JP2003031724A - 半導体モジュール - Google Patents

半導体モジュール

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JP2003031724A JP2001240076A JP2001240076A JP2003031724A JP 2003031724 A JP2003031724 A JP 2003031724A JP 2001240076 A JP2001240076 A JP 2001240076A JP 2001240076 A JP2001240076 A JP 2001240076A JP 2003031724 A JP2003031724 A JP 2003031724A
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    • H01L2224/732Location after the connecting process
    • H01L2224/73201Location after the connecting process on the same surface
    • H01L2224/73203Bump and layer connectors
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】外部基板との接続信頼性に優れた生産効率の良
い半導体モジュールを実現する。 【解決手段】配線3が形成された配線基板2と、該配線
基板に形成された配線と電気的に接続された半導体装置
1と、該配線基板の該半導体装置を実装した側に配置さ
れ、該配線と電気的に接続された外部との接続部分とな
る外部接続端子5とを備え、該配線基板と該外部接続端
子との間に該半導体装置の厚さよりも厚い絶縁樹脂層1
0を形成した半導体モジュール。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一つ以上の半導体
装置を搭載した半導体モジュールの構造、およびその製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体装置を高密度基板等に搭載する半
導体モジュールとして、例えば特開平12−15646
1号公報に記載ようなチップ・オン・チップ・モジュー
ルがある。これは図2に示すように、第一チップ上に第
二チップを接続し、かつ第二チップを接続した面に外部
接続端子を形成するものである。例えば、第一チップを
論理チップ、第二チップをメモリチップとして、この2
つにより所望の機能を実現可能な半導体モジュールを構
成しようとするものである。この外部接続端子として
は、はんだカラム、大径のはんだボール、適当な中間基
板を介してはんだボールにより接続する方法等を挙げて
いる。この他、ポリマー金属複合体接続、銅めっきカラ
ム、マイクロベルクロ接続を例示している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記構造は、半導体装
置を搭載する基板にスルーホールを形成することなく、
半導体装置と外部接続端子とを電気的に接続できる構造
であり有効なモジュール構造であるが、それを実現する
には、基板における半導体装置搭載面と外部接続端子搭
載面とが同一面側となるため、半導体装置の実装高さを
考慮した、高さのある外部接続端子を如何に形成するか
が重要な課題となる。
【0004】上記従来技術に於いては、前述の如く、は
んだカラム、大径のはんだボール、適当な中間基板を介
してはんだボールにより接続する方法等を挙げている
が、いずれも高密度実装に不向きであったり、生産効率
が落ちるなどと言った課題が残る。例えば、はんだカラ
ムの場合、その形成方法にはめっき技術、露光技術など
が考えられるが、めっき技術では高さのあるものを形成
するには時間がかかり、露光技術もアスペクト比の高い
ものを形成するには不向きである。
【0005】また、半導体モジュールの基板にシリコン
やセラミックス、ガラス等の熱膨張係数の小さい部材を
使用し、その半導体モジュールを熱膨張係数の大きい有
機樹脂基板上に搭載した場合、双方の熱膨張の違いによ
り接続部に応力が集中し、接続部の接続寿命が低下する
という問題が生じる。そのため、単に外部接続端子の高
さを確保するだけでなく、実装時の応力緩和を考慮する
必要がある。
【0006】本発明の第一の目的は、外部基板との接続
信頼性に優れた生産効率の良い半導体モジュールを実現
することにある。なお、本明細書においては、半導体モ
ジュールに使用する基板をモジュール基板、半導体モジ
ュールを実装する基板を外部基板と呼ぶこととする。
【0007】我々は、このようなシリコン、セラミック
ス、ガラス等のモジュール基板に半導体チップや半導体
装置を搭載しかつその搭載面側に外部接続端子を形成し
たモジュールについて開発、研究を進めている。前述の
如く、外部接続端子を如何に形成するかは一つの課題で
あるが、本構造を実現するには、その他、アンダーフィ
ルを用いずに接続信頼性を確保することが生産性を向上
させる上では重要な課題となる。従って、本発明の第二
の目的は、アンダーフィルを用いずに半導体装置を搭載
する場合の接続信頼性を向上させた半導体モジュールを
実現することにある。一方、アンダーフィルを使用する
ことは接続信頼性を向上させる上ではやはり有効である
が、予めアンダーフィルとなる樹脂を塗布した後、半導
体装置を搭載して接続する方法では電極間の接続を確保
するために搭載時に半導体装置に圧力を加える必要があ
る。モジュール基板をガラスやシリコンで構成し、それ
ぞれを多数個取りの状態(ウエハ状態)で圧力を加える
こととなると、モジュール基板(ガラス、シリコン)に
必要以上の強度が求められコストアップにつながる。ま
た、圧力を加えながらアンダーフィルがある程度硬化す
るまでの時間を待たなければならないので製造タクトの
面からも好ましくない。従って、アンダーフィルを予め
塗布するのでなく、半導体装置をモジュール基板に搭載
した後、半導体装置とモジュール基板とのギャップにア
ンダーフィルを充填する方法が好ましいが、多数個取り
の状態(ウエハ状態)でアンダーフィルを如何に充填す
るかが重要な課題となる。また、搭載する半導体装置の
有する電極が狭ピッチ化した場合にアンダーフィルの充
填自体が困難となる。
【0008】従って、本発明の第三の目的は、アンダー
フィルの充填を考慮した半導体モジュールを実現するこ
とにある。
【0009】その他、モジュール基板に半導体装置を搭
載しかつその搭載面側に外部接続端子を形成する構造な
ので、半導体装置からの放熱を考慮した構造が重要とな
ってくる。従って、本発明の第四の目的は、放熱を考慮
した半導体モジュールを実現することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記第一の目
的を達成するために、配線が形成された配線基板と、該
配線基板に形成された配線と電気的に接続された半導体
装置と、該配線基板の該半導体装置を実装した側に配置
され、該配線と電気的に接続された外部との接続部分と
なる外部接続端子とを備え、該配線基板と該外部接続端
子との間に該半導体装置の厚さよりも厚い絶縁樹脂層を
形成したものである。
【0011】また、配線が形成された配線基板と、該配
線基板に形成された配線と電気的に接続された半導体装
置と、該配線基板の該半導体装置を実装した側に形成さ
れ、その実装面に対して所定の傾斜を有する傾斜部分と
外部との接続部分となる外部接続端子を配置するほぼ平
坦な平坦部分とを有する絶縁樹脂層とを備え、該絶縁樹
脂層の傾斜部分に該配線の一部を形成して該配線と該外
部接続端子とを電気的に接続するように構成したもので
ある。
【0012】また、前記絶縁樹脂層をマスク印刷により
形成したものである。
【0013】また、配線が形成された配線基板と、該配
線基板に形成された配線と電気的に接続された半導体装
置と、該配線基板の該半導体装置を実装した側に、マス
ク印刷により形成された絶縁樹脂層と、該絶縁樹脂層の
上に該配線と電気的に接続された外部との接続部分とな
る外部接続端子とを備えたものである。また、前記絶縁
樹脂層の形状が前記半導体装置を囲むような形状である
ものである。また、前記絶縁樹脂層の形状が枠状である
ものである。また、前記絶縁樹脂層の外周側の傾斜より
も内周側の傾斜が緩やかであるものである。また、前記
絶縁樹脂層が複数個の絶縁樹脂層を用いて前記半導体装
置を囲むように配置するものである。
【0014】また、前記配線基板が、シリコン基板もし
くはガラス基板であるものである。また、前記絶縁樹脂
層が約0.1Gpa〜約10Gpaの弾性率を有する絶縁材料で構
成されたものである。また、前記絶縁樹脂層の膜厚が約
10マイクロメータ〜約350マイクロメータであるも
のである。また、前記半導体装置が半導体チップ、CS
P、BGA、ウエハレベルCSPのいずれかであるものであ
る。
【0015】また、前記半導体装置の実装面から前記半
導体装置の裏面までの高さよりも、前記絶縁樹脂層の厚
さと前記外部接続端子の高さとの和の方が大きいもので
ある。また、前記半導体装置の実装面から前記半導体装
置の裏面までの高さと、前記絶縁樹脂層の厚さと前記外
部接続端子の高さとの和とがほぼ等しいものである。
【0016】また、配線を形成した配線基板と、該配線
基板に形成された配線と電気的に接続する半導体装置
と、該半導体装置を覆う絶縁材料と、該絶縁材料上に形
成した配線と外部との接続部分となる外部接続電極とを
備えたものである。また、前記半導体装置と外部接続端
子との間にある絶縁材料の中に中間板を設けたものであ
る。また、本発明は、上記第二の目的を達成するため
に、配線が形成された配線基板と、該配線基板に形成さ
れた配線とバンプを介して電気的に接続された半導体装
置と、該配線と電気的に接続された外部との接続部分と
なる外部接続端子とを備え、アンダーフィルを用いずに
該半導体装置を該配線基板に実装する半導体モジュール
において、該半導体装置を半導体チップで構成し、該配
線基板をシリコン基板で構成したものである。また、配
線が形成された配線基板と、該配線基板に形成された配
線とバンプを介して電気的に接続された半導体装置と、
該配線と電気的に接続された外部との接続部分となる外
部接続端子とを備え、アンダーフィルを用いずに該半導
体装置を該配線基板に実装する半導体モジュールにおい
て、該半導体装置の有する半導体チップとバンプとの間
に絶縁樹脂層を形成したものである。また、配線が形成
された配線基板と、該配線基板に形成された配線とバン
プを介して電気的に接続された半導体装置と、該配線と
電気的に接続された外部との接続部分となる外部接続端
子とを備え、アンダーフィルを用いずに該半導体装置を
該配線基板に実装する半導体モジュールにおいて、該半
導体装置の有するバンプと接続する配線と該配線基板と
の間に絶縁樹脂層を形成したものである。また、前記絶
縁樹脂層が約0.1Gpa〜約10Gpaの弾性率を有する絶縁材
料で構成されたものである。また、前記絶縁樹脂層の膜
厚が約10マイクロメータ〜約350マイクロメータで
あるものである。また、前記絶縁樹脂層をマスク印刷に
より形成したものである。また、前記外部接続端子が、
前記配線基板の前記半導体装置を実装した側に形成され
た、その実装面に対して所定の傾斜を有する傾斜部分と
前記外部接続端子を配置するほぼ平坦な平坦部分とを有
する第二の絶縁樹脂層の上に形成されたものである。ま
た、本発明は、上記第三の目的を達成するために、配線
が形成された配線基板と、該配線基板に形成された配線
とバンプを介して電気的に接続された半導体装置と、該
配線基板と該半導体装置との間に充填する充填材料とを
備え、該充填材料がフィラを含まない材料により構成さ
れるものである。本発明は、上記第四の目的を達成する
ために、上記半導体モジュールを実装する外部基板に熱
伝導材料層を形成し、前記半導体モジュールの有する半
導体装置と該熱伝導材料層とを接続したものである。ま
た、前記半導体装置と前記回路基板とをそれぞれ接続す
る金属部材を備えたものである。また、前記半導体装置
を前記配線基板にダイボンドして接続し、前記半導体装
置と前記配線基板に形成された配線とをワイヤボンデン
グにより電気的に接続するものである。
【0017】その他、本発明の目的を達成するために、
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概
要を簡単に説明すれば、次の通りである。また、半導体
素子を搭載する配線基板の周辺部に低弾性率樹脂からな
る応力緩和層が形成され、該応力緩和層上に該半導体素
子からの電気配線に接続された外部接続端子が設けられ
た半導体装置において、該配線基板上の少なくとも該半
導体素子が搭載される領域に低弾性率樹脂層を設け、該
低弾性率樹脂層上に該半導体素子との接続端子を設けた
ものである。
【0018】また、半導体素子を搭載する配線基板の周
辺部に低弾性率樹脂からなる応力緩和層が複数形成され
ており、該応力緩和層上に該半導体素子からの電気配線
に接続された外部接続端子が設けられたものである。
【0019】また、さらに、配線基板上の少なくとも半
導体素子が搭載される領域に低弾性率樹脂層を設け、低
弾性率樹脂層上に半導体素子との接続端子を設けたもの
である。
【0020】また、上記の応力緩和層の厚さを0.1〜
0.8mmとするものである。
【0021】また、半導体装置及び半導体モジュールの
製造方法であって、半導体素子を搭載する配線基板の周
辺部に低弾性率樹脂からなる応力緩和層が形成され、該
応力緩和層上に該半導体素子からの電気配線に接続され
た外部接続端子が設けられた半導体装置や半導体モジュ
ールを製造するものであって、同一基板上に該応力緩和
層を1以上同時に形成するものである。
【0022】また、半導体装置及び半導体モジュールの
製造方法であって、半導体素子を搭載する配線基板の周
辺部に低弾性率樹脂からなる応力緩和層が形成され、応
力緩和層上に半導体素子からの電気配線に接続された外
部接続端子が設けられた半導体装置を製造するものであ
って、応力緩和層を金型を用いて形成し、基板に貼り付
けるものである。
【0023】さらに、金型は前記応力緩和層の形成用の
キャビティを有しており、キャビティに低弾性率樹脂を
充填した後、この金型に基板を載置して加圧かつ加熱す
ることにより、キャビティ内の低弾性率樹脂を硬化して
基板に貼り付けるようにするものである。
