導電性シートによれば、微細な電極でも導電性を犠牲に
することなく、電気的接続が可能であることを既に見出
している。しかしながら、この異方導電性シートは通常
の使用においては、異方導電性に関して何ら問題は生じ
ないものの、異方導電性シートに誤って過度の荷重が与
えられた場合、特に荷重が繰り返し与えられた場合に、
シートの厚みと垂直方向の絶縁性が突然低下する現象が
見られ、その解決が望まれていた。
【0007】そこで、本発明者らは上記問題を解決すべ
く鋭意研究し、過度の荷重が加えられた場合には当初絶
縁されていた隣接フィラー間でバインダーがミクロな破
壊を起こすことにより、絶縁性が不十分になることを見
いだした。そして、その対策として、隣接するフィラー
間の隙間を埋めるバインダー中に微粒子を適度に分散さ
せておくと、絶縁性の低下を抑制することができること
を見い出した。
【0008】さらに、この異方導電性シートは、耐熱性
および機械的強度に優れ、しかも半導体素子との密着性
にも優れていることを見出すとともに、磁性を有する繊
維状のフィラーとして繊維方向に高い熱伝導性を示すフ
ィラーを用い、微粒子として高い熱伝導性を有する絶縁
性の無機微粒子を用いれば、同時に良好な熱伝導性を示
すことにより、半導体素子駆動時の発熱による誤動作の
問題解決に有効であることを見いだし、本願発明を完成
するに至った。
【0009】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に伴う
問題点を解決しようとするものであって、過度の荷重が
加えられた場合にもシートの厚み方向と垂直方向の絶縁
性の低下が起こりにくく、繊維状フィラーがシートの厚
み方向に配向した異方導電性を有する複合シートを提供
することを目的としている。
【0010】また、導電部が低抵抗であってシートの厚
み方向の異方導電性が高く、耐熱性、耐久性、機械的強
度および半導体素子の電極部との接続安定性に優れた異
方導電性シートを提供することを目的としている。さら
に、本発明は、良好な熱伝導性を示す異方導電性シート
を提供することを目的としている。
【0011】
【発明の概要】本発明に係る複合シートは磁性を有する
繊維状フィラー(A)と熱および/または光で硬化する
バインダー(B)と有機微粒子または無機微粒子(C)からな
る組成物を、該シート状組成物のシートの厚み方向と平
行な磁場を印加させ、前記磁性を有する繊維状フィラー
(A)をシートの厚み方向に配向させながら、前記バイン
ダー(B)を熱および/または光で硬化させて得ることを
特徴としている。本発明に係わる複合シートでは前記磁
性を有する繊維状フィラー(A)が、磁性を有する金属
繊維、または繊維軸方向と繊維円周方向とが異なる磁化
率である繊維、または表面に磁性体を付着した繊維であ
ることが好ましい。
【0012】さらに、本発明に係わる複合シートは磁性
を有する繊維状フィラー(A)が、表面に貴金属が付着
された導電性フィラーであり、かつ、前記有機微粒子ま
たは無機微粒子(C)が1−100μmの平均粒径の絶縁性
粒子で、組成物中で、その体積分率が2〜50%である
異方導電性を有する複合シートであることを特徴として
いる。
【0013】また、本発明に係わる複合シートは磁性を
有する繊維状フィラー(A)の繊維方向の熱伝導率ならび
に有機微粒子または無機微粒子(C) の熱伝導率がいずれ
も100W・m-1・K-1以上である熱伝導性と異方導電
性の機能を兼ね備えた複合シートであることを特徴とし
ている。
【0014】
【発明の具体的説明】<複合シート>本発明に係る複合
シートは、磁性を有する繊維状フィラー(A)と、熱お
よび/または光で硬化するバインダー(B)と、有機微粒
子または無機微粒子(C)とを含有し、該バインダー中(B)
に前記繊維状フィラー(A)がシートの厚み方向に配向
しているシートである。そして、前記繊維状フィラーを
特定のフィラーとすることにより、異方導電性、あるい
は異方導電性と熱伝導性とを示すシートとすることがで
きる。すなわち、前記磁性を有する繊維状フィラーが高
い導電性を有するものの場合には、異方導電性を有する
複合シートを提供するものとなり、さらにそれが繊維方
向に高い熱伝導性を有するものの場合には、熱伝導性を
も兼ね備えた複合シートを提供するものとなる。
【0015】このような複合シートは、磁性を有する繊
維状フィラー(A)と熱および/または光で硬化するバイ
ンダー(B)と有機微粒子または無機微粒子(C)とからなる
シート状組成物を、該シート用組成物の厚み方向に平行
な磁場を印加させ、それによってシート内の磁性を有す
る繊維状フィラーをシートの厚み方向に配向させるとと
もに、バインダーを熱および/または光で硬化または半
硬化させることにより得ることができる。
【0016】以下に詳細に説明する。なお、本明細書に
おいては、「配向」とは繊維状のフィラーがほぼ一定の
方向を向いている場合を意味する。 <シート状組成物>磁性を有する繊維状フィラー(A) 本発明に用いられる「磁性を有する繊維状フィラー
(A)」としては、本発明に用いるシート状組成物に磁場
を印可した際に、該繊維が、屈折、破断なく磁場方向に
ほぼ平行に配向しうる程度の強度を一定の直径のもとに
有し、また、本発明に係るシートを形成あるいは使用す
る際に必要に応じ加えられる熱に対する耐性を有する
(たとえば、融点が100℃以上)、一定の好ましいア
スペクトクト比を有する繊維状のフィラーである。
【0017】このような磁性を有する繊維状フィラー
(A)としては、金属繊維、または繊維軸方向と繊維円周
方向に異なる磁化率を有する繊維、表面に磁性体を付着
した繊維が挙げられる。このような金属繊維としては、
繊維状に加工されることにより、形状に由来した磁気異
方性を示すFe,Co,Ni,などの金属、その合金またはそれ
らの酸化物などのような磁性を有する繊維が挙げられ
る。
【0018】繊維軸方向と繊維円周方向に異なる磁化率
を有する繊維としては、たとえば、炭素繊維、アラミド
繊維、ポリパラベンズアゾール類の繊維など芳香環が繊
維方向に平行に並んだ構造を取りやすく、本質的に磁気
異方性を示す繊維が挙げられる。このような繊維のう
ち、炭素繊維としては、たとえば、原料の種類によっ
て、セルロース系、PAN系、ピッチ系などの炭素繊維
のうちから選択することができ、良好な熱伝導性を付加
する観点からは、ピッチ系の炭素繊維を用いることが好
ましい。ピッチ系の炭素繊維のうち、異方性炭素繊維ま
たは等方性炭素繊維のいずれも使用することができる。
アラミド繊維としては、ポリ−p−フェニレンテレフタ
ルアミド、ポリ−m−フェニレンイソフタルアミドなど
が挙げられ、このうち、ポリ−p−フェニレンテレフタ
ルアミド繊維が好ましい。ポリパラベンズアゾール類の
繊維としては、ポリ−p−フェニレンベンゾビスオキサ
ゾール、ポリ−p−フェニレンベンゾビスチアゾールな
どが挙げられ、このうち、ポリ−p−フェニレンベンゾ
ビスオキサゾールが好ましい。
【0019】さらに、前記炭素繊維、アラミド繊維、ポ
リパラベンズアゾール類の繊維などの繊維軸方向と繊維
円周方向に異なる磁化率を有する繊維あるいは、これら
の繊維またはこれ以外の繊維に、Fe、Co、Niなどの磁性
体を付着させた繊維も繊維状フィラー(A)として用い
ることができる。このような炭素繊維、アラミド繊維、
ポリパラベンズアゾール類の繊維以外の繊維としては、
公知の再生繊維、合成繊維が挙げられ、たとえば、レー
ヨンなどからなる再生繊維、ナイロン6、ナイロン66
などの脂肪族ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート
