JP2003031565A - 半導体装置の製造方法、基板処理装置および基板処理システム - Google Patents
半導体装置の製造方法、基板処理装置および基板処理システムInfo
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Abstract
板処理を行うことが可能な基板処理装置を提供する。 【解決手段】 基板処理装置を、被処理基板を保持する
保持台を備えた処理容器と、前記処理容器の第1の端部
に設けられた処理ガス導入部と、前記処理容器の、前記
保持台を隔てて前記第1の端部に対向する第2の端部に
形成された排気口と、前記処理容器中、前記保持台より
も前記第1の端部に寄った側に設けられたラジカル発生
源と、前記保持台を回転させる回転機構とにより構成す
る。
Description
特に高誘電体膜を有する、超微細化高速半導体装置の製
造方法に関する。
セスの進歩とともに、0.1μm以下のゲート長が可能
になりつつある。一般に微細化とともに半導体装置の動
作速度は向上するが、このように非常に微細化された半
導体装置では、ゲート絶縁膜の膜厚を、微細化によるゲ
ート長の短縮に伴って、スケーリング則に従って減少さ
せる必要がある。
と、ゲート絶縁膜の厚さも、SiO2を使った場合、1
〜2nm、あるいはそれ以下に設定する必要があるが、
このように非常に薄いゲート絶縁膜ではトンネル電流が
増大し、その結果ゲートリーク電流が増大する問題を回
避することができない。
iO2膜のものよりもはるかに大きく、このため実際の
膜厚が大きくてもSiO2膜に換算した場合の膜厚が小
さいTa2O5やAl2O3,ZrO2,HfO2、さらには
ZrSiO4あるいはHfSiO4のような高誘電体材料
をゲート絶縁膜に対して適用することが提案されてい
る。このような高誘電体材料を使うことにより、ゲート
長が0.1μm以下と、非常に短い超高速半導体装置に
おいても10nm程度の物理的膜厚のゲート絶縁膜を使
うことができ、トンネル効果によるゲートリーク電流を
抑制することができる。
H5)5およびO2を気相原料としたCVD法により形成
できることが知られている。典型的な場合、CVDプロ
セスは減圧環境下、約480°C、あるいはそれ以上の
温度で実行される。このようにして形成されたTa2O5
膜は、さらに酸素雰囲気中において熱処理され、その結
果、膜中の酸素欠損が解消され、また膜自体が結晶化す
る。このようにして結晶化されたTa2O5膜は大きな比
誘電率を示す。
ート絶縁膜に使った半導体装置では、高誘電体膜を直接
にSi基板上に形成した方が、絶縁膜のSiO2換算実
効膜厚を減少させるためには好ましいものの、このよう
に高誘電体膜をSi基板上に直接に形成した場合には、
高誘電体膜から金属元素がSi基板中に拡散してしま
い、チャネル領域においてキャリアの散乱の問題が生じ
る。
向上させる観点からは、高誘電体ゲート酸化膜とSi基
板との間に、1nm以下、好ましくは0.8nm以下の
厚さのきわめて薄いベース酸化膜を介在させるのが好ま
しい。前記ベース酸化膜は非常に薄い必要があり、厚さ
が厚いと高誘電体膜をゲート絶縁膜に使った効果が相殺
される。一方、かかる非常に薄いベース酸化膜は、Si
基板表面を一様に覆う必要があり、また界面準位等の欠
陥を形成しないことが要求される。
急速熱酸化(RTO)処理により形成されるのが一般的
であるが、熱酸化膜を所望の1nm以下の厚さに形成し
ようとすると、膜形成時の処理温度を低下させる必要が
ある。しかし、このように低温で形成された熱酸化膜は
界面準位等の欠陥を含みやすく、高誘電体ゲート酸化膜
のベース酸化膜としては不適当である。
体ゲート絶縁膜を形成する際に、ベース酸化膜のわずか
な膜厚の変動が高誘電体ゲート絶縁膜時のインキュベー
ション時間に影響を与えることが本発明の発明者により
見出されているが、このことは、ベース酸化膜に不均一
あるいは膜厚変動があると、かかる膜厚変動がその上に
形成される高誘電体ゲート絶縁膜に大きく影響してしま
い、半導体装置の特性が不良になってしまうことを意味
している。このような事情から、高誘電体ゲート絶縁膜
の下のベース酸化膜は、単に薄いのみならず、一様な厚
さに形成されることが要求されている。
新規で有用な基板処理方法を提供することを、具体的な
課題とする。
と高誘電体ゲート絶縁膜との間に、所定の厚みの絶縁膜
を、一様な厚さで、界面準位等の欠陥を形成することな
く形成できる基板処理方法、および基板処理装置を提供
することにある。
請求項1に記載したように、被処理基板を保持する保持
台を備えた処理容器と、前記処理容器の第1の端部に設
けられた処理ガス導入部と、前記処理容器の、前記保持
台を隔てて前記第1の端部に対向する第2の端部に形成
された排気口と、前記処理容器中、前記保持台よりも前
記第1の端部に寄った側に設けられたラジカル発生源
と、前記保持台を回転させる回転機構とを備えたことを
特徴とする基板処理装置により、または請求項2に記載
したように、前記ラジカル発生源は、プラズマ発生装置
であることを特徴とする請求項1記載の基板処理装置に
より、または請求項3に記載したように、前記プラズマ
発生装置は、前記処理容器の側壁面に設けられたことを
特徴とする請求項2記載の基板処理装置により、または
請求項4に記載したように、前記プラズマ発生装置は、
前記処理ガス供給部を構成することを特徴とする請求項
3記載の基板処理装置により、または請求項5に記載し
たように、前記ラジカル発生源は、紫外光源であること
を特徴とする請求項1記載の基板処理装置により、また
は請求項6に記載したように、前記紫外光源は処理容器
上、前記処理ガス導入部と前記保持台上の被処理基板と
の間に設けられ、前記処理容器上に形成された光学窓を
介して前記処理容器中に紫外光を導入することを特徴と
する請求項5記載の基板処理装置により、または請求項
7に記載したように、前記紫外光源は、線状光源よりな
ることを特徴とする請求項5記載の基板処理装置によ
り、または請求項8に記載したように、前記紫外光源
は、複数の点状光源よりなることを特徴とする請求項5
記載の基板処理装置により、または請求項9に記載した
ように、前記処理容器中には、前記処理ガスの通路を画
成する内部リアクタが設けられ、前記被処理基板は前記
保持台上に載置された場合、前記内部リアクタの底面に
おいて露出されることを特徴とする請求項1記載の基板
処理装置により、または請求項10に記載したように前
記ラジカル発生源は、プラズマ発生装置および紫外光源
よりなることを特徴とする請求項1記載の基板処理装置
により、または請求項11に記載したように、前記プラ
ズマ発生装置は、前記処理容器の側壁面に設けられ、前
記紫外光源は処理容器上、前記処理ガス導入部と前記保
持台上の被処理基板との間に設けられ、前記紫外光源
は、前記処理容器上に形成された光学窓を介して前記処
理容器中に紫外光を導入することを特徴とする請求項1
0記載の基板処理装置により、または請求項12に記載
したように、被処理基板を保持した処理室内において、
前記被処理基板を回転させる工程と、前記処理室内にお
いて、前記被処理基板表面に沿って第1の側から第2の
側へと流れるラジカル流を形成する工程と、前記ラジカ
ル流により、前記被処理基板表面を処理する工程とを特
徴とする基板処理方法により、または請求項13に記載
したように、前記ラジカル流を形成する工程は、前記ラ
ジカル流中に、前記第1の側から前記第2の側へのラジ
カル濃度勾配が生じるように実行されることを特徴とす
る請求項12記載の基板処理方法により、または請求項
14に記載したように、前記ラジカル流を形成する工程
はラジカルを、供給されるラジカルが、前記被処理基板
の中央部を超えて第2の側に到達する前に実質的に消滅
するような条件で供給することを特徴とする請求項12
記載の基板処理方法により、または請求項15に記載し
たように、前記ラジカル流を形成する工程は、処理ガス
流をプラズマ活性化する工程を含むことを特徴とする請
求項12記載の基板処理方法により、または請求項16
に記載したように、前記ラジカル流を形成する工程は、
処理ガス流を紫外線活性化する工程を含むことを特徴と
する請求項12記載の基板処理方法により、または請求
項17に記載したように、前記処理ガス導入部は複数の
処理ガス導入開口部を有することを特徴とする請求項1
記載の基板処理装置により、または請求項18に記載し
たように、前記処理ガス導入部は複数の処理ガス導入開
口部を有し、前記複数の点状光源は、前記複数の処理ガ
ス導入開口部から導入されるそれぞれの処理ガス流の流
路上に設けられていることを特徴とする請求項8記載の
基板処理装置により、解決する。
縁膜を有する高速半導体装置10の構成を、図2は図1
の半導体装置製造の際に使われる本発明の原理を示す図
である。
基板11上に形成されており、Si基板11上には薄い
ベース酸化膜12を介して、Ta2O5,Al2O3,Zr
O2,HfO2,ZrSiO4,HfSiO4等の高誘電体
ゲート絶縁膜13が形成され、さらに前記高誘電体ゲー