【0024】また、半導体装置及び半導体モジュールの
製造方法であって、金型は前記応力緩和層の形成用のキ
ャビティが形成されているとともに、キャビティによっ
て囲まれた領域にくぼみ状の樹脂層形成部が形成されて
おり、キャビティ及び樹脂層形成部に低弾性率樹脂を充
填した後、この金型に基板を載置して加圧かつ加熱する
ことにより、キャビティ内及び樹脂層形成部内の低弾性
率樹脂を硬化して基板に貼り付けるようにするものであ
る。
【0025】さらに、半導体装置及び半導体モジュール
の製造方法であって、キャビティが複数個閉路状に配列
されているものである。
【0026】また、半導体モジュールは、基板と、該基
板の第1の領域に形成された第1の絶縁層と、該基板の
第2の領域に実装される半導体チップと、該第1の絶縁
層上に形成された外部接続端子と、該半導体チップの電
極と該外部接続端子とを電気的に接続する配線とを有
し、第1の絶縁層は、この半導体モジュールとこの半導
体モジュールを実装する他の基板との間に生ずる応力を
緩和し、かつ金型を用いて形成されたものである。
【0027】また、上記半導体モジュールであって、基
板と半導体チップの間に、半導体チップと基板との間に
生ずる応力を緩和する第2の絶縁層を有する構成とす
る。
【0028】また、上記半導体モジュールであって、第
1の絶縁層の厚さが0.1mm〜0.8mmとするもの
である。
【0029】また、上記半導体モジュールであって、第
1の絶縁層は基板の周縁部に形成され、さらに、第1の
絶縁層は間隙部を有するものである。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明を詳細
に説明する。なお、本発明を説明する全ての図におい
て、同一符号は同一部位を示しているため、重複する説
明を省いている場合があり、さらに説明を容易にするた
め、構造の一部省略や各部の寸法比は実際とは変えて記
載してある。
【0031】図1は、本発明による半導体モジュールの
構造を説明するための、部分断面図である。この半導体
モジュールに用いるモジュール基板は、シリコンの場合
には、通常の半導体装置製造で使用するようなウエハ状
態で製造することも可能である。ガラスやセラミックス
を用いた場合にはシリコンと同様のウエハ状態でモジュ
ール基板を製作することも可能であるし、角型の薄板状
で基板製作することも可能である。
【0032】図において、半導体装置1は半導体製造工
程でいわゆる前工程と呼ばれる半導体回路形成工程を経
た半導体チップであったり、BGA、CSP、ウエハレベルCS
Pなどのバンプを介して接続する半導体であり、半導体
装置1はこれを搭載するモジュール基板2上に設けた電
極8とバンプ6を介して接続される。モジュール基板2
の半導体装置搭載面で、半導体装置1が搭載されない領
域には、保護膜20を介して低弾性率の材料からなる枠
状の応力緩和層(以後、低弾性層と呼ぶこともある)1
0が形成され、半導体装置1と電気的に接続する電極8
につながる配線3がこの応力緩和層10上に形成されて
いる。この応力緩和層10上に形成された配線3は、さ
らに外部基板との接続を行うための外部接続端子5と接
続する電極9につながる。この配線3は、少なくとも半
導体装置1と接続するための電極8、外部接続端子5と
接続するための電極5を除き絶縁層4で被覆される。
【0033】バンプ6には、金等の線材を超音波ボンデ
ィング装置により凸型の形状を形成したものや、スズ、
鉛、銅、銀、ビスマス、亜鉛、インジウム等の金属を単
独あるいは2種類以上混合した合金をはんだバンプ6と
して用いることができる。さらに、銀や金等の導電性材
料を配合した樹脂をバンプ6として用いることも可能で
ある。これらはんだバンプ6は、はんだの微粒子をロジ
ン等からなる材料に配合し、適当なマスクを用いて半導
体装置の電極上に印刷し、その後はんだの溶融温度以上
に加熱してはんだを溶融させることにより形成すること
もできる。導電性の粒子を配合した樹脂を用いた場合も
同様に、ペースト状の前記樹脂材料を適当なマスクを用
いて半導体装置の電極上に印刷し、加熱により硬化ある
いは半硬化状態とする方法によってもバンプ形成が可能
である。さらに、電極表面の酸化膜を除去し適度な粘着
性を有するフラックスを当該電極上に塗布し、適当な粒
子径のはんだボールをマスク等により該電極上に整列
し、リフロ炉等によりはんだの溶融温度以上に加熱する
ことによりバンプを形成することもできる。これらは当
然、外部接続端子5の形成にも適用することができる。
【0034】バンプ6と接続する半導体装置1に設けた
電極(図示せず)は、前工程と呼ばれる工程で形成され
たアルミニウムや銅の電極や、前工程の後さらにウエハ
ーレベルCSPのような電極から半導体装置表面に銅等
の配線で再配線を行った後に形成される電極を用いるこ
とが可能である。この電極表面にニッケルや金等の表面
処理を行うことにより、バンプと電極表面のぬれ性を向
上させたり、後述する半導体モジュールを外部基板に搭
載する等の加熱工程においてバンプ材料が電極中に拡散
しバンプと電極部の接合強度の低下を防止させることが
できる。
【0035】外部接続端子5は、バンプ6と同様にはん
だボール以外にも、導電性の粒子を配合した樹脂などに
より構成しても良い。外部基板との接続方法によって
は、ボールや端子形成を行わずに使用しても良い。
【0036】半導体装置1には、半導体チップ、BG
A、CSP、ウエハーレベルCSPなどの他、QFP、
TSOPなどのリードタイプの半導体装置も使用しても良
い。
【0037】次に、本構造における応力緩和層10につ
いて説明する。応力緩和層10については、種々実験検
討をおこなった結果、低弾性の材料層を介して外部接続
端子(例えばはんだボール)を形成することが好まし
く、これによって所定の高さの確保と応力緩和の両方を
実現できる。ここで低弾性とは、室温において0.1G
Paから10GPaの弾性係数を有するものを言う。こ
の範囲の弾性係数を有する応力緩和層であれば信頼性の
ある半導体モジュールを提供することができる。0.1
GPaを下回る弾性係数の応力緩和層の場合、半導体モ
ジュールそのものの重量を支えることが困難になって半
導体モジュールとして使用する際に特性が安定しないと
いう問題が生じやすく、10GPaを越える弾性係数の
応力緩和層を使用すると、応力緩和層10自身が持って
いる内部応力のためにモジュール基板2の反りが発生
し、露光工程でのピントズレや配線形成工程などでのハ
ンドリング不具合などが発生し易くなり、さらにはモジ
ュール基板2が割れるという不具合が発生する危険性す
らあるからである。
【0038】図3は、半導体モジュールの外形寸法とこ
の半導体モジュールを樹脂基板に搭載し接続部分の寿命
を確保するのに必要な応力緩和層の厚さを示したもので
ある。なお、同じ半導体モジュール寸法であっても、応
力緩和層の弾性率が低い場合には応力緩和層の厚さを薄
くしても接続寿命の確保が可能であることから、図で
は、弾性率を考慮した応力緩和層の許容範囲を示してい
る。図から分かるように、半導体モジュールの寸法が大
きくなると接続寿命を確保するための応力緩和層を厚く
する必要が生じる。例えば、半導体モジュールサイズが
30mm程度の場合、応力緩和層の厚さは350μm程度
必要となる。それに満たない場合は応力を緩和すること
ができず、それを超える場合はモジュール基板に歪を与
えるので好ましくない。応力緩和層のような樹脂層の厚
膜化は、樹脂層が厚くなると基材の破損や樹脂層のクラ
ック、剥離等を生じる可能性がある。また、例えば、半
導体モジュールの対角寸法が2乃至3mmと小さければ、
応力緩和層を無くしたとしても、半導体モジュールとこ
れを搭載する外部基板との間で生じる熱応力は、半導体
モジュールの有する絶縁層20によって緩和することも
理論上は可能である。但し、半導体モジュールを外部基
板に実装した場合において、モジュール基板2に搭載す
る半導体装置1が外部基板に接触しないような高さを確
保する手段が別途、必要になることは言うまでもない。
従って、一般的なモジュールサイズである一辺が30m
mまでのものを対象とすると、応力緩和の観点から最大
350マイクロメートル程度の厚さが応力緩和層10に
必要となる。一方、外部基板への実装時における高さ確
保の観点からは、半導体モジュールの有する半導体装置
1の裏面が外部基板に接触しないようにする必要があ
り、モジュール基板と外部基板とのギャップを、モジュ
ール基板から半導体装置1の裏面までの高さに対して同
等以上に形成しなければならない。一般に、外部接続端
子5をはんだボールで構成した場合、外部基板への接続
時においてはんだは溶融し、外部基板側の電極上を濡れ
拡がると同時にはんだの表面張力により半導体装置が外
部基板に引き付けられるため、実装前に比べてその外部
接続端子の高さは低くなる。従って、実装後の外部基板
との接触による半導体装置(特に半導体チップ)裏面へ
の影響を考慮するのであれば、モジュール基板2から外
部接続端子の先端までの高さ(半導体モジュールの有す
る応力緩和層の厚さと外部接続端子との高さの和)を、
モジュール基板から半導体装置1の裏面までの高さより
も高くなるように形成することが好ましい。図28は本
発明の半導体モジュールを外部基板15に搭載した状態
を示したものである。半導体装置1は外部基板15との
間に適当な間隔を保って搭載されている。通常外部基板
15の表面は配線等が形成されているため完全に平坦な
構造ではない。そのため、半導体装置1の裏面と外部基
板15の間に適当な距離が保たれないと、半導体モジュ
ール搭載のためのリフロ工程等で外部基板15が変形
し、半導体装置1の裏面が外部基板15に接触し半導体
装置1の損傷、機能劣化等を生ずる場合がある。外部基
板15の平坦性、リフロ工程での外部基板15の変形を
考慮し、半導体装置1の裏面と外部基板15との距離は
少なくとも0.05mm以上にする必要がある。一方、半導体
装置1の裏面と外部基板15との間隔を広くしようとし
た場合、応力緩和層10を厚くするかあるいは半導体装
置1を非常に薄くする必要がある。半導体装置1の薄型
は、素子の機械的強度低下を招くため、極端な薄型化は
困難である。一方、応力緩和層10の形成過程で応力緩
和層材料が加熱流動するため、応力緩和層10の厚肉化
にも限界がある。そこで、半導体装置1の機械的な強度
低下を招かず、応力緩和層10の形成が可能な範囲を考
慮して半導体装置1の裏面と外部基板15の間隔は0.7m
m以下とするのが好ましい。逆に、実装後の外部基板と
の接触による半導体装置(特に半導体チップ)裏面への
影響が問題とならないのであれば、モジュール基板2か
ら外部接続端子の先端までの高さ(半導体モジュールの
有する応力緩和層の厚さと外部接続端子との高さの和)
を、モジュール基板から半導体装置1の裏面までの高さ
とほぼ同じにしても良い(但し、モジュール基板から半
導体装置1の裏面までの高さの方が大きくてはいけな
い)。この場合、半導体モジュールを外部基板へ実装す
ると、半導体装置1の裏面が外部基板と接触することで
が一定のギャップを保持でき、図4(A)(B)に示すよ
うに円筒状さらには図4(C)に示したような鼓状のは
んだ接続部を形成することが可能となる。このうち図4
(C)に示す鼓状のはんだ接続形状は、球状のはんだ接
続に比べて接続部の疲労寿命が長くなることが知られて
いる。
【0039】従って、前述の応力緩和の観点にこの高さ
確保の観点を加味すると、応力緩和層10の厚さは半導
体モジュールの寸法、搭載する半導体装置の厚さ、半導
体モジュールと外部基板の接続ピッチによって種々異な
るが、概ね半導体モジュール寸法が一辺30mmまでのも
のについては、半導体モジュールに搭載された半導体装
置が外部基板と接触しない厚さから最大値350μmまで
の厚さの応力緩和層10を用いることが好ましいことと
なる。次に、応力緩和層10の形状について説明する。
応力緩和層10の形状は、図1からも分かるように、半
導体装置1の周辺を囲むような枠状とすることが好まし
い。枠状とすることで外部接続端子5の配置面積を十分
に確保することができる。また、半導体装置1などをモ
ジュール基板2の中央付近に配置するが、その実装面積
をも十分に確保でき、実装位置の制限も少ないと言った
効果もある。一般に半導体装置などのバンプ間隔は狭ピ
ッチ化しており、それに伴い半導体装置を受ける回路基
板側の負担が増え、回路基板においてバンプから所望の
位置へ配線を引き回すことが困難となりつつある。これ
は、通常の殆どの回路基板(プリント基板)では耐熱性
の低い有機材料を用いており、そのため微細配線を形成
するのに好適なスパッタによる形成手法を用いることが
出来ないからである。このような状況下では、半導体装
置のバンプピッチに対して半導体モジュールの外部接続
端子ピッチを拡大するように構成することが求められ
る。応力緩和層10を枠状に形成すれば、全ての配線が
中央付近から外側に殆ど規則的に放射状に伸びるように
形成でき、バンプ6から外部接続端子5までのピッチを
拡大するような配線3を容易に引き回すことができる。
半導体モジュールを外部基板へ実装(配線の引き回し)
することを考えても、モジュール基板2の外周付近に外
部接続端子6が配置されていた方が良い。モジュール基
板の外周付近になるほど、枠状の応力緩和層10の一辺
が長くなり、それによってバンプを実装する面積が拡大
し、外部接続端子5間のピッチをより広くすることが可
能となるからである。なお、モジュール基板2には耐熱
性の高いシリコン基板、ガラス基板、セラミック基板な
どを使用するので、前述のスパッタにより微細な配線を
形成することが出来る。
【0040】応力緩和層10の断面は台形形状でありモ
ジュール基板2に対して傾斜する部分を有するが、この
傾斜角度を最適化することで配線3の断線を抑制するこ
とが可能となる。平均勾配は5乃至45%程度が好まし
い。5%を下回る傾斜角の場合、傾斜が長くなりすぎて
所望の膜厚が得られない。例えば、平均勾配3%の傾斜
角で厚み100マイクロメートルとするためには、3mm
超の水平距離が必要となり左右のエッジ部をあわせると
ほぼ7mmがなければ所望の膜厚が得られないことにな
る。一方、傾斜角が45%超の場合、水平距離の点では
問題がないが、逆に配線形成の際に十分なステップカバ
レッジが得られない危険性が高い。特にめっきレジスト
の付き回りや露光および現像の工程でのプロセスマージ
ンがなく、特別な技能または技術が必要となる。さらに
傾斜角が大きい場合には、いわゆる応力集中効果が作用
