JP2003032927A - 同期電動機及びその製造方法 - Google Patents
同期電動機及びその製造方法Info
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Abstract
クを低下させること。 【解決手段】 円筒積層体140の取付け座140uに
磁石片150を固定すると共に、第1の孔を有する第
1、第2の円筒部材111,112と、第1の円筒部材
111の磁化中心と第2の円筒部材112の磁化中心と
を階段状にほぼ360°/(2m)ずらすと共に、第
1、第2の円筒部材111,112の第1の孔111
s,112sに挿入されたシャフト101とを備えたも
のである。ここに、m:スロットの数と、2倍の磁極の
対数との最小公倍数。
Description
を有する同期電動機及びその製造方法の改良に関するも
のである。
174号公報に開示された図6によって説明する。図6
において、同期電動機の回転子3は、シャフト5と、シ
ャフト5が挿入されると共に、幅xに形成された複数の
永久磁石が固定された円筒部材7とから成っていて、コ
ギングトルクを抑制するために、円筒部材7の磁化中心
7bをずれ量qずつ順次ずらして、ずれの総量を溝ピッ
チSp(スロット間のピッチ)分ずらして各円筒部材7
の側面部7aを互いに密着させている。
筒部材7の磁化中心7bをマーキングしておいて、シャ
フト5を順に各円筒部材7の孔に圧入して、磁化中心7
bを所定量qずらすことにより製造されている。このよ
うな同期電動機は、固定子巻線のスロット数nsが比較
的多い分布巻では、有効にコギングトルクを低減できる
ものである。この理由を以下に示す。
子と回転子3との電気的位相差Δθe(°)は、脱調等
を防ぐために0°<Δθe<180°の間係を有してい
る。一方、円筒部材7の磁化中心7bを上記のように溝
ピッチSp分として電気角度θs(°)ずらすことは、
電気角度θsのスキューを設けることに相当し、しか
も、電気的位相差Δθeを電気角度±θsずらすことに
等しいので、下式が成立する。 0°<Δθe±θs<180°・・・・・(1) ここで、Δθeの角度値は、通常、最大トルクを発生す
るために、Δθe=90°となっているので、上記
(1)式は下式となる。 −90°<±θs<90°・・・・・・・(2) 上記(2)式の両辺を極対数ptで除すると下式とな
る。 −90°/pt<±θs/pt<90°/pt・・・(3) また、角度θsは電気角度であるので、極対数ptを用
いて機械角度θsmに変換する。機械角度θsmは、各
円筒部材7のずれの総量となる溝ピッチSpと等しく、
溝ピッチSpは、スロット数nsとすると、360°/
nsとなるので、機械角度θsmは下式となる。 θsm=θs/pt=Sp=360°/ns・・・・・(4) 上記(3)式を(2)式に代入すると、下式となる。 −90°/pt<±360°/ns<90°/pt・・・(5) 上記(4)式において、スロット数nsは、正数しかあ
り得ないので、下式を得る。 ns>360°/(90°/pt)=4pt・・・・(6) 固定子巻線のスロット数nsが比較的多い分布巻にする
のであれば、上記(5)式を満たすように製作すること
ができる。すなわち、上記のように円筒部材7の磁化中
心7bを順次ずらして、ずれの総量を溝ピッチSp分と
する回転子3を有する同期電動機を製作することができ
る。
するために、固定子巻線を比較的スロットの少ない集中
巻にしようとすると、前記スロット数nsと極対数pt
との関係式を満たすことができなくなり、コギングトル
クが発生するという問題点があった。
ーキングしておいて、シャフト5に順に円筒部材7の孔
を圧入して、順次磁化中心7bを所定量qずらしている
が、シャフト5を圧入する際に、円筒部材7の磁化中心
7bのずれを所定の量に保持したままで、シャフト5を
圧入しなければならず、このシャフト5の圧入作業が煩
雑で、重ね合わせた円筒部材7を保持する装置などが大
型化するという問題点があった。
ためになされたもので、固定子を集中巻にして簡易に、
コギングトルクを低下させることを第1の目的とし、こ
の目的に加えて、簡易に、各円筒部材の磁化中心をずら
してシャフトに圧入することを第2の目的とする同期電
動機及びその製造方法を提供するものである。
1の発明に係る同期電動機は、スロットを有すると共
に、前記スロットに挿入された集中巻のコイルを有する
固定子と、略円形鋼鈑が積層され、中央に第1の孔を有
すると共に、外周に凹形状の取付け座を複数有する円筒
積層体と、この円筒積層体の取付け座に磁石片を固定す
ると共に、前記第1の孔を有する第1、第2の円筒部材
と、前記第1、第2の円筒部材の前記第1の孔に挿入さ
れたシャフトとを備え、前記第1の円筒部材の磁化中心
と前記第2の円筒部材の磁化中心とを階段状にほぼ36
