JP2002249728A - 接合体の製造方法 - Google Patents

接合体の製造方法

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JP2002249728A
JP2002249728A JP2001052388A JP2001052388A JP2002249728A JP 2002249728 A JP2002249728 A JP 2002249728A JP 2001052388 A JP2001052388 A JP 2001052388A JP 2001052388 A JP2001052388 A JP 2001052388A JP 2002249728 A JP2002249728 A JP 2002249728A
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Shoichi Nakada
昌一 中田
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 接合を完了するまでに、被着体の位置合わせ
不良等が見つかった場合に被着体を他方の被着体から容
易に剥離・回収して再利用でき、必要な時に接合体同士
を強固に接着し、高い耐熱性を発現させ得る接合体の製
造方法を提供する。 【解決手段】 23℃以上のガラス転移点Tgを有する
熱可塑性樹脂と、光カチオン重合性化合物と、光カチオ
ン重合開始剤とを含む粘接着剤組成物を少なくとも一方
の被着体に付与し、被着体同士を上記粘接着剤組成物を
介して貼り合わせて接合体を得、上記貼り合わせの前ま
たは後に粘接着剤組成物に活性エネルギー線を照射する
各工程を備え、活性エネルギー線の照射による硬化が緩
やかに進行し、被着体同士の位置合わせ不良が見出され
た場合に被着体を他方の被着体から容易に剥離・回収す
ることができ、最終的に接合体を加熱することにより高
い接着力及び耐熱性が発現される接合体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粘接着剤組成物を
用いた接合体の製造方法に関し、より詳細には、接合方
法の完了前には被着体を容易に回収・再利用でき、接合
工程完了後に十分な接着力及び耐熱性を発現する接合体
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電気・電子分野の部品を基板などに固定
するのに接着剤が広く用いられている。ところが、これ
らの部品は高価なものが多く、接合に際し、位置合わせ
不良などが生じた場合、部品を回収・再利用する必要が
ある。従って、使用する接着剤としては、位置合わせ不
良などを発見した場合に、部品に損傷を与えることなく
回収・再利用し得るものが望まれている。
【0003】従来、電気・電子分野の部品の接着には、
ホットメルト接着剤や、光硬化型もしくは熱硬化型接着
剤が用いられている。ホットメルト接着剤を用いて部品
を基板等に接合してなる接合体では、位置合わせ不良を
見出した時に、加熱により部品を回収することができ
る。しかしながら、ホットメルト接着剤を再溶融するた
めに接合体を加熱しなければならない。また、硬化後の
接着剤は耐熱性を有しない。
【0004】他方、光硬化型もしくは熱硬化型接着剤で
は、光の照射や加熱により硬化が進行してしまい、位置
合わせ不良を見出したとしても、部品を再度剥離するこ
とが困難であった。
【0005】上記のような問題を解決するために、特表
平10−508636号公報には、少なくとも1種のラ
ジカル重合性ポリマーと、少なくとも1種のカチオン重
合性単量体と、少なくとも1種の光カチオン重合開始剤
とを含む、光カチオン重合反応を利用した準構造用感圧
接着剤が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特表平
10−508636号公報に記載の感圧接着剤では、光
を照射した後しばらくの間は、接着剤の硬化が十分に進
行せず、位置合わせ不良等を見出した場合に、被着体を
剥離することはできるものの、経時により接着剤が硬化
し、接着強度を発現する。従って、部品の回収可能時間
には限界があった。
【0007】本発明は、上述した従来技術の現状に鑑
み、被着体の剥離・回収を比較的長い時間にわたり行う
ことができ、さらに被着体の回収・剥離が不要となった
場合には、十分な被着強度及び耐熱性を発現する粘接着
剤組成物を用いた接合体の製造方法の提供を目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本願の第1の発明は、2
3℃以上のガラス転移点Tgを有する熱可塑性樹脂と、
光カチオン重合性化合物と、光カチオン重合性開始剤と
を含む粘接着剤組成物を少なくとも一方の被着体に塗布