してそのエッジ部に応力が集中し、その結果としてエッ
ジ部で配線3の断線が発生しやすくなる傾向があらわ
れ、配線構造に特別な工夫が必要となる場合がある。
【0041】配線3の断線を効果的に防止するには、例
えば、応力緩和層10の傾斜部で配線3を太くすること
が好ましい。この場合、必ずしもすべての配線3を同じ
太さにする必要はなく、例えば図5に示すように電源/
グランド線と信号線とで配線3の幅を変えるようにして
もよい。図中において、メッシュを施した領域が応力緩
和層10である。この場合、電気的な特性を考慮すると
一般には電源/グランド線を信号線よりも太くすること
が望ましい。信号線を太くした場合、これにより配線の
有する容量成分が増加し、高速動作時に影響を及ぼすか
らである。逆に電源/グランド線を太くすると電源電圧
が安定するという効果が期待できるのでむしろ好まし
い。したがって、図示するように信号用配線について
は、応力の集中する部分だけを最低限緩和できるように
エッジ周辺を太くしたパターンとし、電源用またはグラ
ンド用配線については傾斜部を一様に太くすることが望
ましい。一方、応力緩和層が形成されていない領域(無
地部)については、配線の容量成分の影響を考慮し、信
号配線を細くしている。ただし、これは半導体装置の種
類やその配線パターンによりその都度考慮する必要があ
る。例えば、半導体装置やその配線パターンにも依存す
るが、保護膜20の厚みを増大すると配線の容量低減に
大きな効果があるので、応力緩和層が形成されていない
領域で信号配線を太くせざるを得ない場合には、保護膜
20を厚く形成することが望ましい。具体的には、配線
幅を10%増大させる場合には、保護膜20の膜厚も約
10%程度増大させることが望ましい。
【0042】また、図示はしていないが、配線3として
銅配線の上にニッケル層を形成したものを用いると、半
導体モジュールと外部基板との間に働く熱応力により配
線3が変形を受け、その後その応力が解放されたとき
に、配線3はニッケル層のばね性により変形前の形状に
戻ることができる。例えば、半導体モジュールの動作に
より引き起こされる熱応力の作用により、応力緩和層及
びその上に形成されている配線3がお互いに密着した形
で変形する。このときの配線の変形には応力緩和層のふ
くらみ部分にある配線の冗長部分のたわみ部分が用いら
れる(ふくらみ部分については後述する)。その後、熱
応力等から解放されて応力緩和層が元の形状に戻ったと
きに、配線3が銅配線のみの銅配線は銅配線自身のばね
性では元の配線形状に戻りにくい。一方、銅配線の上に
ニッケル層を形成すると、そのニッケル層のばね性によ
り配線(銅配線)は元の形状に容易に戻ることができ
る。なお、銅配線の上に形成されるのはニッケル層に限
らず、銅配線の上でニッケル層と同程度のバネ性を持つ
ものであってもよい。
【0043】図6は、基板に複数の半導体装置を搭載し
た半導体モジュール構造の実施例である。半導体装置1
a〜1eは、複数個の同一あるいは異なった機能を有す
る半導体装置からなる。半導体装置とこれを搭載する基
板との接続は、前述した方法を単一あるいは複数組み合
わせて行うことができる。さらに、必要に応じて、抵
抗、コンデンサ、コイル等のチップ部品も同時に搭載し
て用いることも可能である。この場合もモジュール基板
への搭載接続をリフロープロセスにより行うことを考慮
すると、半導体装置1などのバンプ6ははんだボールで
あることが望ましい。例えば、所望の機能を実現するマ
イコンと、メモリとをそれぞれ搭載すれば、ある機能を
備えた半導体モジュールを構成することが出来る。例え
ば、携帯情報端末において、予め電子機器内に保存され
ていたり、カメラ機能等を用いた撮影、あるいは通信手
段等により取得した静止画、動画、音声等の情報を高速
で処理する半導体モジュールや、高品位テレビや、セッ
トトップボックス、ゲーム機器等において高速で多量の
画像、音声等の情報を処理する役割を有する半導体モジ
ュール等に適用可能である。従来は、ユーザであるセッ
トメーカなどがメモリ、マイコンなどの半導体を個別に
購入し、配線の引き回しなどのレイアウト設計を行い、
その設計に基づいて半導体を外部基板(回路基板)上に
実装していたが、このように所定の機能を実現した半導
体モジュールを提供できれば、ユーザはこの半導体モジ
ュールを1つの部品として取り扱うことができ、設計の
負担は激減する。特に数ヶ月おきに新機能を追加した
り、機能のバージョンアップなどがある分野、例えば携
帯電話や携帯情報端末等で有効となる。
【0044】以上説明した半導体モジュールにおける配
線3は、搭載する半導体装置1のピン数およびピン間
隔、配列状態に応じて2層以上形成して用いることも可
能である。図7では、応力緩和層を2層(20、30)
で構成し、応力緩和層30上に形成された配線(図示せ
ず)のほか、半導体装置6の有するバンプ6と接続する
電極8から、応力緩和層30を介して保護膜20上に形
成した配線31(この配線は応力緩和層20上の配線で
もある)へ接続し、応力緩和層20上で応力緩和層30
を介して外部接続端子5と接続する電極9と接続するよ
うに構成している。応力緩和層30は、上下配線間の絶
縁を確保出来ればよく、応力緩和層20を覆うようにし
て半導体装置1の搭載面も含めて形成される。図では、
半導体装置1に半導体チップを使用しているため、半導
体装置1とモジュール基板2との間にはアンダーフィル
24が充填されている。
【0045】図8、9にこれらの半導体モジュールの製
造工程を示す。本発明の半導体モジュールに用いるモジ
ュール基板は、ウエハ形状で製造すれば一度の工程で複
数個を同時に製造可能であるが、本説明では説明を簡単
にするため、図1の形態に基づき1つ分の半導体モジュ
ールに関して説明する。
【0046】図8(a)は、半導体装置を搭載する基材
2に絶縁膜20を形成したものである。この半導体装置
搭載基板に用いる基材2は、半導体装置としての機能を
有しないものや、抵抗、容量、コイルのような受動素子
の機能を有するものや、あるいは通常のメモリ、マイコ
ンのような半導体装置のような能動素子としての機能を
有するものを用いることができる。基材が上記機能を有
する場合、前記絶縁膜20には、基材上に形成する配線
と接続するための開口部(図示せず)が必要に応じて設
けてある。この絶縁膜20は、後に形成する応力緩和層
10と基材2との反応抑制、密着性向上のために設けた
ものであり、これらが問題とならないのであれば形成す
る必要は必ずしもない。
【0047】図8(b1)から(b4)は、絶縁膜20
上に応力緩和層10を形成する工程である。先ず図8
(b1)の工程では、基材2上に形成した絶縁膜20の
上に応力緩和層形成のためのマスクをセットする。この
マスクは、図8(b1)に示したように絶縁膜20に接
触させても良いし、絶縁膜20から適当な間隔に離して
セットしても良い。次に、図8(b2)の工程では、応
力緩和材料12を前記マスク上に載せ、スキージ13を
このマスク上で平行移動させることにより、マスクの開
口部14に応力緩和材料12を刷り込む。マスクを絶縁
膜から適当な間隔をおいてセットした場合には、スキー
ジによる応力緩和材料12の刷り込み過程で応力緩和材
料が絶縁膜20と接触するようにスキージに適当な圧力
を加え、マスクが基材側に撓むようにして応力緩和材料
12の刷り込みを行う。スキージの平行移動速度、基材
側への圧力等の条件は、使用する応力緩和材料の粘度、
チキソトロピック性、マスクの開口形状、マスクの厚さ
等によって種々変更可能である。本実施例に於いてはマ
スクの開口形状は枠状としている。ウエハ状態で形成す
るなどにして複数個を同時に形成する場合は、開口部1
4は1つの半導体モジュールに対応させる。
【0048】マスクの開口部14への応力緩和材料12
を刷り込み後、図8(b3)のようにマスクを絶縁膜部
から取り除き、その後、応力緩和材料は加熱炉等で適当
な時間硬化を行い、図8(b4)に示した応力緩和層1
0が形成される。絶縁膜20上からマスクを取り外す工
程で応力緩和材料12が周囲に広がる場合や、応力緩和
材料12の硬化のため材料の温度が上昇する過程で応力
緩和材料の粘度低下が生じ、応力緩和材料12が周囲に
広がるため、応力緩和層10の端部の形状は絶縁膜部と
段差が生じない斜面部が形成される。図では、応力緩和
層10の有する傾斜部は外側の方が内側よりも傾斜が急
であるが、これは実装密度を考慮したためであり、応力
緩和層10上に配線を形成しない側であるため問題はな
い。当然のこととして外側と内側の傾斜をほぼ同じよう
に形成しても良い。外側と内側の傾斜角を積極的に変え
るのであれば、図10に示すようなマスク401を用いて
印刷形成するのが良い。すなわち、内側の傾斜を形成す
るマスク部分を多段階の厚みにし、中央に向かうほど厚
みを薄くしたマスクを用いることが好ましい。
【0049】また、図では、応力緩和層10の外周側の
エッジは、最終的に1つの半導体モジュールとなるモジ
ュール基板2よりも内側に来るように形状をコントロー
ルしている。これは、ウエハレベルから個別の半導体モ
ジュールに切り分ける際のダイシングを容易にするため
でもあるが、保護膜4で応力緩和層10の全部(電気的
接続部分を除く)を覆うことで信頼性を向上させるため
でもある。図1では、簡単のため、絶縁層4により応力
緩和層10の外側を覆わない例を示している。このよう
な構成の場合、応力緩和層10とモジュール基板2との
物性が異なるので応力緩和層10のダイシングとモジュ
ール基板2のダイシングとを2段階に分けるのが好まし
い。
【0050】図8(c)では、応力緩和層11および絶
縁膜20に、半導体装置を搭載するための電極、この基
板よりなる半導体装置と外部基板とを接続するための電
極、上記2種類の電極を相互に接続するための配線3を
形成する。先ず、上記電極および配線を電気めっき法で
形成するための給電膜をスパッタリング等の方法により
形成する。本手法は微細配線を形成するのに好適であ
る。その後、この給電膜上に露光によりパターン形成が
可能なフォトレジストを塗布し、電極および配線パター
ンを形成した露光用マスクを用いて前記パターン部のフ
ォトレジスト部を除去する現像を行う。フォトレジスト
により除去されたパターンを用いて電気めっきを行い、
電極部ならびに配線部が形成される。めっきによる必要
厚さの電極ならびに配線を形成後、適当なエッチング液
を用いて不要となったフォトレジストおよび給電膜を除
去し、図8(c)の形状が得られる。なお、スパッタリ
ングにおいて400℃程度の高温処理が加わるが、本実
施例ではシリコンやガラス、セラミックス等の耐熱性の
基板を使用するので、基板が膨張することによる配線形
成不良などはない。
【0051】また、図7に示したように、複数の半導体
装置1をモジュール基板2上に搭載する場合、各半導体
装置1間の配線が必要である場合や、モジュール基板2
の基材が抵抗等を有する場合には、これらを相互に接続
する必要があり、絶縁膜20や応力緩和層10上に形成
する配線が1層では不十分な場合があるが、この場合は
前記配線工程を2回以上繰り返し電極や配線を形成すれ
ば良い。
【0052】図9(a)は応力緩和層10や絶縁層20に
設けた配線を保護し、電極上のはんだ等の流出を防止す
る絶縁層4を形成するものである。絶縁層4は、エポキ
シ樹脂やシリコーン樹脂、ポリイミド樹脂からなる絶縁
層材料を塗布し、適当なフォトマスク等を用いて露光、
現像を行い各電極部におけるはんだ等の接合部の開口を
行う。絶縁層4の材料の塗布は、一般の半導体の製造工
程で適用されるスピンコート法や、シート状の絶縁層形
成材を絶縁層形成面に貼り合せたり、あるいはカーテン
コート法やロールコート法等の印刷法により行うことも
可能である。
【0053】図9(b)では、図9(a)迄の工程で作成した
基板に半導体装置1を搭載する工程である。この工程で
は、先ず、半導体装置のバンプに対応する基板上の電極
にフラックスあるいははんだペーストを塗布する。半導
体装置搭載部とその周囲に設けた応力緩和層の高低差が
小さい場合には基板上の電極部へのフラックス等の塗布
にマスクを用いた印刷法により行うことができる。しか
し、前述の高低差が大きくなると半導体装置搭載部への
フラックス等の塗布が困難となる。この場合は、半導体
装置のバンプにフラックス等を転写してから基板上の電
極部に接続する方法や、基板上の電極位置に対応して配
列したピンにフラックス等を転写し、これをさらに基板
上の電極に転写する方式によりフラックス等を電極上に
塗布することが可能である。上述した方法でフラックス
等を基板上の電極に塗布後、半導体装置を基板上に搭載
し、バンプの溶融温度以上に加熱することにより半導体
装置と基板との接合を行うことができる。
【0054】図9(c)は半導体装置1を搭載したモジュ
ール基板2と外部基板との接続をおこなうための外部接
続端子となるはんだボール5を搭載する工程である。は
んだボール5の搭載は、半導体装置1の搭載と同様な方
法を用いて外部基板接続用電極部にフラックス等を塗布
し、適当なマスクを用いてはんだボールを対応する電極
位置に配列させる。その後、はんだボールの溶融温度以
上に加熱させることにより、はんだボールを応力緩和層
11上の電極に固定する。はんだボール5を2列以上配
置すると、搭載領域の平坦度が要求される。その場合、
図示はしていないが、応力緩和層10の平坦化処理を図
9(b−4)の後で行うことが有効である。
【0055】半導体装置の基板上への搭載あるいは基板
上へのはんだボール搭載後、当該半導体装置の製造工程
で使用したフラックスを除去するため、当該半導体装置
の製造では必要に応じて洗浄工程を追加する。
【0056】さらに、図11に示したように、半導体装
置と基板の隙間に樹脂24を充填して用いることも可能
である。この半導体装置と基板の隙間に充填する樹脂と
しては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹
脂等を単独、あるいは2種類以上混合したものに、二酸
化珪素、酸化アルミニウム等の充填材や、カップリング
剤、着色剤、難燃剤等を必要に応じて配合しても良い。
以上述べたような工程により本発明の半導体装置を製造
することができる。特に、応力緩和層10を高粘度で液
状の低弾性樹脂材料を適当なマスクを用いて印刷法によ
り形成すれば、樹脂の硬化過程でこの低弾性樹脂が流動
し、印刷部分と非印刷部分の境界部分がなだらかに続い
た形状を形成することが出来る。なだらかに続いた形状
であれば、印刷部分上部および非印刷部分に一括で配線
