JP2003031552A - 窒化物半導体処理方法および窒化物半導体並びに窒化物半導体素子 - Google Patents

窒化物半導体処理方法および窒化物半導体並びに窒化物半導体素子

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JP2003031552A
JP2003031552A JP2001219123A JP2001219123A JP2003031552A JP 2003031552 A JP2003031552 A JP 2003031552A JP 2001219123 A JP2001219123 A JP 2001219123A JP 2001219123 A JP2001219123 A JP 2001219123A JP 2003031552 A JP2003031552 A JP 2003031552A
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nitride semiconductor
gas
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Yuzo Tsuda
有三 津田
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Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、窒化物半導体の表面モフォロジー
もしくはその研磨傷を改善することを目的とする。 【解決手段】 本発明は、窒化物半導体を加熱する工程
と、前記窒化物半導体に、塩素系ガスと雰囲気ガスおよ
びアンモニアガスを導入する工程とを具備することによ
って、本発明の課題を解決することが可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、窒化物半導体の表
面モフォロジーまたはその研磨傷を改善するための窒化
物半導体処理方法及びこの処理方法を用いた窒化物半導
体並びに窒化物半導体素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、市場に出回りつつあるGaN基板
の表面モフォロジーは好ましくなく、ヒロック状の凹凸
が散見されている。また、一見GaN基板の表面が鏡面
であるように見えていても、実際にGaN膜のホモエピ
タキシャル成長した後のエピタキシャル成長膜表面に
は、GaN基板を研磨したときに発生したと思われる研
磨傷によるスクラッチ状の傷が散見された。これらは、
窒化物半導体に対して有効なウエットエッチング液がな
いことに起因していると思われる。特開平9−3309
16公開特許公報では、窒化物半導体を熱化学的にエッ
チングする方法が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】窒化物半導体の好まし
くない表面モフォロジーや研磨傷は、その上に結晶成長
した窒化物半導体デバイスの特性およびその歩留まり率
の低下を齎していた。
【0004】また、特開平9−330916の方法を用
いても窒化物半導体の表面モフォロジーは十分なもので
はなかった。
【0005】本発明は、窒化物半導体(窒化物半導体基
板も含む)の表面モフォロジーや研磨傷を改善すること
を主の目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、窒化物半導体
を加熱する工程と、前記窒化物半導体に塩素系ガス、雰
囲気ガスおよびアンモニアガスを導入する工程とを具備
することによって、本発明の課題である窒化物半導体の
表面モフォロジーまたはその研磨傷を改善することが可
能である。また、窒化物半導体の表面に残留した応力歪
を緩和することも可能である。
【0007】本発明は、前記窒化物半導体の加熱温度が
400℃以上1200℃以下の範囲内にあることによっ
て、窒化物半導体の表面エッチングが効果的に促進され
得る。本発明は、反応性イオンエッチング(RIE)法
のようにイオン効果によって表面処理を行うものはな