ト絶縁膜13上にはゲート電極14が形成されている。
装置10では前記ベース酸化膜12の厚さは可能な限り
薄いのが好ましく、典型的には前記ベース酸化膜12は
1nm以下、好ましくは0.8nm以下の厚さに形成さ
れる。一方、前記ベース酸化膜12は前記Si基板表面
を一様に、すなわち一様な膜厚で覆う必要がある。
ベース酸化膜12を形成するための基板処理装置20の
概略的構成を示す。
処理基板22を減圧環境下で保持する処理容器21を有
し、前記被処理基板22はヒータ21aを有する保持台
21A上に保持される。さらに前記処理容器21中には
前記保持台21A上の被処理基板22に対向するように
シャワーヘッド21Bが設けられ、前記シャワーヘッド
21BにはO2,O3,N2O,NOあるいはこれらの混
合物よりなる酸化ガスが供給される。
光に対して透明な材料より形成され、さらに前記処理容
器21には石英などの紫外光を透過させる窓21Cが前
記保持台21A上の被処理基板22を露出するように形
成される。また前記窓21Cの外側には前記窓21Cの
面に沿って移動可能な紫外光源23が形成される。
処理基板22として導入し、処理容器21の内部を排気
・減圧した後O2などの酸化ガスを導入し、前記紫外光
源23を駆動して前記酸化ガス中に活性なO*などのラ
ジカルを形成する。かかる紫外線活性化ラジカルは露出
されたSi基板22の表面を酸化し、その結果前記Si
基板22の表面に0.5〜0.8nm程度の非常に薄い
酸化膜が形成される。
21Cに沿って、所定のプログラムに従って移動させる
ことにより、前記酸化膜を一様な厚さに形成することが
できる。より具体的に説明すると、例えば装置固有の特
性により、被処理基板22の特定の領域において、形成
される酸化膜の膜厚が薄くなるような場合であっても、
本発明によればその装置についてあらかじめ実験的に見
出しておいた最適の基板領域あるいは最適の紫外線照度
に、前記紫外光源23の位置あるいは駆動エネルギを制
御することにより、かかる膜厚の不均一を補償すること
ができる。このため、かかる酸化膜上に高誘電体ゲート
絶縁膜を堆積して半導体装置を形成した場合にも、高誘
電体ゲート絶縁膜の膜厚が変動する問題を効果的に抑制
することができ、安定な特性を有する半導体装置を得る
ことができる。
活性化酸化処理で形成されているため、Zhang他(Zhan
g, J-Y, et al., Appl. Phys. Lett. 71 (20), 17 Nove
mber1997, pp.2964-2966)が報告しているように界面準
位等の欠陥が少なく、図1に示す高誘電体ゲート絶縁膜
の下のベース酸化膜12として好適である。 [第1実施例]図3は、本発明の第1実施例による基板
処理装置30の構成を示す。
は被処理基板32を保持する保持台31Aを有する処理
容器31を含み、前記処理容器31中には前記保持台3
1A上の被処理基板32に対向して石英等の紫外光を透
過させる材料よりなるシャワーヘッド31Bが設けられ
る。前記処理容器31は排気口31Cを介して排気さ
れ、一方前記シャワーヘッド31Bに外部のガス源から
O2などの酸化性ガスが供給される。
ヘッド31Bの上方に前記シャワーヘッド31Bおよび
その下の被処理基板32を露出するように、石英などの
紫外線を透過する材料よりなる光学窓31Dが形成され
ている。前記保持台31A中には前記被処理基板32を
加熱するヒータ31aが設けられている。
窓31Dに対応して設けられた結合部33を介して紫外
光露光装置34が設けられている。
1Dに対応した石英光学窓34Aと、前記石英光学窓3
4Aおよび光学窓31Dを介して紫外光を前記被処理基
板32上に照射する紫外光源34Bとを含み、前記紫外
光源34Bはロボット34Cにより図3中に矢印で示す
ように、前記光学窓34Aに平行な方向に移動が可能に
保持されている。図示の例では、前記紫外光源34B
は、前記移動方向に対して略直角に延在するように設け
られた線状の光源よりなる。かかる線状の光源として
は、例えば波長が172nmのエキシマランプを使うこ
とができる。
により形成された紫外線が前記光学窓31Dを介して前
記処理容器31中に導入されるに先立って空気中の酸素
により吸収されてしまうのを回避するため、前記結合部
33には外部のガス源(図示せず)よりN2などの不活
性ガスがライン33Aを介して供給され、前記不活性ガ
スは前記紫外光露光装置34の光学窓34Aの取り付け
部に形成された隙間を通って前記紫外光露光装置34中
の空間34Dに流入する。
外光源34Bの直下に大気中の酸素が巻き込まれ流入す
るのを抑制するため、紫外光源34Bの両側面に遮蔽板
34Fを設け、さらに前記遮蔽板34Fの下において、
前記紫外光源34Bに対向する光学窓34Aと遮蔽板3
4Fとの間に形成される高さがせいぜい1mm程度の狭
い領域に、ライン34bを介してN2などの不活性ガス
が供給される。この領域には、前記ライン33Aからの
不活性ガスも供給され、その結果、この領域において紫
外光を吸収する酸素が効果的に排除される。
性ガスは前記空間34Dに流れ出し、さらに前記紫外光
露光装置34中に形成された排気口34Eを通って外部
に排出される。
装置34において前記ロボット34Cにより前記紫外光
源34Bの移動・走査を制御することができ、その結
果、前記被処理基板32の表面に紫外線活性化酸化処理
により酸化膜を形成する際に、紫外線露光照射量を制御
することにより膜厚の分布を制御することが可能にな
る。前記ロボット34Cはコンピュータなどの制御装置
35により制御される。また、前記制御装置35は前記
紫外光源34Bの駆動をも制御する。
30を使い、様々な条件下でSiO 2膜をSi基板上に
形成した場合の、得られたSiO2膜のエリプソメトリ
により求めた膜厚分布をÅ単位で示す。ただし図4
(A)〜(C)において、被処理基板32としては8イ
ンチのSi基板が、表面自然酸化膜を後で説明する表面
前処理工程により除去した状態で使われている。また図
4(A)〜(C)の各々において、前記処理容器31中
の内圧は約0.7kPa(5Torr)に設定され、基
板温度は300°Cに設定されている。
を1slmの流量で5分間供給した場合のもので、図4
(A)は紫外光の照射を行わなかった場合を、また図4
(B),4(C)は前記紫外光源34Bにより、光源直
下で30mW/cm2の照度の紫外光を照射した場合を
示す。図4(B)は、前記紫外光源34Bを410mm
の範囲で、すなわち前記被処理基板32の全面が一様に
露光されるように一様に走査した場合を示す。
わなかった場合はSi基板表面に形成されるSiO2膜
の厚さは0.2〜0.3nm程度であり、実質的な膜形
成は生じていないのに対し、図4(B)の場合には前記
Si基板表面に約0.8nmのSiO2膜が形成されて
いるのがわかる。さらに図4(B)の場合には、前記紫
外光源34Bを400mmの範囲で一様に走査したにも
かかわらず、前記8インチSi基板32の中央部におい
て形成されたSiO2膜の膜厚が減少しているのがわか
る。その結果、前記Si基板上に形成されたSiO2膜
の膜厚変動は2.72%と比較的大きい値になっている
が、これは使用した基板処理装置30に固有の特性を反
映しているものと考えられる。
2の中央部付近で100nmの限られた範囲で前記紫外
光源34Bを走査した場合のSiO2膜の膜厚分布を示
す。
形成されたSiO2膜の膜厚は0.92〜0.93nm
の範囲に収まり、膜厚変動1.35%まで減少している
のがわかる。
て、前記処理容器31中に導入されるO2の流量を様々
に変化させた場合について、紫外線露光時間と形成され
るSiO2膜の厚さとの関係を求めた結果を示す。
2膜の膜厚はO2流量にはほとんど依存せず、1分間を経
過すると約1nmの値で飽和することがわかる。一方、
露光時間が1分間より短い場合には、膜厚は露光時間共
に増大する。図5は、図3の基板処理装置30を使った
Si基板表面へのベース酸化膜となる薄いSiO2膜の
形成工程はごく短時間で十分であることを示している。
中において前記処理容器内圧を約0.7kPa(5To
rr)、基板温度を450°Cに設定し、O2ガスを1
slmの流量で供給しながら前記紫外光源34Bを10
0mmの範囲で走査した場合に得られるSiO2膜の膜
厚分布をÅ単位で示す。簡単のため、Si基板は矩形形
状で示してある。
を基点に、±50mmの範囲で行った場合を示すが、図
6(A)の例では基板中心からy軸方向上上方に向かっ
て、またx軸方向上右方に向かって前記SiO2膜の膜
厚が増大する傾向が存在するのがわかる。この場合のS
iO2膜の膜厚変動は3.73%となっている。
点を基板中心からy軸方向上下方に向かって12.5m
mずらした場合のSiO2膜の膜厚分布を、同じくÅ単
位で示す。図6(B)よりわかるように、SiO2膜の
膜厚変動は3.07%まで減少している。
板中心からy軸方向下方に25.0mmずらした場合の
SiO2膜の膜厚分布をÅ単位で示す。図6(C)より
わかるように、SiO2膜の膜厚変動は図6(B)の場
合と同じで3.07%となっている。