3を形成することもできる。すなわち、本構造では外部
接続端子5までの配線3を応力緩和層10上に形成しな
ければならないが、マスク印刷であればその傾斜部分を
含めた形状のコントロールができ、配線が断線しないよ
うな所望の傾斜に形成することができ、半導体モジュー
ルの信頼性を向上させることができる。また、マスク印
刷を用いてこの低弾性材料層を形成することで極めて生
産効率の良い半導体モジュールを実現することができ
る。また、その形状のコントロールにも優れる。
【0057】ところで、応力緩和層10の形成用の材料
は、ペースト状のポリイミドが好ましく、保護膜20の
上に印刷塗布された後に加熱することで硬化することが
出来る。また、このペースト状のポリイミドは、ポリイ
ミドの前駆体と溶媒およびその中に分散した多数のポリ
イミドの微小粒子からなっている。微粒子としては、具
体的には平均粒径1乃至2マイクロメートルであり、最
大粒径が約10マイクロメートルとなる粒度分布を有す
る微小粒子を使用した。ポリイミドの前駆体は、硬化す
るとポリイミドの微小粒子と同一材料となるので、ペー
スト状のポリイミドが硬化した際には、一種類の材料か
らなる均一な応力緩和層10が形成されることとなる。
ここでは、応力緩和層形成材料としてポリイミドを用い
たが、アミドイミド樹脂、エステルイミド樹脂、エーテ
ルイミド樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリエ
ステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹
脂、ポリエーテルスルフォン樹脂およびこれらを変性し
た樹脂などを用いることも可能である。ポリイミド以外
の樹脂を使用する場合には、上記ポリイミド微小粒子表
面に相溶性を付与する処理を施すか、あるいは、上記ポ
リイミド微小粒子との親和性を向上するように樹脂組成
に変成を施すことが望ましい。上記列挙した樹脂のう
ち、イミド結合を有する樹脂、例えばポリイミド、アミ
ドイミド、エステルイミド、エーテルイミド等では、イ
ミド結合による強固な骨格のおかげで熱機械的特性、例
えば高温での強度などに優れ、その結果として、配線の
ためのめっき給電膜形成方法の撰択肢が広がる。例え
ば、スパッタなどの高温処理を伴うめっき給電膜形成方
法を選択できる。シリコーン樹脂やアクリル樹脂、ポリ
エステル樹脂、アミドイミド、エステルイミド、エーテ
ルイミドなどイミド結合以外の結合で縮合した部分があ
る樹脂の場合、熱機械特性は若干劣るものの加工性や樹
脂価格などの点で有利な場合がある。例えば、ポリエス
テルイミド樹脂では、一般にポリイミドよりも硬化温度
が低いため扱いやすい。このようにペースト状のポリイ
ミド中にポリイミド微小粒子を分散させることで材料の
粘弾特性を調整することが可能となるため、印刷性に優
れたペーストを使用することが出来る。微小粒子の配合
を調整することで、ペーストのチキソトロピー特性を制
御することが可能となるため、粘度の調整と組み合わせ
ることで、印刷特性を改善することが出来る。また、応
力緩和層10の傾斜角度を調節することもできる。好適
なペーストのチクソトロピー特性は、回転粘度計を用い
て測定した回転数1rpmでの粘度と回転数10rpmでの粘
度の比から求めた、いわゆるチクソトロピーインデック
スが2.0から3.0の範囲にあることが望ましい。な
お、チクソトロピーインデックスに温度依存性が現れる
ペーストの場合、チクソトロピーインデックスが2.0
から3.0の範囲になるような温度領域で印刷すると良
い。
【0058】このように印刷により応力緩和層10を形
成すると、図12に示すように、ちょうどマスク開口部
のエッジに対応した位置近傍にふくらみ部分が存在する
が、このふくらみ部分の位置および存在の有無について
は、ペースト状のポリイミドの組成を調整したり、印刷
に関わる各種条件を変更することで、ある程度制御可能
となる。なお、この場合の印刷に関わる各種条件として
は、メタルマスク厚さ、スキージ速度、スキージ材質、
スキージ角度、スキージ圧(印圧)、版離れ速度、印刷
時のウェーハの温度、印刷環境の湿度等々があげられ
る。
【0059】図示するように、応力緩和層10にふくら
み部分を積極的に形成した場合は、配線3のたわみ部分
を形成することができ、これにより熱膨張などによる応
力を吸収しやすい構造となり、断線をより防止すること
ができる。具体的には、応力緩和層10の平均厚さに対
して、最大で約25マイクロメートル、望ましくは7乃
至12マイクロメートル程度の高さを持つふくらみ部分
が形成されることが好ましい。この程度の頂点であれ
ば、マスク印刷により十分形成可能である。例えばこの
ふくらみ部を半径が10マイクロメートルの半円筒形状
と仮定すると、ふくらみ部の半弧の長さは(2×3.1
4×10マイクロメートル)/2=31.4マイクロメ
ートルとなり、配線の冗長長さはふくらみ部1個につい
て31.4―10=21.4マイクロメートルとなる。
このように、配線34に冗長部を設けることができるた
め、配線構造およびはんだ接合部に作用する熱応力が緩
和され、従って、信頼性の高い配線構造を提供できる。
【0060】さらに、応力緩和層10の材料の硬化温度
は100℃から250℃までのものを用いる事が望まし
い。硬化温度がこれより低い場合、半導体モジュール製
造時の工程内での管理が難しく、硬化温度がこれより高
くなると硬化冷却時の熱収縮でモジュール基板への応力
が増大する懸念があるからである。
【0061】また、硬化後の応力緩和層10はスパッ
タ、めっき、エッチングなどのさまざまな工程にさらさ
れることから、耐熱性、耐薬品性、耐溶剤性などの特性
も要求される。具体的には、耐熱性としてそのガラス転
位温度(Tg)が150℃超400℃以下であることが望ま
しく、より望ましくはTgが180℃以上、最も好ましく
はTgが200℃以上である。
【0062】図13はガラス転移温度(Tg)と線膨張係数
の関係を示す実験結果である。これより、ガラス転移温
度(Tg)が200℃以上であれば、クラックが発生してい
ないことが分かる。なお、工程中での様々な温度処理に
おける変形量を抑える観点から、Tg以下の領域での線
膨脹係数(α1)は小さいほど好ましい。具体的には3
ppmに近いほどよい。一般に低弾性材料は線膨脹係数
が大きい場合が多いが、好適な線膨脹係数の範囲は3p
pm〜300ppmの範囲である。より好ましくは3p
pm〜200ppmの範囲であり、最も望ましい線膨脹
係数は3ppm〜150ppmの範囲である。
【0063】一方、熱分解温度(Td)は約300℃以上
であることが望ましい。TgやTdがこれらの値を下回って
いると、プロセス中での熱工程、例えばスパッタやスパ
ッタエッチ工程で樹脂の変形、変質や分解が起こる危険
性がある。
【0064】その他、耐薬品性の観点から言うと、30
%硫酸水溶液や10%水酸化ナトリウム水溶液への24
時間以上の浸漬で変色、変形などの樹脂変質が起こらな
い事が望ましい。耐溶剤性としては、溶解度パラメータ
ー(SP値)が8〜20(cal/cm3)1/2となることが望ま
しい。応力緩和層の材料がベースレジンに幾つかの成分
を変成してなる材料である場合には、その組成の大部分
が上記溶解度パラメータの範囲にはいっていることが望
ましい。より具体的にいうと、溶解度パラメータ(SP
値)が8未満あるいは20超である成分が50重量%を
越えて含有されていないことが望ましい。これらの耐薬
品性や耐溶剤性が不十分だと適用可能な製造プロセスが
限定される場合があり、製造原価低減の観点から好まし
くないこともある。
【0065】ところで、上述した応力緩和層10に含ま
れる微小粒子は、応力緩和層10と同一材料で、同じ物
性を有している。応力緩和層中で微小粒子が分散するこ
とで印刷に必要な粘弾性特性を有することができる。し
かし、前述の如く、この構造では、モジュール基板2と
応力緩和層10との境界で物性値が急激に変化するため
熱応力等がその境界部分に集中して配線が断線等する可
能性がある。そこで、モジュール基板2に形成された応
力緩和層10の特性を厚み方向で異ならせ、モジュール
基板側の応力緩和層の特性がモジュール基板の特性に近
くなるようにした。これにより、モジュール基板と応力
緩和層の境界部における特性の差を少なくし、これらの
上に設けた配線に不連続な力や、応力緩和層の膨張収縮
による引張りや圧縮、曲げの応力が配線部に加わらない
ようにすることで、配線部の断線防止が可能となる。
【0066】さらに、モジュール基板側の応力緩和層1
0の特性はモジュール基板に近く、この半導体モジュー
ルを実装する回路基板側はその回路基板の特性に近くす
ることにより、応力緩和層上の配線のみならず半導体モ
ジュールと回路基板の接続部の接続寿命向上にも有効で
ある。
【0067】ここで、応力緩和層10の厚み方向で漸次
変化する特性として、熱膨脹係数あるいは弾性率等が考
えられる。そして、応力緩和層の特性を変化させる具体
的な手段として、図25に示すように、絶縁性の粒子で
あるシリカ粒子102を配合し、応力緩和層10の厚さ
方向にシリカ粒子102の配合量の分布を持たせ熱膨脹
係数や弾性率を徐々に変化させる。シリカ粒子102が
多く分布している部分では、応力緩和層10の熱膨張係
数が小さく弾性率は高くなる。一方、シリカ粒子102
の配合量が少なくなると熱膨脹係数は大きくなり弾性率
は低くなる。
【0068】従って、応力緩和層10は、その弾性率や
熱膨脹を調整するための絶縁粒子である、シリカ、アル
ミナ、窒化ホウ素等の無機材料からなる粒子を一種類あ
るいは二種類以上配合し、また必要に応じてポリイミド
やシリコーン等の有機材料からなる粒子を適宜配合して
もよい。
【0069】さらに、シリカ粒子や絶縁樹脂層を構成す
る各種界面との接着性向上のためアルコキシシランやチ
タネート等からなるカップリング剤、樹脂の破断伸びや
破断強度を向上させる熱可塑性樹脂等の改質剤、ウェー
ハ上に形成された回路部の紫外線等による誤動作を防止
するため絶縁樹脂層を着色するための染料や顔料、樹脂
層の硬化反応を促進させるための硬化促進剤等を配合す
ることも可能である。
【0070】厚さ方向で特性を変化させた応力緩和層1
0の形成方法としては、例えば前記記載の材料を配合し
てなる液状の応力緩和層10をモジュール基板上に塗布
し、この応力緩和層10を加熱硬化する過程で、配合し
たシリカ等からなる絶縁粒子をウェーハ側に漸次沈降さ
せる方法がある。シリカ粒子の粒子径に分布が有る場
合、粒子径の大きい粒子ほど沈降が早く、粒子径の小さ
い粒子ほど沈降し難く、モジュール基板を下側にして応
力緩和層の加熱硬化を行うと、応力緩和層の厚み方向で
特性の分布が形成される。
【0071】応力緩和層10に配合されたシリカ粒子の
膜厚方向での濃度分布を制御する方法としては、絶縁樹
脂の硬化温度、硬化温度プロファイルを適宜調整した
り、硬化の進行を早めるための硬化促進剤の配合量や種
類、あるいは硬化を遅らせるための反応抑制剤等を適宜
配合する方法やシリカ粒子等絶縁粒子の粒子径分布を変
更する方法がある。
【0072】シリカ粒子は、溶融しインゴット化したシ
リカの塊を破砕したものや、シリカインゴットを破砕
後、再度シリカ粒子を加熱溶融して球形化したもの、さ
らに合成したシリカ粒子等が適用可能である。シリカ粒
子の粒子径分布や配合量は、製品に応じて種々変更可能
である。印刷法により応力緩和層5を形成する場合、印
刷の方法によっては、適用するマスクの寸法によっても
粒子径の分布を変更する必要が生じる場合もある。
【0073】また、各実施例においては、例えば図26
に示すように応力緩和層10の角部には丸みをつけると
よい。丸みをつけない場合、ペースト状のポリイミド材
料を用いて応力緩和層10を印刷する際に気泡を巻き込
む不良が時々観察される。また、応力緩和層10が角部
から剥離しやすくなる。応力緩和層10に気泡が残留す
ると、半導体モジュールを加熱した際に気泡が破裂して
配線3が断線するなどの不具合が生じる。このため、応
力緩和層10の形成に使用する印刷用メタルマスクのパ
ターン開口部の隅部は丸めておくことが望ましい。
【0074】なお、各実施例における応力緩和層は印刷
用メタルマスクやディスペンサを用いて印刷塗布し形成
することができる。
【0075】次に、半導体モジュールの放熱構造につい
て説明する。
【0076】図16は放熱性を考慮した半導体モジュー
ルと外部基板15との実装構造を示す。ここでは半導体
装置1の裏面と外部基板15の間にはゴム状弾性を有す
る熱伝導性の材料16を設け、この熱伝導材料16を外部
基板15上の電極17と接触させる構造とした。この電極
17はさらにスルーホール18を介して外部基板15内
の金属層19、例えばグランド層につながる構造とし
た。この実装構造では、半導体装置1で発生した熱は熱
伝導性の材料16を介して外部基板15上の電極に伝播
し、外部基板15内に設けたスルーホール18を介して金
属層19へ伝播して外部基板全体に拡散される。熱伝導性
の材料16をゴム状弾性を有する材料とするのは、放熱
性を向上させるために半導体装置1と熱伝導性材料16
を密着させたとしても半導体装置1を破壊しないように
するためである。従って、ゴム状の材料でなくとも、こ
のような目的を有するものであれば、ペースト状あるい
はゲル状の熱伝導材料を用いることも可能である。放熱
性を考慮すると、図示するようにスルーホール18は複
数個設けることが好ましい。
【0077】図17に示すように、枠状の応力緩和層1
0の構造において、応力緩和層10を幾つかに分離する
ような通気部分を形成しても良い。分離の仕方はバンプ
ごとであっても、内側から外側に向かうような列ごと、
であっても良く、半導体装置1で発生した熱が、その通
気部分を介して外側に逃げる構造であれば良い。空冷方
式などと組み合わせて利用することが好ましい。
【0078】さらに図18に示すように、モジュール基
板2に接続した放熱板200を半導体装置1の裏面に取り
付け、モジュール基板2を介して放熱するように構成し
ても良い。
【0079】その他、図19に示すように、半導体装置
1のモジュール基板2への実装をフリップチップ接続で
はなく、ワイヤボンデング201により接続するように構
成しても良い。発熱は主に半導体装置1の裏面から生じ
るので、半導体装置1をモジュール基板2にダイボンデ
ングすることで、放熱をモジュール基板2を介して行う
ことが出来る。なお、半導体装置1の電極と、モジュー
ル基板2の電極とがワイヤボンデング201により接続さ