(PET)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリビニルア
ルコール(PVA)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビ
ニル(PVC)、ポリエチレン(PE)などの合成繊維、ポ
リフェニレンスルフィド(PPS)、超高分子量ポリエチ
レン(UHMWPE)、ポリオキシメチレン(POM)などのい
わゆる耐熱性の高い高分子からなる繊維、全芳香族ポリ
エステル、ポリイミドなどのいわゆる高弾性率、高強度
な高分子からなる繊維、ガラス繊維などが挙げられる。
【0020】このうち、耐熱性、強度などの観点から
は、たとえば、全芳香族ポリエステル、ポリイミド、ガ
ラス繊維が好ましく、さらに、ポリイミド、全芳香族ポ
リエステルなどを特に好ましく用いることができる。こ
のような、炭素繊維、アラミド繊維などの繊維軸方向と
繊維円周方向に異なる磁化率を有する繊維あるいは、こ
れら繊維またはこれら以外の繊維に付着させうる磁性体
としては、後述する方法により、磁場を印加した場合に
磁場方向に配向しうる程度の磁性を示せば、繊維表面全
体に層状に付着していても、層を形成せずに繊維表面に
一部に付着していてもよい。
【0021】このような磁性体としては、強磁性体が好
ましく、たとえば、鉄、コバルト、ニッケルなどの金属
もしくは該金属からなる合金が挙げられ、さらに、鉄、
コバルト、ニッケルなどの強磁性を示す金属を含有する
金属間化合物あるいは該金属の金属酸化物などの金属化
合物が挙げられる。これらの強磁性体の繊維状フィラー
への付着率(付着面積率)は、特に限定されず、前述し
たとおり、後述する方法により、磁場を印加した場合に
磁場方向に配向しうる程度の磁性を示せば特に限定され
ないが、たとえば、繊維状フィラー表面における磁性体
の付着率(付着面積比)は30%以上であるものが好ま
しく、さらに好ましくは50%以上、特に好ましくは8
0%以上であることが望ましい。また、強磁性体を繊維
状フィラー表面上に付着させる際の膜厚は、たとえば、
0.01〜10μm、好ましくは0.1〜5μm、特に
好ましくは0.2〜1μmであることが望ましい。
【0022】繊維表面への磁性体の付着方法について
は、たとえば化学メッキなどの無電解メッキなどにより
行うことができる。本発明で用いられる磁性を有する繊
維状フィラー(A)の形状は、円筒形状のものが好ましく
用いられる。このような繊維の直径は、好ましくは5〜
500μm、さらに好ましくは10〜200μmであ
る。
【0023】このような「磁性を有する繊維状フィラー
(A)」が、シート状組成物の全体積中に含有される量
は、シート状組成物の全体積中に合計で2〜70容量%
の量であることが好ましく、さらに好ましくは10〜6
0容量%の量であることが望ましい。この割合が2容量
%未満であると、シート状組成物を硬化したシートの厚
み方向の熱伝導性あるいは導電性を充分には高めること
ができないことがあり、一方、この割合が70容量%を
超えると、得られる複合シートは脆弱なものとなりやす
く、複合シートとして必要な弾性が得られないことがあ
る。 (異方導電性を有する複合シート、熱伝導性を有する複
合シート)本発明で用いられる磁性を有する繊維状フィ
ラー(A)が、繊維方向に高い導電性を有する場合には、
異方導電性の複合シートとすることができ、前記磁性を
有する繊維状フィラー(A)が、繊維方向に高い熱伝導性
を有する場合には、得られる複合シートを熱伝導性の複
合シートとすることもできる。
【0024】熱伝導性を有する複合シートを得る場合、
上述した磁性を有する繊維状フィラー(A)の繊維方向の
熱伝導率(W・m-1・K-1)は、100以上、好ましく
は500以上、特に好ましくは1200以上であること
が望ましい。前記繊維状フィラーのうち熱伝導性を有す
る複合シート用の繊維状フィラーとしては、炭素繊維、
アラミド繊維、ポリパラベンズアゾール類の繊維および
これらに磁性体を付着させたものが好ましい。また、F
e、Co、Niからなる金属繊維も好ましく用いることが
できる。
【0025】異方導電性を有する複合シートを得る場
合、前記磁性を有する繊維状フィラー(A)としては、前
記に例示した、金属繊維または繊維軸方向と繊維円周方
向に異なる磁化率を有する繊維または表面に磁性体を付
着した繊維に導電性を付与する金属をさらに付着させれ
ばよい。このような材料としては、空気中で酸化され難
く、高い導電性を有する貴金属が好ましく、このような
貴金属としては、たとえば、金、銀、ルテニウム、パラ
ジウム、ロジウム、オスミウム、イリジウム、白金など
が挙げられ、好ましくは、金、銀である。このような貴
金属は、複合シートが導電性を有するよう繊維表面に付
着していれば、繊維表面全体に膜状に付着していても、
表面全体でなくてもよい。繊維表面への貴金属の付着方
法については、たとえば化学メッキなどの無電解メッキ
などにより行うことができる。また、このような貴金属
は、酸化防止効果を有することから、貴金属を最も外側
に付着させることが好ましい。このような前記磁性体お
よび貴金属が表面に付着した繊維としては、たとえば、
炭素繊維表面に磁性体としてニッケルを付着し、その表
面に金あるいは銀などの貴金属を付着させた繊維が挙げ
られる。
【0026】貴金属の繊維状フィラーへの付着率(付着
面積比)は、好ましくは30%以上、さらに好ましくは
50%以上、特に好ましくは80%以上であることが望
ましい。また、貴金属を繊維状フィラー表面上に付着さ
せる際の膜厚としては、たとえば、0.01〜2μm、
好ましくは0.02〜1μm、特に好ましくは0.05
〜0.5μmであることが望ましい。
【0027】このような本発明で用いられる磁性を有す
る繊維状フィラー(A)として、表面がシランカップリン
グ剤などのカップリング剤でさらに処理されたものも適
宜用いることができる。磁性を有する繊維状フィラーの
表面がカップリング剤でさらに処理されていると、繊維
状フィラーと前記バインダーとの接着性が高くなり、そ
の結果、得られる熱伝導性複合シートあるいは導電性複
合シートは、耐久性が高いものとなる。
【0028】バインダー(B) 本発明の複合シートを形成するシート状組成物には、バ
インダーとしては、ゴム状重合体あるいは樹脂状重合体
のいずれでも使用可能で、硬化または半硬化前の状態で
液状であるバインダーを好ましく用いることができる。
また、バインダーには、光硬化性成分および/または熱
硬化性成分を添加することもでき、さらに、バインダー
成分であるゴム状重合体あるいは樹脂状重合体が光硬化
性成分および/または熱硬化性成分を兼ねることもでき
る。
【0029】以下に、本発明に用いられるゴム状重合
体、樹脂状重合体、光硬化性成分および熱硬化性成分に
ついて説明する。 (ゴム状重合体)本発明で用いられるゴム状重合体とし
ては、具体的には、ポリブタジエン、天然ゴム、ポリイ
ソプレン、SBR,NBRなどの共役ジエン系ゴムおよ
びこれらの水素添加物、スチレンブタジエンブロック共
重合体、スチレンイソプレンブロック共重合体などのブ
ロック共重合体およびこれらの水素添加物、クロロプレ
ン、ウレタンゴム、ポリエステル系ゴム、エピクロルヒ
ドリンゴム、シリコーンゴム、エチレンプロピレン共重
合体、エチレンプロピレンジエン共重合体などが挙げら
れる。これらのうち、成形加工性、耐候性、耐熱性など
の点から、特にシリコーンゴムが好ましい。
【0030】ここでシリコーンゴムについてさらに詳細
に説明する。シリコーンゴムとしては、液状シリコーン
ゴムを用いることが好ましい。液状シリコーンゴムは、
縮合型、付加型などのいずれであってもよい。具体的に