点を基板中心からy軸方向下方に37.5mmずらした
場合のSiO2膜の膜厚分布をÅ単位で示す。図6
(D)よりわかるように、この場合SiO2膜の膜厚変
動は2.70%まで減少している。
基点を基板中心からy軸方向下方に50.0mmずらし
た場合には、前記SiO2膜の膜厚変動は5.08%ま
で増大している。
おいては、前記紫外線源34Bの走査の基点を基板に対
して最適化することでも、被処理基板32上に形成され
るSiO2膜の膜厚変動を最小化できることが結論され
る。
理装置30において前記紫外線源34Bの走査幅を10
0mmとし、走査の基点を被処理基板32の中心からy
軸方向下方に37.5mmずらした位置に設定し、照射
量をそれぞれ3mW/cm2、6mW/cm2、12mW
/cm2、18mW/cm2および24mW/cm2に設
定してSiO2膜を形成した場合の膜厚分布をÅ単位で
示している。
ばらつきは図7(A)の照射量を3mW/cm2に設定
した場合が最も小さく、照射量が増大するにつれて膜厚
のばらつきも増大しているのがわかる。
処理装置30において、紫外線源34Bの照射量を最適
化することによっても、得られるSiO2膜の膜厚のば
らつきを最小化できることを示している。
図8(A)は図7(A)〜(E)と同一条件下におい
て、紫外光照射を行わずにSiO2膜を形成した場合
を、また図8(B)は従来の急速熱酸化(RTO)処理
によりSiO2膜を形成した場合を示すが、このいずれ
の場合においても4%を超える膜厚変動が観測されるこ
とがわかる。
3の基板処理装置30における基板処理方法の最適条件
を探索するフローチャートである。このうち、図9は最
適走査領域の探索を行うフローチャートであり、図10
は最適照射量の探索を行うフローチャートである。
いて被処理基板上の任意の領域が指定され、次にステッ
プ2において前記基板処理装置30中に被処理基板32
を導入し、前記紫外光源34Bを前記被処理基板32上
の指定された領域において走査させ、SiO2膜を形成
する。さらに、前記ステップ1およびステップ2を繰り
返すことにより、各繰り返し毎に、新たな被処理基板3
2上に前記領域をずらした状態でSiO2膜を形成す
る。
たSiO2膜の膜厚分布を評価し、ステップ4において
膜厚変動が最小となる最適走査領域を見出す。
示す最適照射条件の探索が行われる。
において図9の手順により探索された最適走査領域が指
定され、次にステップ12において紫外光源34Bの駆
動エネルギが指定される。さらにステップ13において
前記基板処理装置30中に被処理基板32を導入し、前
記紫外光源34Bを前記被処理基板32上の指定された
最適領域において、ステップ12により指定された駆動
エネルギで走査させ、SiO2膜を形成する。さらに、
前記ステップ12およびステップ13を繰り返すことに
より、各繰り返し毎に、新たな被処理基板32上に前記
駆動エネルギをずらした状態でSiO2膜を形成する。
れたSiO2膜の膜厚分布を評価し、膜厚変動が最小と
なる紫外光源34Bの最適駆動エネルギを見出す。さら
にステップ15において、かかる最適駆動エネルギにお
いて膜形成がなされるように、前記基板処理装置30の
紫外光源34Bを制御するプログラムを決定する。
って前記制御装置35は前記ロボット34Cおよび紫外
光源34Bを動作させ、その結果前記紫外光源34Bは
最適な基板領域を最適な駆動エネルギで走査し、その結
果、前記前記被処理基板34上に0.3〜1.5nm、
好ましくは1nm以下、より好ましくは0.8nm以下
の厚さの、非常に薄い、しかも膜厚の一様なSiO2膜
が形成される。 [第2実施例]図11は、図3の基板処理装置30を組
み込んだ、本発明の第2実施例による基板処理システム
40の構成を示す。
ム40はクラスタ型処理装置であり、基板搬入/搬出の
ためのロードロック室41と、基板表面を窒素ラジカル
N*と水素ラジカルH*、およびNF3ガスにより処理
し、基板表面の自然酸化膜をN−O−Si−H系の揮発
性膜に変換し、除去する前処理室42と、図3の基板処
理装置30よりなるUV−O2処理室43と、基板上に
Ta2O5、Al2O3,ZrO2、HfO2,ZrSi
O4,HfSiO4等の高誘電体膜を堆積堆積するCVD
処理室44と、基板を冷却する冷却室45とを真空搬送
室46で連結した構成を有し、前記真空搬送室46中に
は搬送アーム(図示せず)が設けられている。
入された被処理基板は経路(1)に沿って前記前処理室
42に導入され、自然酸化膜が除去される。前記前処理
室42で自然酸化膜を除去された被処理基板42は経路
(2)に沿って前記UV−O 2処理室43に導入され、
図3の基板処理装置30により、前記紫外光源34Bに
より最適な領域を最適な駆動エネルギで走査させること
により、図1に示すSiO2ベース酸化膜12を厚さが
1nm以下の一様な膜厚の形成される。
て前記SiO2膜を形成された被処理基板は経路(3)
に沿ってCVD処理室44に導入され、前記SiO2膜
上に図1に示す高誘電体ゲート絶縁膜14が形成され
る。
44から経路(4)に沿って冷却室45に移され、前記
冷却室45で冷却された後、経路(5)に沿ってロード
ロック室41に戻され、外部に搬出される。 [第3実施例]図12は、本発明の第3実施例による基
板処理システム40Aの構成を示す。
0Aは前記基板処理システム40と類似した構成を有す
るが、前記CVD処理室44の変わりにプラズマ窒化処
理室44Aが設けられている。
UV−O2処理室43においてSiO2膜を形成された被
処理基板が経路(3)に沿って供給され、表面にプラズ
マ窒化処理により、SiON膜が形成される。
とプラズマ窒化処理室44Aとの間で繰り返すことによ
り、図13に示す、SiONゲート絶縁膜13Aを有す
る半導体装置10Aを形成することができる。ただし図
13中、先に説明した部分には同一の参照符号を付し、
説明を省略する。
ート絶縁膜13Aは1.5〜2.5nmの厚さに形成さ
れるが、その際図12の基板処理装置40Aを使うこと
により、前記SiONゲート絶縁膜13Aの底部近傍に
おいてOリッチに、また上部近傍においてNリッチにな
るように組成勾配を形成することも可能である。 [変形例]なお、図3の基板処理装置30において、前
記線状紫外光源34Bの移動は図3に示した矢印方向の
往復運動に限定されるものではなく、図14に示すよう
に前記被処理基板32に対して回転させ、これに往復運
動を組み合わせるようにしてもよい。また、かかる光源
34Bの被処理基板32に対する回転は、光源34B自
体を回転させても、また被処理基板32を回転させても
よい。
前記線状紫外光源34Bの代わりに図15Aに示すよう
に点状の紫外光源34B’を使い、これを所定方向に往
復運動させてもよい。さらに、図15Bに示すようにか
かる点状紫外光源34B’を前記被処理基板32上にお
いて縦横方向に走査させてもよい。
変形例による基板処理装置301を示す。ただし図16
中、先に説明した部分には同一の参照符号を付し、説明
を省略する。
01では前記石英シャワーヘッド31Bが除去され、そ
の代わりに前記処理容器31中にO2を導入する複数の
ガス導入部31B’が、前記基板32上の領域を避ける
ように形成されている。さらに図14の構成では、図3
の構成において前記紫外光露光装置34に前記結合部3
3に対応して形成されていた石英窓34Aが撤去されて
いる。
により形成された紫外線の石英窓34Aあるいはシャワ
ーヘッド31Bによる吸収が最小になる。
要に応じて前記排気口34Eに排気ダクトを接続し、紫
外光露光装置34からの排気を無害化した後環境中に排
出するようにしてもよい。 [第4実施例]本発明の発明者は、先に図3で説明した
基板処理装置30を使って、Si基板32の(100)
面上にSiO2膜を紫外光源34Bの駆動パワーを様々
に変化させながら形成し、得られたSiO2膜につい
て、膜厚をXPS(X-ray photoelectron spectroscop
y)法により測定する実験を行った。膜厚測定をXPS
により行うことにより、空気中で膜厚測定を行うエリプ
ソメトリを使った場合にくらべて、大気中からの吸着成
分(H2Oや有機物)によるSiO2膜の膜厚変化の効果
を排除することができ、より正確な膜厚の測定が可能に
なる。
2膜の膜厚と紫外光パワーとの関係を示す。ただし図1
7の実験は紫外光のパワーを光源直下における50mW
/cm2の照度を基準に、前記基準照度の10〜45%
の間で照度を変化させた場合についてのもので、酸化時
間は5分間としている。また図17の実験では、光源3
4Bの位置を先に図9で説明した手順により最適化して
ある。
SiO2膜の膜厚は、照射紫外光の照度が基準照度の約
15〜25%の範囲では照度と共におおよそ直線的に、
0.66nmから0.72nmまで略直線的に増加し、
また基準照度の約35%から40%の範囲でもおおよそ
直線的に0.73nmから0.78nmまで増加するの
がわかる。さらに図17は、前記照射紫外光の照度が前
記基準照度の約25〜35%の範囲では、SiO2膜の
膜厚が0.72nmから0.73nmまで、わずか0.
