JP2007299006A - 液晶性転写体 - Google Patents

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Abstract

【課題】剥離層、易接着層や接着層を用いることなく、被転写体に液晶層を容易に転写することができると共に、支持体を、液晶層を破壊することなく容易に剥離することができる液晶性転写体を提供すること。
【解決手段】液晶層を支持体の表面に形成してなる液晶性転写体であって、液晶層の支持体と反対側の接着面近傍での表面硬度が、支持体から剥離する側の剥離面近傍における表面硬度よりも小さいことを特徴とする液晶性転写体である。
【選択図】なし

Description

この発明は、偏光作用などの光学的機能を有する液晶層を支持体表面に形成しておき、この液晶層を支持体から剥離して被転写体に転写させるための液晶性転写体に関する。
上記のような液晶性転写体においては、液晶層と支持体の間に剥離層又は易接着層が設けられたり、被転写体と液晶層の間に接着層が設けられたりしていて、液晶層を支持体から剥離し、これを被転写体に接着できるようにしている。
前記接着層は、予め液晶層の転写面に設けたり、あるいは被転写体側に設けられているか、更には、被転写体への転写過程において、被転写体又は液晶層の転写面に接着層を設けるようにしていた(例えば、特許文献1参照)。
液晶層を被転写体に接着させるための他の手段としては、熱圧着による方法がある。
特開2000−309194号公報
前記従来の、液晶層と支持体の間に、剥離層又は易接着層を有する液晶性転写体では、層が多く複雑な構成となり、又、剥離層又は易接着層を構成している物質が液晶層内に混入したり、一部付着したりして被転写体に転写された後の液晶層の光学的特性を低下させる場合があるという問題点があった。
又、被転写体と液晶層との間に接着層を設ける必要のある液晶性転写体においては、前記接着層が、被転写体に接着された後の液晶の光学特性を低下させるという問題点がある。
この場合の光学的特性低下の原因は、接着層と液晶層及び被転写体との間にある界面において界面反射が生じること、接着層の流動性のため、例えば平坦性の高い被転写体に転写した場合は、接着層が流動することによってその厚さが不均一になることにより、接着している液晶層の平坦性が低下すること、などにある。
又、前記接着層は、薄層(1μm以下)にすることが困難で、厚みを持つため、色味を帯びたり、剥がれたり、又、特開平8−313729号公報、特開平11−29325号公報、特開平8−75924号公報、特開平11−151877号公報などに示されるように、加熱により黄変するものが多い。
特に、特開平2000−28827号公報に開示されるような、アクリル樹脂からなる接着層の場合では、200℃を超える高温では黄変することが知られている。
更に、前記熱圧着による転写方法では、前記のような剥離層、易接着層や接着層がない場合、液晶層を被転写体に熱圧着して密着した後、これから支持体を剥離する際に、容易に剥離できない場合があるという問題点があった。
これは、支持体と被転写体の材料によるものであるが、転写する液晶層の支持体への密着力が被転写体への密着力よりも強い場合に発生する。
このような、液晶層と被転写体の密着力よりも液晶層と支持体との密着力が大きい場合は、液晶層の転写後に支持体からこれを剥離できず、特に、液晶層が非常に薄い場合、これが破れてしまうことがあるという問題点があった。
さらに、例えば特開平11−311710号公報に開示されるように、コレステリック液晶層の上に別のコレステリック液晶層を熱圧着することがあるが、この場合、コレステリック液晶層が薄かったり、コレステリック液晶層相互の密着力よりも、コレステリック液晶層の支持体への密着力が大きい場合は、前記別のコレステリック液晶層の被転写体への転写が困難であったり、破壊されたりすることがある。
この発明は上記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、剥離層、易接着層や接着層を用いることなく、被転写体に液晶層を容易に転写することができると共に、これから支持体を、液晶層を破壊したりすることなく容易に剥離することができるようにした液晶性転写体を提供することを目的とする。
この発明においては、液晶層の支持体側の剥離面と被転写体への接着面の近傍における液晶分子の硬度を調整して、液晶層の被転写体への密着力が支持体への密着力よりも大きくなるようにして、剥離層、易接着層、接着層などを用いることなく、液晶層を確実に被転写体に密着させ、且つ支持体を容易に剥離することができるようにしている。