はジメチルシリコーン生ゴム、メチルフェニルビニルシ
リコーン生ゴムあるいはそれらがビニル基、ヒドロキシ
ル基、ヒドロシリル基、フェニル基、フルオロ基などの
官能基を含有したものなどを挙げることができる。 (樹脂状重合体)本発明に用いられる樹脂状重合体とし
ては、具体的には、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メ
ラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などが使用可能で
ある。このうち、エポキシ樹脂を用いることが好まし
い。
【0031】エポキシ樹脂としては、1分子中に2個以
上のエポキシ基を有するものが好ましく、たとえば、フ
ェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラ
ック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹
脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノール
AD型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、あるいはポ
リグリシジル(メタ)アクリレート、グリシジル(メ
タ)アクリレートと他の共重合モノマーとの共重合体な
どが挙げられる。 (光硬化性成分)本発明に用いられるバインダーに含ま
れる光硬化性成分としては、紫外線、電子線等により硬
化する光ラジカル重合性、光カチオン重合性、配位光重
合性、光重付加反応性であるモノマー、オリゴマー、プ
レポリマーまたはポリマーが挙げられる。このような光
硬化性のモノマー、オリゴマー、プレポリマーまたはポ
リマーとしては、(メタ)アクリル系化合物、ビニルエー
テル−マレイン酸共重合体等の光ラジカル重合性、チオ
ール−エン系化合物等の光重付加反応性のものが好まし
く、このうち、(メタ)アクリル系化合物が特に好まし
い。本発明に用いられる光硬化性成分としては、このう
ち光硬化に要する時間が短時間である(メタ)アクリル系
化合物のモノマーが好ましく用いられる。
【0032】このような(メタ)アクリル系化合物の光重
合性のモノマー、オリゴマー、プレポリマーあるいはポ
リマーを誘導しうるモノマーとしては、具体的には、ア
クリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアノ基含
有ビニル化合物、(メタ)アクリルアミド化合物および
(メタ)アクリル酸エステルなどが挙げられる。前記
(メタ)アクリルアミド化合物としては、アクリルアミ
ド、メタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミ
ドなどが挙げられ、これらは単独であるいは混合して用
いられる。
【0033】前記(メタ)アクリル酸エステル類として
は、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アク
リレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘ
キシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベ
ンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メ
タ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレー
ト、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデ
カニル(メタ)アクリレートなどの単官能(メタ)アク
リレートが挙げられ、これらは単独であるいは混合して
用いられる。
【0034】また、多官能性(メタ)アクリレートとし
ては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジ
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレング
リコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、1,3-ブタンジオールジ
(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メ
タ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)
アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)ア
クリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリ
レート、1,10-デカンジオールジ(メタ)アクリレ
ート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、ビスフェ
ノールAのエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド
付加物のジアクリレート、ビスフェノールA−ジエポキ
シ−アクリル酸付加物などの2官能(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、
グリセリントリ(メタ)アクリレートなどの3官能(メ
タ)アクリレートが挙げられる。
【0035】これらのうち、特に好ましいのは、ジエチ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレング
リコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)
アクリレートなどのジ(メタ)アクリレートである。こ
れらは単独であるいは混合して用いられる。 (熱硬化性成分)本発明に係るバインダーとして好まし
く用いることのできる前記熱硬化性成分としては、熱に
より硬化する官能基を有するモノマー、オリゴマー、プ
レポリマーまたはポリマーが挙げられる。
【0036】このような官能基として、エポキシ基、水
酸基、カルボキシル基、アミノ基、イソシアネート基、
ビニル基、ヒドロシリル基などが挙げられ、反応性の点
からエポキシ基、ビニル基、ヒドロシリル基が好まし
い。このような官能基を有するモノマー、オリゴマー、
プレポリマーあるいはポリマーとしては、たとえば、エ
ポキシ系化合物、ウレタン系化合物、シリコーン系化合
物などが挙げられる。このうち、熱硬化時間の短縮の観
点からエポキシ系化合物およびシリコーン系化合物を用
いることが好ましく、さらにエポキシ系化合物またはシ
リコーン系化合物は、エポキシ基、ビニル基またはヒド
ロシリル基を分子中に2個以上有していることが望まし
い。
【0037】このようなエポキシ系化合物の分子量は特
に限定されないが、通常、70〜20,000であり、
好ましくは300〜5000であることが望ましく、具
体的には、前記エポキシ系化合物のオリゴマー、プレポ
リマーまたはポリマーなど一定の分子量以上を有する各
種エポキシ樹脂が好ましく用いられる。このようなエポ
キシ系化合物としては、具体的には、たとえば、前記し
たフェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノ
ボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ
樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノー
