JP2003031112A - 冷陰極電子源 - Google Patents

冷陰極電子源

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JP2003031112A
JP2003031112A JP2001215958A JP2001215958A JP2003031112A JP 2003031112 A JP2003031112 A JP 2003031112A JP 2001215958 A JP2001215958 A JP 2001215958A JP 2001215958 A JP2001215958 A JP 2001215958A JP 2003031112 A JP2003031112 A JP 2003031112A
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cathode electron
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electron source
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Hiroo Hongo
廣生 本郷
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J1/00Details of electrodes, of magnetic control means, of screens, or of the mounting or spacing thereof, common to two or more basic types of discharge tubes or lamps
    • H01J1/02Main electrodes
    • H01J1/30Cold cathodes, e.g. field-emissive cathode
    • H01J1/308Semiconductor cathodes, e.g. cathodes with PN junction layers

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  • Cold Cathode And The Manufacture (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 冷陰極電子源を構成する絶縁膜における負担
を軽減することによって、寿命を延ばすことができると
ともに、安定性を向上させることができる冷陰極電子源
を提供する。 【解決手段】 P型半導体基板1に2つのソース・ドレ
イン領域2を形成し、P型半導体基板1の表面(ソース
・ドレイン領域2が形成されている面)に絶縁膜として
のシリコン酸化膜3を形成し、そのシリコン酸化膜3の
上にゲート電極4を備える。また、P型半導体基板1の
裏面に基板電極5を備える。ソース・ドレイン領域2お
よびゲート電極2に同電位の電圧を印加し、基盤電極5
には、それよりも低い電圧を印加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体基板中の電
子が絶縁膜をトンネルすることによって外部に放出され
る冷陰極電子源に関する。
【0002】
【従来の技術】図5は、一般的な冷陰極電子源の構成例
を示す断面図である。図5に示す冷陰極電子源は、半導
体(n型半導体等)基板10の上にシリコン酸化物等を
組成とする絶縁膜11が形成され、絶縁膜11の上に表
面電極層(ゲート電極)12が形成された構成になって
いる。すなわち、図5に示す冷陰極電子源は、半導体−
絶縁体−金属の材料構成からなる。また、半導体の代わ
りに金属が用いられることもある。すなわち、冷陰極電
子源は、金属−絶縁体−金属の材料構成からなることも
ある。
【0003】なお、図5に示すような一般的な冷陰極電
子源の構成は、例えば、”Journalof Vacuum Science a
nd Technology, Vol. BII, pp429-432 ”(1993年
American Vacuum Society 発行)にも開示されてい
る。
【0004】図5に示す冷陰極電子源において、表面電
極層12から真空中に電子を放出させるために、n型半
導体基板10の伝導帯に存在する電子をトンネル効果に
よって絶縁膜11を通過させて表面電極層12に引き出
す必要があり、また、引き出された電子を放出するため
に電子のエネルギーを真空準位より大きくする必要があ