する工程と、対向する被着体同士を粘接着剤組成物を介
して貼り合わせ、接合体を得る工程と、前記貼り合わせ
の前または後に粘接着剤組成物に活性エネルギー線を照
射する工程と、前記接合体を加熱する工程とを備えるこ
とを特徴とする接合体の製造方法である。
【0009】本願の第2の発明は、23℃以上のガラス
転移点Tgを有する熱可塑性樹脂と、光カチオン重合性
化合物と、光カチオン重合性開始剤とを含む粘接着剤組
成物からなる粘接着シートを用意する工程と、前記粘接
着シートを少なくとも一方の被着体に貼り合わせる工程
と、対向し合う一対の被着体を前記粘接着シートを介し
て貼り合わせて接合体を得る工程と、前記貼り合わせの
前または後に粘接着シートに活性エネルギー線を照射す
る工程と、前記貼り合わせにより得られた接合体を加熱
する工程とを備えることを特徴とする接合体の製造方法
である。
【0010】本願の第1,第2の発明では、上記特定の
粘接着剤組成物を用いるため、接合体を加熱する工程の
前までは、被着体同士が被着体を剥離・回収し得る低い
接着強度で貼り合わされ、従って、必要に応じて被着体
を容易に剥離・回収することができる。また、この被着
体の剥離・回収し得る時間を自由に設定することができ
る。さらに、加熱により上記粘接着剤組成物が高い接着
強度及び耐熱性を発現するため、被着体同士が最終的な
接合体において強固に接合され、かつ優れた耐熱性を発
現する。
【0011】以下、本発明の詳細を説明する。本発明に
おいて、上記粘接着剤組成物において用いられる熱可塑
性樹脂としては、ガラス転移点Tgが23℃以上のもの
であれば特に限定されない。もっとも、広い範囲にわた
る被着体に適用し得るため、上記熱可塑性樹脂として
は、ポリエステル樹脂が好ましい。23℃以上のガラス
転移点を有するポリエステル樹脂としては、特に限定さ
れないが、例えば、東洋紡社製、商品名:バイロン10
3、バイロン200、バイロン240、バイロン28
0、バイロン290、バイロン296及びバイロン60
0など;ユニチカ社製、商品名:エリーテルUE320
0、UE3201,UE3203、UE3210、UE
3215、UE3216、UE3240、UE325
0、UE3500、UE3600、UE3620、UE
3660、UE3690などが挙げられ、本発明におい
て好適に用いることができる。
【0012】上記熱可塑性樹脂は1種のみが用いられて
もよく、2種以上併用されてもよい。本発明において、
上記23℃以上のガラス転移点Tgを有する熱可塑性樹
脂は、ホットメルト性を与えるために用いられており、
加熱されて溶融することにより、粘接着組成物の被着体
への漏れ性が高まり、かつ接着力を発現する。この熱可
塑性樹脂の配合割合は、光カチオン重合性化合物100
重量部に対し、50〜800重量部の割合とすることが
望ましい。50重量部未満では、最終的に十分な接着強
度を得ることができないことがあり、800重量部を超
えると、最終的に十分な耐熱性を得ることができないこ
とがある。
【0013】上記粘接着剤組成物において用いられるカ
チオン重合性化合物は、粘接着組成物に常温でタック、
すなわち粘着性を発現させ得る限り、常温で固体であっ
てもよく、液状であってもよく、好ましくは、液状のも
のが用いられる。また、カチオン重合性化合物は2種以
上併用されてもよい。上記カチオン重合性化合物として
は、エポキシ基、オキセタン基、水酸基、ビニルエーテ
ル基、エピスルフィド基、エチレンイミン基などを有す
る化合物を挙げることができ、特に限定されるわけでは
ないが、エポキシ樹脂のようなエポキシ基を有する化合
物が好ましく用いられる。例えば、液状エポキシ樹脂と
して、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノー
ルF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹
脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂などのビスフェノ
ール型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ
樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂などのノボ
ラック型エポキシ樹脂などを、固形のエポキシ樹脂とし
て、油化シェルエポキシ社製、品番:YX−4000、
日本化薬社製、品番:YD−100−L、日本化薬社
製、品番:EPPN−201、日本化薬社製、品番:E
OCN−1020、日本化薬社製、品番:50CN−1
025、三井化学社製、品番:R−710などを用いる
ことができる。
【0014】上記粘接着剤組成物に用いられるカチオン