ルAD型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、あるいは
ポリグリシジル(メタ)アクリレート、グリシジル(メ
タ)アクリレートと他の共重合モノマーとの共重合体な
どが挙げられる。
【0038】なお、これらのフェノールノボラック型エ
ポキシ樹脂等を熱硬化性成分として用いるときは、同時
に樹脂状重合体成分を兼ねることもできる。シリコーン
系化合物としては、前記ビニル基を含有したシリコーン
ゴムを挙げることができ、硬化剤として用いるヒドロシ
リル基含有化合物との反応性から、ビニル基含有シリコ
ーン型を好ましいシリコーン系化合物として挙げること
ができる。これらのシリコーン系化合物を熱硬化性成分
として用いるときには、同時にゴム状重合体成分を兼ね
ることもできる。
【0039】なお、ゴム状重合体成分も兼ねることので
きるシリコーン系化合物の市販品としては、硬化剤であ
るヒドロシリル化合物を含有した、室温硬化型の二液タ
イプの付加型熱硬化性液状シリコーンゴムを挙げること
ができる。これらの樹脂は単独で、あるいは混合して用
いられる。 (光硬化性成分および熱硬化性成分の併用)本発明で用
いられるバインダーとして、前記光硬化性成分と前記熱
硬化性成分とは、併用して用いることもできる。このよ
うな併用系においては、前記熱硬化性成分は、光硬化条
件下においては硬化しないことが好ましい。このよう
に、本発明に係るバインダーとして前記光硬化性成分と
前記熱硬化性成分とを併用する場合、その混合割合(光
硬化性成分/熱硬化性成分)は、好ましくは80/20
〜20/80重量%、さらに好ましくは70/30〜3
0/70重量%、特に好ましくは40/60〜40/6
0重量%であることが望ましい。前記光硬化性成分と前
記熱硬化性成分とがこのような範囲にあると、半硬化状
態の複合シート中での繊維状フィラーの該シートの厚み
方向への配向が充分になされるとともに、該シートを硬
化させると優れた接着性を有する複合シートを得ること
ができる。
【0040】本発明で用いられるyこのような光硬化性
成分と熱硬化性成分としては、前記(メタ)アクリル系
化合物とエポキシ系化合物との組み合わせが、半硬化状
態の熱伝導性複合シートの成形時間の短縮、優れた接着
性の観点などから好ましい。このような光硬化性成分と
熱硬化性成分の混合方法は特に制限されないが、たとえ
ば、光硬化性成分として前記アクリル系化合物モノマー
を用い、熱硬化性成分として前記エポキシ系樹脂を用い
る場合、アクリル系化合物モノマーに、エポキシ樹脂を
溶解して混合することができる。
【0041】なお、本発明で用いられるバインダーの成
分として、光硬化性の官能基と、光硬化条件下で硬化し
ない熱硬化性の官能基とを1分子中に含む化合物を用い
て、両成分を兼ねることもできる。このような光硬化性
の官能基を含有する化合物として前記(メタ)アクリル
化合物、熱硬化性の官能基として前記エポキシ基等が挙
げられ、両成分を兼ねることのできる具体的な化合物と
しては、グリシジル(メタ)アクリルアミドなどのエポ
キシ(メタ)アクリルアミド、グリシジル(メタ)アク
リレート、3,4-エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリ
レートなどのエポキシ(メタ)アクリレートなどが挙げ
られる。
【0042】また、不飽和二重結合を有する反応性モノ
マーもバインダー成分として含有することができ、この
ような反応性モノマーとしては、たとえば、ヒドロキシ
スチレン、イソプロペニルフェノール、スチレン、α−
メチルスチレン、p−メチルスチレン、クロロスチレ
ン、p−メトキシスチレンなどの芳香族ビニル化合物、
ビニルピロリドン、ビニルカプロラクタムなどのヘテロ
原子含有脂環式ビニル化合物が挙げられる。 (光開始剤)本発明に用いられるシート状組成物には、
添加剤として前記光硬化成分の硬化の際に用いる放射線
の種類に応じ、たとえば紫外線硬化による場合には光開
始剤などを混合することができる。
【0043】このような光開始剤は、本発明に係る光硬
化条件下で、前記シート状組成物中に含まれる光硬化性
成分を硬化させるものであればよく、また、光硬化性成
分と熱硬化性成分とを併用する場合は、光硬化性成分を
硬化させ、かつ熱硬化性成分が硬化しなければよく、公
知の光開始剤を用いることができる。このような光開始
剤としては、たとえばベンジル、ジアセチル等のα−ジ
ケトン類;ベンゾイン等のアシロイン類;ベンゾインメ
チルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾイン
イソプロピルエーテル等のアシロインエーテル類;チオ
キサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、チオキ
サントン−4−スルホン酸、ベンゾフェノン、4,4
(−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’
−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等のベンゾフ
ェノン類;アセトフェノン、p−ジメチルアミノアセト
フェノン、α,α’−ジメトキシアセトキシベンゾフェ
ノン、2,2’−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェ
ノン、p−メトキシアセトフェノン、2−メチル[4−
(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−1−プ
ロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−
(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等の
アセトフェノン類;アントラキノン、1,4−ナフトキ
ノン等のキノン類;フェナシルクロライド、トリブロモ
メチルフェニルスルホン、トリス(トリクロロメチル)
−s−トリアジン等のハロゲン化合物;ジ−t−ブチル
パーオキサイド等の過酸化物;2,4,6−トリメチル
ベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイドなどのア
シルフォスフィンオキサイド類等が挙げられる。また、
市販品としては、イルガキュア184、651,50
0,907、CG1369、CG24−61、ダロキュ
ア1116,1173(以上、商品名、チバ・スペシャ
ルティ・ケミカルズ(株)製)、ルシリンLR872
8,TPO(以上、商品名、BASF社製)、ユベクリ
ルP36(以上商品名、UCB社製)等を挙げることが
できる。
【0044】このうち、バインダーとして光硬化性成分
と熱硬化性成分とを併用する場合に、シート状組成物に
含まれる光硬化性成分が(メタ)アクリル系化合物で、
熱硬化性成分がエポキシ系化合物である場合は、硬化速
度の速いイルガキュア651、ルシリンTPOなどの光開
始剤を好ましく用いることができる。このような光開始
剤の使用量は、実際の硬化速度、可使時間とのバランス
などを考慮して適量使用することが好ましいが、具体的
には、光硬化性成分100重量部に対して、1〜50重
量部の割合でバインダーに含まれることが好ましく、5
〜30重量部の割合で含まれることが特に好ましい。1
重量部未満であると、酸素による感度の低下を受け易く
なることがあり、50重量部を超えると相溶性が悪くな
ったり、保存安定性が低下したりすることがある。
【0045】また、このような光開始剤と併用して、光
開始助剤を用いることもできる。光開始助剤を併用する