01nmしか変化しないことがわかる。
使ったSi基板上における前記紫外線活性化酸化処理工
程により形成されたSiO2膜の膜厚分布を示す。
O2膜の膜厚変動は、このように照射紫外光の照度を減
少させ、SiO2膜を膜厚が1.0nm以下になるよう
に形成した場合、図18(C)の照度を基準照度の25
%に設定した場合を除き、2%以下に抑制できることが
わかる。特に図18(D),(E)に示すように紫外光
照度を基準照度の30%あるいは35%に設定した場
合、すなわち紫外光照度を図17におけるSiO2膜の
膜厚増加が小さい照度領域に設定した場合、SiO2膜
の膜厚変動は1.21〜1.31%まで抑制できること
がわかる。
以下に減少させた場合に見られる膜厚分布の均一性の著
しい向上、および特に図17に見られる照射紫外光照度
に対するSiO2膜厚の階段状の変化は、紫外線活性化
酸化処理工程における自己制御(セルフリミティング)
効果の存在を示唆している。すなわち図17に見られる
SiO2膜厚の階段状の変化は紫外光照射パワーについ
て観測されたものであるが、同様の階段状の変化は処理
温度や処理時間についても観測されるものと考えられ
る。
推測されるメカニズムの一つを示す。
には酸化処理の際、酸素が侵入することにより3次元S
i−O−Siネットワーク構造を有するSiO2膜が形
成される。Si基板の酸化の進行はSi原子の結合の弱
い部分からはじまる。しかるに基板結晶の1つの原子層
がすべて酸化された図19のような状態ではそのような
結合の弱い部分が少なくなると考えられる。そこであら
たな酸化を起こすためには増えた膜厚分を酸素原子が侵
入する必要とあいまってさらに多量の活性化された酸素
が必要になると考えられ、その結果、かかる紫外線活性
化酸化処理工程において紫外線強度に伴う活性酸素濃度
の増加によっても酸化膜成長の促進が鈍化してしまう領
域が生じるものと考えられる。かかる酸化膜成長の原子
層酸化に伴うセルフリミッティング効果により、図17
に示す階段状の酸化膜成長が生じるものと考えられる。
〜6層まで維持されるものと考えられる。
装置30において紫外光線活性化酸化処理は、SiO2
膜が5〜6分子層以下、より好ましくは3分子層以下の
厚さを有するように実行するのが好ましい。 [第5実施例]次に、先の実施例の基板処理装置30’
をさらに発展させ、来たるべき大口径被処理基板に対応
させた本発明の第5の実施例による基板処理装置50に
ついて、図20(A),(B)および図21(A),
(B)を参照しながら説明する。
0(B)は先に図16で説明した基板処理装置装置3
0’の平面図を、また図20(A)は前記被処理基板3
2が300mmの直径を有する場合の前記基板32上に
おける紫外線照射強度分布を示す。ただし図20(A)
の照射強度分布は、前記300mm直径の被処理基板3
2を長さが330mmの線状紫外線源34Bにより、高
さ100mmの位置から照射した場合における、前記紫
外線源直下での照射紫外光強度分布を示す。図20
(A),(B)中、先に説明した部分には対応する参照
符号を付し、説明を省略する。
理装置30’を、そのまま300mm径を超える大口径
基板の処理に使った場合には、被処理基板32の端部で
照射光強度が30%ほども減衰するのがわかる。このよ
うな大口径被処理基板の処理に際して紫外光強度分布の
均一性を向上させるためには、前記線状紫外線源34B
の長さをさらに延長することももちろん考えられるが、
かかるアプローチは基板処理装置の大型化を招くため、
好ましくない。
の課題を解決した、本発明の第5実施例による基板処理
装置50の構成を示す。ただし図21(A),(B)
中、先に説明した部分に対応する部分には同一の参照符
号を付し、説明を省略する。図20(A),(B)と同
様に、図21(B)が基板処理装置50の平面図を、図
21(A)が被処理基板32上における紫外光強度分布
を示す。
前記線状紫外光源34Bを、単一の直線上に一直線状に
配列した複数の線状紫外光源34B1,34B2および3
4B 3より構成し、各々の紫外光源を対応する駆動装置
351,352および353により駆動する。
34B2および34B3の光出力比を1:1.55:1に
制御した場合の、被処理基板32上、紫外光源直下の領
域における光の強度分布を示す。
度の変動は図20(A)に示す約30%に達する変動に
対し、約3.5%の変動幅まで改善されている。すなわ
ち先の図3で説明した本発明の第1実施例の基板処理装
置30、あるいは図16で説明した基板処理装置30’
において線状紫外光源34Bを複数の線状紫外光源要素
により構成し、各々の紫外光源要素を個別に駆動すると
共に前記複数の紫外光源要素を全体として移動させ、被
処理基板32の表面を走査することにより、非常に均一
な厚さの酸化膜を被処理基板32上に形成することがで
きる。
と同様な、最適な膜厚分布に対応した駆動条件を探索す
る最適値探索手順を前記紫外光源要素の出力比に対して
適用し、最適の出力比を求めることにより、基板処理装
置に固有の不均一要因を補正し膜厚のさらなる均一化を
図ることが可能になる。すなわち本実施例では図9のス
テップ1において走査領域の指定の代わりに紫外光源3
4B1〜34B3の駆動パワー比を変化させ、ステップ3
で成膜結果を評価し、ステップ4で最適な走査領域の代
わりに最適な駆動パワー比を選択する。 [第6実施例]次に本発明の第6実施例による基板処理
装置60の構成を、図22を参照しながら説明する。基
板処理装置60は来るべき半導体装置のさらなる微細化
に対応させたものであり、被処理基板の回転機構と単数
または複数の線状紫外線源とを組み合わせる。
の構成を示す。図中、先に説明した部分には同一の参照
符号を付し、説明を省略する。
0は先の第1実施例で説明した基板処理装置30処理容
器31と同様の処理容器61中において直径が300m
mの被処理基板62Wを保持する保持台62を有し、前
記保持台62は回転駆動部63により回転駆動される。
また前記処理容器61の上部には単一の、長さが例えば
330mmの線状の紫外光源64Aを含む光源ユニット
64が設けられ、前記紫外光源64Aは紫外線透過窓6
5を介して前記保持台62上の被処理基板を照射する。
前記処理容器61は真空ポンプ61Pにより排気され、
さらに前記処理容器61中には前記被処理基板に対向す
るようにライン61aを介してO2を供給される石英シ
ャワーノズル61Aが設けられている。また前記光源ユ
ニット64には冷却水通路が設けられ、ライン64Wを
通って循環する冷却水により水冷される。前記保持台6
2中にはヒータ等の熱源62Hが設けられ、被処理基板
62Wの温度を制御する。
された回転軸62Aには樹脂製Oリングあるいはより理
想的には磁気流体シール材よりなる真空シール62Bが
設けられ、前記処理容器61内部がシールされている。
また前記紫外光源64Aは、図22に示すように被処理
基板の中心からずらして設けられている。前記回転保持
台62中の熱源62Hを駆動する駆動ライン62hは、
前記処理容器61の外部に、コンタクト62Cを介して
引き出される。
て、前記被処理基板62Wを回転させた場合における被
処理基板62W上における紫外線強度の径方向分布を、
前記紫外光源64Aと被処理基板62Wとの相対配置を
様々に変化させながら求めた結果を示す。ただし図23
中、横軸には被処理基板62Wの半径方向の距離を、ま
た縦軸には各点における平均紫外線照射強度を示す。ま
た図23では前記被処理基板62Wと光源64Aとの間
の高さ方向距離(ワークディスタンス)は100mmと
している。
処理基板62Wの中央付近(例えば0mm)に位置させ
ると、対応するずれ量のプロットを見れば明らかなよう
に中心(横軸の0mm)位置において照射強度は最大と
なり、被処理基板周辺部に向って紫外照射強度が減少し
ているのがわかる。一方、前記紫外光源64Aを被処理
基板62Wの中心から半径方向に大きく、例えばだけ1
50mmずらしたところ、前記被処理基板62W上にお
ける照射強度分布は基板中心部において小さく、基板端
部に向って増加する傾向を示す。特に前記紫外光源64
Aを前記被処理基板62Wの中心から半径方向110m
mの位置に置いた場合、照射紫外光強度の変化は最も小
さく、概ね10%以内に収まるのがわかる。
おいては紫外光源64Aを図22中に示すように被処理
基板62Wの半径方向に、前記被処理基板62Wの中心
から110mmだけずらし、さらに前記紫外光源64A
の高さを100mmの高さに配置し、被処理基板62W
と紫外線源64Aとを相対的に回転させながら紫外線活
性化酸化処理工程を行うことにより、非常に均一な厚さ
の酸化膜がシリコン基板上に形成されることがわかる。
4Aを図22に矢印で示したように限られた範囲、例え
ば前記被処理基板64Aの中心から75mmから125
mmの範囲で変位させることにより、前記被処理基板6
4A上に形成される酸化膜の膜厚分布を変化させること
も可能である。また先に図9で説明した最適な膜厚分布
を探索するフローチャートを適用して前記紫外光源64
Aについて最適のずれ量を求めることにより、基板処理
装置60に固有の膜厚を不均一化する要因を補正し、膜
厚の均一化を図ることができる。さらに本実施例の基板
処理装置60では先の第1実施例における基板処理装置
30あるいは30’に比べて紫外光源64Aの移動範囲