重合開始剤は、イオン性光酸発生タイプ及び非イオン性
光酸発生タイプのいずれであってもよい。イオン性光酸
発生タイプとしては芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ハロ
ニウム塩、芳香族スルホニウム塩のオニウム塩や、鉄−
アレン錯体、チタノセン錯体、アリールシラノール−ア
ルミニウム錯体などの有機金属錯体類などを挙げること
ができる。より具体的には、オプトマーSP−150、
SP−170(旭電化工業社製)、UVE−1014
(ゼネラルエレクトロニクス社製)、CP−1012
(サートマー社製)などの市販の化合物を用いることが
できる。また非イオン性光酸発生タイプとしては、ニト
ロベンジルエステル、スルホン酸誘導体、リン酸エステ
ル、フェノールスルホン酸エステル、ジアゾナフトキノ
ン、N−ヒドロキシイミドスルホナートなどを用いるこ
とができる。
【0015】上記カチオン重合開始剤は、1種のみ用い
られてもよく、2種以上併用されてもよい。また、有効
活性波長の異なる複数のカチオン重合開始剤を用い、2
段階硬化させてもよい。
【0016】また、上記光カチオン重合開始剤の配合割
合については、光カチオン重合性化合物の光カチオン重
合性官能基1モルに対し、カチオンの発生量が0.00
01モル以上となる量が好ましい。光カチオン重合開始
剤の配合量が上記官能基1モルに対するカチオンの発生
量が0.0001モル未満となるような量であると、光
カチオン重合反応が十分に進行せず、硬化速度が遅くな
る。
【0017】上記粘接着剤組成物に照射される活性エネ
ルギー線については、使用する硬化触媒に応じて適宜選
ばれ、特に限定されるわけではないが、好ましくは20
0〜800nmの波長の成分を含む光が用いられる。2
00nm未満の波長の光を照射した場合には、粘接着剤
組成物の表面のみが硬化し、十分な接合強度が得られな
いことがあり、800nmを超える波長の光を照射した
場合には、十分なエネルギーを光カチオン重合開始剤に
与え難く、接着剤を硬化させることが困難となることが
ある。光源の取扱いが容易であるため、300〜500
nmの範囲の波長が好適に用いられる。
【0018】上記光源としては、特に限定されるわけで
はないが、紫外線源や可視光源として、低圧水銀灯、中
圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルラン
プ、ブラックライトランプ、マイクロウェーブ励起水銀
灯、メタルハライドランプ、蛍光灯、太陽光などを挙げ
ることができる。表層だけの硬化を防止し、内部硬化を
実現するには、200nm未満の光を遮断し、これらの
光源から光を照射することが好ましい。
【0019】本発明において用いられる粘接着剤組成物
には、本発明の目的を阻害しない範囲で、必要に応じ
て、密着性改良剤、増感剤、安定剤、充填剤、粘度調整
剤などの添加剤を添加してもよい。もっとも、添加し得
る成分はこれらに限定されるものではない。
【0020】第1の発明においては、まず、上記粘接着
剤組成物が少なくとも一方の被着体に塗布される。この
場合の粘接着剤組成物の塗布方法については特に限定さ
れず、一般的な接着剤塗布方法を用いて行うことができ
る。
【0021】次に、対向する被着体同士が塗布された上
記粘接着剤組成物を介して貼り合わされ、接合体が得ら
れる。そして、第1の発明では、この貼り合わせの前ま
たは後に、上記活性エネルギー線が照射される。そのた
め、粘接着剤組成物中の光カチオン重合開始剤が活性化
され、光カチオン重合性化合物の重合が進行し、粘接着
剤組成物が硬化し始める。
【0022】その結果、架橋が進行し、耐熱性を有する
構造となる。また、硬化により、粘着力が低下し、被着
体から容易に剥離することができる。また、硬化反応の
進行はおだやかであるため、活性エネルギー線を照射し
てから長期間経過しても、接着強度はほとんど高まらな
い。従って、活性エネルギー線を照射してから、十分長
い期間にわたり被着体を他方の被着体から容易に剥離
し、再利用することができる。すなわち、被着体の貼り
合わせに際しての位置不良が見出された場合などにおい
ては、被着体を他方の被着体から容易に剥離し、回収
し、再利用することができる。
【0023】次に、被着体同士が正確に貼り合わされて
いる場合には、接合体を加熱することにより、上記熱可
塑性樹脂の溶融により、被着体への漏れ性が高まり、か
つ溶融固化により、十分な接着強度が発現される。この
加熱方法については特に限定されず、加熱プレス、ホッ
トプレート、オーブンなどの様々な熱源を用いて行うこ
とができる。もっとも、十分な接着力及び耐熱性をより
速やかに発現させるには、加熱プレスやホットプレート
などの接合体に直接熱源を接触させる加熱方法が望まし
い。