と、光開始剤単独の使用に比べ、開始反応が促進され、
硬化反応を効率的に行うことができる。このような光開
始助剤としては、通常用いられる光開始助剤を用いるこ
とができる。このような光開始助剤としては、たとえ
ば、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミ
ン、トリイソプロパノールアミン、n-ブチルアミン、N-
メチルジエタノールアミン、ジエチルアミノエチル(メ
タ)アクリレートなどの脂肪族アミン、ミヒラーケト
ン、4,4'-ジエチルアミノフェノン、4-ジメチルアミノ
安息香酸エチル、4-ジメチルアミノ安息香酸エチル、4-
ジメチルアミノ安息香酸イソアミルなどが挙げられる。 (熱硬化剤)本発明に用いられるシート状組成物には、
熱硬化性成分の熱硬化を促進させるため熱硬化剤を混合
してもよい。このような熱硬化剤は、公知の熱硬化剤を
用いることができる。このような熱硬化剤としては、ア
ミン類、ジシアンジアミド、二塩基酸ジヒドラジド、イ
ミダゾール類、ヒドロシリル化合物、ビニルシリル化合
物などが挙げられる。
【0046】具体的には、ポリメチレンジアミン、ジエ
チレントリアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、ビ
スヘキサメチレントリアミン、ジエチルアミノプロピル
アミン、ポリエーテルジアミン、1,3-ジアミノシクロヘ
キサン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニ
ルスルホン、4,4'-ヒ゛ス(o-トルイジン)、m-フェニレンジ
アミン、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメ
チルイミダゾール、ブロックイミダゾール、両末端ヒド
ロシリル基含有ポリジメチルシロキサン、両末端ビニル
基含有ポリジメチルシロキサンなどが挙げられる。
【0047】このような熱硬化剤の使用量は、実際の硬
化速度、可使時間とのバランスなどを考慮して適量使用
することが好ましいが、具体的には、熱硬化剤は、熱硬
化性成分100重量部に対して、1〜50重量部の割合
でバインダーに含まれることが好ましく、特に好ましく
は1〜30重量部の割合で含まれることが望ましい。な
お、前記光開始剤および熱硬化剤の添加方法は特に限定
されるものではないが、保存安定性、成分混合時の触媒
の偏在防止などの観点から、バインダーに予め混合して
おくことが好ましい。
【0048】有機微粒子または無機微粒子(C) 本発明では、シート状組成物には、有機微粒子または無
機微粒子(C)をバインダー中に適度に分散させる。こ
のような有機微粒子または無機微粒子(C)は絶縁性の
粒子であることが好ましい。このような有機微粒子とし
ては、たとえば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェ
ノール樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂等の樹脂微粒
子、あるいはシリコーンゴム、SBR、NBR等のゴム
微粒子が挙げられ、このうち、シリコーン樹脂微粒子が
バインダーへの分散性の観点から特に好ましい。
【0049】無機微粒子としてはシ、たとえば、シリ
カ、アルミナ、炭酸カルシウム等の充填剤を用いること
ができ、また、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケ
イ素等の高い熱伝導性の無機微粒子を用いることもでき
る。このうち、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケ
イ素等が好ましい。このような本発明で用いる有機微粒
子または無機微粒子(C)は、熱伝導率(W・m-1・K
-1)が、好ましくは100以上、さらに好ましくは50
0以上、特に好ましくは1200以上であることが望ま
しい。
【0050】本発明で用いられる有機微粒子または無機
微粒子の平均粒径は、隣接する炭素繊維間距離により適
宜選択されるが、好ましくは1〜100μmであり、さ
らに好ましくは2〜50μmであり、特に好ましくは2
〜20μmであることが望ましい。これらの有機微粒子
または無機微粒子の添加量は組成物中の体積分率で2〜
50%であることが好ましく、さらに好ましくは5〜3
0%である。有機微粒子または無機微粒子の添加量が2
%未満の場合、絶縁性の低下を抑制する効果が不十分と
なりやすく、50%を超えると、繊維状フィラーの配向
を阻害し、導電性が低下する傾向にある。
【0051】シート状組成物の調製 本発明で用いられるシート状組成物に用いるシート形成
用の組成物は、従来公知の方法をいずれも採用すること
ができ、たとえば、バインダー、磁性を有する繊維状フ
ィラー、あるいは必要に応じ、光開始剤、熱硬化剤ある
いは無機充填剤などを混合し、混練して、シート形成用
の組成物を得る方法などが挙げられる。
【0052】このような本発明のシート形成用の組成物
の粘度は、温度25℃において10,000〜1,000,000 cpの
範囲内であることが好ましく、また、このようなシート
用組成物は、ペースト状であることが好ましい。本発明
で用いる前記シート形成用の組成物をシート状に成形す
るには、従来公知の方法が採用できるが、塗布法、ロー
ル圧延法、流延法などを採用しうる。 <複合シートの製造方法>本発明に係る複合シートの製
造方法の一例としては、たとえば、前記有機微粒子また
は無機微粒子(C)を分散させたバインダー(B)中
に、磁性体および貴金属が付着させた繊維状フィラー
(A)を含有するシート形成用の組成物を用い、該組成
物をシート状に成形し、該シート状組成物の厚み方向に
磁場を作用させて、表面に磁性体および貴金属が付着さ
れた繊維状フィラー(A)を、シートの厚み方向に配向
させるとともに、該シート状組成物を光照射あるいは加
熱により硬化あるいは半硬化させれば、異方導電性を有
する複合シートを形成することができる。
【0053】また、使用時に被覆物の表面に塗布などの
用法により本発明に用いる異方導電性を付与しうるシー
ト状組成物を被膜し、塗布された該シート状組成物の厚
み方向に磁場を作用させて、表面に磁性体および貴金属
が付着された繊維を配向させるとともに、塗布された該
シート状組成物を光照射あるいは加熱により硬化あるい
は半硬化させて異方導電性を有する複合シートを形成す
ることもできる。
【0054】このような磁性および導電性が付与された
繊維の配向と、該シート状組成物の硬化または半硬化
は、同時に行ってもよいし、配向させた後、硬化または
半硬化を行ってもよい。このようにして得られる複合シ
ートにおいて、たとえば、表面に磁性および導電性が付
与された繊維状フィラーの含有量(容量)は、前述した
異方導電性シート用組成物と同様である。
【0055】このようにして得られる複合シートは、た
とえば、磁性を有する繊維状フィラーに導電性が付与さ
れている場合、磁性を有する繊維状フィラーにより形成
される導電部の抵抗を小さくすることができる。この場
合、たとえば、異方導電性を有する複合シートの厚み方
向の抵抗は、好ましくは10Ω以下、さらに好ましくは
1Ω以下、特に好ましくは0.1Ω以下の抵抗を示すこ
とが望ましい。
【0056】また、本発明に係る異方導電性を有する複
合シートは、シートの厚みと垂直方向の絶縁性が高く、
厚み方向の異方導電性に優れている。そして、このよう
な異方導電性を有するシートの膜厚を大きくしても、導
電部を低抵抗に維持することができる。このような異方
導電性を有する複合シートの厚さは、シートの用途、シ
ートを用いる回路基板等の電極の高さなどにより異なり