又、本発明の液晶性転写体は、液晶層と支持体との間に剥離層又は易接着層を必要としないため、層構成が単純であり、且つ液晶層に剥離層又は易接着層を構成している物質が混入したり、剥離時に一部付着したりすることがない。
更に、本発明の液晶性転写体は液晶層と被転写体との間に接着層を必要としないため、界面の数が少なくなり、界面反射による液晶層の光学的特性の低下がなく、被転写体に直接液晶層が密着しているため、被転写体の平坦性が高い場合でもこの平坦性を維持することができ、光学的特性が低下することがない。更に、接着層に起因する色味、剥がれ、加熱による黄変などが生じることがない。
又、液晶層を被転写体へ熱圧着により転写する場合でも、熱圧着後に、支持体と液晶層との密着力が、液晶層と被転写体との密着力よりも確実に小さくすることができ、支持体を容易に剥離することができると共に、液晶層が一部支持体に残ったりすることがない。
本発明は上記のように構成したので、液晶性転写体において、被転写体に密着する側の接着面の、被転写体への接着力を大きくして、容易に転写させることができ、且つ支持体からは容易に剥離して、液晶成分の一部を支持体に残したりすることがないという優れた効果を有する。
以下、本発明の実施の形態の例を図面を参照して詳細に説明する。
図1に示されるように、この実施の形態の例に係る液晶性転写体10は、液晶層12を、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムからなる支持体14に形成したものであり、液晶層12の支持体14から剥離する側の剥離面12A近傍における表面硬度が、被転写体16に接着される接着面12B近傍での表面硬度よりも大きくされている。
ここでいう、液晶層とは、物理的な意味での液晶という状態を指すのではなく、液晶の性質(特に光学特性)をある部分で保有している膜という意味である。例えば流動性のないものでも、コレステリック相の分子配列を保って固化された膜であればそれはここでいう液晶層となる。この液晶層には液晶性モノマーや液晶性オリゴマーが重合した層、高分子液晶層も含まれる。
前記液晶層12は、延伸PETである前記支持体14に接触することによって配向される光重合型の液晶で形成され、例えばコレステリック液晶からなり、後述のように、剥離面12A側と接着面12B側とでは、硬化の条件を調整することによって、前述のように、表面硬度が異なるようにされている。
次に前記液晶層12における剥離面12A側近傍部分及び接着面12B近傍部分への表面硬度を異ならせるための方法(製造方法)について説明する。
まず、重合性液晶、例えば、コレステリック液晶に予め光開始剤を添加しておき、該液晶層12に紫外線を照射して硬化させる場合について説明する。
例えば、コレステリック液晶モノマーの溶液に、予め光開始剤を添加しておき、これを、図2(A)に符号11で示されるように、延伸PETからなる支持体14上に塗布して、乾燥することによって溶媒を除去して、未硬化のコレステリック液晶層11Aを得る。
次に、図2(B)に示されるように、この未硬化のコレステリック液晶層11Aと前記支持体14とに、液晶層側から空気雰囲気下(酸素濃度約20%)で紫外線を照射し、これを硬化させることによって液晶層12を得て、図2(C)に示されるように液晶性転写体10を完成させる。
液晶層12は、接着面12B側が空気中に暴露されていて、紫外線照射によるC=C結合の開裂が抑制されるのに対して、剥離面12A側では酸素に接触しないので、硬化がより進行する。
従って、液晶層12は、剥離面12A近傍側での表面硬度が、接着面12B近傍側での表面硬度よりも大きくなる。
これにより、液晶層12の接着面12Bを被転写体16に転写させる際に、接着面12Bと、被転写体16との密着力が、剥離面12Aと支持体14との密着力よりも大きくなるため、液晶層12を被転写体16に接着した状態で、支持体14から容易に剥離される。
ここで、前記液晶層12の表面硬化度は剥離面12A、12Bの近傍のC=C結合の残存二重結合率から確認することができる。
残存二重結合率とは、〔C=C結合に基づく吸収(810cm-1)のスペクトル強度〕÷〔重合性液晶分子(例えばコレステリック液晶)中の芳香環に基づく吸収(1500cm-1付近)のスペクトル強度〕で定義される。
この残存二重結合率は、重合反応においてどれくらいの割合で未反応の二重結合が存在するかを直接的に示していて、「100(%)−残存二重結合率(%)」は重合率、反応率となる。