く、熱化学的な反応を用いて表面処理を行うため、窒化
物半導体表面の損傷が少なく、素子の歩留まり率も向上
する。また、窒化物半導体を製造する過程で発生した結
晶軸の配向性を改善することも可能である。
【0008】本発明は、前記塩素系ガスが塩素ガスまた
は塩化水素ガスであることが好適である。
【0009】本発明は、前記雰囲気ガスが少なくとも水
素を含むことが好適である。このことによって、窒化物
半導体表面のエッチング速度を向上することができる。
また、窒化物半導体表面が均一に平坦化されやすい。
【0010】本発明は、前記雰囲気ガスが少なくとも窒
素を含むことが好適である。このことによって、窒化物
半導体表面のエッチング斑が解消され、広範囲において
良好な表面モフォロジーを得ることが可能である。
【0011】本発明は、前記雰囲気ガスが少なくとも不
活性ガスを含むことが好ましい。このことによって、窒
化物半導体表面のエッチング速度を調整することが可能
である。
【0012】本発明の前記窒化物半導体は窒化物半導体
基板の表面処理方法としても用いることが可能である。
その窒化物半導体基板はGaN基板もしくはAlGaN
基板であることが好適である。窒化物半導体基板とし
て、GaN基板もしくはAlGaN基板を用いることに
よって、本発明による効果を十分に得ることが可能であ
る。
【0013】本発明は、前記窒化物半導体の面方位が実
質的に{0001}面もしくは実質的に{1−101}
面で好ましく用いられる。これらの面方位を有する窒化
物半導体に表面処理を施すと平坦な表面モフォロジーが
得られやすい。特に、実質的に{1−101}面を有す
る窒化物半導体の表面は平坦化されやすい。
【0014】本発明は、前記窒化物半導体のSi不純物
濃度が1×1017/cm3以上8×1018/cm3以下、
あるいは前記窒化物半導体の酸素不純物濃度が1×10
17/cm3以上8×1020/cm3以下であることが好適
である。これらの不純物が窒化物半導体に含まれること
によって、その表面処理の際のエッチング速度が促進さ
れ、平坦な表面モフォロジーを得ることが可能である。
【0015】本発明は、前記窒化物半導体のMg不純物
濃度が1×1017/cm3以上8×1020/cm3以下、
あるいは前記窒化物半導体のC不純物濃度が1×1017
/cm3以上8×1020/cm3以下であることが好まし
い。これらの不純物が窒化物半導体に含まれることによ
って、その表面処理の際のエッチング速度が促進され、
平坦な表面モフォロジーを得ることが可能である。
【0016】本発明の窒化物半導体表面処理を施すこと
によって従来のp型化アニール技術を用いることなく本
発明の表面処理後に窒化物半導体がp型の極性を示すこ
とが可能である。
【0017】本発明は、上記の基板表面処理方法を用い
て作製された窒化物半導体を、窒化物半導体素子に好ま
しく用いることができる。本発明に係わる表面処理を施
すことによって、その窒化物半導体上に成長された窒化
物半導体素子のヘテロ界面が急峻になり、素子特性が向
上すると共に、素子の歩留まり率も向上する。
【0018】
【発明の実施の形態】<実施の形態1> (塩素系ガスとアンモニアガスによる効果)本発明は、
窒化物半導体を加熱する工程と、この窒化物半導体に塩
素系ガスとアンモニアガスを導入する工程とを具備する
ことによって、本発明の課題を解決する。
【0019】前記塩素系ガスは、窒化物半導体表面をエ
ッチングする目的で用いられる。塩素系ガスは、より具
体的には塩素ガスまたは塩化水素ガスである。本発明者
らの実験によると、窒化物半導体表面に塩素系ガスを吹
き付けると、確かに基板表面がエッチングされることが
確認されたが、同時に基板表面内にGaが凝縮し、基板
表面の荒れが確認された。そこで、塩素系ガスとアンモ
ニアガスを窒化物半導体表面に吹き付けた。すると、上
記の基板表面の荒れが解消された。塩素系ガスとアンモ
ニアガスは互いに反応して塩化アンモニウムを生成する
ため、ガス供給ラインが詰まらないように窒化物半導体
の表面直前でこれらのガスを混合することが肝要であ