る(図6参照)。そのために、表面電極層12と半導体
基板10との間に表面電極層12の側が正極性となるよ
うに電圧を印加する必要がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、図5に示す冷
陰極電子源では、表面電極層12とn型半導体基板10
との間に電圧を印加することにより放出電子を得ている
ので、電子を放出させる場合には、絶縁膜11に強電界
が印加される。絶縁膜11に強電界が印加されている状
態で絶縁膜11に電子が注入された場合には、絶縁膜1
1の寿命が短くなることが知られている。シリコン酸化
物を用いた絶縁膜への印加電圧の絶縁膜の寿命への影響
については、例えば、”IEEE Transactions on Electro
n Devices,Vol. ED-32, No.2, pp413-422”(1985
年)に示されている。
【0006】すなわち、(1)図7(a)に示すよう
に、シリコン酸化物を用いた絶縁膜11に強電界が印加
されている状態でn型半導体基板10から電子が注入さ
れると、それらの電子は電界によって加速される。
(2)加速された電子は、大きなエネルギーを持つこと
になり、表面電極層12付近の絶縁膜11内で電子−正
孔対を励起する。(3)励起された正孔は、電界によっ
て半導体基板10側に引き寄せられるうちに絶縁膜11
中の欠陥に捕獲され、図7(b)に示すように、絶縁膜
11において局所的な電界が発生する。(4)絶縁膜1
1に局所的な電界が発生することにより、絶縁膜11の
厚さが実効的に薄くなり、絶縁膜11に注入される電子
数が増加する。(5)(1)〜(4)までの過程が正帰
還になることにより、絶縁膜11に局所的な電界が蓄積
され、絶縁膜11の耐圧以上の電圧が発生することによ
って、絶縁膜11は破壊される。なお、絶縁膜11に外
部から印加される電圧が大きいほど、絶縁膜11におい
て電子−正孔対が発生する確率は増加する。
【0007】以上に述べたように、従来の冷陰極電子源
では、シリコン酸化物を用いた絶縁膜11に強電界が印
加されているので、励起された電子−正孔対によって発
生した正孔が電界によって半導体基板10側に引き寄せ
られ、また、注入された電子がエネルギーを増大させ
る。正孔が半導体基板10側に引き寄せられることによ
って、半導体基板10側で、正孔がより捕獲され易くな
り、局所的なポテンシャルを下げ、酸化膜を実効的に薄
くする影響がゲート電極側でのそれより顕著にな る。
また、電界により電子がエネルギーを増大させること
で、電子−正孔対を励 起する確率が増大する。その結
果、絶縁膜11の寿命が短くなってしまう。
【0008】そこで、本発明は、冷陰極電子源を構成す
る絶縁膜における負担を軽減することによって、寿命を
延ばすことができるとともに、安定性を向上させること
ができる冷陰極電子源を提供することを目的とする。
【0009】なお、特開平6−162918号公報に
は、pn結合に逆バイアス電圧を印加することにより、
キャリア濃度が高いp型半導体領域においてアバランシ
ュ降伏を発生させることによって電子をホット化し、そ
の電子を電子放出部から放出する半導体電子放出素子に
関する発明が開示されている。特に、その公報には、高
濃度のp型半導体領域から外側に向かって同心円状にキ
ャリア濃度が低いp型半導体を形成することによって、
効率よくアバランシュ降伏を生じさせる半導体電子放出
装置が開示されている。
【0010】しかし、特開平6−162918号公報に
は、図5に示すような、半導体基板中に存在する電子を
トンネル効果によって絶縁膜11を通過させて表面電極
側に引き出す冷陰極電子源における絶縁膜の負担を軽減
させる構成については開示されていない。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明による冷陰極電子
源は、電子発生源としてp型半導体を用いた冷陰極電子
源であって、p型半導体中で強電界によって発生した価
電子帯中の電子−正孔対の電子を放出電子とすることを
特徴とする。
【0012】また、冷陰極電子源は、p型半導体の荷電
子帯中で強電界によって発生した電子−正孔対のうち電
子をバンド間トンネルによって伝導帯へ引き出して放出
電子とする。
【0013】冷陰極電子源の好ましい構造は、p型半導
体の半導体基板上にソース・ドレイン領域が形成され、
半導体基板の上に絶縁膜が設けられ、絶縁膜の上に半導
体基板からの電子を外部に放出するためのゲート電極層
が設けられた構造である。
【0014】ソース・ドレイン領域およびゲート電極層
とが同電位の電圧とされ、半導体基板には、その電圧よ
