JPH11310776A - 発光材料及びその製造方法並びにこれを用いた発光素子 - Google Patents

発光材料及びその製造方法並びにこれを用いた発光素子

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JPH11310776A
JPH11310776A JP12037598A JP12037598A JPH11310776A JP H11310776 A JPH11310776 A JP H11310776A JP 12037598 A JP12037598 A JP 12037598A JP 12037598 A JP12037598 A JP 12037598A JP H11310776 A JPH11310776 A JP H11310776A
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silicon
particles
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germanium
film
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Kazuki Mizushima
一樹 水嶋
Kenji Yamaguchi
健志 山口
Koichi Sasa
紘一 佐々
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体基板上に直接作製することができ、発
光効率が高く、発光波長の制御が可能で発光減衰速度の
速い発光材料及びこれを用いた発光素子を安価に製造す
る。 【解決手段】 粒径がナノメートルオーダーのシリコン
微結晶粒子12又はゲルマニウム微結晶粒子がシリコン
窒化物多結晶体13中にドット状に分散した発光材料1
0である。減圧化学気相堆積法又は化学気相堆積法によ
り半導体基板16上に600〜900℃でシリコン窒化
物多結晶膜13とシリコン微結晶粒子12又はゲルマニ
ウム微結晶粒子とを交互に堆積する。堆積後に、半導体
基板16を少なくとも真空中、不活性雰囲気又は水素を
含む不活性雰囲気で700〜1500℃の温度でアニー
ル処理することが好ましい。また半導体基板上にこの発
光材料を発光層11として電極18、19を設けること
により発光素子20となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光で通信を行う光
インターコネクションの分野で使用されるシリコンベー
スの発光材料及びその製造方法並びにこれを用いた発光
素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光インターコネクションのためのシリコ
ン基板上の発光素子としては、ガリウムヒ素等の化合物
半導体の応用が候補となる。しかしそれらの化合物半導
体は、シリコン基板上で欠陥の少ない構造を作製するこ
とが困難であり、熱安定性が乏しい。またその製造にお
いては、既存のシリコン集積回路の製造プロセスのみで
は対応できず、新たな製造プロセスの付加が必要とな
り、製造コストが高くなる。そのため、既存のシリコン
集積回路の製造プロセスのみで製造可能なシリコンベー
スの発光構造の作製技術が望まれる。シリコンベースの
発光材料としては、陽極酸化により作製するポーラスシ
リコンが知られている(L.T.Canham,"Appl.Phys.Lett.Vo
l.57,No.10,3 September,1990,pp.1046-1048)。また、
シリコン酸化物に覆われたシリコン微結晶粒子からなる
発光材料を作製するいくつかの方法が提案されている
(特開平8−17577)。
【0003】従来、本発明と近似した構造の材料の製造
方法として、例えば絶縁体をマトリックスとし、このマ
トリックスとそのなかに分散される半導体微粒子が3次
元量子井戸を形成する半導体微粒子分散膜の製造方法で
あって、上記マトリックス及び上記半導体微粒子がそれ
ぞれプラズマ化学気相成長法(プラズマCVD法)によ
って交互に堆積されたアモルファス窒化シリコン及びア
モルファスシリコンであることを特徴とする半導体微粒
子分散膜の製造方法が提案されている(特開平5−74
720)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の方
法で製造された発光材料は、発光効率が低く、発光減衰
速度が遅い問題がある。また、界面準位の影響で発光波
長の制御が困難である問題がある。また、上記特開平5
−74720号公報に示される方法で製造された半導体