れる。図示はしていないが、ワイヤボンデング部分を保
護するために、必要な部分を樹脂でカバーするように構
成すると信頼性が向上する。また、応力緩和層10が枠
状なので、その応力緩和層10で形成される内側領域を
樹脂で充填するように構成しても良い。
【0080】図20は、本発明の他の実施例である半導
体モジュールを説明するための斜視図である。半導体装
置1はこれを搭載するモジュール基板2上にバンプ5等
を介してモジュール基板2上の電極9に接続している。
半導体装置1上には応力緩和層10が形成され、さらに
この応力緩和層10の上にモジュール基板2上の電極13
からつながる配線14とはんだボール等を搭載するための
電極9を形成し、さらに応力緩和層および配線、電極等
の適当な部分に絶縁層4を形成し、電極9上にはんだボ
ール5を搭載してある。この構造では図21の断面図に
示したように、半導体装置1の裏面に応力緩和層10を
介してはんだボール5を搭載するため半導体装置搭載部
の周辺部分の面積縮小が図れるため、半導体モジュール
の小型化が可能である。
【0081】図22は図20の半導体モジュールにおい
て、半導体装置1の裏面に中間板15を設けた構造を有す
る半導体モジュールの断面概略図である。中間板15は
高さの異なる半導体装置1をモジュール基板2に搭載し
た場合における、はんだボール搭載電極搭載面の平坦化
を図ったり、半導体装置1で発生する熱を半導体モジュ
ールのはんだボール5搭載面側に拡散し、はんだボール
5を介して図示しないこれら半導体モジュールを実装す
る外部基板に効率よく伝える効果も有する。
【0082】図23は図20の半導体モジュールの製造
工程を示したものである。
【0083】図23(a)では、図8(a)の半導体モジュー
ルの製造工程の説明と同様に、モジュール基板2に用い
る基材の表面に絶縁膜10を形成したものである。このモ
ジュール基板に用いる基材は、図8(a)の説明と同様各
種機能を有するものを用いることが可能であり、その場
合前記絶縁膜10には、基材上に形成する配線と接続する
ための開口部が必要に応じて設けてある。
【0084】図23(b)は絶縁膜10上に半導体装置1
を搭載するための電極8と配線および応力緩和層10に
形成する配線14と結合するための電極13を形成する
工程である。モジュール基板2上に搭載する複数の半導
体装置1間の配線や、モジュール基板2内に形成された
機能部分との配線もこの工程で行う。そして絶縁膜を電
極や配線を覆わないようにして形成する。配線数が一層
で不十分な場合は、一層目の配線層の上に絶縁膜を形成
して二層目の配線工程を行う。さらに必要に応じて三層
目以上の配線も同様な工程を繰り返すことにより形成可
能である。
【0085】図23(c)はモジュール基板2上に形成さ
れた電極8上に半導体装置1を搭載する工程である。半
導体装置1の搭載は図8の半導体モジュールの製造工程
と同様に行うことができる。
【0086】図23(d)は半導体装置1の上部に応力緩
和層10を形成する工程である。応力緩和層形成部を開
口した印刷マスクをモジュール基板2上に密着させ、ス
キージを用いて半導体装置1の周辺部と半導体装置1の
上部に応力緩和層10を形成する。半導体装置1とモジ
ュール基板2の隙間へ応力緩和材料を充填させたい場合
は、印刷マスクを密着させたまま基板部分を真空にする
ことにより、半導体装置1とモジュール基板2の隙間に
取り残された空気が取り除かれ、通常の圧力に戻す段階
で応力緩和材料が前記隙間に充填される。あるいは図2
3(e)のように応力緩和層形成前に、予め別の樹脂等を
用いて半導体装置1とモジュール基板2の隙間を充填し
ておくことも可能である。
【0087】図23(f)では、応力緩和層10の上にモ
ジュール基板2上の電極13に接続する配線14と、は
んだボール5を搭載する電極9を形成する。
【0088】図24(a)では、応力緩和層10の上に形
成した配線14およびモジュール基板2との接合部等の
必要部分に絶縁層4を形成し、配線14および応力緩和
層10の保護等を行う。その後、図24(b)では、はん
だボール5を応力緩和層10上に形成した電極9に搭載
する。
【0089】なお、応力緩和層10上の配線形成方法、
はんだボール5の搭載方法は先の実施例の項目で説明済
みであり、ここでは省略する。
【0090】また、図22の断面図に示したように、半
導体装置1の裏面に中間板15を設ける場合、図23
(d)あるいは(e)で示した工程において、応力緩和層形成
前に銀あるいはアルミナ等の熱伝導性の粒子を配合した
エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等からなる導電性の接着
剤等を介して、銅あるいはアルミニウム、セラミック、
ステンレス等の中間板15を接着し、その後に応力緩和
層10を形成すれば良い。以上の製造工程により図20
などに示した半導体モジュールが得られる。次に、半導
体モジュールを多数個取りする状態を図14、15に示
す。図14は、シリコンウエハ301を用いて多数個取り
する状態を示す。シリコンウエハ上に複数個のモジュー
ル回路および応力緩和層を形成し、所定の半導体装置、
抵抗、コンデンサ等を搭載し、応力緩和層上に外部接続
端子となるはんだボールを搭載し、さらに必要に応じて
半導体装置と基板間を樹脂で充填する。その後、シリコ
ンウエハのダイシングと同様な方法により、各モジュー
ル部分を個々に切り出し所望の半導体モジュールを得
る。
【0091】図15は、ガラス基板やセラミック基板30
2を用いて多数個取りする状態を示す。この場合も、シ
リコンウエハを用いた場合と同様に、ガラス基板やセラ
ミック基板上に複数個のモジュール回路および応力緩和
層を形成し、所定の半導体装置、抵抗、コンデンサ等を
搭載し、応力緩和層上に外部接続端子となるはんだボー
ルを搭載し、さらに必要に応じて半導体装置と基板間を
樹脂で充填する。その後、シリコンウエハのダイシング
と同様な方法により、各モジュール部分を個々に切り出
し所望の半導体装置を得ることが可能である。
【0092】一般に、熱膨張係数の相違から半導体装置
1とモジュール基板2との間にはアンダーフィルを充填
して接続信頼性を向上させることが行われる。しかしな
がら、予めアンダーフィルとなる樹脂を塗布した後、半
導体装置を搭載して接続する方法では、電極間の接続を
確保するために搭載時に半導体装置に圧力を加える必要
がある。モジュール基板をガラスやシリコンで構成し、
それぞれを多数個取りの状態(ウエハ状態)で圧力を加
えることとなると、モジュール基板(ガラス、シリコ
ン)に必要以上の強度が求められコストアップにつなが
る。また、圧力を加えながらアンダーフィルがある程度
硬化するまでの時間を待たなければならないので製造タ
クトの面からも好ましくない。従って、アンダーフィル
を予め塗布するのでなく、半導体装置を搭載した後、モ
ジュール基板とのギャップにアンダーフィルを充填する
方法が好ましいが、多数個取りの状態(ウエハ状態)で
複数個の半導体モジュールにアンダーフィルを充填する
ことは容易ではなく、さらに搭載する半導体装置の有す
る電極が狭ピッチ化した場合にアンダーフィルの充填自
体が困難となる。そこで、接続信頼性を確保したアンダ
ーフィルを必要としない半導体モジュール構造を図29
〜31に示す。図29は、半導体装置1に半導体チップ
を、モジュール基板2にシリコン基板を用いた構造であ
る。他は図1などと同様の構成である。シリコン基板と
半導体チップはいずれもシリコン上に回路形成を行った
ものであり、その熱膨張係数は等しいため、応力を緩和
するために半導体装置1とモジュール基板2との間に樹
脂12を充填する必要はない。
【0093】図30は、モジュール基板2にガラス基板
を用いた構造であるが、熱膨張係数の差を吸収するため
に、応力緩和層を形成した半導体装置1を搭載したもの
である。他は図1などと同様の構成である。図31は、
応力緩和層を形成した半導体装置の一例である。半導体
チップ100上に応力緩和層101を形成し、その上を
半導体チップ100の端子と外部接続端子となるはんだ
バンプ103とを電気的に接続する配線102が形成さ
れている。この半導体装置に形成した応力緩和層が寸法
変化を吸収して接続信頼性を向上させることが出来る。
図32は、モジュール基板2にガラス基板を用いた構造
であるが、熱膨張係数の差を吸収するために、応力緩和
層をさらに半導体装置の搭載領域にも形成したものであ
る。他は図1などと同様の構成である。図では、ガラス
基板2に形成した絶縁膜層20上に第一の応力緩和層を
形成し、その上に図1などに示した枠状の第二の応力緩
和層10を形成している。配線3や電極8は第一の応力
緩和層上に形成されている。このように、モジュール基
板2にシリコン基板を用い半導体装置1を搭載した場合
や、半導体装置1に応力緩和層を形成したりモジュール
基板2の半導体装置搭載領域にも応力緩和層を形成した
場合においては、前者は熱膨張係数がほぼ等しいことか
ら、後者は応力緩和層があることから、半導体装置1と
モジュール基板2との間に樹脂12を充填する必要はな
い。
【0094】しかしながら、耐湿性や耐衝撃性などを向
上させるために樹脂12を充填する必要もある。応力を
緩和するために使用していた従来の樹脂では、半導体装
置などのバンプ間隔が狭ピッチとなると、半導体装置1
とモジュール基板2との間を十分に充填できない。これ
は接合部に生じる応力を緩和させるために、樹脂にフィ
ラが混入されているからである。そこで、フィラが混入
されていない低弾性率の材料を樹脂に使用することで対
応する。例えば、ゲル状樹脂や応力緩和材料を用いる。
これによって樹脂12の流動性が増すので、半導体装置
1とモジュール基板2との間を十分に充填することがで
きる。流動性が増し、半導体装置の搭載領域以外にも拡
がるとしても、本半導体モジュールでは枠状の応力緩和
層がダムの役割を果たすこともできるので問題はない。
以上説明したように、所定厚さ以上の弾性材料層を介し
て外部接続端子を形成することにより、外部接続端子の
高さを確保しながら、応力緩和することができ、外部基
板との接続信頼性に優れた半導体モジュールを実現する
ことができる。また、半導体装置1と外部接続端子5と
は、モジュール基板2上に形成した配線3を形成するだ
けで電気的に接続されるので、モジュール基板の上面に
半導体装置を搭載しかつ下面に外部接続端子を形成する
モジュールでは必要であった上下間接続のためのスルー
ホールは不要である。今後の配線間隔の狭ピッチ化など
を考慮するとスルーホールによる電気的接続は不向きで
ある。例えば、スルーホール径を微細化すると高アスペ
クト構造となるが、この場合、従来のようなスルーホー
ル内をめっきすることが難しくなる。微細加工(穴あ
け)だけを考えても容易ではない。従って、配線3の形
成だけで電気的接続をとる本構造は、今後の配線間隔の
狭ピッチ化に極めて有効な構造となる。しかしながら、
実装密度を向上させるために、これまで説明した構造
に、さらにモジュール基板の外部接続端子を形成しない
面側に半導体装置を実装し、モジュール基板にスルーホ
ールを形成して外部接続端子との電気的接続を確保した
構造を適用しても良い。すなわち、モジュール基板の両
面に半導体装置を搭載し、外部接続端子を有する側に応
力緩和層を介在させた構造である。この場合、モジュー
ル基板にはビルドアップ基板やメタルを内蔵したメタル
コア基板などの回路基板を用いることが好ましい。
【0095】本発明は上記実施例に限定されるものでは
無く、その趣旨を逸脱しない範囲で種々応用可能であ
る。例えば、これまでの実施例においては、予め低弾性
の応力緩和層10を半導体モジュール部分に形成した例
を説明したが、応力緩和層10は半導体モジュール部分
だけでなく図27に示したよう外部基板15に形成して
も良い。あるいは半導体モジュールと外部基板15の両
方に設けることも可能である。
【0096】続いて、半導体装置及び半導体モジュール
の製造方法の一実施形態として、金型を用いる場合を図
33〜図44により説明する。
【0097】図34は図33に示す応力緩和層4付きの
シリコン配線基板の製造工程(製造プロセス)を概略的
にまとめた本発明による半導体装置及び半導体モジュー
ルの製造方法の一実施形態を示すフローチャートであっ
て、以下では、図34〜図44により、図33における
各ステップについて説明するが、まず、図34〜図40
により、応力緩和層4の形成方法について説明する。
【0098】この製造方法の実施形態は、複数個の半導
体チップを同時に回路形成するものである。半導体装置
及び半導体モジュールは、半導体チップ1001とシリ
コン配線基板1003を実装することで完成するが、こ
こでは、半導体チップ1001としては一般的なものを
用いるため、その製造工程は説明を省略する。また、突
起状電極1002及び外部接続端子1005の形成は、
印刷法やボール転写法,ボンディングワイヤなどのいず
れの手法を用いてもよく、その手法が限定されるもので
はない。そして、突起状電極2の配置は周辺配置,格子
状配置,千鳥状配置などいずれでもよく、特にその配置
方法に限定されるものではない。さらに、突起状電極1
002の材質も限定されるものではない。
【0099】また、このシリコン配線基板1003上に
応力緩和層1004を形成する手法としては、印刷法,
注型法,直接描画法や他の基材上に応力緩和層を形成
し、これを転写あるいは、張り付ける方法などがある。
ここでは、金型内のキャビティ部に、低弾性率樹脂を注
型する場合のものである。
【0100】図35は図34でのステップ(製造工程)
の一部の説明図であって、ここでは、緩和層形成用下型
を斜視図で示しており、同図(a)は全体図であり、同
図(b)は同図(a)での分断線A−Aからみた部分断
面図である。なお、1020は緩和層形成用下型、10
21は低弾性率樹脂、1022は緩和層形成用キャビテ
ィである。
【0101】同図において、緩和層形成用下型1020
の面上には、図35(b)に示すように、四角い枠状に
複数の緩和層形成用キャビティ1022が設けられてお
り、図35(a)に示すように、緩和層形成用下型10
20の面上に低弾性率樹脂1021を所定の方法で塗布
することにより、緩和層形成用キャビティ1022に低
弾性率樹脂1021を注入する。その後、余剰となった
低弾性率樹脂1021をスキージなど(図示せず)によ
り除去する。
【0102】図36は図34での製造工程の一部の説明
図であって、絶縁層付きのシリコン配線基板1003を
緩和層形成用下型1020の上方に設置した状態を示す