特に制限されないが、50μm〜1000μm程度にす
ることができる。このため、電極の高さのばらつきを充
分に吸収しうる程度のシート厚とすることができる。
【0057】以下に、異方導電性を有する複合シートを
例にとって、その成形方法をさらに詳細に説明する。異
方導電性を有する複合シートの具体例としては、たとえ
ば、図1に示すように、本発明に係る異方導電性を有す
る複合シート1は、前記有機微粒子または無機微粒子2
を分散させたバインダー3中に、磁性体および貴金属が
付着された繊維状フィラー4が、シートの厚みの方向に
配向している。
【0058】なお図1は、本発明の異方導電性を有する
複合シートの断面の模式図面である。本発明で用いられ
るシート形成用の組成物をシート状にした前記シート状
組成物あるいは被覆物表面に塗布したシート状組成物中
の導電性が付与された磁性を有する繊維状フィラー
(A)を、該シート状組成物の厚みの方向に配向させる
ために印可される磁場の強さは、好ましくは500〜5
0000ガウス程度、さらに好ましくは2000〜20
000ガウス程度であり、磁場印加時間は好ましくは1
〜120分程度、さらに好ましくは5〜30分程度であ
る。磁場の印加は、室温下で行ってもよいし、必要に応
じ加熱して硬化してもよい。
【0059】このような異方導電性を付与しうるシート
状組成物を硬化または半硬化する方法は、用いるバイン
ダーの種類および要求するシート性能によって異なり制
限されないが、たとえば、前記エポキシ樹脂をバインダ
ー成分として、好ましくは80〜180℃、さらに好ま
しくは100〜160℃の範囲で加熱することによっ
て、異方導電性を付与しうるシート状組成物を硬化させ
ることができる。このような加熱の方法は、特に制限さ
れず、公知の方法を用いることができ、通常のヒーター
等を用いて異方導電性を付与しうるシート状組成物を硬
化させればよい。加熱時間は、特に制限されず、5〜1
20分程度の範囲が好ましい。
【0060】また、たとえば、前記(メタ)アクリル樹
脂をバインダー成分として用いた場合には、光開始剤の
存在下に、可視光線、紫外線、赤外線、遠紫外線、電子
線、X線などの光を選択的に照射して、粘着性の異方導
電性を有する複合シートを得ることもできる。光照射の
方法は、特に制限されず、公知の方法を用いることがで
き、たとえば、通常の光重合装置を用いて、前記異方導
電性を有する複合シートに特定の波長の紫外線等を照射
して行えばよい。紫外線蛍光灯の場合は、照射時間は2
〜3分程度であり、照射距離は5〜10cm程度であり、
高圧水銀灯の場合は、照射時間は10〜20秒、照射距
離は7〜20cm程度であることが好ましい。
【0061】なお、繊維状フィラー(A)がさらに熱伝
導性を有しているものも、同様の方法により複合シート
を製造することができる。 (光硬化性成分と熱硬化性成分とを併用した複合シート
の製造方法)バインダー成分として、前記光硬化性成分
と、前記熱硬化性成分とを含んだシート状組成物から複
合シートを製造する方法としては、たとえば、異方導電
性を有する複合シートを例に取れば、異方導電性を付与
しうるシート状組成物に対し、可視光線、紫外線、赤外
線、遠紫外線、電子線、X線などの光を選択的に照射し
て、硬化に必要なエネルギーを供給することによって、
該シート状組成物中に含まれる光硬化性成分を硬化し
て、半硬化状態の複合シートを得たのち、使用の際に該
半硬化状態の異方導電性を有する複合シートを、用いる
基材の間、たとえば、電極部を含む半導体素子または半
導体パッケージと、配線部を含む回路基板との間に挟み
込んで熱圧着して硬化させて得ることもできる。
【0062】このように、光硬化性成分と熱硬化性成分
を併用する場合に、光照射により光硬化性成分を硬化さ
せて、半硬化状態の異方導電性を有する複合シートを製
造する方法は、前述した光硬化と同様、特に制限され
ず、公知の方法を用いることができ、たとえば、通常の
光重合装置を用いて、前記異方導電性を有する複合シー
トに特定の波長の紫外線等を照射して行えばよい。紫外
線蛍光灯の場合は、照射時間は2〜3分程度であり、照
射距離は5〜10cm程度であり、高圧水銀灯の場合は、
照射時間は10〜20秒、照射距離は7〜20cm程度で
あることが好ましい。
【0063】また、未硬化のシート状組成物に磁場を作
用させて、導電性が付与された磁性を有する繊維状フィ
ラー(A)をシートの厚み方向に配向させつつ、光重合
を行って半硬化した異方導電性を有する複合シートを得
る工程手順は特に制限されず、磁場の印加と同時に光照
射してもよいし、磁場の印加により導電性が付与された
磁性を有する繊維状フィラー(A)を、シートの厚み方
向に配向させた後、光照射して該シート状組成物を半硬
化させてもよい。導電性が付与された磁性を有する繊維
状フィラー(A)を充分に配向させる観点からは、磁場
を印可させてこれらを配向させた後に、光照射して該シ
ート状組成物を半硬化させることが好ましい。このよう
な半硬化状態の異方導電性を有する複合シートを得る際
の温度は、前記シート状組成物に含まれる熱硬化性成分
が硬化しなければ特に制限されないが、通常室温程度で
行えばよく、好ましくは20〜100℃、さらに好まし
くは20〜60℃であることが望ましい。
【0064】このような光硬化により半硬化した異方導
電性を有する複合シートは、簡便かつ短時間で成形する
ことができる。なお、繊維状フィラー(A)がさらに熱
伝導性を有している複合シートも、同様の方法により製
造することができる。 (保護フィルム付き複合シート)本発明で用いるシート
形成用の組成物をシート状にしたシート状組成物は、そ
の表面が保護フィルムで覆われていてもよく、該保護フ
ィルムで覆われたシート状組成物を、前記と同様にし
て、磁場印加、光照射あるいは加熱により硬化または半
硬化させれば、磁性を有する繊維状フィラー(A)がシ
ートの厚み方向に配向した保護フィルム付きの複合シー
トを形成することができる。
【0065】このような保護フィルム付きの複合シート
は、その両面または片面が保護フィルムで覆われていれ
ばよいが、本発明においては、たとえば図2に示すよう
に、複合シート1の両面が保護フィルム5で覆われてい
るものが好ましい。また、たとえば、図3に示すよう
に、2枚の保護フィルムで覆われた複合シート1は、シ
ートの外周部に、2枚の保護フィルム5を所定距離離間
して保持するスペーサー6を有していてもよい。なお、
このようなスペーサーの材料は特に制限されないが、た
とえば、SUSあるいはポリエチレンテレフタレートなど
を好ましく用いることができる。スペーサーの、シート
の厚み方向の長さ(厚さ)、外周方向の長さは、複合シ
ートの厚み、サイズに依存して変更可能で、シート状組
成物を保持できれば特に制限されない。
【0066】このような保護フィルムの材料は、磁場の
印加、光照射を損なわず、磁場の印加、紫外線等の光照
射によりその保護フィルム材料が著しく劣化しなければ
特に制限されないが、たとえば、透明であって、弾力
性、耐光性を有し、複合シートを熱圧着などに供するた
めに保護フィルムを剥離する場合に容易、かつ破断する
ことなく剥離できる程度の強度を有しているフィルムが
好ましく、たとえば、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)、ポリイミド(PI)、ポリエチレン(PE)などを好
ましく用いることができる。
【0067】このような保護フィルムの厚さは特に制限
されないが、複合シートからの剥離の容易性等の観点か
ら、5〜150μm程度であることが望ましい。このよ
うなシート状組成物を保護フィルムで覆う方法は特に制