微粒子分散膜は、アモルファス窒化シリコンからなる絶
縁体マトリックスのなかに分散された半導体微粒子がア
モルファスシリコンからなるため、発光材料として用い
るには発光効率が低い問題点がある。本発明の目的は、
半導体基板上に作製可能であって、光ファイバに適合す
る発光波長の制御が可能であって、発光効率が高く、発
光減衰速度の速い発光材料を提供することにある。本発
明の別の目的は、上記発光材料を簡便にかつ安価に製造
する方法を提供することにある。本発明の別の目的は、
上記発光材料を用いた発光素子を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
図1に示すように粒径がナノメートルオーダーのシリコ
ン微結晶粒子12又はゲルマニウム微結晶粒子がシリコ
ン窒化物多結晶体13中にドット状に分散した発光材料
10である。シリコン微結晶粒子12又はゲルマニウム
微結晶粒子がドット状の結晶状態でバンドギャップの大
きいシリコン窒化物多結晶体13に囲まれているため、
注入されたキャリアはドット状のシリコン微結晶粒子1
2又はゲルマニウム微結晶の内部に閉じ込められる。従
って、従来のアモルファス窒化シリコンからなる絶縁体
マトリックスの中に分散されたアモルファスシリコンか
らなる半導体微粒子に比べて、発光効率は格段に向上す
る。
【0006】請求項2に係る発明は、請求項1に係る発
明であって、シリコン微結晶粒子12又はゲルマニウム
微結晶粒子の粒径が10ナノメートル以下である発光材
料である。請求項3に係る発明は、請求項1又は2に係
る発明であって、シリコン微結晶粒子12又はゲルマニ
ウム微結晶粒子が1011〜1012/cm2の密度で分散
した発光材料である。
【0007】請求項4に係る発明は、図1に示すように
減圧化学気相堆積法又は化学気相堆積法により半導体基
板16上に600〜900℃でシリコン窒化物多結晶膜
13aとシリコン微結晶粒子12又はゲルマニウム微結
晶粒子とを交互に堆積する発光材料の製造方法である。
請求項5に係る発明は、請求項4に係る発明であって、
シリコン窒化物多結晶膜13aとシリコン微結晶粒子1
2又はゲルマニウム微結晶粒子とを交互に半導体基板1
6上に堆積した後、半導体基板16を少なくとも真空
中、不活性雰囲気又は水素を含む不活性雰囲気で700
〜1500℃の温度でアニール処理する発光材料の製造
方法である。
【0008】請求項6に係る発明は、図2に示すように
減圧化学気相堆積法又は化学気相堆積法により半導体基
板16上に600〜900℃でシリコン窒化物多結晶膜
13aとシリコン多結晶膜12a又はゲルマニウム多結
晶膜とを交互に堆積した後、半導体基板16を少なくと
も真空中、不活性雰囲気又は水素を含む不活性雰囲気で
700〜1500℃の温度でアニール処理する発光材料
の製造方法である。請求項7に係る発明は、図3に示す
ように半導体基板16上に粒径がナノメートルオーダー
のシリコン微結晶粒子12又はゲルマニウム微結晶粒子
がシリコン窒化物多結晶体13中にドット状に分散した
発光層11が形成された発光素子20である。請求項1
に係る発光材料を発光層11とすることにより、発光効
率が高く、発光減衰速度の速い発光素子が得られる。
【0009】
【発明の実施の形態】シリコン窒化物多結晶体中に分散
する半導体微結晶は、シリコン窒化物と格子定数が大き
く相違しないシリコン微結晶又はゲルマニウム微結晶で
ある。シリコン窒化物多結晶体中に分散するこの微結晶
粒子の粒径は10ナノメートル以下である。微結晶粒子
の粒径を10ナノメートル以下にすることにより、発光
する波長を1100nm以下にすることができる。光フ
ァイバに適合した波長が得られる5ナノメートル以下が
好ましい。10ナノメートルを超えると、有効なキャリ
アの閉じ込み効果が得られず発光効率が低下する。この
粒径が小さくなる程、発光する波長は高エネルギ側、即
ち短波長側に移行する。シリコン窒化物多結晶体中に分
散するシリコン又はゲルマニウム微結晶粒子の好ましい
分散密度は1011〜1012/cm2である。このような
高い密度で分散させることにより3次元的に高密度に量
子ドットが形成され、発光強度が格段に高い発光材料が
得られる。
【0010】本発明の発光材料は次の2つの方法により
製造される。第1の製造方法は請求項4又は請求項5に
係る方法であって、図1に示すように減圧化学気相堆積
法又は化学気相堆積法により半導体基板16上に600
〜900℃の雰囲気温度でシリコン窒化物多結晶膜13
aとシリコン微結晶粒子12又はゲルマニウム微結晶粒
子とを交互に堆積する。堆積するときの雰囲気温度が低
いとアモルファスシリコン窒化膜とアモルファスシリコ