が限定されており、このためその装置全体の大きさを小
さくすることができる。 [第7実施例]図24は本発明の第7実施例による基板
処理装置70の構成を示す。ただし図24中、先に説明
した部分に対応する部分には同一の参照符号を付し、説
明を省略する。
施例における基板処理装置60と同様な構成を有する
が、単一の紫外光源64Aを可動に設けた光源ユニット
64の代わりに、複数の固定紫外光源74A1,74A2
を前記被処理基板62Wの中心から外して設け、前記固
定紫外光源74A1および74A2をそれぞれの対応する
駆動装置74a1および74a2により駆動する。図示の
例では前記紫外光源74A1は被処理基板62Wの中心
から25mmだけ半径方向上外側に変位した位置に、ま
た紫外光源74A2は被処理基板62Wの中心から半径
方向上175mm外側に変位した位置に設けられてい
る。さらに前記光源ユニット74には前記紫外光源74
A1および74A2に対応して紫外光透過窓74Bが設け
られている。
ける、前記紫外光源74A1のみによる被処理基板62
W上での紫外光強度分布および前記紫外光源74A2の
みによる被処理基板62W上での紫外光強度分布、さら
に前記紫外光源74A1および74A2の両方を駆動した
場合の紫外光強度分布を示す。ただし図25の実験にお
いて、前記紫外光源74A1は被処理基板62Wの中心
から半径方向上外側に25mmだけ離間して設けられて
おり、前記紫外光源74A2は前記被処理基板62Wの
中心から半径方向上外側に175mm離間して設けられ
ている。さらに図25においては前記紫外光源74A1
は対応する駆動装置74a1により73%の出力で駆動
され、一方前記紫外光源74A2は対応する駆動装置7
4a2により27%の出力で駆動されている。
4A1および74A2は単独では単調に変化する紫外光強
度分布を被処理基板62W上に形成するが、その変化方
向が逆になっているためそれぞれの駆動パワーを最適化
することにより、被処理基板62W上に非常に一様な紫
外光強度分布を実現することが可能になる。図25の例
では、前記紫外光の照射強度変化が2%台に抑制されて
いる。かかる最適な駆動パワーは先に説明した図9の最
適値探索手順により、ステップ1において前記駆動装置
74a1,74a2の駆動出力を変化させ、ステップ3に
おいて成膜結果を評価し、ステップ4において最適値を
決定することにより求めることができる。 [第8実施例]図26は本発明の第8実施例による基板
処理装置80の構成を示す。ただし図26中、先に説明
した部分に対応する部分には同一の参照符号を付し、説
明を省略する。
装置80は先の実施例による基板処理装置70と類似し
た構成を有するが、基板処理装置70における光源ユニ
ット74の代わりに、膨らんだ形状のアルミニウムドー
ムよりなる光源ユニット84が設けられており、前記光
源ユニット84上には前記紫外光源74A1および74
A2が異なった高さで、すなわち被処理基板62Wの表
面から測って異なった距離に取り付けられている。
ち、被処理基板62Wと紫外光源74A1,74A2との
関係を示す。
1は被処理基板62Wの中心Oから半径方向に距離r1だ
け離れた位置において、第1のワークディスタンスWD
1で設けられており、一方前記紫外光源74A2は被処理
基板62Wの中心Oから半径方向により大きな距離r2
だけ離れた位置において、より小さな第2のワークディ
スタンスWD2で設けられている。先の基板処理装置7
0と同様に、前記紫外光源74A1は駆動装置74a1に
より、また紫外光源74A2は駆動装置74a2により、
独立に駆動される。
て距離r1,r2をそれぞれ50mmおよび165mmに
設定し、ワークディスタンスWD1およびWD2をそれぞ
れ100mmおよび60mmに設定した場合の前記被処
理基板62W上における紫外光源74A1による紫外光
強度分布および紫外光源74A2による紫外光強度分
布、さらに前記紫外光源74A1および74A2による合
成紫外光強度分布を示す。ただし図28では前記紫外光
源74A1は64%の出力で、また紫外光源74A2は3
6%の出力で駆動されている。
1および74A2による紫外光強度分布はいずれも単調か
つ逆方向に変化し、前記紫外光源74A1による紫外光
強度分布と紫外光源74A2による紫外光強度分布とを
重ねることにより、紫外光照射強度変化を2%以下に抑
制することが可能である。
図9と同様な最適地探索手順により、紫外光源74A1
および74A2の最適駆動パワーを求めることができ
る。 [第9実施例]次に、本発明の第9実施例によるリモー
トプラズマ源を使った基板処理装置について説明する。
板処理装置90の構成を示す。ただし図示の例では、基
板処理装置90はSi基板上に形成されたSiO2膜の
表面に窒化反応により窒化膜を形成する窒化処理に使わ
れている。
90は、排気ポート91Aにおいて排気される処理容器
91中に被処理基板Wを保持する石英保持台92を有
し、さらに前記処理容器91上には、前記被処理基板W
に対向してN2ガスを供給され、これをプラズマにより
活性化して活性なN2ラジカルを形成するリモートプラ
ズマ源93が形成されている。また前記石英保持台92
の下には、前記被処理基板Wに対応してヒータ94が形
成されている。また図29(A)中には、前記リモート
プラズマ源93で形成されたN2ラジカルの濃度分布が
示されている。当然ながら、N2ラジカルの濃度は前記
リモートプラズマ源93の直下、すなわち前記リモート
プラズマ源93を被処理基板Wの中心位置に形成してい
た場合には、前記被処理基板Wの中心において最大とな
る。
構成を詳細に示す。
マ源93は、一端において前記基板処理容器91に装着
され、他端にN2あるいはAr等のプラズマガスを導入
する入り口93aを形成され、石英ライニング93bを
有する本体93Aと、前記本体93A上の前記他端に形
成されマイクロ波を給電されるアンテナ93Bと、前記
本体93Aの前記一端に形成され、前記リモートプラズ
マ源93で形成された活性ラジカルを多数の開口部を介
して前記処理容器91に供給する石英拡散板93Cとよ
りなり、前記本体93Aの外側には前記一端と他端の中
間にマグネット93Dが配設される。かかるリモートプ
ラズマ源93では、前記導入口93aを介して前記本体
93A中にN2ガスやArガスを導入し、さらに前記ア
ンテナ93Bにマイクロ波を給電することにより、前記
本体93A中に前記マグネット93Dの位置に対応して
プラズマが形成され、プラズマによりN2ガスが活性化
されることにより形成された窒素ラジカルN*が前記拡
散板93Cを介して前記処理容器91中に導入される。
0により前記SiO2膜を形成されたSi被処理基板W
上にSiON膜を様々な条件で形成した場合の、基板表
面におけるNの濃度分布を示す。ただし図29(B)
中、Nの濃度分布は被処理基板Wの中心を原点として、
半径方向に測定したプロファイルを示す。
上にはNの非一様な濃度分布が生じており、前記被処理
基板Wの中心において濃度が最大となることがわかる。
さらに前記Nの濃度分布は被処理基板Wの中心に対して
略対称的であり、このような対称的な濃度分布が生じて
いる場合には、基板を回転させても前記非一様な濃度分
布を一様にすることはできない。
明の第9実施例による基板処理装置100の構成を示
す。ただし図31(A)は断面図を、また図31(B)
は平面図を示す。図31(A),31(B)中、先に説
明した部分には同一の参照符号を付し、説明を省略す
る。
本実施例では複数のリモートプラズマ源931および9
32が被処理基板Wの中心を外して、それぞれの位置
(x1,0),(x2,0)に形成されており、その結果
前記被処理基板W上にはこれらのリモートプラズマ源の
各々に起因するラジカル濃度分布を重畳したラジカル濃
度分布が基板Wの半径方向に形成される。そこで図31
(A),31(B)に示すように被処理基板Wを回転さ
せることにより、基板W上におけるラジカルの濃度分布
が平均化される。
表面にSiO2膜を形成したSi基板を使い、被処理基
板Wを固定した場合、すなわち回転させない場合におけ
る、窒化処理後の基板表面のN濃度分布を示す。一方図
32(B)は、前記Si基板Wの窒化処理の際に基板W
を中心の周りで回転させた場合の基板表面におけるN濃
度分布を示す。ただし図32(A),(B)中、■,◆
および△で示した点は、それぞれリモートプラズマ源9
31のみを使った場合、リモートプラズマ源932のみを
使った場合、およびリモートプラズマ源931および9
32の双方を使った条件でSiON膜を形成した場合に
対応する。
回転させない場合には基板の半径方向にゆるやかに変化
するN濃度分布が得られるのに対し、前記基板Wを回転
させた場合には、図32(B)に示すように非常に一様
なN濃度分布が得られるのがわかる。
0では、前記被処理基板を回転させた場合に図32
(B)に示す一様なN濃度分布が得られるように、前記
リモートプラズマ源931,932を前記処理容器91上
に、図31(A),(B)中において矢印で示したよう
に、変位可能に装着されており、前記リモートプラズマ
源931,932は図32(B)のような一様なN濃度分
布が得られる最適な位置において前記処理容器91上に
固定されている。
示すフローチャートである。
において被処理基板上の任意の位置がリモートプラズマ