りも低い電圧が印加されることが好ましい。そのように
すれば、半導体基板中に高電界を発生させることができ
るので、半導体基板中の価電子帯にある電子をバンド間
トンネルさせることによって、ゲート電極層から放出さ
せることができる。また、絶縁膜中に電界を発生させる
ことを抑えることができるので、注入された電子によっ
て絶縁膜が破壊されることを防止することができる。ソ
ース・ドレイン領域およびゲート電極層には、例えば、
0Vの電圧が印加され、半導体基板には、例えば、−5
〜−30Vの電圧が印加される。
【0015】ゲート電極層は、金属または不純物が混入
した多結晶あるいはアモルファス半導体で形成されても
よい。そのように形成することによって、ゲート電極層
における導電性を向上させることができる。
【0016】絶縁膜は、シリコン酸化膜またはアルミニ
ウム酸化膜によって形成されてもよい。
【0017】半導体基板、絶縁膜およびゲート電極層
は、エピタキシャル成長によって形成されてもよい。半
導体基板、絶縁膜およびゲート電極層は、例えば、ヘテ
ロエピタキシャル構造で構成される。
【0018】ソース・ドレイン領域の不純物濃度は、1
15〜1019cm−3であることが好ましい。ソー
ス・ドレイン領域の不純物濃度をそのような濃度にする
ことによって、ソース・ドレイン領域とソース・ドレイ
ン電極との間のコンタクト抵抗を下げることができると
ともに、ソース・ドレイン領域における結晶性が悪くな
ることを防止することができる。
【0019】ソース・ドレイン領域は、半導体基板にお
いて2箇所形成され、ゲート電極層は、ソース・ドレイ
ン領域の間に属する位置に設けられていてもよい。その
ようにすれば、半導体基板において、一のソース・ドレ
イン領域と他のソース・ドレイン領域とによって囲まれ
た領域にチャネルを生成することができ、そのチャネル
の電圧制御は可能なので、絶縁膜内に電界が発生するこ
とを防止することができる。
【0020】ソース・ドレイン領域は、半導体基板にお
いてドーナツ状に形成され、ゲート電極は、ソース・ド
レイン領域によって囲まれている位置に設置されてもよ
い。このような構成にしても、絶縁膜内に電界が発生す
ることを防止することができる。
【0021】半導体基板の不純物濃度は、1015〜1
19cm−3であることが好ましい。半導体基板の不
純物濃度をそのような濃度にすることによって、半導体
基板において、一のソース・ドレイン領域と他のソース
・ドレイン領域とによって囲まれた領域にチャネルを生
成することができ、チャネルの電圧制御は可能なので、
半導体基板におけるエネルギーバンドの曲がりを制御す
ることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明による実施の形態に
ついて図面を参照して説明する。図1は、本発明による
冷陰極電子源の一構成例を示す断面図である。
【0023】図1に示す冷陰極電子源は、p型半導体基
板1、ソース・ドレイン領域(n型半導体)2、絶縁膜
としてのシリコン酸化膜3、ゲート電極(表面電極層)
4、基板電極5、素子分離用酸化膜7およびソース・ド
レイン電極9を備えた構成になっている。
【0024】p型半導体基板1の上部の2箇所には、ソ
ース・ドレイン領域2が形成されている。p型半導体基
板1の裏面には基板電極5が接触している。ソース・ド
レイン領域2の上面(表面)には、ソース・ドレイン電
極9が接触している。ソース・ドレイン電極9の側面に
は、素子分離用酸化膜7が接触している。素子分離用酸
化膜7の高さは、ソース・ドレイン電極9の高さより低
くなっている。
【0025】素子分離用酸化膜7の下面には、p型半導
体基板1の上面が接触している。素子分離用酸化膜7の
上面には、シリコン酸化膜3が接触している。p型半導
体基板1の上面において、一のソース・ドレイン領域2
と他のソース・ドレイン領域2との間に属する部分に
は、シリコン酸化膜3が接触している。シリコン酸化膜
3の上面にはゲート電極4が接触している。素子分離用
酸化膜7の側面のうち、ゲート電極4の側面と向かい合
う部分には、シリコン酸化膜3が接触している。
【0026】p型半導体基板1は、不純物濃度が10
15〜1019cm−3程度のp型Si半導体で構成さ
れている。p型半導体基板1の不純物濃度をこのような
値にすることによって、p型半導体基板1におけるエネ
ルギーバンドの曲がりが急峻になることを防止すること
ができる。
【0027】ソース・ドレイン領域2は、不純物濃度が
1015〜1019cm−3程度のn型シリコン層で構
成されている。ソース・ドレイン領域2の不純物濃度を