ンが生成するのに対して、堆積温度を600〜900℃
に設定することにより多結晶のシリコン窒化膜13aと
多結晶のシリコン粒子12又はゲルマニウム粒子が生成
する。
【0011】多結晶のシリコン窒化膜13aと多結晶の
シリコン粒子12又はゲルマニウム粒子を堆積した後、
堆積後の半導体基板16を少なくとも真空中、不活性雰
囲気又は水素を含む不活性雰囲気で700〜1500℃
の温度でアニール処理することが好ましい。アニール温
度が700℃に満たない場合には、結晶欠陥の除去が不
十分となる。堆積後の半導体基板16を少なくとも真空
中、不活性雰囲気又は水素を含む不活性雰囲気で700
〜1500℃の温度でアニール処理すると、結晶欠陥を
除去できる。特にアニール雰囲気が水素を含む不活性雰
囲気である場合には、局在準位に悪影響を及ぼす結晶中
のダングリングボンドを水素で終端させて取り除くこと
ができる。
【0012】第2の製造方法は請求項6に係る方法であ
って、図2に示すように減圧化学気相堆積法又は化学気
相堆積法により半導体基板16上に600〜900℃で
シリコン窒化物多結晶膜13aとシリコン多結晶膜12
a又はゲルマニウム多結晶膜とを交互に堆積した後、半
導体基板16を少なくとも真空中、不活性雰囲気又は水
素を含む不活性雰囲気で700〜1500℃の温度でア
ニール処理する。堆積温度を600〜900℃に設定す
ることにより多結晶のシリコン窒化膜13aと多結晶の
シリコン膜12a又はゲルマニウム膜が生成する。生成
したシリコン多結晶膜12a又はゲルマニウム多結晶膜
を少なくとも真空中、不活性雰囲気又は水素を含む不活
性雰囲気で700〜1500℃の温度でアニール処理或
いはレーザ照射すると、シリコンの析出が起こり、図1
に示すようにドット状のシリコン微結晶粒子12又はゲ
ルマニウム微結晶粒子になる。堆積温度が低い場合に
は、シリコン多結晶膜又はゲルマニウム多結晶膜が得ら
れない。またアニール温度が低い場合には、ドット状の
シリコン微結晶粒子又はゲルマニウム微結晶粒子が得ら
れず、また結晶欠陥も除去できない。
【0013】なお、第1及び第2の製造方法とも、シリ
コン微結晶粒子12又はゲルマニウム微結晶粒子の粒径
はその微結晶粒子又はその多結晶膜の堆積条件を変えて
粒径又は膜厚を制御することにより、変えることができ
る。またその粒径もナノメートルオーダーに揃えること
ができる。また本発明の製造方法は、高価な分子線エピ
タキシー(MBE)法や有機金属気相成長(MOCV
D)法を用いずに、既存のシリコン電子デバイス製造に
広く用いられる減圧化学気相堆積法又は化学気相堆積法
により安価にかつ簡便に行うことができる。
【0014】請求項7に係る発明では、図3に示すよう
に半導体基板16上に請求項1に係る発光材料からなる
発光層11が形成される。この半導体基板としてはシリ
コン基板が好ましい。この発光素子20は、半導体基板
16が例えばp型のシリコン基板である場合には、発光
層11上にクラッド層となるn型のシリコン層17を形
成する。半導体基板16がn型のシリコン基板である場
合には、発光層11上にp型のシリコン層17を形成す
る。このシリコン層17は発光層11に続いて同一の減
圧化学気相堆積装置又は化学気相堆積装置で行うと効率
的である。シリコン層17を形成した後、シリコン層1
7の上面及び半導体基板16の下面にそれぞれ電極18
及び19を形成することにより、LED発光素子20が
得られる。シリコン層17上の電極18は発光層の発光
面積を広くとるため、シリコン層17の一部に形成され
る。
【0015】
【実施例】次に本発明の実施例を図面に基づいて説明す
る。第2の製造方法で減圧化学気相堆積装置を用いて下
記の条件でシリコン基板上にシリコン窒化物多結晶膜と
シリコン多結晶膜とを交互に堆積した。即ち、通常のR
CA洗浄を施した結晶方位が(001)面であるシリコ
ンウェーハをシリコン基板として、この基板上に700
℃の雰囲気温度でシリコン窒化膜とシリコン膜を交互に
成長させた。シリコン窒化膜はSiH2Cl2ガスとNH
3ガスをそれぞれガス流量50cc/min及び100
0cc/minでガス圧0.3Torrの条件で堆積し
た。一方シリコン膜はSiH2Cl2ガスをガス流量50
cc/minでガス圧0.3Torrの条件で堆積し
た。堆積した膜厚はシリコン窒化膜及びシリコン膜のそ
れぞれが4ナノメートルと2ナノメートル分に相当し、
シリコン窒化膜を6層、シリコン膜を5層分積層した。
得られた積層体をランプアニール炉を用いて、水素を含
む不活性ガス雰囲気中で1000℃の温度で30分間ア
ニール処理して発光材料を得た。この発光材料の断面を
透過型電子顕微鏡(TEM)で観察したところ、ナノメ