源931,932に対して指定され、前記リモートプラズ
マ源931,932が前記指定位置において前記処理容器
91上に固定される。次にステップ22において前記基
板処理装置100中に被処理基板Wを導入し、前記被処
理基板Wを回転させながら前記リモートプラズマ源93
1,932を駆動することにより、SiON膜を形成す
る。さらに、前記ステップ21およびステップ22を繰
り返すことにより、各繰り返し毎に、新たな被処理基板
W上に前記リモートプラズマ源931,932の位置をず
らした状態でSiON膜を形成する。
れたSiON膜のN濃度分布を評価し、ステップ24に
おいて濃度分布の変動が最小となる最適位置を前記リモ
ートプラズマ源931,932について見出す。
マ源931,932を前記処理容器91上に変位可能に装
着する機構を示す。ただし図34中、先に説明した部分
には同一の参照符号を付し、説明を省略する。
前記処理容器91の外壁と係合する装着フランジ93c
が形成されており、前記本体93Aは前記処理容器91
に、前記装着フランジ93cをネジ孔93Eにおいてネ
ジ93Fによりねじ止めすることにより固定される。そ
の際、図34の構成では前記ネジ孔93Eを前記ネジ9
3Fよりも大きく形成することにより、前記ネジ93F
をゆるめた状態で前記本体93Aを矢印の方向に移動さ
せることが可能である。
よびネジ孔93Eを省略し、前記フランジ93cを前記
処理容器91の外壁に対して摺動可能に形成することも
できる。
ラズマ源931,932の位置についての最適化に続き、
図35に示すように駆動パワーの最適化がなされる。
において図33の手順により探索された最適位置が前記
リモートプラズマ源931,932に対して指定され、次
にステップ32において前記リモートプラズマ源9
31,932の駆動エネルギが指定される。さらにステッ
プ33において前記基板処理装置100中に被処理基板
Wを導入し、前記リモートプラズマ源931,932を前
記被処理基板W上の指定されたそれぞれの最適位置にお
いて、ステップ32により指定された駆動エネルギで駆
動し、SiON膜を形成する。さらに、前記ステップ3
2およびステップ33を繰り返すことにより、各繰り返
し毎に、新たな被処理基板W上に前記駆動エネルギをず
らした状態でSiON膜を形成する。
れたSiON膜中の窒素濃度分布を評価し、濃度変動が
最小となる最適駆動エネルギを、前記リモートプラズマ
源931および932について見出す。さらにステップ3
5において、かかる最適駆動エネルギにおいて膜形成が
なされるように、前記基板処理装置100のリモートプ
ラズマ源931,932を制御するプログラムを決定す
る。
31,932の駆動回路95の構成を示す。
クロ波電源95Aにより駆動されるマイクロ波発生器9
5Bを含み、前記マイクロ波発生器95Bで形成された
典型的には周波数が2.45GHzのマイクロ波が導波
管95Cを通ってインピーダンス整合器95Dに供給さ
れ、さらに前記アンテナ93Bに供給される。前記駆動
回路95はさらに前記インピーダンス整合器95Dのイ
ンピーダンスを前記アンテナ93Bのインピーダンスに
整合させる同調回路95Eを備えている。
ステップ32において、前記マイクロ波発生器95Bを
制御することにより、前記リモートプラズマ源931,
932の駆動エネルギを最適化することが可能である。
形例による基板処理装置100Aの構成を示す。ただし
図37(B)は図37(A)の一部を拡大した拡大断面
図である。
施例では前記基板処理容器91上にはフランジ部96A
および96Bを有するベローズ96が前記フランジ部9
6Aにより装着され、さらに前記ベローズ96上には前
記リモートプラズマ源931あるいは932の本体93A
が、前記装着フランジ93cをフランジ96Bに係合さ
せることにより装着されている。
前記リモートプラズマ源の前記被処理基板Wに対する角
度を、前記ベローズ96を変形することにより変化させ
ることが可能で、従って先に説明した図33の工程にお
いて、前記最適位置の決定の変わりに、最適角度を前記
リモートプラズマ源931,932に対して決定すること
も可能である。
る基板処理装置100Bを示す。ただし図38中、先に
説明した部分には同一の参照符号を付し、説明を省略す
る。
Bでは前記リモートプラズマ源93 1,932に加えて第
3のリモートプラズマ源933が、同様に矢印で示すよ
うに変位可能に設けられている。本発明はこのように3
つ以上のリモートプラズマ源を有する基板処理装置に対
しても有効である。また、本発明は単一のリモートプラ
ズマ源のみを有する基板処理装置に対しても有効であ
る。
たSi基板の窒化反応によるSiON膜の形成のみなら
ず、酸化反応によるSiO2膜の形成やSiN膜の形
成、さらにプラズマCVD法によるTa2O5膜、ZrO
2膜、HfO2膜、ZrSiO4、HfSiO4膜等の高誘
電体膜の形成にも有効である。 [第10実施例]図39は、本発明の第10実施例によ
る基板処理装置の110構成を示す。ただし図39中、
先に説明した部分に対応する部分には同一の参照符号を
付し、説明を省略する。
トプラズマラジカル源93は処理容器91の側壁面上に
設けられており、前記リモートプラズマラジカル源93
より導入されたラジカルは、処理容器91中の前記被処
理基板Wの表面に沿って流れ、処理容器91の、前記リ
モートプラズマラジカル源93に対向する端部に設けら
れた排気ポート91Aより排出される。このように、本
実施例による基板処理装置110においては前記被処理
基板Wの表面に沿って流れるラジカル流が形成される。
理基板Wは回動自在に保持されており、被処理基板Wの
下部には温度分布測定のために複数の熱電極対TCが、
互いに異なった半径位置に設けられている。本実施例で
は、前記被処理基板Wは、図示しない回転機構により、
回動させられる。
おいて、処理容器91内におけるラジカル分布の表現形
式を示す。
から放出されるラジカルは、前記処理容器91内に流れ
が生じていない場合には、通常のガウス分布に近い濃度
分布を有すると考えられるが、本実施例においては先に
も説明したように処理容器91中に、前記被処理基板W
上を前記プラズマラジカル源93から排気ポート91A
に流れるラジカル流が形成される。そこで、かかる流れ
がラジカル分布に及ぼす効果を考慮するために、本発明
では図40に示すように通常のガウス分布を、流れ方向
に平行な座標軸x、およびこれに直角な座標軸yを使っ
た座標系により拡張し、表記
いて、σ1,σ2は、実際の濃度パラメータを式1にフィ
ットさせた場合の特性パラメータ、ないし濃度分布パラ
メータであり、それぞれx軸およびy軸方向へのラジカ
ル濃度分布の広がりを表している。濃度分布パラメータ
σ1,σ2を使うことにより、図40に示すような、被処
理基板Wに垂直な方向から見た場合に楕円形の等高線
が、ラジカル濃度分布について得られる。式1中、Ba
se_Intはラジカル濃度のベースの濃度であり、ラ
ジカル濃度の最大値は、前記Base_Intとガウス
分布により表現される濃度の和によって与えられる。こ
のようにして示したラジカル濃度分布が、前記基板処理
装置110を使った窒素ラジカル処理後の濃度分布に一
致する。
理装置110において、前記プラズマラジカル源93に
供給されるArプラズマガスの流量を、それぞれ2SL
M(=0.27Pa・m3/sec)および3.2SL
M(=0.43Pa・m3/sec)に設定した場合の
窒素ラジカルの濃度分布について求められた濃度分布パ
ラメータσ1,σ2の値を示す。ただし図41(A),
(B)中、被処理基板W表面にはSiO2膜が形成され
ており、窒素ラジカル処理により前記SiO2膜の一部
に窒素が導入され、酸窒化膜に変換されている。図41
(A),(B)は、このように前記被処理基板Wの表面
に形成されたSiO2膜あるいは酸窒化膜の膜厚をエリ
プソメトリにより求めた見かけの膜厚分布を表す。エリ
プソメトリを使った場合、窒素が導入された部分では屈
折率変化が生じ、その結果、見かけ上、より大きな膜厚
が観測される。
が2SLMに設定されている場合には、窒素ラジカルは
前記被処理基板Wの中央部近傍まで到達しており、この
状態で実現されている窒素ラジカル分布では、パラメー
タσ1が200mm近い値を有するのに対し、パラメー
タσ2は80mm程度の値を有するのがわかる。一方、
前記被処理基板Wの中央部を超えて基板Wの反対側領域
まで達するラジカルは実質的に存在せず、前記反対側領
域においてはラジカルはすでに再結合等により消滅して
いることがわかる。
rガス流量を3.2SLMに設定した場合には、流速が
大きいため、窒素ラジカルは再結合する前に被処理基板
W表面を横切って流れ、その結果パラメータσ1が図4
1(A)の場合よりもはるかに大きく、またパラメータ
σ2は、前記図41(A)と同じく80μm程度のラジ
カル濃度分布が出現する。
41(A),41(B)において前記被処理基板Wを回
転させた場合の、前記被処理基板W表面における窒素ラ
ジカルの濃度分布を、エリプソメトリにより求めた膜厚
分布として示す。
1(A)の窒素ラジカル濃度分布は図42(A)に示す
ように前記被処理基板Wを回転することにより平均化さ
れ、窒素ラジカル濃度の均一性は、変動率が2.4%ま
で改善されているのがわかる。これに対し、図41