る。上記のGaによる基板表面の荒れを解消するための
塩素系ガスとアンモニアガスの流量比は、1:500〜
1:1の範囲が好ましい。塩素系ガスに対するアンモニ
アの流量比が1:500よりも大きくなると基板表面の
エッチング速度が低下し、その表面モフォロジーや研磨
傷の改善効果が低下し始める。他方、塩素系ガスに対す
るアンモニアの流量比が1:1よりも小さくなると、G
a凝縮による基板表面の荒れが散見され始める。塩素系
ガスとアンモニアガスの流量比は、1:300〜1:1
0の範囲がより好ましい。
【0020】本発明の表面処理を応用して、窒化物半導
体を種々の形に加工する目的でエッチングする場合、エ
ッチング速度が早いことが望まれる。このような場合
は、塩素系ガスに対するアンモニアの流量比は1:1〜
1:0.01の範囲で用い、その後上記の表面処理を施
すとよい。塩素系ガスに対するアンモニアの流量比が
1:0.01よりも小さくなると表面の荒れが激しくな
り、上記の表面処理を行っても表面モフォロジーの改善
が難しくなる。
【0021】塩素系ガスとアンモニアガスの混合ガス
は、窒化物半導体表面のモフォロジーの改善や研磨傷の
解消(基板表面の平坦化も含む)以外に、窒化物半導体
の表面に残留した応力歪を緩和する効果も見られた。 (雰囲気ガスによる効果)次に、塩素系ガスとアンモニ
アガスに雰囲気ガスを加えて、窒化物半導体の表面処理
を行った。
【0022】雰囲気ガスとして水素を用いた場合、水素
を加えない場合と比較して窒化物半導体表面のエッチン
グ速度がさらに向上した。エッチング速度は雰囲気ガス
としての水素の割合が増大するにつれて速くなった。ま
た、水素ガスによるエッチング速度の促進は、基板の加
熱温度とも相関があり、基板加熱温度が高いほど速かっ
た。さらに、雰囲気ガスに水素ガスを導入することによ
って窒化物半導体表面が均一に平坦化されやすくなる効
果が得られる。この効果については定かではないが、窒
化物半導体の表面が原子層オーダーでエッチングされて
いるのではないかと思われる。
【0023】雰囲気ガスとして窒素ガスを用いた場合、
窒素ガスを加えない場合と比較して窒化物半導体表面の
エッチング斑が解消され、広範囲においてその表面モフ
ォロジーが良好であった。これは、窒化物半導体表面が
エッチングされたことによって発生したGaが基板表面
で凝縮し、それが新たな核となって表面モフォロジーを
悪化させることを防止し得たためと思われる。これらの
効果は窒素ガス量が増えるにつれて大きくなった。
【0024】本発明者らの実験によると、水素ガス量と
窒素ガス量を1:1の割合で混合したガスを雰囲気ガス
として使用した場合、最も窒化物半導体表面のモフォロ
ジーが良好であり、原子層オーダーで平坦であった。研
磨傷も解消されていた。
【0025】雰囲気ガスとして不活性ガスを用いた場
合、基板表面のエッチング速度を調整するための緩衝ガ
スとして利用できる。緩衝ガスとしての役割とは、水素
ガスと窒素ガスの流量を変えずに(これらのガスによる
効果を変えずに)、雰囲気ガスの流量を増やしたい場合
の、流量合わせのためのガスである。このような緩衝ガ
スとしては、アルゴンガス、ヘリウムガスなどの不活性
ガスが好ましく用いられる。 (基板の加熱温度について)本発明に係わる窒化物半導
体の表面処理をする上で、基板温度を400℃〜120
0℃の範囲内で加熱することによって、基板表面のエッ
チング速度が効率よく促進され、基板表面の平坦化がな
された。GaN基板の場合は400℃〜1100℃の範
囲内で加熱することが好ましく、AlGaN基板の場合
は900℃〜1200℃の範囲内が好ましい。また、基
板温度を加熱することによって、窒化物半導体を製造す
る過程で発生した結晶軸の配向性を改善することが可能
である。 (窒化物半導体について)本発明の表面処理方法は窒化
物半導体に適している。ここで本明細書で説明される窒
化物半導体とは、少なくともAlxGayInzN(0≦
x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、x+y+z=1)を
含む。前記窒化物半導体は、窒化物半導体を構成してい