0°/(2m)[m:前記スロットの数と、2倍の極対
数との最小公倍数]ずらす、ことを特徴とするものであ
る。かかる同期電動機によれば、第1の円筒部材の磁化
中心と第2の円筒部材の磁化中心とを階段状にほぼ36
0°/(2m)ずらしたので、第1の円筒部材から発生
する正弦波状の第1のコギングトルク波形と、第2の円
筒部材から発生すると共に、第1のコギングトルクから
所定の位相ずれた正弦波状の第2のコギングトルクとが
打ち消し合うことにより、固定子巻線を比較的スロット
数の少ない集中巻にしても、同期電動機の全体で発生す
るコギングトルクを抑制できるという効果がある。
は、第1の発明において、切断手段により中央部に中央
孔を有する略円形鋼鈑を切断し、外周に突起部と該突起
部間に凹形状の取付け座を複数形成し、該突起部からほ
ぼ360°/(4m)角度の位置に複数の基準孔を穿設
して前記略円形鋼鈑を形成する第1の工程と、前記略円
形鋼鈑を複数枚重ね合わせて、前記中央孔により前記第
1の孔を設けると共に、前記基準孔により第2の孔を設
ける前記円筒積層体を形成する第2の工程と、前記取付
け座に前記磁石片を接着剤により貼付して第1、第2の
円筒部材を形成する第3の工程と、前記第1の円筒部材
に対して前記第2の円筒部材を反転させた状態で、前記
第1及び前記第2の円筒部材における前記第2の孔とを
一致させて、前記第1、第2の円筒部材の第1の孔にシ
ャフトを圧入する第4の工程と、を備えたことを特徴と
するものである。かかる同期電動機の製造方法によれ
ば、同一形状の第1の円筒部材、第2の円筒部材を用い
て、簡易に磁化中心をずらしてシャフトを圧入すること
ができるという効果がある。
は、第2の発明において、第3の工程では、第2の孔に
棒状部材を挿入して第1、第2の円筒部材に設けられた
前記第2の孔どうしを一致させた、ことを特徴とするも
のである。かかる同期電動機の製造方法によれば、第2
の孔に棒状部材を挿入することにより第1の円筒部材と
第2の円筒部材との磁化中心を簡易にずらして回転子を
製造できるという効果がある。
は、第2の発明において、第2の孔の代りに、凹凸部を
設け、第3の工程における第1及び第2の円筒部材にお
ける第2の孔とを一致させる代りに、第1の円筒部材に
設けられた凹部と第2の円筒部材に設けられた凸部とを
係合させる、ことを特徴とするものである。かかる同期
電動機の製造方法によれば、第2の孔の代りに、凹部と
凸部とを係合させて第1の円筒部材と第2の円筒部材と
の磁化中心をずらしたので、棒状部材などを用いること
なく、同期電動機の回転子を簡易に製造できるという効
果がある。
形態を図1及び図2によって説明する。図1は本発明の
実施形態である同期電動機の回転子の斜視図、図2は、
図1に示す回転子の第1、第2の円筒部材の側面図であ
る。図1及び図2において、極対数ptから成る同期電
動機は、スロットを有すると共に、スロットに挿入され
た集中巻のコイルにより回転磁界を形成する固定子(図
示せず)と、回転子100とから成り、回転子100
は、シャフト101と、シャフト101が圧入された孔
110sを有すると共に、表面に磁石片150が固着さ
れた円筒部110とから成っており、円筒部110は、
同一形状の第1、第2の円筒部材111,112を有
し、第1の円筒部材111と、第2の円筒部材112と
の磁化中心を角度θsaとして後述のように360°/
(2m)階段状にずらすことにより等価的にスキューが
形成されている。
ずらすのは以下の理由による。正弦波状のコギングトル
クの最大値は、回転子の一回転中に、固定子のスロット
数と2倍の極対数ptとの最小公倍数をmとすると、m
回生じることが知られている。円筒部材111から正弦
波の第1のコギングトルクTc1が発生し、円筒部材1
12から第1のコギングトルクTc1より位相を180
°ずらした正弦波の第2のコギングトルクTc21を発
生させることにより第1のコギングトルクTc 1と第2
のコギングトルクTc2との和により全体のコギングト
ルクTc0を発生しないようにしたもので、これを式で
示せば下式となる。 Tc0=Tc1+Tc2=Asinθ+Asin(θ+180°)=0・・・(7) このようにするには、第1のコギングトルクTc1から
位相が180°ずれた第2のコギングトルクTc2を発
生させるために第1の円筒部材111と、第2の円筒部
材112との磁化中心を360°/(2m)階段状にず
らして構成されている。具体的には、固定子が12スロ
ット、8極であれば、この最小公倍数mは、24である
ので、磁化中心のずれ角度θsaは、θsa=360°
/(2×24)=7.5°となるように形成される。こ
れに対して、従来技術によれば、必要なスロット数ns
が上記(6)式よりns>4×4=16となり、実施形