(B)のラジカル濃度分布は被処理基板Wの中央部に実
質的なラジカルの濃度分布が生じているため、前記被処
理基板Wを回転させた場合、基板中央部に高いラジカル
のピークが現れてしまうことで、変動率が5.9%まで
増大してしまう。
程度となる場合、前記被処理基板W表面上に平均的にラ
ジカルが分布するため、パラメータσ1が大きく、ラジ
カルが前記反対側領域に達しても、前記被処理基板Wを
回転することでラジカル濃度分布を平均化することがで
き、変動率を3%以下に収めることが可能になる。
93に供給されるArガスの流量と、前記濃度分布パラ
メータσ1,σ2の関係を示す。ただし、図43(A)に
おいてN2ガスの流量は50SCCMに設定され、基板
処理は1Torr(133Pa)の圧力下で120秒間
行っている。
分布パラメータσ2はAr流量を変化させてもほとんど
変化しないのに対し、前記濃度分布パラメータσ1は大
きく変化するのがわかる。
おけるように、被処理基板Wを回転させた場合の濃度分
布パラメータσ1と窒素ラジカル濃度の均一性との関係
を示す。ただし図42(A),(B)の場合と同様に、
窒素ラジカル濃度の均一性は濃度変動率で表されてお
り、0%の場合に理想的な濃度均一性が実現される。ま
た図43(B)中には、濃度分布パラメータσ1とσ2と
の関係も、2点だけであるが、プロットされている。図
43(B)においてもN2ガスの流量は50SCCMに
設定され、基板処理は1Torr(133Pa)の圧力
下において120秒間継続されている。
率は濃度分布パラメータσ1が図示の例では80mm未
満の場合に非常に大きな値をとり、また濃度分布パラメ
ータσ1が150mm以上の場合には約40%の値をと
るのに対し、前記濃度分布パラメータσ1が約80mm
の場合に前記濃度変動率は2〜3%となる最小点が存在
することがわかる。図43(A)の関係より、前記濃度
変動率を最小化する濃度分布パラメータσ1に対応した
Arガス流量は約1.8SLMであることがわかる。
被処理基板W上における窒素ラジカルの濃度変動率が最
小となる条件下において、前記被処理基板W表面の酸化
膜を窒化した場合に形成される酸窒化膜の膜厚分布を求
めた結果を示す。ただし図44(A)はエリプソメトリ
により求めた膜厚分布を、また図44(B)は、得られ
た酸窒化膜の膜厚分布プロファイルおよび窒素濃度分布
を示す。ただし図44(B)中、窒素濃度分布はXPS
分析により求めた。
厚分布は図42(A)の分布に対応しており、図44
(B)の膜厚分布プロファイルおよび窒素濃度分布プロ
ファイルより、前記被処理基板上には一様な組成の酸窒
化膜が形成されているのがわかる。
は、処理容器中に、被処理基板の表面に沿って流れる窒
素ラジカル流を形成し、かかる窒素ラジカル流の流速を
最適化することにより、処理容器中において回転保持さ
れている被処理基板表面に、一様な酸窒化膜を形成する
ことが可能になる。
は、前記プラズマラジカル源93に酸素を供給すること
により、酸素プラズマ処理を行うことも可能である。 [第11実施例]図45(A),(B)は、本発明の第
11実施例による基板処理装置120の構成を示す、そ
れぞれ平面図および断面図である。ただし図中、先に説
明した部分には同一の参照符号を付し、説明を省略す
る。
容器61はその一端においてポンプ61Pに接続された
排気ポート61pを介して排気されており、他端におい
て、ライン61aより酸素ガスが、ノズル61Aを介し
て供給される。また前記処理容器61上には、前記被処
理基板62Wから前記ノズル61Aを設けた端部に寄っ
た側に光学窓74Bが形成されており、前記光学窓74
Bに対応して線状の紫外光源74Aが設けられている。
0では、前記処理容器61内に処理ガスの通路として内
部リアクタ610が設けられ、前記ノズル61Aより導
入された酸素ガスは、前記内部リアクタ610中を、内
部リアクタ610底面において露出した被処理基板62
Wの表面に沿って排気ポート61pへと流れるが、前記
光学窓74B直下の領域を通過する際に、前記紫外光源
74Aにより活性化され、酸素ラジカルO*が形成され
る。その際、先の実施例と同様に前記被処理基板62W
を回転させ、さらに前記ノズル61Aにおける酸素ガス
の流速を最適化することにより、前記被処理基板62W
の表面に一様な酸化膜を形成することが可能になる。
いて、線状の紫外光源74Aを複数の紫外光源74A1
〜74A3により置き換えた変形例を示す。
Wを回転させ、さらにノズル61Aにおける酸素ガスの
流速を最適化することにより、前記被処理基板62Wの
表面に一様な酸化膜を形成することが可能になる。 [第12実施例]図47は、本発明の第12実施例によ
る基板処理装置130の構成を示す。ただし図47中、
先に説明した部分には同一の参照符号を付し、説明を省
略する。
器61の第1の端部にポンプ61Pに接続された排気ポ
ート61pが、また対向する第2の端部に酸素ガス供給
ライン61aに接続されたノズル61Aが形成され、さ
らに前記第2の端部には、窒素ガスおよび不活性ガスを
供給されて窒素プラズマを形成するプラズマ源93が設
けられている。
設けられた内部リアクタ610の底面において露出され
ており、前記ノズル61Aから供給される酸素ガスある
いは前記プラズマ源93から供給される窒素ラジカルあ
るいは酸素ラジカルは、前記内部リアクタ610中を前
記第1の端部から前記第2の端部へと前記被処理基板6
2Wの表面に沿って流れ、前記排気ポート61pより排
出される。さらに前記処理容器61上には前記被処理基
板62Wよりも前記第2の端部寄りに紫外光源74Aが
設けられ、前記紫外光源74Aで形成された紫外線を光
学窓74Bを介して照射することによっても、前記酸素
ガス流中に酸素ラジカルを励起することができる。
は必要に応じて被処理基板62Wの窒化処理および酸化
処理を自在に行うことが可能で、このため先に図12で
説明したクラスタ型半導体製造装置に適用した場合、処
理室43と処理室44Aとを統合することが可能にな
る。
44Aとを統合した処理室44Bに、さらに図11の高
誘電体膜形成に使われるCVD処理室44を組み合わせ
たクラスタ型基板処理システム140の構成を示す。た
だし、図48中、先に説明した部分に対応する部分には
同一の参照符号を付し、説明を省略する。
おいては必要に応じて紫外線活性化ラジカル酸化処理、
プラズマ活性化ラジカル酸化処理、プラズマ活性化ラジ
カル窒化処理、あるいはこれらを組み合わせたラジカル
酸窒化処理が可能であり、図49に示すような、Si基
板表面に図13の場合と同様な組成勾配を有するSiO
N膜13Aおよび図1で説明した高誘電体膜13を積層
した積層構造のゲート絶縁膜を形成し、その上にゲート
電極14を形成した構成の半導体装置を容易に製造する
ことが可能になる。
ステム140を使って図49の半導体装置を製造する際
のプロセスフローを示すフローチャートである。
においてSi基板11が前記前処理室42中においてク
リーニングされ、基板表面から自然酸化膜が除去され
る。このように自然酸化膜を除去されたSi基板11
は、前記処理室44B中の基板処理装置130に、前記
被処理基板62Wとして送られる。
はステップ42Aあるいは42Bの工程に進むが、前記
ステップ42Aに進んだ場合には、前記基板処理装置1
30中の内部リアクタ610にライン61aより酸素ガ
スが導入され、紫外光源74Aを駆動する。かかる酸素
ガスの紫外光活性化により形成された酸素ラジカルによ
り、前記Si基板11表面に酸化膜が形成される。
は、前記処理室44Bにおいて前記プラズマ源93が駆
動され、さらに前記プラズマ源93に酸素ガスを、ある
いはAr等の不活性ガスと共に酸素ガスを供給すること
により、酸素ラジカルが発生される。かかる酸素ラジカ
ルにより、前記Si基板11の表面には酸化膜が形成さ
れる。
プラズマ源93に酸素ガスの代わりに窒素ガスが導入さ
れる。その結果、前記内部リアクタ610中には窒素ラ
ジカルが発生し、かかる窒素ラジカルにより、前記酸化
膜の表面に窒素が導入される。かかる窒化処理の結果、
前記酸化膜は図49に示す酸窒化膜13Aに変化する。
られて高誘電体ゲート絶縁膜13が前記酸窒化膜13A
上に形成され、前記Si基板11上に高誘電率ゲート絶
縁膜が形成される。
を行った後、前記基板11は高誘電体ゲート絶縁膜のア
ニール工程を経て、ゲート電極形成工程に送られる。
は42Bおよびステップ43に対応した酸窒化膜形成工
程における、前記基板処理装置130中への酸素ガスお
よび窒素ガスの供給タイミングを、紫外光源74Aある
いはプラズマ源93の駆動タイミングと重ねて示す図で
ある。
42Aあるいは42Bの酸化膜形成工程に対応して前記
基板処理装置130中に内部リアクタ610に酸素ガス
が導入され、さらに前記紫外光源74Aあるいはプラズ
マ源93が駆動される。さらに前記紫外光源74Aある
いはプラズマ源93の駆動を終了することで、酸化膜の
成膜を終了し、その後酸素ガスの導入を停止する。
の酸化膜形成工程が終了した後、前記ステップ43に対
応して前記内部リアクタ610には窒素ガスが導入さ
れ、さらにプラズマ源93が駆動される。さらに前記プ
ラズマ源93の駆動を終了することで、酸化膜の窒化工
程を終了し、その後窒素ガスの導入を停止する。なお、
前記ステップ43を行う前に前記基板処理装置130中