このような値にすることによって、ソース・ドレイン領
域2とソース・ドレイン電極9との間のコンタクト抵抗
を低く抑えることができる。また、ソース・ドレイン領
域2の結晶性を悪化させることを防止することができ
る。素子分離用酸化膜7は、厚さ150nm程度のSi
等で構成され、素子分離のために設けられている。
素子分離用酸化膜7は、例えば熱酸化によって形成され
る。
【0028】シリコン酸化膜3は、2nmから30nm
程度の膜厚で形成されている。シリコン酸化膜3は、素
子分離用酸化膜7と同じ材料で構成されてもよい。ゲー
ト電極4は、厚さ1nmから20nm程度のPtやAu
等の金属で構成されている。ソース・ドレイン電極9は
コンタクト電極である。基板電極5は、AlやAuの金
属で構成された電極である。基板電極5は、p型半導体
基板1の裏面に蒸着されている。
【0029】次に、図1に示す冷陰極電子源での電子放
出動作について、図2に示すエネルギーバンド図を参照
して説明する。
【0030】図2には、ソース・ドレイン電極9、ゲー
ト電極4および基板電極5に電圧が印加された場合のゲ
ート電極4の下の部分のエネルギーバンド状態が示され
ている。すなわち、p型半導体基板1、シリコン酸化膜
3およびゲート電極4におけるエネルギーバンド状態が
示されているとともに、真空6のエネルギーバンド状態
(真空準位)が示されている。
【0031】p型半導体基板1を電子源として動作させ
るために、ゲート電極4、基板電極5およびソース・ド
レイン電極9に電圧を印加する。このとき、ゲート電極
4およびソース・ドレイン電極9に、同電位の電圧(例
えば、0V)を印加する。MOS型トランジスタの場合
と同様に、p型半導体基板1において、ソース・ドレイ
ン領域2によって挟まれた領域にチャネルを形成し、そ
の領域の電位を制御することは可能である。従って、シ
リコン酸化膜3の表面(ゲート電極4に接する面)およ
び裏面(p型半導体基板1に接する面)に印加される電
圧を同一にすることができる。また、基板電極5に、−
5〜−30ボルト程度の電圧を印加する。すると、p型
半導体基板1内では、ゲート電極4から基板電極5に向
かう強電界が発生する。
【0032】p型半導体基板1内では、強電界によっ
て、ゲート電極4の真下の部分では電子−正孔対(el
ectron−hole pair)が発生する。正孔
は、負にバイアスされている基板電極5の方向に引き寄
せられる。一方、電子は、バンド間トンネルによってゲ
ート電極4の方向に引き寄せられる。すなわち、強電界
によって価電子帯で発生した電子は、伝導帯へバンド間
トンネルしたあとに、ゲート電極4の方向に引き寄せら
れる。
【0033】ゲート電極4に十分近い場所で発生した電
子は、電界によって加速され、そのエネルギーを保持し
たままシリコン酸化膜3に到達する。そして、シリコン
酸化膜3の障壁高さよりも高いエネルギーを持つ電子
は、シリコン酸化膜3の障壁を越え、一部そのエネルギ
ーを失いながらゲート電極4を通過してゲート電極4か
ら真空中に放出される。また、シリコン酸化膜3の厚さ
が十分に薄ければ、シリコン酸化膜3の障壁高さよりも
低いエネルギーを持つ電子も、小さい確率ながらも、シ
リコン酸化膜3をトンネルし、一部そのエネルギーを失
いながらゲート電極4を通過してゲート電極4から真空
中に放出される。
【0034】このとき、シリコン酸化膜3に注入される
電子のエネルギーが、シリコン酸化膜3の伝導帯端から
測ってシリコン酸化膜3中でのバンドギャップエネルギ
ー(約9eV)より小さいエネルギーになるように、基
板電極5に印加する電圧を制御するとよい。そうするこ
とにより、シリコン酸化膜3中での電子−正孔対の発生
率をさらに低減させることができる。
【0035】次に、図1に示す冷陰極電子源の作製プロ
セスについて、図3を参照して説明する。図3は、図1
に示す冷陰極電子源の作製プロセスを説明するための工
程図である。
【0036】不純物濃度が1015−1019cm−3
程度のp型半導体基板1の上面に、厚さ150nm程度
のSiOを素子分離用酸化膜7として形成する(図3
(a)参照)。素子分離用酸化膜7は、熱酸化によって
形成される。次に、素子分離用酸化膜7の上面に、レジ
スト8を塗布し、ドライエッチング等の工程を経て、電
界効果型トランジスタ作製の場合と同様に、p型半導体
基板1にイオン注入(イオン打ち込み)等をすることに
よってソース・ドレイン領域2を形成する(図3(b)
参照)。このとき、ソース・ドレイン領域2とソース・
ドレイン電極9との間のコンタクト抵抗を低くするため
に、ソース・ドレイン領域2の不純物濃度は、1015