態のようにコギングトルクが抑制された同期電動機の製
作は困難である。したがって、従来技術では、コギング
トルクが抑制できないスロット数と極対数の組合せで
も、本実施の形態による同期電動機のように、第1,第
2の円筒部材111,112の磁化中心を角度θsaず
らすことによりコギングトルクを抑制できるものであ
る。以下に第1,第2の円筒部材111,112の詳細
な構成を説明する。
円筒状で、中央に中央孔131sを有する薄い多数の略
円形鋼鈑131を重ね合わせて円筒積層体140と、円
筒積層体140の中央に穿設された第1の孔111s,
112sと、突起部111t,112t間に形成された
凹形状の複数の取付け座111u,112uと、突起部
111t,112tの中心から角度θsa/2の位置に
穿設された二つの第2の孔としての位置決め用孔111
e,112eと、取付け座111u,112uに接着剤
203で固着される永久磁石片150とから成ってい
る。
112の平面部に対して第2の円筒部材122の平面部
(側面部)を反転させた状態で、第1の円筒部材112
の位置決め孔111eと第2の円筒部材112の位置決
め用孔111e,112eとを一致させて突起部111
t,122tの中心からθsa角度に磁化中心がずれる
ように形成されている。
子の製造方法を図3乃至図5によって説明する。まず、
巻回されたロール状の鋼鈑130を切断手段としての上
型251と下型253との間に所定間隔毎に送り、上型
251を下降して、中央にシャフト101とほぼ同一径
の中央孔131sを穿設(A段階)し、上型251を上
昇して元の位置に復帰後、鋼鈑130を所定量右側に送
り、上型251を下降して、二つの基準孔131eを穿
設(B段階)し、上型251を上昇して元の位置に復帰
後、鋼鈑130を所定量右側に送り、上型251を下降
して、回転子用鋼鈑131どうしの重ね合わせに用いる
複数の凹凸部131dを形成(C段階)し、上型251
を上昇して元の位置に復帰後、鋼鈑130を所定量右側
に送り、上型251を下降して、突起部131tを有す
る鋼鈑130を打ち抜いて(D段階)、図3(b)に示
すように突起部131tの幅の中心どうしを結ぶ線と、
位置決め用孔131eどうしを結ぶ線との角度をθsa
/2に形成された略円形鋼鈑131を得る(第1の工
程)。
重ねて積層された積層ブロックをシリンダー260によ
り収納部253eから取り出し、該積層ブロックの天面
と底面とをプレス機(図示せず)によりプレスし、略円
形鋼鈑131に設けられた凹凸部131dを互いに係合
することにより第1の孔111s(112s)、位置決
め用孔111e(112e)を有する略円筒状の円筒積
層体140を形成する(第2の工程)。
の中央孔140sにチャック270の爪270aを挿入
し、テープ状の接着剤203が塗布された磁石片150
を略L形状のパレット201の平面に二つ並べて、パレ
ット201に矢印Aのように移動して、磁石片150を
円筒積層体140の凹形状の取付け座140uに貼付し
た後、次の磁石片150を円筒積層体140の取付け座
140uに貼付するためにチャック270を所定角度回
転し、パレット201に矢印Bのように移動する。再
び、接着剤203を表面に貼付した磁石片150を略L
形状のパレット201に並べて、矢印Aのようにパレッ
ト201を移動して上記のように磁石片150を円筒積
層体140の取付け座140uに貼付される。これのよ
うな工程を繰り返すことにより磁石片150を有する第
1、第2の円筒部材111,112ができあがる(第3
の工程)。
2の円筒部材111に対して反転させた状態で、第1の
円筒部材111の位置決め用孔111eと第2の円筒部
材112の位置決め孔112eとを一致させてから、位
置決め用孔111e,112eに棒状部材としての位置
決め用ピン301を挿入する。次に、シャフト101の
鍔部101tが第1の円筒部材111の側面に押圧する
までシャフト101を孔101s(111s,112
s)に圧入した後、位置決め用ピン301を位置決め用
孔111e,112eから引き抜くことにより第1の円
筒部材111と第2の円筒部材112との磁化中心が角
度θsaずれた回転子100が完成する(第4の工
程)。
ば、同一の円筒部材111,112を二つ用い、その一
つを反転させて、位置決め孔111e,112eに一致
させることにより第1の円筒部材111と第2の円筒部
材112との磁化中心を角度θsa階段状にずらした回
転子100ができあがる。
トルクを理論上ゼロになるようにしたが、一般に、コギ
ントルクは、スキューが存在しない同期電動機では、定
格トルクの2%程度発生し、このコギングトルクを定格
トルクの0.5%に抑制すれば、経験的にトルク変動な
どが許容される。コギングトルクを0.5/2=0.2
5に抑制するには、スキュー角度で6.3(°)〜8.