斜視図である。なお、1030は絶縁層付きのシリコン
配線基板である。
【0103】同図において、絶縁層付きのシリコン配線
基板1030を吸着治具(図示せず)で吸着し、緩和層
形成用下型1020へと移動する。その後、両者の位置
合わせを行ない、シリコン配線基板1030を降下させ
て緩和層形成用下型1020上へ密着させる。
【0104】図37は図34でのステップ(製造工程)
の一部の説明図であって、シリコン配線基板1030を
緩和層形成用上型で加圧した状態を示す斜視図である。
なお、1040は緩和層形成用上型である。
【0105】同図において、シリコン配線基板1030
を緩和層形成用下型1020へ設置した後、緩和層形成
用上型1040を緩和層形成用下型1020上に下降さ
せ(型閉め)、これによってシリコン配線基板1030
を加圧・加熱し、低弾性率樹脂1021(図35,図3
6)を硬化させる。この加熱は下型1020及び上型1
040に設けられるヒータ(図示せず)によって行なわ
れるが、このときの加熱方法としては、下型1020及
び上型1040を常時所定の温度に加熱した状態として
おく方法や型閉め後にこれらを加熱する方法のいずれで
も、何ら支障のないことは云うまでもない。
【0106】応力緩和層1004を形成する樹脂として
は、ポリイミド樹脂をシリコン樹脂で変性した0.1〜
10GPa程度の低弾性率の樹脂がよいと言える。な
お、これは一例であって、高耐熱性で、かつ低弾性率を
持つ樹脂であればよく、応力緩和層1004を形成する
樹脂に限定がなされるものではない。
【0107】図38は図34での製造工程の一部の説明
図である。
【0108】同図において、所定時間の加圧・加熱を行
なって低弾性率樹脂1021が硬化した後、緩和層形成
用上型1040を上方へと移動させ、型開きする。
【0109】図39は図34での製造工程の一部の説明
図であって、硬化した低弾性率樹脂1021を緩和層形
成用下型1020から離型する過程を示す斜視図であ
る。なお、1050は突出しピン、1051,1052
は固定部、1055は応力緩和層形成部である。
【0110】図39(a)は図38で示した型開きを行
なった後の状態を示しており、シリコン配線基板103
0の図示とは反対側の面に、低弾性率樹脂1021が硬
化して応力緩和層1004が形成されている。このよう
に応力緩和層1004が形成されているシリコン配線基
板1030を緩和層形成用下型1020から離型するの
であるが、緩和層形成用下型1020は、図39(b)
に示すように、突出しピン1050を有しており、これ
によってシリコン配線基板1030を緩和層形成用下型
1020から離型できる。
【0111】即ち、緩和層形成用下型1020は、固定
部1051に、この固定部1051に対して緩和層形成
用下型1020の面に垂直な方向(上下方向)に移動可
能な突出しピン1050が設けられており、この突出し
ピン1050は各緩和層形成用キャビティ22(図3
5)の内側に設けられており、換言すると、緩和層形成
用キャビティ1022は固定部1051に形成されてお
り、突出しピン1050は緩和層形成用キャビティ10
22に囲まれた位置にある。
【0112】応力緩和層1004を形成する図35〜図
38に示した過程では、突出しピン1050の上面は固
定部1051の上面と同一平面内にあるが、応力緩和層
1004が形成されたシリコン配線基板1030を緩和
層形成用下型1020から離型するときには、図39
(b)に示すように、固定部1051に対して突出しピ
ン1050を押し上げる。これにより、シリコン配線基
板1030が突出しピン1050によって押し上げられ
て、応力緩和層1004が緩和層形成用キャビティ10
22からはずれる。これにより、離型が終わって複数の
応力緩和層1004が形成されているシリコン配線基板
1030が得られる。
【0113】図39(c)は他の構造の緩和層形成用下
型1020を用いた場合の離型工程を示すものであっ
て、緩和層形成用キャビティ1022が形成されている
図39(b)での固定部1051に相当する部分を突出
し部1055とし、この緩和層形成用キャビティ102
2の内側の図39(b)での突出し部1050に相当す
る部分を固定部1052とするものであり、固定部10
52に対して突出し部1055を押し上げることによ
り、離型することもできる。この場合、突出し部105
5を押し上げた後、シリコン配線基板1030をこの突
出し部1055から剥ぎ取るようにする。
【0114】図40(a)は以上のようにして得られた
応力緩和層1004が形成されたシリコン配線基板10
30の全体を示す斜視図(a)であり、同図(b)は同
図(a)の分断線A−Aからみた部分断面拡大図であ
る。
【0115】同図(a),(b)に示すように。シリコ
ン配線基板1030上に額縁状の応力緩和層1004が
複数形成されている。この方式による応力緩和層100
4の厚さとしては、0.1〜0.8mmが良好と考え
る。
【0116】ここで、応力緩和層1004の厚さは、配
線基板1003上に搭載する部品が半導体チップ100
1であるならば、この半導体チップ1001の厚さに突
起状電極1002の厚さを加えたものが応力緩和層10
04の厚さの最小厚さとなる。例えば、半導体チップ1
001の厚さが0.3mm、突起状電極1002の厚さ
が0.05mmであれば、応力緩和層1004の厚さは
0.35mmが最小の厚さとなる。この配線基板3に複
数の部品が搭載されているならば、その部品の中で実装
時の高さが一番高いものの厚さが応力緩和層1004の
最小の厚さとなることはいうまでもない。即ち、配線基
板1003の外形サイズの大小に拘らず、搭載部品の厚
さのみから考えると、最も厚い部品の厚さが応力緩和層
1004の厚さの最小値を決める。また、配線基板10
03に搭載する半導体チップ1001としては、0.1
〜0.3mmのものが通常用いられるので、応力緩和層
1004は、突起状電極1002の厚さを加えて、厚さ
0.15mmが最小の厚さと言える。
【0117】一方、応力緩和層1004を構成する材料
面からみると、種々の実験結果により、低弾性率の材料
が有効であり、室温において、0.1〜10GPaの弾
性率を有するものが信頼性のある半導体装置及び半導体
モジュールを構成できると言える。弾性率が0.1GP
aよりも小さい材料で応力緩和層1004を形成した場
合には、MCMそのものの重量を支えることが困難とな
り、使用する際に特性が安定しないという問題が生じ易
い。また、弾性率が10GPaを超える材料で応力緩和
層1004を形成した場合には、材料自身の内部応力の
ために配線基板1003に反りなどが生ずることによ
り、配線形成時の露光工程でのピントずれの発生や配線
基板が割れるなどの問題が生ずる可能性があると言え
る。
【0118】次に、以上のようにして得られたシリコン
配線基板1030に電気配線を形成する製造工程につい
て、図41〜図44により説明する。ここで、図41〜
図43は図40(b)でのB部を対象にして示すもので
ある。
【0119】図41は図40に示したシリコン配線基板
1030上での金属A層の形成から電気配線の逆パター
ンの形成までの第1工程を示す工程図である。
【0120】《金属層Aの形成》(図41(a)):ま
ず、応力緩和層1004の表面も含めて、シリコン配線
基板1030の全面に、電気配線を形成するために、金
属層A1060を形成する。
【0121】《金属層Bの形成》(図41(b)):次
に、金属A層1060上全面に、金属B層1061を形
成する。この金属B層1061は、後工程で行なう電気
メッキを施すときの給電層として作用する。
【0122】ここで、金属A層1060と金属B層10
61との組合せとしては、金属A層1060にクロム
を、金属B層1061に銅を夫々用いて形成した。これ
らの形成方法としては、スパッタを用いることとし、そ
の厚さを、ここでは、金属A層1060のクロムで75
nm、金属B層1061の銅で0.5μmとした。ここ
でのクロムの機能は、その上下に位置する材質の接着を
確保することにあり、その膜厚は、それらの接着を維持
する最低限でよい。所要厚さは、スパッタエッチングや
スパッタの条件,クロムの膜質などによっても異なる。
【0123】なお、この実施形態では、クロムに代え
て、チタンやチタン/白金,タングステンなどを用いて
も何ら支障となることはない。また、形成方式として、
蒸着や無電解銅めっき,CVDなどを用いてもよい。こ
のとき、金属B層61の厚さは、後の工程で行なう電気
銅めっき及び電気ニッケルめっきを行なったときに膜厚
分布が生じない最小限度の厚さが好ましく、めっき前処
理として行なう酸洗などでの膜減り量も考慮に入れた上
で、膜厚分布を誘発しない膜厚を決定する。銅の膜厚を
必要以上に厚くした場合、例えば、1μmを越える銅厚
の場合には、スパッタ時間が長くなって生産効率が低下
するという課題もある。さらに、後の工程で実施する金
属A層1060や金属B層1061をエッチング除去す
る際にも、長時間がかかり、生産効率が低下する可能性
がある。
【0124】《レジスト塗布》(図41(c)):次
に、電気配線を形成するため、感光性レジスト1062
を、スピンコート法により、所定条件で金属B層106
1の全面に塗布する。
【0125】《配線パターン形成》(図41(d)):
その後、ホトリソグラフィー技術を用いることにより
(露光,現像)、電気配線を形成する部分のみで感光性
レジスト1062を除き、金属B層1061が露出した
電気配線の逆パターン1063を形成する。
【0126】ここで、応力緩和層1004の厚さは、シ
リコン配線基板1030に搭載する半導体チップ100
1(図1)を含む各構成部品の高さに応じて、即ち、い
ずれの構成部品もこの応力緩和層1004よりも上方に
突出しないように、設定される。ここでは、応力緩和層
1004の厚さを0.5mm程度とした。このとき、感
光性レジスト1062を感光・露光する露光方式として
は、応力緩和層1004が形成されているために段差が
あり、この段差となる斜面部にも電気配線1006を形
成する必要があるため、レーザ光による直描や焦点距離
の移動可能な露光機によって逆パターン1063の形成
を行なった。また、かかる段差の小さい場合には、密着
方式の露光方式でも、形成可能であることは云うまでも
ない。
【0127】図42は、図41に示す第1の工程に続
く、図41(d)に示す状態での厚膜の金属C層の形成
から上記の金属A層及び金属B層をエッチングするまで
の第2工程を示した工程図である。
【0128】《厚膜金属C層形成》(図42(a)):
金属A層1060,金属B層1061及び電気配線の逆
パターン1063を利用して電気めっきを行ない、逆パ
ターン1063内に金属C層1064による半導体チッ
プ搭載用のパッド1065及び外部端子1066の形成
を行なう。金属C層1064は、硫酸・硫酸銅めっき液
を用い、界面活性剤による洗浄,水洗、希硫酸による洗
浄,水洗を行なった後、金属A層1060と金属B層1
061とを陰極に接続し、リンを含有する銅板を陽極に
接続した電気銅めっきにより、形成した。
【0129】《金属D層形成》(図42(b)):さら
に、半導体チップ搭載用のパッド1065及び外部端子
1066での接合時のはんだ拡散を防止するために、厚
膜金属D層1064上に金属D層1067を形成した、
この金属D層1067は、金属A層1060と金属B層
1061とを陰極に接続し、ニッケル板を陽極に接続す
ることにより、電気ニッケルめっきによって形成した。
この電気ニッケルめっきを行なう前に、界面活性剤によ
る洗浄,水洗、希硫酸による洗浄,水洗を行なうと、良
好な膜質の電気ニッケルめっき膜が得られる場合があ
る。
【0130】なお、銅,ニッケルとも電気めっきを用い
て導体を形成する方法を示したが、無電解めっきを用い
ることも可能である。また、電気配線は、銅以外、金ま
たは銀を包含するものであってもよく、はんだ拡散防止
膜はニッケル合金であってもよい。
【0131】《レジスト除去》(図42(c)):感光
性レジストからなる電気配線の逆パターン1063及び
電気めっきの給電用に用いた金属A層1060と金属B
層1061を、エッチング処理により、除去するのであ
るが、感光性レジストは、レジスト専用の剥離剤を用い
て除去した。
【0132】《金属A,B層エッチング》(図42
(d)):その後、金属A層1060と金属B層106
1とを、エッチングにより、除去した。これにより、半
導体チップ搭載用のパッド1065と外部端子1066
とこれら間を接続する電気配線1006が得られる。金
属B層1061が銅である場合、そのエッチングには、
塩化鉄,アルカリ系エッチング液などの種類が使用され
るが、この実施形態では、硫酸/過酸化水素水を主成分
とするエッチング液を用いた。10秒以上のエッチング
時間がないと、制御が困難となって、実用的観点では、
不利であるが、あまりに長い時間エッチングを行なう
と、例えば、5分間を越えてエッチングするような場合
には、サイドエッチングが大きくなったり、タクトが長
くなるという問題も生じるため、エッチング液及びエッ
チング条件は、適宜実験により求めるのがよい。次に、
金属A層1060がクロムである場合、そのエッチング
には、この実施形態では、過マンガン酸カリウムとメタ
ケイ酸を主成分とするエッチング液を用いた。
【0133】図43は、図42に示す第2の工程に続
く、図42(d)に示す状態での電気配線の保護膜形成
から外部接続を行なうためのはんだボール接合までの第
3工程を示す工程図である。
【0134】《絶縁性感光性樹脂》(図43(a)):
図42(d)に示すように形成されたシリコン配線基板
1030の全面に、保護膜1068を形成する。ここで
は、この保護膜1068として、絶縁性の感光性樹脂を
用い、スピンコート法により、シリコン配線基板103
0の全面に塗布した。
【0135】《接続端子部形成》(図43(b)):そ
の後、ホトリソグラフィー技術を用いて(露光,現
像)、半導体チップ1001の接合のための端子106
5と外部接続のための端子1066とを形成した。表面
の保護膜1068としては、有機材料だけでなく無機材
料を用いても何ら支障はない。
【0136】《応力緩和層付きシリコン配線基板完了》
(図43(c)):そして、これら端子部1064,1
065の表面に金属E層1069層を形成し、これを端
子部1065,1066の表面とする。金属E層106
9は、外部端子となるはんだ材料とニッケルとのぬれ性
が良好となる金を無電解金めっきで形成する。なお、は