に滞留する酸素を、真空引きと窒素パージに繰り返しに
より除去することで、プラズマ窒化・酸化の同時進行が
回避され、ステップ43中での下地膜の膜厚増大を回避
することが可能になる。
理装置130を使うことにより、本実施例においては基
板のラジカル酸化処理およびラジカル窒化処理を同一の
基板処理装置内において、連続して、被処理基板を大気
に触れさせることなく、またクラスタ型基板処理システ
ムにおいても搬送室46に戻すことなく行うことが可能
になり、基板処理効率が向上すると同時に、基板汚染の
機会が減少し、半導体装置の製造歩留りが向上する。
明したが、本発明はかかる特定の実施例に限定されるも
のではなく、特許請求の範囲に記載した要旨内におい
て、様々な変形・変更が可能である。
絶縁膜との間に酸化膜を形成するための基板処理装置に
おいて、前記基板表面に酸素を含有する処理ガスを供給
するガス供給手段と、前記基板表面に紫外線を照射し、
前記処理ガスを活性化する紫外線源と、前記紫外線源
を、前記基板表面上の所定の高さにおいて動かす光源移
動機構とを設けることにより、前記基板表面への前記紫
外光源からの紫外光の照射を最適に行うことができ、前
記基板上に、非常に薄い酸化膜を、一様な厚さに形成す
ることが可能になる。また本発明によれば、リモートプ
ラズマを使った基板処理装置において、リモートプラズ
マ源の状態を最適化することにより、一様な膜質の絶縁
膜を形成することが可能になる。
板表面に沿って第1の側から第2の側に流れるラジカル
流を形成し、ラジカル流の流速を最適化することによ
り、前記被処理基板表面に一様な基板処理を行うことが
可能になる。
表面に、非常に薄い絶縁膜を一様な厚さで形成すること
が可能になり、かかる非常に薄い一様な絶縁膜上に例え
ば高誘電体ゲート絶縁膜を形成することにより、高速動
作する半導体装置を実現することが可能になる。
成を示す図である。
を示す図である。
て形成した酸化膜の膜厚分布を示す図である。
ついて、処理時間と膜厚との関係を示す図である。
て形成した酸化膜の膜厚分布を示す別の図である。
て形成した酸化膜の膜厚分布を示すさらに別の図であ
る。
膜厚分布を示す図である。
を示すフローチャートである。
ギ決定手順を示すフローチャートである。
理装置の構成を示す図である。
理装置の構成を示す図である。
体装置の構成を示す図である。
る。
の変形例を示す図である。
す図である。
処理工程による酸化膜の膜厚と紫外光照射量との関係を
示す図である。
られた各試料について、基板上における酸化膜の膜厚分
布を示す図である。
る図である。
00mm径ウェハに適用した場合の被処理基板上におけ
る紫外光照射強度分布を示す図である。
基板処理装置および紫外光照射強度分布を示す図であ
る。
成を示す図である。
度分布を示す図である。
成を示す図である。
度分布を示す図である。
成を示す図である。
斜視図である。
度分布を示す図である。
った従来の基板処理装置の構成およびその問題点を示す
図である。
ある。
る基板処理装置の構成を示す図である。
基板処理装置において行った基板処理の例を示す図であ
る。
化手順を示す図である。
を示す図である。
化手順を示す別の図である。
ある。
形例を示す図である。
る。
構成を示す図である。
ある。
原理を説明する別の図である。
原理を説明する別の図である。
原理を説明するさらに別の図である。
よる成膜例を示す図である。
よる基板処理装置の構成を示す図である。
形例を示す図である。
構成を示す図である。
板処理システムの構成を示す図である。
導体装置の構成を示す図である。
て図49の半導体装置を製造する際のプロセスフローを
示すフローチャートである。
装置の制御タイミングを示す図である。
90A,90B,110,120,130 基板処理装
置 21,31,61,91 処理容器 21A,31A,92 基板保持台 21a,31a,94 ヒータ 21B,31B,61A シャワーヘッド 21C,31D 光学窓 22,32,W 被処理基板 23,34B,34B’,74A,74A1〜74A3
紫外光源 31B’,61a O2供給ライン 31C,61p,91A 排気口 33 結合部 33A,34b,34c 不活性ガス供給ライン 34 紫外光露光装置 34A,74B 光学窓 34C ロボット 34D 空間 34E 排気口 34F 遮蔽板 35 制御装置 40,40A,140 基板処理システム 41 ロードロック室 42 前処理室 43 酸化膜形成処理室 44 CVD室 44A プラズマ窒化処理室 45 冷却室 46 真空搬送室 61P ポンプ 62W 基板 93,931,932,933 リモートプラズマ源 93A 本体 93B アンテナ 93C 石英拡散板 93D マグネット 93E ネジ孔 93F 装着ネジ 93a ガス導入口 93b 石英ライニング 93c 装着フランジ 95 駆動回路 95A マイクロ波電源 95B マイクロ波発生装置 95C 導波管 95D インピーダンス整合器 95E 同調回路 96 ベローズ 96A,96B フランジ 610 内部リアクタ
Claims (18)
- 【請求項1】 被処理基板を保持する保持台を備えた処
理容器と、 前記処理容器の第1の端部に設けられた処理ガス導入部
と、 前記処理容器の、前記保持台を隔てて前記第1の端部に
対向する第2の端部に形成された排気口と、 前記処理容器中、前記保持台よりも前記第1の端部に寄
った側に設けられたラジカル発生源と、 前記保持台を回転させる回転機構とを備えたことを特徴
とする基板処理装置。 - 【請求項2】 前記ラジカル発生源は、プラズマ発生装
置であることを特徴とする請求項1記載の基板処理装
置。 - 【請求項3】 前記プラズマ発生装置は、前記処理容器
の側壁面に設けられたことを特徴とする請求項2記載の
基板処理装置。 - 【請求項4】 前記プラズマ発生装置は、前記処理ガス
供給部を構成することを特徴とする請求項3記載の基板
処理装置。 - 【請求項5】 前記ラジカル発生源は、紫外光源である
ことを特徴とする請求項1記載の基板処理装置。 - 【請求項6】 前記紫外光源は処理容器上、前記処理ガ
ス導入部と前記保持台上の被処理基板との間に設けら
れ、前記処理容器上に形成された光学窓を介して前記処
理容器中に紫外光を導入することを特徴とする請求項5
記載の基板処理装置。 - 【請求項7】 前記紫外光源は、線状光源よりなること
を特徴とする請求項5記載の基板処理装置。 - 【請求項8】 前記紫外光源は、複数の点状光源よりな
ることを特徴とする請求項5記載の基板処理装置。 - 【請求項9】 前記処理容器中には、前記処理ガスの通
路を画成する内部リアクタが設けられ、前記被処理基板
は前記保持台上に載置された場合、前記内部リアクタの
底面において露出されることを特徴とする請求項1記載
の基板処理装置。 - 【請求項10】 前記ラジカル発生源は、プラズマ発生
装置および紫外光源よりなることを特徴とする請求項1
記載の基板処理装置。 - 【請求項11】 前記プラズマ発生装置は、前記処理容
器の側壁面に設けられ、前記紫外光源は処理容器上、前
記処理ガス導入部と前記保持台上の被処理基板との間に
設けられ、前記紫外光源は、前記処理容器上に形成され
た光学窓を介して前記処理容器中に紫外光を導入するこ
とを特徴とする請求項10記載の基板処理装置。 - 【請求項12】 被処理基板を保持した処理室内におい
て、前記被処理基板を回転させる工程と、 前記処理室内において、前記被処理基板表面に沿って第
1の側から第2の側へと流れるラジカル流を形成する工
程と、 前記ラジカル流により、前記被処理基板表面を処理する
工程とを特徴とする基板処理方法。 - 【請求項13】 前記ラジカル流を形成する工程は、前
記ラジカル流中に、前記第1の側から前記第2の側への
ラジカル濃度勾配が生じるように実行されることを特徴
とする請求項12記載の基板処理方法。 - 【請求項14】 前記ラジカル流を形成する工程はラジ
カルを、供給されるラジカルが、前記被処理基板の中央
部を超えて第2の側に到達する前に実質的に消滅するよ
うな条件で供給することを特徴とする請求項12記載の
基板処理方法。 - 【請求項15】 前記ラジカル流を形成する工程は、処
理ガス流をプラズマ活性化する工程を含むことを特徴と
する請求項12記載の基板処理方法。 - 【請求項16】 前記ラジカル流を形成する工程は、処
理ガス流を紫外線活性化する工程を含むことを特徴とす
る請求項12記載の基板処理方法。 - 【請求項17】 前記処理ガス導入部は複数の処理ガス
導入開口部を有することを特徴とする請求項1記載の基
板処理装置。 - 【請求項18】 前記処理ガス導入部は複数の処理ガス
導入開口部を有し、前記複数の点状光源は、前記複数の
処理ガス導入開口部から導入されるそれぞれの処理ガス
流の流路上に設けられていることを特徴とする請求項8
記載の基板処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002017038A JP4369091B2 (ja) | 2001-07-18 | 2002-01-25 | 基板処理方法 |
Applications Claiming Priority (3)
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