7(°)までの範囲となる。したがって、コギングトル
クが1/4に抑えるようにスキュー角度θsaを、ほぼ
360°/(2m)ずらしても良い。
111e,112eを用いて、第1の円筒部材111と
第2の円筒部材112との磁化中心を所定の角度ずらす
ようにしたが、位置決め用孔111e,112eの代り
に、凹凸部131dを位置決め用孔111e,112e
と同一の位置に設けておいて、この凹凸部131dの凹
部と凸部とを係合させても良い。
である。
程図である。
座に永久磁石片を貼付する工程図である。
との組立てを示す工程図である。
図である。
筒部材、112 第2の円筒部材、111e,112e
位置決め用孔、111t,112t 突起部、131
略円形鋼鈑、140 円筒積層体、150 磁石片。
Claims (4)
- 【請求項1】 スロットを有すると共に、前記スロット
に挿入された集中巻のコイルを有する固定子と、 略円形鋼鈑が積層され、中央に第1の孔を有すると共
に、外周に凹形状の取付け座を複数有する円筒積層体
と、 この円筒積層体の取付け座に磁石片を固定すると共に、
前記第1の孔を有する第1、第2の円筒部材と、 前記第1、第2の円筒部材の前記第1の孔に挿入された
シャフトとを備え、前記第1の円筒部材の磁化中心と前
記第2の円筒部材の磁化中心とを階段状にほぼ360°
/(2m)[m:前記スロットの数と、2倍の極対数の
最小公倍数]ずらす、 ことを特徴とする同期電動機。 - 【請求項2】 切断手段により中央部に中央孔を有する
略円形鋼鈑を切断し、外周に突起部と該突起部間に凹形
状の前記取付け座を複数形成し、該突起部からほぼ36
0°/(4m)角度の位置に複数の基準孔を穿設して前
記略円形鋼鈑を形成する第1の工程と、 前記略円形鋼鈑を複数枚重ね合わせて、前記中央孔によ
り前記第1の孔を設けると共に、前記基準孔により第2
の孔を設ける前記円筒積層体を形成する第2の工程と、 前記取付け座に前記磁石片を接着剤により貼付して前記
第1、第2の円筒部材を形成する第3の工程と、 前記第1の円筒部材に対して前記第2の円筒部材を反転
させた状態で、前記第1及び前記第2の円筒部材におけ
る前記第2の孔とを一致させて、前記第1、第2の円筒
部材の第1の孔にシャフトを圧入する第4の工程と、 を備えたことを特徴とする請求項1に記載の同期電動機
の製造方法。 - 【請求項3】 前記第3の工程では、前記第2の孔に棒
状部材を挿入して前記第1、第2の円筒部材に設けられ
た前記第2の孔どうしを一致させた、 ことを特徴とする請求項2に記載の同期電動機の製造方
法。 - 【請求項4】 前記第2の孔の代りに、凹凸部を設け、
前記第3の工程における前記第1及び前記第2の円筒部
材における第2の孔とを一致させる代りに、前記第1の
円筒部材に設けられた凹部と前記第2の円筒部材に設け
られた凸部とを係合させる、 ことを特徴とする請求項2に記載の同期電動機の製造方
法。
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