んだと電気ニッケルめっきとの濡れ性が良好な場合に
は、この金属E層1069を省略しても支障はない。
【0137】《外部端子部形成》(図43(d)):そ
の後、端子部1065,1066にフラックスとともに
はんだボール1070を搭載し、加熱することによって
はんだボール70を接続し、突起状電極1002と外部
接続端子1005とを形成する。
【0138】なお、突起状電極1002と外部接続端子
1005との形成法は、はんだボール1070を用いる
ほか、印刷機を用いてはんだペーストをバンプパッド1
065,1066またはその上の金属E層1069上に
印刷塗布し、これをリフローすることにより、突起状電
極1002と外部接続端子1005を形成する方法もあ
る。何れの方法においても、はんだ材料は様々なものを
選択することが可能となり、現時点で市場に供給されて
いるはんだ材料の多くが使用できる。この他、はんだ材
料は限定されるものの、めっき技術を用いることによ
り、はんだバンプ1002,1005を形成する方法も
ある。また、金や銅を核としたボールを使用したバンプ
や導電材料を配合した樹脂を使用して形成したバンプを
使用してもよい。さらに、はんだボール1070の材質
は、SnとCuを主成分とし、第3成分として、Bi,
Agを添加したものを用いた。
【0139】以上のように、第1工程から第3工程まで
を経ることにより、応力緩和層4付きのシリコン配線基
板3を複数個一括して形成することができる。
【0140】図44(a)は以上のようにして得られた
複数の応力緩和層1004が形成されたシリコン配線基
板1030を示す斜視図であって、これを、例えば、ダ
イシング技術により、応力緩和層1004毎にこの応力
緩和層1004に沿って切り離すことにより、図44
(b)に示すように、個々の応力緩和層付きのシリコン
配線基板1071が、完成した実装用基板1071とし
て、得られる。この実装用基板1071の所定位置に半
導体チップ1001を搭載して接合することにより、半
導体装置や半導体モジュールが完成する。
【0141】この製造方法により、シリコン配線基板1
003上の電気配線1006の最小配線幅/最小配線間
隔は10μm/10μmで形成することができる。これ
により、従来、多層配線の基板が必要であったものが、
一層あるいは二層程度の配線層で充分となり、半導体装
置や半導体モジュールの薄型化,小型化が容易となる。
【0142】図45(a)は本発明による半導体装置及
び半導体モジュールの第2の実施形態の全体構成を概略
的に示す斜視図、同図(b)は同図(a)の分断線A−
Aに沿う断面図であって、1009は低弾性率樹脂層で
あり、前出図面に対応する部分には同一符号を付けて重
複する説明を省略する。
【0143】同図(a),(b)において、この実施形
態は、シリコン配線基板1003上での応力緩和層10
04よりも内側全面にも、低弾性率樹脂層1009が形
成された構造をなすものである。この低弾性率樹脂層1
009上から応力緩和層1004上にわたって、電気配
線1006が形成されている。
【0144】なお、この代わりに、シリコン配線基板1
003上での応力緩和層1004よりも内側において、
突起状電極1002が設けられている領域にのみ、低弾
性率樹脂層1009を形成するようにしてもよい。この
第2の実施形態では、要するに、シリコン配線基板10
03上での応力緩和層1004よりも内側では、少なく
ともこの突起状電極1002が設けられている領域を含
むように、低弾性率樹脂層1009が形成されるもので
ある。
【0145】この実施形態も、先に説明した第1の実施
形態の製造方法と同様の方法で製造することができる。
但し、このときに用いる金型の構造は多少異なる。これ
を、図46により、説明する。
【0146】図46(a)は緩和層形成用下型102
0’の全体を概略的に示す斜視図であって、同図(b)
は同図(a)の分断線A−Aに沿ってみた部分断面拡大
図であり、第1の実施形態での図35に対応する図であ
る。ここで、1023は樹脂層形成部であり、図35,
図39(b)に対応する部分には同一符号を付けてい
る。
【0147】図46(b)において、図35(b)と同
様、緩和層形成用下型1020’の固定部1051に額
縁状の緩和層形成用キャビティ1022が複数形成され
ているが、さらに、この緩和層形成用キャビティ102
2で囲まれる領域内全体に樹脂層形成部1023が形成
されている。
【0148】この樹脂層形成部1023の形成方法とし
ては、低弾性率樹脂層1009や応力緩和層1004を
形成するときには、突出しピン1050の上面が固定部
1051の上面を含む面よりも所定の距離(即ち、図4
5(b)でのほぼ低弾性率樹脂層の厚み分)分へこむよ
うに、固定部1051に対して突出しピン1050を位
置設定する。
【0149】かかる緩和層形成用下型1020’に、先
に説明した図34の低弾性率樹脂塗布およびスキージ等
による余剰樹脂分除去をすると、図46(b)に示すよ
うに、緩和層形成用キャビティ1022と樹脂層形成部
1023とに低弾性率樹脂1021が充填され、図34
に示した製造プロセスにより、図45に示す低弾性率樹
脂層1009をもつ半導体装置や半導体モジュールが得
られる。
【0150】なお、この緩和層形成用下型1020’を
図39(c)に示すような離型が可能な構成とすること
もできる。
【0151】この実施形態によると、シリコン配線基板
1003の表面全面に、応力緩和層1004も含めて、
低弾性率の樹脂層が形成されるため、かかる樹脂層によ
り、使用環境の変化でもって発生する応力を低減する効
果がある。そして、このように、表面全面に樹脂層があ
るため、半導体チップ1001などの搭載部品と配線基
板1003との間の線膨張係数の差によって応力が生じ
ても、これが低弾性率樹脂層1009で吸収されるか
ら、基板の基材として、シリコン材ばかりでなく、有機
材料あるいは無機材料も用いることもでき、これによ
り、基板の低コスト化を実現できるという効果がある。
半導体チップを搭載する領域、即ち、突起状電極100
2を設けた領域にのみ低弾性率樹脂層1009を設けた
場合も、上記と同様の効果が得られる。この場合には、
図46(a)に示す緩和層形成用下型1020’では、
樹脂層形成部1023として、突出しピン1050の上
面の一部に窪みが設けられることになる。
【0152】図47(a)は本発明による半導体装置及
び半導体モジュールの第3の実施形態全体を示す平面図
であって、同図(b)は同図(a)の分断線A−Aに沿
う断面図である。ここで、1004a〜1004dは応
力緩和層であり、前出図面に対応する部分には同一符号
を付けて重複する説明を省略する。
【0153】先に説明した実施形態では、配線基板10
03の周辺全体にわたって1つの連続した応力緩和層1
004を設けたものであるが、この第3の実施形態は、
配線基板1003の周辺全体にわたって複数の応力緩和
層1004a〜1004dを設けたものである。ここで
は、方形状の配線基板1003の夫々の辺に1つずつ同
一長さの応力緩和層を設けているが、辺の長さに応じて
そこに設ける応力緩和層の長さを異ならせてもよいし、
また、辺の長さに応じて2以上の応力緩和層の個数を異
ならせてもよい。従って、配線基板1003が矩形状を
なす場合には、辺での応力緩和層の個数や長さを辺の長
さに応じたものとすることができる。
【0154】この第3の実施形態においても、図45に
示した第2の実施形態と同様、配線基板1003上の応
力緩和層1004a〜1004d以外の領域(少なくと
も、応力緩和層1004a〜1004dで囲まれる領域
内)に、低弾性率樹脂層1009(図45)を設けるよ
うにしてもよい。
【0155】図48は図47に示した半導体装置及び半
導体モジュールの実施形態の製造に用いられる緩和層形
成用下型1020”を示す部分断面拡大図であって、前
出図面に対応する部分には同一符号を付けている。
【0156】同図において、緩和層形成用下型102
0”の固定部1051に、図47(a)に示す応力緩和
層1004a〜1004dの配列に対応した配列で、複
数の緩和層形成用キャビティ1022が閉路状に配列し
て設けられており、それ以外の構成は、図35に示した
第1の実施形態での緩和層形成用下型1020と同様で
あり、図34に示した製造プロセスにより、図47に示
す半導体装置や半導体モジュールを得ることができる。
【0157】なお、この緩和層形成用下型1020”を
図39(c)に示すような離型が可能な構成とすること
もできる。
【0158】また、上記のように、図47において、配
線基板1003上の応力緩和層1004a〜1004d
以外の領域(即ち、少なくとも応力緩和層1004a〜
1004dで囲まれる領域内)に、低弾性率樹脂層10
09(図45)を設ける場合には、図48に示す緩和層
形成用下型1020”において、図46(b)に示すよ
うな樹脂層形成部1023を、あるいは、上記のよう
に、突出しピン1050の上面の一部に窪みを設けるこ
とはいうまでもない。
【0159】以上の構成の第3の実施形態では、配線基
板1003の周辺に複数の応力緩和層を設けるものであ
るから、先の実施形態の応力緩和層が分割された形態で
設けられていることになって、各応力緩和層が互いに独
立に作用することになり、各応力緩和層は他の応力緩和
層に拘束されずに作用することになるから、応力低減効
果がさらに向上することになる。
【0160】また、上記第2,第3の実施形態において
も、金型を用いて応力緩和層を形成するものであり、金
型を用いたときの応力緩和層に対する効果は、上記第1
の実施形態と同様であることはいうまでもない。
【0161】図49は半導体チップ1001を配線基板
1003上に搭載した上記夫々の実施形態の半導体装置
及び半導体モジュールについて、これをマザーボードに
実装したときの接続部分の信頼性を確保するのに必要な
応力緩和層の厚さを示す図であって、横軸は半導体装置
や半導体モジュールの中心部からの距離を示すものであ
る。なお、同じ半導体装置や半導体モジュールの形態で
も、弾性率の低い材料を用いた場合には、応力緩和層の
厚さを薄くしても、接続の信頼性の確保が可能であるこ
とにより、図49では、弾性率を考慮した厚さの許容範
囲を示している。
【0162】図49から明らかなように、半導体装置や
半導体モジュールの中心部からの距離が長くなるほど、
接続の信頼性を確保するためには、応力緩和層を厚くす
る必要がある。例えば、半導体装置や半導体モジュール
の中心部からの距離が28mm程度の場合、応力緩和層
の厚さは約800μm程度必要となる。これに満たない
厚さの場合には、応力を緩和することができず、これを
超える場合には、配線基板1003に歪みを与え、基材
の破損や樹脂層のクラック,剥離などが生ずる可能性が
ある。
【0163】一方、半導体装置や半導体モジュールの中
心部からの距離が短い、例えば、2mm前後と小さけれ
ば、応力緩和層をなくしたとしても、半導体装置や半導
体モジュールとこれを実装するマザーボードとの間で生
ずる熱応力は、配線基板1003が有する絶縁層(図示
せず)によって緩和されることも、理論上では、可能で
ある。但し、半導体装置や半導体モジュールをマザーボ
ードに実装した場合において、配線基板3に搭載する複
数の部品がマザーポードに接触しないような高さを確保
する手段が、別途必要になることはいうまでもない。従
って、半導体装置や半導体モジュールの中心部からの距
離を28mmまでのものを対象とすると、応力緩和の観
点から、最大約800μm程度の厚さが応力緩和層に必
要となる。
【0164】また、応力緩和層の形状は台形形状であ
り、断面は台形形状であって、配線基板3に対して傾斜
する斜面部分1007を有するが、その傾斜勾配を最適
化することにより、電気配線6の断線を抑制することが
可能となる。平均勾配は5乃至45%(傾斜角度をθと
すると、tanθ=0.05〜0.45)程度が好まし
い。5%を下回る傾斜勾配の場合には、斜面部1007
が長すぎて所望の膜厚の応力緩和層が得られない。例え
ば、平均勾配が3%のとき、厚さ100μmとするため
には、3mm超の水平距離が必要となり、左右のエッジ
部を合わせると、ほぼ7mmがなければならず、所望の
膜厚が得られないことになる。一方、傾斜勾配が45%
超の場合、水平距離の点では問題ないが、逆に急勾配と
なるので、配線形成の際に充分な露光ができない危険性
が高い。特に、メッキレジストの付き回りや露光及び現
像の工程でのプロセスマージンがなく、特別な機能また
は技術が必要となる。さらに傾斜勾配が大きい場合に
は、いわゆる応力集中効果が作用してそのエッジ部に応
力が集中し、その結果として、エッジ部で電気配線10
06の断線が発生し易くなる傾向が現れ、配線構造に特
別な工夫が必要となることが考えられる。
【0165】以上のように、モジュールサイズが大きく
なるほど応力緩和層を厚くすることが必要であり、かつ
応力緩和層の斜面部1007の勾配もある程度規定する
ことが必要となる。
【0166】このような応力緩和層を形成する方式とし
ては、マスクを用いた印刷方式による形成方法,ディス
ペンサなどを用いた直描方式による形成方法,ホトリソ
方式による形成方法,金型を用いた形成方法などが考え
られる。
【0167】ここでは、厚い応力緩和層を形成すること
を目的としているため、マスクを用いた印刷法では、1
回で厚く印刷しても、50〜80μm程度であり、厚さ
0.1mm以上を1回の印刷で確保することは困難であ
り、複数回の印刷を繰り返して所定の厚さを確保する必
要がある。このため、印刷位置の精度バラツキや応力緩
和層の斜面部1007の形状も一定ではなく、電気配線
1006を形成する上でも不具合が発生し易いと考えら
れる。さらに、印刷後の応力緩和層は、1回毎に硬化
し、これを繰り返すことになるので、形成工程での作業
時間が長くなり、高コスト化になる可能性がある。
【0168】また、直描方式による形成では、描画時間
が長くなることや応力緩和層の形状が同一形状になりに
くいなどの問題が発生する恐れがあり、ホトリソ方式に
よる形成では、露光光源や厚さの厚いものを露光するた
め、一度に所定の厚さを露光することは難しい。さら
に、斜面部7を所定の勾配で形成することも困難である
と考えられる。
【0169】一方、金型を用いた方式においては、緩和
層形成用キャビティ1022の形状を所定の厚さ並びに
斜面の勾配を規定してキャビティ加工を行なうことによ
り、形状の同一化が可能となる効果がある。また、厚い
応力緩和層を1回の形成工程で形成することができ、低
コスト化が図れる効果がある。さらに、キャビティによ