る窒素元素の約10%以下(ただし、六方晶系であるこ
と)が、As、PおよびSbの元素群のうち何れかの元
素で置換されても良い。
【0026】また、前記窒化物半導体は、その基材とな
った窒化物半導体基板も含む。窒化物半導体基板は、G
aN基板またはAlGaN基板が好ましく用いられる。
GaN基板は本発明の手法においてエッチングされやす
く、その表面が平坦化されやすい。他方、AlGaN基
板は、基板表面のエッチング過程で発生するGaの凝縮
が少ないために好ましい。 (窒化物半導体の面方位について)本発明に係わる表面
処理方法は、窒化物半導体の面方位のうち、特に{00
01}面もしくは{1−101}面が好ましく用いられ
る。これらの面方位は±1度の範囲内でオフしていても
実質的に効果は同じであった。
【0027】実質的に{1−101}面を有する窒化物
半導体の表面は、その他の面方位と比較して本発明によ
る表面処理によって原子層オーダーで平坦化されやす
い。
【0028】窒化物半導体の表面が窒素で終端した{0
001}面や{1−101}面を用いた場合、その表面
がガリウムで終端した基板を用いた場合と比較して、そ
の表面が原子層オーダーで平坦化されやすいために好ま
しい。他方、窒化物半導体の表面がガリウムで終端した
{0001}面や{1−101}面を用いた場合、その
表面が窒素で終端した基板を用いた場合と比較して、表
面処理後の表面に不純物が付着しにくいために好まし
い。 (窒化物半導体に添加される不純物とその濃度につい
て)Si不純物濃度が1×1017/cm3以上8×10
18/cm3以下の範囲内で含まれた窒化物半導体を用い
ることによって、その表面のエッチング速度が促進さ
れ、平坦な表面モフォロジーを得ることが可能である。
【0029】酸素不純物濃度が1×1017/cm3以上
8×1020/cm3以下の範囲内で含まれた窒化物半導
体を用いることによって、その表面のエッチング速度が
促進され、平坦な表面モフォロジーを得ることが可能で
ある。
【0030】Mg不純物濃度が1×1017/cm3以上
8×1020/cm3以下の範囲内で含まれた窒化物半導
体を用いることによって、その表面のエッチング速度が
促進され、平坦な表面モフォロジーを得ることが可能で
ある。また、前記Mg不純物を含む窒化物半導体が本発
明に係わる表面処理を施すと、従来のp型化アニール技
術を用いなくても前記表面処理後に該窒化物半導体がp
型の極性を示すことが可能である。
【0031】C不純物濃度が1×1017/cm3以上8
×1020/cm3以下の範囲内で含まれた窒化物半導体
を用いることによって、その表面のエッチング速度が促
進され、平坦な表面モフォロジーを得ることが可能であ
る。また、前記不純物を含む窒化物半導体が本発明に係
わる表面処理を施されると、従来のp型化アニール技術
を用いなくても前記表面処理後に該窒化物半導体がp型
の極性を示すことが可能である。 (本発明の窒化物半導体処理方法について)本発明によ
る窒化物半導体(窒化物半導体基板)の表面処理方法の
一例を図1を用いて説明する。
【0032】図1は本発明の方法を実施するための装置
の一例である。図1の装置において、窒化物半導体基板
10、前記基板を支持および加熱するためのサセプタ2
0、回転軸30、石英管の炉40、加熱ヒーター50、
塩化水素ガスライン60、アンモニアガスライン61、
雰囲気ガスライン62、プロセス排気ライン63を含ん
でいる。
【0033】窒化物半導(基板)の表面処理は以下のよ
うにして実施される。まず、窒化物半導体基板10がサ
セプタ20の上にマウントされ、炉40にセットされ
る。次に、基板を回転させながらアンモニアガスライン
61から5L/minのアンモニアガスを、雰囲気ガス
ライン62から5L/minの窒素ガスをそれぞれ供給
し、加熱ヒーター50の電源を入れて基板温度を950
℃に保持する。そして、塩化水素ガスライン60から
0.1L/minの塩化水素ガスを、アンモニアガスラ
イン61から4L/minのアンモニアガスを、雰囲気
ガスライン62から3L/minの水素ガスと3L/m