前記液晶層12の剥離面12A近傍及び接着面12B近傍における液晶の表面硬度の比は、前記液晶分子の残存二重結合率で示すと、接着面12B側の残存二重結合率に対して剥離面12A側の残存二重結合率を60%以下とするとよい。
又、紫外線照射の場合、酸素濃度が低すぎると、液晶層12の剥離面12Aと接着面12B側での反応率の差が生じないので、雰囲気における酸素濃度は0.5%以上とする必要がある。なお、紫外線に変えて放射線を照射してもよいがこの場合は光開始剤は添加しなくてもよい。
次に、図3に示される本発明の実施の形態の第2例に係る液晶性転写体20について説明する。
この液晶性転写体20は、液晶層22を、2層(又は3層以上)の薄液晶層24A、24Bを積層して構成したものである。
前記支持体14側即ち剥離面22A側の薄液晶層24Aの硬度は、接着面22B側の薄液晶層24Bの硬度より大きくされている。両者の硬度の比は、前述の液晶性転写体10の液晶層12におけると同様に、具体的には、例えば剥離面22A側の薄液晶層24Aにおける液晶分子の残存二重結合率が、接着面22B側の薄液晶層24Bにおける液晶分子の残存二重結合率の60%以下となるようにしている。
この第2例の液晶性転写体20は、実施の形態の第1例における液晶性転写体10と同様に、接着面22Bの被転写体16Aへの接着力を、剥離面22Aにおける支持体14への接着力よりも大きくすることができ、従って液晶層22を、これを破壊したりすることなく容易に被転写体16に転写することができる。
次に、上記実施の形態の第2例に係る液晶性転写体20の製造方法について、図4を参照して、説明する。
まず、図4(A)に示されるように、前記と同様の延伸PETからなる支持体14上にコレステリック液晶溶液21Aを塗布し、乾燥して溶媒を除去して、図4(B)に示されるような未硬化の薄液晶層23Aを得る。
次に、図4(C)に示されるように、窒素雰囲気下(酸素濃度0.5%以下)の条件で紫外線を照射して硬化させ、薄液晶層24Aを得る。
次に、図4(D)に示されるように、硬化した薄液晶層24A上に前記と同様にコレステリック液晶溶液21Bを塗布し、同様な手順によって未硬化の薄液晶層23Bを得る。これに、図4(E)に示されるように、空気雰囲気下(酸素濃度0.5%超)で紫外線を照射して硬化させて、薄液晶層24Bとして、図4(F)に示されるように液晶性転写体20を得る。
ここで、前記薄液晶層24Aは延伸PETである支持体14によって配向され、又薄液晶層24Bは配向状態で硬化された薄液晶層24Aに直接接触することによって配向されている。
又、前述のように、薄液晶層24Aが窒素雰囲気下で硬化されているのに対して、薄液晶層24Bは空気雰囲気下で硬化されているので、硬化度が低い。即ち、薄液晶層24Bの被転写体16への接着力は、薄液晶層24Aの支持体10への接着力よりも大きくされている。
なお、前記薄液晶層24A、24Bの硬化度の差異は、雰囲気における酸素濃度の高低のみならず、光重合開始剤の添加量、紫外線あるいは放射線の照射量又はこれらの組み合わせによって形成する。光重合開始剤の添加量による場合は、予め積層した未硬化の複数の薄液晶層を一回の紫外線照射により硬化させることができる。
この実施の形態の例に係る液晶性転写体20においても、剥離面22A側の薄液晶層24Aと接着面22B側の薄液晶層24Bとの硬度の差は、具体的には、各薄液晶層24A、24Bにおける液晶分子の残存二重結合率の差により決定され、薄液晶層24Aにおける残存二重結合率が薄液晶層24Bの残存二重結合率の60%以下とするのがよい。
また、前記実施の形態の例では液晶層側から紫外線を照射しているが、本発明はこれに限定されるものでなく、支持体が紫外線を透過し、又は、吸収が少なければ、支持体を介して照射してもよい。この場合、液晶層の厚さ、光開始剤、液晶自体の紫外線吸収、必要であれば紫外線吸収材の添加等を調整することにより、剥離面を接着面とでの紫外線照射量が10:6程度に異なるようにしてもよい。
更に、上記実施の形態の例において、液晶はコレステリック液晶とされているが、これは他の液晶であってもよく、支持体もPETに限定されず他のフィルム状基材であってもよい。この場合、基材表面が、延伸PETのように配向力がない材料では、別途配向膜を設ける必要がある。
以上、本発明の実施の形態の例では、紫外線などで硬化する液晶層について主に説明してきたが、本発明は、これらに限定されるものではなく、高分子液晶を用いることもできる。
高分子液晶を用いた液晶性転写体を製造する方法は、液晶を配向可能な支持体に高分子液晶を塗布乾燥後、溶剤を接着面側に吹きつけ、表面の溶剤濃度を高め、柔らかくすることで、液晶層における表面硬度が、剥離面近傍よりも、接着面近傍で小さい液晶性転写体とすることができる。