−1019cm−3程度であることが望ましい。次に、
素子分離用酸化膜7を形成するために、ソース・ドレイ
ン領域2の表面に厚さ150nm程度のSiOを熱酸
化などによって形成する。
【0037】そして、素子分離用酸化膜7から2つのソ
ース・ドレイン領域2によって挟まれた部分(電子放出
部分)をウェットエッチングによって除去し、p型半導
体基板1の上方から見て露出している部分(素子分離用
酸化膜7の上面、側面、p型半導体基板1の上面)に厚
さ2nmから30nm程度のシリコン酸化膜3を熱酸化
などの手法を用いて形成する(図3(c)参照)。
【0038】さらに、素子分離用酸化膜7およびシリコ
ン酸化膜3のソース・ドレイン領域2の上に位置する部
分に、ソース・ドレイン電極9を埋め込むためのコンタ
クト穴をウェットエッチングによって形成し、コンタク
ト穴にソース・ドレイン電極9を形成する。そして、シ
リコン酸化膜3の電子放出部分に厚さ1nmから30n
m程度の表面金属Pt、Au等をゲート電極4として形
成する。また、p型半導体基板1の裏面にAlやAu等
の金属を蒸着させることによって、基板電極5を形成す
る(図3(d)参照)。なお、ゲート電極4よりも、ソ
ース・ドレイン電極9を先に形成してもよい。
【0039】以上のように、本実施の形態によれば、図
3(a)〜(d)に示すような工程を経ることによって
図1に示すような冷陰極電子源が生成される。そして、
その冷陰極電子源では、ゲート電極4とp型半導体基板
1との間に電位差を設けることなしに、冷陰極電子源か
ら電子を放出させることができる。すなわち、シリコン
酸化膜3内に電界が発生しないので、シリコン酸化膜3
中で電子が加速されない状況でシリコン酸化膜3に電子
を注入することができる。従って、シリコン酸化膜3に
注入された電子のエネルギーが増大することがないの
で、シリコン酸化膜3内で電子−正孔対が励起される確
率を低く抑えることができる。
【0040】また、シリコン酸化膜3内に電界が発生せ
ず、電子−正孔対が励起される確率を低く抑えることが
できるので、一般的な冷陰極電子源のように、励起され
た正孔がp型半導体基板1の方に引き寄せられるうちに
欠陥に捕獲されることにより、シリコン酸化膜3に局所
的な電界が発生することを防止することができる。すな
わち、シリコン酸化膜3に耐圧以上の電圧が発生するこ
とを防止することができる。従って、シリコン酸化膜3
の負担を軽減させることができるので、シリコン酸化膜
3の寿命を延ばすことができるとともに、安定性を向上
させることもできる。
【0041】なお、上記の実施の形態にでは、シリコン
酸化膜3を絶縁膜として用いた例について示したが、他
の絶縁材料を用いて絶縁膜を形成してもよい。例えば、
アルミニウム酸化膜(Al等)を絶縁膜として用
いてもよい。また、ゲート電極4をアモルファス半導
体、多結晶半導体を用いて形成してもよい。このとき、
ゲート電極4に不純物を導入することによって、導電性
を得ることが望ましい。さらに、p型半導体基板1を半
導体基板として用いた例について示したが、シリコン以
外の半導体を用いた半導体基板を用いてもよい。
【0042】また、半導体基板、絶縁層およびゲート電
極層は、GaAs/AlGaAsやInP/GaInA
sなどの化合物半導体をヘテロエピタキシャル成長させ
ることによって生成してもよい。すなわち、ヘテロエピ
タキシャル成長によって得られた単結晶半導体を用いて
もよい。ゲート電極層には、電極の抵抗を下げるため
に、高濃度(1016cm−3程度)の不純物が導入さ
れたn型半導体を用いることが望ましい。また、厚さも
100nm程度以下であることが望ましい。さらに、絶
縁層には、真性半導体(i型半導体)を用いることが望
ましい。
【0043】さらに、上記の実施の形態では、p型半導
体基板1に2つのソース・ドレイン領域2(ソース・ド
レイン電極9)が形成されている例について示したが、
図4に示すように、p型半導体基板1にソース・ドレイ
ン電極9をドーナツ型に形成してもよい。また、ソース
・ドレイン電極9の形状は、ドーナツ型に限定されな
い。例えば、ソース・ドレイン電極9は、多角形でもよ
い。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、冷陰極電子源を、p型
半導体中で強電界によって発生した価電子帯中の電子−
正孔対の電子を放出電子とするように構成したので、絶
縁膜における負担を軽減することによって、寿命を延ば
すことができるとともに安定性を向上させることができ
る効果がある。
【0045】また、冷陰極電子源を、半導体基板上にソ