限されないが、たとえば、前記シート形成用の組成物を
ロール圧延法によってシート形成する際に、磁場を加え
た状態のまま、該組成物を保護フィルムで挟み込みなが
ら圧延して得ることができる。また、たとえば、スペー
サー等により2枚の保護フィルムを並行に所定距離離間
して保持し、該保護フィルム間に前記組成物を充填して
形成することもできる。また、この際に磁場を印可した
状態で行ってもよい。
【0068】また、磁場を印可しながら複合シートを形
成する工程において、スペーサーを固定したフィルム面
上に前記シート形成用の組成物を塗布し、該塗布された
シート状組成物上に保護フィルムを密着させて、磁場の
印加および光照射あるいは加熱を行い、両面が保護フィ
ルムで覆われた硬化または半硬化した複合シートを形成
することもできる。
【0069】なお、このような保護フィルム付きの複合
シートにおいても、繊維状フィラー(A)に導電性、熱
伝導性が付与されたフィラーを用いれば、保護フィルム
付きの異方導電性を有する複合シートあるいは保護フィ
ルム付きの熱伝導性を有する複合シートとすることがで
きる。
【0070】
【発明の効果】本発明に係る複合シートは異方導電性を
有するシートとして用いた場合、導電部の高密度化が可
能で、かつ導電部が低抵抗であり、シートの厚み方向の
導電性が高く、かつ厚みと垂直方向の絶縁性が高いとい
う、優れた異方導電性を有している。また、過度の荷重
が繰り返し与えられるような過酷な使用条件下でも、シ
ート厚みと垂直方向の絶縁性が低下しにくく、耐久性に
優れている。
【0071】さらに、磁性を有する繊維状のフィラーと
して繊維方向に高い熱伝導性を示すフィラーを用い、微
粒子として高い熱伝導性を有する絶縁性の無機微粒子を
用いれば、異方導電性と同時に良好な熱伝導性を示すこ
とができるので、半導体素子駆動時の発熱による誤動作
の問題解決に有効である。
【0072】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をより詳細に
説明するが、これらの実施例により本発明は限定される
ものではない。
【0073】
【実施例1】[異方導電性を有する複合シートの製造] (1)異方導電性を有する複合シート形成用の組成物の
調製 平均膜厚0.8μmとなるように表面にニッケルを無電
解メッキした後、さらに平均膜厚0.1μmとなるよう
に表面に銀を無電解メッキした平均直径10μm、平均
長さ100μmの炭素繊維と、平均粒径2μmの球状の
シリコーンレジンを2液タイプの付加型熱硬化性液状シ
リコーンゴム(粘度10P)に対し、それぞれ20体積
分率(%)、20体積分率(%)の割合となるように加
え、真空中で30分間混合し、異方導電性を有する複合
シート形成用の組成物を得た。 (2)異方導電性を有する複合シートの製造 上記組成物を、厚さ方向に磁力線が通るような永久磁石
(約2000ガウスの磁場強度)上で、厚さ0.1mm
の枠状のスペーサを介して平行に設置された上記非磁性
体板とPETフィルム(50μm厚)との間に圧延しなが
ら、充填してシート状組成物を得た。次いで、このシー
ト状組成物を磁石上に置いたままオーブンに投入し、1
00℃に加熱し、硬化状態の厚さ0.1mmの異方導電性
複合シートを得た。この異方導電性を有する複合シート
の厚み方向の異方導電性能等を以下の方法によって評価
した。 <異方導電性試験>(1)厚み方向の導電性評価 60μmφの電極が120μmピッチで100個、直線的
に配列された試験用基板の上に、上記異方導電性を有す
る複合シートを重ね、さらにその上から表面を金メッキ
したNi板を重ねた後、200g/mm2程度の加重を加
え、電極間の抵抗を測定することにより、異方導電性を
有する複合シートの厚み方向の導電性を評価した。(2)厚み方向と垂直な方向の絶縁性評価 表面を金メッキしたNi板の代わりに、樹脂性の絶縁板
を重ねた以外は上記と同様な構成で、隣り合う電極間の
抵抗を測定することにより、異方導電性を有する複合シ
ートの厚み方向と垂直な方向の絶縁性を評価した。
【0074】また、下記方法により、熱伝導率を評価し
た。 (3)耐久性評価 上記導電性評価、絶縁性評価において、シート厚の40
%の歪みが加わるように荷重を与えて測定を行なった
後、荷重を解放する操作を100回繰り返して、抵抗値
の推移より耐久性を評価した。 <熱伝導性試験>図4は熱交流法によって、熱伝導性を
有する複合シートの熱拡散率を評価する方法を示したも
ので、熱交流法によって温度変化の位相差(△θ)を測
定し下記数式2に示される関係に基づき熱拡散率(α)
を算出し、さらに、下記数式1に基づき、常法により別
途求めた熱容量、密度の値から熱伝導性複合シートの厚
み方向の熱伝導率(λ)を得ることができる。
【0075】図4に示すように、熱交流法によって温度
変化の位相差(△θ)を測定するシステムは、ファンク
ションジェネレーター10、ロックインアンプ11、パ
ソコン12、サンプル7、電極8、9からなる。サンプ
ル7の両面を電極8および9(ガラス板上にスパッタに
より設けた金属薄膜)で挟み込み、一方の電極8に交流
電圧を印可することにより、サンプル7の片面を加熱
し、他方の電極9の抵抗変化から温度変化を検知し、図
5にも示すように、応答の遅れから温度変化(△T)の
位相差(△θ)を測定した。数式2に基づいて熱拡散率
(α)を求めるとともに、数式1に基づいて伝導率
(λ)を求めた。なお、通常条件においては、サンプル
をできるだけ圧縮しない条件で測定を行った。
【0076】
【数1】
【0077】
【数2】
【0078】
【実施例2】[異方導電性を有する複合シートの製造] (1)異方導電性を有する複合シート形成用の組成物の
調製 平均膜厚0.8μmとなるように表面にニッケルを無電
解メッキした後、さらに平均膜厚0.1μmとなるよう
に表面に金を無電解メッキした平均直径10μm、平均
長さ200μmの炭素繊維と、平均粒径5μmの窒化ホ
ウ素粉末をビスフェノールAタイプエポキシ樹脂 (EP
828、油化シェルエポキシ(株)製)に対し、イミダ
ゾール系硬化剤(2P4MHZ−PW、四国化成(株)製)を1
0重量%添加したバインダに対して、それぞれ15体積
分率(%)、10体積分率(%)の割合となるように加
え、真空中で30分間混合し、異方導電性を有する複合
シート形成用の組成物を得た。 (2)異方導電性を有する複合シートの製造 上記組成物を、厚さ方向に磁力線が通るような永久磁石
(約2000ガウスの磁場強度)上で、厚さ0.2mm
の枠状のスペーサを介して平行に設置された上記非磁性
体板とPETフィルム(50μm厚)との間に圧延しなが
ら、充填してシート状組成物を得た。次いで、このシー
ト状組成物を磁石上に置いたままオーブンに投入し、1
00℃に加熱し、硬化状態の厚さ0.1mmの異方導電性
を有する複合シートを得た。
【0079】得られた異方導電性を有する複合シートの
異方導電性および熱伝導性の評価は、実施例1と同様に
して行った。
【0080】
【実施例3】[異方導電性を有する複合シートの製造] (1)異方導電性を有する複合シート形成用の組成物の
調製 平均膜厚0.8μmとなるように表面にニッケルを無電
解メッキした後、さらに平均膜厚0.4μmとなるよう
に表面に金を無電解メッキした平均直径10μm、平均
長さ200μmの炭素繊維と、平均粒径10μmの窒化
ホウ素粉末を、ポリエチレングリコールジメタクリレー
ト(PDE400、共栄社(株)製)に対し光開始剤
(イルガキュアー651、チバガイギー(株)製)を5
wt%添加した組成物にそれぞれ10体積分率(%)の
割合となるように加え、真空中で30分間混合し、異方