実施例1
まず、ネマチック液晶とカイラル剤を混合することによって、分子螺旋構造が得られるコレステリック液晶モノマーの33%トルエン溶液を調製した。
このコレステリック液晶溶液には光開始剤、例えばIrg184、Irg369、あるいはIrg651を5%添加した。
このコレステリック液晶溶液を、支持体となる厚さ50μmの延伸PETにスピンナにて塗布し、常温(21℃)から80℃の間で乾燥して溶媒を除去し、厚さ10μmの未硬化のコレステリック液晶層を得た。
このコレステリック液晶層及び支持体に、液晶層側から空気雰囲気下(酸素濃度約20%)で365nmの紫外線を21℃で20mJ照射し、硬化させ、図1に示されるようなコレステリック液晶転写体を完成した。
このコレステリック液晶転写体を、その支持体と反対側の接着面が、被転写体であるガラスに接触するように張り合わせ、ロール温度150℃、速度0.5m/min、ロール圧0.3MPaの条件で、ラミネータにより熱圧着した。
その後常温(21℃)まで放熱した後、支持体である延伸PETを剥離したところ、コレステリック液晶層をガラスに確実に転写できた。又、コレステリック液晶層の一部が延伸PET側に残ったり、コレステリック液晶層が破損したりすることがなかった。
実施例2及び実施例3
実施例1と同一の条件でコーティング厚さのみを変えた。実施例2としては厚さ1μmのコレステリック液晶層を有する液晶転写体、実施例3としては厚さ5μmのコレステリック液晶層を有する液晶性転写体をそれぞれ作成し、これらを実施例1と同様の操作で被転写体であるガラスに熱圧着したところ、良好に転写を行うことができた。
実施例4
実施例1と同様のコレステリック液晶溶液を同様の延伸PET上に塗布し、これを未硬化のコレステリック液晶層側から窒素雰囲気下(酸素濃度0.5%以下)、21℃で、紫外線を10mJ照射して硬化させ、第1の薄液晶層を得た。
次にこの硬化した第1の薄液晶層の上に更に同様のコレステリック液晶層を前記と同様な手順によって直接成膜し、未硬化のコレステリック液晶層側から、窒素雰囲気下(酸素濃度0.5%以下)、温度21℃で、照射量0.4mJの紫外線照射をして硬化させ第2の薄液晶層を形成し、これによって液晶性転写体を完成した。
ここでは、第1及び第2の薄液晶層の紫外線照射時の雰囲気は同一であるが、第1の薄液晶層に対する紫外線照射量が第2の薄液晶層に対する紫外線照射量の20倍以上として大きく異ならせてある。
上記のように形成された液晶性転写体を、前述と同様なラミネート条件でガラスに熱圧着して、冷却後に延伸PET基材を剥がしたところ、コレステリック液晶層はガラスに良好に転写され、第1又は第2の薄液晶層が損傷したり、第1の薄液晶層の一部が支持体側に残ったりすることはなかった。
実施例5
実施例1〜4で作成された液晶性転写体を、別途ガラス基板に塗布して硬化されたコレステリック液晶膜にロール温度150℃、速度0.5m/min、ロール圧0.3MPaのラミネート条件でコレステリック液晶層が接するように、それぞれ熱圧着して常温まで冷却した。
いずれの液晶性転写体においても、支持体である延伸PETは容易に剥離され、これに積層されていたコレステリック液晶層はガラス側に確実に転写することができた。
比較例1
実施例1で作成した液晶性転写体と比較するために、実施例1で用いたものと同一のコレステリック液晶溶液を、同様に延伸PETに塗布し、窒素雰囲気下(酸素濃度0.5%以下)、21℃、10mJの照射量で紫外線を照射して硬化させ、コレステリック液晶性転写体の比較例を得た。
これを、実施例1での液晶性転写体と同一の転写条件でガラスに転写しようとしたところ、全く転写することができなかった。
このときの、ガラス−コレステリック液晶層間、コレステリック液晶層−支持体(延伸PET)間の剥離強度を、実施例1及び比較例1の両方について測定した結果を表1に示す。
Figure 2007299006
表1からも明確なように、比較例1の液晶性転写体の剥離強度は、支持体−コレステリック液晶層間とコレステリック液晶層−ガラス間では同じであるが、実施例の液晶性転写体では、大きな相違があり、コレステリック液晶層−ガラス間への剥離強度が強く、即ち剥がれにくく、ガラス側に容易に転写できたことを示す。
更に、上記実施例1及び比較例1の液晶性転写体における剥離面近傍及び接着面近傍における液晶分子の反応率(重合率)を測定した結果を表2に示す。
Figure 2007299006
この反応率は液晶層における剥離面と接着面近傍での液晶分子の硬化度と比例する。