【0024】第2の発明では、上記粘接着剤組成物から
なる粘接着シートが用意される。粘接着剤組成物からな
る粘接着シートを形成する方法については特に限定され
ず、粘接着剤組成物を様々な方法でシート成形すること
により得られる。第2の発明では、粘接着シートが少な
くとも一方の被着体に貼り合わされる。この工程につい
ては、粘接着シートが常温で感圧接着性を有するため容
易に行われる。
【0025】次に対向し合う一対の被着体が上記少なく
とも一方の被着体に貼り合わされている粘接着シートを
介して貼り合わされ、接合体が得られる。そして、第2
の発明では、この貼り合わせの前または後に粘接着シー
トに活性エネルギー線が照射される。
【0026】従って、第1の発明と同様に、活性エネル
ギー線の照射後から光カチオン重合性化合物の重合によ
る硬化が進行するが、活性エネルギー線の照射だけで
は、長時間経過しても、耐熱性は高められるが、接着力
はほとんど高まらない。よって、第1の発明の場合と同
様に、位置不良などを見出した場合には被着体を他方の
被着体から容易に剥離し、回収し、再利用することがで
きる。また、第2の発明においても、被着体同士が良好
に接合されている場合には、貼り合わせにより得られた
接合体が最終的に加熱され、十分な接着強度及び耐熱性
が発現される。
【0027】第1,第2の発明にかかる接合体の製造方
法は、上記のように、特定の粘接着剤組成物を用いて行
われており、この粘接着剤組成物に活性エネルギー線を
照射して硬化を進行させる場合、活性エネルギー線を照
射してからの硬化反応が非常に緩やかに進行し、かつ長
時間経過しても接着強度はほとんど高まらない。よっ
て、活性エネルギー線を照射してから後数週間後におい
ても、被着体を他方の被着体から容易に剥離し、回収す
ることができる。従って、所望時に加熱することによ
り、十分な接着力及び耐熱性を有する接合体を確実にか
つ容易に得ることができる。
【0028】なお、上記接合体を加熱する工程は、上記
熱可塑性樹脂を溶融させてホットメルト効果を得るため
に行われる。加熱条件については、使用する光カチオン
重合性化合物に応じて適宜選ばれるが、通常、熱可塑性
樹脂のガラス転移点Tg以上の温度で、1〜30分程度
加熱すればよい。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の具体的な実施例を
説明することにより、本発明をより詳細に説明する。な
お、本発明は、以下の実施例に限定されるものではな
い。
【0030】 (実施例1) ポリエステル樹脂 UE3500(ユニチカ製) 50重量部 エポキシ樹脂 EP828(油化シェルエポキシ製) 50重量部 光カチオン重合開始剤 SP−170(旭電化製) 0.5重量部 メチルエチルケトン 150重量部 からなる組成をホモディスパー型攪拌混合機を用い、攪
拌速度を3000rpmで均一に攪拌混合し、粘接着剤
組成物を得た。
【0031】上記粘接着剤組成物を、表面がコロナ処理
されたPETフィルムのコロナ処理面に、塗工後の厚み
が50μmとなるように塗工し、乾燥した。上記PET
フィルムの粘接着剤組成物層が形成されている面に、硬
質塩化ビニル樹脂板(日本テストパネル社製、厚さ1m
m)を貼り合わせ、接合体を得た。しかる後、超高圧水
銀灯を用いて、2400mJの紫外線をPETフィルム
側から照射した。紫外線照射後、接合体を23℃及び相
対湿度65%の雰囲気下で2週間放置した後、110℃
のオーブンに入れ15分間加熱した。
【0032】(実施例2)実施例1で用いた粘接着剤組
成物を、表面が離型処理されたPETフィルム上に塗工
し、乾燥し、粘接着シートを得た。なお、粘接着シート
を覆うように上記PETフィルム上に、保護フィルムと
しての表面が離型処理された別のPETフィルムをラミ
ネートした。上記保護フィルムを剥離しつつ、表面がコ
ロナ処理された被着体としてのPETフィルムのコロナ
処理面に上記粘接着シートを室温でラミネートした。次
に、残っている離型処理されたPETフィルムを剥離
し、粘接着シートに硬質塩化ビニル樹脂板(日本テスト
パネル社製、厚さ1mm)をラミネートし、接合体を得
た。次に、この接合体に超高圧水銀灯を用いて2400
mJの紫外線を照射した。接合体を、23℃及び相対湿
度65%の雰囲気下で2週間放置した後、110℃のオ
ーブンで15分間加熱した。
【0033】(実施例3)実施例1で用いた粘接着剤組
成物を、ポリイミドフィルム(東レ・デュポン社製、商
品名:カプトン、厚さ50μm)上に塗工後の厚みが5
0μmとなるように塗工し、乾燥した。次 に、超高圧
水銀灯を用いて、粘接着剤組成物層に2400mJの紫
外線を照射した後、銅箔(厚さ12μm)を室温でラミ
ネートし、接合体を得た。この接合体を23℃及び相対
湿度65%の雰囲気下で2週間放置した後、110℃の