inの窒素ガスをそれぞれ供給し、約30分間表面処理
を行った。その後、塩化水素ガスの供給のみを停止し、
約10分間そのままの状態で保持した。このことによ
り、表面の平坦性がさらに向上される。
【0034】次に、ガス条件をアンモニアガス5L/m
in、窒素ガス5L/minに切り替えて加熱ヒーター
の電源を切る。基板温度が300℃程度になったらアン
モニアガスの供給を停止し、窒素ガスの流量を10L/
minに変えて基板温度が室温になるまでパージを行
う。このようにして窒化物半導体10の表面処理が完了
する。
【0035】上記処理を施すことによって、窒化物半導
体基板に残留した研磨傷およびその表面モフォロジーが
改善される。
【0036】上記の(本発明の窒化物半導体処理方法に
ついて)での説明では、雰囲気ガスとして水素ガスと窒
素ガスを用い、不活性ガスが用いられていないが、アル
ゴンガスやヘリウムガス等の不活性ガスが用いられても
よい。
【0037】塩化水素ガスとアンモニアガスの流量比は
上述の「塩素系ガスとアンモニアガスによる効果」で述
べられた範囲内で用いることが可能である。また、上記
の塩化水素ガスの替わりに塩素ガスが用いられても構わ
ない。さらに、窒化物半導体以外の物質からなる基板の
上に窒化物半導体層が形成され、その表面を本発明によ
る処理を施すことも可能である。 <実施の形態2>本実施の形態2では、本発明に係わる
表面処理を施した窒化物半導体基板を用い、その上に形
成された窒化物半導体レーザ素子が図2を用いて説明さ
れる。その他の本発明に係わる事柄は、実施の形態1と
同様である。
【0038】図2の窒化物半導体レーザ素子は、本発明
により実施の形態1で説明したように表面処理を施した
(0001)面n型GaN基板100を用い、この上に
n型In0.07Ga0.93Nクラック防止層101、n型A
0.1Ga0.9Nクラッド層102、n型GaN光ガイド
層103、発光層104、 p型Al0.3Ga0.7Nキャ
リアブロック層105、p型GaN光ガイド層106、
p型Al0.1Ga0.9Nクラッド層107、p型GaNコ
ンタクト層108、n電極109、p電極110および
SiO2誘電体膜111を形成して構成される。
【0039】発光層104は、In0.01Ga0.99N障壁
層(8nm)/In0.15Ga0.85N井戸層(4nm)か
らなる3周期の多重量子井戸構造である。また、発光層
にAsもしくはPが含まれていても良い。これらの元素
が含まれることによって発光層の電子とホールの有効質
量が小さくなって、レーザ発振閾値電流密度が低減し得
るために好ましい。
【0040】上記の窒化物半導体レーザ素子は、本発明
による表面処理を施した窒化物半導体基板を用いること
によって、発光層の界面(たとえば、障壁層と井戸層と
の界面)が急峻になり、発光効率が向上してレーザ発振
閾値電流密度を低減することが可能である。このこと
は、生産上の歩留まり向上を意味する。
【0041】このようにして作製された窒化物半導体レ
ーザ素子は、レーザプリンター、バーコードリーダー、
光の三原色(青色、緑色、赤色)レーザによるプロジェ
クター等に好ましく用いられる。 <実施の形態3>本実施の形態3では、本発明に係わる
表面処理を施した窒化物半導体を用い、その上に形成さ
れた窒化物半導体発光ダイオード素子が図3を用いて説
明される。その他の本発明に係わる事柄は、実施の形態
1と同様である。
【0042】図3の窒化物半導体発光ダイオード素子
は、本発明により実施の形態1で説明したように表面処
理を施した(0001)面n型GaN基板200を用
い、この基板上にn型短周期超格子201、n型Al
0.3Ga0.7Nキャリアブロック層202、発光層20
3、p型Al0.3Ga0.7Nキャリアブロック層204、
p型短周期超格子205、p型コンタクト層206、p
型透光性電極207、p電極208、n電極209を形
成して構成される。
【0043】本実施の形態ではn型短周期超格子201
として、100周期のAl0.15Ga 0.85N(厚み1.5
nm、Siドープあり)/Al0.2Ga0.8N(厚み1.