この測定では、IRスペクトルを用いて、膜の測定面から厚さ方向に2〜3μmの範囲でのC=C結合の反応率を確認した。
コレステリック液晶はアクリル基を有し、紫外線を照射するとC=C結合が開裂し、反応が進んで硬化していく。
表2からわかるように、比較例のコレステリック液晶性転写体の剥離面と接着面側での液晶の表面の硬化度にはほとんど差がないのに対して、実施例1の液晶性転写体の場合は、接着面側の表面における硬化度が、剥離面側の液晶分子の反応率(硬化度)の59%であった。
又、剛体振り子型試験器(A&D製)により実施例1及び比較例1の液晶性転写体の、被転写体に密着する面(接着面)の表面状態を解析した結果を、図5及び図6に示す。
これらは、測定した表面の硬さを表す一つの指標である対数減衰率と温度変化の関係を測定したものであり、対数減衰率が大きいほど柔らかく、粘着性が高いことを示す。
図5、図6からは、実施例1の液晶性転写体の被転写体に対する密着力が高く、液晶分子における残存二重結合率が比較例の液晶性転写体よりも大きいことがわかる。
更に、図5と図6を比較すると、実施例1の液晶性転写体における低温側の対数減衰率が顕著に大きいことがわかる。これは、低温でも流動性のある成分が液晶層の膜表面に存在することを示していて、広い温度範囲で流動性を有することで、被転写体への転写時に膜のひずみが解消されやすく、密着性が向上する効果を引き出す。
ここで、流動性のある成分とは、未硬化のコレステリック液晶分子のことであり、モノマーあるいは分子量の比較的小さいオリゴマーを示す。
本発明の液晶性転写体は、偏光作用などの光学的機能を有する液晶層を支持体から剥離して被転写体に転写させるに際し、剥離層、易接着層や接着層を用いることなく、被転写体に液晶層を容易に転写することができると共に、液晶層を破壊したり、液晶成分の一部を支持体に残したりすることなく支持体を容易に剥離することができる。
本発明の実施の形態の第1例に係る液晶性転写体を拡大して示す略視断面図である。 同液晶性転写体の製造過程を拡大して示す略視断面図である。 本発明の実施の形態の第2例に係る液晶性転写体を拡大して示す略視断面図である。 同液晶性転写体の製造過程を示す略視断面図である。 本発明の実施例1に係る液晶性転写体の被転写体への接着面での対数減衰率と温度との関係を示す線図である。 比較例1の液晶性転写体における接着面での対数減衰率と温度との関係を示す線図である。
符号の説明
10、20…液晶性転写体
12、22…液晶層
12A、22A…剥離面
12B、22B…接着面
14…支持体
16…被転写体
21A、21B…コレステリック液晶溶液
23A、23B…未硬化の薄液晶層
24A、24B…薄液晶層

Claims (11)

  1. 液晶層を支持体の表面に形成してなる液晶性転写体であって、液晶層の支持体と反対側の接着面近傍での表面硬度が、支持体から剥離する側の剥離面近傍における表面硬度よりも小さいことを特徴とする液晶性転写体。
  2. 液晶層を支持体の表面に形成してなる液晶性転写体であって、液晶層の支持体から剥離する側の剥離面近傍における液晶分子の残存二重結合率が、支持体と反対側の接着面近傍での液晶分子の残存二重結合率よりも小さいことを特徴とする液晶性転写体。
  3. 前記剥離面近傍における液晶分子の残存二重結合率が、接着面近傍での液晶分子の残存二重結合率に対して60%以下である請求項2に記載の液晶性転写体。
  4. 前記液晶層が液晶性モノマーが重合した層である請求項1〜3のいずれかに記載の液晶性転写体。
  5. 前記液晶層が液晶性オリゴマーが重合した層である請求項1〜3のいずれかに記載の液晶性転写体。
  6. 前記液晶層がコレステリック相の分子配列を保って固化された膜からなる請求項1〜3のいずれかに記載の液晶性転写体。
  7. 前記支持体が延伸フィルムである請求項1〜6のいずれかに記載の液晶性転写体。
  8. 前記支持体に配向膜が形成されている請求項1〜7のいずれかに記載の液晶性転写体。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の液晶性転写体が転写されてなる被転写体。
  10. 液晶性転写体が転写されてなる被転写体であって、該液晶性転写体が液晶層を支持体の表面に形成してなり、液晶層と被転写体の剥離強度が、液晶層と支持体との剥離強度よりも大きいことを特徴とする被転写体。
  11. 請求項9又は10に記載の被転写体から支持体を剥離してなる液晶層が転写された被転写体。
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