ートルオーダーの大きさの揃ったドット状のシリコン微
結晶粒子がシリコン窒化物多結晶体中に周期的に分散し
ていることが確認された。
【0016】上記発光材料を使用してLED発光素子を
作製した。図3に示すようにp型のシリコン基板16上
に形成された発光材料を発光層11とし、この発光層1
1上に減圧化学気相堆積装置を用いてn型のシリコン層
17を形成した。即ち、同一の減圧化学気相堆積装置で
発光層11とシリコン層17を形成した。この装置から
基板16を取出して、このn型シリコン層17の上面及
びp型シリコン基板16の下面にそれぞれスパッタリン
グにより電極18及び19を形成して、LED発光素子
20を作製した。このようにして作製された発光素子2
0の電極18及び19に通電して、エレクトロルミネッ
センス(EL)を測定した。その結果を図4に示す。図
4から明らかなように、約650ナノメートルをピーク
とするエレクトロルミネッセンスを確認した。
【0017】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の発光材料は
シリコン基板のような半導体基板上に直接作製すること
ができる。また、粒径がナノメートルオーダーの粒径の
揃ったシリコン微結晶粒子又はゲルマニウム微結晶粒子
の半導体粒子がシリコン窒化物多結晶体中にドット状に
分散した構造を有するから、発光効率が高く、発光波長
の制御が可能で発光減衰速度の速い。また減圧化学気相
堆積法又は化学気相堆積法とアニール処理という従来の
簡便な工程を利用して安価に発光材料を製造できる利点
もある。また上記半導体粒子の粒径を変えることによ
り、発光波長の制御が可能であるため、光インターコネ
クションの分野で使用される各種の光ファイバに適合し
た波長を発光する発光素子を作り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の発光材料の構成を示す模式断面図。
【図2】本発明の第2の製造方法で作られるアニール前
の発光材料の構成を示す模式断面図。
【図3】本発明の発光素子の断面図。
【図4】その発光素子の発光波長と発光強度を示す図。
【符号の説明】
10 発光材料 11 発光層 12 シリコン微結晶粒子 12a シリコン多結晶膜 13 シリコン窒化物多結晶体 13a シリコン窒化物多結晶膜 16 半導体基板(シリコン基板) 20 発光素子

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒径がナノメートルオーダーのシリコン
    微結晶粒子(12)又はゲルマニウム微結晶粒子がシリコン
    窒化物多結晶体(13)中にドット状に分散した発光材料。
  2. 【請求項2】 シリコン微結晶粒子(12)又はゲルマニウ
    ム微結晶粒子の粒径が10ナノメートル以下である請求
    項1記載の発光材料。
  3. 【請求項3】 シリコン微結晶粒子(12)又はゲルマニウ
    ム微結晶粒子が1011〜1012/cm2の密度で分散し
    た請求項1又は2記載の発光材料。
  4. 【請求項4】 減圧化学気相堆積法又は化学気相堆積法
    により半導体基板(16)上に600〜900℃でシリコン
    窒化物多結晶膜(13a)とシリコン微結晶粒子(12)又はゲ
    ルマニウム微結晶粒子とを交互に堆積する発光材料の製
    造方法。
  5. 【請求項5】 シリコン窒化物多結晶膜(13a)とシリコ
    ン微結晶粒子(12)又はゲルマニウム微結晶粒子とを交互
    に半導体基板(16)上に堆積した後、前記半導体基板(16)
    を少なくとも真空中、不活性雰囲気又は水素を含む不活
    性雰囲気で700〜1500℃の温度でアニール処理す
    る請求項4記載の発光材料の製造方法。
  6. 【請求項6】 減圧化学気相堆積法又は化学気相堆積法
    により半導体基板(16)上に600〜900℃でシリコン
    窒化物多結晶膜(13a)とシリコン多結晶膜(12a)又はゲル
    マニウム多結晶膜とを交互に堆積した後、前記半導体基
    板(16)を少なくとも真空中、不活性雰囲気又は水素を含
    む不活性雰囲気で700〜1500℃の温度でアニール
    処理する発光材料の製造方法。
  7. 【請求項7】 半導体基板(16)上に粒径がナノメートル
    オーダーのシリコン微結晶粒子又はゲルマニウム微結晶
    粒子(12)がシリコン窒化物多結晶体(13)中にドット状に
    分散した発光層(11)が形成された発光素子。
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