オーブンで15分間加熱した。
【0034】(実施例4)実施例1で用いた粘接着剤組
成物を、離型処理されたPETフィルム上に塗工し、乾
燥した後、保護フィルムとしての別の表面が離型処理さ
れたPETフィルムでラミネートし、粘接着シートを得
た。上記保護フィルムを剥離しつつ、ポリイミドフィル
ム(東レ・デュポン社製、商品名:カプトン、厚さ50
μm)を室温で粘接着シートにラミネートした。次に、
残っている離型PETフィルムを剥離し、粘接着シート
超高圧水銀灯を用いて2400mJの紫外線を照射し
た。しかる後、粘接着シートに銅箔(厚さ12μm)を
室温でラミネートし、接合体を得た。この接合体を、2
3℃及び相対湿度65%の雰囲気下で2週間放置した
後、110℃のオーブンで15分間加熱した。
【0035】(評価)上記のようにして得た各接合体に
ついて、接着力及び耐熱性を以下の要領で評価し
た。
【0036】接着力…得られた接合体をテンシロン型
引っ張り試験機を用い、剥離速度50mm/分で剥離試
験を行い、剥離強度を接着力とした。なお、最終的に得
られた加熱後の接合体の接着力だけでなく、2週間放置
する前の接着力(初期接着力)と、2週間放置後の加熱
前の接着力(2週間後接着力)をも評価した。
【0037】耐熱性…接着面積が1cm×1cmとな
るように接合体を切り出し、この接合体の被着体の一方
を固定し、他方に300gの重りを垂下し、オーブン中
で1℃/2分の昇温速度で200℃まで常温から加熱
し、重りが落下した時の温度を測定した。結果を下記の
表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】なお、実施例1,2では、被着体としての
硬質塩化ビニル樹脂板が耐熱性評価において軟化したた
め、耐熱性においては、硬質塩化ビニル樹脂板が軟化し
た時の温度を示した。
【0040】表1から明らかなように、実施例1〜4の
いずれにおいても、加熱するまでは2週間放置したとし
ても、接着力はほとんど高まらず、加熱により接着強度
が著しく高められるとともに高い耐熱性が発現すること
がわかる。
【0041】
【発明の効果】本願の第1,第2の発明にかかる接合体
の製造方法では、上記特定の粘接着剤組成物を用いてい
るため、活性エネルギー線の照射により硬化が進行し、
耐熱性を高める構造とされるが、この硬化は非常に緩や
かに進行し、接合体を加熱するまでは、接着力はほとん
ど高まらない。従って、接合体を加熱する工程前までの
間に、被着体同士の位置不良などが発見された場合、被
着体を他方の被着体から容易に剥離し、再利用すること
ができる。そして、被着体同士が良好に接合されている
接合体については、加熱により熱可塑性樹脂のホットメ
ルト性によって粘接着剤組成物の接着力が著しく高めら
れる。従って、所望時に加熱することにより、高い接着
力及び耐熱性を有する接合体を得ることができる。
【0042】よって、第1,第2の発明にかかる接合体
の製造方法を用いることにより、被着体として高価な電
気・電子部品を用いた接合体の製造に本発明を好適に利
用することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 23℃以上のガラス転移点Tgを有する
    熱可塑性樹脂と、光カチオン重合性化合物と、光カチオ
    ン重合性開始剤とを含む粘接着剤組成物を少なくとも一
    方の被着体に塗布する工程と、 対向する被着体同士を粘接着剤組成物を介して貼り合わ
    せ、接合体を得る工程と、 前記貼り合わせの前または後に粘接着剤組成物に活性エ
    ネルギー線を照射する工程と、 前記接合体を加熱する工程とを備えることを特徴とする
    接合体の製造方法。
  2. 【請求項2】 23℃以上のガラス転移点Tgを有する
    熱可塑性樹脂と、光カチオン重合性化合物と、光カチオ
    ン重合性開始剤とを含む粘接着剤組成物からなる粘接着
    シートを用意する工程と、 前記粘接着シートを少なくとも一方の被着体に貼り合わ
    せる工程と、 対向し合う一対の被着体を前記粘接着シートを介して貼
    り合わせて接合体を得る工程と、 前記貼り合わせの前または後に粘接着シートに活性エネ
    ルギー線を照射する工程と、 前記貼り合わせにより得られた接合体を加熱する工程と
    を備えることを特徴とする接合体の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012172034A (ja) * 2011-02-21 2012-09-10 Jnc Corp 接着した部材からの光硬化性接着剤の除去方法、及び二部材の接着方法
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