り応力緩和層を形成するので、応力緩和層の厚さや斜面
部1007の勾配は自由に設計することができる効果が
ある。
【0170】そして、キャビティの加工表面を平滑化す
ることにより、この表面が転写される応力緩和層の表面
も平滑化することが容易となる効果がある。このこと
は、電気配線1006を応力緩和層の表面に形成する電
気配線形成時の不具合を低減できる効果がある。これに
より、高い信頼性の配線基板1003を製造できる効果
がある。
【0171】なお、以上の各実施形態では、半導体チッ
プを配線基板1003上に1つ設置した場合を説明した
が、複数個設置しても同様の効果があることはいうまで
もない。
【0172】
【発明の効果】本発明によれば、外部基板との接続信頼
性に優れた生産効率の良い半導体モジュールを実現する
ことにある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体モジュールの一例を示す図
【図2】従来例を示す図
【図3】本発明の応力緩和層とモジュールサイズの関係
を示す図
【図4】本発明のはんだ接続部を示す図
【図5】本発明の配線構造を示す図
【図6】本発明の半導体モジュールの一例を示す図
【図7】本発明の半導体モジュールの一例を示す図
【図8】本発明の製造工程の一例を示す図
【図9】本発明の製造工程の一例を示す図
【図10】本発明のマスク開口部の一例を示す図
【図11】本発明の製造工程の一例を示す図
【図12】本発明の半導体モジュールの一例を示す図
【図13】本発明のスパッタ耐性の関係を示す図
【図14】本発明の製造工程の一例を示す図
【図15】本発明の製造工程の一例を示す図
【図16】本発明の半導体モジュールの一例を示す図
【図17】本発明の半導体モジュールの一例を示す図
【図18】本発明の半導体モジュールの一例を示す図
【図19】本発明の半導体モジュールの一例を示す図
【図20】本発明の半導体モジュールの一例を示す図
【図21】本発明の半導体モジュールの一例を示す図
【図22】本発明の半導体モジュールの一例を示す
【図23】本発明の製造工程の一例を示す図
【図24】本発明の製造工程の一例を示す図
【図25】本発明の半導体モジュールの一例を示す図
【図26】本発明の半導体モジュールの一例を示す図
【図27】本発明の半導体モジュールの一例を示す図
【図28】本発明の半導体モジュールの一例を示す図
【図29】本発明の半導体モジュールの一例を示す図
【図30】本発明の半導体モジュールの一例を示す図
【図31】本発明の半導体モジュールに用いる半導体装
置の一例を示す図
【図32】本発明の半導体モジュールの一例を示す図
【図33】半導体装置及び半導体モジュールの第1の実
施形態を示す概略斜視図
【図34】半導体装置及び半導体モジュールの製造方法
の第1の実施形態を示すフローチャート
【図35】半導体装置及び半導体モジュールの製造に用
いる緩和層形成用下型の一具体例とこれを用いた図34
における製造工程の一部を示す図
【図36】図34における製造工程の一部を示す図
【図37】図34における製造工程の一部を示す図
【図38】図34における製造工程の一部を示す図
【図39】図34における製造工程の一部を示す図
【図40】図34の製造プロセスで得られた応力緩和層
付きシリコン配線基板を示す斜視図
【図41】図40に示すシリコン配線基板への電気配線
の形成のための第1工程を示す工程図
【図42】図41に示す第1の工程に続く第2の工程を
示す工程図
【図43】図42に示す第2の工程に続く第3の工程を
示す工程図
【図44】図43に示した第3の工程から得られた応力
緩和層付きのシリコン配線基板とこれを応力緩和層毎に
切断して得られるシリコン配線基板を示す斜視図
【図45】本発明による半導体装置及び半導体モジュー
ルの第2の実施形態を示す斜視図及び断面図
【図46】図45に示す半導体装置及び半導体モジュー
ルの製造に用いる緩和層形成用下型の構造を示す斜視図
【図47】本発明による半導体装置及び半導体モジュー
ルの第3の実施形態を示す斜視図及び断面図
【図48】図47に示す半導体装置及び半導体モジュー
ルの製造に用いる緩和層形成用下型の構造を示す斜視図
【図49】半導体チップを配線基板上に搭載した半導体
装置や半導体モジュールをマザーボードを実装したとき
の接続部分を確保するに必要な応力緩和層の厚さを示す
【符号の説明】
1…半導体装置、2…モジュール基板、3…配線、4…
絶縁層、5…はんだボール、6…バンプ、7…半導体装
置搭載基板、8…電極、9…電極、10…絶縁膜、11…応
力緩和層、12…応力緩和材料、13…スキージ、14…開口
部、15…中間板、16…熱伝導材料、17…電極、18…スル
ーホール、19…金属層、50…基板、51…カラム状電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山口 欣秀 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所生産技術研究所内 (72)発明者 天明 浩之 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所生産技術研究所内 (72)発明者 諫田 尚哉 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所生産技術研究所内

Claims (29)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】配線が形成された配線基板と、該配線基板
    に形成された配線と電気的に接続された半導体装置と、
    該配線基板の該半導体装置を実装した側に配置され、該
    配線と電気的に接続された外部との接続部分となる外部
    接続端子とを備え、該配線基板と該外部接続端子との間
    に該半導体装置の厚さよりも厚い絶縁樹脂層を形成した
    ことを特徴とする半導体モジュール。
  2. 【請求項2】配線が形成された配線基板と、該配線基板
    に形成された配線と電気的に接続された半導体装置と、
    該配線基板の該半導体装置を実装した側に形成された、
    その実装面に対して所定の傾斜を有する傾斜部分と外部
    との接続部分となる外部接続端子を配置するほぼ平坦な
    平坦部分とを有する絶縁樹脂層とを備え、該絶縁樹脂層
    の傾斜部分に該配線の一部を形成して該配線と該外部接
    続端子とを電気的に接続するように構成したことを特徴
    とする半導体モジュール。
  3. 【請求項3】前記絶縁樹脂層をマスク印刷により形成し
    たことを特徴とする請求項1または2記載の半導体モジ
    ュール。
  4. 【請求項4】配線が形成された配線基板と、該配線基板
    に形成された配線と電気的に接続された半導体装置と、
    該配線基板の該半導体装置を実装した側に、マスク印刷
    により形成された絶縁樹脂層と、該絶縁樹脂層の上に該
    配線と電気的に接続された外部との接続部分となる外部
    接続端子とを備えたことを特徴とする半導体モジュー
    ル。
  5. 【請求項5】前記絶縁樹脂層の形状が前記半導体装置を
    囲むような形状であることを特徴とする請求項1〜4の
    いずれかに記載の半導体モジュール。
  6. 【請求項6】前記絶縁樹脂層の形状が枠状であることを
    特徴とする請求項5記載の半導体モジュール。
  7. 【請求項7】前記絶縁樹脂層の外周側の傾斜よりも内周
    側の傾斜が緩やかであることを特徴とする請求項5また
    は6記載の半導体モジュール。
  8. 【請求項8】前記絶縁樹脂層が複数個の絶縁樹脂層を用
    いて前記半導体装置を囲むように配置することで構成さ
    れたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の
    半導体モジュール。
  9. 【請求項9】前記配線基板が、シリコン基板もしくはガ
    ラス基板であることを特徴とする請求項1〜8のいずれ
    かに記載の半導体モジュール。
  10. 【請求項10】前記絶縁樹脂層が約0.1Gpa〜約10Gpaの
    弾性率を有する絶縁材料で構成されたことを特徴とする
    請求項1〜9のいずれかに記載の半導体モジュール。
  11. 【請求項11】前記絶縁樹脂層の膜厚が約10マイクロ
    メータ〜約350マイクロメータであることを特徴とす
    る請求項1〜10のいずれかに記載の半導体モジュー
    ル。
  12. 【請求項12】前記半導体装置が半導体チップ、CSP、B
    GA、ウエハレベルCSPのいずれかであることを特徴とす
    る請求項1〜11のいずれかに記載の半導体モジュー
    ル。
  13. 【請求項13】前記半導体装置の実装面から前記半導体
    装置の裏面までの高さよりも、前記絶縁樹脂層の厚さと
    前記外部接続端子の高さとの和の方が大きいことを特徴
    とする請求項1〜12のいずれかに記載の半導体モジュ
    ール。
  14. 【請求項14】前記半導体装置の実装面から前記半導体
    装置の裏面までの高さと、前記絶縁樹脂層の厚さと前記
    外部接続端子の高さとの和とがほぼ等しいことを特徴と
    する請求項1〜12のいずれかに記載の半導体モジュー
    ル。
  15. 【請求項15】配線が形成された配線基板と、該配線基
    板に形成された配線とバンプを介して電気的に接続され
    た半導体装置と、該配線と電気的に接続された外部との
    接続部分となる外部接続端子とを備え、アンダーフィル
    を用いずに該半導体装置を該配線基板に実装する半導体
    モジュールにおいて、該半導体装置を半導体チップで構
    成し、該配線基板をシリコン基板で構成したことを特徴
    とする半導体モジュール。
  16. 【請求項16】配線が形成された配線基板と、該配線基
    板に形成された配線とバンプを介して電気的に接続され
    た半導体装置と、該配線と電気的に接続された外部との
    接続部分となる外部接続端子とを備え、アンダーフィル
    を用いずに該半導体装置を該配線基板に実装する半導体
    モジュールにおいて、該半導体装置の有する半導体チッ
    プとバンプとの間に絶縁樹脂層を形成したことを特徴と
    する半導体モジュール。
  17. 【請求項17】配線が形成された配線基板と、該配線基
    板に形成された配線とバンプを介して電気的に接続され
    た半導体装置と、該配線と電気的に接続された外部との
    接続部分となる外部接続端子とを備え、アンダーフィル
    を用いずに該半導体装置を該配線基板に実装する半導体
    モジュールにおいて、該半導体装置の有するバンプと接
    続する配線と該配線基板との間に絶縁樹脂層を形成した
    ことを特徴とする半導体モジュール。
  18. 【請求項18】前記絶縁樹脂層が約0.1Gpa〜約10Gpaの
    弾性率を有する絶縁材料で構成されたことを特徴とする
    請求項22記載の半導体モジュール。
  19. 【請求項19】前記絶縁樹脂層の膜厚が約10マイクロ
    メータ〜約350マイクロメータであることを特徴とす
    る請求項16または17記載の半導体モジュール。
  20. 【請求項20】前記絶縁樹脂層をマスク印刷により形成
    したことを特徴とする請求項17〜19のいずれかに記
    載の半導体モジュール。
  21. 【請求項21】前記外部接続端子が、前記配線基板の前
    記半導体装置を実装した側に形成された、その実装面に
    対して所定の傾斜を有する傾斜部分と前記外部接続端子
    を配置するほぼ平坦な平坦部分とを有する第二の絶縁樹
    脂層の上に形成されたことを特徴とする請求項15〜2
    0のいずれかに記載の半導体モジュール。
  22. 【請求項22】配線が形成された配線基板と、該配線基
    板に形成された配線とバンプを介して電気的に接続され
    た半導体装置と、該配線基板と該半導体装置との間に充
    填する充填材料とを備え、該充填材料がフィラを含まな
    い材料により構成されることを特徴とする実装構造体。
  23. 【請求項23】請求項1〜22のいずれかに記載される
    半導体モジュールを実装する外部基板に熱伝導材料層を
    形成し、前記半導体モジュールの有する半導体装置と該
    熱伝導材料層とを接続したことを特徴とする実装構造
    体。
  24. 【請求項24】前記半導体装置と前記回路基板とをそれ
    ぞれ接続する金属部材を備えたことを特徴とする請求項
    1〜23のいずれかに記載の半導体モジュール。
  25. 【請求項25】前記半導体装置を前記配線基板にダイボ
    ンドして接続し、前記半導体装置と前記配線基板に形成
    された配線とをワイヤボンデングにより電気的に接続す
    ることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の
    半導体モジュール。
  26. 【請求項26】配線を形成した配線基板と、該配線基板
    に形成された配線と電気的に接続する半導体装置と、該
    半導体装置を覆う絶縁材料と、該絶縁材料上に形成した
    配線と外部との接続部分となる外部接続電極とを備えた
    ことを特徴とする半導体モジュール。
  27. 【請求項27】前記半導体装置と外部接続端子との間に
    ある絶縁材料の中に中間板を設けたことを特徴とする請
    求項26記載の半導体モジュール。
  28. 【請求項28】基板と、該基板の第1の領域に形成され
    た第1の絶縁層と、該基板の第2の領域に実装される半
    導体チップと、該第1の絶縁層上に形成された外部接続
    端子と、該半導体チップの電極と該外部接続端子とを電
    気的に接続する配線とを有する半導体モジュールであっ
    て、 該第1の絶縁層は、該半導体モジュールと該半導体モジ
    ュールを実装する他の基板との間に生ずる応力を緩和
    し、かつ金型を用いて形成されたことを特徴とする半導
    体モジュール。
  29. 【請求項29】請求項28において、 前記第1の絶縁層は前記基板の周縁部に形成されている
    ことを特徴とする半導体モジュール。
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