ース・ドレイン領域が形成され、ソース・ドレイン領域
が形成された半導体基板の上に絶縁膜が設けられ、絶縁
膜の上に半導体基板からの電子を外部に放出するための
ゲート電極層が設けられ、ソース・ドレイン領域および
ゲート電極層には、同電位の電圧が印加され、半導体基
板には、その電位よりも低い電位の電圧が印加される構
成としたので、半導体基板とゲート電極との間に電位差
を設けることなしに、半導体基板中の電子を放出させる
ことができる。従って、絶縁膜内に電界が発生すること
がないので、絶縁膜に注入された電子によって絶縁膜が
破壊されることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による冷陰極電子源の一構成例を示す
断面図である。
【図2】 図1に示す冷陰極電子源に電圧が印加された
場合のエネルギーバンド状態を示したエネルギーバンド
図である。
【図3】 図1に示す冷陰極電子源の作製プロセスを説
明するための工程図である。
【図4】 本発明による冷陰極電子源の他の構成を上方
から見た上面図である。
【図5】 一般的な冷陰極電子源の構成例を示す断面図
である。
【図6】 図5に示す冷陰極電子源におけるエネルギー
バンド状態を示したエネルギーバンド図である。
【図7】 図5に示す冷陰極電子源に電圧を印加した時
に絶縁膜が破壊される過程を説明するための説明図であ
る。
【符号の説明】
1 p型半導体基板 2 ソース・ドレイン領域 3 シリコン酸化膜 4 ゲート電極 5 基板電極 6 真空 7 素子分離用酸化膜 8 レジスト 9 ソース・ドレイン電極

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子発生源としてp型半導体を用いた冷
    陰極電子源であって、 前記p型半導体中で強電界によって発生した価電子帯中
    の電子−正孔対の電子を放出電子とすることを特徴とす
    る冷陰極電子源。
  2. 【請求項2】 p型半導体の荷電子帯中で強電界によっ
    て発生した電子−正孔対のうち電子をバンド間トンネル
    によって伝導帯へ引き出して放出電子とする請求項1記
    載の冷陰極電子源。
  3. 【請求項3】 p型半導体の半導体基板上にソース・ド
    レイン領域が形成され、前記半導体基板の上に絶縁膜が
    設けられ、前記絶縁膜の上に電子を外部に放出するため
    のゲート電極層が設けられた請求項1または請求項2記
    載の冷陰極電子源。
  4. 【請求項4】 ソース・ドレイン領域とゲート電極層と
    が同電位にされ、半導体基板には、その電圧よりも低い
    電圧が印加される請求項3記載の冷陰極電子源。
  5. 【請求項5】 ソース・ドレイン領域およびゲート電極
    層に印加される電圧は0Vである請求項4記載の冷陰極
    電子源。
  6. 【請求項6】 ゲート電極層は、金属または不純物が混
    入した多結晶あるいはアモルファス半導体で形成された
    請求項3から請求項5のうちいずれか1項に記載の冷陰
    極電子源。
  7. 【請求項7】 絶縁膜は、シリコン酸化膜またはアルミ
    ニウム酸化膜によって形成された請求項3から請求項6
    のうちいずれか1項に記載の冷陰極電子源。
  8. 【請求項8】 半導体基板、絶縁膜およびゲート電極
    は、エピタキシャル成長によって形成された請求項3か
    ら請求項7のうちいずれか1項に記載の冷陰極電子源。
  9. 【請求項9】 ソース・ドレイン領域の不純物濃度は、
    1015〜1019cm−3である請求項3から請求項
    8のうちいずれか1項に記載の冷陰極電子源。
  10. 【請求項10】 ソース・ドレイン領域は、半導体基板
    において2箇所形成され、ゲート電極層は、ソース・ド
    レイン領域の間に属する位置に設けられた請求項3から
    請求項9のうちいずれか1項に記載の冷陰極電子源。
  11. 【請求項11】 ソース・ドレイン領域は、半導体基板
    においてドーナツ状に形成され、ゲート電極は、ソース
    ・ドレイン領域によって囲まれている位置に設置された
    請求項3から請求項10のうちいずれか1項に記載の冷
    陰極電子源。
  12. 【請求項12】 p型半導体基板の不純物濃度は、10
    15〜1019cm である請求項1から請求項11
    のうちいずれか1項に記載の冷陰極電子源。
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