5nm、Siドープあり)を用いた。発光層203とし
ては、3周期のAl0.06Ga 0.94N井戸層(厚み2n
m、Siドープあり)/Al0.12Ga0.88N(厚み4n
m、Siドープあり)を用いた。p型短周期超格子20
5として、100周期のAl0.15Ga0.85N(厚み1.
5nm、Mgドープあり)/Al0.2Ga0.8N(厚み
1.5nm、Mgドープあり)を用いた。また、p型コ
ンタクト層206としてp型In0.15Ga0.85N(10
0nm)を用いた。
【0044】本実施の形態で説明される窒化物半導体発
光ダイオード素子は、発光波長を短くするために井戸層
の厚みを薄く成長している(約4nm以下)。一般に井
戸層の厚みが薄くなると、その厚さの製造上の揺らぎに
よって素子の発光特性が悪化されやすい。本実施の形態
3で説明された紫外発光ダイオード素子は、本発明によ
る基板表面処理を施しているため、井戸層と障壁層との
間の界面揺らぎによる発光特性の悪化を防ぐことが可能
である。また、n型短周期超格子201やp型短周期超
格子205の界面揺らぎも小さく、設計通りの屈折率を
有する短周期超格子が作製され得る。このことは、生産
上の歩留まり向上を意味する。 <実施の形態4>本実施の形態4では、本発明に係わる
表面処理を施した窒化物半導体を用い、その上に形成さ
れた窒化物半導体へテロ接合型電界効果トランジスタ素
子が図4を用いて説明される。その他の本発明に係わる
事柄は、実施の形態1と同様である。
【0045】図4の窒化物半導体へテロ接合型電界効果
トランジスタ素子は、本発明により実施の形態1で説明
したように表面処理を施した(1−101)面i型Ga
N基板300を用い、この基板上にn型AlGaN層3
01、ソース302、ゲート303、およびドレイン3
04を形成して構成される。
【0046】本実施の形態ではn型AlGaN層301
として、Al0.25Ga0.75N(厚み1μm、Siドープ
あり)を用いた。
【0047】トランジスタの接合界面が急峻でなけれ
ば、2次元電子ガスが散乱されやすく高い移動度を得る
ことが難しくなる。本実施の形態で説明された窒化物半
導体トランジスタ素子は、本発明による基板表面処理を
施しているため、ヘテロ接合界面が急峻であり、高い移
動度を得ることが可能である。このことは、生産上の歩
留まり向上を意味する。 <実施の形態5>本実施の形態5では、本発明の処理方
法を用いて窒化物半導体を任意の形状に加工することが
図5の模式図を用いて説明される。その他の本発明に係
わる事柄は、実施の形態1と同様である。
【0048】図5(a)は、n型層400、発光層40
1および窒化物半導体層402がそれぞれ積層された素
子に、従来のリソグラフィー技術を用いて形成されたス
トライプ状の誘電体膜403が窒化物半導体層402上
に蒸着されている。誘電体膜403は、例えば、SiO
2、SiNx、Al23などである。窒化物半導体層40
2は、例えば、MgがドーピングされたGaN層、Mg
がドーピングされたInGaN層、Mgがドーピングさ
れたAlGaN層などである。
【0049】次に、図1の装置に前記素子がセットされ
る。そして、基板温度が600℃に保持され、塩化水素
ガス1L/min、アンモニアガス100cc/mi
n、窒素ガス10L/min、水素ガス50cc/mi
nがそれぞれ、前記素子表面に導入され窒化物半導体層
がリッジストライプ形状になるようにエッチングが行わ
れた(図5(b))。続いて、炉から前記素子が取り出
され、誘電体膜403が除去された(図5(c))。
【0050】このようにして作製されたリッジストライ
プ形状を有する窒化物半導体層402は、その表面モフ
ォロジーが好ましく、エッチングによる表面損傷が小さ
かった。また、上記エッチングによって取り出された素
子は、従来のp型化アニ―ル技術を用いなくても、上記
処理後に既にp型化を示していた。さらに、本発明によ
るエッチング手法は、窒化物半導体層402に与える表
面損傷が小さいため、その上にp型電極を形成した際の
コンタクト抵抗が小さくなる。このことにより素子の駆
動電圧が低くなって好ましい。
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、窒化物半導体の表面モ
フォロジーとその研磨傷が改善される。このような窒化