導電性を有する複合シート形成用の組成物を得た。 (2)異方導電性を有する複合シートの製造 上記組成物を、厚さ方向に磁力線が通るような永久磁石
(約2000ガウスの磁場強度)上で、厚さ0.2mm
の枠状のスペーサを介して平行に設置された上記非磁性
体板とPETフィルム(50μm厚)との間に圧延しなが
ら、充填してシート状組成物を得た。ついで、シートの
上方から紫外線照射装置により紫外線を1分間照射し、
硬化状態の厚さ0.2mmの異方導電性を有する複合シー
トを得た。
【0081】得られた異方導電性を有する複合シートの
異方導電性および熱伝導性の評価は実施例1と同様にし
てを行った。
【0082】
【比較例1】前記実施例1において、磁場を印可しない
で硬化シートを得た以外は実施例1と同様にして、シー
トを得た。異方導電性、熱伝導性の評価は実施例1と同
様の方法で行った。
【0083】
【比較例2】前記実施例2において、表面に金を付着さ
せなかったこと以外は実施例1と同様にして、シートを
得た。異方導電性、熱伝導性の評価は実施例1と同様の
方法で行った。
【0084】
【比較例3】前記実施例3において、窒化ホウ素粉末を
添加しなかった以外は実施例3と同様にして、シートを
得た。異方導電性、熱伝導性の評価は実施例1と同様の
方法で行った。 (評価)実施例1〜3、比較例1〜3のシートの異方導
電性(厚み方向ならびに厚み方向と垂直な方向の導電
性)を表1に示す。なお、厚み方向の抵抗については、
1Ω未満の場合○、1〜10Ωの場合を△、10Ωを超
える場合を×とした。厚みと垂直な方向の抵抗について
は1MΩ以上の場合を○、1MΩ未満の場合を×とし
た。耐久性については、加圧を繰り返して、100回目
の抵抗値の測定結果を測定して、同様の指標で評価し
た。
【0085】実施例1〜3、比較例1〜3のシートの熱
伝導率を、比較例3で得られたシートの熱伝導率に対し
て、それ以下の熱伝導率のものを×、同等もしくは2倍
未満を△、2倍以上のものを○として評価した。結果を
表1に示す。
【0086】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、有機微粒子または無機微粒子を分散
させたバインダー中に、表面に磁性体および貴金属が付
着された繊維状フィラーが、シートの厚み方向に配向し
た異方導電性を有する複合シート断面の模式図である。
【図2】 図2は、保護フィルムで覆われた複合シート
断面の模式図である。
【図3】 図3は、スペーサーを有する保護フィルムで
覆われた複合シート断面の模式図である。
【図4】 図4は、熱交流法による熱伝導率の測定方法
を示した図である。
【図5】 図5は、熱交流法による熱伝導率の測定方法
のうち、温度変化の位相差を示した図である。
【符号の説明】 1 複合シート 2 有機微粒子または無機微粒子 3 バインダー 4 磁性体および貴金属が付着された繊維状フィラー 5 保護フィルム 6 スペーサ 7 サンプル 8 電極 9 電極 10 ファンクションジェネレーター 11 ロックインアンプ 12 パソコン
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 9/02 C08K 9/02 5E051 C08L 101/00 C08L 101/00 G01R 1/073 G01R 1/073 F 31/26 31/26 J H01F 1/22 H01F 1/22 1/375 1/375 H01R 43/00 H01R 43/00 H (72)発明者 佐 藤 穂 積 東京都中央区築地二丁目11番24号 ジェイ エスアール株式会社内 Fターム(参考) 2G003 AA07 AG03 AG07 AG12 AH00 2G011 AA10 AB00 AB08 AC00 AC14 AC21 AE01 AE02 AF01 4F071 AA00 AD01 AD02 AE14 AE15 AE17 AF37 AF41 AF44 AF44Y AH13 BA03 BB04 BC02 4J002 AA001 AB022 AC011 AC031 AC061 AC071 AC073 AC081 AC083 AC091 AC111 BB032 BB122 BB151 BC023 BD042 BE022 BG033 BG102 BP011 CB002 CC031 CC033 CC181 CD001 CD003 CF001 CF062 CF211 CH041 CK021 CL012 CL032 CL062 CM032 CM042 CN012 CP031 CP033 DA016 DA086 DE147 DE237 DF017 DJ007 DJ017 DK007 FA042 FA046 FA083 FA087 FB072 FB076 FD012 FD016 FD140 FD150 GQ02 5E041 AA11 AA14 AA17 AB12 AC01 AC05 BB05 BC01 CA10 HB06 NN04 NN17 5E051 CA04

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性を有する繊維状フィラー(A)と、
    熱および/または光で硬化したバインダー(B)と、有機
    微粒子または無機微粒子(C)とを含み、前記磁性を有す
    る繊維状フィラー(A)がシートの厚み方向に配向してい
    ることを特徴とする複合シート。
  2. 【請求項2】 前記磁性を有する繊維状フィラー(A)
    が、磁性を有する金属繊維、繊維軸方向と繊維円周方向
    とが異なる磁化率である繊維および表面に磁性体を付着
    した繊維から選ばれる1種であることを特徴とする請求
    項1記載の複合シート。
  3. 【請求項3】 前記磁性を有する繊維状フィラー(A)
    が、表面に貴金属が付着された導電性のフィラーであ
    り、前記有機微粒子または無機微粒子(C)が絶縁性であ
    ること特徴とする請求項1または2に記載の複合シー
    ト。
  4. 【請求項4】 前記有機微粒子または無機微粒子(C)か
    らなる絶縁性微粒子の平均粒径が1〜100μmである
    ことを特徴とする請求項3に記載の複合シート。
  5. 【請求項5】 前記有機微粒子または無機微粒子(C)か
    らなる絶縁性微粒子の組成物中での体積分率が2〜50
    %であることを特徴とする請求項3または4に記載の複
    合シート。
  6. 【請求項6】 前記磁性を有する繊維状フィラー(A)の
    繊維方向の熱伝導率および前記有機微粒子または無機微
    粒子(C)の熱伝導率がいずれも100W・m- 1・K-1
    上であることを特徴とする請求項1〜5記載のいずれか
    に記載の複合シート。
  7. 【請求項7】 前記複合シートが、異方導電性を有する
    シートであることを特徴とする請求項3〜5のいずれか
    に記載の複合シート。
  8. 【請求項8】 前記複合シートが、熱伝導性と異方導電
    性とを有するシートであることを特徴とする請求項6に
    記載の複合シート。
  9. 【請求項9】 磁性を有する繊維状フィラー(A)と、
    熱および/または光で硬化するバインダー(B)と、有機
    微粒子または無機微粒子(C)とからなるシート状組成物
    を、該シート状組成物のシートの厚み方向に磁場を印加
    させ、前記磁性を有する繊維状フィラー(A)をシートの
    厚み方向に配向させながら、前記バインダー(B)を熱お
    よび/または光で硬化させて得ることを特徴とする複合
    シートの製造方法。
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