物半導体を用いることによって、その上に結晶成長した
窒化物半導体素子のヘテロ界面が急峻になり、その素子
特性が向上すると共に、素子の歩留まり率も向上させる
ことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】窒化物半導体表面処理装置の一例を表した図で
ある。
【図2】窒化物半導体レーザ素子の一例を表した図であ
る。
【図3】窒化物半導体発光ダイオード素子の一例であ
る。
【図4】窒化物半導体へテロ接合型電界効果トランジス
タ素子の一例である。
【図5】本発明を用いて窒化物半導体を任意の形状に加
工する一例を示した図である。
【符号の説明】
10…窒化物半導体基板 20…サセプタ 60…塩化水素ガスライン 61…アンモニアガスライン 62…雰囲気ガスライン 63…プロセス排気ライン 100、200…n型GaN基板 109、209…n電極 110、208…p電極 111…SiO2誘電体膜 206…p型コンタクト層 207…p型透光性電極 300…i型GaN基板 301…n型AlGaN層 302…ソース 303…ゲート 304…ドレイン 400…n型層 402…窒化物半導体層 403…誘電体膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01S 5/323 610 Fターム(参考) 5F004 AA06 AA07 AA11 BB26 DA00 DA04 DA24 DA25 DA29 DB19 5F041 AA40 CA03 CA05 CA23 CA34 CA40 CA77 5F073 AA45 AA74 CA07 DA35 5F102 GB01 GC01 GD01 GD05 GL04 GM04 GM10 GN04 GQ01 GR01 HC01 HC21

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 窒化物半導体を加熱する工程と、前記窒
    化物半導体に、塩素系ガス、雰囲気ガスおよびアンモニ
    アガスを導入する工程とを具備することを特徴とする窒
    化物半導体処理方法。
  2. 【請求項2】 前記窒化物半導体の加熱温度が400℃
    以上1200℃以下であることを特徴とする請求項1に
    記載の窒化物半導体処理方法。
  3. 【請求項3】 前記塩素系ガスが塩素ガスまたは塩化水
    素ガスであることを特徴とする請求項1または2に記載
    の窒化物半導体処理方法。
  4. 【請求項4】 前記雰囲気ガスが少なくとも水素、窒素
    または不活性ガスのいずれか1つ以上を含むことを特徴
    とする請求項1から3の何れかに記載の窒化物半導体処
    理方法。
  5. 【請求項5】 前記窒化物半導体がGaN基板もしくは
    AlGaN基板であることを特徴とする請求項1から4
    の何れかの項に記載の窒化物半導体処理方法。
  6. 【請求項6】 前記基板の面方位が実質的に{000
    1}面もしくは実質的に{1−101}面であることを
    特徴とする請求項5に記載の窒化物半導体処理方法。
  7. 【請求項7】 前記窒化物半導体のSi不純物濃度が1
    ×1017/cm3以上8×1018/cm3以下、あるいは
    前記窒化物半導体の酸素不純物濃度が1×1017/cm
    3以上8×1020/cm3以下であることを特徴とする請
    求項1から6の何れかの項に記載の窒化物半導体処理方
    法。
  8. 【請求項8】 前記窒化物半導体のMg不純物濃度が1
    ×1017/cm3以上8×1020/cm3以下、あるいは
    前記窒化物半導体のC不純物濃度が1×1017/cm3
    以上8×1020/cm3以下であることを特徴とする請
    求項1から7の何れかの項に記載の窒化物半導体処理方
    法。
  9. 【請求項9】 前記処理を施すことによって前記窒化物
    半導体の極性がp型化することを特徴とする請求項8に
    記載の窒化物半導体。
  10. 【請求項10】 前記請求項1から9の何れかの項に記
    載の基板処理方法を用いて作製された窒化物半導体素
    子。
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